2013 - ダイキン工業株式会社

アニュアルレポート2013
2013年3月期
快適性と環境性をともに備えた
製品・ソリューションを創造
ダイキングループは、空調を主要な事業分野とし、フッ素化学分野でも冷媒ガス、樹脂・ゴムや
化成品など、幅広い産業分野で役 立つ製品を生み出してきました。早くから世界各地で M & Aや
合弁会社の設立、拠 点構築や販売・サービス網の整 備を進めると同時に、「真のグローバルエク
セレントカンパニー」をめざして、グローバル経済の持続可能な成長への貢献を推進しています。
今日、地球温暖化防止、省エネルギーは先進国にも新興国にも共通する課題。日本では電力需給
バランスの問 題も加わり、節電ニーズが 高まっています。CO 2 排出にもかかわる電 力消費のうち、
大きな割合を占めるのが「空調 」であることから、ダイキングループにとってエネルギーコントロール
は大切な使命の一つです。
私たちは、より快 適な社 会づくりに役 立ち、環 境にやさしく、収 益 性においても皆 様の 信 頼に
かなう優れた技術、製品、ソリューションの創造を追求しています。
目次
財務ハイライト 2
コーポレートガバナンス 20
連結株主資本変動計算書 37
事業一覧 3
役員一覧 22
連結キャッシュ・フロー計算書 38
CEOメッセージ 4
コンプライアンス、リスクマネジメント 23
連結財務諸表の注記 39
COOインタビュー 6
CSR(企業の社会的責任) 24
独立監査人の監査報告書 61
事業の概況と今後の見通し
財務セクション 26
会社情報 62
国内空調事業 12
10年間の要約財務データ 26
グローバル空調事業 14
財務報告 28
化学事業 16
連結貸借対照表 34
油機事業 18
連結損益計算書 36
特機事業 19
連結包括利益計算書 37
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
グループ経営理念
1.「次の欲しい 」を先取りし、新たな価値を創造する
2 . 世界をリードする技術で、社会に貢献する
3 . 企業価値を高め、新たな夢を実現する
4 . 地球規模で考え、行動する
5 . 柔らかで活力に満ちたグループ
①しなやかなグループハーモニー
②関係企業と刺激し合い、高め合う
6 . 環境社会をリードする
7.
社会との関係を見つめ、行動し、信頼される
①オープンである、フェアである、そして知ってもらう
②地域に対して、私たちにしかできない貢献を
8 . 働く一人ひとりの誇りと喜びがグループを動かす力
①一人ひとりの成長の総和がグループの発展の基礎
②誇りとロイヤリティ
③情熱と執念
9. 世界に誇る「フラット&スピード」の人と組織の運営
①参画し、納得し、実行する
②チャレンジャーこそ多くのチャンスをつかむ
③多彩な人材を糾合し、個人の力をチームの力に
10. 自由な雰囲気、野性味、ベストプラクティス・マイウェイ
見通しに関する注意事項
このアニュアルレポートには、 ダイキン工業の将来の計画や戦略、 業績に関する記述が含まれていますが、 これらの記述は過去の事実ではなく、 当社
が現時点で入手可能な情報に基づいた会社の判断によるものです。実際の将来の業績は、 経済動向や業界の競争激化、 為替レート、 税制や諸制度
に影響される可能性があります。このような事由により、 これらの見通しは潜在的なリスクや不確実性を含んでおりますことをご承知おきください。
ANNUAL REPORT 2013
1
財務ハイライト
ダイキン工業株式会社および連結子会社
3月31日に終了した各会計年度
単位:百万円
2012年
2013年
¥1,218,701
¥1,290,903
損益状況
(会計年度)
:
売上高
財務ハイライト/事業一覧
売上総利益
371,902
388,046
営業利益
81,193
当期純利益
41,172
88,627
43,585
営業活動によるキャッシュ・フロー
¥44,967
¥103,161
投資活動によるキャッシュ・フロー
(62,955)
(218,386)
フリーキャッシュ・フロー
(注)
(17,988)
(115,225)
(1,113)
143,520
¥1,160,564
¥1,735,836
502,309
618,118
¥ 141.37
¥ 149.73
1,725.64
2,123.10
36.00
36.00
(62)
(396)
30.52%
30.06%
6.66
6.87
キャッシュ・フロー状況
(会計年度)
:
財務活動によるキャッシュ・フロー
CEOメッセージ
財政状態
(会計年度末)
:
総資産
自己資本
1株当たり情報
(単位:円)
:
当期純利益
純資産
COOインタビュー
年間配当金
キャッシュ・フロー
(フリーキャッシュ・フロー/期中平均株式数)
財務指標
(単位:%)
:
売上総利益率
営業利益率
事業の概況と今後の見通し
ROE
自己資本比率
8.30
7.78
43.28
35.61
コーポレートガバナンス
注:フリーキャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
売上高、売上総利益、売上総利益率
財務セクション
(億円)
ROE
(%)
(億円)
(%)
(%)
15,000
35
1,000
10
10
12,000
28
800
8
8
9,000
21
600
6
6
6,000
14
400
4
4
3,000
7
200
2
2
0
0
0
0
0
2009 2010 2011 2012 2013
売上高 2
営業利益、営業利益率
売上総利益 DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
売上総利益率
2009 2010 2011 2012 2013
営業利益 営業利益率
2009 2010 2011 2012 2013
事業一覧
売上高に占める割合
特機事業
空調事業
86.8%
化学事業
空調事業
油機事業
売上高/営業利益
(億円)
主要製品およびサービス
(億円)
709
11,200
12,000
1,200
10,000
1,000
8,000
800
6,000
600
4,000
400
2,000
200
0
0
2009
2010
2011
2012
2013
1.5%
9.6%
1.8%
事業概要
ルームエアコン
ヒートポンプ給湯暖房システム
店舗・オフィス用エアコン
ビル用マルチエアコン
設備用・工場用エアコン
中・低温用エアコン
全熱交換ユニット
調湿外気処理機
空気清浄機
ウォーターチリングユニット
エアハンドリングユニット
海上コンテナ冷凍装置
1951年に日本で初めてパッケージエアコンの生
産を開始して以来、冷媒開発から空調機開発ま
でを行う世界唯一 のメーカーとして培った技 術
力 をもとに、ダイキンはここちよい 空 間 づくりに
貢献しています。
フルオロカーボンガス
フッ素樹脂
フッ素ゴム
フッ素コーティング材
フッ素オイル
撥水撥油剤
離型剤
医農薬中間体
半導体用エッチング剤
ドライエア供給装置
1933年に日本で初めてフッ素系冷媒の研究に
着手して以来、研究開発から用途開発に至るま
でを 一 貫 して 行 い、ガス、樹 脂、ゴムなど、
1, 800種類以上のフッ素化合物を生み出してい
ます。
油圧ポンプ
油圧ユニット
油圧バルブ
油冷却装置
油圧トランスミッション
集中潤滑機器・装置
ダイキン独自の油圧技術は、省エネ性能に優れ、
パワーコントロールの可能性を拓き、産業の発展
に貢献しています。
砲弾
誘導弾用弾頭
在宅酸素医療用機器
ダイキンの高度な精密加工技術や品質管理技術
は、防衛関連製品など最高レベルの精度と機能
が要求される分野で活躍しています。
化学事業
(億円)
(億円)
165
1,244
2,500
2,000
250
200
1,500
150
1,000
100
500
50
0
0
-50
-100
2009
2010
2011
2012
2013
油機事業
(億円)
(億円)
2
239
300
300
200
200
100
100
0
0
-100
-400
2009
2010
2011
2012
2013
特機事業
(億円)
(億円)
6
189
200
8
150
6
100
4
50
2
0
0
2009
2010
2011
2012
2013
ANNUAL REPORT 2013
3
CEOメッセージ
財務ハイライト/事業一覧
次々に新たな挑戦を
2012年度は厳しい経営環境下、
「FUSION15」実現への重点施策を
実行し、3期連続となる増収増益を達成しました。これからも企業価値
の増大に向け、逞しく次々に新たな挑戦を続けます。
CEOメッセージ
2012年度(2013年3月期)は、欧州の景気低迷や新興国経済の景気拡大ペースの鈍化に加え、
中国情勢が不透明になるなど、経営環境が想定以上に厳しさを増した1年でした。ダイキングルー
プは、短期利益の確保に力を注ぎ、空調事業を軸に国内および海外での拡販に努めました。加え
て、トータルコストダウンの推進や販売価格政策の徹底など、体質改革も継続した結果、当社グルー
COOインタビュー
プは3期連続で増収増益を達成することができました。
あわせて中長期的な成長に向け、15年度を目標年度とする戦略経営計画「FUSION15(フュー
ジョン・フィフティーン)」の実現へ足場を固めました。具体的には、新興国市場での事業の急拡大
に向け、中国やインドにおける現地生産の拡充や、トルコ、ベトナム、インドネシアなどでの販売体
事業の概況と今後の見通し
制強化により、着々と市場を深 耕しています。また、国内では、環 境性やエネルギー効率の高い
HFC 新冷媒 R 32を世界で初めて導入したルームエアコンを発売するなど、高付加価値商品が12年
度の業績に寄与しました。引き続き、企業や家庭での節電意識の高まりを的確にとらえて、省エネ
ソリューションを提供していきます。また、12年11月には米国の空調メーカー、グッドマン社を買収
しました。同社は北米住宅用空調市場でトップシェアを占め、業務用市場でも豊かな成長性を有し
コーポレートガバナンス
ています。同社とのシナジーによって北米空調市場においてメジャーの座を早期に獲得します。
13年度は「FUSION15 」の中間年度であり、各事業にとって最終目標達成への重要な年です。
成長の基本戦略である「新興国・ボリュームゾーン市場での事業拡大 」
「 世界各地域の顧客ニーズに
応じたソリューション事業の構築 」
「 環境イノベーションの創出 」を加速し、グローバル空調市場に
おけるリーディングカンパニーとしての地位を盤石にするとともに、皆様のご期待に応える企業価値
財務セクション
の向上をめざします。
2013年6月
代表取締役会長兼 CEO
4
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
ANNUAL REPORT 2013
5
財務セクション
コーポレートガバナンス
事業の概況と今後の見通し
COOインタビュー
CEOメッセージ
財務ハイライト/事業一覧
COOインタビュー
6
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
事業の拡大と収益力の強化を
当期は確実に短期利益を確保するとともに、戦略経営計画「FUSION15 」の
成長戦略に基づく重点施策も前進させました。「 FU SI O N 15 」の中間年度
として重要となる2013年度には、事業の拡大と収益力の強化を徹底して実行
する決意です。
2013年6月
代表取締役社長兼 COO
社長就任2年目を迎えた当期(2013年
3月期)も、難しい判断の局面が多い経
営環境となりました。当期を振り返って、業績とその
背景、それらに対する所感を聞かせてください。
Q1:
こうした施策の結果、連結売上高は前期比 5 .9 % 増の
1兆 2 ,909億 円、営 業 利 益 は前 期 比 9. 2 % 増 の886億
円、経常利益は当期終盤の円高修正による為替差益の増
加もあり前期比15 . 2 % 増の941億円となりました。当期
純利益は、時価評価による投資有価証券評価損127億円
十河:当期は、欧州の景気低迷や新興国経済の景気拡大
を計上したものの、前期比 5 .9 % 増の436億円となり、3
ペースの鈍化に加え、中国情勢が不透明になるなど、期初
期連続の増収増益を達成することができました。
の予測を上回る厳しい経営環境に見舞われました。その
また、当期は短 期利益の確保だけにとどまったわけで
ため、最も集中的に実行したのは短期利益を確保する施
はなく、より長い視点からの経営課題にもしっかりと取り
策の数々です。
組み、中長期的な収益向上への施策を次々と実行に移し
具体的には、空調事業で国内、中国、米国、アジアにお
ました。
ける売上拡大と、インド、ベトナム、トルコなど新興国市場
ダイキングループは2011年 度(2012年3月 期)から5
での事業の急拡大を図ると同時に、固定費の抜本的な見
カ年にわたる戦略経営計画「FUSION15」を実行中です
直しや圧縮を含むトータルコストダウンおよび販売価格政
が、計画を締めくくる15年度の到達イメージ(グループ売
策の徹底など、利益体質の改革を引き続き強力に進めま
上高2兆円超、営業利益 2 , 000億円超)に向けて、着々
した。
と進んでいると考えています。
ANNUAL REPORT 2013
7
財務ハイライト/事業一覧
中長 期 的な 取り組みの 一 環としては、
2015年 度(2016年3月期)を目 標 年
度とする戦略経営計画「FUSION15 」の重点施策
が着実に実行されています。最終目標へ向かっての、
当期の進捗状況を聞かせてください。
CEOメッセージ
Q2:
米国・グッドマン社の買収について、今
後、グループの発展にどのようにつなが
るのか聞かせてください。
Q3:
十 河: グッドマン社は、北 米の住宅用空調分野でトップ
財務セクション
コーポレートガバナンス
事業の概況と今後の見通し
COOインタビュー
シェアをもつ空調メーカーであり、北米最大規模の販売網
8
十河: 戦略経営計画「FUSION15」で定めた成長戦略の
(900超の自前販売拠点と傘下ディーラー 6万店)を整え、
主な柱は、「新興国・ボリュームゾーンでの事業拡大 」
「顧
徹底的に合理化した流通・販売体制によって高い収益力
客ニーズに応 えるソリューション事 業 の展 開 」
「 環 境イノ
を誇ります。製品ラインアップでは、北米の主流であるダ
ベーションの創出」
「提携・連携、M&Aによる成長の加速 」
クト式の住宅用ユニタリ
(全館空調)および燃焼暖房機器
などです。
や業務用空調機に強みをもち、2015年に向けて年間需
当期の新興国における事業拡大は主にアジア諸国で顕
要約 600万台規模に回復すると見込まれる住宅用空調市
著な実績をあげ、現地生産の拡充(中国、インド)や販売
場と、安定的に拡大する業務用空調市場の両方において、
会社の設立
(インドネシア、ベトナム)によってボリュームゾー
さらに成長する可能性を有しています。
ンの攻略を進展させました。ソリューションビジネスにつ
このように大きなプレゼンスを発揮するグッドマン社の
いては、やがてスマートシティが 確 立する時 代を見すえ、
買収をふまえ、ダイキングループは世界最大の空調機器市
「住 宅やビル・店 舗 におけるゼロエネルギー 化 」
( 省エネ、
場である米国でもその大部分を占める住宅用空調市場、
創エネ)に貢献できるようなHAVC(暖房・換気・空調)ソ
そしてライトコマーシャル市場(中規模ビル等向け業務用
リューションの構築を進め、手ごたえを感じています。そ
空調市場)での事業展開を本格的に加速します。グッドマ
して環境イノベーションについては、当期は新たなHFC 冷
ン社と、当社の米国子会社で主に業務用大型空調のマッ
媒 R 32を世界で初めて搭載したルームエアコン「うるさら
ケイ社、それに日本式のダクトレス空調販売会社であるダ
7(セブン)」
( 2012年度 省エネ大 賞において経 済産業 大
イキンエアコンディショニングアメリカズ社を合わせ、住宅
臣賞を受賞)、など、省エネ性の高い空調製品を国内市場
用から大規模ビル用までのあらゆる市場向けの製品群を
に新規投入し、住宅用空調機器のシェアアップも果たしま
もつ総合空調メーカーとして、北米空調 No.1を早期に実
した。これらの成果は、いずれも「FUSION15」の最終目
現し、空調グローバルリーディングカンパニーの地位を確
標達成に向けた足場固めになるととらえています。
固たるものとします。
また、先進国市場においても、空調事業のさらなる販売
グッドマン社との 定 量 的 なシナジー は、2012年11月
拡大や収益の増大に挑戦しています。当期は米国の住宅
の買収完了時点で初期的試算を行い、当初3年間に営業
用空調大手グッドマン社を買収し、欧州では経済の停滞
利益ベースで累計約240億円の効果を見込み、10年間
に対応して事業構造の改革を進めました。中国では日本
では累計約2 , 500億円を見込んでいます。
企業への逆風が吹き、GDP成長率も7 %台に低下する事
シナジーの創出は順調で、損益計算書を連結する初年
業環境のなか、強力な販売網を最大限に活用した大規模
度である2013年度から、マッケイ社との調達機能の統合
な拡販で結果を出しました。
などにより、およそ20億円の利益貢献を計画しています。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
2013年5月からは、グッドマン社 の 販 路 でダクトレス製
品の販売をスタートし、ルーフトップ(中規模ビルなど向け
業務用ダクト商品)の販売も開始してライトコマーシャル
市場に本格参入しています。このほか、収益への貢献度が
戦略経営計画「FUSION15 」の骨子
■
発展の方向性と定量目標
「FUSION15」では、真のグローバルエクセレント企業として
の価値の最大化をめざします。
高いテーマ、例えば 2014年初頭の発売に向けたダクト式
の住宅用ユニタリのプレミアゾーン向け高付 加価値製品
の開発や、グッドマン工場におけるダクトレス
(ビル用マル
チエアコン、ルームエアコン)の米国現地生産などの具体
売上高
営業利益
(%)
海外事業率
2010年度実績
2013年度計画
2015年度ありたい姿
11, 603億円
16 , 000億円
20 , 000億円超
755億円
(6 . 5%)
1, 300億円
(8 .1%)
10 %
61%
65%
70 %
化を、優先的に前倒しで実行したいと思います。
また、グッドマン社単体の2013年度事業計画ですが、
売 上 高 を2 , 060億 円(現 地 通 貨 ベースでは 前 年 比 6%
増)、営業利益率13 %に設定しました。全社営業利益へ
の上乗せ効果は、のれんと無形固定資産の償却費用など
■ 空調事業:2015年度に空調・冷凍
(HVAC&R)市場におい
て売上1.9兆円、世界シェア10%規模をめざす
化学事業:用途開発を主導し、フッ素需要拡大を実現する
「グローバル No.1エクセレントカンパニー」をめざす
■
■ 全社コア戦略11テーマ
を控除し、約135億円を見込んでいます。米国の住宅空
新成長戦略4テーマ
調市場は、同社が得意とする機器更新の需要回復は緩や
∼時代の変化を成長として取り込むイノベーションの実行∼
かなものの、新規購入の需要は活発になってきており、全
①新興国・ボリュームゾーンへの本格参入
体では堅調に推移しています。当社は、このような市場動
向を事業拡大のチャンスと捉え、ダクトレス
(ダイキン)と
ダクトユニタリ
(グッドマン社)の双方で新たな省エネ型製
品を投入し、グッドマン社の強力なディーラー網を活用し
②顧客ニーズに応えるソリューション事業の展開
③環境イノベーション事業の拡大
④提携・連携、M&Aによる成長の加速
経営体質革新4テーマ
∼新たな時代を勝ち抜く経営基盤の高度化∼
た拡販を図ります。他社との競合関係の激化や新製品開
①商品開発力・生産力・品質力の刷新
発コストの増加などはありますが、引き続き高い収益力を
②グローバル・マーケティング機能の強化
維持したいと考えています。
③IT武装の徹底推進
④収益力の抜本的強化
「人を基軸に置いた経営」を基盤とした人材力強化3テーマ
①ダイキングループの競争優位の源泉である「人基軸の経営」
の実践と高度化
②従来の延長線上でない質的人材の確保・育成策のスピード
上げての展開
③経営の現地化のスピードアップと本社・現地双方向のコミュ
ニケーションの促進
ANNUAL REPORT 2013
9
財務ハイライト/事業一覧
戦略経営計画「FUSION15 」の重点施
策のなかでも、今後なお成長が期待さ
れる新興 国市 場の深 耕は、ひときわ注目されます。
ターゲットとしている国々への具体的な展開につい
て聞かせてください。
引き続き需要環境は厳しいですが、住宅用の製品ライン
十河:
「FUSION15」に掲げた目標を達成するためには、
Q5:
COOインタビュー
CEOメッセージ
Q 4:
新興国における事業拡大の加速と、さらなる収益力向上
が不可欠であり、これまでインド、ベトナム、インドネシア、
トルコなどでの事業展開は順調に進んでいます。
