免疫機能を用いた電力系統事故復旧における

広島工業大学紀要研究編
第 41 巻(2007)pp. 205-210
論
文
免疫機能を用いた電力系統事故復旧におけるプロトタイプシステム
國 狹 大 介*・永 田 武**
(平成18年10月30日受理)
A Power System Restoration Prototype System
by Using Immune Function
Daisuke KUNISA* and Takeshi NAGATA**
(Received Oct. 30, 2006)
Abstract
In recent years, the feature of biofunctions has been studied by many researchers of
engineering. In particular, interest in the immune function is increasing especially among the
researchers of engineering, since it is possible to apply it to the restoration, fault avoidance, and
system defense from accident.
In this paper, we propose a novel approach to power system restoration by means of artificial
immune based multi-agent system. The proposed system consists of several agents using an
immune agent model. We call these agents “ICAs (Immune Cell Agents)”. ICA is arranged in
the sub-station in the electric power system. In order to demonstrate the capability of proposed
multi-agent system, it has been applied to a model power system network. From the simulation
results, it can be seen that the proposed system is an efficient and robust approach to solving
power system restoration problems.
Key Words: immune agent model, interaction, multi-agent system, power system restoration
問題は比較的盛んに行われてきた研究課題であり,過去に
1.は じ め に
実施された研究を振り返ってみると,論理生成1),ヒュー
電力分野における規制緩和の進行は,電力系統の大規模
リスティック2),知識ベース3),事例ベース4),エキスパー
化,分散化,開放化をより進展させ,今後も目まぐるしく
トシステム5),ソフトコンピューティング6),数理計画法7)
環境が変化していくことが予想される。特に完全自由化を
等の適用方式が提案されてきた。しかしながら,これらの
目前に控えた電力業界における重要な関心事は,新規参入
研究は我が国における電力自由化の議論が具体化する以前
の電気事業者が多数接続することによって,情報の不確実
に行われたものであり,従来の集中管理型システムでは,
性が増大したり,系統の構成が更に複雑化したりする等の
複雑化,大規模化が今後ますます進行する電力系統をこれ
問題である。そのような状況の下,いかに電力の供給信頼
までのように運用・制御することが困難であることは明ら
度を維持し,電力系統のロバスト性を高めていくかという
かである。つまり,柔軟かつより効率的でシステム全体を
ことは,非常に重要な検討課題である。さらに事故復旧手
統括する管理機構を持たない自律分散型システムを指向し
法に関しては,もはや従来の集中管理型システムで賄える
た方式が求められている。そのような業界の潮流を意識し,
範疇を超えているといわざるを得ない。電力系統事故復旧
永田はマルチエージェント技術を適用した自律分散型の電
***
広島工業大学大学院工学研究科情報システム工学専攻
***
広島工業大学情報学部情報工学科
― 205 ―
國狹大介・永田 武
力システムを提案している8),9)。エージェントは 1980 年
の自律性と相互作用性が有効的に動作し、事故系統の不足
代に端を発する分散人工知能の研究領域において,分散オ
負荷に対して効率的に電力を融通出来たことを確認した。
ブジェクト技術に自律性,能動性,協調性,移動性などの
