Evaluating and Choosing an IoT Platform

プラットフォームの
評価と選択
マシュー・J・ペリー
(Matthew J. Perry)
プラットフォームの評価と選択
著者: マシュー・J・ペリー (Matthew J. Perry)
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編集者 Jeff Bleiel
2016 年 1 月:
内部デザイン David Futato
表紙デザイン Randy Comer
第1版
第 版の改訂履歴
2016 年 1 月 12 日: 初版リリース
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978-1-491-95203-0
[LSI]
目次
プラットフォームの評価と選択
1. IoT プラットフォームは必要か
1
2. 行動する前によく考えよ: スマートなプラットフォーム投資の鍵 4
3. 重要な区別: 消費者グレードと産業グレードのプラットフォーム 7
4. 業界で最も重要な IoT 機能は何か
9
5. 重要な IoT プラットフォーム機能
11
6. IoT プラットフォー ムベンダーの評価方法
17
7. まとめ
22
v
プラットフォームの
評価と選択
プラットフォームは必要か
モノのインターネット (IoT) がビジネスや消費者向けアプリケーション
の世界に浸透し続ける中で、その採用に関する合理的な意思決定
は、最新のオプションやトレンドによって複雑になりがちです。すべて
の企業は、業界エコシステムの将来像に合わせて、最新の動向を
捉え、さらにその一歩先を行くことを強く意識しています。過去 10 年
間にわたり、インターネット接続の提供者、つまりビジネスの既存のレ
イヤー間をつなぐ (そして新しいレイヤーを作り出す)“配管”は、この
将来像を熱のこもった言葉で言い表してきました。毎年さらに数百
万台のデバイスとモノが、データ送受信を可能にする個別の IP アド
レスを割り振られて“スマート”になっています。
IoT によって、ビジネスの方法、さらにはビジネスの性質そのものの変
革が約束されます。現在の課題は、どこから始めるべきかを知ること
です。IoT は段階的に導入するべきなのか、できるだけ早期に最も
洗練された包括的な IoT プラットフォームに投資する必要があるの
か、どちらでしょうか。
意見は大きく分かれています。そして、どのような新しいテクノロジで
も同様ですが、利用できる確実な情報と同じだけ、切り捨てるべき誇
大な宣伝もまん延します。接続されたデバイスが数十億台、市場の
売上規模が数兆ドルなど、IoT テクノロジの拡大に関する推定には
大きな幅がありますが、これは日常的なオペレーションにはどのよう
に当てはまるのでしょうか。
現代化の必要性は、競合状況における焦りや、多くの新しい方法で
市場に参入することの利点に焦点を当てた調査の影響力を感じて
いるほぼすべてのビジネスに当てはまります。今が飛びつくタイミング
のように思えますが、IoT テクノロジによって提示される多くの選択肢
の中から賢く選ぶことは依然として重要です。それが特に当てはまる
のは、ビジネス上の必要性によって、現時点で最適なソリューション
よりも先を見越すことが求められる場合です。どのようなソリューショ
ンを導入するにしても、持続性が不可欠です。アップグレードの機会
やメンテナンスの必要性は常にありますが、その必須のテクノロジ
ネットワークが当面、機能し続ける必要があります。将来を保証され
たテクノロジーネットワークは、改善により消えたり不要になったりする
ことなく、改善を受け入れることができます。必要なアップグレードや
機能強化を経ても、それは持続します。
IoT は 1 つのテクノロジではなく多くのテクノロジの相互作用であるた
め、業界やビジネスへの関連性は一様ではありません。個々のビジ
ネスは、それが 1 つの垂直市場を占めるビジネスであっても、独自
の方法で将来のニーズを決定します。共通して言えるであろう唯一
の結論は、1 つの IoT プラットフォームのいずれかのイテレーション
が、当面の間ビジネスをどのように実行しどのように成長させるかの
一面を担うということです。その一般的な所見を超えたところでは、
ニーズと機能の組み合わせは、インターネットによって全般的に容易
になったモノと人との接続と同じように多様かつ多数になります。
プラットフォームとは何か
IoT プラットフォームは、通信、データ フロー、デバイス管理、アプリ
ケーションの機能性を促進します。多くのアプリケーションは IoT プ
ラットフォームのフレームワーク内で完全に構築することができます
が、プラットフォームそのものはアプリケーションではありません。IoT
プラットフォームは、マシン、デバイス、アプリケーション、人を、デー
タ センターやコントロール センターにリンクします。それは物理的な
中央司令部に限定されません。理論上は、多くの異なる中心点か
らアクセスして管理することができます。業界がこれまで扱ってきた
レベルをはるかに超えるボリュームを処理できる容量と洗練度を備
えた、さらに高速で優れたサーチ エンジンとデータ ストレージ システ
ムを使用します。その要素のほとんどはクラウドベースであり、無線
プラットフォームの評価と選択
接続で動作します。その接続は、サードパーティのプロバイダ、アプリ
ケーション プログラミング インタフェース (API)、セルラー機能のい
ずれか、または最も可能性が高いのが、それらのテクノロジの組み
合わせによって確立されます。
プラットフォームは、ダッシュボードや API、データ エンジン、アルゴリ
ズムを通じて、従来よりもはるかに速い速度と高い柔軟性でビジネス
ネットワークの要素やセクターが相互に接続、監視、通信できるよう
にします。拡大し続けるエコシステムからのデータは、完全にオンラ
インで収集、並べ替え、利用することができます。また、このプラット
フォームによりデータの優先順位付けが可能になります。これは、マ
シンやセンサーなどのオブジェクトによって新たに大量の情報が生
成され始めるときには決定的に重要な機能となります。
