シグマグライド

環境と海洋生物にやさしい防汚塗料
海洋環境保全形防汚塗装システム
非溶出形高弾性シリコーン樹脂塗料
海洋環境保全形防汚塗装システム
非溶出形高弾性シリコーン樹脂塗料
シグマグライド890は、有害物(重金属)
やシリコンオイルなどの溶出作用による
防汚システムとは異なり、塗膜表面の特殊な作用により生物を殺傷することなく
付着を抑制します。非溶出タイプですから海洋環境に対する汚染もありません。
まさに「環境と海洋生物にやさしい防汚塗料」です。
用
途
発電所をはじめとするプラント構造物の海水導入路(取水口、送水管、
スクリーンなど)
塗膜構成
《コンクリート仕様》
《鋼構造物仕様》
▼シグマグライド890の表面は平滑性に優れるため海洋生物が付着するための足がかりがありません。
溶出形防汚塗料
シグマグライド890
(亜酸化銅タイプ)
《共焦点レーザー顕微鏡による表面観察結果》
特 長
表面エネルギーが小さく、海洋生物の安定付着を抑制します。
表面エネルギーが小さいほど、その上に付着した物質との
引力(付着力)が小さくなります。シグマグライド890のように
表面エネルギー
(表面張力)が小さい塗膜に水滴を滴下すると
右図のように接触角が大きくなります。この機能が生物の
安定付着を阻止します。
接触角が大さい
接触角が小さい
(表面エネルギーが大きい)
(表面エネルギーが小さい)
生物が付着しやすい
生物が付着しにくい
防汚薬剤で忌避または死滅させる
《各種材料の表面エネルギー》
材 料
表面エネルギー(J/m2)
鉄
2030
材 料
表面エネルギー(J/m2)
ポリスチレン
33
アルミニウム
500
ポリエチレン
31
エポキシ樹脂
47
ポリプロピレン
29
ナイロン
46
シグマグライド
23
PET
43
テフロン
18.5
2
J/m(単位面積あたりのエネルギー量)
=Nm/m2=N/m(単位長さあたりの力)
表面張力
表面エネルギー
シグマグライドによる海洋生物の離脱モデル図
2層のシリコーン層(シグマグライド790+シグマグライド
890)
を形成するため、弾性(柔らかさ)に富み、変形作用が大
きくなるため、海洋生物の安定付着を阻止します。
●表面の平滑性
●低表面エネルギー
生物の安定付着阻止
●弾性変形能が大きい
Fouling Release 付着⇒離脱(生物を殺傷しない環境保全形)
生物の付着を阻止する機能は、長期間維持されます。
防汚機能の期待耐用年数は8∼10年です。
シグマグライドは付着性に優れています。
▶太陽光の影響を受ける設備にした場合でも、ワレやハガレ
は生じません。
▶塗装後の注水までの期間に制約がありません。
標準塗装仕様(1) 新設コンクリート
工 程
素
地
調
素地調整程度および使用塗料名称
整
標準使用量(kg/m2)
●動力工具処理:突起物やレイタンス層を除去する。
塗装間隔 ( 20 ℃)
被塗面乾燥後
(48時間後)
●高圧水洗処理:ケレン粉塵、異物を除去する。
シー ラ ー 塗 装
SPサーフェーサー
0.12
12時間∼ 10日
エ ポ キシ 塗 装
SPプライム
0.68
16時間∼10日
バイン ダ−コ− ト
シグマグライド790
0.26
12時間∼5日
ト ッ プ コ ー ト
シグマグライド890
0.26
−
※1 標準使用量は、スプレー塗装での使用量を示しますが、被塗物の形状によって変動することがあります。
※2 不陸調整が必要な場合には、シーラー塗装後、シントーボンドパテにてパテ処理を行う。
標準塗装仕様(2) 新設鋼構造物
工 程
素
地
調
素地調整程度および使用塗料名称
整
標準使用量(kg/m2)
●ブラスト処理:ISO Sa 21/2相当