特徴を加味した分散人工知能の擬人的な構成要素であり,
2.免疫型システムとその適用に関する考察
多数のエージェントによって社会的秩序が形成された相互
〈2 ・ 1〉免疫系の情報戦略 石田は文献 13)において,
作用ネットワークの枠組がマルチエージェントシステムで
免疫型システムでは以下の三つの情報戦略が重要であると
ある。文献 10)
,11)で著者らは,このマルチエージェン
している。
ト技術を適用した事故復旧方式を提案している。これらの
(1)動的なネットワーク 免疫系は免疫細胞がその時そ
方式では,協調促進器(Facilitator)と呼ばれる上層のエー
の場の環境に合わせて臨機応変に構築するネットワークで
ジェントが交渉を仲介して協調関係を設定することで,
あり,その構成および相互作用の形態は可変である。また,
エージェント間のコミュニケーションが成立しており,い
このネットワークは異物除去のための分散協調による共同
わば集中管理型システムの利点も導入したハイブリットな
作業システムである。対して,適用対象である電力系統は,
自律分散型システムである。しかしながら,何らかの原因
送電線の存在による固定的な結線(hard-wired)のネット
でその協調促進器が配置された計算機がダウンしたり,ま
ワークである。しかしながら,すべての送電線に常に電力
たはプロセスが終了してしまった場合,集中管理型システ
潮流が流れているわけではないので,状況に応じて利用可
ムと同様にシステム全体の振る舞いが立ち行かなくなる。
能でかつ最適な送電線が選択され,動的にその状況下での
故に著者らは,来たる完全自由化後の環境に対応するには,
最適なネットワークが形成されるという風に考えると,電
系統上の様々な要素間の相互作用による完全自律分散型の
力ネットワークは系統の構成に関する制約はあるものの,
システムを指向する必要があると考える。
固定ネットワークでありながら,動的な側面を持ち合わせ
一方,生体内における細胞の協調性や,野生生物の集団
ているネットワークであり,免疫的アプローチの適用は可
行動・生理的習性を知的情報処理に応用する研究が近年盛
能であると思われる。
んに行われている
12)
。中でも本質的に予測不可能な事故
や故障を回避,回復する手法として免疫型システム
13)
,14)
(2)変異と選択による適応システム 免疫系において実
際に抗原を排除するのは,B細胞という免疫細胞の一種が
と呼ばれるアプローチが注目されている。これは,生体内
産生する抗体という特殊な蛋白質である。この抗体という
への抗原(細菌,病原体等の異物)の侵入を異常として常
物質が抗原に結合して,これを中和・分解することにより,
に監視し,発生した際には種々の免疫細胞が協調的に動作
異常の排除が行われている。また,B細胞は個体毎に違
して異常を排除する,という免疫の機能を工学的に応用し
う特異性を持った抗体を産生する。その違いはB細胞が骨
たシステムであり,既にネットワークセキュリティや外乱
髄内で産生される際に遺伝子再編成が行われることによっ
除去システム等への適用に関する論文が発表されている。
て生じ,非常に多種類の抗原に反応するように多様にB細
また,免疫細胞間の相互作用性を導入した免疫型エージェ
胞が作られる。しかしどのような抗原に対しても,厳密に
ントモデルというものも提案されており,複数のこのモ
対応する抗体をあらかじめ用意しておくことは不可能であ
デルを適用したエージェントによって構成される人工免疫
る。そこで,免疫応答の過程で上述のような遺伝子再編成
ネットワークは,完全自律分散型システムとして構築され
を行い,抗原に対して適応的に親和性を向上させていくメ
る。
そこで,本論文ではこの免疫型エージェントモデルを適
用した完全自律分散型指向のマルチエージェントシステム
による新しい電力系統事故復旧方式を提案し,そのプロト
タイプの枠組を構築する。本提案方式では,電力系統を人
体,事故を引き起こす何らかの原因を抗原,停電区域を感
染した部位と例え,
変電所毎に免疫細胞エージェント
(ICA:
Immune Cell Agent)を配置し,それらの相互作用,協調
動作によって異常を排除し,健全な状態に復旧する。な
おエージェントは ICA のみを用いる。これはエージェン
ト間の上下関係を無くすことで公平な関係性を表現し,協
調動作を自発的に促進させるためである。そして簡単なモ
デル系統に適用してシミュレーションを行った結果,ICA
― 206 ―
図1 鍵と鍵穴の関係
Fig.1 Relation between key and key-hole
免疫機能を用いた電力系統事故復旧におけるプロトタイプシステム
カニズムが用意されており,システムとして親和性の高い
ては,停電状態にあるエージェントは,自身を非自己であ
抗体が選択される。このことは,しばしば鍵と鍵穴の関係
ると提示して抗原であるかのように装い,復旧応援可能な