データを取り込み、保存し、解析するための十分なセキュリティ機
能、スケーラビリティ、豊富な容量を提供します。マシン、人、アプリ
ケーション、またはその三者を接続することができます。あらゆるイン
テリジェントなネットワークと同様に、メンテナンスとトラブルシューティ
ングの目的でデータを使用する、固有の予測可能な品質を提供し
ます。ユーザー インタフェースは直感的で拡張可能であり、将来に
おけるアプリケーション拡張機能の開発が可能なほか、増え続ける
接続されたデバイス、人、データ ソースをトラックするために必要な
スケーラビリティを備えることができます。
必然的に、このプラットフォームでは、付加価値アプリケーションへの
リソースの集約度を高めることが可能です。企業は、必須でありなが
ら価値を高めるものではない、テクノロジ スタックの下位レベルに注
目する代わりに、アプリケーション開発、よりスマートで統合の進んだ
企業エコシステム、インテリジェントなデータ生成に目を向けることが
できます。より優れたサポートを伴うアプリケーションの市場投入をさ
らに迅速化できます。従来は時間と開発コストに膨大な投資が必要
だった接続性とデータ管理は、IoT プラットフォームにおいては発電
と同様に信頼でき、同様にユーザーに対して解放された “既定の条
件”となります。
IoT の根源は、接続性、すなわち、より多くのモノ、より多くの人、そし
てそれらの間で生じる接続のマトリックスにあります。このテクノロジ
は、登場して 10 年未満でありながら、この根本的な考えをはるかに
超えたところに到達しています。多くの企業が社内でプラットフォー
ムを構築する方が有利だと考えてきましたが、今ではこのテクノロジ
スタックの多くは既成のツールおよびベンダーとの有効な取り決めに
よって導入可能になっています。
プラットフォームは必要か
行動する前によく考えよ スマートな
プラットフォーム投資の鍵
IoT プラットフォームの立ち上げを準備している企業は、事前に戦略
的目標を明確に定義する必要があります。また、不安定なプラット
フォームや開発途中のアプリケーションを立ち上げる危険性を考慮
する必要もあります。多くのテクノロジがまだ新しく、その用途が分析
の対象であるような状況では、解決されるよりも多くの問題を生じる
ソリューションに飛びついてしまう可能性があります。競争的差別化
において重要でありながら、手をつけないでいることも可能な、プラッ
トフォームの要素を評価するときには、“行動する前によく考えよ” と
いう表現を思い出してください。
テクノロジに関するニーズと戦略の徹底的なレビューは、ベンダーの
評価にも役立ちます。単純に、貴社の業界で必要とされるような幅
広い特有のサービスと製品を提供できないベンダーはたくさんありま
す。最も経験豊富なプラットフォーム ベンダーであっても、その実績
はテクノロジそのものと同じ年数にすぎないため、最適なパートナーと
テクノロジ プロバイダを判断するのは困難である可能性があります。
これは大きな賭けになります。特に、成長、資金調達、適法性に関し
て IoT テクノロジに依存する企業にそれが当てはまります。失敗に対
する最大の防御は、ベンダーが関与する前に、自社の業界で IoT
によってすでに達成された事例を徹底的にレビューし、最も大きな違
いが出るであろう垂直市場を選択することです。
プラットフォームは複雑であり、その機能性の大部分はアプリケーショ
ン レベルよりも下位の部分で提供されます。テクノロジ スタックをす
でに構築したことがある人材が社内に待機しているのでない限り、コ
ストの面で DIY モデルは推奨できません。テクノロジ スタックのほと
んどは高価であり、すぐには付加価値をもたらしません。企業が競争
で優位に立ち、市場での存在感を高めるのに役立つアプリケーショ
ンの特定と開発に時間とリソースを投入するほうが有益です。
以下の一般的なカテゴリは、企業における IoT プラットフォームの
ニーズを分析するための重要な出発点となります。
プラットフォームの評価と選択
 エンタープライズのスケーラビリティ。IoT プラットフォームは現
在のニーズをサポートするだけではなりません。企業の製品ス
イートにどれだけの新しいアプリケーションを追加できますか。時
間がたつにつれてどれだけのデバイスがアプリケーションにプラ
グインされるでしょうか。予測される IoT の拡大と同等のペース
でエンタープライズの成長を見込める場合、プラットフォームは、
将来の展開をサポートできるだけの十分な堅牢性と拡張性を備
えていなければなりません。
 レガシー アーキテクチャの範囲。既存の IoT 接続の大部分は
特定のシステムに依存せず、多様なインフラストラクチャ システ
ム内で機能するように設計されています。企業のインフラストラ
クチャのうちどのレガシー要素が不可欠で、どれがいずれ段階
的に廃止できるのかについて詳細に分析する必要があります。
IoT プラットフォーム ソリューションの効率は、新しい世代のテク
ノロジをどのようにして古い世代と連携させることができるかに依
存します。
 フィードバック ループはどのように結果に貢献しますか。リッチな
データの増加、それもおそらく圧倒的な増加は、IoT への投資
の主要な成果の 1 つです。業界では、パフォーマンスの結果、
収入の流れ、そして通信ネットワークに最も影響するのはどのよ
うなタイプのデータなのかを検討する必要があります。ベンチ
マークを設け、データ管理システムおよびそれをサポートするセ
キュリティ インフラストラクチャを選択する際のガイドラインとして
使用できる、想定される結果を定めます。新しいデータと分析の
影響が最も大きい領域を確認することで、プラットフォームの機
能と範囲を定義する選択に対して情報を提供できます。
 IoT はビジネスとお客様の双方向性にどのように影響するでしょ
うか。IoT プラットフォームは、オンラインおよびオフラインの取り
組みを拡大することにより、リアルタイムのカスタマー エクスペリ
エンスへの接続を強化することができます。満足度を高め将来
の世代の製品の収益性を確保する基準を明確に示すことは、
プラットフォームにどの機能を持たせるべきか開発者が判別す
