海外調査報告(2016 年 7 月版) 公開情報

海外調査報告(2016 年 7 月版)
公開情報
米国調査報告 ・・・2
欧州調査報告 ・・・14
中国調査報告 ・・・21
本調査は経済産業省資源エネルギー庁の平成 28 年度委託事業「石油精製環境分析・情報提供事業
(海外主要国石油精製技術分析調査)」として JPEC が実施しています。
Copyright(C) Agency for Natural Resources and Energy All rights reserved.
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一般財団法人 石油エネルギー技術センター
JPEC 米国事務所
米国調査報告(2016 年 7 月版)
【Part1】(公開情報)
1.政策
(1)環境政策
【カナダ Justin Trudeau 首相は Enbridge の Northern Gateway パイプラインの建設反対を再表明】(7/5)
・カナダ Justin Trudeau 首相は、カナダ連邦控訴裁判所の判断(前政権が承認した Enbridge の Northern
Gateway パイプラインの建設許可を取消し、Justin Trudeau 政権が再度判断するよう指示)を受けて、パイプライ
ンの建設への反対を再表明した。
( 参 考 ) カ ナ ダ 連 邦 控 訴 裁 判 所 は Enbridge の Northern Gateway パ イ プ ラ イ ン の 政 府 承 認 を 取 消
@2016/6/30
・カナダ連邦控訴裁判所は前政権が承認した Enbridge の Northern Gateway パイプラインの建設許可を取消
し、現在の Justin Trudeau 政権が再度判断するよう求めた。理由は前政権が原住民との相談義務を果たしてい
なかったとしている。Trudeau 氏はこのパイプライン計画に反対していた(BC 州沖の原油タンカーの航行を阻止すると
約束)。この判決を受けて政府は再審査を行うこと、誓約どおり原住民との関係構築を再確認していくとしている。
http://ca.reuters.com/article/businessNews/idCAKCN0ZL1Z1
【内務省は北極海域の探査掘削に関する最終規則を発表】(7/7)
・内務省は北極海域(Beaufort 海・ Chukchi 海)の探査掘削に関する最終規則を発表した。最終案では探索
計画(Exploration Plan)に先立って、統合操業計画(Integrated Operations Plan)に必要事項を記載し
BOEM(Bureau of Ocean Energy Management)に提出しなければならない。規制では、Shell の 2012 年
の掘削活動に関する内務省のレポートにある課題への対応策が必要であり、適切な内部管理、油漏洩防止計画、
その他責任に関する計画などが求められる。海底掘削や surface casing(掘削井戸のケーシングの 1 つ)での作業
中に Capping Stack(BOP の上に取り付ける原油吸い上げ用のキャップ)や汚染防止用ドームなどの汚染防止装
置や一連のソース管理を早急に展開できる能力を求める。この規制に対し API は海底掘削の技術革新が阻害され
るだろうとコメントしている。
https://www.doi.gov/pressreleases/interior-issues-final-regulations-raise-safety-environme
ntal-standards-any-future
http://www.ogj.com/articles/2016/07/us-interior-finalizes-arctic-exploratory-drilling-regula
tions.html
http://www.api.org/news-policy-and-issues/news/2016/07/07/statement-on-arctic-rule-pr
oposal
【上院はバイオディーゼル燃料の税制優遇改正案を提案】(7/14)
・上院は超党派でバイオディーゼル燃料の税制優遇改正案を提案している。クレジット対象をブレンダーから生産者
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に移すとともに、対象を米国バイオ燃料生産者に限定する(現在は海外生産者も対象)。税額控除は 1 ドル/ガロン
で 3 年間。米国はアルゼンチン、シンガポール、韓国、EU などからバイオディーゼル燃料を輸入して おり、
2016-2017 年にかけて 18 億ガロンに達するとみられる。海外生産者への補助が打ち切られると、シンガポールのバ
イオディーゼル生産者が最も影響を受ける可能性がある。なお、米国生産者への影響はない。
( 参 考 ) 米 国 議 会 は 2016 年 歳 出 法 案 で バ イ オ デ ィ ー ゼ ル 燃 料 ・ セ ル ロ ー ス 燃 料 の 税 制 優 遇 を 認 め る
@2015/12/18
・米国議会は 2016 年歳出法案でバイオディーゼル燃料は 1 ドル/ガロン、セルロース燃料は 1.01 ドル/ガロンの税
制 優 遇 を 認 め た 。 こ の 優 遇 措 置 は 2014 年 に 失 効 し て お り 、 そ れ が 復 活 す る こ と に な る 。 ( 補 足 ) 法 案
「 H.R.2029(http://thomas.loc.gov/cgi-bin/query/D?c114:7:./temp/~c114lYwNiC::) 」の 「 Sec.
