Avid Executive Report マルチプラットフォーム・メディア・パブリッシ ングの自動化 マルチプラットフォーム配信から生まれる新たなビジネスチャンス www.avid.com/jp コンテンツの制作・配信プロセスは、大きな転換期を迎えています。メディア は制作数、使用数のいずれもが飛躍的に増大し、そのコンテンツをいつ、どこで、どう視聴す るかは、視聴者が自分で選択しています。メディアへのアクセスを簡単にする新しい機器も、 市場に続々と投入されてきました。 • Nielsen(ニールセン)によれば、視聴者の 70%が、テレビを視聴しながらインターネ ット端末を操作しています。携帯電話で動画を視聴する人は、過去 3 年間で 2 倍に増 え、インターネットで動画を視聴する時間は、同時期に約 80%増えています。 • Microsoft(マイクロソフト)および Wunderman(ワンダーマン)による最近の調査 によれば、マルチスクリーン利用者の 69%は、同様のコンテンツを異なるスクリーン で視聴することで、コンテンツの有用性、関連性、情報性が増すと感じています。 • Borrell Associates(ボレル・アソシエイツ)によれば、米国テレビ放送局が得たイン ターネット広告からの収益は、前年比 41%増の 19.7 億ドルまで増え、2012 年には更 に 35 %の成長が予測されています。 • Deloitte(デロイト)によれば、成人の 61%が自分の SNS を管理しています。 消費者の選択肢は、かつてないほど幅広くなっています。メディア制作者は、マルチプラット フォーム配信によって、関連性の高いコンテンツを提供して、新たなビジネスチャンスとなる 幅広い需要に対応することができます。メディア企業が採算性のある新たな収益源を得るには、 全く異なるチームやシステムを、効率的にパブリッシング可能な組織へ統合しなくてなりませ ん。Avid® Integrated Media Enterprise (IME)は、メディア・ワークフローの合理化および自動 化、オープンな、または標準的な技術の活用、業界で最良の事例の採用を可能にする堅固な基 盤を提供します。 本書では、メディア企業が直面しているオペレーション上の課題に注目し、Avid マルチプラッ トフォーム配信ソリューションにより、マルチプラットフォーム・メディア・パブリッシング を自動化するサービス指向型の手法について考察します。 マルチスクリーン・メディア 技術の進歩により、メディアは様々な方法で視聴できるようになりました: • PVR、IPTV、VOD、PPV サービスを用いてテレビ番組をタイムシフト視聴する • IPTV、Web、ポータブル機器によりキャッチアップ視聴する • 番組視聴中に機器を変更する • テレビを視聴しながら、他の機器で付加コンテンツを視聴する • オリジナルのコンテンツを視聴前、視聴中、視聴後に、Web 上で補足情報を探す • テレビ放送前、放送中、放送後に、ソーシャルメディア・ネットワークを通じて視聴体 験を共有する このような消費習慣の変化により、コンテンツの制作者および配信者の業務には、大きな課題 が生じています。基本的にメディア企業は、業務コストを大きく増やすことなく、制作するコ ンテンツを増やさなくてはなりません。 映画配信には、現在、バージョニングの最も複雑な課題を見ることができます。2012 年 2 月に 開催された Hollywood Post Alliance(HPA)年次技術大会での発表において、Disney(ディズ ニー)の Mike Krause 氏は、世界公開されるメジャー映画では、通常、35,000 以上の異なる 配信用バージョンが作成される過程を説明しました: 1 映画作品名 x 26 ローカライズ:主要言語、作品名、クレジット、字幕 x3 アスペクト比:オリジナル、1.78、1.33 x3 ビデオ形式:HD/24p、NTSC、PAL x 150 配信形態:放送(OTA、ケーブル、有料チャンネル)、オンデマン (以上) ド、PPV、航空機、Blu-ray、DVD、コンボパック、ダウンロード、 オンライン・ストリーミング、テーマパーク、ライブ 配信フォーマット:ACES OpenEXR、DPX シーケンス、TIFF シーケ ンス、HDcamSR、ProResHQ QuickTime、MPEG-1、MPEG-2、 MPEG-4、AVC-HD、IMX、MXF、DigiBeta > 35,000 メジャー映画 1 本毎に作成される総バージョン数 注:上記の数には、本編のバージョンのみ含まれ、プロモーションやマーケティング資料、ま たは、Web、Blu-ray、DVD 用の特典映像等の付加コンテンツは含まれません。 