話題提供の流れ 全国のバイオマス発電所 地図から見る最新動向 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 2.「年間2,000万m3の未利用間伐材」は過去の話? 未利用材(間伐材・林地残材) の需給状況 ㈱森のエネルギー研究所 取締役 営業部長 菅野 明芳 3.材が足りない!既に新規の立地は困難? 地域別に見た木質バイオマスの需給状況 (かんの あきよし) 4.騙されるな!まともに稼働する小規模発電は少数 小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 1 2 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1-1 各種再エネの導入容量と認定容量 出典:再生可能エネルギーの導入促進 に向けた制度の現状と課題 平成27年6月24日 資源エネルギー庁HP http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/19.html 【参考】バイオマス発電計画規模(H25年度時点の動向) 3 1-2 平成27年度調達価格案発表(平成27年2月24日経産省) 出典:経済産業省調達価格等算定委員会(第17回)‐配布資料(農林水産省) 4 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 【参考】木質バイオマスが長期的に活用できる電源となるための課題 • • • 従来太陽光発電の導入に偏る傾向。太陽光発電設備の価格も低下 →太陽光の調達価格を抑える 小規模な木質バイオマス発電で十分な利益確保難しい(原料調達地域が限られる等) →2,000kW未満の小規模未利用木質バイオマス発電の買取価格を別区分に 従来32円 見直しされた調達価格 従来37円 新設 出典:経産省有識者会議:調達価格等算定委員会(第19回:平成27年2月24日)意見書 5 出典:再生可能エネルギーの導入促進 に向けた制度の現状と課題 平成27年6月24日 資源エネルギー庁HP http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/19.html 6 1 1-4 既存のバイオマス発電所の「隙間」を狙う地域分散型熱電併給 1-3 小規模未利用木質バイオマス発電 価格設定の考え方 • 想定値として、1,500KWのいいづなお山の第2発電所(長野県)の値を採用 • 小規模な発電所ではチップ加工場の規模が小さくてすみ、加工設備を発電設備に併設 することが容易。チップ加工場併設により25%を占めるチップ運搬費を低減できるとし、 燃料費は想定値12,000円/生tの75%・9,000円/生tを採用(30km圏内から集材想定) • 区分を設けるための設備規模については、既存事業の建設費を参考に設定。2000KW 未満を下回ると建設費が増加することから、2000KW未満の規模を別区分とした 小規模未利用木質バイオマス発電 費用構造 木質バイオマス発電出力と建設費の関係 出典:経産省有識者会議:調達価格等算定委員会(第19回:平成27年2月24日)意見書 7 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1-5 木質バイオマス発電 開発フロー・スケジュール ・【大前提】 そもそも、未利用間伐材等の原材料が集まる見込みが立てられなければ 発電所の新規立地はできない。 ⇒ 地域内で既に5,000kW以上級の発電計画がある場合、 集荷が競合してしまうため事業が困難 出典:経済産業省調達価格等算定委員会(第17回)‐配布資料(農林水産省) 8 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1-6 木質バイオマス発電 未利用間伐材等設備認定申請の変更① 【2015年7月29日付で、資源エネ庁HPに掲載】 ・1.未利用間伐材等を使用燃料とする木質バイオマス発電事業を行う際、 設備認定申請を行う段階で都道府県林務担当部局などに対し、事前説明を行うことが必須に ⇒各県の担当者は、自県の「供給余力」と照合したうえで、新規の認定が出せるか判断する 出典:再生可能エネルギーの導入促進 に向けた制度の現状と課題 平成27年6月24日 資源エネルギー庁HP http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/19.html 9 出典: 平成27年7月29日 未利用間伐材等を燃料とする木質バイオマス発電設備認定の申請をされる事業者の方へ 資源エネルギー庁HP http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/setsubi_bio/mokusitu_bio.pdf 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1-6 木質バイオマス発電 未利用間伐材等設備認定申請の変更② 1-6 木質バイオマス発電 未利用間伐材等設備認定申請の変更③ 【2015年7月29日付で、資源エネ庁HPに掲載】 ・2.設備認定の審査にあたり、林野庁におけるヒアリングを実施するが 都道府県林務担当者、木材供給者(森林組合等)も同席して説明を行うことが必須に ⇒各都道府県県の担当者の同意を得られない限り、FITの新規設備認定は100%不可になった ⇒既に5,000kW級の「供給余力」が無いと考えられる県では、2,000kW未満級しか認定できない? ◆FIT設備認定における主な事前チェック事項: ・木材の買取価格が適正か(山側への還元が充分なされているか) ・未利用間伐材の区分(32円/kWh)の場合、発電所着価格でチップ価格下限8,000円/トン 程度を想定しつつ、コスト構造がどうなっているか。 ・林業・山村地域等の活性化への配慮があるか。雇用創出効果(具体の人数)、地域林業への効果等 ・燃料を安定調達できるか。地元の素材生産業者と供給等の協定を結んでいるか。 出典: 平成27年7月29日 未利用間伐材等を燃料とする木質バイオマス発電設備認定の申請をされる事業者の方へ 資源エネルギー庁HP http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/setsubi_bio/mokusitu_bio.pdf 出典: 平成27年7月29日 FIT設備認定における事前チェックについて 資源エネルギー庁HP http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/setsubi_bio/mokusitu_bio_check.pdf 11 10 12 2 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1-7 バイオマス発電の導入容量「制限」の考え方(長野県を例に)① 1-6 木質バイオマス発電 未利用間伐材等設備認定申請の変更④ 【表B ④】 市町村別認定容量(新規認定分) (単位:kW) バイオマス発電設備(バイオマス比率考慮なし) 未利用木質 メタン発酵 ガス 13 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1-7 バイオマス発電の導入容量「制限」の考え方(長野県を例に)② ◆(ウ) 間伐材の搬出実績の推移 出典:長野県 平成25年度林業統計書 2015年5月1日更新 https://www.pref.nagano.lg.jp/rinsei/sangyo/ringyo/toukei/h25ringyo.html 未利用木質 一般木 一般廃棄 質・ メタン発酵 建設廃材 物・ 農作物残 ガス 木質以外 2,000kW 2,000kW さ 未満 以上 2,000kW 以上 一般木 一般廃棄 質・ 建設廃材 物・ 農作物残 木質以外 さ 長野県長野市 275 1,500 0 0 0 0 275 1,500 0 0 0 長野県松本市 315 0 0 0 0 0 315 0 0 0 0 長野県上田市 