192. Extension of excise tax credits relating to alternative fuels.」がそれに該当するとみられる。
http://www.platts.com/latest-news/agriculture/singapore/us-senators-introduce-bill-to-cha
nge-extend-us-21984819
【RFS の RIN 高騰で製油所の収益悪化が懸念】(7/15)
・EPA の 2016 年 RFS(Renewable Fuel Standard)で想定されるエタノール混合率は 10.10%と 10%超え
となっている。(E15-SS が少ない現状では E10 しか販売できないこともあり)石油精製会社は RFS 遵守のために
RIN(Renewable Identification Number)を購入せざるを得ず、RIN 高騰もあってその負担が増している。
2017 年 RFS の想定エタノール混合率は 10.44%とさらに増加する提案内容となっている。
http://www.platts.com/latest-news/oil/newyork/us-refiners-feel-pinch-of-higher-rfs-compli
ance-21997678
【EPA は航空機からの GHG 排出に関する最終報告書を発表、規制強化へ】(7/25)
・EPA は、航空機エンジンからの GHG 排出に関する最終報告書を発表した。CAA(Clean Air Act)に基づき、航
空 機 か ら 排 出 さ れ る CO2 、 CH4 、 NOx 、 HFC(hydrofluorocarbons) 、 PFC(perfluorocarbons) 、
SF6(sulfur hexafluoride)を評価し、主として商業用の大型ジェットエンジンからそれらが排出され、気候変動や
人々の健康に影響を及ぼしているとしている。EPA は現在、航空機の排出規制は設けていない。しかし、自動車・ト
ラックの場合と同様に、規制を行う際は、その前に該当する排出物質に関する報告書が必須であり、今回も同様の
手順を踏んでいる。EPA の規制策定は ICAO が 2017 年 3 月にまとめるグローバル基準を待ってからになるとみられ
る。ICAO は 2020 年から新規航空機の燃費・CO2 基準を、2023 年から既存航空機の基準を検討している。
EPA は ICAO と同等かそれ以上の規制を課すものと予想される。
(参考)EPA は航空機の排出ガス規制については、国際的な規制を支持する@2015/6/10
・EPA は、CAA(Clean Air Act)において、航空機からの温室効果ガスが、現世代および将来のアメリカ人の健康と
福祉を阻害している気候変動に寄与しているとの答申を出した。もし確証が得られれば、規制を導入するつもりであ
る。しかし、同時に、米国の規制は国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organisation)
の合意が前提となるとしている。EPA の Christopher Grundler 氏は「米国のゴールは意味のある国際規制を導入
する事であり、それが最もエミッション削減につながる」とし、米国単独の規制よりも国際規制の方が米国にとっては良
いとコメントしている。ただし、規制にあたっては課題も多い。規制を新機種に限定するのか全機種にするのか、タイム
スケジュールは、基準はどうなるのか、など議論が尽きない。もし新機種限定なら、多くの削減は望めないだろう。業界
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団体の Airlines for America の Nancy Young 氏は「航空業界はグローバルであり、国際的なレベルで規制を合
意することが重要」とコメントしている。
http://www.wsj.com/articles/epa-advances-plans-to-limit-carbon-emissions-from-aircraft-1
469458800
http://www.greencarcongress.com/2016/07/20160725-epa.html
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-determines-aircraft-emissions-contribute-climate-c
hange-endangering-public-health
https://www3.epa.gov/otaq/aviation.htm
http://www.argusmedia.com/news/article/?id=1281620&page=2
【EPA は地下軽油タンクを調査し、その多くに中-重度の腐食があったと報告】(7/26)
・EPA は、地下軽油タンク(USTs:underground storage tanks)内部の腐食についての調査結果を発表。調
査した 42 のタンクのうち 35(83%)で内部の鉄やガラス繊維が中-重度で腐食し、機器の損傷や漏洩の危険性があ
ると指摘している。原因については、微生物腐食(microbiologically-influenced corrosion)も含めて調査中
である。
http://www.greencarcongress.com/2016/07/20160726-epaust.html
https://www.epa.gov/ust/investigation-corrosion-influencing-factors-underground-storagetanks-diesel-service
【加州は「Sustainable Freight Action Plan」を発表】(7/30)
・Edmund G. Brown Jr.加州知事からの指示を受けて州当局は「Sustainable Freight Action Plan」を発表
した。これは 2016 年 3 月のドラフト版をリバイスしたもの。州の輸送システムをより環境に優しく、効率的に、経済的
にするための青写真である。行動計画は 2050 年までを見通し、2030 年に向けてのガイドラインを示している。具体
的内容は「2030 年までに輸送効率を 25%向上」「2020 年までに 10 万以上の ZEV 導入と、near-ZEV の最
大限の導入」「輸送産業、商品物流産業の経済成長」となっている。
http://www.greencarcongress.com/2016/07/20160730-califreight.html