アップ強化を図るとともに、業務用の拡販に向け建築設計
事務所へのスペックイン活動を強化し、V 字回復をめざし
ます。
一方、国 内 市 場 は成 熟しているとはい
え、新たな需要の創造によって成長へ
の活路をひらく必要があると思います。成熟市場に
対するビジョンと戦略についてはいかがでしょうか。
コーポレートガバナンス
事業の概況と今後の見通し
国別に2013年度の戦略の柱をあげますと、インドでは
ルームエアコンの本格生産を開始し、新冷媒 R 32搭載の
十 河:ダイキングループの 中 長 期 の 発 展 に向 けては、ソ
ルームエアコンもラインアップに加え、新規の販売店開発
リューション事業の強化こそがカギを握ります。成熟した
やルート販売を加速してシェアアップを図ります。ベトナム
国内空調市場でさらなる成長と収益力強化をめざし、ア
でも、新規の販売店開発や都市部から地方都市への展開
プライド(大型空調)・ソリューション事業の機構・組織改
を急ぎ、政府による金融引き締め緩和も追い風として拡
革を実施し、2013年 4月より新体制が動き出しています。
販に取り組みます。インドネシアでは、買収による自前の
強い競争力をもつ空調機器をコアに、計装・工事など周辺
販社が 2012年 6月に営業を開始し、家庭用空調製品を
サービスのニーズを取り込むことで、機器だけでは実現で
中心に売上を拡大しています。2013年7月には新たに業
きない省エネ性と環境性、快 適性を提 供し、しかも収 益
務用空調機器の販売代理店を買収し、インドネシアで空
性を高める循環型ビジネス
(機器販売∼施工∼保守・サー
調事業 No. 1をめざす体制を整えました。トルコでは、一
ビス∼機器更新)を構築したいと考えています。
昨 年に買収したダイキントルコ社において、現 地ニーズに
合ったルームエアコンの生産を開始したほか、主力のビル
財務セクション
用マルチエアコンの販売体制を強化しています。
化学事業について、当期の状 況をふま
えた課題と今後の取り組みを聞かせて
このほかブラジルでは販売会社の営業開始に続いて現
Q 6:
地生産の検討を進めており、さらに将来の有望市場とし
ください。
て北アフリカ、中央アジア、ミャンマーなどの新たな新興
10
国・地域で本格的なマーケットリサーチを進めています。
十河:当期の化学事業は、半導体関連の需要低迷の長期
また、これまで当社が空調事業を展開してきた地域の
化や冷媒ガスの市況軟化による販売価格下落の影響が大
中では、アジア・オセアニア地域で売上高を拡大する余地
きく、売上高、営業利益ともに前期を下回りました。戦略
が大きいと考えています。タイでは、海外からの投資拡大
経営計画「FUSION15」の目標に対して進捗が遅れてい
やルームエアコン購買層の増加など、需要の力強い回復
る状況にあります。2013年度は、他素材からフッ素への
をとらえて 拡 販をめざします。また、オーストラリアでは、
用途開発を加速し、中長期的な成長が見込まれる中国や
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
アジア市場での事業拡大など、挽回策をスピーディに展開
のいっそうの拡販や、化学事業での用途開発の加速など
します。
により、一段と販売力を強化します。また、新興国におい
フッ素材料を「塗る・貼る・混ぜる」といった複合技術の
ては収益性の向上に注力し、国内では円安影響を吸収す
用途開発をいかに進めるかがポイントであり、中国ローカ
る販売価格政策の徹底や、固定費を含むトータルコストダ
ルメーカーに勝てるボリュームゾーン向けフッ素樹脂の拡
ウンを継続するとともに、さらなる在庫削減などによりフ
販も新たな挑戦課題です。
リーキャッシュ・フローの最大化を図ります。
また、好 調な自動 車分 野 や次 世代 製 品 分 野における
営 業 利 益 については、「FUSION15」の 策 定 時 に
フッ素製品の拡販と、トータルコストダウンの推進によっ
2013年度の目標を連結で1, 300億円と設定していまし
て短 期利益の確保に努めます。具体的には、各メーカー
た。しかしながら、欧州の空調需要、フッ素化学需要の回
の環境用途を狙い、自動車向け燃料ホースのフッ素ゴム
復が遅れている状況にかんがみ、いったん1, 250億円の
や、車載用リチウムイオン電池の電解液 用フッ素系添加
目標で年度のスタートを切りました。事業環境の先行きは
剤などのスペックイン活 動を加 速します。また、タッチパ
依然として不透明なため、さらなる悪化にも急激な回復に
ネルなどの表面防汚コーティング剤「オプツール」、対候
も迅速かつ適切に対応すべく、複眼的な姿勢を維持しま
性塗料「ゼッフル」、太陽電池向けフッ素樹脂フィルムな
す。つまり守りと攻めを的確に使い分けることで確実な利
ど、ダイキン独自の高付加価値製品の拡販を図ります。さ
益の上積みを徹底追求し、営業利益1, 300億円にもチャ
らに、産業構造の大きな変化を捉えて、シェールガス・オ
レンジする意欲をもって、経営の舵取りを行う考えです。
イル、水ビジネス(フィルター)など、新たな環境事業への
株主の皆様への還元につきましては、連結純資産配当
参入も図ります。
率
(DOE)2 . 0 % 以上の維持を基本とし、連結業績、財務
状況、資金需要などを総合的に勘案し、安定的に配当す
る方 針です。また、内 部留保 金については、経営 体 質の
2013年度の舵取りに挑む決意を聞か
せてください。あわせて当 期 の 配 当 金
の説明もお願いします。
Q7:
いっそうの強化を図るとともに、グローバル事業展開の加
速、地球環境に貢献する製品開発の加速など、事業拡大
と競争力強化のための戦略的投資に充当していきます。
当期の年間配当金は36円とさせていただきました。
十河:2013年度は、事業のさらなる拡大と収益力の抜本
皆様には、今後とも変わらぬご理解とご支援の程よろし
的な強化を図り、全社利益の額と率のより一層の向上を
くお願い申し上げます。
めざす考えです。2013年度は「FUSION15」の中間年度
にあたり、この1年の実績が最終目標の達成につながる重
要な年です。
「新興国・ボリュームゾーンでの事業拡大 「
」顧
客ニーズに応 えるソリューション事 業 の展 開 」
「 環 境イノ
ベーションの創出」の成長戦略の実行をさらにスピードアッ
プしていきます。
国内、欧州、中国においては、空調機器・ソリューション
ANNUAL REPORT 2013
11
事業の概況と今後の見通し
財務ハイライト/事業一覧
国内空調事業
2012年度の概況
環境性能や高付加価値で販売を促進
「うるさら7」
「 ラクエア」など高付加価値商品の拡販や、
主要都市での節電イベント開催などにより、当社グループ
COOインタビュー
CEOメッセージ
の住宅用空調機器は、出荷台数が業界需要の伸び率を超
2012年度の日本経済は、設備投資と建築着工の緩や
える増加となり、売上高も前期を上回りました。
かな回復が続きました。こうした基調に加え、節電需要の
住宅用空気清浄機も、花粉やPM 2.5
(健康影響が懸念
高まりと政府による補助金制度の効果もあり、業務用空調
される微粒子状物質)問題を背景に業界需要が増えました。
機器の業界需要は堅調に推移しました。
当社グループは、独自技術の光速ストリーマとアクティブプラ
当社グループは、省エネ性をさらに高めた店舗・オフィス
ズマイオン発生器のダブル方式により、清浄力で他社との差
用エアコン「スカイエア」シリーズおよびビル用マルチエアコ
別化を図った加湿空気清浄機「うるおい光クリエール」の新
ン「Ve-up 」シリーズを12年5月に発売しました。これらが
モデルを12年7月に発売し、売り上げを大きく伸ばしました。
新規および更新需要の獲得に寄与し、業務用は出荷台数・
事業の概況と今後の見通し
売上高とも前期を上回りました。
国内の住宅用空調機器も、新築住宅着工数の伸長や節
電意識の浸透により省エネ機種へのニーズが高まり、好天
2013年度の取り組み
節電ニーズと新市場の獲得へ
財務セクション
コーポレートガバナンス
も加わって、業界需要は前期を上回りました。
12
当社グループは、地球温暖化への影響が低く環境性能に
2013年度は、日本社会の節電ニーズに対し、より積極
優れたHFC 新冷媒 R 32を世界で初めて採用したルームエ
的かつ的確に応えていくことが重要だと考えています。今
アコン「うるさら7(セブン)」を12年11月に発売しました。
後、住宅やビル・店舗におけるゼロエネルギー化の具体化
本商品は、高い省エネ性能とその実現への革新的な技術が
に向けて、さまざまな動きが活発になりますが、その実現
評価され、12年度省エネ大賞の最高賞である経済産業大
に貢献できるようなHVAC
(暖房・換気・空調)ソリューショ
臣賞を受賞しています。また、12年 4月には“かんたん見守
ンビジネスを、国内空調事業の柱の一つに育てていきます。
りリモコン”を採用したルームエアコン「ラクエア」を新発
業務用市場では、
「Eco -ZEAS 80 」など省エネ性の高
売しました。この新しいリモコンは、デザイン心理学を応用
い差別化商品を拡販するとともに、製品にとどまらずトー
しシニアにも使いやすいことが特長の一つで、温度センサー
タルなソリューションを提供する循環 型ビジネス
(販売∼
を内蔵し、最も快適な室温に調節する機能も備えています。
施工∼保守・サービス∼更新)を展開します。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
HFC 新冷媒 R 32を世界で初めて採用したルームエアコン「うるさら7 」
住宅用市場では、引き続き「うるさら7」や「ラクエア」
工場)、高齢者向け介護施設やサービス付き高齢者住宅、
などの差別化商品を軸に、ルームエアコンのシェアアップ
そしてゼロエネルギー の 実 現をめざすスマートシティなど
をめざします。また、空気清浄機は「うるおい光エール」の
があげられます。いずれにおいても節電・省エネに貢 献で
性能を訴求し、PM 2 . 5問題をきっかけに高まる空気質へ
きるHVACソリューションが 求められており、これら新市
の関心を追い風に、年間販売台数100万台をめざします。
場も積極的に開拓し、国内空調事業の新たな成長を図り
一方、成熟市場である日本においても、これからの成長
ます。
分野を見出すことは可能です。例えば、スマートフォンやタ
ブレット端末に牽引される通信業界のデータセンター、食
の安全や国際競争力の確保をめざす農業の工業化(植物
ANNUAL REPORT 2013
13
財務ハイライト/事業一覧
グローバル空調事業
2012年度の概況
中国・米国・新興国で引き続き事業を拡大
を設立したインドネシアといった新興国での拡販が寄与し、
地域全体の売上高は前期を大きく上回りました。
COOインタビュー
CEOメッセージ
アメリカ地域では、北米地域のアプライド需要は横ばい
2012年度のグローバル空調事業は、主力の欧州で厳
でしたが、新商品の増販、サービス事業の拡大、さらに中
しい状況が続きましたが、他地域での販売は好調に推移
南米地域での拡販によって売上高は増加しました。なかで
し、全体の売上高は前期を上回りました。
も北米地域のダクトレス空調分野では、販売代理店や建
欧州地域では景気後退の影響が大きく、住宅用空調機
築関係者への認知度向上活動を強化し、VRVのさらなる
器の販売は前期を下回りました。業務用空調機器は、EU
販売増につなげました。また、住宅用や中小規模店舗用の
諸国での不振を中東・トルコなど新興国での事業拡大が
販売も好調に推移し、売上高は前期を上回りました。
カバーし、主力のVRV(ビル用マルチエアコン)全体として
は前期並みの販売を確保しました。特にトルコでは、11年
事業の概況と今後の見通し
7月に買収した現地子会社の好業績が、引き続き大きく寄
与しました。また、ヒートポンプ式住宅温水暖房機につい
ては、大市場のフランスに加えイギリスでも需要が落ち込
現地ニーズに合ったルームエアコンの生産を開始したダイキントルコ社
みましたが、中欧・イタリア・ギリシャなど新たな市場で販
路を拡大し、販売台数は前期を上回りました。
コーポレートガバナンス
中国の需要は、大都市郊外および地方都市で堅調だっ
たものの、大都市では減少しました。このため、主力の業
2013年度の取り組み
欧州:事業体質の強化や暖房事業の拡充を推進
財務セクション
務用空調機器で郊外や中西部・内陸部の販売店開発を進
14
める一方、住宅用空調機器ではマルチエアコン販売網の中
2013年度も欧州では需要停滞が見込まれますが、重視
国全域への拡大や、中国独自仕様の商品開発などにも取
するのは中期的な事業体質の強化です。全12販社の販売
り組み、新たな市場創造を進めました。また、ルームエアコ
力の再強化やコスト競争力の変革など、事業の競争力を
ンやアプライド(大型空調)でも販売網と商品構成を拡充
抜本的に強化します。また、南欧で市場が拡大する住宅用
しました。市況が厳しい中で拡販策を積極的に展開するこ
ボリュームゾーン商品の拡販と、高付加価値商品の拡販の
とで、中国市場での売上高は前期を上回りました。
両方を進めます。暖房事業も欧州全域への販路拡大を進
アジア・オセアニア地域では、主要国のオーストラリアは
めるほか、市場のニーズに合わせてフランスではヒートポン
天候不順等の影響もあり販売は前期並みとなりました。し
プ式住宅温水暖房機「アルテルマ」の小型モデルを、ドイ
かしながら、タイ・インド・ベトナムおよび12年6月に販社
ツ・イタリアでは燃焼暖房商品も投入します。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
中国:販売力・商品力アップへ多面的な施策
はルームエアコンの本格生産を開始し、地球温暖化への
影響が低く環境性能に優れたHFC 新冷媒 R 32を使った
中国の需要回復にも不透明さは残りますが、全土に展開
商品もラインナップに加えます。また、ベトナムでは販売店
する販売網を12,000店から14,000店に拡充し、地方・内
の新規開発や地方都市への事業展開を加速します。イン
陸部の都市での販売を加速します。また、物件が減少する
ドネシアでは、買収により設立した販社を軸に販売店の開
なかでも、小売・街売に注力することで、売上高の増加を図
発を急ピッチで進めます。
ります。13年3月には業務用・住宅用の全商品を見直し、
1,000機 種を超えるフルモデルチェンジを行いました。主
力のVRVも、圧倒的な省エネ性の新商品でシェアアップを
北米:グッドマン社とのシナジーにより
事業拡大を加速
狙います。大都市の成熟市場ではサービスも組み合わせた
ソリューション提案を切り口に、業務用の更新需要を取り込
北米地域では、空調需要はゆるやかながら堅調に回復
みます。さらに、PM 2. 5問題に伴って需要の急増が見込ま
することが 見 込 まれます。アプライドについては、新 商 品
れる空気事業
(空気清浄機・全熱交換器)を立ち上げます。
投入と販売網の再強化、サービスソリューション事業の拡
大を図ります。また、省エネ性で認知度が 高まるダクトレ
ス空調においても、販売網・サービス体制・商品ラインナッ
プの拡 充に取り組みます。あわせて、12年度に買収した
グッドマン社がもつディーラー網と、ダイキンの環境技 術
とのシナジーも創出していきます。住宅用の更新需要を獲
得していくほか、高付加価値商品の拡充、新築市場での拡
中国では全土に展開する販売網をさらに拡充
販をめざします。業務用ではライトコマーシャル市場(中規
模ビル向け)への本格参入を図ります。これらを通じ、北
米空調 No.1の早期実現をめざします。
アジア・オセアニア:インドでの現地生産を
本格化
アジア・オセアニア地域では、重点市場であるインド・ベ
トナム・インドネシアでいっそうの拡販と収益力強化に取
り組み、地域全体で大幅な売上増をめざします。インドで
米国グッドマン社の買収により、
住宅市場でも販売を伸ばす
ANNUAL REPORT 2013
15
財務ハイライト/事業一覧
化学事業
2012年度の概況
化成品の売上高を「オプツール」が牽引
けの販売が進みました。また、タッチパネル等に用いられ
る表面防汚コーティング剤「オプツール」も、売上高が大
COOインタビュー
CEOメッセージ
幅に増加しました。従来はフッ素材料が使われていなかっ
2012年度の化学事業の売上高および営業利益は、前
た用途の開発が奏功したほか、グローバルレベルで当社グ
期に比べ減少となりました。
ループが連携と情報共有を徹底し、エンドユーザーやサプ
主な製品のうちFEPやETFEなどのメルト樹脂は、米国の
ライチェーンからの 要 望 やニーズの 変 化 をとらえ、スピー
LAN電線や中国における情報端末用電線をはじめ、グロー
ディーに対応した成果です。これらにより化成品全体の売
バル電線市場で堅調な売上を確保しました。中国でもイン
上高は、前期を上回りました。
フラ投資や輸出需要が減速し景気拡大が鈍化するなか、
冷媒のフルオロカーボンガスは、中国・アジア・国内での
PTFEボリュームゾーン商品の拡販によって売上は堅調に
市況軟化に伴う売価ダウンの影響で、前期に比べ大幅な売
推移しました。一方、国内・アジア・米国の半導体市場等で
上減少となり、化学事業全体の業績に大きく影響しました。
事業の概況と今後の見通し
は、フッ素樹脂の需要は低迷しました。また、フッ素ゴム
も、欧州での自動車用の需要減少などにより販売減となり
ました。これらの結果、フッ素樹脂全体の売上高は、前期
を下回りました。
2013年度の取り組み
用途開発を主軸に増収増益へ
化成品については、撥水撥油剤は中国・アジアで衣料向
コーポレートガバナンス
けの需要が 落ち込んだものの、米国・欧州で新規用途向
2013年度も製品によって需要回復の遅れは見込まれま
すが、フッ素材料を“塗る・貼る・混ぜる”といった複合技
術の用途開発を加速するとともに、燃費向上や排ガス対
策など環境用途向け商品の拡販にも注力します。
中国では、自動車市場の成長とインフラ投資の再開によ
財務セクション
りフッ素ゴム、PTFEや耐候性塗料などで堅調な需要増が
見込まれており、当社はこれらの分野でボリュームゾーン商
品を投入し拡販を図ります。戦略経営計画「FUSION15」
耐熱性、低燃料透過性の自動車部品に使われるフッ素樹脂
16
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
で掲げた化学事業の中国における目標は、売上1, 000億
円規模への成長です。これまでに当社グループは、中国市
新商品については、新たなボリュームゾーン商品ととも
場に特化したマーケティング、コスト競争力の強化、ニーズ
に、独自の技術による数々の差別化商品を開発し、市場投
に合致した商品開発力を培っており、加えて、13年度から
入を図ります。
稼働開始する「ダイエル」
( フッ素ゴム)や「ゼッフル」
( 耐候
これらのほか、売価政策の徹底、市況軟化を取り入れた
性塗料)の新たな現地生産設備(常熟工場)も最大限に活
原材料のコストダウン、固定費の圧縮なども実行すること
用し、用途開発を主軸に目標を実現していきます。
で短期利益を確保し、13年度は増収増益をめざします。
新地域、新市場、新商品の用途開発も重点テーマです。
新地域とは新興諸国で、前期に販売拠点を設立した韓国
での本格展開をはじめ、インド・ブラジル・アセアンでのエ
ンドユーザーマーケティングを進めます。とりわけインドで
は現地拠点を設立し、事業展開の本格化をめざします。
新市場としては、情報端末向けの防汚剤や生活防水コー
ティング剤、HFC 冷媒 R 32などの市場が 顕在化していま
す。また、シェール革命とも呼ばれる非在来型資源の登場
に沸く米国を中心に、オイル&ガス関連の環境事業に参入
するチャンスであり、この分野全般での用途開発もグロー
バルで進めていきます。
鉄道の駅舎に塗装される耐候性フッ素塗料「ゼッフル」
ANNUAL REPORT 2013
17
財務ハイライト/事業一覧
油機事業
コーポレートガバナンス
事業の概況と今後の見通し
COOインタビュー
CEOメッセージ
2012年度の概況
建機・車両用油圧機器が好調
パワーショベルなどの建設機械や工場の加工機械をはじ
2013年度は戦略経営計画「FUSION15」の中間年度
め、トラクターなどの小型車両の円滑な動きを実現するた
でもあり、油機事業の15年度売上高目標300億円の達
めに用いられるのが、油圧機器です。当社グループは、空調
成に向け、重点施策を実行していきます。
で培ってきた省エネ技術を油圧機器にも応用し、機械や車
その第一は、中国事業の強化です。特にコスト競争力が
両の高精度化・低音性・小型化・省エネに貢献する油圧ポ
重要となることから、空調事業との協業により、蘇州工場
ンプや油圧ユニットなどを開発・生産しています。さらに、
での現地調達の拡充や鋳物加工部品等の内作化を推進し
油圧制御技術とインバーターモーター技術を融合したハイ
ます。
ブリッド油圧システムにより、環境保全に貢献する独自商
また、産業機械用油圧機器において、韓国、欧州、アセ
品の開発にも取り組んでいます。
アン地域など新たな市場に進出し、グローバルでの事業