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 長野県岡谷市 0 0 0 0 0 2,050 0 0 0 0 0 1,025 長野県飯田市 0 360 0 0 0 0 0 360 0 0 0 0 長野県塩尻市 0 0 14,500 0 0 0 0 0 14,500 0 0 0 長野県佐久市 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 長野県千曲市 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 長野県東御市 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 長野県安曇野市 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 長野県小県郡長和町 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 長野県木曽郡南木曽町 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ◆既にFIT認定を受けた 27年5月、既にFIT認証を受けている 長野県内の木質バイオマス発電所は下記の3つ。 ・いいづなお山の発電所2号機(長野市) 蒸気タービン発電 1,500kW (H26年から稼働) ・かぶちゃん電力㈱(飯田市) ガス化発電 360kW(H27年7月完成。稼働・・・したのか?売電はH28年10月から) ・ソヤノウッドパワー㈱:信州F・POWERプロジェクト 塩尻市) 蒸気タービン発電 ⇒既にこの3社のFIT認定が下りている≒3社へのバイオマス供給量は確保済 ⇒これ以外の新規案件については、長野県が「競合せず、供給が確保できる」と判断しない限り立地不可 ◆FIT設備認定における事前チェック事項として、 「設備認定を受けるバイオマス発電施設から50km圏内の製材工場、製紙工場、発電所等を 全てリストアップした上、聞き取り内容とその影響についてまとめて記載する」必要がある ⇒既存の製材工場・製紙工場や、既にFITの設備認定を受けている発電所にケンカを売れなくなった 出典: 平成27年7月29日 FIT設備認定における事前チェックについて 資源エネルギー庁HP http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/setsubi_bio/mokusitu_bio_check.pdf 2,000kW 未満 バイオマス発電設備(バイオマス比率考慮あり) (イ):長野県の素材生産量:H25年時点で 437千m3 (ア):長野県の素材需要量:H25年時点で 266千m3 素材需要量266千m3、長野県産材が222千m3で85% (ウ):間伐材の搬出実績 ・間伐材の発生量(切捨て含む) H25 : 572,636m3 -) 間伐材搬出量 H25 : 206,593m3 未利用間伐材の発生量(推計値) 366,043m3 ⇔H26以降、この発生量の大半はバイオマス発電に使用 ・いいづな 30千m3/年:H26~) ・F・POWER発電 180千m3/年 (+製材 100千m3/年) ⇒ 366千m3-(30+180+100) =56千m3 のみ 15 2.「年間2,000万m3の未利用間伐材」は過去の話? 未利用材(間伐材・林地残材)の需給状況 2-1 木質バイオマス発生量の統計値 ~森林・林業白書より~ 市町村別認定容量の出典: 資源エネルギー庁 固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html 14 1.ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 1-8 バイオマス発電の導入容量と認定容量 ※5バイオマス発電設備については、前年度までの集計手法から、より実態を反映した集計手法とするため、 今年度より認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計しています。 ・バイオマス発電の導入容量:新規認定分は29万kW 認定容量は233万kW ⇒新規稼働はこれから本番 ⇒今後予測される状況 ①新規稼働の発電所向け未利用間伐材が不足する ②新規の大型FIT認定は下りない 16 出典:資源エネルギー庁 固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html 2-2 立木伐採材積の推移 日本 1922~2003年 100万m3 120 100 80 60 薪炭材 用材 40 20 ・国内の用材消費量:H25年度 7,387万m3 うち国産材の供給量2,112万m3 ・未利用間伐材 2,000万m3 ⇔平成25(2013)年度に、全国でエネルギー源として 利用された間伐材等由来の木質バイオマス量は前年比約4割増の112.2万m3 ※ただし、この2,000万m3/年という数値は2008年の推計値をそのまま提示。 ⇒直近の、日本における未利用間伐材等の発生量・利用率の合計数値は存在しない H26年度以降、用材だけでなく、発電用等のエネルギー利用で間伐材使用量が大幅増加 17 ⇒未利用間伐材の発生量 2,000万m3/年 は、今後1~2年で半減以下になる? 2003 2000 1997 1994 1991 1988 1985 1982 1979 1976 1973 1970 1967 1964 1961 1958 1955 1952 1949 1946 1943 1940 1937 1934 1931 1928 1925 1922 0 上記出典:森林・林業白書 平成26年版 注)立木伐採材積は森林で伐り倒されて搬出された幹の材積である。 2004年以降は伐り倒された量が計上されるようになり、ここでは03年までにとどめた。 出所)林野庁『林業統計要覧』各年版 ※作成元: 木質バイオマス人材育成事業 国内研修 2011.11.14 オーストリアにおける森林バイオマスのエネルギー利用 熊崎 実 1920~30年代には、毎年 2,000~3,000万m3/年もの材がエネルギー利用 18 3 2-3 森林・林業分野の木質バイオマス利活用目標値 (2020年) ~森林・林業再生プランより~ 2-4 森林・林業分野の木質バイオマス利活用目標値 (2020年) ~森林・林業再生プランより~ 上記出典:森林・林業再生プラン (目標案) 【未利用間伐材・林地残材の 2020年活用目標値】 ・製紙用・ボード用チップ向け:830万m3(+330万)/年 の活用 ・エネルギー用途: 600万m3/年 の新規活用 ⇒発電・熱利用などのエネルギー用途として、国が目標としている値は 600万m3/年 ※現在公表されている発電計画だけで、この値に到達する可能性は高い ・林業は、2020年に2倍以上の生産を国策として目指している成長産業 19 (搬出・利用される 通称A材) 図表 2 図表 1 分けされた A 材 20 2-7. 木質バイオマスの種類ごとの発生状況について ①森林バイオマス系 2-5. 未利用間伐材(林地残材)の発生部位 図表柱などに利用可能な良質材 1 山土場で仕分けされた A 材 【課題①】急激に増大する需要に対し、木材を誰が出してくるのか?担い手がいるのか? 【課題②】バイオマス材(C材・D材)の急激な需要増に対し、用材の需要増は少なくアンバランス 【課題③】持続可能な形で森林整備を進められるか? 皆伐⇒植林 が進められるか? 