で例えられる(図1)。この概念は,事故復旧システムに
健全状態のエージェントの中から,最も親和性の高いエー
おける供給ルートの選択に関連する事項である。
ジェント(最適な供給ルート)が選択されて復旧作業が行
(3)多様性によるロバストなシステム 免疫系は抗原と
して何が侵入してくるのかわからない状況に対し,出来る
だけ多様に特異性を持った抗体を多く産生出来るように準
われる。
3.電力系統事故復旧問題の定式化
備して対処している。これは不測の事態に対応するために,
電力系統事故復旧問題は復旧負荷を最大化し,復旧後の
予備を用意しておく方策,すなわち工学的な冗長性に通ず
系統構成である復旧目標系統を決定する問題である。この
るものである。基本的には現在正常に作動しているものが
問題での従来の定式化では,ノードを母線単位で考えてい
故障した場合の対応として,多様性(事故復旧の場合,利
たが,提案方式では変電所毎に配置されたエージェントの
用可能な供給ルートの選択肢の数)を用意しておくという
協調動作によって事故復旧を実現する為,それに合わせて
ことである。電力系統においては,系統の構成に起因する
ノードを変電所単位で考えた。以下の議論で使用する変数
話であり,技術的・経済的に多様性の完全な用意は,非常
を下記に示す。
に困難である。よって提案方式は,ある程度の供給ルート
が確保されている系統に対して適用されるべきであると考
〈3 ・ 1〉変数の説明
ss
:変電所の総数
bb
:送電線の総数
〈2 ・ 2〉免疫型エージェントモデル エージェントは通
s
:変電所のインデックス s = 1,…, ss
信を含む相互作用をし得る自律的要素であるが,これに免
b
:送電線のインデックス b = 1,…, bb
疫細胞の自律性を適用したものが免疫型エージェントモデ
S
:変電所の集合
ルである(図2)。種々の免疫細胞の表面上には共通して
R
:停電している変電所の集合
レセプタ(認識部)と呼ばれる器官が発現しており,ここ
P
:復旧応援可能な変電所の集合
から何らかの入力が刺激として知覚されると,自分の中に
Fs
:変電所 s を始点とする送電線の集合
持っているルール,知識,処理,経験から自身が取るべき
Ts
:変電所 s を終点とする送電線の集合
行動を決定して,エフェクタ(実行部)において実際に行
Ls
:変電所 s の負荷量
動として出力する。免疫細胞における入出力は,ニューラ
Gs
:復旧応援可能な変電所の供給可能電力
ルネットワークのような電気信号によるコミュニケーショ
Ub
:送電線 b の線路送電容量
ンではなく,情報伝達物質の分泌・察知による相互作用
fb
:送電線 b の潮流
の活性化や自己・非自己認識という極めて特殊なパターン
xs
:変電所 s の状態変数 (0:停電,1:平常)
認識である。自己・非自己認識とは,情報伝達物質の察知
yb
:送電線 b の状態変数 (0:未使用,1:使用)
によるパターン認識の結果,自己と判断されたものについ
z
:目的関数
える。
ては反応せず,非自己と判断されたものは抗原として免疫
反応を示すような判別処理である。提案方式ではエージェ
〈3 ・ 2〉目的関数 通常,電力系統事故復旧の目的は復
ントにこのモデルを適用する。システムの振る舞いとし
旧負荷の最大化である。他の目的関数として,開閉器操
作回数の最小化や復旧時間の最小化なども考えられている
が,本研究では,やはり復旧負荷の最大化が最重要目的で
あると考えた。
z = max
∑ L ・x
s
s
(1)
s∈R
〈3 ・ 3〉制約条件 電力系統事故復旧における制約条件
としては,通常以下のようなものが考慮される。
図2 免疫型エージェントモデルの概観
Fig.2 Overview of the immune agent model
(1)復旧電源容量制約 これは,供給ルートとして選択
された変電所から供給される電力は,その変電所における
― 207 ―
國狹大介・永田 武
応援可能電力以内でなければならないという制約である。
∑ f ・y
b
環境に対応した事故復旧システムを実現する。
図3に提案するマルチエージェントシステムの構成を示
b
≤ Gs (s∈P)
(2)
す。同図に示すように提案システムは,変電所毎に配置さ
れる免疫細胞エージェント(ICA: Immune Cell Agent)の
b∈Fs
みで構成され,情報伝達物質の分泌・察知による相互作用
(2)需給バランス制約 これは,ある変電所における流
によってシステムが成立する。
入電力の総和は,流出電力と当該負荷との総和に等しいと
いう制約である。
∑f
b
b∈Ts −
∑f
b
〈4 ・ 2〉システムの流れ システムを構成する ICA の目
的は当該の負荷を復旧させることであり,前章で示した
− Ls・xs (s∈S)
(3)
b∈Fs
制約条件式(2)∼(5)はすべてこのエージェントで考慮され
