落下試験機を用いた損傷境界曲線の導出法

C-08
落下試験機を用いた損傷境界曲線の導出法
大阪府立産業技術総合研究所 情報電子部
1. 背景
衝撃試験機の設備がない
技術が停滞
経験と勘による設計へ
中嶋隆勝
不十分な情報下で
理論的な緩衝設計
製品の衝撃強さが不明
過剰包装や破損クレーム
(課題の規模) 欧州での過剰包装による損失額: 年間1300億ユーロ(約14兆円)という試算がある。
2. 目的
高価な衝撃試験機(台形波が発生可能)がなくても、安価で設備導入できる落下試験機
により、製品の衝撃強さ(DBC:損傷境界曲線)を導出できるシステムを開発する。
3. DBCの導出手順
手順① 緩衝材の落錘試験
手順② 緩衝材のデータベース作成
7000
加速度センサー
① 緩衝材の落錘実験
y = 2.07・10-4x5 - 0.0228x4 +
0.991x3 - 20.5x2
+ 263x + 73.6
6000
重錘
② 緩衝材のデータベース 作成
③ 製品の落下試験
衝撃荷重 (N)
5000
落下
④ 許容値(⊿V、A)の推定
コーナーパッド
4000
3000
2000
⑤ DBCの導出
R2 = 0.9998
1000
終 了
角落下用の緩衝材受け治具
0
0
手順④ 基準化DBCの考案で
許容値の推定が可能になった!
手順③ 落下試験
7000
加速度
A (m/s2)
加速度 A (m/s2)
手順⑤ DBCの導出
現象:「トレー開かず」 対正弦半波
現象:「トレー開かず」 対方形波
現象:「プレーせず」 対正弦半波
現象:「プレーせず」 対方形波
8000
試料
20
40
落下衝撃エネルギー (J)
6000
5000
4000
3000
2000
1000
衝撃パルス
調整用緩衝材
落下
0
0
10
20
30
速度変化 ⊿V (m/s)
40
50
速度変化 ⊿V (m/s)
図5 提案法により導出したDVDプレーヤーのDBC
4. 結論
落下試験機で製品(DVDプレーヤー)のDBCが導出
できた。 実用化し衝撃試験を広く普及したい。
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