塗装間隔 ( 20 ℃)
4時間以内
シーラー塗装
ジンクプライマーR
0.20( 15μm)
16時間∼10日
エポキシ塗装
SPプライム
0.68(200μm)
16時間∼10日
バインダ−コ−ト
シグマグライド790
0.26(150μm)
12時間∼ 5日
トップコート
シグマグライド890
0.26(120μm)
−
※標準使用量は、スプレー塗装での使用量を示しますが、被塗物の形状によって変動することがあります。
標準塗装仕様(3) 塗替え:コンクリート・鋼構造物のシリコン系防汚塗膜に対する塗替え
工 程
素
地
調
素地調整程度および使用塗料名称
整
トップコート
標準使用量(kg/m2)
塗装間隔 ( 20 ℃)
水洗処理等により、付着物を除去する。
シグマグライド890
※塗膜欠損部は、ケレン後SPプライム∼シグマグライド790にて補修する。
上記仕様以外にも、非鉄金属面やゴムライニング面にも適用可能です。
0.22(100μm)
−
使用例
取水路,放水路,取水管,除塵設備、など幅広く適用できます。
■スクリーン
■水路壁面
9 年後
シグマグライドシステムの施工要領と注意事項(コンクリート面用)
素地調整
●レイタンス層、脆弱層、突起物、型枠剥離材、その他異物はサンディング、ブラスト、
高圧水洗浄などで除去する。
●コンクリート面は十分乾燥させる。
表面含水率10%以下、
付着塩分100mg/m2以下
下 地 調 整
シーラー塗装
12時間∼10日
(20℃)
●SPサーフェーサー塗装
塗料調合
主剤と硬化剤を混合後、シンナーを20∼30wt%加えて撹拌する。
混合比(重量比):主剤/硬化剤=80/20
使用可能時間(20℃):12時間
塗 装
エアレススプレー塗装
塗付量:0.12kg/m2
塗装環境条件:温度5∼40℃、湿度85%以下
※不陸調整が必要な場合は、シーラー塗装後、シントーボンドパテにてパテ処理を行う。
エポキシ塗装
●SPプライム
塗料調合
主剤と硬化剤を混合後、シンナーを0∼10wt%加えて撹拌する。
混合比(重量比):主剤/硬化剤=87/13
塗装適正粘度:20~30dPa・s
塗 装
使用可能時間(ポットライフ)
1
温度
使用可能時間
10℃
8時間
15℃
6時間
20℃
5時間
30℃
2時間
(15℃以下は低温用硬化剤を使用する)
塗 装
乾燥時間
エアレススプレー塗装
塗付量:0.68kg/m2
塗装環境条件:温度5∼40℃、湿度85%以下
(シグマグライド790塗装までの間隔)
温度
塗重ね可能時間
10℃
20時間
20℃
12時間
30℃
9時間
●シグマグライド790塗装
バインダーコート
塗装
塗料調合
主剤と硬化剤を混合後、シンナーを0∼10wt%加えて撹拌する。
希釈シンナー:シグマグライドシンナー
混合比(重量比):主剤/硬化剤=94/6
塗装適正粘度:5∼15dPa・s
※混合撹拌時にゲル状になりますので、圴一になるまで十分撹拌してください。
使用可能時間(ポットライフ)
塗 装
10℃
温度
2
20℃
3時間
使用可能時間
2時間
使用可能時間が短いので混合のタイミングに注意する
混合後から塗膜硬化までの間、酢酸臭がするので換気すること。
塗 装
塗装方法
1時間
エアレススプレー塗装
塗付量:0.26kg/m2
塗装環境条件:温度10∼40℃、湿度85%以下
wet on wet方式で塗装する。
1回目塗装 → 10∼30分 → 2回目塗装
(wet125μm)
乾燥時間
30℃
(wet125μm)
(塗重ね間隔)
10℃
温度
塗 重 ね
可能時間
790
30分
890
24時間
20℃
15分
12時間
30℃
10分
10時間