仕分けされた B 材(右奥)と C 材(左) 山土場で仕分けされた A 材 図表 2 仕分けされた B 材(右奥)と C 材(左) ・不揃いな材(通称C材) 仕分けされた B 材(右奥)と C 材(左) ⇒一部は製紙用チップ ・利用用途が無く、山に放置される 図表 3 林内に散在する根曲がり部(D 材) 図表 4 根元部・小径木・枝葉 作業道沿いに残置される根元部・梢端部(D 材) 作業道沿いに残置される根元部・梢端部(D 材) として流通する (通称D材・E材) ⇒ 通常、1~3割程度しか発生しない ⇔燃料用との競合 また、不揃いでかさ張るため、A材・B材・C材よりコスト高 21 図表 2 図表 3 る根曲がり部(D 材) 図表 4 林内に散在する根曲がり部(D 材) 図表 4 2-7 木質バイオマスの種類ごとの発生状況について 作業道沿いに残置される根元部・梢端部(D 材) ②森林バイオマス系 作業道脇まで搬出された用材(手前) ア:土場残材(主伐地) ア:土場残材(間伐地) イ:主伐地林地残材 22 2-7 木質バイオマスの種類ごとの発生状況について ③製材工場等、特用林産物 ウ:未利用間伐材(林内に切り捨てられた丸太) カ:製材端材(樹皮) ウ:未利用間伐材(林内に切り捨てられた枝葉) エ:病害虫被害木(松枯れ林) 23 カ:オガ粉 カ:製材端材 (ブロック状) カ:混合 カ:製材端材(板状) キ:廃菌床 参考:各種材を燃やす木くず焚きボイラ24 4 2-7. 木質バイオマスの種類ごとの発生状況について ④その他 2-8. A材・B材・C材の価格動向 直近1年間の、用材価格・チップ材価格の推移 13,900 14,000 14,300 14,100 13,800 13,700 13,000 12,000 ( /m3) 丸 太 価 10,000 格 円 13,300 12,900 12,800 12,600 12,200 11,900 11,900 11,300 11,100 11,100 11,100 11,200 11,100 11,000 11,000 11,000 10,800 10,700 10,400 10,300 8,600 8,600 8,600 8,600 8,600 8,700 8,700 8,700 8,700 8,800 8,800 8,800 8,800 スギ中丸太(14~22㎝) ※主にA材 8,000 スギ丸太 (合板適材:B材) 広葉樹チップ用丸太 6,000 針葉樹チップ用丸太 5,100 5,200 5,300 5,300 5,300 4,700 4,700 4,700 4,700 4,700 4,900 4,900 4,900 4,000 ・用材(A材及びB材):価格が低落傾向⇒A材・B材・C材の価格差が狭まる傾向 ⇔・チップ材(C材):針葉樹は、バイオマス発電所の本格稼働を控えた1月から上昇 ※バイオマス発電用を中心とした燃料需要だけでは、通常は林業事業者は儲からない。 ク:建設廃材 カ:剪定枝(果樹系:りんご) カ:剪定枝 (公園・造園系) 25 2-9.乱立が進んでいる木質バイオマス発電所の新規稼働・建設計画① 高く販売できる用材(A材)の需要先が確保できるor C材価格が現状のA材近くに上昇することが必要 2-10.乱立が進んでいる木質バイオマス発電所の新規稼働・建設計画② 左:2015年4月末時点 左:2014年7月末時点 右:2015年9月末時点 ・2015年4月:バイオマス発電所の稼働開始(赤色)が相次ぐ ・2015年9月:空白箇所を埋めるように新規案件が発表、2,000kW未満規模も出る 右:2014年12月末時点 資料:㈱森のエネルギー研究所HP 全国木質バイオマス発電所一覧地図 http://www.mori-energy.jp/hatsuden1.html ※月1回、情報を更新中 26 出典: 農林水産省 木材価格統計 公表HP http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuryu/kakaku/index.html 27 2-11. 「未利用間伐材の収集量」についての推計分布図 資料:㈱森のエネルギー研究所HP 全国木質バイオマス発電所一覧地図 http://www.mori-energy.jp/hatsuden1.html ※月1回、情報を更新中 2-12. 「未利用間伐材の収集量」についての推計 ~全国での集計値~ 未利用材 使用量 (推計値) t 紋別バイオマス発電 220,000 アールイー大分(大分第2木質バイオマス発電所)ファーストエスコ 216,000 アールイー鹿沼(鹿島木質バイオマス発電所)ファーストエスコ 210,000 中越パルプ工業 199,080 日本海水 198,360 王子グリーンエナジー江別(王子グリーンリソース(株)) 180,000 信州F・POWERプロジェクト 180,000 中国木材株式会社・日向工場 175,000 南木曽バイオマス発電 150,000 三洋製紙㈱ 150,000 王子グリーンリソース 150,000 花巻バイオマスエナジー 142,500 BPS大東(都市樹林再生センター) 131,100 株式会社バイオパワーステーション新潟 131,100 八戸バイオマス発電 130,000 旭化成ケミカルス 127,680 サミット小名浜エスパワー 120,000 中国木材株式会社・郡上工場 120,000 日本海水讃岐工場 120,000 中国木材株式会社・呉工場 118,200 タイトル 単位 ★未利用間伐材の消費量推計値の同心円 ・【発電容量単位の同心円との違い】 ・未利用間伐材の消費が多い発電所 ⇒比較的内陸にも立地 (発電容量だけで見た場合、臨海部で 一般木材(輸入材チップ・PKS等)を 利用している場合が多いことの裏返し) ・1か所で突出して集荷量が多い場所無 ⇒1か所あたり20万t/年程度が上限 28 中国木材株式会社・伊万里工場 発電所立地 他:未利用材 バッファ100km: 競合箇所との合計値 他:未利用材 バッファ50km: 競合箇所との合計値 他:未利用材 バッファ30km: 競合箇所との合計値 住所 t t t 紋別市新港町4丁目 220,000 220,000 豊後大野市三重町菅生 727,480 343,680 鹿沼市深程(宇都宮西中核工業団地) 554,980 403,880 薩摩川内市宮内町1?26 388,070 272,070 赤穂市加里屋974 748,360 198,360 江別市1番地 240,000 180,000 塩尻市片丘地区市道東山 458,000 360,000 日向市竹島町1-101 880,080 443,080 南木曽町尾越 (特殊精破III 砕石工場用地ドライブイン木曽路館用地) 618,400 337,000 鳥取市古市185 598,360 150,000 日南市大字戸高1850 583,390 195,000 花巻市大畑第9地割92-24・26 519,300 232,500 新潟市 384,700 322,200 新潟県新潟市新潟東港工業団地 384,700 322,200 八戸市の八戸港付近工業用地 439,500 130,000 延岡市中川原町5丁目4960番地(旭化成ケミカルズ(株)エネルギー総部延岡動力部第2火力発電所内) 727,480 659,080 いわき市 341,626 121,000 郡上市白鳥町 536,600 251,400 坂出市大屋冨町1793番地の3 558,360 120,000 呉市広多賀谷3-1-1 305,120 192,120 万里市山代町楠久字鳴石搦三 110,000 929-93 130,880 110,000 220,000 216,000 210,000 199,080 198,360 180,000 210,000 443,080 150,000 150,000 195,000 142,500 262,200 262,200 130,000 302,680 121,000 120,000 120,000 132,120 110,000 ※未利用材の年間消費量推計値 10万t/年 以上のみ抜粋 資料:㈱森のエネルギー研究所 独自データをもとに作成 (未公開) ※未利用材の消費量の推計方法 ・新聞報道・WEB等で、未利用材の(予定)消費 数量が記載されている発電所 ⇒その数値を使用 ・未利用間伐材の消費量が記載されていない発電所 ⇒未利用間伐材・一般木材・その他の比率を推計し、 資料:㈱森のエネルギー研究所 「発電出力数(kW)×19=必要燃料の丸太材積(m3)」 独自データをもとに作成 (未公開) として推計。 