る。そして,エージェントが一種類だけなので,ICA 間
の相互作用はそのままシステム全体の振る舞いとなる。以
(3)ブランチ容量制約 これは,ある送電線上の潮流は,
下,図4に示す簡単なモデル系統と表1∼2の数値データ
当該送電線の線路送電容量以内でなければならないという
を用いて,システムの流れを説明していく。図中の開閉器
制約である。
は■は閉状態,□は開状態を表している。
(1)事 故 の 発 生 と ICA の 初 動 事 故 の ケ ー ス と し て
fb − Ub ≤ 0 (b∈B)
(4)
Bs/s と Ds/s の間の送電線で事故が発生し,Ds/s,Gs/s,
Hs/s の三つの変電所の管轄区域が停電した場合を考える。
(4)放射状制約 これは,復旧目標系統は放射状に構成
停電した三つの変電所に配置されている ICA は,初動と
されなければならないという制約である。放射状系統を構
成するには,ある変電所に流入する送電線は一本以内でな
ければならない。
∑y
b
≤ 1 (s∈S)
(5)
b∈Ts
4.提案方式の説明
〈4 ・ 1〉提案方式の概要 本章では,免疫型エージェン
トモデルを適用したマルチエージェントシステムによる電
力系統事故復旧方式について説明する。この方式は既に述
べたように,免疫型エージェントの可変な相互作用性によ
図4 簡単なモデル系統
Fig. 4 Simple Network
る完全自律分散処理によって,来たる規制緩和後の複雑な
図3 免疫型マルチエージェント事故復旧システム
Fig. 3 The immune based multi-agent restoration System
図5 事故後の系統
Fig. 5 Post-fault Network
― 208 ―
免疫機能を用いた電力系統事故復旧におけるプロトタイプシステム
表1 負荷需要
Table 1 Load demand
活性化物質を察知した平常状態の変電所 Fs/s の ICA は,
自身が供給可能な電力と提示された負荷の要求量を比較
A
B
C
D
0.0
0.0
1.0
1.0
需要の合計 3.0 である。対して Cs/s の供給可能量は,C-F
E
F
G
H
間の線路送電容量から自身のエリアにおける負荷需要を差
1.0
1.0
1.0
2.0
し引いた 4.0 であるので,これで残り変電所も復旧し,電
する。Hs/s が提示した要求量は残りの停電区域内の負荷
力系統は健全状態に戻る。復旧処理終了後の系統の状態を
表2 線路送電容量
Table 2 Transmission capacity
図6に示す。
A-C
B-D
C-D
C-E
C-F
7.0
5.0
2.0
4.0
5.0
D-G
D-H
E-F
F-G
G-H
4.0
4.0
3.0
4.0
3.0
5.シミュレーション
本提案手法の動作を確認するために,シミュレータを
Java で実装し,実際のシステムの挙動を確認した。シミュ
レーション用のモデル系統は図4の電力系統を用い,その
系統の数値データを前章にて表1∼2に示した。そして,
して安全のために広域的な停電区域内の自身に接続してい
B-C 変電所間の送電線で事故が発生し,三つの変電所管轄
る送電線における自分側の開閉器をすべて開状態にする。
区域が停電した場合の復旧ケースを検証した。この復旧
事故発生後の初動の結果を図5に示す。
ケースは,前章の〈4 ・ 2〉で説明したものと同一ケースで
(2)免疫活性化による復旧応援要請 停電区域内の ICA
は初動終了後,最下層(放射状の末端)に位置する者以
あり,シミュレーションの結果,復旧後の系統の状態は図
6と同じ結果が求まった。
外は待ち状態となる。最下層に位置する Gs/s と Hs/s の
ICA は,停電前の潮流の上手,つまり Ds/s の ICA へ向
けて免疫活性を促す情報伝達物質(以降,免疫活性化物質)
を分泌し,その際に自身の負荷需要を通知する。待ち状態
であった Ds/s の ICA は,Gs/s と Hs/s から分泌された免
疫活性化物質を察知すると,自身も停電前の潮流の上手へ
向けて,免疫活性化物質を分泌しようとする。しかしなが
ら,上手の変電所 Bs/s との間の送電線が事故点である為,
使用不可能である。結果 Ds/s の ICA は,復旧応援可能な
平常状態の変電所 Cs/s を新たな供給ルートとして選択し,
当該変電所の ICA へ向けて免疫活性化物質を分泌する。
(3)復旧応援の開始 免疫活性化物質を察知した平常状
図6 復旧後の系統
Fig. 6 Network configuration after restorative operations
態の変電所 Cs/s の ICA は,自身が供給可能な電力と提示
された負荷の要求量を比較する。Ds/s が提示した要求量
は停電区域内の負荷需要の合計 4.0 であり,対して Cs/s