2012年度の産業機械用油圧機器は、米国市場では堅
成長に注力します。主力市場の国内では、営業・技術・製
調だったものの、国内および欧州・アジア市場で需要が低
造部門が一体となり営業力とエンジニアリング力を一段と
迷し、売上高は前期を下回りました。建機・車両用油圧機
高め、節電・省エネや低コストなどのニーズに応え、新規顧
器は、国内需要および海外向け需要とも堅調に推移し、売
客の開拓を加速します。
上高は前期を上回りました。
これらに加え、米国で安定的な収益を上げているMRO
また、13年1月、中国農機市場を対象とした油圧トラン
ビジネス
(保守・修理・操業)を中南米・アジア市場でも展
スミッション事業の強化に向け、合弁事業をダイキン・ザ
開するため、当社グループ企業であるオールワールドマシナ
ウアー ダンフォス社 として再 編 しました。米 国 市 場 では
リー社
(本社:シカゴ)の事業ノウハウを活用していきます。
MROビジネス
(保守・修理・操業)が順調に売上を伸ばし
財務セクション
ています。
18
2013年度の取り組み
「FUSION15 」達成への最重点は中国事業
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
特機事業
2012年度の概況
前期比で売上増を達成
2012年度の特機事業は、防衛省向け砲弾・誘導弾用部
品については、日本の防衛予算が削減される状況におい
て、陸上自衛隊向けの受注を拡大しました。民需分野にお
いても、主力の在宅酸素医療用機器の販売が好調に推移
しました。12年12月には他社との差別化を図るため新型
の5リットル酸素濃縮器を発売し、3リットル器並みの小
型軽量化が高い評価を得ています。これらの結果、特機事
業全体として、売上高は前期を上回りました。
2013年度の取り組み
民需分野で中国市場を開拓
13年度も防衛予算は厳しいものと想定されますが、収
益力の強化に向けて固定費・変動費を削減する一方、材料
投入から製品出荷までのプロセスをトータルに改革し、よ
りいっそうの在庫削減を進めます。民需分野は、中国市場
での酸素濃縮器の早期販売と事業拡大を図ります。大金
医療科技(蘇州)有限公司の設立を機に、日本と同様の在
宅酸素医療サービスをセットにしたビジネスモデルを構築
し、あわせてボリュームゾーン機種の開発を加速します。
ANNUAL REPORT 2013
19
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンスの基本方針
株主総会
ダイキングループでは「グループの経営課題と取り巻く環境
変化に対し、半歩、一歩先行く意思決定と実行のスピードアッ
プ、透明性・健全性の絶えざる高度化との両面を推進すること
選任、解任
監査
会計
監査人
財務ハイライト/事業一覧
で、企業価値の向上をめざすこと」が、コーポレートガバナン
取締役会
監査役会
監査役
選任、
監督
スであるととらえています。
今後ともスピード経営の高度化、連結統治の強化、健全性・
グループ
監査会議
透明性のいっそうの確保に努めていきます。また、企業価値
会長兼CEO
社長兼COO
CSR委員会、企業倫理・
リスクマネジメント委員
会、業務の適正を確保
するための体制・整 備
構築委員会、独立委員
会、情報開示委員会
経営諮問委員
人事・報酬諮問委員会
の向上を果たすために最適なコーポレートガバナンスのあり方
最高経営会議 グループ
経営会議
の検討と見直しを絶えず行い、当社グループにとってのベスト
CEOメッセージ
プラクティスを多面的に追求・推進していきます。
執行役員会
執行役員
経営・執行体制
ダイキン工業は、意思決定と業務執行を完全分離させる米国
(以下略)
型の「委員会制度 」ではなく、取締役が連帯して経営責任と業
COOインタビュー
務執行責任を担う「一体型運営」を採用しています。このほうが
当社グループの事業特性上、意思決定と実行のスピードアップ
社外取締役の主な活動状況
には有効との判断によるものです。また、各事業・地域・機能に
氏名
おける自律的な判断や決断による執行のスピードアップを狙い
寺田 千代乃
事業の概況と今後の見通し
当期開催の取締役会16回のうち14回に出
席し、企業経営者としての豊かな経験と高い
とし「執行役員制 」を導入しています。
見識に基づき、特に当社ブランドの重要性な
経営と執行の最高責任者として、それぞれCEO、COOを
ど消費者の視点に立脚した経営や女性社員
置いています。CEOは、グループ企業を含む経営全般の、主
のさらなる活躍推進策など、広範かつ高度な
に意思決定の責任を担います。COOは、主に業務執行の責
視野から、必要な発言を適宜行っております。
任を担います。経営の諸課題ほか重要課題に対しては、意思
決 定と執行をともに意 識しながら、両 面 のスピードアップを
図っています。
コーポレートガバナンス
主な活動状況
池渕 浩介
当期開催の取締役会16回すべてに出席し、
企業経営者としての豊かな経 験と高い見識
に基づき、特に生 産革 新やコストダウン、信
頼性・生 産性の向上など、ものづくりにかか
当社の取締役は、実質的な議論に基づくスピーディな意思
わる観点を含めた広範かつ高度な視野から、
決定をめざし少数化しており、2013年 6月現在、12名で、女
必要な発言を適宜行っております。
性社外取締役1名、外国人非常勤取締役1名を含みます。この
財務セクション
体制によりグループ全体の迅速かつ戦略的な意思決定と健全
20
な監督を行っています。
スピード経営を支える組織
社外取締役は、2名です(同年同月現在)。社外取締役に求
ダイキングループのマネジメントシステム上の最高審議機関
めるのは、豊かな経験と高い見識に基づく広範で高度な観点
として、
「最高経営会議 」を設けています。これにより、重要な
から意思決定に参画し、経営を監督することです。したがって、
経営方針・経営戦略を素早くタイムリーに方向づけし、課題解
上場企業のトップ層であることを、主な選任基準としています。
決を迅速化しています。
社外取締役設置の実効性を確保するため、補佐する担当者
併せて「グループ経営会議 」を設け、グループベースでの情
を当社の経営企画室に配置し、「取締役会 」日時の早期提示
報の共有化や基本方針の浸透と、グループ企業の課題解決の
に努めています。社外取締役が欠席した場合も、関連資料の
促進・支援を行っています。同会議を通じてグループとしての
提供や、後日の議事説明などを行っています。
意思が統一されたスピーディな企業行動をめざし、グループ全
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
体の企業価値をより向上させ、社会的責任も全うすべく努め
役員の報酬等
ていきます。
ダイキン工業では、役員人事・処遇にかかわる運営の透明
これらに加え「執行役員会 」を設置しています。また、独立
性確保の見地から、社外取締役を委員長とする「人事・報酬
した立場の方々に経営課題への意見・アドバイスを仰ぐ「経営
諮問委員会 」を設け、役員選任基準、候補者、報酬などを審
諮問委員 」制度などを設けています。
議・検討しています。取締役および監査役の報酬は、株主総会
の決議による最高限度額内において、「人事・報酬諮問委員
監査体制
会 」の答申をもとに、取締役の報酬は取締役会の決議で、監
ダイキン工業は監査役設置会社であり、
「監査役会 」を設け
査役の報酬は監査役の協議でそれぞれ決定されます。
ています。2名以上の社外監査役を任命するよう努め、主な
役員報酬体系は、役員が経営方針に従い株主の皆様の期
選任基準は当社と利害関係をもたない独立性をはじめ、社外
待に応えるべく、継続 的かつ中長 期 的に業 績向上へのモチ
取締役と同様です。2013年 6月現在、計4名の監査役のうち
ベーションを高め、当社グループ全体の企業価値の増大に寄
2名が社外監査役です。
与する体系としています。
監査役は「取締役会 」をはじめ当社の重要な会議に出席し、
取締役の報酬は、「固定報酬 」と、短期のグループ業績(売
報告を受けるとともに、さまざまな意 見を述べることができ
上高、営業利益)および担当する事業を反映する「業績連動
ます。
報酬 」と、中長期的業績を反映できる「ストック・オプション」
さらに、実効ある監査機能を担保するため、監査役会は経
から構成されます。業績連動報酬は、業績連動比率を世間相
営や業績にかかわる重要事項について必要時に報告を受けら
場より高めにし、業績向上へのインセンティブを十分に確保し
れるほか、関係部署の調査、稟議書の確認や、代表取締役、執
ています。
行役員、監査法人との定期的な意見交換を行っています。
社外取締役および監査役の報酬は、
「固定報酬 」のみです。
また、海外を含む当社グループ全体での監査機能の強化を
報酬水準は、日本の一部上場企業約200社が活用してい
めざし、主要なグループ企業には監査責任者を任命し、監査
る役員報酬調査の専門の外部機関によるデータを用いて国
役が定期的に「グループ監査会議 」を開催するなど、情報の
内大手製造業の報酬を分析・比較し、当社の業績位置と報酬
流れの円滑化に努めています。
水準の相対位置を検証したうえで決定しています。
社外監査役の主な活動状況
役員の報酬等の総額
氏名
主な活動状況
区分
金田 嘉行
当期開催の取締役会16回のすべて、また、当
取締役
13名
823
期開催の監査役会15回のうち14回に出席し、
監査役
4名
89
17名
913
企業経営者としての豊かな経験と高い見識に
基づき、特に生産技術・生産管理等の視点を
支給人員
計
報酬等の額
(百万円)
含めた 広 範 な 視 野から、必 要な発 言 を 適 宜
行っております。
村上 仁志
当期開催の取締役会16回、また、当期開催の
監査役会15回のすべてに出席し、企業経営者
社外役員の報酬等の総額
区分
社外役員
支給人員
4名
報酬等の額
(百万円)
59
としての豊かな経験と高い見識に基づき、特に
リスク管理の視点を含めた広範かつ高度な視
野から、必要な発言を適宜行っております。な
お、村上仁 志 氏は2013年 6月27日をもって
任期満了により退任しました。
矢野 龍
2013年 6月に就任しました。企業経営者とし
ての豊かな経験と高い見識に基づき、特に海
外での豊富な事業経験で培われた広範かつ高
度な視野から、必要な発言を適宜行っており
ます。
ANNUAL REPORT 2013
21
財務セクション
コーポレートガバナンス
事業の概況と今後の見通し
COOインタビュー
CEOメッセージ
財務ハイライト/事業一覧
役員一覧(2013年6月27日現在)
22
地位
氏名
代表取締役会長 兼 CEO
井上 礼之
担当または主な職業
代表取締役社長 兼 COO
十河 政則
社外取締役
寺田 千代乃
アートコーポレーション株式会社 代表取締役社長
社外取締役
池渕 浩介
トヨタ自動車株式会社 顧問・技監
取締役 兼 副社長執行役員
川村 群太郎
化学事業担当、淀川製作所長
取締役 兼 副社長執行役員
田谷野 憲
国内空調事業、中国地域代表担当、大金中国投資有限公司董事長 総経理、
空調グローバルコミッティメンバー
取締役 兼 副社長執行役員
蛭子 毅
経営企画、G社担当
取締役 兼 副社長執行役員
三中 政次
欧州・中近東・アフリカ空調地域代表担当、ダイキンヨーロッパ社 取締役社長、
空調グローバルコミッティメンバー
取締役 兼 専務執行役員
冨田 次郎
空調生産本部長、PD提携推進委員会 委員長、堺製作所長、
テクノロジー・イノベーションセンター設立準備室メンバー、AT Tプロジェクトサブリーダー、
AGHプロジェクトリーダー
取締役 兼 専務執行役員
松崎 隆
空調商品開発(アプライド・ソリューション、低温含む)、グローバル調達担当、滋賀製作所長、
テクノロジー・イノベーションセンター設立準備室メンバー
取締役 兼 執行役員
髙橋 孝一
経理財務・予算担当、経理財務本部長、情報開示委員会 委員長、
業務の適正を確保するための体制・整備構築委員会 委員長、IZSプロジェクトリーダー
取締役(非常勤)
フランス・
ホーレルベーケ
ダイキンヨーロッパ社 取締役会長
監査役(常勤)
村上 茂
監査役(常勤)
福永 健治
社外監査役
金田 嘉行
ソニー株式会社 社友
社外監査役
矢野 龍
住友林業株式会社 取締役会長
専務執行役員
佐藤 純一
中南米空調地域代表(アメリカンエアフィルター関連含む)担当、空調グローバルコミッティメンバー
常務執行役員
林 由紀夫
渉外、特機事業担当、東京支社長
常務執行役員
植松 弘成
グローバル空調事業戦略(国内除く)、低温事業担当、空調グローバルコミッティメンバー
常務執行役員
萩原 茂喜
アプライド・ソリューション事業、サービス、研修担当、アプライド・ソリューション事業本部長
常務執行役員
吉岡 敬男
生産技術、油機事業担当、空調生産本部 副本部長、
空調グローバルコミッティメンバー
常務執行役員
岡野 進
CSR、コーポレートコミュニケーション、企業倫理、コンプライアンス、法務、IT推進担当、
コーポレートコミュニケーション室長、同室 経営IRグループ長、CSR委員会 委員長、
企業倫理・リスクマネジメント委員会 委員長
常務執行役員
岡田 慎也
地球環境担当、GRTプロジェクトリーダー
相談役執行役員
山田 靖
安全担当
執行役員
澤井 克行
人事、総務担当
執行役員
坪内 俊貴
空調営業本部長
執行役員
田中 修
空調生産本部 副本部長(商品開発)、テクノロジー・イノベーションセンター設立準備室メンバー
執行役員
酒井 弘雄
化学商品事業化推進・環境・安全担当、化学事業部長
執行役員
田山 理和
経理財務本部 連結経営管理グループ長
執行役員
植村 義之
グッドマン社取締役 EVP(協業・技術力強化担当)、
ダイキンホールディングス(ヒューストン)社 取締役
執行役員
森山 昌幸
大金中国投資有限公司 董事副総経理、マッケイ中国社 COO
執行役員
峯野 義博
グローバル戦略本部長、グッドマン社 取締役(非常勤)、
ダイキンホールディングス(ヒューストン)社 取締役、GRTプロジェクトサブリーダー
執行役員
神野 仁志
PL・品質(空調・低温・アプライド)、新興国ものづくり担当、空調生産本部 副本部長
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
コンプライアンス、リスクマネジメント
コンプライアンス
株主・投資家の皆様に対する責任
ダイキングループは、グループ全体の企業倫理の推進機関と
ダイキングループは、企業価値の向上こそが、株主・投資家
して2003年度に設置した「企業倫理委員会 」を、2007年度
の皆様の期待に応えることになると考えています。企業価値
に「企業倫理・リスクマネジメント委員会 」と改めました。原則
の源泉ともいえるフリー・キャッシュ・フローを重要視し、収益
年2回の委員会開催を通じて、グループ全体のコンプライアン
増とともに、売上債権と在庫の圧縮にも努めています。
ス
(企業倫理・法令遵守)とリスクマネジメントを統合的に推
安定的な配当
進しています。
ダイキン工業は、連結純資産配当率(DOE)2 . 0 % 以上を
コンプライアンスについては、各部門(海外の主要グループ
維持することを基本に、連結業績、財務状況、資金需要など
会社を含む)に配置されたコンプライアンス・リスクマネジメ
を総合的に勘案し、安定的な配当を実施しています。
ントリーダー(CRL)が中心になり、最新の法令情報を日々収
議決権行使の尊重
集しています。また、それらが規程・マニュアルに的確に反映
ダイキン工業は、株主の皆様が議案を十分に検討のうえ議
され、実際に守られているかをチェックする「日々のトリプル
決権を行使できるよう、総会の招集通知を法定期限よりも1
チェック」を行っています。チェック結果は、月例のCRL 会議
週間繰り上げて発送しています。また、外国人機関投資家の
などを通じ共有化を図っています。また、全従業員が「企業倫
皆様にも招集通知を英訳して送付するとともに、当社WEBサ
理ハンドブック」に記されたコンプライアンス行動指針の遵守
イトに和文版・英文版を掲載しています。
について、毎年「自己点検 」を実施しています。
加えて、パソコンや携帯電話からも議決権を行使できるよ
うにしています。
リスクマネジメント
情報開示
リスクマネジメントについては、グループの急速な事業拡大
ダイキン工業では、株主・投資家の皆様に対して経営の透
を背景に、グローバルな視点からリスクの全体像(PL、品質、
明性を高め、情報を積極的に開示することを重要な責務と考
安全、生産・販売活動、災害など)を的確・迅速に把握し、全
えており、多様なIR 活動を実施しています。
社横断的な体制でその軽減を図っています。毎年、各部門の
アナリストや機関投資家の皆様には、第2四半期・期末決
リスクアセスメントを行って重要リスクを特定し、部門ごとの
算発表時に決算説明会を開催し、第1四半期・第3四半期決
対策および全社横断的な対策を立案・実施しています。
算時には電話会議を開催しています。また、国内外の機関投
また、大地震発生に備え、従業員とその家族の安否確認シ
資家への訪問や、個別面談も実施しています。
ステムを構築し、ダイキングループの従業員とその家族の携帯
当社WEBサイトでは、有価証券報告書など法定書類のほ
電話の連絡先を登録してあります。従業員の安全確保のため、
か、業 績に関する発 表 資 料 を即座に公 開し、公平でタイム 社屋の耐震補強も推進しています。
リーな情報開示に努めています。
さらに、万一社屋や設備が被災した場合もできるだけ早く
また、株主・投資家の皆様からお寄せいただいたご意見を、
復旧するための事業継続計画(BCP:Business Continuity
さまざまな経営施策に反映しています。
Plan)を策定し、生産設備の損壊防止や、サプライチェーンの
強化などを実施していきます。
そのほか、東日本大震災で明らかになった課題をふまえて
従業員とその家族の安 否確認システムを改善するとともに、
緊急時の連絡網を確保するために衛星電話を主要事業場へ
導入し、緊急救援用の備蓄を充実させるといった危機管理の
見直しを実施しました。
ANNUAL REPORT 2013
23
CSR(企業の社会的責任)
ダイキングループは、社会への貢献を果たしながら自らの事業
規模を拡大させていくことがグローバル企業としての責務で
ダイキンが直面するCSR 課題とその取り組み
課題1:気候変動
新興国での
エアコン需要
拡大への対応
あると考えています。この考え方を、2015年を目標年度とす
る5カ年の戦略経営計画「FUSION15 」にも反映させ、「環
財務ハイライト/事業一覧
応える
を戦略の柱としています。
地球温暖化
防止
特に日本では震 災を機にエネルギー不足
が問題化
電力消費の大きな割合を占
めるエアコンの省エネを追求
CSRと経営戦略
フロンによる
環境破壊の
防止
企業が持続可能な発展を遂げていくためには、社会からの
課題や要請を経営に組み込み、組織的に取り組んでいくこと
CEOメッセージ
コン需 要 の 急 増 に伴い電 力 消 費 が 増 加
現地ニーズに合った省エネ製品需要に
境貢献と事業拡大の両立 」と、それを支える「人材力の強化 」
が重要です。グローバル企業として急速に事業を拡大してきた
中国やインド、トルコなど新興国ではエア
代替フロンの温室効果が問題視されてい
る
オゾン層を破 壊せず温 暖 化係 数 が
低い次世代冷媒の採用
課題 2:地域の発展
ダイキングループは「経営理念 」と「人を基軸に置いた経営」の
雇用拡大・
人材育成、
地域の発展
もとに、直面する社会的課題を「FUSION15」に織り込み、社
新興 国の雇 用拡 大、人材育成の要請
新興国に生産・販 売拠 点を拡 大すること
で雇用と人材育成に貢献
会的責任(CSR)を果たしていくことで、世界中のステークホル
COOインタビュー
ダーからの期待と信頼に応えたいと考えています。
2008年には国連グローバル・コンパクトに署名し、人権、労
戦略経営計画「FUSION15 」に組み込まれたCSR 方針
働、環境、腐敗防止への取り組みに関する基本原則を尊重して
2015年度を最終年度とする「FUSION15」に、≪環境≫
きました。具体的な項目は、グループ各社の行動規範の指針と
≪品質・CS≫≪人材≫≪社会貢献≫というCSRの4つの重点
なる「グループコンプライアンス指針」と「企業倫理ハンドブッ
テーマを織り込み、取り組みを進めています。
ク」に盛り込み、グローバル・コンパクトの精神を事業活動に
事業の概況と今後の見通し
反映させています。また、社会的責任の国際規格ISO26000
も踏まえ、グローバルスタンダードに沿ったCSRを推進してい
ます。
■
環境
気候変動抑制を最重要テーマに掲げ、以下の3つの重点テー
マに取り組んでいます。①お客様の省エネに貢献する商品を
グループ経営理念
(1990年制定)
http://www.daikin.co.jp/company/rinen.html
コーポレートガバナンス
グループコンプライアンス指針
(2008年制定)
h t t p: //w w w. d a i ki n . co .j p/c s r/co m p a ny/i d e a .