この複雑性に加えて、コンテンツ管理システム(Content Management System、CMS)、コ ンテンツ・デリバリ・ネットワーク(Contents Delivery Network、CDN)、分析エンジンおよ びデジタル著作権管理システム(Digital Rights Management システム、DRM)と Web サイト との統合等、コンテンツ配信の調整管理にあたり避けて通れない課題が存在します。 サイロ型パブリッシング メディア企業は“ニューメディア”部門を新設して、配信におけるこれらの新課題に対処してき ました。コンテンツのカスタマイズと配信を担当する新部門では、多様な配信チャンネル用に、 専門のチームを作ります。この方法は問題を細分化するだけであり、その多くが方法論として 確立されていない新しい配信チャンネルを開発するチームから、主要コンテンツの作成に取り 組むチームを分離してしまいます。 放送 ニューメディア プロダクション 部門 これは、将来的に維持可能な手法とは言えません。以下は、サイロ型メディア配信ワークフ ローが抱える典型的な問題です: • 無用の複雑性:メディアの配信やコンテンツの共有に、人手に頼る手作業の処理が必要 • 労力の重複:ほとんどツールやインフラストラクチャを統合せずに、複数チームが同じ タスクを実行 • 非効率性とコスト:新たな部署、機器、人材の追加による運用経費の増大 • 限定的なアセットの再利用:メディア・ライブラリへのアクセスが最適化されずに活用 が不十分 • 制作クオリティの低下: プログラムを部署から部署へ移動するため、プログラムの継続 性が欠如 • 一貫性に欠けるブランド:異なるチームが管理する複数の経路にわたり、ブランドを継 続維持する上での問題 統合的メディア・パブリッシング 報道やスポーツからテレビ制作まで、放送業界のあらゆる分野において、オリジナル・コンテ ンツを作成し、オンライン、VOD、ポータブル機器等、増え続ける配信チャンネルへ配信する 能力は不可欠なものとなっています。その最も効率的かつ経済的な方法として、Avid が開発し てきたマルチプラットフォーム配信ソリューションは: “1 対多数”のパブリッシング・ワークフローを可能にします • テレビ番組、Web 記事、携帯コンテンツ、ソーシャルメディア・メッセージ等の統合 コンテンツを形成する種々のコンテンツを、単一のユーザー・インターフェースから作 成可能 • NewsCutter®、Media Composer®、Interplay® Central 等の制作ツールから、あらゆる オンライン・ビデオプラットフォームへ直接出力するパブリッシング・オプションを搭 載 • Avid がサポートする新たな MXF 規格標準 AS-02 に基づき、マルチバージョン・マス ター作成ワークフローと統合 あらゆるプラットフォーム向けにコンテンツを作成、カスタマイズ、配信 オートメーション効率を拡大します • 繰り返しが可能なテンプレート主導型ワークフローを実装して、コンテンツの配信に要 する手順を大幅に削減 • トランスコードや配信物のパッケージ化等、コンテンツの変換と配信タスクを自動化 • 放送や新しいメディア部門にわたり、全く異なるツールやインフラストラクチャを統合 • 全ての部門から共有のコンテンツ・ライブラリへ確実にアクセス可能 お客様の環境に統合します • URL の自動作成および埋め込み機能も備えて、Facebook や Twitter 等のソーシャルメ ディア・サイト、YouTube 等のメディア集積サイトを直接統合 • Web サービス・インターフェースを活用して、Web コンテンツ管理システム、オンラ イン・ビデオプラットフォーム、コンテンツ配信ネットワーク等の Web コンテンツ制 作システムとテレビを統合 • カスタマイズ可能なビジネス・ロジックを活用して、メディア・パブリッシング・ワー クフローをユーザーのビジネスに適合 • 外部解析システムからのフィードバックを統合して、コンテンツ作成チームへ視聴者の 変化に関する最新情報を継続的に供給するインターフェースを提供 Avid マルチプラットフォーム配信ソリューション Avid マルチプラットフォーム配信(MPD)は、オープン・インフラストラクチャを活用して、 メディア・アセットを管理し、ワークフローをオーケストレーションするソリューションです。 Interplay MAM、Interplay Production、iNEWS®等、Web サービスのインターフェースを組み 込む、業界トップの Avid インフラストラクチャ・ソリューションは、集中オーケストレーショ ン・エンジンで稼働し、高性能な自動ワークフローへ簡単に統合できます。 