MONOからくりマシンコンテストによる技術教育(PDF形式)

MONOからくりマシンコンテストによる技術教育
Technical education by a “MONO KARAKURI machine contest”
平井 聖児 教授
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発表の流れ
1.はじめに
2.MONOからくりマシンコンテストの目的
3.からくりマシンについて
5.必要な備品・設備・場所・人員・予算
6.コンテストまでの流れ
7.MONOからくりマシンコンテスト
8.終わりに
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はじめに
技術力
創造性
総合的ものづくり力
問題解決能力
プレゼンテーション能力
チームワーク
ものづくりがグローバル化する昨今,技術者に求められる能力も変わってきている.
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MONOからくりマシンコンテストの目的
創造性
MONO
からくり
マシン
コンテスト
実践的教育
プログラム
発想力
リーダーシップ
問題解決能力
ものづくりの感覚
チームワーク
ものづくり実体験
エンジニアを目指す学生に向けた導入技術教育として位置づける“MONOからくりマシンコンテ
スト”は,ものづくりを実体験するだけでなく,学生の創造性を重視し,エンジニアに必要な机上だ
けでないものづくりの感覚や,発想力,問題解決能力などを高めることができると考えられる.ま
た,からくりマシンの発想から大会までの流れの中で,リーダーシップやチームワークを学び,この
コンテストを通して得た経験は,種々の授業や課外活動などにおいて,より高度な技術を修得す
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る際の基盤となる.
からくりマシンについて
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からくりマシンとは
「江戸からくり」と「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」(※)をヒントに
し,さらに,機械としての「精巧さ」などが加味されたものを本学の
「からくりマシン」として定義する.授業およびコンテストを通じて,特
色,独自性のあるマシン製作に取り組んでいる.
「ものづくり日本」にふさわしいメカニズムを追求する.
※ルーブ・ゴールドバーグ・マシン
一般に,簡単に出来ることを実行す
るために用いる非常に手の込んだ
機械・計画・仕組みのこと.
ルーベン・ルーシャス・ゴールドバーグ
(1983~1970)
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からくりマシンの規則
(MONOからくりマシンコンテストを行うにあたって)
1.共通のフィナーレ(マシンの最終目的)
2.各マシンのテーマ
3.サイズ
4.工程数
5.火気や危険物について
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からくりマシンの規則
(MONOからくりマシンコンテストを行うにあたって)
1.共通のフィナーレ
2.各マシンのテーマ
3.サイズ
4.工程数
5.火気や危険物
1.共通のフィナーレ(マシンの最終目的)
「飲み物を注ぐ」「風船を割る」など、マシンで最終的に行う
動作を規定し,全チームで共有する.
からくりマシンはこの動作を行う目的で作られる.
風船を割る例
飲み物を注ぐ例
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からくりマシンの規則
(MONOからくりマシンコンテストを行うにあたって)
1.共通のフィナーレ
2.各マシンのテーマ
3.サイズ
4.工程数
5.火気や危険物
2.各マシンのテーマ
からくりマシンを製作するグループ毎に,各々のテーマを決
定する.チームは,そのテーマをからくりで再現するために工
夫を凝らす.
その他の例:
タイの文化
サマーランド
アースコンシャス
アルマゲドン
他
例:世界一周
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からくりマシンの規則
(MONOからくりマシンコンテストを行うにあたって)
1.共通のフィナーレ
2.各マシンのテーマ
3.サイズ
4.工程数
5.火気や危険物
3.サイズ
コンテストを行うにあたり,各からくりマシンが使用できる最大限
のスペースを決める.
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クラス毎に床面積3m ×高さ2mのスペースを区切る.
4.工程数
からくりマシンの規模,製作する人数により,最低工程数を規定.
2010年度MONOからくりマシンコンテストの場合,最低20工程.
5.火気や危険物について
火気や危険物の制限については、運営側で規定を設ける.
消火設備を準備することを条件に,アルコールランプ程度の火炎と,手
持ちの花火程度は使用可能.
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からくりマシンの例
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からくりマシンの例
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MONOからくりマシンコンテストについて
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授業の進行について
2011年度MONOからくりマシンコンテストの場合
製作グループ
共通のテーマ
6クラス対抗コンテスト
グループ
A1-1
グループ
A1-2
各グループ:約10名
連
結
からくりマシン
A1
→
各クラス:約20名
A1
A2
A3
B1
B2
B3
全体:約120名
• チーム編制(少人数制が有効)
・6クラス(2×6=12グループ)対抗
1クラスが2グループに分かれ,製作は各グループ単位で行う.
テーマは各クラス毎に決定.最後に2グループのからくりを連結して,1つのか
らくりマシンとする.
・1グループ約10名編制(1クラス約20名)
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・グループ内でリーダー,資材管理,予算管理,日程管理,等の役割を決める.