html#chap 07
世界中で提供、②生産活動などでの環境負荷を最小化、③世
界中にグリーンハート(地球を思いやり、環境を大切にする心)
の輪を広げる。
① 省エネ貢献商品の提供:特に成長著しい新興国でインバー
タ機など環境配慮型製品の普及促進を推進し、2015年度
の新興国CO2 排出抑制貢献量を3 ,000万トンとすることを
ダイキンが直面するCSR 課題
空調事業を主力とするダイキングループは、気候変動問題
財務セクション
を、直面する最も大きなCSR 課 題と捉 えています。また、グ
ローバルに事業を発展させる中で、事業を展開する地域の発
展にも貢献します。
目標にしています。また冷媒規制に対応した技術開発と商
品投入、節電ビジネスのグローバルでの需要創造で世界を
リードします。
②環境負荷の最小化:生産活動などで発生する温室効果ガス
を2015年度に2005年度比67 %削減する計画です。すで
に2012年度 実績において、2005年度から生 産量が2倍
近く増加したにもかかわらず、グループ全体の排出量は68%
の削減を達成しています。水の削減にも取り組み、2012年
度は国内グループの水使用量原単位を2010年度 比4%、
24
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
海外で25%削減しました。化学物質の削減では、2012年
多様性の確保:年齢、性別、国籍、人種等にかかわらず、多
度のPRTR 法対象物質の排出量を2010年度比16%削減し
様な人材が互いの価値観の違いを認め合い組織力を高め、大
ました。
きな目標に挑戦していくことが、企業の力になると考えていま
③グリーンハートの輪:世界各地で生物多様性の取り組みを
す。この考えに基づき、グループコンプライアンス指針で「多様
推進しています。インドネシアでの森林再生プロジェクトや
な価値観、勤労観を尊重しながら、お互いが違いを認め合い、
知 床の自然環 境保 全・復 元事 業など、政 府や地 域住 民、
協調し、持てる力を結集し、一人ひとりが常に夢を語りながら、
NGOなどと連携し、生態系のバランスを維持し自然の豊か
熱い情熱と逞しい執念を持って果敢に実行する」と定めてい
さを取り戻す活動を幅広く展開しています。
ます。
ワーク・ライフ・バランス:従業員のワーク・ライフ・バランス
■
品質・CS
を重視し、子どもを持つ従業員が安心して仕事と育児を両立
「お客様に最高の満足を提供する」ことを重点テーマに、社
できる職場環境など、多様な人材が柔軟な勤務形態や勤務時
会・地域のニーズを先取りした品質の確かな商品を提供するこ
間をとれるよう、さまざまな勤務制度を導入しています。
とでお客様満足
(CS)を追求しています。
労働安全衛生:
「誰もが安心して働けるよう、職場の安全・
品質・安全の確保:お客様の視点に立って商品の安全性と
衛生の確保を最優先 」することをグループコンプライアンス指
品 質 の 確 保 に 努 めています。品 質 マネジメントシステム
針に定め、従業員と業務請負企業の方々が安全に働け、工場
ISO 9001の認証を取得し、開発時・生産時の品質向上に努め
周辺の皆様にも安心していただける「災害ゼロ」の職場の維持
ています。お客様が使用する際の安全性にも配慮して情報を
をめざしています。
開示しています。また、販売後の製品情報を収集し、品質改善
に努めています。
■
お客様満足(CS)の追求:
「最高のアフターサービス
(速さ、
ダイキングループは、グローバルに展開するそれぞれの地域
確かさ、親切さ)の実現 」を基本方針にお客様満足を追求して
に根ざした活動を従業員主体で実践することを重点テーマに、
います。お客様からの修理依頼・技術相談などは、
「ダイキン
社会貢献
「環境保全 」
「 教育支援 」
「 芸術・文化 」への貢献を軸に、各地
コンタクトセンター」を総合窓口として24時間365日体制で
域に役立つ社会貢献を実践しています。
受け付けています。また世界各国でサービス体制強化を図って
環境保全:世界各地で自然を保護し再生する取り組みを進
います。
めています。また海外グループ会社でも独自の植樹活動や、自
然保護活動に取り組んでいます。
■
人材
教育支援:拠点をもつ各地域で、若者への教育を支援して
ダイキングループは、企業競争力の源泉は「人 」であると考
います。教育資金の援助、技術教育などを通して貢献するとと
え、
「人を基軸に置いた経営」で従業員一人ひとりが能力を発
もに、地域の小学生を対象とした体験型イベントや工場見学も
揮できる環境をつくることを重点テーマに設定しています。ま
実施しています。
た、事業を展開する地域の人材の雇用・育成に尽力し、各拠点
芸術・文化:芸術・文化の振興のために、
「ダイキン工業現代
の持続的成長と地域の発展に貢献します。
美術振興財団 」を設立し、国立国際美術館が行う展覧会、講
人材育成:
「国籍や在籍会社を問わず、一人ひとりの成長の
演会、学術研究、出版事業などの活動を支援しています。また、
総和がグループ発展の基盤 」であるという考え方を企業理念
海外でも音楽会への協賛などを通じて現地文化の振興に貢献
の一つとして掲げ、
「人は仕事の経験を通じて成長する」とい
しています。
う考えのもとに従業員の能力開発に努めています。また、グ
ローバル各拠点で現地人材への教育訓練を積極的に行うとと
もに、現地人材の幹部登用を推進しています。
ANNUAL REPORT 2013
25
10年間の要約財務データ
ダイキン工業株式会社及び連結子会社 3月31日に終了した各会計年度
2004年
2005年
2006年
¥625,080
212,402
165,482
23,817
46,920
¥729,414
256,289
196,083
24,583
60,206
¥792,837
269,906
203,359
26,648
66,547
EBITDA(注記2)
68,835
83,630
95,816
当期純利益
26,869
38,083
40,146
営業活動によるキャッシュ・フロー
¥ 40,306
¥ 43,970
¥ 63,511
投資活動によるキャッシュ・フロー
(31,594)
(42,091)
(63,420)
フリーキャッシュ・フロー
(注記3)
8,711
1,879
91
財務活動によるキャッシュ・フロー
2,182
3,534
(4,284)
¥534,726
¥615,596
¥716,440
有利子負債
148,949
166,442
172,995
自己資本
234,029
271,716
340,523
¥101.57
¥ 144.24
¥ 152.11
888.29
1,031.73
1,293.41
14.00
18.00
22.00
33.98%
35.14%
34.04%
7.51
8.25
8.39
損益状況
(会計年度)
:
売上高
売上総利益
財務ハイライト/事業一覧
販売費及び一般管理費
研究開発費
(注記1)
営業利益
CEOメッセージ
キャッシュ・フロー状況
(会計年度)
:
財政状態
(会計年度末)
:
COOインタビュー
総資産
1株当たり情報
(単位:円)
:
当期純利益
純資産
事業の概況と今後の見通し
年間配当金
財務指標
(単位:%)
:
売上総利益率
コーポレートガバナンス
営業利益率
EBITDAマージン
11.01
11.47
12.09
自己資本利益率
(ROE)
12.24
15.06
13.11
自己資本比率
43.77
44.14
47.53
注記 1. 研究開発費は、一般管理費および当期製造費用に含まれています。
2 . EBITDA=営業利益+減価償却費
3 . フリーキャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
財務セクション
売上高
営業利益
(億円)
(億円)
15,000
1,500
12,000
1,200
9,000
900
6,000
600
3,000
300
当期純利益
(億円)
800
600
400
0
0
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
26
200
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
0
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
単位:百万円
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
¥911,749
312,688
231,934
27,204
80,754
¥1,291,081
441,549
313,451
32,075
128,098
¥1,202,420
363,660
302,266
30,535
61,394
¥1,023,964
319,301
275,263
28,220
44,038
¥1,160,331
361,665
286,210
30,771
75,455
¥1,218,701
371,902
290,709
32,987
81,193
¥1,290,903
388,046
299,419
33,569
88,627
115,315
179,469
118,325
96,462
127,168
131,719
140,151
45,420
74,822
21,755
19,391
19,873
41,172
43,585
¥ 83,725
¥103,329
¥ 62,238
¥129,227
¥78,411
¥44,967
¥103,161
(305,251)
(76,428)
(99,302)
(39,848)
(23,306)
(62,955)
(218,386)
(221,526)
26,902
(37,065)
89,379
55,105
(17,988)
(115,225)
245,975
3,367
48,382
(34,942)
(37,623)
(1,113)
143,520
¥1,161,364
¥1,210,094
¥1,117,418
¥1,139,656
¥1,132,507
¥1,160,564
¥1,735,836
456,074
356,928
417,919
399,313
372,481
389,891
705,871
397,542
545,641
471,686
496,179
487,876
502,309
618,118
¥ 172.66
¥ 262.24
68.14
¥ 141.37
¥ 149.73
1,511.47
1,867.79
1,615.98
1,701.29
1,672.74
1,725.64
2,123.10
28.00
38.00
38.00
32.00
36.00
36.00
36.00
34.30%
34.20%
30.24%
31.19%
31.17%
30.52%
30.06%
8.86
9.92
5.11
4.30
6.50
6.66
6.87%
12.65
13.90
9.84
9.42
10.96
10.81
10.86%
12.31
15.87
4.28
4.01
4.04
8.30
7.78%
34.23
45.09
42.21
43.54
43.08
43.28
35.61%
研究開発費
(億円)
¥
74.51
¥
66.44
¥
自己資本
(億円)
(億円)
400
8,000
300
6,000
総資産
18,000
15,000
12,000
200
4,000
100
2,000
9,000
6,000
3,000
0
0
0
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
27
財務ハイライト/事業一覧
財務報告
売上高の状況
販売費及び一般管理費、営業利益
当期の世界経済は、米国では景気回復の兆しがみられたもの
グッドマン社買収の結果、人件費が増加し販売費及び一般管
の、欧州経済は債務問題や緊縮財政を背景に低迷しました。ま
理費は2 ,994億円となりましたが、対売上比率は、23 . 2%と前
た、新興国経済も、内需がおおむね堅調ながらも、先進国向けの
期比0 .7ポイント改善しました。連結営業利益は、前期比9. 2%
輸出減速を背景に、景気拡大ペースが鈍化するなど、全体として
増の886億 27百万円となり、営業利益率は前期比0 . 2ポイント
力強さに欠けるものとなりました。わが国経済は、円高や外需不
増加し6 .9 %となりました。
振にともなう輸出の低迷により減速感を強めましたが、昨年末か
ら期末にかけての円高の修正や公共投資の増勢などから、景気
研究開発費
COOインタビュー
CEOメッセージ
回復への期待感が高まってきました。
2013年3月期の業績につきましては、欧州空調需要の低迷、
研究開発費は336億円と売上構成比の2 . 6%を占めています。
半導体を中心とするフッ素化学需要の回復遅れなど、厳しい事
このうち、空調・冷凍機事業に係る研究開発費は、285億32
業環境の中、国内の節電意識の浸透を捉えた差別化商品の拡
百万円でした。住宅用空調機器ではルームエアコンの壁掛形に
販、グローバルで好調な地域・製品の拡販、全社をあげた固定費
おいて、地球環境に配慮したHFC 32冷媒を世界で初めて搭載
削減により、3期連続の増収増益を達成、化学事業では減収・減
し、業 界 で 初 めて4 . 0 kWクラスにおいて年 間 エネルギー 効 率
益となりましたが、空調事業では国内・中国・アジア等の地域で
(APF)7. 0を超える高い省エネ性を実現した「うるさら7」を上
の販売が伸長したこともあり、全体では、増収・増益を果たすこ
市しました。住宅設備機器では、住宅の高気密・高断熱化に伴う
とができました。連結売上高は前期比5 .9 % 増の1兆 2 ,909億
換気と湿度制御の課題をヒートポンプ技術を用いて解決し、省
3百万円となりました。売上 総利益は161億円増加し、3 , 880
エネで快適な空間を実現する「DESICA HOME AIR 」を発売し
億円となり、売上総利益率は30 .1%となりました。
ました。また、北米においては、部分負荷効率の向上を達成する
とともに、低 騒 音 化 を 実 現 した 水 熱 源 ヒートポンプ「Smart
Source」、加えてインバータスクロール圧縮機を搭載し、AHRI
事業の概況と今後の見通し
為替レート
認証機種内トップのIEER(総合エネルギー効率)を達成した省エ
第3四半期から急激な円安となり2013年3月期のドル/円は
ネヒートポンプルーフトップ「Revel 」を発売しました。中国では、
計画値80円に対して83円、ユーロ/ドルは計画値100円に対
大容量スクリュー圧縮機を搭載した水冷スクリューチラー、イン
して107円となりました。売上高に対する為替の影響は対前年
バータ圧縮機搭載によりIPLV(部分負荷特性)を向上した空冷
度で +200億円、営業利益で +5億円となっています。
インバータモジュールチラーのラインナップ拡充を行いました。
コーポレートガバナンス
2012年度
円/ドル
円/ユーロ
¥ 83
た。
「化学研究開発センター」では切れ目のない新商品開発・次
¥109
¥107
世代大型テーマの創出を主に担い、「テクニカルサービス部」で
国内および海外売上高
財務セクション
営業利益および営業利益率
当期純利益
(億円)
(%)
15,000
1,000
10
500
12,000
800
8
400
9,000
600
6
300
6,000
400
4
200
3,000
200
2
100
0
0
(億円)
0
0
2009 2010 2011 2012 2013
国内 28
化学事業における研究開発費は、38億89百万円となりまし
2013年度
¥ 79
海外売上高
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
2009 2010 2011 2012 2013
営業利益 営業利益率
(億円)
2009 2010 2011 2012 2013
はユーザーからの要求に迅速に対応し中・短期集中テーマを確実
国内空調事業
に実行しています。
国内業務用空調機器では、設備投資と建築着工の緩やかな回復
油機関連、特機関連などその他事業に係る研究開発費は、11
基調が継続していることに加え、節電需要の高まりと政府の補助
億48百万円でした。
金制度の効果もあり、業界需要は堅調に推移しました。当社グルー
その他収益
(費用)および当期純利益
カイエア」シリーズおよびビル用マルチエアコン「Ve-up」シリーズ
プは、省エネ性をさらに高めたビル・店舗・オフィス用エアコン「ス
を5月に発売しました。これらが新規および更新需要の獲得に寄
為替差益が増加した結果、連結当期純利益は、特別損失とし
与し、売上高は前期を上回りました。
て投資有価証券評価損(126億51百万円)の計上等がありまし
国内住宅用空調機器では、新築住宅着工数の伸長、節電意識の
たが、前期比5 .9 % 増の435億85百万円となりました。
浸透による省エネ空調機器へのニーズの高まりに、好天も加わり、
業界需要は前期を上回りました。商品面では、地球温暖化への影
配当政策および当期配当金
響が低く環境性能に優れたHFC新冷媒R 32を世界で初めて採用
株主への還元については、連結純資産配当率2 . 0 % 以上を維
本商品は、高い省エネ性能とその実現への革新的な技術が評価さ
持することを基本に、連結業績、財務状況、資金需要等を総合的
れ、2012年度省エネ大賞において最高賞である経済産業大臣賞
に勘案し、安定的に実施してまいります。また内部留保金につき
を受賞いたしました。また、
「かんたん見守りリモコン」を採用した
ましては、経営体質の一層の強化をはかるとともに、グローバル
ルームエアコン『ラクエア』など、高付加価値商品の拡販に加え、
事業展開の加速、地球環境に貢献する商品開発の加速など、事
主要都市での節電イベントの開催等も展開し、売上高は前期を上
業拡大・競争力強化のための戦略的投資に充当してまいります。
回りました。住宅用空気清浄機でも、花粉や大気汚染問題を背景
当期の配当金は、対前年据置の年間36円
(中間配当18円、期末
に業界需要が伸長しました。当社グループは、独自技術の光速スト
配当18円)、連結純資産配当率は、急速な円安の進行により自
リーマとアクティブプラズマイオン発生器を搭載したダブル方式に
己資本が増加したことから1.9 %となりました。
より他社との差別化をはかった新商品『うるおい光クリエール』を
したルームエアコン『うるさら7
(セブン)
』を11月に発売しました。
発売し、大きく売上を伸ばしました。
セグメント別状況
空調・冷凍機事業
空 調・冷凍機 事 業 全 体 の売 上 高は、「うるさら7」や「Eco ZEAS 80」などの差別化商品を拡販による収益力の向上により、
前期比7. 5% 増の1兆1,199億72百万円となりました。営業 利
益は、前期比17. 8% 増の709億5百万円となりました。
販売費及び一般管理費
(億円)
セグメント売上高
セグメント営業利益
(損失)
(億円)
(億円)
1,000
15,000
3,200
800
12,000
2,400
600
9,000
400
1,600
6,000
200
800
3,000
0
0
-200
0
2009 2010 2011 2012 2013
2009 2010 2011 2012 2013
2009 2010 2011 2012 2013
空調部門 化学部門 その他
空調部門 化学部門 その他
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
29
国内空調業界全体の空調機出荷台数
(2012年度)
財務ハイライト/事業一覧
(千台)
上期
前年比
下期
前年比
年間
前年比
住宅用
5,579
103%
2,942
102%
8,521
103%
業務用
436
104%
343
95%
779
100%
海外空調事業
中国地域
主力の欧州での需要は依然厳しい状況が続きましたが、中国
中国地域では、都市部郊外および地方都市での需要拡大が堅
を中心にその他各地域での販売が好調に推移したことにより、海
調なものの、大型不動産物件や新築物件では市況が悪化してお
外全体の売上高は前期を上回りました。
り、大都市での需要が減速しました。こうした中、当社グループ
COOインタビュー
CEOメッセージ
は、住宅用・業務用空調機器とも、小売向け販売に注力すること
欧州地域
で、売上高は前期を上回りました。主力の業務用空調機器では、
欧州地域では、需要最盛期の7月・8月に南欧が好天となり空
小売向けの商品を投入し、販売店開発および客先別・用途別の
調市場が一時的に回復したことに加え、下半期でも販売店への
需要開拓を続けました。住宅用空調機器では、住宅用マルチエア
訪問活動強化等により主要国での販売を伸ばしましたが、年間
コンの販売網の中国全域への拡大や、中国独自仕様の商品開発
累計では、景気後退の影響が大きく、住宅用空調機器の販売は
による豊富な品揃えにより、新たな市場創造を進めました。また、
前期を下回りました。業務用空調機器では、建築需要が後退して
ルームエアコンでも、需要が縮小している中で、新しい販売網の
いるEU 諸国での販売が前期を下回りましたが、中東・トルコなど
構築や新商品の投入を進め、販売は前期を上回りました。大型
新興国での事業拡大により、主力のビル用マルチエアコン全体で
空調(アプライド)分野も、需要の伸びが微増となる中、販売網
は、前期並みの販売を確保しました。特にトルコでは、2011年7
の強化と、商品構成の拡充により販売を伸ばしました。サービス
月に買収した現地子会社の好業績が、引き続き大きく寄与しまし
事業も順調に伸長しました。
コーポレートガバナンス
事業の概況と今後の見通し
た。ヒートポンプ式住宅温水暖房機では、大市場フランスでの需
要低迷に加えて、イギリスの公団住宅向けの需要が落ち込む中、
アジア・オセアニア地域
販売店やエンドユーザー向けの販売促進活動を強化し、下半期
アジア・オセアニア地域では、主要国のオーストラリアは天候不
の販売は前期比で増加に転じました。また、中欧・イタリア・ギリ
順等の影響もあり販売は前期並みとなりました。洪水からの復興
シャなど周辺国での販売を年間通じて伸ばしたことにより、ヒー
需要や好天影響により販売が好調に推移したタイに加え、ベトナ
トポンプ式住宅温水暖房機全体の年間販売は、前期を上回りま
ム、および当期に新たに販売会社を設立したインドネシアといっ
した。また、収益力強化の一環として、物流やITなど間接業務の
た新興国での販売拡大が寄与したほか、インドでは現地生産の
一元化など、固定費構造の改革に取り組みました。
拡大や現地開発商品の販売に加えトータルコストダウンを強化し
たことなどから、地域全体の売上高は前期を大きく上回りました。
売上構成比
研究開発費
財務セクション
(億円)
400
その他 3.6%
化学部門 9.6%
300
200
空調部門
86.8%
100
0
2009 2010 2011 2012 2013
30
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
米州地域
その他事業
北米地域の大型空調(アプライド)分野の需要が横ばいにとど
その 他 事 業 全 体 の 売 上 高は、前 期 比 4 . 8% 増 の464億 95
まる中、新商品の増販、サービス事業の拡大、さらに中南米地域
百万円となりました。営業利益は、前期比 44 . 2% 増の12億 29
での販売拡大により、売上高は増加しました。北米地域のダクト
百万円となりました。
レス空調分野では、個別空調ニーズの高い官公庁用物件が減少
産業機械用油圧機器は、米国市場では堅調に推移しました。
しましたが、販売代理店や建築関係者への認知度向上活動を強
一方、国内市場および欧州・アジア市場の需要は低迷し、売上高
化し、ビル用マルチエアコン販売のさらなる増加につなげました。
は前期を下回りました。建機・車両用油圧機器は、国内主要顧客
また、住宅用や中小規模店舗用空調機器は、新規取引卸店への
の国内需要および海外向け需要とも堅調に推移し、売上高は前
出荷が好調に推移し、前期を大きく上回る売上を達成しました。
期を上回りました。
特機部門では、防衛省向け砲弾・誘導弾用部品の受注増加に
化学事業
より、売上高は増加しました。在宅酸素医療用機器の販売も好調
フッ素樹脂は、米国 LAN 電線をはじめ電線市場では、拡販に
に推移しました。電子システム事業では、設計開発分野向けデー
より売上が堅調に推移しました。また、中国市場でも、インフラ
タベースシステムの増販により、売上高は前期を上回りました。
投資や輸出需要が減速し景気拡大ペースが鈍化する中で、用途
開発の推進により売上の確保に努めました。一方で、国内・アジ
次期見通し
ア・米国の半導体市場等では需要が低迷しました。また、フッ素
ゴムも、欧州での自動車需要の減少と在庫調整の影響で販売が
当社では2014年3月期のグループ年頭方針を「これまでの歩
減少しました。これらにより、フッ素樹脂全体の売上高は、前期
みと可能性を信じて、挑戦に次ぐ挑戦を」と定め、環境変化に対
を下回りました。化成品は、撥水撥油剤では、主に上半期におい
する柔軟かつ迅速な対応で、中長期の発展と短期の収益確保の
て中国・アジアの衣料用途向け需要が落ち込んだものの、米国・