オープンかつ柔軟な Avid ソリューションでは、Interplay MAM の高度なワークフロー・オーケ ストレーション機能を利用して、または、Enterprise Service Bus (ESB)等の標準 IT システムを 活用して、MPD ワークフローを稼働することができます。 統合されたコンテンツのカスタマイズ 多くのマルチプラットフォーム配信ソリューションでは、仕上がったコンテンツを配信用にト ランスコードするといった連続的な手法が取られます。しかし、この方法では異なる配信先用 にコンテンツをカスタマイズすることができません。一方、Avid 方式では、コンテンツの編集 工程に、メディアのパブリッシング・アップストリームが組み込まれているため、異なるバー ジョンを自由自在に作成できます。また、AS-02 等、マルチバージョン・マスタリング・ フォーマットを活用して、配信前に、コンテンツのバージョンを柔軟に作成することができま す。 拡張可能なクライアント・アプリケーション Avid MPD ソリューションにより、コンテンツ制作者は、高性能メディア・アプリケーション から、テンプレート主導型の自動パブリッシング・ワークフローを起動して、メディア・パブ リッシングを合理化することができます。例えば、HTML5 のような拡張性の高いオープン技 術に基づく Interplay Central では、マルチプラットフォーム配信を簡単にカスタマイズまたは 統合できます。 カスタムのソーシャルメディア・パネルを使用した Interplay Central のユーザー・インターフェース サービス指向型アーキテクチャ サービス指向型アーキテクチャを基本とする Avid MPD では、全く違う多様なシステムを統合 することができます。全てのコンポーネントは、共通のメッセージ・バスとオーケストレーシ ョン・レイヤで接続されます。既存の Web サービス・インターフェースを共通のサービス・ フレームワークに統合して、将来の変更も簡単に行えるカスタマイズ可能な統一ワークフロー へ、多様なシステムを統合することができます。 トランスコードサービスや Web コンテンツ管理システム等、一般的なサードパーティ製コン ポーネントに対応する標準コネクタを基に構築された Avid マルチプラットフォーム配信システ ムでは、ユーザーの環境にある既存コンポーネントを活用することができます。このように、 サービス指向型アーキテクチャの基本であるコンポーネントの疎結合は、システムが成熟する 過程において、その進化や順応に必要な敏捷性を提供します。 経験豊富なコンサルティングおよびインテグレーション・サービス しっかりと統合されたマルチプラットフォーム自動配信ソリューションの設計や設置には、か なりの経験と専門知識が必要です。これまで、1,000 例以上の導入実績と、高度な訓練を受け た数百名の業界プロフェッショナルをスタッフに擁する Avid Professional Service は、メディ ア企業における、コスト効率の良い自動ワークフローの導入を支援します。Avid と共に業界最 良の事例を組み込むメディア企業は、投資のリスクを削減し、投資からの収益を最大限に高め ることができます。 まとめ コンテンツ制作者およびコンテンツ配信者の両者に、マルチプラットフォーム・パブリッシン グは大きな課題を与えています。しかし同時に、これらの課題は、大きなビジネスチャンスで もあるのです。アセットベースの新しいワークフローは、メディア企業に、新しい配信形態か ら利益を挙げる、視聴率を上げる、関連性を高める、そして新しい収入源を開拓するために必 要な技術およびインフラストラクチャをもたらしています。 将来をしっかり見据えたメディア企業は、Avid マルチプラットフォーム配信ソリューションに より、メディア・パブリッシングを自動化した効率的な組織へと転換しています。 © 2012 Avid Technology, Inc. 無断転載・複写を禁じます。製品の機能、仕様、システム要件、および販売形態は、予告なく変更されることがあります。Avid、Avid のロ ゴ、iNEWS、Interplay、Media Composer、NewsCutter は米国およびその他の国の Avid Technology, Inc の登録商標または商標です。「Interplay」の名称は、Interplay Entertainment Corp. の許可を得て使用しています。同社は Avid の製品に対してなんら責任を負うところのものではありません。文中に記載されている商標はすべて、そ れぞれの所有者に帰属します。 MPDWP0412
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