るのに役立ちます。
行動する前によく考えよ スマートなプラットフォーム投資の鍵
 データ管理戦略。デジタル ユニバースは、物理的な宇宙と同
様、絶えず膨張している状態であり、とりわけデータ ストレージは
おそらく最も重要なツールです。より多くのストレージ容量を購入
することは明白な解決策であるように見えますが、先見性に欠
けます。実際に必要な量を超える規模でデータを保存すること
は高コストであり、その保存方法はすぐに実用的でなくなる可能
性があります。
業界の専門家は優先度の高いデータ ストリームを評価し、それ
らに誰が、いつアクセスできるのかを決定する必要があります。
ビジネス モデルにとってモバイル アプリケーションが重要であり、
データ量が多い場合、データプロバイダは拡張可能なように構
築する必要があります。ハイブリッド クラウド モデル (プライベート
サービスとサードパーティ サービスの組み合わせで、より高価な
プライベート サーバーにすべてのデータを保存するよりも低コス
トでスケーラビリティを高められるモデル) は、すべてが機密デー
タではないが膨大な量のデータを保存する必要がある業界に
とっては、賢明なオプションとなるかもしれません。
 独自の専門知識。IoT プラットフォーム ベンダーは、新しいテク
ノロジがどのように発展する可能性があるのか、また貴社のビジ
ネス モデルを微調整する方法について、詳細に説明できる必
要があります。しかし、IoT は貴社のビジネス慣習を変える可能
性を秘めていますが、業界を全体として変革することはありませ
ん。思慮深い IoT ベンダーであれば、貴社が配置しているチー
ム以上に的確に貴社のビジネスを把握している人はいないと進
言するでしょう。ビジネスは、新しいテクノロジによって置き換えら
れることではなく、新しいテクノロジとともに成長し学ぶことを期待
するべきです。
プラットフォームの評価と選択
重要な区別 消費者グレードと産業
グレードのプラットフォーム
IoT プラットフォームのオプションと要件の包括的な概要を 1 つのレ
ポートで示すことは不可能です。医療、製造、エネルギー、銀行など
各業界の垂直市場では、解決すべき特定の状況と問題がそれぞれ
の IT および OT スペシャリストに示されます。たとえば自治体の警
察や消防の部署であれば、現場のオペレーションと司令センターの
間のコミュニケーションを確保するプラットフォームを頼りにするでしょ
う。エネルギーおよび輸送業界の企業であれば、過酷な環境条件
から現場の資産を保護する、耐久性の高いソリューションを求めるで
しょう。銀行業界の IoT プラットフォームは、内部および消費者の通
信と送金を保護する堅牢な暗号化とセキュリティの機能を備えてい
るはずです。
IoT 提供エコシステムにおける主要な区分の 1 つが、消費者グレー
ドと産業グレードの違いです。どちらも、今後数十年間の経済活動に
おいて重要なけん引役になるでしょう。それぞれが、いずれユー
ザーにとって不可欠になる商品、サービス、インフラストラクチャ サ
ポートを生み出しますが、このレポートの目的としては、利便性に基
づく不可欠さ (消費者側を表します) と、必須と同義の不可欠さ (つ
まり産業側であり、システムに障害が発生すると危機的状況になりま
す) とを区別することができます。
このレポートでフォーカスを置くのは、消費者向けデバイス (スマート
フォン、サーモスタット、フィットネス用ウェアラブル デバイスなど) で
はなく産業向け IoT (IIoT) です。ディスカッションでは、多数のデバ
イスやセンサーを使用し、多様な環境で操作を行う作業者がいる業
界にフォーカスを当てます。多くの業界はネットワークのエッジにある
マシンのサブセットに依存しており、それらの主な目的は、エネル
ギー グリッド ルーター、サイネージ、工場のオートメーション マシンな
どを、生成データを使用せずにリモートで動作させることです。IoT の
基本原則として、こうしたネットワーク内のマシンであってもいつかは
IP アドレスが割り当てられ、それぞれに累積されたデータをプラット
フォームの反対側にあるビッグ データ プロセッサに追加し始めます。
しかしこのことは、データを蓄積して転送するように設計されていない
多くのレガシー資産の現在の実体を反映していません。アップグレー
ドに時間とコストが掛かるようになり、場合によってはアップグレードが
不要になります。
重要な区別 消費者グレードと産業グレードのプラットフォーム
一方で、信頼性の高い双方向の堅牢な IoT プラットフォーム サポー
トに絶対的に依存する産業資産が数多く存在します。MRI スキャ
ン、軍事用ドローン、スマート グリッドは、収集されたデータや、リモー
ト アクセスおよび制御機能のための経路を提供する接続性に依存
します。それに対し、スマート ホーム アプライアンスは、バックエンド
の IoT インフラストラクチャがなくても、指定されたとおりに動作するこ
とができます。
次の表は、消費者向けおよび産業向けの IoT プラットフォームの一
般的な機能を示します。
消費者向け
例
主な価値
ウェアラブル デバイス、
デバイス、B2C (企業と
消費者の間で取り引き
される) 製品
物理的な製品に限ら
れる
利用可能率 低い関心
とスケーラビ
リティ
セ キ ュ リ テ ィ 中程度の関心
と信頼性
接続性
産業向け
自動車、農業、航空宇宙、
軍事、製造、オートメーション
工場
組み込みソフトウェア、アプリ
ケーション、生成データ、応
答性
高い関心
高い関心
一 方 向 、 ク ラ ウ ド へ の 双方向データ伝送/リモートア
データ、低頻
クセス制御/自動化、高頻度
プラットフォームの評価と選択
業界で最も重要な
機能は何か
消費者向けと産業向けの IoT の区分は、1 つ目の重要な区別にす
ぎません。産業向け IoT の中では、エネルギー、医薬品、銀行、鉱
業やその他の多くの垂直市場で、導入されるソリューションやプロトコ
ルのサブセットが多数存在します。IIoT プラットフォームは、以下の
一般的なガイドラインに沿って、既存のビジネス モデルと連携するよ
うにカスタマイズされます。
