ハイブリッドカー・ユーザーの皆さん、 実際に乗ってみていかが

Car Life Research : 2006年9月
ガリバー自動車研究所レポート
ハイブリッドカー・ユーザーの皆さん、
実際に乗ってみていかがですか?
ガソリン価格の高騰が続く現状からハイブリッドカーへの関心が高
まってはいるものの、なかなか実際のユーザーの声を聞くことは困
難。そこで今回はハイブリッド・ユーザーのみを集め、その購入理由
から満足度、さらには今後の乗り換え展望についても聞いてみた。
■調査概要
調査期間 2006年08月27日 ~ 30日
調査対象 自分名義でハイブリッドカーを保有している18歳以上のインターネットユーザー
調査実数 709サンプル(有効回答数)
調査方法 インターネット調査
調査企画 ガリバー自動車研究所
調査協力 C-NEWS
■主な設問
・現在、あなたが保有しているハイブリッドカーの車種名をお答えください。
・あなたがハイブリッドカーを購入した理由は?
・総合的に考えて、あなたは保有しているハイブリッドカーにどの程度満足していますか?
・あなたが保有するハイブリッドカーに満足している理由は?
・ハイブリッドカー(そのもの)に対して、燃費以外に望むことは何ですか?
・ハイブリッドカー全般に関して、自動車業界や国・自治体に望むことは何ですか?
・車を買い換えるとしたら、次もハイブリッドカーに乗りたいですか?
・一般的に、ハイブリッドカーのリセールバリュー は、ガソリン車と比べて高いと思いますか?
■レポートに関するお問い合わせ
株式会社ガリバーインターナショナル 広報部
〒100-6425 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルディング25F
TEL 03-5208-5501 FAX 03-5208-5501
■レポート総合企画/制作 佐藤 誠 (ガリバー自動車研究所)
Car Life Research : 2006年9月
ハイブリッドカー保有者の62%は「トヨタ・プリウス」
~ 84%が<燃費の良さ>、52%は<地球温暖化の防止>を考えてハイブリッド車を購入 ~
ハイブリッドカー保有者に絞った今回のアンケート調査。まずは「どのハイブリッドモデルに乗っている人が多いか?」を
調査。結果は当然のごとく、トヨタが1997年に世界で初めて市販したあの量産型ハイブリッドカーが最も多く、62%。また、
ハイブリッドカーの保有者の中から「自分で購入した人」のみにその購入理由を聞いたところ、こちらも当然<ガソリン車を
上回る燃費の良さ>が8割以上。ただし、<地球温暖化のことを考えて>という声も過半数以上いたのが印象的だった。
■今後はハイブリッド・ミニバンに注目!?
「トヨタ・エスティマ・ハイブリッド」の保有率は15%、「トヨタ・アルファード・ハイブリッド」は8%
Q
車種名
現在、あなたが保有しているハイブリッドカーの
をお答えください。 (709人、複数台お持ちの方は、最も利用頻度の高い一台について回答)
トヨタ/クルーガー
ホンダ/インサイト
ハイブリッド
1.1%
1.7%
ホンダ/シビック
日産/ティーノ
ハイブリッド
ハイブリッド
3.0%
0.8%
トヨタ/ハリアー
ハイブリッド
5.6%
レクサス/GS4 50 h
2.3%
トヨタ
トヨタ/アルファード
ハイブリッド
8.0%
プリウス
62.3%