両立をはかってまいります。具体的には、現地ニーズに沿った商品
欧州では新規用途展開が進展しました。また、スマートフォンや
の開発・拡販による新興国市場での事業拡大の加速、買収した
タッチパネル等に用いられる表面防汚コーティング剤でも、用途
グッドマン社との事業シナジーの極大化、世界各地域の顧客ニー
開発が奏功し、売上高が拡大したことにともない、化成品全体の
ズに応じたソリューション事業の構築、地球温暖化影響の低い次
売上高は前期を上回りました。
世代冷媒を採用した空調機の拡販、節電意識の浸透を捉えた省
フルオロカーボンガスについては、中国・アジア・国内での市況
エネ商品の提案など環境イノベーション事業の拡大、変動費コス
軟化にともなう売価ダウンの影響により、売上高は前期に比べ、
トダウンの推進、さらには固定費や在庫の削減など全社重点課
大幅に減少しました。
題を推進していくことで、増収増益をめざしていきます。
化学事業全体の売上高は、フルオロカーボンガスの減収影響
2014年3月期通期の連結業績予想につきましては、売上高は、
が大きく、前 期 比6 . 4%減の1, 244億36百万円となりました。
前 期 比36 . 3%増 の1兆7,600億 円、営 業 利 益 は41.0 %増 の
営業利益は、前期比18 . 2%減の164億 91百万円となりました。
総資産
運転資本
(流動資産−流動負債)
および流動比率
(億円)
20,000
15,000
自己資本および自己資本比率
(億円)
(%)
5,000
250
7,500
(億円)
(%)
50
4,000
200
6,000
40
3,000
150
4,500
30
2,000
100
3,000
20
1,000
50
1,500
10
10,000
5,000
0
0
0
2009 2010 2011 2012 2013
2009 2010 2011 2012 2013
運転資本 流動比率
0
0
2009 2010 2011 2012 2013
自己資本 自己資本比率
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
31
1, 250億円、経常利益は27. 5%増の1, 200億円、当期純利益
設備投資および減価償却費
は46 . 8%増の640億円を見込んでいます。為替レートについて
は、1ユーロ125円、1米ドル95円を前提にしています。
当社グループでは「より収益性の高い分野への経営資源の集
中」を基本戦略とし、当年度においては、空調・冷凍機事業およ
財務ハイライト/事業一覧
資産、負債および純資産
び化学事業を重点に、総額543億 23百万円の設備投資を実施
しました。空調・冷凍機事業については、当社においてルームエア
CEOメッセージ
資産
コンおよびパッケージエアコンの研究開発・合理化投資を中心に
流動資産は、グッドマン社新規連結による増加のほか、現金及
89億 20百万円の投資を実施したほか、大金空調(蘇州)有限公
び預金の増加や、売掛金の増加等により、前連結会計年度末に
司においても、能力増強投資を中心に76億63百万円の設備投
比べて1,742億79百万円増加し、8 , 033億 26百万円となりま
資を実施しました。化学事業については、当社で能力増強合理化
した。固定資産は、グッドマン社買収によるのれんの発生および
投資を中心に56億71百万円の設備投資を実施し、大金フッ素
グッドマン社新規連結による顧客関連資産の増加等により、前
化学(中国)有限公司においても、49億 93百万円の能力増強投
期末に比べて4 , 009億 93百万円増加の9, 325億10百万円と
資を実施しました。
なりました。
減価償却費は、前期比12億円増の394億円となりました。
当 期 において、グッドマン社 を100 %子 会 社 化 しました。
2012年12月31日をみなし取得日としており、当該子会社につ
キャッシュ・フロー
COOインタビュー
いては、2012年12月31日の財務諸表を基礎として連結決算を
行っているため、当期末には貸借対照表のみを連結しています。
営 業 活 動では、たな卸 資 産の 減 少 等により、前 期に比べて
これにより、総資産は、1兆7, 358億36百万円となり、前期末に
581億 94百万円増加し、1, 031億 61百万円のキャッシュの増
比べて5 ,752億72百万円増加しました。
加となりました。投資活動では、グッドマン社株式の取得による
支出があったこと等により、前期に比べて1, 554億31百万円減
コーポレートガバナンス
事業の概況と今後の見通し
負債および純資産
負債は、グッドマン社の買収資金調達を目的とした長期借入
務活動では、グッドマン社の買収資金としての長期借入れによる
金の増加等により、前期末に比べて4 , 551億 96百万円増加の1
収入の増加および社債の発行による収入があったこと等により、
兆998億39百万円となりました。これにより、有利子負債比率
前 期に比べて1, 446億33百万円増加し、1, 435億 20百万円
は、前期末の33 . 6%から40 .7 %となりました。純資産は、配当
のキャッシュの増加となりました。この結果、現金及び現金同等
金の支払いによる減少の一方、当期純利益の計上による増加お
物 の 当 期 末 残 高 は、前 期 末 に 比べ501億44百 万円 増 加し、
よび為替換算調整勘定の変動等により、前期末に比べて1, 200
1, 855億71百万円となりました。
億76百万円増加の6 , 359億 97百万円となり自己資本比率は
35 . 6%となりました。
ROE
財務セクション
少し、2 ,183億86百万円のキャッシュの減少となりました。財
ROA
(%)
設備投資および減価償却費
(%)
10
(億円)
750
4
8
600
3
6
450
2
4
300
1
2
0
150
0
2009 2010 2011 2012 2013
0
2009 2010 2011 2012 2013
2009 2010 2011 2012 2013
設備投資 32
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
減価償却費
事業等のリスク
冷夏および天候不順に伴う空調需要の変動
当社グループの事業内容は、空調・冷凍機事業が連結売上高の
主要市場での政治・経済状況及び製品需給の急激な変動
86 . 8%を占めていることから、世界の主要マーケットでの気象情
当社グループは、全世界で商品やサービスを提供しており、日
報や需要動向の把握に努めるとともに、その変化に対して影響を
本、欧米、中国を含むアジア地域などの市場における政治・経済
最小限にとどめるべくフレキシブルな生産方式や販売政策を採っ
動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特
ています。冷夏および天候不順に伴う空調需要の変動の大きさに
に、ヨーロッパにおける新たな空調機器の生産拠点の設立や代
よっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
理店買収、中国においても生産・販売会社を設立するなど海外で
の積極的な事業展開を図っており、各地域における経済状況の
為替相場の大幅な変動
悪化、素材価格の高騰によるコストの上昇や競合他社との競争
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は62%
激化等、事業環境の変化により業績に影響を及ぼす可能性があ
であり、今後もグローバル展開の加速により、海外売上高の割合
ります。米国において、当社は、2012年11月1日
(米国現地時間)
がさらに増加する見込みです。連結財務諸表の作成にあたっては、
に
(グッドマン グローバル グループ インク 本社:米国テキサス
各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目を円
州ヒューストン市)の買収に関する全ての手続きを完了しました。
換算しています。従って、換算時の為替レートにより、これらの項
なお、本件買収にかかる買収価額(グッドマン社の借入の借換分
目は、各地域の現地通貨における価値が変わらなかったとしても
を含む)は37億ドルです。本件の買収により、米国の住宅用空調・
円換算後の価値が影響を受けることになります。また、部材の調
業務用空調市場に対して、グッドマン社の最大規模の販売網に
達、商品やサービスについて外貨建てで取引しているものもあり、
当社の環境技術を融合した環境先進商品を投入し、北米空調市
為替動向によって製造コストや売上高に影響する可能性がありま
場において新たな潮流を起こすことで環境貢献と事業拡大の両
す。当社グループでは、これらの為替リスクを回避するため、短期
立を図ります。さらに、グッドマン社の持つローコスト経営ノウハ
的には為替予約等によりリスクヘッジを行っており、中長期的に
ウを、新興国・ボリュームゾーンの市場に展開するとともに、先進
は為替変動に連動した最適調達・生産分担の構築、通貨毎の輸
国を含めたグループ全体の収益体質の改革に取り組むことで、一
出入バランス化等により為替変動に左右されない体質の実現に
層の競争力向上を図りますが、その進捗状況によっては、当社グ
取り組んでいますが、これにより当該リスクを完全に回避できる
ループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ものではありません。
このほか以下のリスクがあると認識しています。
• 重大な品質クレーム
• 重大な生産トラブル
• 保有する有価証券の時価の大幅な変動
• 自然災害
フリーキャッシュ・フロー
(億円)
1,200
600
0
-600
-1,200
2009 2010 2011 2012 2013
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
33
連結貸借対照表
ダイキン工業株式会社及び連結子会社
2013年3月31日現在
単位:百万円
資産
2013年
2012年
¥ 185,571
¥ 135,427
流動資産:
現金及び現金同等物
(注記17)
短期投資
(注記17)
221
財務ハイライト/事業一覧
売上債権
(注記 8、9及び17)
:
受取手形
売掛金
貸倒引当金
たな卸資産
(注記3及び 9)
繰延税金資産
(注記13)
前払費用及びその他の流動資産
36,348
172,729
(6,227)
(4,808)
285,169
243,600
21,782
9,381
53,708
36,149
803,326
629,047
CEOメッセージ
流動資産合計
43,464
219,859
COOインタビュー
有形固定資産
(注記9)
:
土地
33,121
30,739
建物及び構築物
216,148
182,550
機械装置及び運搬具
414,716
362,450
工具・器具及び備品
131,921
116,034
リース資産
(注記16)
事業の概況と今後の見通し
建設仮勘定
計
減価償却累計額
コーポレートガバナンス
有形固定資産合計
6,279
6,635
18,111
18,313
820,296
716,721
(546,095)
(492,364)
274,201
224,357
102,588
84,219
投資及びその他の資産:
投資有価証券
(注記 6及び17)
非連結子会社及び関連会社に対する投融資
14,831
15,205
のれん
(注記5及び 7)
348,411
166,276
顧客関連資産
(注記5)
109,723
4,271
52,754
9,939
財務セクション
その他の無形固定資産
(注記5)
繰延税金資産
(注記13)
3,570
9,276
その他の資産
(注記10)
26,432
17,974
658,309
307,160
¥1,735,836
¥1,160,564
投資及びその他の資産合計
資産合計
連結財務諸表の注記をご参照ください。
34
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
単位:百万円
負債及び純資産
2012年
2013年
流動負債:
短期借入金
(注記9及び17)
¥
65,335
¥
90,449
一年内返済予定長期借入債務
(注記9及び17)
4,126
57,290
一年内返済予定長期リース債務
(注記16)
1,464
2,042
仕入債務
(注記17)
:
支払手形
7,377
6,392
119,987
103,716
未払法人税等
(注記17)
14,694
9,836
繰延税金負債
(注記13)
5,518
2,974
製品保証引当金
40,235
23,674
未払費用
67,089
52,748
その他の流動負債
(注記 8)
56,802
47,218
382,627
396,339
633,033
238,108
1,912
2,002
買掛金
流動負債合計
固定負債:
長期借入債務
(注記9及び17)
長期リース債務
(注記16)
退職給付引当金
(注記10)
繰延税金負債
(注記13)
長期未払金
3,960
2,016
54,362
4,327
1,387
443
その他の固定負債
22,558
1,408
固定負債合計
717,212
248,304
発行済株式総数:普通株式 2013年及び 2012年̶293 ,113 ,973株
85,032
85,032
資本剰余金
83,017
82,977
新株予約権
1,335
1,501
利益剰余金
438,671
415,231
(6,772)
(6,961)
約定債務及び偶発債務
(注記16及び18)
純資産
(注記11、12及び 22)
:
資本金
発行可能株式総数:500 , 000 , 000株
自己株式̶取得原価:2013年̶1,974 , 043株、2012年̶2 , 028 , 808株
その他の包括利益
(損失)累計額:
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損失
為替換算調整勘定
計
少数株主持分
純資産合計
負債及び純資産合計
18,431
(2)
(146)
(74)
(115)
(73,894)
619,453
503,810
16,544
12,111
635,997
515,921
¥1,735,836
¥1,160,564
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
35
連結損益計算書
ダイキン工業株式会社及び連結子会社
2013年3月31日に終了した会計年度
単位:百万円
財務ハイライト/事業一覧
売上高
(注記 8)
2013年
2012年
¥1,290,903
¥1,218,701
売上原価
(注記15)
902,857
846,799
売上総利益
388,046
371,902
販売費及び一般管理費
(注記7、8及び15)
299,419
290,709
88,627
81,193
営業利益
その他の収益
(費用)
:
受取利息及び配当金
4,690
4,875
支払利息
(7,081)
(6,136)
為替差益
6,849
22
CEOメッセージ
有形固定資産処分損
投資有価証券売却益
(注記 6)
投資有価証券評価損
(注記 6)
非連結子会社及び関連会社に対する持分法による投資利益
(430)
117
1,437
(12,651)
(1,874)
1,063
2,918
新株予約権戻入益
310
69
保険差益
166
関連会社株式売却益
COOインタビュー
(497)
986
子会社整理損
(783)
契約解除補償金
(1,502)
減損損失
(注記 4)
(356)
事業の概況と今後の見通し
その他̶純額
(注記10)
(319)
352
その他の費用合計̶純額
(7,150)
(625)
法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益
81,477
80,568
法人税、住民税及び事業税
32,677
26,152
過年度法人税等
(1,841)
コーポレートガバナンス
法人税等
(注記13)
:
法人税等調整額
3,500
9,796
法人税等計
34,336
35,948
少数株主利益調整前当期純利益
47,141
44,620
少数株主利益
(3,556)
当期純利益
¥
43,585
(3,448)
¥
41,172
単位:円
1株当たり金額
(注記20)
:
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
財務セクション
1株当たり年間配当金
連結財務諸表の注記をご参照ください。
36
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
¥149.73
¥141.37
149.71
36.00
36.00
連結包括利益計算書
ダイキン工業株式会社及び連結子会社
2013年3月31日に終了した会計年度
単位:百万円
少数株主利益調整前当期純利益
2013年
2012年
¥ 47,141
¥44,620
18,434
(4,642)
その他の包括利益
(損失)
( 注記19)
:
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ
(損)益
為替換算調整勘定
持分法適用の関係会社のその他の包括利益
(損失)に対する持分相当額
その他の包括利益
(損失)合計
包括利益
(72)
17
64,782
(12,968)
1,483
(78)
84,627
(17,671)
¥131,768
¥26,949
¥126,233
¥23,561
5,535
3,388
包括利益の内訳:
親会社株主
少数株主
連結財務諸表の注記をご参照ください。
連結株主資本等変動計算書
ダイキン工業株式会社及び連結子会社
2013年3月31日に終了した会計年度
単位:百万円
その他の包括利益(損失)累計額
社外流通
株式総数
2011年4月1日現在残高
291,662,445
資本金
資本
剰余金
¥85,032 ¥82,977
新株
予約権
その他
利益
有価証券 繰延ヘッジ
剰余金 自己株式 評価差額金
損失
¥1,293 ¥385,761 ¥(5,473)
¥ 4,641
¥ (91)
為替換算
調整勘定
¥(64,971)
少数株主 純資産
持分
合計
計
¥489,169 ¥11,759 ¥500,928
連結子会社の決算期変更に伴う
利益剰余金の減少(注記2)
(1,205)
(1,205)
(1,205)
当期純利益
41,172
41,172
41,172
配当金(1株当たり36円)
(10,490)
自己株式の取得
(586,496)
自己株式の処分
9,067
持分法適用関係会社に対する
持分変動に伴う自己株式の増減
(7)
(10,490)
(1,521)
(1,521)
33
26
26
149
当期純変動額
2012年3月31日現在残高
(10,490)
(1,521)
208
291,085,165
85,032 82,977
1,501
連結子会社の決算期変更に伴う
利益剰余金の減少(注記2)
415,231
(6,961)
(4,643)
17
(8,923)
(13,341)
352 (12,989)
(2)
(74)
(73,894)
503,810
12,111 515,921
(9,666)
(9,666)
(9,666)
当期純利益
43,585
43,585
43,585
配当金(1株当たり36円)
(10,479)
(10,479)
(10,479)
自己株式の取得
(310)
自己株式の処分
55,075
40
当期純変動額
2013年3月31日現在残高
189
(166)
291,139,930
¥85,032 ¥83,017
¥1,335 ¥438,671 ¥(6,772)
229
18,433
(72)
¥18,431
¥(146)
73,779
¥
(115)
91,974
229
4,433
96,407
¥619,453 ¥16,544 ¥635,997
連結財務諸表の注記をご参照ください。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
37
連結キャッシュ・フロー計算書
ダイキン工業株式会社及び連結子会社
2013年3月31日に終了した会計年度
単位:百万円
2013年
2012年
¥ 81,477
¥ 80,568
(29,688)
(28,116)
51,524
50,526
営業活動によるキャッシュ・フロー:
法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益
調整項目:
財務ハイライト/事業一覧
法人税等の支払額
減価償却費
投資有価証券売却益
(117)
(1,437)
投資有価証券評価損
12,651
1,874
有形固定資産処分損
497
430
(1,063)
(2,918)
非連結子会社及び関連会社に対する持分法による投資利益
資産及び負債の増減額
(子会社の取得の影響を除く)
:
CEOメッセージ
売上債権
(22,587)
(15,680)
たな卸資産
10,299
(33,398)
その他の流動資産
(3,924)
(5,878)
COOインタビュー
前払年金費用
(306)
896
仕入債務
343
(5,566)
未払費用
1,801
2,888
その他の流動負債
1,672
(819)
退職給付引当金
(204)
(1,763)
確定拠出年金移行に伴う未払金
(510)
(699)
その他̶純額
1,296
4,059
21,684
(35,601)
103,161
44,967
有形固定資産の取得による支出
(53,046)
(42,459)
有形固定資産の売却による収入
1,146
728
(163,652)
(20,875)
(4,877)
(1,304)
518
1,892
調整項目計
事業の概況と今後の見通し
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー:
新規連結子会社株式の取得による支出
(取得した現金及び現金同等物の控除後)
(注記14)
投資有価証券の取得による支出
投資有価証券の売却による収入
(注記 6)
コーポレートガバナンス
関連会社株式の売却による収入
その他̶純額
1,883
(358)
(937)
(218,386)
(62,955)
短期借入金の純
(減少)増加額
(42,868)
14,237
長期借入債務の増加
383,246
2,996
長期借入債務の返済
(183,354)
(2,321)
当社株主への配当金
(10,479)
(10,490)
少数株主への配当金
(1,232)
(1,915)
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務セクション
財務活動によるキャッシュ・フロー:
少数株主からの払込みによる収入
その他̶純額
(2,467)
(3,620)
財務活動によるキャッシュ・フロー
143,520
(1,113)
現金及び現金同等物に係る為替換算差額
19,740
(4,617)
現金及び現金同等物の増加
(減少)額
48,035
(23,718)
連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増加
(減少)額
2,109
(8,151)
現金及び現金同等物の期首残高
135,427
167,296
現金及び現金同等物の期末残高
¥185,571
¥135,427
連結財務諸表の注記をご参照ください。
38
674
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
連結財務諸表の注記
ダイキン工業株式会社及び連結子会社
2013年3月31日に終了した会計年度
1. 連結財務諸表の作成基準
ダイキン工業株式会社
(以下「当社 」という)の連結財務諸表は、日本の金融商品取引法及びその関連規則に基づき、日本において
一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下「日本基準」という)に基づいて作成されており、国際財務報告基準が要求す
る会計手法及び開示原則とは異なる面があります。
当連結財務諸表では、海外の読者により分かりやすい様式とするために、国内報告目的で発行された当社の連結財務諸表を組
替えて表示しています。
また、2012年3月期の連結財務諸表については、2013年3月期の表示区分に合わせるための組替えも行っています。
2 . 重要な会計方針の概要
連結の方針及び非連結子会社と関連会社への投資の会計処理方法
当連結財務諸表は当社及び重要な子会社
(併せて以下「当社グループ」という)を含んでいます。
支配力基準又は影響力基準に従い、当社が直接又は間接に支配力を行使できる会社は連結の範囲に含め、当社グループが重
要な影響を与えることができる会社は持分法を適用しています。
当社グループは、非連結子会社及び関連会社への投資については重要性のない会社を除き持分法を適用しています。なお、重
要性がなく持分法を適用していない会社への投資は原価法により処理していますが、価値の下落が著しく回復が見込まれない会