 各業界は、ほかとは異なるアプリケーション セットを使用します。
 収益化の手段や ROI のメトリックは個々の業界の垂直市場に
よって異なり、そのサブセット内の競合企業によって異なる場合
もよくあります。
 各業界は特定のツール セットと通信プロトコルを必要とし、それに
より、ほかとは異なる双方向性と監視のグリッドが作り出されます。
 各業界は、ビジネス モデルのニーズに従ってデータに優先順位
を設定し、データのフットプリントを収容するという課題に対応しよ
うと試みます。
 セキュリティ機能と機密情報へのアクセス機能は、異なるデータ
セットを保護します。
 業界資産を運用する条件によって、耐久性を高める度合いは
異なります。
IoT プラットフォームは、システム、オペレーション、アプリケーション、
製品へのフォーカスに応じてカスタマイズ可能です。
 接続機能を持つスマートなシステムは、多くの場合リモートで実
行されるコンポーネントを使用して大規模システムを構築する
業界で使用されます。たとえば、HVAC システムの冷却装置、
食品貯蔵用の冷凍圧縮機、自治体のエネルギー グリッドによる
街灯などがあります。このモデルではデータの取り込みおよび予
測メンテナンスが重要になります。どちらも、高価な製品の寿命
を延ばし、アップグレード能力が組み込まれた適応性の高い“エ
バーグリーン”設計を採用することができます。
業界で最も重要な
機能は何か
 スマート コネクティッド オペレーションは、エコシステムまたはサプ
ライ チェーンの全体にわたって、またはリンクされたデバイスのコ
ミュニティ内で、インテリジェンスと接続性を強化します。これは、
M2M 製造 (ほかのマシンやモノを製造するマシン) に特に関連
性があります。予測メンテナンス、アイドル状態または不要な装
置のシャットダウン、ピーク時間中の使用状況に関連する機能の
増強、セキュリティ機能の微調整によって、生産性の向上と廃棄
物の削減の両方が達成され、より少ないエネルギーと管理でより
多くの成果を上げる、無駄のないシステムが実現します。
 接続機能を持つスマートなアプリケーションは、目的に特化させ
ることができ、IoT プラットフォームにマウントすることで、プロバイ
ダと顧客の両方にメリットをもたらす対話型のユーザー エクスペ
リエンスを提供できます。自治体のスマート交通計画をサポート
する IoT プラットフォームは、市民が使用するアプリケーション
(空いている駐車スペースを見つけることが目的で、それにより
都市部の交通渋滞の最大の一因を減少させる)、作業員が使
用するアプリケーション (ごみ容器が満杯になると知らせ、収集ト
ラックをルート変更するアプリケーションと連動するセンサー)、シ
ステム マネージャが使用するアプリケーション (エコシステムか
らデータを収集して混雑の解決策を評価する) をホストします。
アプリケーションは、多くのサービスまたは生産オペレーションに
データを指示を配信することができます。ほんの数例を挙げるだ
けでも、農業、エネルギー伝送、輸送ネットワーク、医療観察な
どが対象になります。
 接続機能を持つスマート製品は、IoT ソリューションで最も顕著
な存在であり、産業グレードのソリューションの重要な部分となり
ます。RFID タグ付きの航空機構成部品 (座席、救命胴衣、発
電装置)、スキャンを通じて生命にかかわる状況を検出する救
急隊員用のポータブル製品、現場でメンテナンスを担当する作
業者向けに耐久性を高めた高性能な通信機器といったスマート
製品は、効率、安全性、投資利益率の点で状況を一変させる
可能性があります。ビジネスを誰がどのように実施するのかに対
する新しい機器や製品のインパクトを評価しているセクターをいく
つか挙げるだけでも、エネルギー、医療機器、公衆安全、輸送
があります。
プラットフォームの評価と選択
この場合も、ほかの要素を除外してアプリケーション、オペレーショ
ン、製品にフォーカスする必要はありません。理論上 (また次第に実
践としても) IIoT はこれらのコンポーネントすべてに適用されます。重
要なのは優先順位の設定です。企業は IoT プラットフォームの構築
におけるオプションをレビューする際に、ビジネス エコシステムのすべ
ての面でコスト、機能、収益の可能性を分析し、最大の利得を実現
できる領域にターゲットを絞る必要があります。
重要な
プラットフォーム機能
プラットフォームを支えるハードウェアとソフトウェアを扱う際は、革新
性ではなく信頼性が肝心です。リモート サービス、スマート モニ
ター、データ サイロ、M2M のやり取りに見られるように、IoT ソリュー
ションの核心にあるのは差別化です。それらにフォーカスすることで、
企業は自社の産業向け IoT の機能をより迅速かつ効率的に構築
し、調査と投資に費やすリソースを節約できます。
しかし、そのような専門性の段階に至るためには、プラットフォームは
多くの面で期待に添う必要があります。産業向け IoT プラットフォー
ムのメトリックは、必然的に、その柔軟性、多機能性、持続可能性、
安全性の程度を判別するものになります。これらの属性の累積的な
効果も考慮する必要があります。IoT の核心はシステムとテクノロジ
の相互作用にあります。その効果は、理想的には、各部分の合計よ
りも常に大きくなります。
IoT プラットフォームに必須のコンポーネントは以下のとおりです。
デバイス管理:
デバイスは停止状態で存在するわけではありません。管理、再
構成、更新、設定管理が継続的に必要です。ネットワーク間の
変換およびデータ ハブとして機能するエッジ デバイスは、手動
で保守が必要な場合には、解決するよりも多くの問題を生じさ
せる可能性が高くなります。IoT プラットフォームを介したリモート
アクセスは、それらの経済的妥当性の面で欠かせません。
重要な
プラットフォーム機能
すべてのネットワーク コンポーネントの接続、監視、通信を可能
にするためには、デバイス管理アーキテクチャが双方向かつ柔
軟である必要があります。陳腐化、損傷、セキュリティ違反が発
生した場合、プラットフォーム管理システムは当該のデバイスを
除去または無効化できます。