の供給可能量は,C-D 間の線路送電容量いっぱいの 2.0 で
6.あ と が き
ある。これによって Ds/s は復旧するが,放射状制約に
本論文では,免疫型エージェントモデルを適用したマル
よって下位の二変電所は復旧不可能である。よって Ds/s
チエージェントシステムによる自律分散型電力系統事故復
の ICA は,二変電所の ICA それぞれに対して,応援不可
旧方式を提案し,免疫型エージェントの明確な自律性,相
能な旨を通知する。通知を察知した Gs/s,Hs/s の ICA
互作用性によって,過去の研究で導入された協調促進器を
は,新たな供給ルートを探さなければならないが,Hs/s
用いない完全自律分散型システムを実現した。今回実装し
は Gs/s との間の送電線しか供給ルートを持っていないの
た免疫細胞エージェント(ICA)は,近接するエージェン
で,Hs/s の ICA は Gs/s の ICA に対して免疫活性化物質
トが分泌した情報伝達物質による刺激という,ローカルな
を分泌し,復旧応援を要請する。免疫活性化物質を察知し
情報のみを参考に自律的に動作を決定し,それらによる相
た Gs/s の ICA は,唯一の供給ルートである Fs/s を選択
互作用ネットワークが,電力系統に適用した際に有効的に
し,当該変電所の ICA へ向けて免疫活性化物質を分泌し,
作動することを確認した。
その際に自身と Hs/s の負荷需要の合計を通知する。免疫
免疫型システムは,異常や故障に対する回避,回復の
― 209 ―
國狹大介・永田 武
方法として多くの研究が行われており,適用分野もコン
Evaluation of Multi-Criteria”,IEEE Trans. on PS,
ピュータセキュリティ,システム制御,ロボティクス等
Vol.13, No.3, pp.1156-1163(1995)
多岐にわたる。そして著者らは,それらから刺激を得て電
7)永 田, 金, 畠 山, 佐 々 木:「 復 旧 戦 略 を 導 入 し た
力システムへの適用研究を開始し,その第一歩として電力
配電系統事故復旧の数理計画的方式」,電学論C,
系統事故復旧方式を提案した。そもそも電力システム自体
Vol.120,No.2,pp.229-235(2000)
が,構成要素間の強い相互作用性を持った巨大複雑システ
8)永 田:
「マルチエージェント技術の電力システム
ムである上に,システムとして異常や問題が何であるのか
への適用研究事例」
, 電 学 論 B,Vol.125,No.3,
がはっきりしていることもあって,免疫学的アプローチに
pp.255-258(2005)
9)永田:「電力系統監視制御・保護システムへの知的
適した問題場であると著者らは考える。
情報処理技術の適用」
, 電 学 論 C,Vol.126,No.2,
文 献
pp.146-149(2006)
1)鈴木,幅:「事故時系統自動操作論理の開発」
,電学論
10)永田,渡部,大野,井場:
「電力系統事故復旧問題
へのマルチエージェント技術の適用」,電学論B,
B,Vol.93,No.8,pp.323-330(1973)
Vol.121,No.2,pp.179-185(2001)
2)E.J.Simburger and F.J.Hubert:“Low Voltage Bulk
Power System Restoration Simulation”, IEEE Trans.
11)永田,田原,國狹,藤田:
「マルチエージェントに
よる自律分散型基幹系統事故復旧方式」
,電学論C,
on PAS, Vol.100, No.11, pp.4479-4484(1981)
Vol.126,No.2,pp.187-193(2006)
3)松本,坂口:
「知識ベースに基づく電力系統復旧方式
の決定法」,電学論B,Vol.103,No.3,pp.175-182(1983)
12)大内,山本,川村,柴,高柳,當間,遠藤:
「生命複
雑系からの計算パラダイム」,森北出版(2003)
4)奥田,渡部,山崎,馬場:「事例ベース形推論による
二次系統の事故復旧支援方式」
,電学論B,Vol.108,
13)石田,平山,藤田,石黒,森:
「免疫型システムとそ
の応用∼免疫系に学んだ知能システム∼」
,コロナ社
No.12,pp.553-560(1988)
5)藁科,小島,加藤,渡部:
「基幹系統事故復旧エキスパー
トシステム」,電学論B,Vol.108,No.11,pp.517-524
(1998)
14)石田:
「複雑系としての免疫システム−免疫系に学ん
(1988)
だ情報システムにむけて」
,システム/制御/情報,
6)S.Lee, S.Lim and B.Ahn:“Service Restoration of
Primary Distribution System Based on Fuzzy
― 210 ―
Vol.42,No.9,pp.487-494(1998)