トヨタ/エス ティマ
ハイブリッド
15.2%
Q
あなたがハイブリッドカーを購入した
このカテゴリーの“元祖”と言える「トヨタ・プリウ
ス」を保有している人が6割以上を占めることが
分かった。近年ではハリウッドのセレブ達が愛用
するなど世界的な認知度もあり、当分はこの「プ
リウス」の牙城が揺らぐことはないだろう。
ただ今後、その「プリウス」の地位を脅かすとし
たら、「トヨタ・エスティマ」や「トヨタ・アルファード」
といったハイブリッド・ミニバンが有力か?特に、
先代では走りに不満の声が多かった「エスティマ・
ハイブリッド」が新たに生まれ変わった今年、スト
レスのないレスポンスを手に入れて販売台数を
伸ばしているのは注目したい。
また、登場から半年で既に2.3%が保有する「レ
クサスGS450h」の勢いにも驚かされる。価格に
して約700万円。やはり今後のハイブリッドカー
の保有率を左右するのは、このあたりの金額を
ポンっと出せる“富裕層”なのだろう。
理由
は? (保有するハイブリッドカーを「購入」した697人、複数回答) 0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
ハイブリッドカーを購入した人だけに聞いた
ガソリン車よりも燃費 が良い
83.5
51.8
地球温 暖化の防止に役 立つ
47.3
税制 面で優遇され るから
24.1
環境 問題に取り組んでいると思われ たい
ステ ータスシンボル になる
17.5
新しいもの はすぐに試して みたい
17.5
15.2
ガソリン車よりも乗り心地が 良い
欲しいと 思ったシリーズ に、
ハイブリッ ドモデルがあったから
14.3
11.3
ガソリン車よりも高級感 がある
そ の他
4.6
「購入理由」として最も多いのは、当然<ガソ
リン車よりも燃費がいいから>が8割以上。ガ
ソリン価格が続騰をする御時世、ハイブリッド
カーにますます注目が集まるのは必然か…。
ただし<地球温暖化防止>という人も52%
ということから、このあたりの意識改革という
点においてハイブリッドカーが果たした役割
は大きい。また税制面での優遇は、わざわざ
高い車を買ってまで環境に貢献しているとい
う面では、きちんとユーザーを評価してあげる
べきポイントだろう。できれば金額面でもっと
優遇されてもいいのでは、と思う。また24%の
<環境問題に取り組んでると思われたい>と
いうのも、人として分からなくもない意見だ。
1
Car Life Research : 2006年9月
ハイブリッドカー・ユーザーの89%は、ある程度の“満足感”を得ている
~ その満足度が高い理由は、①燃費の良さ(60.2%)、②エンジン音の小ささ(14.1%) ~
ハイブリッドカー・ユーザーの保有状況を把握した後は、その“満足度”を探ってみる。今後、ハイブリッドカーの購入を考え
ている人は多いと思うが、「実際に乗っている人の声を聞いてみたい」という方も多いことだろう。調査の結果、その満足度は
非常に高い数値を示し、約9割近くのハイブリッドカー・ユーザーがある程度の満足を感じていることが分かった。その理由
は当然<燃費の良さ>による部分が大きいが、ガソリン価格の高騰が実燃費数値以上の満足度をもたらしているのだろう。
■ 燃費は良くて当然。ハイブリッドカーの今後の普及率を左右するのは、むしろ「税制優遇」ではないか?