監視対象とする、またはプラットフォームに一時的に接続するデ
バイスが数多くあるため、その管理プロセスの簡素化には大きな
価値があります。各デバイスを組み込むための手動による増強
は、実用的ではありません。IoT 管理は、デバイスのシステム
アーキテクチャ内にあるマイクロ コントローラ ユニット (MCU) を
使用して移植できるコーディングに依存します。これは、はるか
に効率的でスケーラブルな IoT の拡張方法です。
アプリケーション開発の: “構築 — 展開 — 発展”のアプローチ:
堅牢なプラットフォームを基盤としたとき、アプリケーションのライ
フサイクルは無制限になり、作成し、市場に投入し、時間の経過
とともに改善することになります。フィードバック ループおよびア
プリケーション機能の将来のイテレーションをサポートするために
は、“構築 — 展開 — 発展”というプラットフォーム戦略を最初か
ら有効にするべきです。
たとえば、スマート農業アプリケーションを展開し、水の使用量を
10 % 削減すると同時に作物の収量を上げている農業複合企
業を考えます。これは今後数年間は価値ある買い物と言えま
す。その後アプリケーションをアップグレードするときに、かんがい
の非効率性に焦点を当ててさらに水を節約する赤外線画像処
理コンポーネントを追加します。アプリケーションのコードを書き
直すのではコストに見合わない可能性があります。IoT プラット
フォームによってサポートされるスマート アプリケーションは、最
小限の非稼働時間で新しいデータをシームレスに取り入れま
す。適応性が高く、将来も使い続けられます。
柔軟な双方向接続:
IoT が多くの業界にとって現実的になった現在でも、データ収集
に関しては 一方向と認識されていることが少なくありません。し
かし、この“一方通行”という意識は、プラットフォームのセール
スを鈍らせ、ビジネスを 20 世紀に置き去りにします。双方向接
続によって、製品の制御が向上し、更新のシームレスな配信、
問題へのより迅速な対応が可能になります。
プラットフォームの評価と選択
消費者グレードの IoT の領域では、この双方向接続は既定の
条件の 1 つです。スマートフォンは、ユーザーに手間を掛けずに
システムの更新を受信することができないとしたら、それほど高く
は評価されないでしょう。この原則を産業グレードに適用すると、
巨額のコスト削減の可能性を秘めたソリューションになることは
明らかです。
数十万台の車両に影響する自動車ブレーキのリコールを考えま
す。問題がソフトウェアにある場合、堅牢な双方向のプラット
フォームを採用した企業であればソフトウェア更新によって問題
を解決し、数十億ドルのコストと広報の問題を軽減できる可能性
があります。パフォーマンスとオペレーションに関するデータを製
品からサービス技術者にプッシュ配信できるのであれば、多くの
類似する可能性に対応できます。
クラウドを超えたバックアップ:
クラウド コンピューティングは、業界のエコシステム全体を拡張し
一元的に制御するチャンスを示しており、それにより期待を集め
ています。しかし、最悪のケースのシナリオを見失うことがあって
はなりません。ネットワークが使用不能になったら、または競争
の激化によりクラウド プロバイダがビジネスを撤退する側になった
ら、どうなるでしょうか。ミッション クリティカルな製品やデータを
適切なタイミングでクラウドから引き出せない場合、壊滅的な状
況になる可能性があります。
すべての業界は、プラットフォームにバックアップ計画を盛り込
む必要があります。IoT エコシステムがさらに複雑化し応答性が
高まる中で、マシンはクラウドベースの監視から独立して処理タ
スクを実行できる必要があります。IoT プラットフォームは、重要
なアプリケーションとデータをサイト上または信頼できるサード
パーティ製ストレージに保存する機能を備える必要があります。
一方で、クラウド コンピューティングはあまりに便利すぎることを
意識する必要があります。多くの企業は、実際に必要とする以
上の処理能力を購入しています。
重要な
プラットフォーム機能
データのコストも双方向型の命題です。フィールド資産によって
生成されるデータは重要かもしれませんが、そのすべてをセル
ラー ネットワーク経由でクラウドに送信するのは非常に高コストに
なる可能性があり、ほぼ確実に不必要です。ローカライズされた
データ分析機能を使用すれば、セルラー接続を介してチェーン
に送信する必要があるのは必須のデータ出力だけです。これ
は、デバイスの全コンポーネントが IoT の領域に囲い込まれたと
きに到来するであろうデータの激流の制御に関する処方箋でも
あります。
データ分析:
データは IoT の活力源であり、その価値の重要な源です。産業
向け IoT プラットフォームでは、価値を引き出すため、また、十
分に調整されていない新しい情報の激流に飲まれないようにす
るために、データ分析機能の全コンポーネントを提供する必要
があります。基本的な記述的分析、ビジュアリゼーション、診
断、予測分析およびパースペクティブ分析をプラットフォーム機
能によりサポートします。目標は、緊急事態に対するリアルタイ
ムの応答性を実現しながら、機能とトラブルシューティングを微
調整して、ネットワークの予想容量を拡張することです。
コラボレーションとサイロの分解:
IoT は、部門間やサプライチェーンにおける異なるレベル間のや
り取りを制限してきたサイロを分解するように設計されています。
ランド エリア ネットワーク (LAN) のシステムをリンクして、バ
リュー チェーンの上下方向でデータを送信するための新しいプ
ロトコルを確立することによって、業界のプレーヤーは、どこから
でも全体を把握し、代理店全体でのアクションが必要なときに制
御するための 1 つの経路を持つことで、機敏性と応答性を向上
させることができます。これは、IoT テクノロジの最も革新的な側
面の 1 つです。IoT データへの対話型のアクセスによりメリットを
得ることができる機能の例として、ワランティ管理、リモート サー
ビス、自動化された消耗品、製品設計が挙げられます。コラボ
レーションは、直感的な対話型の方法で情報を表示する、カス