http://www.energy.ca.gov/releases/2016_releases/2016-07-29_SustainableFreightActionPl
anNewsRelease.pdf
http://www.casustainablefreight.org/app_pages/view/154
(2)トピックス
【上院はエネルギー法案について上下院合同の委員会を設置することを可決】(7/12)
・上院はエネルギー法案「Energy Policy Modernization Act」(S.2012)について、下院を含めた委員会
(conference committee)を設置することを 84-3 で可決した。上院の委員として共和党 4 名、民主党 3 名を
指名した。その中には、Senate Energy and Natural Resources Committee の委員長である共和党 Lisa
Murkowski 議員と、同委員会の民主党筆頭である Maria Cantwell 議員も含まれる。なお、委員会開催は夏
季休暇後の 9 月以降になるとみられる。この可決を API は歓迎している。
(参考)上院でエネルギー法案が可決@2016/4/20
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・2016/4/20、上院はエネルギー法案「Energy Policy Modernization Act」(S.2012)を 85-12 で可決した。
この法案には Flint や沖合掘削への対策は含まれていない。Power Grid の近代化(災害に対する強靭化やサイバ
ー攻撃対策)、LNG 輸出許認可の迅速化(FERC はガスプロジェクトに対して 90 日以内に判断、DOE は環境レビ
ュー終了後 45 日以内に判断するなど。しかし Argus など、その効果を疑問視する向きもある。)、連邦地のパイプラ
イン建設の迅速化(ハードルを一部下げる)、風力や太陽光などの電力を貯める商業規模のバッテリー技術への年間
5,000 万ドルの助成などが含まれる。SPR(Strategic Petroleum Reserve)については、原油価格下落時に
SPR 売却に制限をかける幾つかの修正法案が 2016/4/19 に通過している。今後は下院での審議になる。7 月半
ばに始まる夏休み前が一つの目途になる。今のところ大統領はこの法案を受け入れる模様である。
http://www.publicpower.org/Media/daily/ArticleDetail.cfm?ItemNumber=46115
http://www.utilitydive.com/news/senate-votes-to-convene-first-energy-bill-conference-co
mmittee-since-2007/422507/
http://www.publicpower.org/Media/daily/ArticleDetail.cfm?ItemNumber=46115
http://www.api.org/news-policy-and-issues/news/2016/07/12/senate-energy-bill-conferen
ce-vote
https://www.congress.gov/bill/114th-congress/senate-bill/2012
【民主党は「エネルギー自立(energy independence)」を党方針から削除】(7/27)
・民主党は「エネルギー自立(energy independence)」を党方針から削除した。クリントン陣営のエネルギーアドバ
イザーTrevor Houser 氏は、米国がどれだけエネルギー自立をしたところで、米国と世界のエネルギー市場が密接に
リンクしている現状や、クリントン氏が 10 年以内に米国の原油消費量を 10%削減すると誓っていることを理由に挙げ
ている。今年の民主党方針から「all-of-the-above」のエネルギー戦略が削除され、「GHG エミッションに価格を
(pushed to put a price on greenhouse gas emissions)」(排出権取引や炭素税を指すと思われる)となっ
ている。
http://www.argusmedia.com/news/article/?id=1283110&page=2
2.業界
(1)石油・バイオ需給
【(EIA)米国製油所稼働率(週間)】(7/29):93.3%と高稼働を維持。
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【(EIA)米国原油生産(月間)】(2016/7):850 万 B/D ほど。
【(EIA)米国原油輸相手入国(週間)】(7/29):やや増加基調。カナダは減少(山火事の影響)。
【(EIA)米国原油輸出相手国(月間)】(2016/5):堅調に増加。
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【(Baker Hughes)米国原油リグ数(盆地別、週間)】(8/5):増加に転じる。
【(EIA)米国石油製品出荷(週間)】(7/29):ガソリン出荷増(供給過剰)。
【(EIA)米国原油・石油製品在庫(週間)】(7/29):原油在庫高水準も減少傾向。
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【(EIA)米国石油製品輸出(月間)】(2016/5):堅調。
【(EIA)米国バイオエタノールの生産・エタノールブレンド率(週間)】(7/29):ブレンド率 9.59%。
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【(EIA)米国バイオエタノール輸出相手国(月間)】(2016/5)
【(EIA)原油鉄道輸送(月間)】(2016/5):急減。
【原油安とパイプライン拡張により原油鉄道輸送が急減】(7/25)
・原油安とパイプライン拡張により原油鉄道輸送が急減している(詳細は EIA のデータ参照)。Union Pacific の
Lance Fritz CEO はこの急減は一時的なものではないと認識している。特に鉄道輸送の主力である Bakken 原油
の生産量が 2014 のピークから 18 万 B/D も減少している上に、Bakken からのパイプライン能力は 2010 年以降
倍増している。2014 年のピーク時においても鉄道全体量に対する原油鉄総輸送量は 2%以下ではあったが、その