Q
総合的に考えて、あなたは保有しているハイブリッ
やや不満
2.8%
満足
ドカーにどの程度
していますか? (709人・単一回答)
不満 1.3%
どちらでもない
6.9%
御覧の通り、不満を感じているハイブリッドカー・ユーザーは約4%に
すぎず、逆に満足感を得ている人は89%に及んでいる。
ちなみに二ヶ月前に<軽自動車ユーザーの満足度>を調査したとこ
ろ、同じように満足感を得ていた人は84%。ハイブリッドカーはある意
味、特殊なカテゴリーだけに単純比較するのは難しいが、現在も右肩
上がりの販売台数増を続ける軽自動車をさらに上回っていることから
も、ハイブリッドカーの満足度の高さを伺い知ることができるだろう。
Q
満足
38.8%
やや満足
50.2%
理由
あなたが保有するハイブリッドカーに満足している
は? (上記の質問で<満足> or <やや満足>と答えた631人・単一回答)
(%)
1
2
燃費の良さ
エンジン音の小ささ
60.2
14.1
3
4
運転のしやすさ
パワフルな走り
5.2
4.9
5
6
7
8
9
10
11
周囲から見られるイメージの良さ
税制の優遇が受けられること
室内の広さや質感
話題性
故障が少なく、メンテナンスが楽なこと
購入時に補助金が出た/多かったこと
購入価格
4.4
3.2
2.7
1.7
1.4
1.3
0.3
高い満足感を感じているハイブリッドカー・
ユーザー。その最も大きな理由は6割以上
の人が挙げている<燃費の良さ>にある
のは当然の結果だが、最近の“ガソリン価
格高騰”が続く御時世では、実燃費からく
る金銭的メリット以上に恩恵を感じている
部分があると思われる。
また、2番目には意外にも<エンジン音
の小ささ>が挙がっているが、逆に購入前
の不安はこうした“快適性”といった部分に
あることが分かる。ハイブリッドカーなんだ
から燃費がいいのは当たり前。むしろ、そ
れ以外の“普通車ならそれほど気にしない
部分”を懸念するユーザーが多いのだろう。
意外にも<税制の優遇措置>に満足し
ている人は少なく、こうした燃費以外で得ら
れる金銭的メリットが、今後、よりハイブリッ
ドカーが普及するための要素となりうる。
2
Car Life Research : 2006年9月
「今後のハイブリッドカーに望むこと」は<低価格化>が最も多く69%!!
~ ソフト面では「税金」や「補助金」の優遇拡大。「他メーカーの参入」も41%が望む声あり ~
非常に高いことが分かったハイブリッドカー・ユーザーの満足度だが、そうは言っても今後のハイブリッドカーに対する要
望はあるだろう。それを「ハイブリッドカーそのものに対して」というハードに対する部分と、「自動車業界や国・自治体」とい
ったソフトに関わる部分に対しての、それぞれに聞いてみた。車そのものに対してはやはり<価格をもっと低く>が、ソフト
面では<税金の優遇率を増やして欲しい>という、それぞれの要望が大きいことが分かった。
■トヨタやホンダ以外のメーカーの参入を希望する声も多く、ユーザーがモデル選択肢の拡大も求めていることが分かる
Q
ハイブリッドカー(そのもの)に対して、燃費以外に
0%
10%
20%
30%
40%
50%
望むことは何ですか? (709人、複数回答) 60%
70%
68.8
低価格化
38.4
36.2
33.6
充電池の耐久性向上
車種のバリエーション増加
エンジンのパワーアップ
21.2
20.6
19.2
18.8
18.8
15.5
14.7
10.6
環境性能の向上
故障のしにくさの向上
安全性能の向上
メ ンテナンス性の向上
デザイン性の向上
エンジン音の静粛性向上
乗り心地の向上
操縦性能の向上
その他
特にな い
Q
「トヨタ・プリウス」で約230万円、「トヨタ・エ
スティマ ハイブリッド」で400万円オーバー
と、同クラスのガソリン車と比較すれば購
入価格で数十万円の差が出るのがハイブ
リッドカーの現状…。もちろん燃費がいい
のは確かだが、こんなガソリン価格高騰を
もってしても元を取るのに何年もかかって
しまう。約7割のユーザーが<低価格化>
を望むのも無理はない。
3番目に<車種のバリエーションを増や
して欲しい>という声も挙がっているが、ト
ヨタが将来、全車種にハイブリッド・モデル
を用意することを明らかにしているのは明
るいニュース。しかしユーザーが望んでい
るのは、「他メーカーのハイブリッド・ジャン
ルへの参戦」か?