社に対する投資については減損処理を行っています。持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社については、連結や持
分法を適用したとしても、当連結財務諸表には重要な影響を与えないものと判断しています。
2013年3月31日に終了した会計年度において、OYL マニュファクチュアリング カンパニー センディリアン バハッド他49社の
決算日を12月31日から3月31日に変更しました。また、3月31日以外を決算日とする大金フッ素化学(中国)有限公司他33社
の決算を連結報告のために3月31日に行いました。
当社は連結損益計算書においてこれら連結子会社の12ヵ月間の業績を含め、3ヵ月間の業績については連結子会社の決算期
変更に伴う影響として利益剰余金に直接計上することで連結株主資本等変動計算書に含めています。
連結会社間の重要な残高及び取引は連結上すべて消去しています。また、資産に含まれる当社グループ間の取引により生じた重
要な未実現利益はすべて消去しています。
連結財務諸表における在外子会社の会計処理の統一
企業会計基準実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」に従い、連結財
務諸表を作成するにあたり、同一環境下で行われた同一の性質の取引や事象について、親会社及び子会社が採用する会計処理の
原則及び手続は、原則として統一しなければならないとされています。しかしながら、在外子会社の財務諸表が、国際財務報告基
準か米国において一般に公正妥当と認められる会計原則のいずれかに準拠して作成されている場合には、当面の間、それらを連結
決算手続上利用することができるとされています。その場合であっても、以下の項目については、当該修正額に重要性が乏しい場
合を除き、連結決算手続上、当期純利益が日本基準に準拠して計上されるよう修正しなければなりません。
(a)のれんの償却、
(b)
退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、
(c)研究開発費の支出時費用処理、
(d)投資不動産の時価評価及び固定
資産の再評価、及び、
(e)少数株主損益の会計処理。
連結財務諸表における持分法適用在外関連会社の会計処理の統一
企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」に従い、同一環境下で行われた同一の性質の取引や事象に対する関連会社の
会計処理の原則及び手続は、当該関連会社の財務諸表に対して持分法を適用する際には、実務上困難な場合を除き、親会社が
採用する会計処理の原則及び手続と統一されるように調整を行わなければならないとされています。これに加えて、在外関連会社
の財務諸表が、国際財務報告基準か米国において一般に公正妥当と認められる会計原則のいずれかに準拠して作成されている場
合には、当面の間、それらを連結決算手続上利用することができるとされています。その場合であっても、以下の項目については、
当該修正額に重要性が乏しい場合を除き、持分法適用上、当期純利益が日本基準に準拠して計上されるよう修正しなければなり
ません。
(a)のれんの償却、
(b)退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、
(c)研究開発費の支出時費用処理、
(d)
投資不動産の時価評価及び固定資産の再評価、及び、
(e)少数株主損益の会計処理。
企業結合
連結財務諸表の注記5でより詳細に述べられているように、当社グループは2012年11月1日にグッドマン グローバル グループ
インクとその子会社を、2011年7月8日にエアフェル ウストゥマ ヴェ ソートゥマ システムレリ サナイ ティジャレット アーシェを
取得しました。当社グループはこれらの取引を、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」に基づき、パーチェス法によっ
て会計処理しています。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
39
現金同等物
現金同等物は、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資です。
現金同等物には、取得日より3ヵ月以内に満期が到来する定期性預金を含めています。なお、定期性預金のうち、取得日より3ヵ
月を超えて満期が到来するが1年以内に満期が到来するものについては、短期投資として表示しています。
貸倒引当金
財務ハイライト/事業一覧
貸倒引当金は、債権の過去の貸倒実績や潜在的な損失の見積りに基づき合理的と認められる金額を計上しています。
たな卸資産
当社及び国内連結子会社のたな卸資産については、主として総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採
用しています。在外連結子会社のたな卸資産については、主として総平均法による低価法を採用しています。
有形固定資産
有形固定資産は、取得原価により計上しています。当社及び国内連結子会社が有する有形固定資産の減価償却費については、主
として定率法により算定しています。ただし、1998年 4月1日以降に取得した建物の減価償却費については定額法により算定し
CEOメッセージ
ています。在外連結子会社が有する有形固定資産の減価償却費については、主として資産の見積耐用年数に応じた定額法により
算定しています。
耐用年数は、建物及び構築物が15年∼50年、機械装置及び運搬具が 5年∼15年となっています。リース資産の耐用年数は
個々のリース期間となっています。
資産除去債務
企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第21号「資産除去債務に関する会計基準
COOインタビュー
の適用指針」に基づき、資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の
除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいうとされています。資産除去債務の金額を合理
的に見積ることができる場合には、当該債務が発生した会計期間に、有形固定資産の除去に要する割引後将来キャッシュ・フロー
の合計額で債務が認識されます。資産除去債務が発生した会計期間に、当該債務額を合理的に見積ることができない場合には、
債務額を合理的に見積ることができるようになった時点で負債として計上します。資産除去債務に対応する除去費用は、資産除
事業の概況と今後の見通し
去債務を負債として計上した時に、当該負債の計上額と同額を、関連する有形固定資産の帳簿価額に加えます。資産計上された
資産除去債務に対応する除去費用は、減価償却を通じて、当該有形固定資産の残存耐用年数にわたり、各期に費用配分されます。
資産除去債務は、毎期、現在価値に調整され、時の経過による調整額は各期の費用として処理されます。当初見積り以降、割引
前キャッシュ・フローの見積りに重要な変更が生じた場合は、見積りの変更による調整額を資産除去債務の帳簿価額及び関連す
る有形固定資産の帳簿価額に加減して処理します。
長期性資産
当社グループは、固定資産又は固定資産グループに減損が生じている可能性を示す事象や環境の変化(減損の兆候)があるか判
コーポレートガバナンス
定し、減損の兆候がある固定資産又は固定資産グループについて、帳簿価額がこれらの固定資産の継続的使用と使用後の処分に
よって生ずると見込まれる割引前の将来キャッシュ・フローの総額を超える場合に、減損損失を認識しています。この場合には、
固定資産又は固定資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの割引現在価
値と、正味売却価額のいずれか高い方の金額を資産の回収可能価額とし、帳簿価額が回収可能価額を上回る額を減損損失として
測定しています。
リース
2007年3月、企業会計基準委員会は、企業会計基準第13号として「リース取引に関する会計基準」を公表しました。これは、リー
財務セクション
ス取引に係る会計基準を改正したものです。
改正前の会計基準では、借主に所有権が移転すると認められるファイナンス・リース契約は資産計上することとされていましたが、
それ以外のファイナンス・リース契約については、資産計上した場合の情報が借主の財務諸表の注記として開示されることを条件
として、オペレーティング・リース契約と同様の処理をすることも認められていました。改正後の会計基準では、すべてのファイナン
ス・リース契約は資産計上し、貸借対照表において、リース資産とリース債務を認識することとされています。これに加えて、その会
計基準では、借主に所有権が移転しないリース契約で改正後の会計基準への移行日に存在した契約については、オペレーティング・
リース契約と同様の処理を継続することも認められています。
当社及び国内連結子会社は、改正後の会計基準を2008年 4月1日より適用しました。これに加えて、当社及び国内連結子会
社は、借主に所有権が移転しないリース契約で、改正後の会計基準への移行日に存在した契約については、オペレーティング・リー
ス契約と同様の処理を継続しています。
他のリース取引はすべて賃貸借取引に準じた処理を行っています。
40
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
投資有価証券
当社グループが所有するすべての市場性のある有価証券は、その他有価証券に分類し、市場価格等により評価しています。評価に
より発生した未実現の利益及び損失は、税効果を考慮した額を純資産の部において独立項目(その他有価証券評価差額金)とし
て表示しています。有価証券の売却原価は、主として移動平均法により算定しています。
市場性のないその他有価証券は、主として移動平均法による取得原価により評価しています。
その他有価証券について、一時的でない価値の下落があった場合には、正味実現可能価額まで評価減を行い、損益計算書に損
失として計上しています。
のれん及び無形固定資産
のれん及び無形固定資産は、主に企業結合から発生しています。のれんは、取得したと識別される純資産の時価を取得価格が超
過した部分です。のれんは3年∼20年間で償却しています。無形固定資産は主に顧客関連資産を含んでいます。顧客関連資産は、
効果の及ぶ期間
(主として30年)にわたって定額法により償却しています。
製品保証引当金
当社グループは、特定の状況下において製品を無償で修理又は交換しています。製品保証引当金は、製品保証に対する過去の実
績や潜在的な損失の見積りに基づき合理的と認められる金額を計上しています。
従業員退職給付
当社及び国内連結子会社は、ほぼすべての従業員を対象とした従業員非拠出型の退職年金制度を設けています。一部の海外連
結子会社については、退職年金制度を設けています。退職給付引当金は、貸借対照表日における予測退職給付債務と年金資産に
基づき算定しています。
ストック・オプション等
企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」に従い、従業員に対するストック・オプション等について、付与日
の公正な評価額に基づく報酬費用を、財貨又はサービスが提供されていると考えられる権利確定までの期間にわたって認識して
います。また、非従業員に対して付与するストック・オプション等についても、ストック・オプションか提供された財貨又はサービス
のいずれかの公正な評価額に基づいて、会計処理しています。連結貸借対照表においては、ストック・オプションは権利が行使さ
れるまで、新株予約権として純資産の部において独立項目として表示しています。
外貨建取引
すべての短期及び長期の外貨建金銭債権債務は貸借対照表日の為替レートで日本円に換算しています。換算により生じた為替差
損益は、先物為替予約によりヘッジされない部分について、連結損益計算書に計上しています。
外貨建財務諸表
在外連結子会社の貸借対照表項目は、取引日のレートで換算される資本の部の各項目を除き、貸借対照表日現在の為替レートで
日本円に換算しています。在外連結子会社の収益及び費用項目は、期中平均レートで日本円に換算しています。このような換算
によって生じる差額は、純資産の部の独立項目であるその他の包括利益累計額の内訳に「為替換算調整勘定 」として表示してい
ます。
法人税等
法人税、住民税及び事業税の額は、連結損益計算書における法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益に基づいて算定して
います。資産負債法により、繰延税金資産及び負債を、資産及び負債の帳簿価額と課税標準との一時差異の予想される将来の税
効果に対して、認識しています。繰延税金資産及び負債は、現行税法の税率を一時差異に適用することにより算定しています。
デリバティブ取引
当社グループは、外貨建資産及び負債に係る為替変動リスクをヘッジするために、先物為替予約、通貨スワップ及び通貨オプ
ションを利用しています。
当社グループは、金利変動リスクを管理するために、主として金利スワップ及び金利オプションを利用しています。
当社グループは、原材料の価格変動リスクを管理するために、商品先物取引を利用しています。
当社グループは、デリバティブ取引を投機目的では行っていません。
デリバティブ取引は、次のように分類し、処理しています。
(1)デリバティブ取引は原則として時価評価され、資産又は負債とし
て認識され、デリバティブ取引から生じる損益は、連結損益計算書に計上しています。
(2)ヘッジ目的で利用されるデリバティブ取
引は、ヘッジ手段とヘッジ対象とで高い相関関係と有効性が認められ、ヘッジ会計の要件を満たす場合には、デリバティブ取引の
損益はヘッジ対象取引の決済まで繰延べています。
ヘッジ会計及び特定の要件を満たす金利スワップ取引については、時価評価せず、金利スワップ取引における支払額と受取額の
純額を認識し、支払利息又は受取利息に含めて処理しています。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
41
1株当たり金額
1株当たり当期純利益は、普通株主に帰属する当期純利益を加重平均発行済株式数で除すことによって算定しています。ただし、
株式分割があった場合には遡及して調整します。
普通株式に係る潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、希薄化効果を有する発行済ストック・オプションが期首時点
(又は発
行時点)ですべて権利行使されたことを仮定しています。
財務ハイライト/事業一覧
当連結損益計算書で開示している1株当たり配当金は、各年度に対応する配当金であり、期末日後に支払われる配当金を含ん
でいます。
新会計基準
1998年に企業会計審議会が公表し、2000年 4月1日以降適用され、2009年までに部分的に改正されてきた退職給付に関す
る会計基準及び他の関連する実務指針にかわって、2012年5月17日、企業会計基準委員会は、企業会計基準第26号「退職給
付に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」を公表しました。
主な変更点は次のとおりです。
CEOメッセージ
(a)貸借対照表での取扱い
現行基準では、損益認識されていない数理計算上の差異及び過去勤務費用は貸借対照表に計上せず、それら未認識金額を調
整した退職給付債務と年金資産の差額
(以下「積立不足又は超過 」という)を負債又は資産として計上しています。
改正基準では、損益認識されていない数理計算上の差異及び過去勤務費用は、税効果を調整のうえ、純資産(その他包括
利益累計額)に計上し、積立不足又は超過は、負債
(退職給付に係る負債)又は資産
(退職給付に係る資産)として計上します。
(b)損益計算書及び包括利益計算書での取扱い
改正基準は、数理計算上の差異及び過去勤務費用の損益認識方法を変更していません。これらの金額は、従業員の平均残存
COOインタビュー
勤務期間以内の一定の期間で損益認識します。しかしながら、当期に発生し、損益認識されていない数理計算上の差異及び
過去勤務費用はその他包括利益に含め、過去にその他包括利益に計上され、当期に損益に認識された数理計算上の差異及
び過去勤務費用は、組替調整として取扱います。
(c)退職給付見込額の期間帰属方法と、割引率及び予想昇給率に関する見直し
改正基準は、退職給付見込額の期間帰属方法と、割引率及び予想昇給率に関しても見直しを行っています。
事業の概況と今後の見通し
この会計基準及び適用指針は、上記の(a)及び(b)については2013年 4月1日以降に開始する事業年度の期末から適用され、
上記の(c)については2014年 4月1日以降に開始する事業年度の期首、又は2015年3月に所定の注記を行うことを条件に、
2015年 4月1日以降に開始する事業年度から適用されますが、いずれも2013年 4月1日以降に開始する事業年度の期首から早
期適用することも認められています。なお、この会計基準を過年度の連結財務諸表に対して遡及適用することは求められていませ
ん。
当社は、改正基準を上記の(a)及び(b)については、2013年 4月1日以降に開始する事業年度の期末から、上記の(c)につい
ては、2014年 4月1日以降に開始する事業年度の期首から適用する予定であり、将来の改正基準の適用年度における影響額は
コーポレートガバナンス
算定中です。
3 . たな卸資産
2013年及び 2012年3月31日現在におけるたな卸資産は次のとおりです。
単位:百万円
財務セクション
製品及び商品
半製品及び仕掛品
原材料及び貯蔵品
合計
42
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
2013年
2012年
¥191,195
¥153,913
41,381
42,153
52,593
47,534
¥285,169
¥243,600
4 . 長期性資産
当社グループは、2012年3月31日に終了した会計年度において固定資産の減損の判定をしました。その結果、当社グループは将
来の利用計画がない遊休資産で、2012年3月31日に帳簿価額が時価を上回っていた一部の機械装置等について減損損失を認
識しており、当該資産の帳簿価額について、回収可能価額まで評価減しているものは次のとおりです。
資産の種類
場所
単位:百万円
機械装置及び運搬具等
大阪府摂津市
¥261
機械装置及び運搬具等
茨城県神栖市
95
合計
¥356
これらの資産の回収可能価額は、正味売却可能価額によって測定しています。
なお、2013年3月31日に終了した会計年度においては減損損失を認識していません。
5 . 企業結合
2013年 3月31日に終了した会計年度に行われた企業の取得
1. 企業結合の概要
(1)被取得企業の名称及び事業の内容
名称:
グッドマン グローバル グループ インク
事業の内容:
住宅及び業務用空調機器の開発・製造・販売
(2)企業結合の主な理由:
当社は、グッドマン グローバル インクが広大な販売網と、北米の住宅空調の HVAC(暖房、換
気及び空調)セグメントで重要な存在感を有していると評価しています。この企業結合により、
当社グループは世界最大の HVAC 市場でダクトとダクトレス空調だけでなく燃焼・ヒートポンプ
の突出した品揃えを備えることで大幅な売上増加、及びグローバル空調市場においてリーディン
グカンパニーとしての地位を強固にすることを見込んでいます。
(3)企業結合日:
(4)企業結合の法的形式:
2012年11月1日
当社の新設米国子会社であるダイキン ホールディングス(ヒューストン)インクが、米国に設立し
た買収のための特別目的会社との合併
(5)企業結合後企業の名称: グッドマン グローバル グループ インク
(6)取得した議決権比率:
企業結合日直前に取得していた議決権比率 −%
企業結合日に追加取得した議決権比率
100 %
企業結合日後の議決権比率
100 %
(7)取得企業の決定の根拠: グッドマン グローバル グループ インクが、当社の子会社であるダイキン ホールディングス
(ヒュー
ストン)インクが米国に設立した買収のための特別目的会社と合併し、ダイキン ホールディング
ス
(ヒューストン)インクがグッドマン グローバル グループ インクの議決権の100 %を取得した
ため。
2 . 連結財務諸表に含まれる被取得企業の業績の期間:
2012年12月31日を取得日とみなしており、かつ、連結財務諸表の作成にあたって、2012年
12月31日現在の財務諸表を利用したため、2013年3月31日に終了した会計年度における連
結損益計算書において、被取得企業の業績は含めていません。
3 . 取得原価及びその内訳 :
株式取得のための支出:
2 , 200百万米ドル
取得に直接要した費用 主にアドバイザリー費用等: 2 , 824百万円
4 . 発生したのれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間
(1)発生したのれんの金額:
2 , 260百万米ドル
(2)発生原因:
今後の事業展開により期待される将来の超過収益力から発生
(3)のれんの償却方法及び償却期間: 20年間にわたる均等償却
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
43
5 . 取得日に受け入れた資産及び引き受けた負債の額並びにその内訳 :
2013年3月31日に終了した会計年度
単位:百万米ドル
流動資産
$ 795
財務ハイライト/事業一覧
固定資産
4,190
資産合計
$4,985
流動負債
$2,005
固定負債
744
負債合計
$2,749
取得原価の配分において、のれん以外の無形固定資産に配分されたもののうち主なものは顧客関連資産1, 218百万米ドル、
商標権425百万米ドルであり、これらの資産の償却期間は効果の及ぶ期間に基づき個別に設定しています。
6 . 連結損益計算書に対して見積られた影響額の要約
(非監査情報)
CEOメッセージ
2012年 4月1日に取得が完了したと仮定した場合に、2013年3月31日に終了した会計年度の業績に及ぼす影響の見積額は、
次のとおりです。
単位:百万円
売上高
¥159,599
営業利益
21,219
法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益
12,355
COOインタビュー
当期純利益
7,607
単位:円
1株当たり当期純利益
¥26.13
これらの影響の見積額の要約は、この企業結合が 2013年3月31日に終了した会計年度の期首の2012年 4月1日に完了し
事業の概況と今後の見通し
ていたとの仮定に基づいています。この取得により生じたのれん及びその他の無形固定資産の2012年 4月1日から2013年3
月31日の期間の償却額は、見積額には反映されていません。
これらの要約は、独立監査人の監査証明を受けていません。
2012年 3月31日に終了した会計年度に行われた企業の取得
1. 企業結合の概要
コーポレートガバナンス
(1)被取得企業の名称及び事業の内容
名称:
エアフェル ウストゥマ ヴェ ソートゥマ システムレリ サナイ ティジャレット アーシェ
事業の内容:
空調機器の製造及び販売
(2)企業結合の主な理由:
トルコ市場における製品販売力及び販売網の強化、並びに中東・アフリカ・CISへの事業拡大の
ため
(3)企業結合日:
2011年7月8日
(4)企業結合の法的形式:
現金による株式取得
(5)企業結合後企業の名称: エアフェル ウストゥマ ヴェ ソートゥマ システムレリ サナイ ティジャレット アーシェ
(ダイキン
ウストゥマ ヴェ ソートゥマ システムレリ サナイ ティジャレット アーシェに社名変更)
財務セクション
(6)取得した議決権比率:
企業結合日直前に取得していた議決権比率 −%
企業結合日に追加取得した議決権比率 100 %
企業結合日後の議決権比率 100 %
(7)取得企業の決定の根拠: 当社の連結子会社であるダイキンヨーロッパエヌブイが現金により株式を取得し、被取得企業の
議決権の100 %を保有したため
2 . 連結財務諸表に含まれる被取得企業の業績の期間: 2011年7月1日から12月31日まで
3 . 取得原価及びその内訳 :
2012年3月31日に終了した会計年度
44
百万ユーロ
株式取得のための支出
178
取得原価
178
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
4 . 発生したのれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間
(1)発生したのれんの金額:
178百万トルコリラ
(2)発生原因:
今後の事業展開により期待される将来の超過収益力から発生
(3)のれんの償却方法及び償却期間: 10年間にわたる均等償却
5 . 取得日に受け入れた資産及び引き受けた負債の額並びにその内訳 :
2012年3月31日に終了した会計年度
百万トルコリラ
流動資産
201
固定資産
190
資産合計
391
流動負債
119
固定負債
30
負債合計
149