ごみ、ほこりなどが付着しやすいので最大24時間以内にLSEフィニッシュを塗装する。
弾性シリコーン
塗装
●シグマグライド890塗装
塗料調合
主剤と硬化剤を混合後、シンナーを0∼10wt%加えて撹拌する。
希釈シンナー:シグマグライドシンナー
混合比(重量比):主剤/硬化剤=83/17
塗装適正粘度:5∼10dPa・s
使用可能時間(ポットライフ)
塗 装
温
度
3
使用可能時間
10℃
20℃
6時間
4時間
30℃
2時間
使用可能時間が短いので混合のタイミングに注意する。
塗 装
乾燥時間
エアレススプレー塗装
塗付量:0.26kg/m2
塗装環境条件:温度10∼40℃、湿度85%以下
(890塗重ね間隔)
温 度
塗重ね可能時間
没水時間
10℃
3時間
(890塗装後没水までの時間)
温 度
没水可能時間
10℃
8時間
20℃
30℃
2時間
1時間
20℃
30℃
8時間
8時間
塗料データシート
品
名
概
塗 料 の タ イ プ
シリコーン樹脂塗料中塗
シリコーン樹脂塗料上塗
グレー
グレー
色
要
セット
主 剤
硬化剤
セット
主 剤
硬化剤
20 Kg
18 . 8 Kg
1 . 2 Kg
22 Kg
18 . 2 Kg
3 . 8 Kg
設計値
容
量
混
合
比
94/6(重量比)
83/17(重量比)
密
度
1.0g/mL
1.1g/mL
分
83.0wt%
80.0wt%
0%=1.2 5%=1.3(%は希釈率)
0%=1.3 5%=1.4 10%=1.5(%は希釈率)
加
熱
残
WET/DRY比
適
正
塗
装
エアレス(はけ・ローラーは小面積の先行/補修塗装のみ)
法
ス プ レ ー 仕 様
2
標準膜厚150μm 標準使用量0.26kg/m
標準膜厚 20μm 標準使用量0.26kg/m2
はけ ・ロー ラー 仕様
標準膜厚 75μm 標準使用量0.11kg/m2
標準膜厚 60μm 標準使用量0.09kg/m2
塗 装 環 境 条 件
温度 10∼40℃
塗
エアレススプレーの例
圧縮比 30:1以上 二次圧:13∼19MPa
チップサイズ(グラコ)621∼723相当
適正粘度 5∼15dPa・s
装
方
法
塗
装
使 用 シ ン ナ ー
案
温 度
内
塗重ね
間 隔
適 正
希釈率
エアレススプレーの例
圧縮比 30:1以上 二次圧:15∼20MPa
チップサイズ(グラコ)613∼715相当
適正粘度 5∼10dPa・s
シグマグライドシンナー
10℃
20℃
3時間
30分
6時間
1.5時間
4時間
指 触
40分
2時間
歩行可能
16時間
4時間
−
−
完全硬化
16時間
4時間
8時間
4時間
MIN
30分(790)
24 時間( 890 )
15 分( 790 )
12 時間( 890 )
3 時間
2 時間
MAX
60 分( 790 )
7 日( 890 )
60 分( 790 )
5 日( 890 )
24 時間
24 時間
エアレス
0∼10%
0∼10%
0∼10%
0∼10%
0∼5%
0∼5%
0∼5%
0∼5%
0∼5%
0∼5%
0∼5%
0∼5%
はけ
成
湿度 85%以下
20℃
ローラー
熟
シグマグライドシンナー
温度 10∼40℃
10℃
使 用 可 能 時 間
乾 燥
時 間
湿度 85%以下
時
間
1時間
安 全 衛 生
−
−
−
−
2種
−
2種
−
有
機
則
区
分
危
険
物
分
類
4類2石・Ⅲ
4類3石・Ⅲ
4類2石・Ⅲ
4類2石・Ⅲ
特
化
則
区
分
−
−
−
−
※データの内容は予告なしに変更することがあります。
安全性❶
魚(マダイ)
に対する急性毒性試験結果(試験施設:住化テクノサービス
(株))