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時に更なる成長を夢見て石油・ガス業界と共に鉄道会社が投資したことが重荷になっている(2010-2015 年にかけ
て、米国およびカナダで 89 のターミナルが建設・拡張された)。
http://www.wsj.com/articles/crude-slump-pipeline-expansion-mark-end-of-u-s-oil-train-bo
om-1469484016
【Valero、夏の(ガソリンの)供給過剰は解消される見込み】(7/26)
・春から米国燃料需要が旺盛だったため、夏のドライビングシーズンに向けてのガソリン在庫積み増しは国内生産だけ
では足らず輸入を含めて賄ってきた(製油所の収益の圧迫要因)。現在は供給過剰状態にある。ただし、Valero に
よると、今夏の供給過剰は冬まで持ち込まれないとみている。Valero は、JonesAct によるコスト高により米国内への
船舶輸送を避け(ヨーロッパからの輸入の方がコストメリットあり)、メキシコや南アメリカに石油製品を輸出することで対
応している。2016Q2 の Valero のガソリン・軽油の輸出量は過去最高の 39.6 万 B/D であった。
http://www.argusmedia.com/news/article/?id=1282441
(2)業界動向
【EIA 米国 Onshore 石油会社の財務状況は好転が予想される】(7/18)
・EIA が米国 Onshore の 39 の石油会社(2016 年 Q1 の生産能力は合計 210 万 B/D で米国 Onshore 生
産の 30%を占める)の財務状況を調査した結果、設備投資と営業キャッシュフローのギャップは縮小傾向にあり、営
業キャッシュフローで設備投資が賄える状況(self-finance)に近づきつつある。2014 年以降、原油安に伴い営業
キャッシュフローが急減しているが、設備投資も急減させることでバランスさせている。最近では原油価格が上昇してい
ることもあり、原油生産減少に伴う歳入減と相殺されるとともに借入も減少し、結果として財政状況は好転している。
http://www.eia.gov/todayinenergy/detail.cfm?id=27112
【Exxon Mobil とサウジ石化会社 SABIC は JV でメキシコ湾岸で石化コンプレックス建設を検討】(7/25)
Exxon Mobil とサウジ石化会社 SABIC(Saudi Basic Industries Corp)は JV でメキシコ湾岸でスチームクラッ
カーを含む石化コンプレックス建設を検討している。候補地はテキサス州もしくはルイジアナ州。投資判断はまだで、ま
ずは州政府とともに建設地を選定する。投資額の発表はないが、グローバル市場でも競争できる規模になる模様。
ExxonMobil Chemical Co の Neil Chapman 社長は「この数 10 年にかけて化学品の需要は新興国で伸びる
と予想しており、このプロジェクトは極めて重要である」とコメントしている。American Chemistry Council によると、
全米で 250 のプロジェクトが完成もしくは計画中であり、投資総額は 1,600 億ドルに達する。
http://www.wsj.com/articles/exxon-saudi-firm-seek-to-build-petrochemical-plant-on-u-s-g
ulf-coast-1469464804
http://af.reuters.com/article/energyOilNews/idAFL8N1AB35F
3.新技術
(1)運輸部門
【DOE と Oak Ridge National Laboratory は「2016 Billion-Ton Report」を発表】(7/12)
・DOE と Oak Ridge National Laboratory は「2016 Billion-Ton Report」を発表した。このレポートでは米
国の非食系のバイオマス量(木質系、穀物残渣、藻類、エネルギー作物などを含む)の予測を行っている。base
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case はバイオマス収量 1%/年増加、high-yield case は 3%/年増加と置いている。2015 年で使用されたバイ
オマス量は 3.65 億トンに対して、2040 年には base case で 12 億トン、high-yield case では 15.7 億トンの
バイオマスが得られると予想している。2011 年版からの改定では、新たにミスカンサス、Energy Cane、ユーカリや藻
類、都市ゴムなどからのバイオマス量の推計を行うとともに、今回初めてバイオマスの前処理コストやバイオ工場までの
輸送コストについても検討している。
http://www.biofuelsdigest.com/bdigest/2016/07/12/2016-billion-ton-report-shows-sustain
able-biomass-potential-through-2040/
http://www.greencarcongress.com/2016/07/2016-billion-ton-report-shows-us-could-sustai
nably-produce-at-least-1b-tons-biomass-by-2040-for-bioe.html
http://energy.gov/eere/bioenergy/2016-billion-ton-report
【DOE は Co-Optima プロジェクトの促進のために 700 万ドルを助成】(8/1)
・DOE は Co-Optima(Co-Optimization of Fuels and Engines initiative)プロジェクト促進のために 700
万ドルを助成する。DOE の求める提案は「燃料性状予測」「(火炎)速度計測法と反応メカニズム開発」「(GHG)排
出および環境インパクト分析」「燃料性状が PM に及ぼす影響」「少量の燃料での性能試験機開発」「諸課題の検
討」となっている。
http://www.greencarcongress.com/2016/08/20160801-cooptima.html
4.会議出席
(1)DOE Sustainable Transportation Summit & Bioenergy 2016 (2017/11-14)@Washington DC