6 . この企業結合が 2012年3月31日に終了した会計年度の期首の2011年 4月1日に完了していたとしても、この会社の財務諸
表の連結による影響は軽微であると考えています。そのため、そのような仮定に基づく非監査の財務情報の記載は省略してい
ます。
6 . 投資有価証券
2013年及び 2012年3月31日現在において投資有価証券に計上している時価のあるその他有価証券の取得原価及び時価は次の
とおりです。
単位:百万円
2013年
取得原価
未実現利益
未実現損失
時価
株式
¥66,833
¥29,193
¥(2,415)
¥93,611
債券
125
4
¥66,958
¥29,197
¥(2,415)
¥93,740
その他有価証券:
合計
129
単位:百万円
2012年
取得原価
未実現利益
未実現損失
時価
株式
¥74,570
¥12,396
¥(12,353)
債券
150
4
その他
396
45
(4)
437
合計
¥75,116
¥12,445
¥(12,357)
¥75,204
その他有価証券:
¥74,613
154
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度に売却されたその他有価証券の情報は次のとおりです。
単位:百万円
2013年 3月31日
売却収入
売却益
¥518
¥117
売却損
その他有価証券:
株式
単位:百万円
2012年3月31日
売却収入
売却益
¥1,892
¥1,437
売却損
その他有価証券:
株式
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度において、時価のあるその他有価証券の減損の金額は、それぞれ12 , 651
百万円及び1, 874百万円です。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
45
7. のれん
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度におけるのれん償却はそれぞれ12 , 077百万円、12 ,147百万円で、販売費及
び一般管理費に含めて表示しています。
財務ハイライト/事業一覧
8 . 関連者間取引
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度における関連のある個人との重要な取引及び残高は次のとおりです。
(1)2013年
(ア)当社
単位:百万円
氏名
CEOメッセージ
寺田 千代乃
役職の内容
社外取締役/
アートコーポレーション
株式会社
代表取締役社長
取引
当社の被所有割合
(%)
0 . 00
取引の内容
引越業務及び配送業務の委託
期末残高
2013年
¥488
勘定科目
その他の流動負債
2013年
¥39
(イ) 当社の連結子会社
単位:百万円
COOインタビュー
氏名
寺田 千代乃
役職の内容
社外取締役/
アートコーポレーション
株式会社
代表取締役社長
取引
当社の被所有割合
(%)
0 . 00
取引の内容
引越業務及び配送業務の委託
製品の販売
期末残高
2013年
¥70
77
勘定科目
その他の流動負債
売掛金
2013年
¥ 4
16
取引条件は、市場価格を勘案し、一般の取引条件と同様に決定しています。
事業の概況と今後の見通し
(2)2012年
(ア)当社
単位:百万円
氏名
コーポレートガバナンス
寺田 千代乃
役職の内容
社外取締役/
アートコーポレーション
株式会社
代表取締役社長
取引
当社の被所有割合
(%)
0 . 00
取引の内容
引越業務及び配送業務の委託
期末残高
2012年
¥470
勘定科目
その他の流動負債
2012年
¥42
(イ)当社の連結子会社
単位:百万円
氏名
財務セクション
寺田 千代乃
役職の内容
社外取締役/
アートコーポレーション
株式会社
代表取締役社長
取引
当社の被所有割合
(%)
0 . 00
取引の内容
引越業務及び配送業務の委託
製品の販売
取引条件は、市場価格を勘案し、一般の取引条件と同様に決定しています。
46
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
期末残高
2012年
¥72
71
勘定科目
その他の流動負債
売掛金
2012年
¥ 4
13
9. 短期借入金及び長期借入債務
2013年及び 2012年3月31日現在の当社グループの短期借入金は次のとおりです。
単位:百万円
当座借越及び銀行借入金
コマーシャルペーパー
合計
2013年
2012年
¥63,408
¥67,395
1,927
23,054
¥65,335
¥90,449
2013年3月31日現在の未利用のコミットメントラインは150 , 000百万円です。2013年及び 2012年3月31日現在の当座借
越及び銀行借入金の加重平均利率はそれぞれ1. 37 %及び0 . 89 %です。2013年及び 2012年3月31日現在のコマーシャルペー
パーの加重平均利率はそれぞれ0 . 25%及び0 .13%です。
2013年及び 2012年3月31日現在の長期借入債務は次のとおりです。
単位:百万円
2013年
2012年
2014年満期1. 00 % 利付無担保社債
¥ 30,000
¥ 30,000
2016年満期1. 42 % 利付無担保社債
30,000
30,000
2017年満期 0 . 46% 利付無担保社債
10,000
2019年満期1. 86% 利付無担保社債
40,000
2019年満期 0 .72 % 利付無担保社債
10,000
2022年満期1. 20 % 利付無担保社債
30,000
無担保借入金
(借入先:政府系金融機関、返済期限:2019年まで、利率:1.75%)
外貨建担保付借入金
(借入先:銀行等金融機関、返済期限:2016年まで、利率:2013年−4 .75%、2012年−7. 63%)
40,000
20,000
20,000
28
26
外貨建無担保借入金
(借入先:銀行等金融機関、返済期限:2022年まで、利率:2013年−0 .71%∼5 .90 %、
2012年−0 .71%∼5 .99 %)
152,088
13,318
無担保借入金
(借入先:銀行等金融機関、返済期限 : 2026年まで、利率: 2013年−0 . 30 %∼3 . 59 %、
2012年−0 . 39 %∼3 . 63%)
315,043
162,054
637,159
295,398
合計
(控除)1年内返済予定
1年内返済予定控除後長期借入債務
(4,126)
(57,290)
¥633,033
¥238,108
2013年3月31日現在における長期借入債務の年度別満期返済額は次のとおりです。
単位:百万円
2014年3月期
¥
4,126
2015年3月期
94,697
2016年3月期
35,170
2017年3月期
70,233
2018年3月期
65,106
2019年3月期以降
合計
367,827
¥637,159
2013年3月31日現在、有形固定資産、売掛金、たな卸資産及びその他残高のうちそれぞれ39, 212百万円、15 ,952百万円、
8 , 241百万円及び4 , 220百万円を短期借入金及び長期借入債務の担保として提供しています。
借入契約において、貸付銀行は当社グループの配当金の支払い、追加的な長期借入債務の調達及びその他の事項の事前承認
のためにこれらの事項についての計画を提出することを求める場合があります。日本の慣行として、貸付銀行からの求めがあれば、
担保を提供する必要があります。貸付銀行は返済期限が到来した債務について、あるいは債務不履行やその他の特殊事象が起
こった場合は銀行に対するあらゆる債務について、その銀行に預け入れている預金とを相殺する権利を有しています。これまで、
当社グループの債務に対してこの権利を行使した銀行はありません。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
47
10 . 退職給付及び年金制度
当社グループの退職給付及び年金制度のもとでは、従業員が退職する場合には原則として雇用期間中の平均給与、勤続年数及び
その他の要因に基づいて退職一時金及び年金を受給する権利が付与されます。
2013年3月31日に終了した会計年度において、国内子会社1社は確定拠出企業年金制度を導入し、確定給付企業年金制度の
一部を廃止しています。また、厚生年金基金から脱退しています。この移行と脱退の影響により、2013年3月31日に終了した会
財務ハイライト/事業一覧
計年度において、法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益が 346百万円減少しており、連結損益計算書のその他の費用の
その他−純額に含めています。
2013年及び 2012年3月31日現在における従業員分の退職給付引当金の内訳は次のとおりです。
単位:百万円
2013年
2012年
予測退職給付債務
¥84,071
¥69,387
年金資産の公正価値
(80,088)
(66,632)
未認識過去勤務債務
225
10
(10,816)
(10,976)
CEOメッセージ
未認識数理計算上の差異
(6,608)
(8,211)
前払年金費用
(投資及びその他の資産のその他の資産に含む)
(10,568)
(10,227)
退職給付引当金
¥3,960
¥ 2,016
資産純額
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度における退職給付費用の内訳は次のとおりです。
事業の概況と今後の見通し
COOインタビュー
単位:百万円
2013年
2012年
勤務費用
¥4,015
¥3,543
利息費用
1,856
1,912
期待運用収益
(2,210)
(2,186)
過去勤務債務の費用処理額
(46)
(24)
数理計算上の差異の費用処理額
557
1,400
退職給付費用
4,172
4,645
確定拠出年金への掛金等
2,922
2,766
¥7,094
¥7,411
合計
コーポレートガバナンス
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度における予測退職給付債務等の計算の基礎は次のとおりです。
2013年
2012年
割引率
主として1. 2 %
主として2 . 0 %
期待運用収益率
主として2 . 5%
主として2 . 5%
過去勤務債務の処理年数
主として10年
主として10年
数理計算上の差異の処理年数
主として10年
主として10年
11. 純資産
日本の会社は日本の会社法(以下「会社法 」という)の適用を受けています。財務・会計事象に影響を与える会社法の重要な規定
を以下に要約しています。
財務セクション
(a)配当
会社法のもとでは、株主総会決議による年度末の配当だけではなく、会計期間中いつでも配当を支払うことができます。要件を
満たす会社については、定款にその旨の定めがあれば、会計年度中いつでも、取締役会が配当(現物配当は除く)を宣言すること
ができます。しかしながら、当社は上記の基準を満たしていないので、そのような配当を行うことができません。
会社法は一定の制約及び追加的な要件を前提として、株主に現物
(金銭以外の財産)配当を認めています。
また、定款に定めがある場合には、取締役会決議に基づいて、年に一度中間配当を支払うこともできます。会社法においては、
配当可能額あるいは自己株式の取得に一定の制限が設けられています。その制限は株主への分配可能額として規定されており、
配当後の純資産の額が 3百万円を下回らないよう維持することが義務付けられています。
(b)資本金、準備金及び剰余金の増減並びに振替
会社法は利益準備金
(利益剰余金の一部)及び資本準備金
(資本剰余金の一部)の総合計額が資本金の25%に達するまで、配当
の10 % 相当額を当該配当の支払額を差し引く資本勘定に応じて、利益準備金又は資本準備金として積み立てることを義務付け
48
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
ています。会社法では資本準備金と利益準備金の合計額全額を払い戻すことができます。会社法ではまた、株主総会の決議に基
づく一定の条件のもとで、資本金、利益準備金、資本準備金、その他資本剰余金及び利益剰余金について科目間での振替を行う
ことができます。
(c)自己株式及び自己新株予約権
会社法はまた取締役会決議による企業の自己株式の取得及び処分を認めています。自己株式の取得額は、特定の算式によって決
定される株主に対する分配可能額を超えることができません。
会社法のもとでは新株予約権は、純資産の部において独立項目として表示されます。
会社法ではまた会社が自己新株予約権及び自己株式の両方を取得できるよう規定しています。取得した自己新株予約権は純
資産の部において独立項目として表示されるか、又は新株予約権から直接控除して表示されます。
12 . ストック・オプション
2013年3月31日に終了した会計年度におけるストック・オプションの付与状況は次のとおりです。
付与対象者
ストック・オプションの付与数
付与日
権利行使価格
2006年ストック・オプション
ストック・オプション
取締役 9名
従業員44名
298,000株
2006年7月18日
3,790円
2008年7月19日から
2012年7月18日まで
権利行使期間
2007年ストック・オプション
取締役 9名
従業員42名
292,000株
2007年7月17日
4,640円
2009年7月18日から
2013年7月17日まで
2008年ストック・オプション
取締役 8名
従業員44名
308,000株
2008年7月14日
5,924円
2010年7月15日から
2014年7月14日まで
2009年ストック・オプション
取締役 8名
従業員42名
294,000株
2009年7月13日
3,250円
2011年7月14日から
2015年7月13日まで
2010年ストック・オプション
取締役 8名
従業員41名
290,000株
2010年7月14日
3,050円
2012年7月15日から
2016年7月14日まで
2011年ストック・オプション
取締役10名
従業員39名
296,000株
2011年7月14日
2,970円
2013年7月15日から
2017年7月14日まで
2012年ストック・オプション
取締役10名
従業員41名
300,000株
2012年7月13日
2,186円
2014年7月14日から
2018年7月13日まで
ストック・オプションの変動状況は次のとおりです。
株数
2005年
ストック・
オプション
2006年
ストック・
オプション
2007年
ストック・
オプション
2008年
ストック・
オプション
2009年
ストック・
オプション
2010年
ストック・
オプション
2011年
ストック・
オプション
2012年
ストック・
オプション
2012年 3月31日に終了した会計年度
権利確定後
2011年 4月1日残高
88,800
254,700 262,000 308,000 294,000 290,000
付与
権利行使
失効
296,000
(9,000)
(79,800) (20,000) (20,000) (42,000)
2012年3月31日残高
234,700 242,000 266,000 294,000 290,000 296,000
2013年 3月31日に終了した会計年度
権利確定後
2012年 4月1日残高
234,700 242,000 266,000 294,000 290,000 296,000
付与
300,000
権利行使
(16,000) (39,000)
失効
(234,700) (40,000) (46,000) (66,000)
2013年3月31日残高
202,000 220,000 212,000 251,000 296,000 300,000
権利行使価格
2,852円
行使時平均株価
2,792円
付与日における公正な評価単価
3,790円
736円
4,640円
1,035円
5,924円
803円
3,250円
3,050円
3,756円
3,756円
899円
1,113円
2,970円
2,186円
935円
676円
2012年ストック・オプションの公正な評価単価の見積方法
評価技法:
ブラックショールズ式
株価変動性:
47. 5%
予想残存期間:
4年間
予想配当:
36円/株
無リスク利子率:
0.1%
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
49
13 . 法人税等
当社及び国内子会社は、日本の国及び地方に法人税等を納める義務を負っています。2013年及び 2012年3月31日に終了した
会計年度における法定実効税率はそれぞれ概ね37.9 %及び40 . 6%となっています。
2013年及び 2012年3月31日現在における繰延税金資産及び負債の発生原因となる重要な一時差異及び繰越欠損金の税効
果は次のとおりです。
財務ハイライト/事業一覧
単位:百万円
2013年
2012年
¥ 15,325
¥18,511
11,583
5,576
たな卸資産
9,474
5,202
投資有価証券
7,434
2,924
賞与引当金
3,430
3,146
ソフトウェア等
3,243
3,045
外国税額控除
1,436
1,048
貸倒引当金
1,352
737
878
1,140
繰延税金資産:
繰越欠損金
CEOメッセージ
製品保証引当金
退職給付引当金
その他
17,112
7,793
評価性引当額
(21,927)
(16,094)
¥ 49,340
¥33,028
¥ 47,895
¥
COOインタビュー
繰延税金資産合計
繰延税金負債:
無形固定資産
事業の概況と今後の見通し
連結子会社の留保利益
14,197
895
9,965
その他有価証券評価差額金
8,346
86
前払年金費用
3,697
4,288
固定資産の売却による繰延収益
1,961
1,906
その他
7,772
4,532
繰延税金負債合計
¥ 83,868
¥21,672
繰延税金
(負債)資産の純額
¥(34,528)
¥11,356
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度における法定実効税率と当連結損益計算書の税効果会計適用後の法人税
等の負担率の差異の調整は次のとおりです。
コーポレートガバナンス
2013年
37.9%
40.6%
海外子会社との税率の差異
(13.5)
(16.4)
外国子会社からの配当に係る追加税金及び税効果
7.0
4.3
のれん償却
5.2
5.4
子会社出資金売却益の連結修正
5.0
評価性引当額
財務セクション
2012年
法定実効税率
3.2
過年度法人税等
(2.1)
未実現利益税効果未認識額
(1.8)
外国税額控除税効果未認識額
7.3
0.2
1.3
ロイヤルティ等に係る外国税額
1.3
税率変更による期末繰延税金資産の減額修正
1.0
その他
(0.1)
税効果会計適用後の法人税等の負担率
42.1%
0.9
44.6%
2011年12月2日、日 本 で 新たに 税 制 改 正 法 が 公 布 され、法 定 実 効 税 率 は2012年 4月1日から2015年3月31日までは
40 . 6%から37.9 %に、それ以降は35 . 6%に変更されました。
日本の税務当局と中国の税務当局が、当社グループ間取引の課税に関して合意に達した結果、当会計年度において、当社は還
付通知を日本の税務当局から受け取りました。当該還付1, 841百万円は2013年3月31日に終了した会計年度における連結損
益計算書に過年度法人税等として計上されています。
50
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
2013年3月31日において、当社及び一部の連結子会社は当社及び当該子会社の将来の課税所得と相殺することができる総
額35 , 679百万円の繰越欠損金を有しており、これらは将来の課税所得の算定にあたって控除として利用できます。これらの繰
越欠損金は利用されない場合、以下のとおり有効期限を迎える予定です。
単位:百万円
2014年3月期
2015年3月期
¥
137
113
2016年3月期
68
2017年3月期
861
2018年3月期
2019年3月期以降
合計
2,903
31,597
¥35,679
14 . キャッシュ・フロー追加情報
当社グループは、2013年3月31日に終了した会計年度において、グッドマン グローバル グループ インク社とその連結子会社を
取得しました。
グッドマン グローバル グループ インクの株式取得による支出と、これらの新規連結子会社の取得による支出(取得した現金及
び現金同等物を除く)との関係は次のとおりです。
単位:百万円
2013年
流動資産
¥ 68,866
固定資産
166,943
のれん
195,711
流動負債
(173,607)
固定負債
(64,386)
為替換算調整勘定
(17,879)
株式取得による支出
175,648
連結子会社の現金及び現金同等物
新規連結子会社株式の取得による支出
(取得した現金及び現金同等物を除く)
(11,996)
¥163,652
当社グループは、2012年3月31日に終了した会計年度において、エアフェル ウストゥマ ヴェ ソートゥマ システムレリ サナイ
ティジャレット アーシェを取得しました。
エアフェル ウストゥマ ヴェ ソートゥマ システムレリ サナイ ティジャレット アーシェの株式取得による支出と、この新規連結子
会社の取得による支出
(取得した現金及び現金同等物を除く)との関係は次のとおりです。
単位:百万円
2012年
流動資産
¥ 9,991
固定資産
9,422
のれん
8,826
流動負債
(5,915)
固定負債
株式取得による支出
連結子会社の現金及び現金同等物
新規連結子会社株式の取得による支出
(取得した現金及び現金同等物を除く)
(1,500)
20,824
(124)
¥20,700
15 . 研究開発費
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度において、売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費はそれ
ぞれ33 , 569百万円、32 ,987百万円です。
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
51
16 . リース
当社グループは、コンピューター機器及びその他の資産の一部をリースしています。
2013年3月31日現在のファイナンス・リース契約に基づく債務相当額及び解約不能のオペレーティング・リース契約に基づく未
経過リース料は、次のとおりです。
単位:百万円
財務ハイライト/事業一覧
ファイナンス・
リース契約
1年内
オペレーティング・
リース契約
¥1,464
¥11,138
1年超
1,912
19,542
合計
¥3,376
¥30,680
2013年及び 2012年 3月31日に終了した会計年度におけるプロフォーマ情報
注記2に記載のとおり、当社及び国内連結子会社は、企業会計基準第13号の移行日に存在した借主に所有権が移転すると認め
CEOメッセージ
られるもの以外のファイナンス・リース契約については、オペレーティング・リース契約と同様の処理をしています。会計基準の移行
日に存在した、このようなリース物件を資産計上するとした場合の、2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度における、
取得価額相当額、減価償却累計額相当額、ファイナンス・リース契約に基づく債務相当額及び減価償却費相当額に関する情報は、
次のとおりです。
単位:百万円
2012年
COOインタビュー
2013年
取得原価相当額
減価償却累計相当額
期末残高相当額
工具・器具
及び備品
合計
工具・器具
及び備品
その他
その他
合計
¥147
120
¥111
¥258
¥669
¥249
¥918
86
206
580
198
¥ 27
778
¥ 25
¥ 52
¥ 89
¥ 51
¥140
ファイナンス・リース契約に基づく債務相当額:
事業の概況と今後の見通し
単位:百万円
2013年
2012年
1年内
¥27
¥ 88
1年超
25
52
合計
¥52
¥140
ファイナンス・リース契約に基づく取得原価相当額及び債務相当額には、支払利息を含んでいます。
ファイナンス・リース契約に基づく支払リース料及び減価償却費相当額:
コーポレートガバナンス
単位:百万円
支払リース料
減価償却費相当額
2013年
2012年
¥87
¥260
87
260
減価償却費相当額は、当連結損益計算書には計上していませんが、各々のリース期間にわたる定額法により計算しています。
財務セクション
17. 金融商品及び関連注記
金融商品に対するグループ方針
当社グループは、設備投資計画に基づいて、主に銀行借入や社債といった金融商品を利用しています。また、短期の銀行借入やコ
マーシャルペーパーは、運転資金の調達に利用しており、余剰資金は低リスクの金融資産に投資しています。デリバティブ取引は、
投機目的ではなく、以下に記載するリスクを管理するために利用しています。