試 験 区
生 物 数
対 照 区
10
処 理 区
10
項
目
累積死亡率(%)
中毒症 状
累積死亡率(%)
中 毒症状
暴
露
時
間
4時間
24時間
48時間
72時間
96時間
0
0
0
0
0
A:10
A:10
A:10
A:10
A:10
0
0
0
0
0
A:10
A:10
A:10
A:10
A:10
A:正常
安全性❷
溶出水分析結果
商品構成
商 品 名
容 量
SP サ ー フ ェ ーサ ー
16Kgセット
シ ント ー ボ ンド パ テ
9Kgセット
シントープライマーR
15Kgセット
SP プ ラ イ ム
20Kgセット
シ グ マ グ ラ イ ド 790
20Kgセット
シ グ マ グ ラ イ ド 890
22Kgセット
色 相
シンナー
クリヤー
SPプライムシンナー
荷 姿
主 剤
硬化剤 基 剤
硬化剤 主 剤
硬化剤 12.8Kg
3.2Kg
6Kg
13.5Kg
主 剤 17.4Kg
硬化剤 主 剤
硬化剤 −
グレー
ジンクプライマー
スプレー用シンナー
ライトブラウン
SPプライムシンナー
グレー
シグマグライドシンナー
グレー
シグマグライドシンナー
1.5Kg
硬化剤 2.6Kg
主 剤
褐 色
グレー
3Kg
18.8Kg
1.2Kg
18.2Kg
3.8Kg
取り扱いに関する一般的注意事項
■調
合 1.塗料開缶は原則として使用する直前に行い、開缶したものはその日のうちに使用するように心がけてください。
2.塗料は使用する前に電動撹拌機等を用いて、十分撹拌を行い均一な状態にして使用してください。
3.他品種、他品名の塗料との混合は厳禁です。
4.希釈用シンナーは弊社指定のシンナーを用いて、希釈量は、規定量内でご使用ください。
■塗
装 1.カタログに記載されている塗装環境条件(温度、湿度)
を厳守してください。低温時には乾燥遅延となり高湿度では付着不良や塗装外観
不良が生じやすくなります。
2.被塗面に結露がある場合や塗装後短時間で降雨、結露が予測される場合の塗装は避けてください。
3.被塗物の表面温度が50℃以上の場合は、塗装を避けてください。
4.被塗面は清浄な状態にしてから塗装してください。
5.塗装中および塗料の取り扱いには必要な保護具(帽子、ヘルメット、保護めがね、マスク、手袋など)を使用し、身体に付着しないように
注意してください。
6.吸入に関する危険物有害性の表示がある塗料を塗装する場合は、局所排気装置などを設置し、作業時には有機ガス用の防毒マスクや
エアラインマスクなどを着用して作業を行ってください。
■緊急時の
対応
1.目に入ったときには、多量の水で洗い、できるだけ早く医師の診察を受けてください。
2.皮膚に付着したときには、多量の石けん水で洗い落とし、痛みまたは外観に変化がある時は、出来るだけ早く医師の診察を受けてください。
3.蒸気、ガス等を吸入した場合には、清浄な空気の場所で安静にし、必要に応じて医師の診察を受けてください。
4.飲み込んだ場合には、できるだけ早く医師の診察を受けてください。
5.容器からこぼれた場合は布でふき取り、その布は水に浸した状態で容器に保管してください。
6.火災時には炭酸ガス、泡または粉末消火器を用いてください。
■廃 棄
1.使用済みの塗料缶や塗料が付着したウエスや残塗料を廃棄する場合は、関連法規に従って産業廃棄物として廃棄してください。
■保 管
1.残塗料は密封して冷暗所に保管してください。
2.子供の手の届かない場所に保管してください。
3.塗料の保管は関連法規を遵守してください。
4.容器はつり上げないでください。
を参照してください。
※安全に関する詳細な内容については、
安全データシート
(SDS)