・DOE Sustainable Transportation Summit では、DOE Moniz 長官の講演があり、Optima は Biofuel と
Engine の Inovation として取り上げていた。フォードは Autonomous Vehicle(自律走行車)の開発に注力して
いるとのこと。自動車の将来として、Amory Lovins 氏(科学者、エネルギー関係のアドバイザー)の提唱する「From
PIGS(Personal Internal-combustion Gasoline Steel-dominated vehicles) to SEALS(Shareable
Electrified Autonomous Lightweight Service vehicles) 」 の 紹 介 も あ っ た 。 ま た 、 「 Connected
Consumers(以前とは異なり、ネット社会でつながっている顧客にどう対応していくか)」「Virtuous Cycle(好循環)」
「First Mover Nations(国として先行する必要性)」が求められるとの紹介もあった。
・ Optima プ ロ グ ラ ム に つ い て 、 エ ン ジ ン 側 で は 「 Thrust1(SI エ ン ジ ン ) 」 「 Thrust2(ACI(Advanced
compression-ignition )エンジン):HCCI もしくは CI エンジンでの LTC(low-temperature combustion)アプ
ローチ」「Thrust2(CI エンジン)」のアプローチがある(プレゼンを見る限りでは、エンジンの実評価ではなく計算による推
定評価にとどまる可能性がある)。燃料に関する因子は RON、RON-MON Sensitivity、気化熱量、火炎速度、
PM などがあり、スクリーニングは Tier1(沸点、流動点、溶解性、点火特性、腐食性、毒性、芳香族性などの評価)
→Tier2(メリット評価、LCA-GHG、土地利用変化、水利用、経済性、技術度合、インフラ、引火点、可燃性など
の評価)→Tier3(エンジン評価)を通して 100→5 燃料に絞り込む。
・米国オクタン価(AKI)の歴史の解説もあった。原文は「A Historical Analysis of the Co-evolution of
Gasoline Octane Number and Spark-Ignition Engines」。AKI の上昇局面は 1930 年代の鉛使用、
1950-60 年代の触媒改質(Reformer)導入時であり、下落局面は 1970 年代の排ガス規制である。ただし、最
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近は停滞(stagnation)傾向にある。AKI 上昇には何らかのポジティブな騒動(規制強化?)が必要となり、そういう
状況を作り出す必要があるかもしれない。1 例として 1960 年代と同等の AKI のガソリンを製造する場合は E15(レ
ギュラー同等)、E25(プレミアム同等)になるだろうとしている。
(http://journal.frontiersin.org/article/10.3389/fmech.2015.00016/full)
・DOE Bioenergy 2016 では、「2016 Billion-Ton Report」の紹介があった。「2016 Billion-Ton Report」
は米国の非食系のバイオマス量の予測を行っている。base case はバイオマス収量 1%/年増加、high-yield
case は 3%/年増加と置いている。2015 年で使用されたバイオマス量は 3.65 億トンに対して、2040 年には base
case で 12 億トン、high-yield case では 15.7 億トンのバイオマスが得られると予想している。
・Algae 動向に関する講演では、Solazyme は社名を TerraVia に変え、バイオ燃料から新たに栄養食品を提供し
ていく。Sapphire も Nutritional Oil(栄養オイル?)にシフト。Joule(cyanobacteria でエタノールや炭化水素を
製造)は Red Rock(バイオマス残渣からジェット燃料・軽油を製造)を買収。2016 年 Algae Biomass Summit
をアリゾナ州フェニックスで 10/23-26 に開催予定。
・幾つかのバイオ企業の講演があり、個人的には Ensyn 社(バイオマスの熱分解プロセスを開発)が最も興味をもった。
Ensyn RTP process では FCC と同様の装置構成ながら、触媒・水素は使用せずにバイオマスを高温で熱分解す
ることで、化学品原料や重油などの製油所原料(液体燃料全般)を製造する。精製処理で Honeywell UOP と提
携。RFS 関連では D7-RIN(Cellulosic Diesel)、D3-RIN(D3 Cellulosic Biofuels)を得ている。LCFS でも
再生可能ガソリン・軽油で認められている。商業施設はオンタリオにあり能力は年産 300 万ガロン。2016 年からケベ
ックでも年産 1,000 万ガロン規模の施設を建設開始。
(2)2016 EIA Energy Conference (Ping-san) (2016/7/11-12) @Washington DC
・2016 EIA Energy Conference が 2016/7/11-12 にワシントン DC で開催された。EIA はエネルギー、産業
の分析対象を広げていることもあり、2015 年と比べて今回の会議は幅広いトピックスを扱っている(鉄鋼や製紙など)。
今回は石油・ガス生産者のプレゼンはなかった。主な講演者のコメントは以下のとおりである。
・Gregory J. Goff, President and CEO, Tesoro Corporation:一番懸念しているのは科学を無視し、我々
の貢献を否定する規制である。規制強化で承認手続きが長くくなると我々への負担が大きくなり、それはいつか誰か
(消費者)が払うことになるだろう。米国原油生産が減少すれば原油を輸入すればよいだけ。再生可能エネルギーに
は反対はしないが、供給量に問題がある。その現実は認識すべきである。
・Chris Atkinson, Advanced Research Projects Agency‐Energy:自動車輸送においては 3 つのトレンド
がある。「燃費」「ネットワーク(vehicle connectivity)」「自動化」である。ネットワークは車同士だけでなく、クラウド、