金融商品から生じるリスクの内容と程度並びに金融商品のリスク管理
受取手形及び売掛金といった債権は、顧客の信用リスクに晒されています。当社グループは、顧客の倒産リスクを把握するために
主要な顧客の支払期日や残高のモニタリングを行うことを記載している内部規定に基づいて債権からの信用リスクを管理してい
ます。
支払手形及び買掛金といった債務の支払期日は、1年以内です。
52
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
外貨建の債権及び債務は、外国為替相場の変動による市場リスクに晒されていますが、それぞれの通貨において外貨建の債権
及び債務をネットしたポジションに対して、主に先物為替予約及び通貨スワップを利用してヘッジしています。加えて、予定取引に
より生じることが見込まれる外貨建の債権及び債務に対しても先物為替予約及び通貨スワップを利用してヘッジしています。
投資有価証券は、主に当社グループの顧客及びサプライヤーの株式であり、市場価格変動のリスクに晒されています。投資有価
証券は、定期的に市場価格及び発行体の財政状況をモニタリングすることにより管理しています。
短期借入金やコマーシャルペーパーは、主に運転資金として利用しています。長期借入金や社債は、主に設備投資を目的として
利用しています。支払手形及び買掛金といった債務、銀行借入金及び社債は流動性リスクに晒されていますが、その流動性リスク
について当社は企業財務部門による適切な資金計画に沿って管理しており、コミットメントラインを設定しています。金利変動に
よる市場リスクに晒されている長期借入金の一部は、主に金利スワップ取引を利用してヘッジしています。
デリバティブ取引は、主に債権及び債務の外国為替相場、銀行借入金の金利の変動及び原材料の市場価格の変動による市場
リスクを管理する先物為替予約、金利スワップ、及び商品先物取引です。
当社グループは、権限と利用限度額を規制する内部方針に基づいてデリバティブ取引を行っています。
当社グループはこれらデリバティブ取引を信用力の高い金融機関に限定しており、信用リスクから生ずる損失は見込んでいません。
金融商品の時価等に関する事項
主要な金融商品の帳簿価格、時価、未実現損失は以下のとおりです。金融商品の時価は活発な市場での価格に基づいています。
市場価格が入手できない場合は、代わりに他の合理的な評価技法を利用しています。いずれの価格も入手できないものは以下の
表に含まれていません。
単位:百万円
2013年 3月31日
帳簿価額
時価
現金及び現金同等物
¥185,571
¥185,571
受取手形及び売掛金
263,323
263,323
投資有価証券
未実現損失
93,740
93,740
合計
¥542,634
¥542,634
仕入債務
¥127,364
¥127,364
短期借入金
65,335
65,335
未払法人税等
14,694
14,694
長期借入債務
637,159
647,497
¥10,338
¥10,338
合計
¥844,552
¥854,890
デリバティブ取引
¥
¥
893
893
単位:百万円
2012年3月31日
現金及び現金同等物
帳簿価額
時 価
¥135,427
¥135,427
短期投資
受取手形及び売掛金
投資有価証券
221
221
209,077
209,077
75,204
75,204
合計
¥419,929
¥419,929
仕入債務
¥110,108
¥110,108
90,449
90,449
短期借入金
未実現損失
未払法人税等
9,836
9,836
長期借入債務
295,398
305,991
¥10,593
合計
¥505,791
¥516,384
¥10,593
デリバティブ取引
¥
¥
51
51
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
53
資産
現金及び現金同等物及び短期投資
現金及び現金同等物及び短期投資は満期が短期のため、帳簿価額が時価にほぼ等しくなっています。
受取手形及び売掛金
受取手形及び売掛金は決済が短期のため、帳簿価額が時価にほぼ等しくなっています。
財務ハイライト/事業一覧
投資有価証券
株式の時価は株式取引所での市場価格で測定しており、債権の時価は当社グループが想定する法人割引率で割り引いた満期時
の受取額で測定しており、また投資信託の時価は基準価格で測定しています。なお、投資有価証券の分類ごとの時価情報は、注
記 6に含めています。
負債
仕入債務、短期借入金及び未払法人税等
仕入債務、短期借入金及び未払法人税等は決済が短期のため、帳簿価格が時価にほぼ等しくなっています。
CEOメッセージ
長期借入債務
社債の時価は社債の店頭市場での市場価格により決定しており、長期借入金の時価については、当該借入金に関連するキャッ
シュ・フローを当社グループが想定する法人借入率で割り引いて決定しています。ヘッジ会計の要件を満たし、特定の一致基準に
適合する金利スワップによってヘッジされている変動金利の長期借入金の時価は、当該借入金及び金利スワップに関連するキャッ
シュ・フローを当社グループが想定する法人借入率で割り引いて決定しています。
デリバティブ取引
COOインタビュー
デリバティブ取引の時価は金融機関から入手した価格により評価しています。
下記の表における「契約額等」は、あくまでもデリバティブ取引における名目的な契約額又は計算上の想定元本であり、当該金額
自体が、そのままデリバティブ取引に係る市場リスクや信用リスク等を表すものではありません。
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引:
単位:百万円
事業の概況と今後の見通し
2013年 3月31日
契約額等
契約額等の
内1年超
公正価値
評価
(損)益
為替予約契約:
コーポレートガバナンス
売建:英ポンド
920
¥ 29
¥ 29
ユーロ
42,962
(169)
(169)
米ドル
17,233
970
970
オーストラリアドル
3,887
42
42
ニュージーランドドル
1,556
(12)
(12)
866
(9)
(9)
チェココルナ
5,457
78
78
香港ドル
1,215
29
29
53
53
財務セクション
南アフリカランド
¥
ポーランドズロチ
188
シンガポールドル
2,183
マレーシアリンギット
1,667
(4)
(4)
トルコリラ
8,826
(127)
(127)
ブラジルレアル
1,692
27
27
買建:ユーロ
164
人民元
303
(8)
(8)
米ドル
752
70
70
¥ 1,278
¥ (47)
¥ (47)
商品先物契約:
金属
買建
54
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
単位:百万円
2012年3月31日
契約額等
契約額等の
内1年超
公正価値
評価
(損)益
為替予約契約:
売建:英ポンド
¥
583
¥
(2)
¥
(2)
ユーロ
24,023
250
250
米ドル
12,058
(129)
(129)
4,647
66
66
ニュージーランドドル
269
(4)
(4)
南アフリカランド
778
1
1
3,547
(13)
(13)
香港ドル
953
(7)
(7)
ポーランドズロチ
301
シンガポールドル
1,997
(8)
(8)
マレーシアリンギット
1,641
20
20
トルコリラ
(26)
オーストラリアドル
チェココルナ
6,274
(26)
メキシコペソ
180
(2)
(2)
インドルピー
468
(21)
(21)
買建:ユーロ
6,551
32
32
米ドル
1,232
84
84
83
¥ 18
¥ 18
¥ 1,706
¥(134)
¥(134)
通貨スワップ:
受取円・支払香港ドル
¥
商品先物契約:
金属
買建
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引:
単位:百万円
2013年 3月31日
ヘッジ対象
契約額等
契約額等の
内1年超
公正価値
為替予約契約:
売建:英ポンド
5,953
¥ 21
売掛金
25,013
(426)
米ドル
売掛金
630
(16)
オーストラリアドル
売掛金
630
(50)
南アフリカランド
売掛金
588
(7)
チェココルナ
売掛金
8,469
247
ポーランドズロチ
売掛金
893
(2)
トルコリラ
売掛金
4,650
(105)
ユーロ
売掛金
¥
買建:人民元
買掛金
32
(7)
米ドル
買掛金
12,550
440
金利スワップ
受取変動/支払固定
長期借入金
¥ 80,000
¥ 80,000
受取変動/支払固定
(*)
長期借入金
215,000
215,000
¥(126)
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
55
単位:百万円
2012年3月31日
ヘッジ対象
契約額等
契約額等の
内1年超
公正価値
為替予約契約:
財務ハイライト/事業一覧
売建: 英ポンド
¥
5,171
¥ (75)
174
ユーロ
売掛金
20,873
米ドル
売掛金
1,306
13
オーストラリアドル
売掛金
673
(27)
南アフリカランド
売掛金
631
(9)
チェココルナ
売掛金
8,013
(241)
ポーランドズロチ
売掛金
910
(28)
トルコリラ
売掛金
1,599
(56)
買掛金
2,464
218
¥ (43)
買建: 米ドル
CEOメッセージ
売掛金
金利スワップ
受取変動/支払固定
長期借入金
¥ 30,000
受取変動/支払固定
(*)
長期借入金
122,000
¥97,000
(*)ヘッジ会計の要件を満たし、特定の一致基準に該当する上記の金利スワップは市場価格で評価せず、スワップ契約に基づいて差額の支払い又は受け取りを認識し支払
利息又は受取利息に含めています。また、そのような金利スワップの時価は長期借入債務に含めています。
COOインタビュー
時価を容易に決定できない金融商品
単位:百万円
帳簿価額
非上場株式
2013年
2012年
¥8,180
¥8,235
投資事業組合及びその他の投資
事業の概況と今後の見通し
合計
668
780
¥8,848
¥9,015
金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
単位:百万円
2013年 3月31日
コーポレートガバナンス
1年以内
1年超
5年以内
現金及び現金同等物
¥185,571
受取手形及び売掛金
263,290
¥ 33
25
¥448,886
100
¥133
5年超
10年以内
10年超
投資有価証券
その他有価証券のうち満期があるもの
(社債)
合計
単位:百万円
2012年3月31日
1年以内
財務セクション
現金及び現金同等物
短期投資
受取手形及び売掛金
1年超
5年以内
5年超
10年以内
¥135,427
221
209,073
¥
4
投資有価証券
その他有価証券のうち満期があるもの
(社債)
合計
長期借入債務の年度別満期返済額は注記9をご覧ください。
56
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
25
¥344,746
100
¥104
¥25
¥25
10年超
18 . 約定債務及び偶発債務
2013年3月31日現在において当社グループは以下の約定債務を有しています。
単位:百万円
¥14,451
設備投資
2013年3月31日現在において当社グループは以下の偶発債務を有しています。
単位:百万円
¥3,536
裏書手形
19. 包括利益
(損失)
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度におけるその他の包括利益(損失)に係る組替調整額及び税効果額は次のと
おりです。
単位:百万円
2013年
2012年
当期発生利益
(損失)
¥14,173
¥ (8,380)
損益への組替調整額
12,534
437
税効果調整前
26,707
(7,943)
税効果額
(8,273)
3,301
¥18,434
¥ (4,642)
¥
¥
その他有価証券評価差額金:
合計
繰延ヘッジ
(損失)利益:
当期発生
(損失)利益
損益への組替調整額
(191)
90
税効果調整前
税効果額
合計
¥
376
(298)
(101)
78
29
(61)
(72)
¥
17
為替換算調整勘定:
当期調整額
¥64,782
¥(12,968)
当期発生額
¥ 1,483
¥
その他の包括利益
(損失)合計
¥84,627
¥(17,671)
持分法適用関係会社に対する持分相当額:
(78)
20 . 1株当たり当期純利益
2013年及び 2012年3月31日に終了した会計年度における1株当たり当期純利益と潜在株式調整後1株当たり当期純利益の差
異の調整は次のとおりです。
2013年 3月31日に終了した会計年度:
単位:百万円
単位:千株
単位:円
当期純利益
加重平均株式数
1株当たり当期純利益
¥43,585
291,089
¥149.73
1株当たり当期純利益
普通株主に帰属する当期純利益
希薄化株式の影響
ストック・オプション
39
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
算定に必要な当期純利益
¥43,585
291,128
¥149.71
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
57
2012年3月31日に終了した会計年度:
単位:百万円
単位:千株
単位:円
当期純利益
加重平均株式数
1株当たり当期純利益
¥41,172
291,242
¥141.37
1株当たり当期純利益
普通株主に帰属する当期純利益
2012年3月31日に終了した会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、希薄化効果を有している潜在
財務ハイライト/事業一覧
株式が存在していないため、記載していません。
21. セグメント情報
企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第20号「セグメント情報等の開
示に関する会計基準の適用指針」では、企業はその報告セグメントについての財務情報及び説明的な情報を報告することとされ
ています。報告セグメントは事業セグメント又は具体的な基準を満たす事業セグメントの集約です。事業セグメントとは、分離され
CEOメッセージ
た財務情報が入手可能であり、そのような情報を最高意思決定者が、資源の配分方法の決定及び業績の評価を行うために定期的
に検討する企業の構成単位です。一般的にセグメント情報は内部で事業セグメントの業績を評価し、事業セグメントへの資源の
配分方法を決定するために利用するものと同様の基準で報告することとされています。
1. 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、グループ間の資源の配分方法の決定を行
うために定期的に評価されているセグメントです。当社グループの報告セグメントは
「空調・冷凍機事業 」セグメント及び「化学事業 」
COOインタビュー
セグメントから構成されています。
「空調・冷凍機事業 」セグメントは、空調・冷凍機製品の製造、販売及び工事を行っています。「化学事業 」セグメントは、化学
製品の製造、販売を行っています。
2 . 報告セグメントごとの売上高、利益、資産、その他の項目の金額の算定方法
各報告セグメントの会計処理方法は、注記2「重要な会計方針の概要 」において開示されているものと概ね同一です。
事業の概況と今後の見通し
3 . 報告セグメントごとの売上高、利益、資産、その他の項目の金額に関する情報
単位:百万円
2013年 3月31日
報告セグメント
空調・
冷凍機事業
化学事業
計
その他
合計
¥1,119,972
¥124,436
¥1,244,408
¥46,495
¥1,290,903
調整額
連結
売上高:
外部顧客への売上高
コーポレートガバナンス
セグメント間の内部売上高又は
振替高
¥1,290,903
855
5,804
6,659
225
6,884
¥ (6,884)
1,120,827
130,240
1,251,067
46,720
1,297,787
(6,884)
1,290,903
セグメント利益
70,905
16,491
87,396
1,229
88,625
2
88,627
セグメント資産
1,445,186
150,099
1,595,285
29,719
1,625,004
110,832
1,735,836
37,310
¥ 2,099
計
その他の項目:
減価償却費
財務セクション
のれん償却費
持分法適用の非連結子会社
及び関連会社への投資額
有形固定資産及び無形固定資産
の投資額
58
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
¥
27,614
¥
9,696
¥
¥
39,409
¥
39,409
12,051
26
12,077
12,077
12,077
8,436
5,605
14,041
14,041
14,041
36,944
15,549
52,493
54,323
54,323
1,830
単位:百万円
2012年3月31日
報告セグメント
空調・
冷凍機事業
化学事業
計
その他
合計
¥1,041,387
¥132,931
¥1,174,318
¥44,383
¥1,218,701
1,193
10,071
11,264
232
11,496
¥(11,496)
調整額
連結
売上高:
外部顧客への売上高
セグメント間の内部売上高又は
振替高
計
¥1,218,701
1,042,580
143,002
1,185,582
44,615
1,230,197
(11,496)
セグメント利益
60,175
20,172
80,347
852
81,199
(6)
1,218,701
81,193
セグメント資産
903,203
130,213
1,033,416
28,788
1,062,204
98,360
1,160,564
その他の項目:
減価償却費
¥
のれん償却費
持分法適用の非連結子会社
及び関連会社への投資額
有形固定資産及び無形固定資産
の投資額
26,152
¥
9,832
¥
35,984
12,098
49
12,147
7,202
6,287
13,489
37,485
9,151
46,636
¥ 2,263
¥
38,247
¥
38,247
12,147
12,147
763
14,252
14,252
1,713
48,349
48,349
注: 1 「その他 」のセグメントは報告セグメントに含まれない事業セグメントの集約であり、「油機事業 」セグメント、「特機事業 」セグメント、「電子システム事業 」セグメ
ントから構成されています。
2 「調整額 」には配賦不能項目及びセグメント間消去が含まれています。「調整額 」に含まれる配賦不能全社資産は、2013年及び 2012年3月31日現在、それぞれ
118 , 702 百万円及び105 , 756百万円であり、主として当社の現金、定期預金、短期投資及び投資有価証券です。
3 セグメント利益の総額は、連結損益計算書の営業利益と整合しています。
4 セグメント間の内部売上高又は振替高は、市場価格に相当する価値で記録されています。
4 . 追加情報
(1)地域に関する情報
(a)売上高
単位:百万円
2013年 3月31日
日本
中国
欧州
アジア・
オセアニア
米州
その他
連結
¥494,284
¥234,774
¥195,053
¥186,219
¥137,479
¥43,094
¥1,290,903
単位:百万円
2012年3月31日
日本
中国
欧州
アジア・
オセアニア
米州
その他
連結
¥474,572
¥215,655
¥205,656
¥163,502
¥127,268
¥32,048
¥1,218,701
注 : 売上高は顧客の所在地に基づく、国又は地域に分類しています。
(b)有形固定資産
単位:百万円
2013年 3月31日
日本
中国
米国
欧州
アジア・
オセアニア
その他
連結
¥91,759
¥69,951
¥42,717
¥31,460
¥32,615
¥5,699
¥274,201
単位:百万円
2012年3月31日
日本
中国
米国
欧州
アジア・
オセアニア
その他
連結
¥93,585
¥45,108
¥24,573
¥28,630
¥27,450
¥5,011
¥224,357
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
59
(2)報告セグメントごとの固定資産の減損損失
単位:百万円
2012年3月31日
空調・
冷凍機事業
財務ハイライト/事業一覧
減損損失
化学事業
その他
消去又は全社
¥356
連結
¥356
(3)のれんに関する情報
(a)報告セグメントごとののれんの未償却残高
2013年及び 2012年3月期における報告セグメントごとののれんは次のとおりです。
単位:百万円
2013年
空調・
冷凍機事業
CEOメッセージ
のれん
化学事業
その他
消去又は全社
¥348,411
連結
¥348,411
単位:百万円
2012年
空調・
冷凍機事業
COOインタビュー
のれん
化学事業
その他
消去又は全社
¥166,276
連結
¥166,276
22 . 後発事象
以下の決議が 2013年 6月27日に開催を予定している株主総会で承認されることを条件として、2013年5月8日に開催された
取締役会で承認されました。
事業の概況と今後の見通し
利益剰余金の処分
財務セクション
コーポレートガバナンス
2013年3月31日現在の株主に対し1株当たり18円、総額5 , 241百万円の期末配当を支払うことが承認されました。
60
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
独立監査人の監査報告書
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
61
会社情報
(2013年3月31日現在)
本 社
〒530 - 8323
大阪市北区中崎西2- 4 -12 梅田センタービル
Tel:06 - 6373 - 4312 URL:http://www.daikin.co.jp
財務ハイライト/事業一覧
東京支社
〒108 - 0075
東京都港区港南2-18 -1 JR 品川イーストビル
決算期
毎年3月31日
創 業
1924年10月25日
設 立
1934年2月11日
資本金
85 , 032百万円
発行済株式の総数
293 ,113千株
株主数
41, 662名
大株主
• 日本マスタートラスト信託銀行株式会社
(信託口)
COOインタビュー
CEOメッセージ
Tel:03 - 6716 - 0111 • 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
(信託口)
• 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
(三井住友信託銀行再信託分・新日鐵住金株式会社退職給付信託口)
• 株式会社三井住友銀行
• エスエスビーティー オーディー 05 オムニバス アカウント トリーティー クライアンツ
事業の概況と今後の見通し
• 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
(三井住友信託銀行再信託分・農林中央金庫退職給付信託口)
• 株式会社三菱東京UFJ銀行
• 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
(信託口9)
• 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
(信託口4)
• メロンバンク エヌエー アズ エージェント フォー イッツ クライアント メロン オムニバス ユーエス
コーポレートガバナンス
ペンション
関係会社
連結子会社:207社 持分法適用会社:10社
従業員数
51, 398人
(連結)
上場証券取引所
東京
公告方法
電子公告とし、当社ホームページ(http://www.daikin.co.jp/e-koukoku/)に掲載いたします。
財務セクション
ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告ができない場合は、日本経済新聞に掲載
いたします。
株主名簿管理人
三菱UFJ信託銀行株式会社 大阪証券代行部
〒541- 8502 大阪市中央区伏見町3 - 6 -3
62
定時株主総会
毎年6月
独立監査人
有限責任監査法人トーマツ
DAIKIN INDUSTRIES, LTD.
このアニュアルレポートは、森林管理協議会(Forest Stewardship Council)が認証
する適切に管理された森林からの原料を含むFSC認証紙を使用しており、ベジタブルイ
ンクによって水なし印刷しています。
Printed in Japan
http://www.daikin.co.jp
CC-A1A(13-09-003)IB