29 左:2015年4月末時点 ・5,000kW以上級のバイオマス発電所の集荷の目安となる半径50km圏内 ⇒九州では、競合する発電所を加えると 40~60万t/年 級の需要が発生する箇所も ・2,000kW未満級の目安となる半径30km圏内でも、既に競合多い ・全国の未利用材使用量の推計値:判明している部分だけで、 最大650万t/年 と推計 即ち、既に 森林・林業再生プランの目標値 600万m3/年 を超える量 30 5 3.材が足りない!既に新規の立地は困難? 地域別に見た木質バイオマスの需給状況 3-1都道府県別FIT認定容量(新規認定分)と、素材生産量の関係 バイオマス発電設備(バイオマス比率考慮あり) 単位:kW 2,000kW 未満 2,000kW 以上 バイオマス発電設備(バイオマス比率考慮あり) 単位:kW 素材生産量 (平成25年) 単位:千m3/年 一般木 一般廃棄 質・ 建設廃材 物・ 農作物残 木質以外 さ 未利用木質 2,000kW 未満 合板用 木材チップ用 2,000kW 以上 計 製材用 製材用 0 80,270 24,950 1,760 1,966 3,351 1,859 470 1,022 滋賀県 0 0 0 495 62 24 8 30 青森県 0 6,250 38,547 0 92,584 779 422 143 214 京都府 0 0 0 0 0 189 61 22 106 岩手県 0 12,500 19,800 0 9,002 1,370 528 420 422 大阪府 0 0 0 5,750 21,810 6 4 0 2 宮城県 1,780 0 0 0 2,595 470 158 208 104 兵庫県 0 22,130 22,100 0 15,625 240 126 49 65 6,500 0 0 63,000 0 935 1,106 430 536 140 奈良県 0 0 0 0 148 129 山形県 0 2,500 96,500 0 0 314 140 75 99 和歌山県 0 0 0 0 975 166 146 福島県 45 8,700 35,840 0 0 695 431 12 252 鳥取県 0 0 74,613 0 0 214 69 92 53 67 島根県 0 6,250 12,700 0 0 365 87 149 129 55 岡山県 0 10,000 0 0 1,155 391 321 5 65 0 9,850 11,200 0 7,562 298 123 7 168 3,600 225 155 23 47 710 295 153 85 秋田県 茨城県 栃木県 0 0 5,750 222,293 2,500 24,865 0 0 3,740 1,713 341 489 267 423 7 11 群馬県 0 6,600 0 0 620 225 162 14 49 広島県 埼玉県 0 0 0 0 8,657 80 51 1 28 山口県 0 0 40,000 0 千葉県 8 11 7 13 0 0 49,900 0 6,170 65 39 1 25 徳島県 0 6,220 59,960 0 東京都 0 0 0 0 39,256 45 22 10 13 香川県 0 0 0 0 0 11 11 - 神奈川県 0 0 144,023 0 3,717 21 10 0 11 愛媛県 0 0 62,700 0 4,488 504 450 10 44 新潟県 0 13,250 1,600 0 822 124 88 12 24 高知県 0 12,750 8,850 0 0 495 300 46 149 富山県 0 5,750 0 0 2,530 60 24 12 24 福岡県 0 0 163,200 0 11,359 159 117 - 42 3,298 32 29 佐賀県 0 0 0 1,950 129 103 長崎県 0 0 0 3,728 71 32 1 38 熊本県 0 6,280 6,250 0 2,850 953 752 77 124 大分県 0 25,416 94,900 0 2,200 928 809 85 34 35,116 18,320 3,343 1,713 29,450 49,000 3,000 700 0 0 0 0 5 2 366,750 1,613,961 11,060 297,462 19,646 12,058 石川県 0 0 0 124 7,270 29,600 0 0 107 9 37 山梨県 0 0 0 0 5,550 151 32 25 94 長野県 1,860 14,500 0 0 1,025 437 186 156 95 福井県 岐阜県 0 0 63 61 0 6,250 0 0 0 368 237 75 56 静岡県 0 5,750 22,600 0 21,925 269 234 5 30 愛知県 180 0 189,850 0 2,647 130 110 3 17 三重県 0 5,800 26,800 0 7,158 258 234 8 16 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 合計 0 0 0 3,865 9,850 0 0 0 1,514 359 57 0 0 26 46 153 51 290 - 3 3,016 4,572 ・現在の素材生産量と、バイオマス発電で見込まれる需要の規模との関係がアンバランスである ⇒隣県からの供給を加えるにせよ、計画と現実が乖離しており需要に供給が間に合わなくなることが予想される 出典:資源エネルギー庁 固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html 農林水産省 木材価格統計 公表HP http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuryu/kakaku/index.html 山梨県統計データバンク https://www.pref.yamanashi.jp/toukei_2/DB/EDF/dbfa07000.html 31 3.材が足りない!既に新規の立地は困難? 地域別に見た木質バイオマスの需給状況 3-3. 地域別 木質バイオマスの原料価格動向 北 海 道 5,200 宮 城 岩 手 秋 田 宮 城 4,500 4,200 3,600 4,500 福 田 島 秋 京 島 都 福 島 根 京 都 5,100 3,600 5,600 5,100 宮 崎 熊 本 鹿 児 島 宮 崎 80,270 35,116 12,500 0 6,280 25,416 6,250 29,450 8,700 0 12,750 2,500 0 14,500 10,000 6,250 6,250 5,750 2,500 9,850 6,220 5,750 5,800 24,950 18,320 19,800 63,000 6,250 94,900 38,547 49,000 35,840 62,700 8,850 24,865 0 0 0 0 12,700 222,293 96,500 11,200 59,960 22,600 26,800 1,760 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 計 1,966 3,351 3,343 1,713 9,002 1,370 935 1,106 2,850 953 2,200 928 92,584 779 3,000 700 0 695 4,488 504 0 495 1,713 489 2,595 470 1,025 437 1,155 391 0 368 0 365 3,740 341 0 314 7,562 298 710 295 21,925 269 7,158 258 製材用 合板用 木材チップ用 1,859 470 1,022 1,514 46 153 528 420 422 430 536 140 752 77 124 809 85 34 422 143 214 359 51 290 431 12 252 450 10 44 300 46 149 423 11 55 158 208 104 186 156 95 321 5 65 237 75 56 87 149 129 267 7 67 140 75 99 123 