4.1
1.7
望むこと
ハイブリッドカー全般に関して、自動車業界や国・自治体に
は何ですか? (709人、単一回答)
0%
10% 20% 30% 40%
50%
60% 52.2
税金の優遇率増加
新車購入時の国・ 自治体
からの補助金増額
50.1
優遇税制適用範囲の拡大
49.5
47.8
燃料の低料金化
トヨタ・ホンダ以外の
メーカーの本格参入
41.0
燃料補給施設の増加
16.1
中古車購入時の国・自治体
からの補助金提供
15.8
その他
特にない
2.1
4.9
ソフト面とはいっても税金や補助金の話
題に絞られるが、やはり<トヨタやホンダ
以外のメーカーのハイブリッドカー本格参
入>を求める声も4割以上あり、金銭面
以外では車種選びの選択肢が広がること
をユーザーは望んでいることが分かる。
一方で、中古のハイブリッドカーを購入
する時に補助金の提供がないのは、中古
車を扱う企業として以前に疑問が残る。
真にエコカーの普及を推し進めるのであ
れば、新車も中古車も関係ない。しかし行
政側からすると、ただでさえ低公害車へ
の優遇で昨年は57億円も自動車税収が
減った現状から、さらにそんな減税施策を
するとは思えない。このあたりがハイブリッ
ドカー普及の難しい点だろうか…。
3
Car Life Research : 2006年9月
ハイブリッドカー・ユーザーの85.7%が<次もハイブリッドに乗りたい>
~ ハイブリッドカーの「リセールバリュー」の高さは、やはり過半数以上の52%が認知 ~
ここまでのアンケート結果で、ハイブリッドカー・ユーザーにはいくつかの要望はあれども非常に所有満足度は高いこと
が分かった。その上で、今後もし乗り換えるとしたら<やっぱり次もハイブリッドカーに乗りたい>と思っているのか否か?
このあたりの数値で、今後のハイブリッドカーの発展性を測る事ができると考えてみた。さらにガリバー自動車流通研究
所として忘れてならなのは「リセールバリュー」。果たして、ハイブリッドカーのリセールバリューやいかに?
■「リセールバリュー」の面からみても、今後、狙うなら「トヨタ・エスティマ」のような 「ミニバン×ハイブリッド」 のモデルだ!!
Q
車を買い換えるとしたら、
次もハイブリッドカーに乗りたいですか? (709人・単一回答) 乗りたくない 分からない
2.0%
12.3%
今後のハイブリッドカー市場の発展性を探るべく、「次
に車を乗り換える時も同じくハイブリッドカーに乗りたい
ですか?」という質問、つまりはリピート願望率につい
て聞いてみた。
先程の質問でハイブリッドカーに対する満足度が高
かったことからも結果はある程度明白なのだけれど、
やはり86%のユーザーが<次も乗りたい>という回答
になっている。むしろ「ガソリン価格高騰」という自動車
業界にとっては「負のニュース」が、ハイブリッドカーの
発展を促進していくような気がするアンケート結果でも
ある。
Q
乗りたい
85.7%
「リセールバリュー」
一般的に、ハイブリッドカーの
(新車時購入時から数年後の予
想残価率)は、ガソリン車と比べて高いと思いますか?低いと思いますか? (709人・単一回答) 最後は車の人気を示すひとつの指標である「リセールバリュー」
がハイブリッドカーというカテゴリーにとっては有利なのかどうか、
ユーザーの予想を聞いてみた。
分からない
35.3%
高いと思う
51.9%
低いと思う
12.8%
これだけハイブリッドカーにとっていい話をした後なのだからお
分かりのとおり、52%の<高いと思う>と答えた人が正解。つまり
そのリセールバリューは他のカテゴリーと比較しても非常に高い
数値を示している。その象徴とも言えるのが「レクサスGS450h」
で、3年後の予想残価率は59%~65%。これは2006年9月時点に
おいては他のどのセダンよりも高い数値なのだから驚きである。
ちなみに「レクサスGS450h」の車両価格が680万円であるから、
うまくいけば3年乗っても最大442万円の価値が残ることになる。
2代目となって普及率も高まっている「トヨタ・プリウス」はそれほ
ど高くはなく、46%~55%。しかし、「トヨタ・エスティマ ハイブリッド」
はミニバン人気との相乗効果で「レクサスGS450h」よりもリセー
ルバリューが高く、61~68%。購入時に気になる価格の高さ、実
はこのあたりで十分にペイできてしまうリセールバリューなのであ
る。
4