タマイズされたアプリケーションやダッシュボードに依存します。
プラットフォームの評価と選択
とはいえ、プラットフォームにはコラボレーションに関する独自の
標準を用意する必要があります。セキュリティ標準やユーザー
設定に従うフィルタとともに、適切なアナリストや消費者にデータ
を送信するプロトコルを用意する必要があります。生成されたす
べてのデータをあらゆる場所に送る必要はありません。
利用可能率、スケーラビリティ、信頼性:
洞察の欠如、最悪 (および最善) のケースのシナリオについての
不十分な考慮によって、テクノロジ ソリューションに問題が取り
込まれる可能性は常にあります。企業が社内開発のソリュー
ションを試みるときや、小規模な市場、ピュアプレイ ベンダーを
対象にするときは、スケーラビリティが犠牲になるか無効化され
る可能性があります。プラットフォームのエッジで機能するソ
リューションは一方向には機能しない可能性があります。IoT の
本来の利点が移されず、新しいプラットフォームに問題が固定さ
れる可能性があります。
IoT プラットフォームは、耐障害性およびネットワークの障害回
復の手順を綿密に示したうえで、最もトラフィックが集中する作
業環境で信頼性に関するテストを行う必要があります。ビジネス
の最も重要な機能が危険にさらされているときは、信頼性を未
解決にしておくことはできません。
保全性:
今日の流動的な作業環境では、新しい作業者のチームがシス
テム プロトコルを選択し理解できることが重要です。IoT プラット
フォームは、その転送品質を評価する必要があります。新しい
管理者や開発者に引き継がれたときにシームレスな移行を確
実にするためには、プラットフォームは、十分に整理され、直感
的で対話型である必要があります。
柔軟性とネットワーク非依存:
今後何期かにわたって競争力を維持するために、貴社のビジネ
スで IoT プラットフォームが必要になるかもしれません。しかしそ
れは、すべての設定を最適な位置で開始することや、すべての
プロセスを初めから効率化することは意味しません。IoT テクノロ
ジは、まだ準備途中のソーラー システムであり、採用するすべ
ての業界で多くの調整が待っています。新しい要件と機会に到
達するのは、数カ月先または数年先になるかもしれません。
重要な
プラットフォーム機能
この中間フェーズでは、プラットフォームやデバイスに依存しない
ことが必須条件です。それはつまり、過度の設定なしで、すべて
の重要なテクノロジ システムとともに IoT ソリューションを確定で
きる必要があることを意味します。インストールしたのと同じベン
ダーが IoT プラットフォームのメンテナンスを実施する、またはレ
ガシー資産を保持するだけの価値があると証明されないという
確証がないため、プラットフォームそのものの適応性の高さを示
す必要があります。しかし、拡張可能であることを証明する、す
なわち、希望する機能を拡張しながら、データとオペレーション
の継続的なフローを可能にする必要もあります。
成功を収める IoT プラットフォームは、適切なツール キットやデ
バイス管理機能を含め、ビジネス オペレーションの特定の要件
に対応するように特化されます。どの単一の機能や機能のセッ
トも、置換の影響を受けないだけの柔軟性を備えています。この
柔軟性によって、必要に応じてアプリケーション、データ分析シ
ステム、セキュリティ、ワークフロー、プロトコルの更新、置換、追
加、削除が可能になります。
セキュリティとデータ プライバシー:
モノのインターネットには、データの安全な転送とオペレーティン
グ システムの完全性以上に疑問や懸念が生じる側面はおそら
くないでしょう。IP 対応のセンサーやデバイスに至るまで、あらゆ
るネットワーク拡張で新たに潜在的なセキュリティ違反が生じま
す。“セーフ ハーバー”協定に対して欧州司法裁判所が 2015
年に下した判決に示されているとおり、データ プライバシー標
準、またはその欠如は、収益損失の可能性を持つロジスティク
ス上の問題の根源になる可能性があります。
IoT プラットフォームは、ハードウェアおよびソフトウェアのコン
ポーネントにわたって複数のポイントでセキュリティをサポートす
る必要があります。ゲートウェイやエッジ デバイスは、新しいセ
キュリティの方法論に適応できる高度な機能と柔軟性を備えて
いる必要があります。資産の展開によっては、より多くのオペ
レーションを局所ネットワーク内に維持するフォグ コンピューティ
ングによって、安全性のレイヤーをさらに追加できます。これは、
ベンダーのアプローチに対する信頼が重要になる領域です。こ
れは、セキュリティ違反が生じるとベンダーは顧客を失うことが
多く、適切なソリューションを特定することへの動機が両者に存
在するためです。
プラットフォームの評価と選択
データ プライバシーの侵害の可能性があることは悪い兆候とは
見なされないかもしれませんが、過小評価するべきではありま
せん。IoT は、理論上は組織のすべてのメンバーに情報への同
時アクセスを許可しますが、現状では理想とは程遠く、また決し
て理想的になることはないでしょう。必要とする人へのデータ ス
トリーミングを維持し、必要としない人を排除する保護対策を常
に設ける必要があります。
たとえば医療機器は、そのオペレータ、サポート技術者、生産エ
ンジニア、請求システムに関係するデータ ストリームを生み出す
可能性があります。しかし、規制やユーザビリティにより、各グ
ループがそれぞれに関連するデータの断片にのみアクセスする
ことを規定する必要があります。国際的な企業には、国によって
異なるプライバシー要件の順守を義務付けられ、プライバシー
要件が比較的ゆるやかな国にデータを置く場合には、異なる市
場の法規に従った厳格な保護対策を導入する必要があるとい
う重大な可能性があります。
セキュリティとデータ プライバシーは、現時点では単独で捉える
ことができない、IoT プラットフォームの構成における別の側面で
もあります。将来に向けて今から準備するためには、収益の可
能性、業界の成長、国際的な機会を慎重に分析する必要があ
ります。
プラットフォー ムベンダーの評価
方法