7 168 153 85 57 234 5 30 234 8 16 兵庫県 群馬県 山口県 鳥取県 京都府 和歌山県 福岡県 山梨県 奈良県 愛知県 佐賀県 新潟県 石川県 福井県 埼玉県 長崎県 千葉県 滋賀県 富山県 東京都 神奈川県 香川県 大阪府 沖縄県 合計 0 0 0 0 0 0 0 0 0 180 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3,865 22,130 22,100 6,600 0 0 40,000 0 74,613 0 0 0 0 0 163,200 0 0 6,500 0 0 189,850 9,850 0 13,250 1,600 3,298 0 7,270 29,600 0 0 0 0 0 49,900 0 0 5,750 0 0 0 0 144,023 0 0 0 0 0 0 366,750 1,613,961 出典:資源エネルギー庁 固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html 農林水産省 木材価格統計 公表HP http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuryu/kakaku/index.html 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3,550 0 0 0 0 5,750 0 11,060 計 製材用 合板用 木材チップ用 15,625 240 126 49 65 620 225 162 14 49 3,600 225 155 23 47 0 214 69 92 53 0 189 61 22 106 975 166 146 7 13 11,359 159 117 42 5,550 151 32 25 94 0 148 129 8 11 2,647 130 110 3 17 1,950 129 103 0 26 822 124 88 12 24 0 124 63 32 29 0 107 61 9 37 8,657 80 51 1 28 3,728 71 32 1 38 6,170 65 39 1 25 495 62 24 8 30 2,530 60 24 12 24 39,256 45 22 10 13 3,717 21 10 0 11 0 11 11 0 21,810 6 4 0 2 0 5 2 3 297,462 19,646 12,058 3,016 4,572 ・素材生産量が全国で下位なのに未利用木質の認定量が上位:兵庫、群馬、奈良、佐賀、新潟、福井、富山 等 未利用木質 設備認定量 他:未利用材 他:未利用材 他:未利用材 ⇒特に、バイオマス発電用の材の供給が不足すると想定される バッファ100km バッファ50km バッファ30km 認定量(kW) 上位10県 県庁中心 北海道庁 岩手県庁 新潟県庁 長野県庁 兵庫県庁 岡山県庁 高知県庁 大分県庁 宮崎県庁 鹿児島県庁 2 , 0 0 0 未満 2 , 0 0 0 以上 0 0 0 1,860 0 0 0 0 0 0 80,270 12,500 13,250 14,500 22,130 10,000 12,750 25,416 35,116 9,450 t 240,000 630,600 384,700 401,000 489,360 612,360 260,000 617,080 711,070 467,070 t 180,000 307,500 322,200 45,000 126,000 408,360 80,000 216,000 290,400 272,070 t 180,000 165,000 322,200 15,000 0 0 80,000 216,000 0 72,990 ・未利用木質のFIT認定量の上位10県 ⇒県庁を中心にした状態では、既にすべての県で 半径50km圏内はバイオマス発電所の立地計画あり 半径100km圏内では、20万t/年以上もの需要が見込まれる 32 針葉樹丸太 広葉樹丸太 針 葉 樹 広 葉 樹 チップ向け 対前月(年)差 チップ向け 対前月(年)差 パルプ向け 対前月(年)差 パルプ向け 対前月(年)差 3,700 5,200 4,200 3,700 高 知 山 口 熊 本 高 知 0 0 0 0 0 0 0 0 45 0 0 0 1,780 1,860 0 0 0 0 0 0 0 0 0 素材生産量 (平成25年) 単位:千m3/年 2,000kW 未満 チップ向け 対前月(年)差 チップ向け 対前月(年)差 パルプ向け 対前月(年)差 パルプ向け 対前月(年)差 青 森 北 海 道 岩 手 青 森 広 島 島 根 山 口 広 島 北海道 宮崎県 岩手県 秋田県 熊本県 大分県 青森県 鹿児島県 福島県 愛媛県 高知県 栃木県 宮城県 長野県 岡山県 岐阜県 島根県 茨城県 山形県 広島県 徳島県 静岡県 三重県 バイオマス発電設備 (バイオマス比率考慮あり)単位:kW 未利用木質 一般木 一般廃棄 質・ 2,000kW 建設廃材 物・ 農作物残 以上 木質以外 さ 素材生産量 (平成25年) 単位:千m3/年 4.騙されるな!まともに稼働する小規模発電は少数 小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 4-1 小規模バイオマス熱電併給の今後のトレンド 針葉樹丸太 広葉樹丸太 針 葉 樹 広 葉 樹 未利用間伐材等 ※資料:林野庁統計 チップ丸太価格・チップ価格 平成27年8月 区 分 区 分 バイオマス発電設備 (バイオマス比率考慮あり)単位:kW 未利用木質 一般木 一般廃棄 質・ 2,000kW 2,000kW 建設廃材 物・ 農作物残 未満 以上 木質以外 さ 合板用 木材チップ用 計 北海道 3,550 3-2都道府県別FIT認定容量(新規認定分)と素材生産量並び替え 素材生産量 (平成25年) 単位:千m3/年 一般木 一般廃棄 質・ 建設廃材 物・ 農作物残 木質以外 さ 未利用木質 3.材が足りない!既に新規の立地は困難? 地域別に見た木質バイオマスの需給状況 6,800 5,600 3,300 6,800 … 3,300 4,200 … 3,700 4,200 4,700 3,700 4,700x △ △ 0 8,600 △ 100 13,100 100 17,200 0 100 0 1000 9,100 8,600 9,300 9,100 △ 100 100 △ 100 △ 100 10,000 13,100 12,900 10,000 △ 100 300 △ 300 100 △ 15,000 17,200 16,000 15,000 00 △ 100 0 00 7,700 9,300 7,900 7,700 1000 00 15,900 12,900 12,200 15,900 △ 1000 00 17,700 16,000 17,300 17,700 8,100 7,900 … 8,100 00 … 0 16,000 12,200 14,000 16,000 △ 17,400 17,300 … 17,400 △ 1000 △ 100 0 △ 1000 500 … 5000 … 14,000 12,900 … 00 … 0 … … 13,900 12,900 10,700 13,900 △ 100 0 △ 1000 △ 500 0 △ 500 300 △ △ 3000 … 0 △ △ 100 … 100 100 1000 0x 9,300 … 6,400 9,300 6,500 6,400 … 6,500 … … 8,900 … 8,700 8,900 △ △ △ 100 … △ 1000 12,600 10,700 10,400 12,600 … 10,400 100 0 △ 100 200 △ … △ 200 △ 300 … △ 3000 △ 100 0 △ 1000 00 … 0 19,300 … 18,700 19,300 … 0 …0 △ 300 0 18,000 18,700 … 18,000 100 △ 300 … 100 … … 17,600 … … … △ 100 … 15,800 17,600 △ 1000 【NEDO(経産省の考え方)】・直接燃焼→蒸気タービンでの発電・熱利用が主流で信頼できる ・ガス化→ガスエンジンによる発電 は、まだ国内事例が少なく信頼性が薄い ※失敗事例について分析を行い、指針をまとめている最中 出典:バイオマスエネルギー導入に係る技術指針・導入要件(案) 平成26年12月 NEDO HP http://www.nedo.go.jp/content/100583244.pdf ・チップ丸太価格:全国平均は5,300円/m3だが、都道府県によって差が大きい 鹿 児 島 x x 8,700 0 … … 15,800 0 ⇒素材生産量に対して需要量が多い県(島根)や、発電需要が多い県(宮崎)が高い 33 出典: 農林水産省 木材価格統計 公表HP http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuryu/kakaku/index.html ・木質バイオマスガス化発電:「小規模でも20~30%の発電効率が得られる」という高効率 ⇔費用対効果でみれば有用性がなく、技術的な問題で事業化できないケースもある。 出典:地域におけるバイオマス利活用の事業、経済性分析シナリオの研究 平成25年3月 九州大学大学院芸術工学研究院 https://www.env.go.jp/policy/kenkyu/suishin/kadai/syuryo_report/pdf/K2417.pdf 34 4-3 蒸気発電の参考事例: 清掃工場 ゴミ発電での木質バイオマス混焼 4.騙されるな!まともに稼働する小規模発電は少数 小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 4-2 小規模バイオマス発電 2,000kW未満の蒸気タービン発電事例 ⇒蒸気タービン発電の場合には技術が確立しており、通常は安定稼働可 ●西部環境エネルギーセンター(ごみ焼却) (金沢市東力町) ・ゴミを燃やして蒸気を作り 蒸気タービンで発電。 ・発電能力 :7,000kW 出典: 金沢市 HP 等 出典:未利用材等発電事業のモデル 林野庁HP http://www.rinya.maff.go.jp/j/sanson/kassei/pdf/shishin_s6_1-8.pdf 35 熱回収:廃熱ボイラーで作 られた蒸気の一部から温 水を製造。 ⇒隣接施設の冷暖房、 プール、風呂などの熱源と して利用。 隣接する下水処理施設で の汚泥乾燥にも利用。 平成25年度から通常のごみ(可燃ごみ、生ごみ等)に加えて 間伐材等の未利用木材を投入し、FIT制度を利用した売電を行っている。 間伐材利用量:2013年度 500トン利用 (29万kWh⇒売電収入380万円/年を見込む) 36 6 4-5 2,000kW級 ガス化発電の事例 やまがたグリーンパワー㈱ 総工費:発電設備 13億円 (うち、3.5億円 経産省補助) 4-4 参考: 熱供給メイン+余剰蒸気でのスクリュー発電(160kW) 株式会社 兼平製麺所 37 4. 小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 4-6.小規模木質バイオマス発電(ガス化発電)経済性試算例 ~現行のFIT制度では、投資回収できず大赤字~ 項目 金額(円) 売上 摘要 52,715,520 (電力固定買取) 項目 販売単価:32 円 /kWh 金額 チップ乾燥に 5 円/㎏を要し、7+5=12 円/㎏と想定 森林系チップ 23,760,000 施設運転費 12,950,400 ここから、A 重油分(2 割)を差し引き 熱 電 併 給 事 業 収 益 1,647,360×32=52,715,520 円 ・固定買取の対象外の売電量 2,059,200×0.2=411,840kWh 売上(電力:自家発) 4,942,080 411,840×12= 4,942,080 円 (発電効率 33%、回収熱効率 37%) 売上(熱(蒸気)) 0 (副産物) ※蒸気は、全てチップの乾燥熱源として消費 されるため、販売不可と想定。 なお、国内の熱供給事例と同程度の 3,000 円 A 重油 90 円/L 及び LPG400 円/Nm3 熱 電 併 給 事 業 費 用 補 助 燃 料 費 (A 重 57,657,600 A 重油 9L/h・台×2 台×7,920h/年×90 円 =12,830,400(円) 油) LPG 300Nm3/年×400 円 =120,000(円) 12,830,400+120,000=12,950,400 人件費 12,000,000 メンテナンス費用 減価償却費 8,000,000 20,000,000 300 万円/年×4 人 メーカー見積をもとに考慮 ガス化発電+乾燥機・チップ保管設備の合計 で約 3 億円 /t で蒸気が販売できれば 合計 12 円/W.B.20%kg×250 ㎏/h×7,920h 想定 なお、チップは切削チップのみ対応可 ・固定買取の対象となる売電量 2,059,200×0.8=1,647,360kWh 4. 小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 4-7.小規模木質バイオマス発電の燃料費の占める割合 摘要 原料費 260kW×7,920=2,059,200kWh 38 0.2t/h×7,920=1,584t/年の蒸気量で 合計 76,710,400 ×3,000 円/t=4,752,000 円/年の収入 収支 ▲19,052,800 ※稼働時間:24h/日×330 日=7,920h/年 10 年償却(1/3 補助) なお、減価償却費が 0 円の場合、 収支は 947,200 円/年の黒字となる 原材料:乾燥チップ (12 円/気乾㎏) ・300kW級の木質バイオマスガス化発電所:建設費約3億円 ・燃料チップは乾燥したもの、かつ形状が揃っている必要⇒乾燥チップの製造が困難 ・年間の売電収入は 5,271万円(32円/kWh)、7,084万円(40円/kWh) 一方で施設の運転経費は5,671万円 (人件費として、ガス化発電プラントに最低でも1名常時かかりきりとして計上) ⇒ガス化発電の場合、①安定稼働という技術面 ②経済性 の両面で難易度高い 資料:平成24年度 神奈川県 農山漁村再生可能エネルギー導入可能性等調査 報告書を改 (日本ミクニヤ㈱) 39 4.騙されるな!まともに稼働する小規模発電は少数 小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 4-8 バイオマス熱電併給 制度改定の方向性 出典:新エネルギー小委員会におけるこれまでの議論の整理(案) 平成27年8月 資源エネルギー庁HP http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/19.html 出典:小規模な木質バイオマス発電の推進について 平成27年2月17日 農水省HP http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/018_02_00.pdf ・小規模木質バイオマス発電:資本費・運転維持費が重くのしかかる ⇒原材料費について低減することは必須。本筋は、製材業との連携での低減。 40 4.騙されるな!まともに稼働する小規模発電は少数 小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 4-9 小規模バイオマス熱利用の今後のトレンド 41 出典:新エネルギー小委員会におけるこれまでの議論の整理(案) 平成27年8月 資源エネルギー庁HP http://www.meti.go.jp/committee/gizi_8/19.html 42 7 4-11. A重油、灯油と木質バイオマスの価格比較イメージ ~平成23年版 森林・林業白書(林野庁)資料より~ 4.小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 4-10. 