衛星を通してつながっていくだろう。そういったトレンドの中で Apple、Google、Tesla、Uber などの新規参入者が現
れるだろう。天然ガス LDV は貯蔵に課題がある。現在の 2 ドル/ガロンのガソリン価格ではこのタイプの開発には良い
投資環境ではない。バイオ燃料は軽視してはいけないが、もう人気はない。
・Nelly Mikhaiel, Nexant:・2024 年には LNG の需給バランスが均衡すると予想。日本における契約ベースとス
ポットの LNG 価格差は 2025 年以降は縮小すると予想している。北米は LNG 輸出において良いポジションを得て
いるものの、豪州のプロジェクトも(色々と課題がありつつ)市場獲得のための手段を持っており、幾つかは他国よりも優
位に立つであろう。
・Steve Kean, CEO, Kinder Morgan:我々パイプライン会社は規制にさらされている。新規施設の承認プロセ
ス(の煩雑さ、長期化)は我々にとって大きな問題となっている。化石燃料は我々の生活を改善することに関しては、
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再生可能エネルギーよりもはるかに優位にたっている。天然ガス・インフラは気候変動対策の観点でも極めて重要にな
ってきている。再生可能エネルギーはしばしば誇張されている。断続的なエネルギー(再生可能エネルギー)と継続的
なエネルギーの価値は同じではない。変換技術のブレークスルーがなければ、100%再生可能エネルギーは実現可
能なものではない。バッテリーや他の電気貯蔵技術よりも天然ガス貯蔵の方がはるかに安い(桁が違う)。
・Jeff Flake, US senator, Az:再生可能エネルギーへの税制優遇は廃止すべきと考える。規制は不透明さを作
り出してはいけない。CPP については反対企業を支援している。オゾン基準について EPA と協議中。EPA は企業が
対応できるよう十分なリードタイムを設定すべきである。州は独自のエネルギー政策を持つべきである。太陽光エネル
ギーに関してはパネルを設置していない人からもお金を徴収するのは不公平である。
・Mine Yücel, Federal Reserve Bank of Dallas:2015 年は 39 の石油・天然ガス企業が倒産した。2016
年現在では 44 に達しており、もっと増えると予想される。テキサス・アラスカなど 8 州で原油安による経済へのマイナス
インパクトがある。特にアラスカは歳入の 72%を原油に頼っている。Permian の掘削コストは 40%減少している。既
存井戸について、Eagle Ford/Permian の損益分岐点は 29 ドル/バレル。メキシコ湾では 43 ドル/バレル、ルイジ
アナ 34 ドル/バレルとみている(新規井戸は Permian51 ドル/バレル、Eagle Ford53 ドル/バレル、メキシコ湾 62
ドル/バレル、ルイジアナ 50 ドル/バレル)。
以上
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一般財団法人 石油エネルギー技術センター
JPEC 欧州事務所
欧州調査報告(2016 年7月版)
【Part1】(公開情報)
1.情報収集内容
(1) 基礎情報整備
① 欧州気候変動政策・再生可能エネルギー関連動向
【バイオジェット燃料は航空部門の CO2 排出削減目標の 56%分の寄与】(7/19)
Lux Research は“Biojet Fuel Technology Roadmap”で、2050 年までに航空部門の CO2 排
出量を 2 億トン/年(2005 年の半分)とするためにはバイオジェット燃料の普及が鍵を握ると分析してい
る。Lux は、Boeing と Honeywell UOP が進めているバイオ燃料プロジェクトで、世界の排出量削減目
標の 56%を賄うことができると見積もっている。削減目標の 1/3 は航空機の技術開発、運航・インフラの
効率向上が担うことになる。
http://www.greencarcongress.com/2016/07/20160719-lux.html
② IMO 船舶燃料硫黄分規制
【DNV GL、船舶用に LNG 燃料を EU に推奨】(7/6)
ノルウェーの認証マネジメント機関 DNV GL が、船舶燃料に LNG を使用することを EU に推奨する報
告書を作成した。LNG は船舶からの排気物抑制に有効な手段であるが、規制、標準類の不備が障害に
なっている。
報告書には、、① 船舶への LNG 供給に関わる既存の標準類、規則、規定、② LNG 給油船・LNG
燃料船を EU 内で経済性を持たせるために必要な法規の問題、③ 規則間のギャップを埋める提案、影
響評価、優先推奨事項、行動案などが示されている。
http://www.hydrocarbonprocessing.com/Article/3568260/Latest-News/DNV-GL-ad
vises-EU-on-elements-needed-for-wider-adoption-of-LNG-as-marine-fuel-in-Europe
.html
【Wartsila 等、船舶燃料向け LNG の利用促進目的に SEA/LNG を組織】(7/13)
フィンランドの造船会社 Wartsila と大手造船・海運・燃料関連企業は、船舶燃料向け LNG の推進
目的の組織“SEA/LNG”を結成した。SEA/LNG は船舶向け LNG の普及上の障害を無くすことを目指
す。メンバーは、Carnival Corporation、DNV-GL、ENGIE、ENN Group、GE Marine、GTT、
Lloyds Register 、 Mitsubishi 、 NYK Line 、 Port of Rotterdam 、 Qatargas 、 Shell
Downstream、Tote。
http://www.greencarcongress.com/2016/07/20160713-sealng.html
14
③ 次世代自動車普及動向等
【高級車アウディ、EVモデルを拡充】(7/26)
独自動車大手VWの高級車部門アウディは、2020 年までに3モデルの電気自動車(EV)を発
売する方針だ。これにより、2025 年までにEVが売上高に占める割合を 25~30%に高めることを目指
す。
http://europe.nna.jp/articles/result/1484624
④ 自動車排ガス規制
【プジョー、30 モデルの実走時燃費データを公表】(7/11)