テクノロジそのものと同様に、IoT のアーキテクチャとコンポーネントの
開発元も進化しており、そのソリューションは今後何年にもわたって
市場の判断を受けることになります。企業にとっての秘けつは、これ
らのベンダーが何を提供するのか、その実績、アーキテクチャがどの
ようなものか、IoT の将来に向けてどのように存続可能と考えられる
かを評価することです。
ビジネスで必要な特定のソリューションを提供できるベンダーがどれ
であるかを判断することは、一種の分析プロセスです。しかし、最終
的に意思決定者は、存続の力を持つ有能なパートナーを特定する
自身の能力も信頼しなければなりません。
プラットフォー ムベンダーの評価方法
まず、ピュアプレイ ベンダーと大規模なエンタープライズ ベンダーと
いうベンダーの 2 つのカテゴリの区別について確認しましょう。エン
タープライズ ベンダーとピュアプレイ ベンダーにそれぞれ、大規模か
小規模か、対応が遅いか速いかという一般法則を当てはめるのが
便利です。これらの区別には一定の真実性はありますが、業界の状
況によっては当てはまらないこともあります。最適な IoT ソリューショ
ンを見つけるためには、ピュアプレイ ベンダーとエンタープライズ ベン
ダーの両方が提供する内容を検討する価値があります。
定評のあるピュアプレイ ベンダーとエンタープライズ ベンダーは多数
ありますが、IoT が拡大するにつれて、市場シェアを争うベンダーは
さらに増える可能性があります。クラウド プロバイダのような一部のベ
ンダーは脱落するでしょう。
ピュアプレイ ベンダーは比較的新しく、潜在顧客に対してより積極的
で反応が早い可能性があります。IoT 開発の特定のセグメント (ソフト
ウェアやゲートウェイなど) に従事している可能性があり、貴社が必要
とするプラットフォームの細目に対して個別の重要性を持ちます。多
くは新規参入企業であり、新規顧客との関係構築に熱心です。
貴社の競合他社がピュアプレイ ベンダーを利用している場合は、貴
社と類似する要件を満たしているかどうかを調査します。貴社のビジ
ネスが国際的であり国外に多数のオフィスがある場合は、比較的小
規模なベンダーが必要に応じてどこでもサポートを提供するというの
は現実的ではありません。
グローバルなリーチを提供できる可能性が高いのはエンタープライズ
ベンダーです。プラットフォームのアップグレードが必要な場合は、最
大規模のベンダーは 5 年後も生き残っている可能性が高いでしょ
う。ほとんどは、多様な業界に対応する手段を持っています。ピュア
プレイ ベンダーよりも、自社の能力または緊密なパートナー ネット
ワークを通じて包括的なプラットフォーム ソリューションを提供できる
可能性が高くなります。
エンタープライズ ベンダーが独自性の高いソリューションと優れた
サービスを提供することについて懸念を抱いている顧客もいるかもし
れません。また、一部のエンタープライズは必要な機能をサービス
契約を通じて提供しており、顧客を契約にロックインするか、より優れ
た新しい製品またはサービスへのアクセスを制限する可能性があり
ます。貴社のプラットフォームの細目と現在のビジネスの状況によっ
ては、これは問題外である場合があります。
プラットフォームの評価と選択
“理想的”なベンダーの評価
各市場のニーズは異なるため、適切な IoT ベンダーは競合他社、さ
らには貴社の競合企業での十分な成功実績を持っている可能性が
あります。ベンダーのすべての顧客と、それまでにどのようなプラット
フォームを構築したのかを評価する必要があります。最新のプロジェ
クトは重要ですが、ベンダーの現場での経験がある程度長い場合
は、当初の実績とその後の発展を考慮します。つまり、IoT の潜在能
力を掌握しているでしょうか。貴社独自のビジネス慣習に合った標準
を定めていますか。
どのタイプのベンダーが最適なテクノロジ ソリューションを提供するの
か判断するためには、貴社の IoT プラットフォーム機能に関する
ニーズに関連して説明したのと同じメトリックを採用すると役立ちま
す。デバイス管理、通信テクノロジ、安全性とプライバシーの問題を
明確に検討する必要があります。
 社内開発者向けツール。最適な IoT プラットフォーム ベンダー
は、テクノロジ スタックの構築に必要な重労働を得意とします。
しかし、自社のデバイスとアプリケーションに必要な独自の微調
整を加えたいと考える顧客向けに優れたツール セットを提供す
る必要もあります。ベンダーは、物理的なモノに対応するデジタ
ル モデルを作成するための既成のツールを提供すべきです。
モデルでは、プロビジョニングして物理的な製品に割り当てるモ
デルについて独自のイテレーションを可能にするテンプレート駆
動型モデルを作成します。IoT 開発者からは、完全なカスタマ
イズ用の追加のツールが提供される必要があります。
 データの収集と検索。データに関してはベンダーの専門性を考
慮します。データをどのように使用するかに応じて、開発者は、
予測データ、記述的分析、診断分析、データ ストレージに特化
したベンダーの協力を必要とする場合があります。多くのベン
ダーがこれらの区分のうち複数に対応するソリューションの提供
を開始していますが、それでも開発者は、IoT データ フローの最
適な用途を検討し、データの収集と分析について実績のあるベ
ンダーを探すべきです。
プラットフォー ムベンダーの評価方法
データに関する顧客のニーズを評価するベンダーの能力を評
価します。データの大規模な増加を予想できる大企業では、高
度な収集能力以上に確固としたメンテナンス計画が必要になり
ます。多くの場合、アクセス制御は平均的なユーザーにとって
直感的である必要があります。企業が自在に使用できる豊富な
データ サイエンスを獲得するまでは、データの収集と検索を効
率化できるベンダーの協力を得るべきです。
 アプリケーションの構築とデバイス管理。ベンダーのパートナー
エコシステムも一定の重要性を持つ場合があります。アプリケー
ションの専門性が高く、差別化に欠かせない場合、デバイスとア
プリケーションを傑出させる創造的なソリューションを生み出す
エコシステムにベンダーが属していることを確信できる必要があ