木質バイオマス「熱利用」 環境価値の公共性 イギリスRHI (再生可能熱インセンティブ)における再生可能な熱への助成率 資料:林野庁 木質バイオマス利用支援体制構築事業 発電・熱供給・熱電併給推進のための調査 報 告 書 イギリス:再エネの普及を一気に進める手段として「バイオマスは発電より熱利用」という政策 バイオマス発電のエネルギー効率は20~30%程度⇔熱ならば70~90%が可能 今後、日本においても 発電ではなく「再生可能エネルギー熱の固定買取制度」が導入される可能性もある。43 ※原油価格の変動によって、木質バイオマス燃料の優位性は大きく変動する 直接燃焼時を行う熱利用であれば、製紙用チップを燃料利用しても ランニングコストだけ考えればA重油より安い ⇒ 継続的に補助の必要は無い! チップ価格が10円/㎏⇒A重油換算で、40~50円/リットル程度 に相当 ・ペレット価格が30円/㎏の場合、現状で灯油・A重油とほぼ同程度のランニングコスト 44 4.小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 4-13 行政による率先導入の意図 4-12. 木質バイオマスの熱利用方法 ・行政が「経済的に成功=燃料費削減」するモデルを地域に提示する ⇒公共施設の中でも、最も費用対効果の高い施設を選んで 「バイオマスの利活用を民間へ波及させる」目標を強く持つ ・出典:平成23年度林野庁事業 木質バイオマスボイラー導入指針 http://www.mori-energy.jp/hrd_lca.html 46 45 4-14 【熱利用】行政による率先導入モデル:<チップボイラー> 事例① 長崎県対馬市~チップボイラーの導入と製材加工業の連携~ 参考となる公開動画: 平成ながさき瓦版 http://www.pref.nagasaki.jp/yokatv/detail.php?id=840 ★対馬市では、赤字に悩む温浴施設にチップボイラーを導入。 ⇒燃料費の半減に成功し、施設の黒字化の大きな助けとなった 4-14 【熱利用】行政による率先導入モデル:<チップボイラー> 事例① 長崎県対馬市~チップボイラーの導入と製材加工業の連携~ 参考となる公開動画: 平成ながさき瓦版 http://www.pref.nagasaki.jp/yokatv/detail.php?id=840 ・第1号のチップボイラーを温泉に導入と同時に、 ラミナ(薄板)・木工品と燃料チップを製造する、対馬資源開発を立ち上げ ・乾燥しやすい背板の状態で保管し、燃料チップを含水率33%W.B.程度に均一化 ・切り捨て間伐材の買取を開始⇒軽トラック等で地域住民が丸太を持込、収入確保 ・対馬資源開発にて、授産施設としての雇用創出 ⇒地域にとっての「成功」 総事業費:6,500万円(補助金なし) 設備:チップ焚き温水ボイラ 450kW (シュミット社製) 燃料チップ使用量:2,580㎥/年 → 灯油14万ℓ/年の削減 燃料価格:3,000円/㎥ ※灯油の半額程度 施設稼働日数は300日/年程度、24h連続運転 出典: 湯多里ランドつしまHP http://yuttariland.com/ 47 出典:㈱白松HP、対馬資源開発HP 等 48 8 4-14 【熱利用】 行政による率先導入モデル:<チップボイラー> 4-14 【熱利用】 行政による率先導入モデル:<チップボイラー> 事例① 長崎県対馬市~チップボイラーの導入と製材加工業の連携~ ★公共施設の成功に続き、㈱白松(製塩工場)でもチップボイラーを導入 事例① 長崎県対馬市~チップボイラーの導入と製材加工業の連携~ ★公共施設の成功に続き、㈱白松(製塩工場)でもチップボイラーを導入 ◆設備費:総額 約1億円 ◆チップ購入費:重油の半額設定 ◆チップボイラー規模: 換算蒸発量 1t/h ◆チップ消費量:400~600チップm3/月 (80~120t/月) ・A重油ボイラーに代えて、2011年より対馬の間伐材を利用したチップボイラーを導入 ⇒対馬の人工林保全に対し、経済的に支援する「浜御塩えこそると」ブランドを提示 ⇒逆浸透膜による海水濃縮や、天日濃縮とも組み合わせ、 49 従来比で年間500,000L近くものA重油を削減(CO2削減量:1,300t-CO2/年) 4-15 【熱利用】 行政による率先導入モデル:<薪ボイラー> 4-15 【熱利用】事例②西粟倉村 木の駅プロジェクト ~鬼の搬出プロジェクトによる薪の供給フロー~ 事例② 岡山県西粟倉村:概要と村の取組み ・岡山県の最北東端に位置し、兵庫県・鳥取県と境を接する ・人口約1,450人(2014年2月) ・冬季(12月~2月頃)には積雪が日平均20㎝程度みられる ・面積の約95%が山林、その内の約85%が人工林(県内で最も高い) ・村有林が森林全体の3割程度を占める(1,270ha) 原木供給 加工 需要施設 オニの搬出プロジェクト実行委員会 西粟倉村内温泉 (村内3か所) 原木 価格:6,000円/t 長さ:1-4m 西粟倉住民 東粟倉住民 • 合併協議会からの脱退を機に様 々な取組を実施。 • エネルギー自給率100%の地域 づくりをめざし、2014年にはバイ オマス産業都市(農水省)に認定 当初 優先① ・黄金泉(薪ボイラー稼働開始) ・あわくら温泉元湯(予定) ・国民宿舎あわくら荘(予定) 1,000㎥ 村楽エナジー㈱ による 美作東備森林組合土場 原木 価格:6,500円/t 長さ:3-4m 百年の森林事業 によるC材 美作市 計量 ・薪加工 ・ストック ・運搬 H27 年以降 出典:農水省バイオマス産業都市の第二次選定結果について 51 木質バイオマス 燃料販売 美作東備 森林組合 原木丸太 持ち込み 村楽 エナジー㈱ 現金・地域 通貨発行 土場借用代、 計量費支払い エネルギー 費支払い フォークリフト上で 1m長さに玉切り (チェンソー) 太さに応じて加工 太さ:12㎝未満丸太、 25㎝未満半割、 25㎝以上4つ割 (薪割り機) 製造サイト 西粟倉村 役場経由 薪製造・ 保管 薪運搬・ ボイラーへ投入 西粟倉村 3か月以上保管し乾燥 WB30%以下へ (これまで手積みによる保管 、 今後は薪ラックで保管予定) 原木1トン(WB50%) 3000円@現金+ 3000円@地域通貨 52 ③薪製造 ④薪の保管・乾燥 随 時 丸太計量 重量換算に よる買取り 未定 出典:村楽エナジー提供資料を一部改変 事例②西粟倉村燃料製造の流れ(薪の製造→保管→運搬) 事例② 西粟倉村木の駅プロジェクトの枠組み (個人登録者) ・市有温泉 東粟倉/大原 ・湯郷温泉 優先② 出典:四国地域エネルギーフォーラム 平成27年1月 資料 西粟倉住民 美作市住民 50 出典:㈱白松HP 等 月1 回 (森林組合敷地) 薪保管サイト 薪割り用 建屋 搬出材、薪の保管庫 (重量検知後) ②フォークリフト による運搬 秤 毎 日 53 道 路 ①原木丸太搬入 (WB50% 1-4m) 地域通貨 オニ券 出典:(一社)フォレストック協会HP 薪1トン 13,000円/W.B.50% →乾燥後 18,200円/t (薪製造・運搬・ボイラーへの投入費込のコスト) 美作東備 森林組合 西粟倉 事業所 丸太の状態 薪の状態 出典:運搬用トラック画像 村楽エナジーHP ⑤薪の搬出・運搬 ラックへ薪積込(500㎏/ラック) ボイラー施設へ運搬(2tトラック) 54 9 事例②西粟倉村薪ボイラー運用(湯~とぴあ 黄金泉) 事例②西粟倉村薪ボイラー運用(湯~とぴあ 黄金泉) 導入薪ボイラー施設概要 メーカー KOB社(オーストリア) 型番 Pyromat Eco 100mm 出力 170KW×2基 事業費 6,000万円(建屋等含む全体) ボイラ設備の概要 貯湯槽 (10トン) 用途 温泉、給湯の加温 湯~とぴあ 黄金泉 従事 人数 朝ボイラー立ち上げ時 2名 その他薪投入時 1名 使用燃料 薪(WB30%)長さ1m ・風呂の種類:露天風呂/バイブロ/ジェットバス /薬湯/タヌキの水風呂/サウナ/ボディーシャワー ・営業時間:午前10:00~午後8:00 ・源泉温度:14度 ・既存エネルギー設備:灯油ボイラー×3基 燃料消費量 年間320トン程度 (1日あたり1トン程度) その他 ・灯油ボイラー2基をバックアッ プとして併設 ・建屋はイナバの物置使用 ・薪ボイラーによる給湯温度は 80℃程度 ・2015年2月15日本格稼働 ・環境省グリーンパートナー シップ事業1号による 温 泉 施 設 ( 日 帰 り ) 薪ボイラーの運用 時刻 作業内容 6:15 ボイラー点火 6:40頃 薪投入 8時台、11時台、 13時台、17時台 薪投入 20時頃 ボイラー停止 ボイラー建屋 ボイラ その他 熱交換器 配管等 ボイラ 薪保管場所 (4ラック程度) 薪保管庫 (8ラック保管可能) ハンドリフトに よる薪ラック移動 熱量測定機器 8時台の薪投入後、 薪割り、運搬(乾燥済の薪) 適宜 (@薪製造サイト) 55 56 灰(約2週間分) 4-16 ■あすぱる大崎(鹿児島県大崎町) 4-16【熱利用】 ■あすぱる大崎(鹿児島県大崎町) 鹿児島県大崎町の温泉宿泊施設「あすぱる大崎」では、 50万kcal/hの薪(丸太)ボイラーを2013年導入 ⇒3年以内で投資回収の見込み。