仏自動車大手PSAグループは6日、「プジョー」「シトロエン」「DS」ブランドの主要 30 モデルについ
て実施していた実走時の燃費テストの結果を公表した。燃料消費量はすべてのモデルで公称値を上回り、
走行距離 100 キロメートル当たり 1.2~2.7 リットルの格差があった。
同社は昨年 11 月、実際の走行時の燃費と汚染物質排出量のデータを独自に計測し、公表する方針
を打ち出していた。独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正発覚を受け低下した消費者
の信頼を回復する狙いで、今回はこのうち燃費の検査結果をまず公表した。
また来年には、大気汚染物質である窒素化合物(NOx)の排出量についても、実走時のデータを
計測して発表する計画である。
http://europe.nna.jp/articles/result/1477456
【VW、排ガス不正で米加州が 8,600 万ドルの罰金】(7/11)
米カリフォルニア州の司法当局は6日、独自動車大手VWの排ガス不正問題で、同社に追加で
8,600 万ドルの罰金を科すと発表した。同社は先に、この問題をめぐる一部の訴訟で、総額 153 億ドル
超を負担することで米当局などと和解しているが、これに追加での支出となる。
今回の罰金うち、7,600 万ドルはカリフォルニア州司法当局に訴訟関連費用の補償として支払われる。
残りの 1,000 万ドルは、排ガス検査を欺く違法ソフトの検知技術や、実走時の排ガス検査手法、排ガス
による環境汚染や健康被害の監視・軽減手法の研究資金として、地方自治体や大学に分配される。罰
金は裁判官の承認を得た上で確定する。
http://europe.nna.jp/articles/result/1477459
【自動車VW、韓国での販売を一時停止】(7/25)
独自動車大手VWは、25 日から韓国でほぼ全車種の販売を一時停止する。排ガス規制の不正回
避問題を受け、同国で 32 車種の認証が取り消される見通しとなったことが背景にある。VWは 34 車種
79 モデルのディーラーへの出荷を停止。出荷再開は少なくとも3カ月以上、先になると見込んでいる。韓
国環境省は先に同社に対し、32 車種の認証を取り消すと通知した。公聴会を経て早ければ7月中にも
認証取り消しが正式に確定する見通しで、そうなれば韓国では販売不可となる。32 車種は、VWが韓国
で販売する車種全体の7割に相当し、スポーツ多目的車(SUV)「ティグアン」や「ゴルフ」、アウディの
「A6」など人気車種の大半を含む。
http://europe.nna.jp/articles/result/1483726
15
⑤ 石油・エネルギー業界情報
【英国の天然・電力輸入依存度が 2030 年まで増大する見通し】(7/4)
英国 National Grid Plc は、将来予測“Future Energy Scenarios”で、英国は今後 14 年間に
天然ガス・電力の輸入依存度が増大すると予測している。英国の LNG やロシアからのパイプライン天然ガ
ス輸入量は、2030 年まで 38%増加するとみている。輸入送電能力は、現在の約 4GW から 23GW に
増大する。National Grid は、政府は CO2 排出削減対策で化石燃料発電を抑える一方で、再生可能
発電への補助金削減等を決定しており、これがエネルギー供給市場を大きく変化させる要因になるとして
いる。
http://washpost.bloomberg.com/Story?docId=1376-O9R5UISYF01T01-40FE86U4F
HUALT3A8K5Q9LR48T
【フランスの Dunkirk LNG 輸入ターミナルが稼働】(7/11)
フランスの Dunkirk LNG 輸入ターミナルは 7 月 8 日、最初の LNG タンカ―“Madrid Spiri
をナイジェリアから受け入れた。電力会社 Electricite de France SA は、9 月の商業稼働開始
前の 8 月に試験的に 2 船目を受け入れる予定。Dunkirk LNG の再ガス化能力は 130 億 m3/年
で、19 万 m3 の貯蔵タンクを備えている。
http://www.shippingherald.com/edf-opens-north-seas-dunkirk-lng-terminal/
【シェル、カナダのLNG合弁の投資決定延期】(7/14)
英蘭資本の石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルは 11 日、LNG合弁会社LNGカナダの投資の最
終判断を、これまで予定していた 2016 年末から先送りすると発表した。当初、2016 年第1四半期
(1~3月)としていた決定時期は2月にも遅らせており2度目の延期。新たな期限は明らかにしてい
ない。
シェルは今回の決定の背景として、エネルギー業界が直面する厳しい事業環境や資金的制約を挙げて
いる。ただ、LNGカナダの事業の有望性に変わりはないと強調。既に州政府や同エリアに居住する先住
民の支持を取り付けているほか、規制当局の承認も獲得している。
http://europe.nna.jp/articles/result/1479431
【EU、エネルギーインフラへの投資で合意】(7/19)
欧州委員会は、欧州連合(EU)加盟国にまたがるエネルギー分野のインフラ整備計画に総額2億
6,300 万ユーロを投じる案で、加盟 28 カ国が合意したと発表した。大半はバルト海地域のガスインフラに
充てられる。
欧州委はインフラ向け基金スキーム「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(CEF)」の下でプロジェク
ト案を募り、この中から9案件を選んだ。うち5件はガスインフラで、支援額は合わせて2億 1,000 万ユー
ロ。エストニアとフィンランドを結ぶガスパイプライン「バルチックコネクター」には1億 8,750 万ユーロを拠出す
る。残りの4件は電力インフラで、EUの支援額は 5,300 万ユーロ。
http://europe.nna.jp/articles/result/1480746
16
【中国電力、トタルとLNG購入で合意】(7/27)
中国電力は 22 日、仏石油大手トタルのシンガポール法人、トタル・ガス・アンド・パワー・アジアと、液化
天然ガス(LNG)購入に関する基本合意書を締結したと発表した。2019 年4月から 17 年間、トタ
ルから年間最大約 40 万トンのLNGを購入する。
トタルが世界各地に保有する複数の供給源からLNGを調達する。これには北米のシェールガスも含ま