授業の進行について
2011年度MONOからくりマシンコンテストの場合
• 日程 (週2限の授業を,15週行う)
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)
9週以上
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準備するモノ、人、予算、場所
•
•
•
•
•
•
工具
からくりマシンの土台
からくりの材料
予算
作業場所
指導教員
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準備するモノ、人、予算、場所
•
•
•
•
•
•
工具
からくりマシンの土台
からくりの材料
予算
作業場所
指導教員
• 工具
木工,日曜大工用品一式
ハンドツールセットを各クラスに貸し出し
手工具の例
電動工具の例
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準備するモノ、人、予算、場所
•
•
•
•
•
•
工具
からくりマシンの土台
からくりの材料
予算
作業場所
指導教員
• からくりマシンの土台
900mm 2 の土台とキャスターを準備
• からくりの材料
木材の他,廃品などを利用
自由な発想
アイデア
土台
リサイクルコーナー
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準備するモノ、人、予算、場所
•
•
•
•
•
•
工具
からくりマシンの土台
からくりの材料
予算
作業場所
指導教員
• 予算
1グループの予算は5000円
• 作業場所
ものつくり工房
ものつくり工房
• 指導体制
クラス毎に担当教員,教務職員が指導す
る。
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チームディスカッション
• クラス内を2チームに分け,8人のチームでからくりマシンを製作.
• アイデアを持ち寄り,各チームでテーマ,からくりの内容をディスカッション.
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アイデアスケッチ
• 頭の中にあるアイデアを絵にまとめ,より具体化する.
• この段階である程度,製作方法や材料,構造を決定する.
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製作風景
• 実際の製作へ移る直前に,クラス代表者に電動工具の扱いを講習.
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• 土台の製作へ.
製作風景
• からくりをある程度細かく区切り,個別に製作する.
• 一人一工程がノルマ.
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製作風景
• 個別のからくりを台の上に設置し,連動させていく.
• 関連する工程どうしで協力し合うチームワークが重要.
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製作風景
・最後は調整作業を行う.
・正確な作動には,丁寧なものづくりが要求される.
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コンテスト概要
概要
授業の集大成として,“MONOからくりマシンコンテスト”を開催する.
このコンテストは一般にも公開.
※各クラスの持ち時間:5分(代表者によるからくり装置の解説含む)
からくりマシンの評価基準
1.初期得点 (3チームのマシンがつながり,スタートからゴールまで構造的
につながっているか.)
2.からくりの面白さ (動作の面白さ,観客を驚かせる工夫など)
3.完成度 (よく作り込まれているか,時間をかけこだわって製作されれいる
かなど)
4.テーマの再現度 (テーマを再現するためのからくりの工夫など)
5.装飾 (色,固定方法(ガムテープ止め等は減点),仕上げなど見た目の美
しさ,こだわり)
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6.停止回数(停止回数の数だけ一定量減点)
コンテストの風景
• からくりマシンの実演の前に,チーム代表者がマシンの解説を行う.
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• マシンのプレゼンテーションも審査項目の一つ.
コンテストの風景
• コンテストの日程はオープンキャンパスと重ねることで,学生をはじめ,
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多くの人の前で実演することになる.
コンテスト優勝チーム
からくりマシンのテーマ:サマーランド
マシンは動きが正確かつダイナミックで見る人を楽しませた.実演前の力29
のこもったプレゼンテーションも高評価につながった.
タイ留学生チーム
今年も泰日工業大学から留学中だったタイの学生4名も,コンテストに参加.
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受講者の感想
一部抜粋
• それぞれのチームでアイデアを出し合い,一つにまとめることが大変
でした.しかし,互いに改善が必要な部分を指摘し合い,切磋琢磨で
きたことはとても良いものだと思いました.
• MONOからくりマシンコンテストは,様々なアイデアを生み出す力と,
物理的な力をどれだけ自分が持っているのか気付かせてくれました.
• からくりマシンの製作で,団体でのものづくりの難しさや楽しさを学ぶ
ことが出来ました.
• 残り日数が少なくなっても,自分の担当箇所は何としても完成させた
いという一心で頑張りました.(中略)コンテストで賞は取れませんで
したが,それ以上の達成感と嬉しさを味わうことが出来ました.
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終わりに
頭で考えた“アイデア”を,手で“カタチ”にする
ものづくりのプロセスを学ぶ
発想→設計→製造→調整

仲間と集中して一つのものをつくる楽しさ,難しさ(チームワーク)

様々なものに対し興味を持ち,知ろうとする力

ひとつの事に対し集中する力

最後までやり遂げることの大切さ,達成感

チームの中で役割を果たすこと→それぞれの個性に合ったステップアップ
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