十分に経済的に成り立つ熱利用 ★燃料となる、1mの丸太(薪)供給: 地元の曽於地区森林組合と あすぱる大崎とで契約締結 ・市場で売れ残ったC材等を、数か月間天然乾燥(35%W.B程) →1mに玉切り後、6t ヒアブ車であすぱる大崎まで運搬 →あすぱる大崎の土場に保管 (運搬頻度:夏場は 週に1回 (1日2往復) → 20m3程度) 出典:肝付町議会だより 平成26年4月28日 ・燃料としているスギ・ヒノキの煙の香りが温泉に溶け込む→「良い香り」と入湯客に好評 57 4-17【熱利用】民間独自での木くず焚きボイラー導入 海楽荘「大船渡温泉」_①会社概要 ★薪の投入作業 ・1日に4~5回(朝8時着火、その後3時間に1回) ・1回あたり、0.6~1.0m3(400~600㎏)投入 →慣れれば、1回の投入は10分弱で終了 ・薪をくべた後は無人運転が可能 ・灰は、毎朝1回かき出し 58 大船渡温泉の概要 ②海楽荘「大船渡温泉」_施設内の写真 所在地 事業内容 岩手県大船渡市大船渡町字丸森18番1 (目の前が海) ・ホテル業、日帰り温泉(銭湯) 客室230室、宴会場、温泉(10:00~翌9:00)等の経営 開業日 2014年7月31日 ※10数年間更地だった高台に、2013年からホテルを建設 総事業費 13億円 (うち、8000万円は木質バイオマス利用設備の整備費用) 従業員数 30人を新規雇用 三陸の海が 一望できます 59 60 10 4.木質バイオマスを使った事例 海楽荘「大船渡温泉」_④木質バイオマス利用 ~地域の製材工場と連携し、製材端材を燃料として活用 4.木質バイオマスを使った事例 海楽荘「大船渡温泉」_③燃料投入の様子 ・大船渡市を通過型ではなく宿泊型 の観光地にして復興に貢献したい ・地域の憩いの場を創出したい ・大船渡市の魅力を高めたい ・地域の雇用を創出したい 木質バイオマスボイラの運転に 作業員1名が、ほぼ常時つく →雇用創出 作業員が夜中も張り付く わけにはいかないため、 蓄熱タンクを活用したシス テムを導入した。 61 4.木質バイオマスを使った事例 海楽荘「大船渡温泉」_⑤木質バイオマスボイラ 設置年月 平成26年度 ボイラメーカー ㈱タカハシキカン 設備の種類 木くず焚ボイラ 燃料(消費量) 製材端材 (300kg/基) 定格出力と台数 30万kcal/h×2基 稼働時間(日) 10時間(7:00~17:00) 燃料投入方法 手動 導入年度 平成26年度 事業(設備導入)費 約 8,000万円 (税込) ※建屋等含む 導入時に利用した補助制度 (所轄官庁) 平成25年度林業・木材産業関係施設整備事業 (林野庁) 補助率 運転について 1/2 夏は1基のみで給湯ならびに温泉加温を行う 冬場は2基&バックアップのA重油ボイラで給湯、63 温泉加温、施設の暖房を行う 63 4.18 木質バイオマス利用機器の費用対効果 ~投資金額と使用する木材の消費量目安~ 利用用途 初期投資 木材消費量(m3/年) 備考 家庭用薪ストーブ 10~100万円 1~5m3/年 燃焼効率により差異 農業ハウス用 薪ストーブ 30~50万円 10~30m3/年 100坪程度のハウス 給湯用薪ボイラー (従来型) 100~300万円 20~100m3/年 小規模の民宿・ 福祉施設等 温水プール ペレットボイラー 2,500~4,000万円 温水プール チップボイラー 5,000~10,000万円 500m3/年 温泉施設(年5~10万 人利用規模)への 薪ボイラー導入 2,000~8,000万円 500m3/年 小規模分散型 熱電併給プラント バイオマス発電所 2,000kW級 熱電併給2~3億円 (+ペレット工場新設 2~4億円) 8~12億円 400m3/年 ランニングコスト割高 ランニングコストは安いが 人力投入必要 2,000m3/年 (ペレット 800t/年) ブルクハルト社の例 発電出力180kW 熱出力270kW 30,000~50,000m3/年 供給余力のある 県のみで立地可能 5,000kW級の発電所1か所≒温泉施設200か所≒一般家庭4万軒程度の木材消費量 熱電併給事業と熱供給事業と、地域の森林資源からの供給量に見合うのはどの規模か? 雇用の効果は「最も手間のかかる熱利用」(薪ストーブ・ボイラ等)が最大なのではないか? 65 計画当初より、けせんプレカット事業協同組合より製材端材 (写真左)を安価に購入する(ただし、運搬は約15km/片道(図 右)を大船渡温泉が実施する)ことができる条件が整っていた。 → 製材端材の燃焼に適したボイラを選定 62 4.木質バイオマスを使った事例 海楽荘「大船渡温泉」_⑥システムについて 蓄熱タンク 40㎥ ボイラ ボイラ 稼働時間 7:00~16:00 16:00~17:00消火 給湯(シャワー) 源泉の昇温 (温泉昇温タンク) 暖房 (床暖房等) ボイラが稼働しない時間帯(16:00~7:00)は、蓄熱タン クの熱で給湯・温泉昇温に必要な熱をまかなう ※冬季は暖房もまかなう 木くず焚きボイラーが停止している夜間も、蓄熱タンクに蓄えた熱源を もとに給湯(シャワー)、源泉の昇温、暖房をすべて賄う 64 ⇒稼働から1年が経過したが、重油ボイラーは一切稼働せずに済んでいる ・365t/年の製材端材を燃焼。 推計重油削減量:11.5万L/年 (1,000万円/年近くの削減効果) ◆本日のまとめ ◎ここが変わった FITの認定手続きと発電の現状 ・2015年以降は、県の同意を得られないと森林バイオマス発電は事業化できない ・既に他の発電計画が設備認定を得ている県:新規の発電計画は認める余地が無い ◎未利用材(間伐材・林地残材)の需給状況 ・未利用材が2,000万m3/年というのは過去の話。供給余力は無くなりつつある。 ・木材の搬出時には、A材(柱材等)・B材(合板材等)・C材(チップ材(製紙・発電用等))が セットで出てくる。C材のみを新たに搬出しても、通常は山側の利益にならない。 ⇒A材・B材の需要先を増やすか、A材・B材の価格帯までC材の買取単価を上げない と、山への還元・再造林ができなくなる。 ◎地域別に見た木質バイオマスの需給状況 ・新規事業化が可能な規模は、集荷量の制約から 2,000kW未満級に限られる ・未利用間伐材について、地域の素材生産側の供給体制と需要量がミスマッチの場合も ⇒エネルギー用途の丸太は上昇傾向続き、競合の既存産業(オガ粉製造・熱利用)に影響も ◎小規模熱電併給事業の展望+熱利用事業の展望 ・政策の方向性は、2,000kW未満の熱電併給推進。経済性を確保する熱利用が必須に。 ・蒸気タービン発電は信頼性ある技術だが、ガス化発電は技術が未成熟でリスクも大きい。 ・木の価値を総合的に高め、製材業と連携した木質バイオマスエネルギー利用が本筋。 ・(国民負担の少ない形で)単純なバイオマス熱利用を推進することが有効と周知が必要 66 11 ㈱森のエネルギー研究所 では、全国で バイオマスの利用先が 続々と生まれ、 人と木の持続的な 循環サイクルが 永続することを 祈念しております。 今後とも御手伝いが できれば幸いです。 67 12
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