ります。アプリケーション スイートを拡張し、市場の変化に適応す
るために、ベンダーは豊富な既成のツールを提供できる必要が
あります。企業は技術的なベンダーよりも的確に自社の問題と
顧客ベースを理解している可能性がありますが、現時点では上
級レベルでアプリケーションとデバイスを維持できる詳細なサ
ポートに頼るべきです。
 接続性と柔軟性。クラウド サービスは多くの場合、IoT プラット
フォームの不可欠な部分ですが、選択できるプロトコルは数多く
あります。ベンダーによっては、新しいベンダーに乗り換えた場
合に維持または再現が困難な独自のテクノロジを使用していま
す。IoT は一種の接続機能です。接続を確立するためにベン
ダーが推奨する方法と、インストールするバックアップ テクノロジ
の種類を評価する必要があります。プロトコルは、現在存在する
ものと、IoT ソリューションが定着するにつれて拡大すると考えら
れるネットワークを同期する必要があります。ローカル接続がソ
リューションの一部である場合、ベンダーは、プラットフォームの
外側のエッジでの接続を可能にする手段と、十分なバックアッ
プ テクノロジの両方を提供する必要があります。
 効果的な UI、スケーラビリティ、拡張性。IoT プラットフォームの
基本的な目的は、より多くのプロセスを自動化するか実行を簡略
化することによって、リーチを拡大することです。技術的な知識が
豊富な業界でも、新しい複雑な課題に取り組み、市場のリーチを
拡大するために人材を解放する必要性は常にあります。
プラットフォームの評価と選択
プラットフォーム ベンダーには、より少ないリソースでより多くの結
果を出すことについて実績が求められます。また、その能力はさ
まざまな角度から認識できる必要があります。CIO、CFO、製品
マネージャが皆、横断的なプラットフォームの利点を認識できる
必要があります。最終損益および日常的な運用性との関連性
を示す新しい製品とシステムを開発するための効果的なテスト
環境が必要です。API には、堅牢性と、既存または予定される
テクノロジ プラットフォームとの互換性が必要です。
 チェーン全体にわたるセキュリティ。セキュリティはおそらく、IoT
に関する懸念と議論の最大のポイントです。機能性の拡大に対
するニーズと、インターネットのポータルをより多くのユーザーと
潜在的なハッカーに開示することによるリスクとの間には基本的
な対立があるためです。財務顧問の選択と同様に、プラット
フォーム ベンダーの選択は、組織のリスク許容度に大きく既存
します。展開のすべての段階におけるセキュリティの課題に対し
てすべてのベンダーが回答を持っているのが理想的ですが、必
然的にリスクと機能の間にはトレードオフがあります。
多くの場合、大規模なベンダーほど、ソフトウェアと運用の両方
の面でセキュリティの脅威を考慮し対応するための時間とリソー
スをより多く持っています。リスクを軽減し侵害に対応する方法
は、業界のニーズに適したものである必要があります。たとえば、
企業がグローバルなリーチを持つ場合、侵害に即座に対応でき
るベンダーが運営する独立したセキュリティ オフィスはあります
か。そのベンダーのプロトコルは多様な市場に適用されますか。
ベンダーは、ユーザーが従うべき社内プロトコルや運用上のセ
キュリティ機能についても評価することができます。アプリケー
ションやデバイスの機能性に過度にフォーカスしているベンダー
は基本的なパスワードなどの初歩的なプロセスに依存している
場合があり、ネットワークが人的なエラーやオーバーライドを受け
やすい状態になり、単純なハッカーでさえ防げない可能性があり
ます。組織にとって最も価値があるデータの保護を優先すること
が重要です。
プラットフォー ムベンダーの評価方法
 最終候補の選択。業界で生き残る企業と消えていく企業をあら
かじめ判別することは、どのような場合でも困難です。しかし、
まったく新しいテクノロジの場合、品質と成功が結び付くことが多
いものです。市場シェアを巡る競争が激化し、完ぺきで高性能
なツールに対する需要が高まったときには、不十分なソリュー
ションと慣行では持続できないでしょう。
市場の力学を変えることができる新興のプレーヤーには常に、
上位に食い込む余地があります。ニッチ プロバイダは、満たすこ
とが難しい特定のニーズを持つ業界向けのソリューションを構築
することを得意とします。しかし成功の実績や現在進行形の成
功も軽視できません。IoT は多くの業界で勝者そして敗者を決
定するでしょうが、そのことは特にテクノロジ ベンダー自体にも当
てはまります。
まとめ
IoT は終わりのない分析の主題であり、その影響が拡大する中で誇
大な宣伝も存在します。調査を継続することは、貴社の現在の技術
的環境を維持するのとほぼ同じぐらい困難です。しかし、方針を変え
ずにいられる業界のプレーヤーはほとんどありません。誇大な宣伝は
別として、IoT の影響はすでに確立されており、拡大しか考えられま
せん。
企業は、自社の IoT プラットフォームに不可欠なタスクと機能に引き
続きフォーカスすることで、ノイズを排除できます。必要なこと、望ま
しいこと、不要なことを切り分ける整然としたアプローチによって、アプ
ローチが効率化され、理想的なプラットフォームの構造を把握しやす
くなります。
このレポートで推奨する分析を一通り実施することで、貴社の IoT プ
ラットフォームの将来を具体化することができます。ベンダーとその
提供内容に関する徹底的な調査と合わせて、このような高度な準
備によって、テクノロジがまだ変化している中でも、モノのインターネッ
トがもたらす大きなメリットを確保することができます。
プラットフォームの評価と選択
Matthew J. Perry is a writer and editor with a particular interest in
how the Internet of Things can make cities smarter. He has written
for Cisco Systems and collaborated on 10 published books. He lives
in New York City.