れる。中国電力が北米のシェールガス由来のLNGを調達するのは初という。中国電力によると、トタルが
日本の電力会社と長期のLNG売買契約を結ぶのも初めて。これにより、両社はLNG取引を通じた
協力関係を新たに構築する。
また契約価格の指標として、初めて米国の天然ガス価格(ヘンリーハブ価格)を採用。従来は原油価
格に連動する形を取っていた。
http://europe.nna.jp/articles/result/1484644
【石油BP、第2四半期は 45%減益】(7/27)
英石油メジャーのBPは 26 日、第2四半期(4~6月)の純利益(在庫評価変動の影響と特
別損益除く)が7億 2,000 万ドルとなり、前年同期比 45.2%減少したと発表した。原油価格の下落や
精製マージンの縮小が大きく響き、市場予想を下回った。
主力の上流事業のEBIT(利払い・税引き前利益)は1億 900 万ドルの赤字で、1年前の2
億 2,800 万ドルの黒字から大きく悪化した。下流事業は 14 億 500 万ドルの黒字だったが、15.9%減っ
ている。19.75%出資する露国営石油大手ロスネフチの貢献は2億 4,600 万ドルで、1年前の半分以
下にとどまった。
BPは昨年 10 月、2010 年に起きたメキシコ湾での原油流出事故をめぐり計 208 億ドルを支払うこと
で米当局と合意。当期はこれに伴い、52 億 2,900 万ドルの特別損失を計上した。BPは先に、同事故
をめぐる罰金や補償金、訴訟費用などの関連コストは税引き前で総額 616 億ドルに達するとの見通しを
示している。
http://europe.nna.jp/articles/result/1485191
【Eni、今年 2Q の業績は 4.46 億ユーロ(4.94 億ドル)の純損失】(7/29)
イタリア Eni の今年 2Q の業績は、前年同期の 4.98 億ユーロの純利益に対し 4.46 億ユーロ(4.94
億ドル)の純損失となった。原油価格の下落、イタリア南部 Val d'Agri 油田の 4 ヶ月間の生産停止、ナ
イジェリアの生産施設への妨害工作等が主な要因としている。
2Q の石油・天然ガスの生産量は、前年同期比 2.2%減の 171.5 万 BOE(原油換算)。エジプト
の Sooros 天然ガス田の増産、カザフスタン Kashagan 油田の生産再開等で、年間の生産目標 176
万 BOED は達成できる見込み。
http://www.naturalgaseurope.com/eni-makes-loss-as-2q-production-falls-30836
【石油シェル、第2四半期は 71%減益】(7/29)
英蘭資本の石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルは 28 日、第2四半期(4~6月)の純利益が 11
億 7,500 万ドルとなり、前年同期比 71%減少したと発表した。原油価格の下落や製油部門の利益低
17
迷に加え、英ガス・石油大手BGグループの買収コストが響いた。
在庫評価変動の影響と特別損益を除いた純利益は 72%減の 10 億 4,500 万ドル。これを事業別に
見ると、探査・採掘の上流部門は赤字が 13 億 2,500 万ドルと、1年前から3倍近くに膨らんだ。製油や
販売を手掛ける下流部門は 18 億 1,600 万ドルの黒字を確保したものの、39%の減益だった。石油・ガ
スの生産量は日量 262 万 8,000 石油換算バレルと、24%拡大している。
今年の営業コストは 400 億ドルと、2014 年の 530 億ドルから大幅に抑えることをあらためて示した。
http://europe.nna.jp/articles/result/1486557
【英国、新原発計画の決定持ち越し:政府が再検討へ=初秋にも判断】(8/1)
新規原子力発電所「ヒンクリーポイントC」の建設計画に、英政府が予想外の待ったをかけた。フランス
電力公社(EDF)が 28 日夕にようやく最終投資決定を下した数時間後、クラーク民間企業・エネル
ギー・産業戦略相は、同計画を再検討する方針を発表。最終決定は初秋に行うとしている。
EDFは 2013 年、「ヒンクリーポイントC」計画をめぐる主要条件で英政府と合意。既存原発に欧州
加圧水型原子炉(EPR)2基を新設し、国内電力需要の7%を賄う予定となっている。建設工事
により2万 5,000 人、完成後の原発従業員として 900 人の雇用創出が見込まれている。
同じタイプのEPRを使用して仏フラマンビルに建設中の次世代原発は、技術上の問題が度重なり完
成が遅れている。こうした中、EDFは「ヒンクリーポイントC」への最終投資決定を何度も先送りし、運転
開始予定も当初の 2023 年から 2025 年に延期されていた。
http://europe.nna.jp/articles/result/1487032
【スタットオイル、米国資産の一部を追加放出】(8/2)
石油・ガスでノルウェー最大手のスタットオイルは1日、米北東部のマーセラス・シェールガス田の一部を、
米同業アンテロ・リソーシズに 9,600 万ドルで売却すると発表した。ガス田採掘の最適化を図り、売却益を
中核事業に振り向ける狙い。
スタットオイルは、約 1,400 平方キロメートルにわたる権益のうち、47 平方キロメートルほどをアンテロに
譲渡する。スタットオイルは 2014 年以降、同ガス田で9億ドル相当の資産を放出しており、今回の取引
は3度目。
http://europe.nna.jp/articles/result/1487920
18
(2) 欧州製油所稼働率(IEA データより作成)
① OECD 欧州合計(2016 年5月稼働率 79.1%、前月対比▲2.0%)
② OECD 欧州各国(仏、独、伊、蘭、西、英、その他、OECD 欧州合計)
③ OECD 欧州(OECD 欧州合計、ドイツ【稼働率が高い】、イタリア【稼働率が低い】)
19
2.セミナー参加、出張、面談等
7/1
ブリュッセル
石油連盟に同行、CONCAWE と面談
(自動車燃料蒸発ガス StageⅠ関連調査)
7/10-12 バルセロナ
EST-TC 会議出席
(欧州自動車燃費・排出ガス規制動向、RDE 法規の運用上の課題等に
関する動向調査)
8/3
ブリュッセル
EM Eddy 氏と面談
(船舶燃料硫黄分規制開始時期に関する進捗状況調査)
3.次月以降の予定
(1) 情報収集案件、出張、カンファレンス参加等
・各種調査(欧州バイオ燃料動向、IMO 規制動向、欧州石油精製業界動向、燃料品質動向等)
・自動車燃料蒸発ガス対策 stageⅡに関する調査
(2) 面談、セミナー、出張等
日程
場所
内容
9/25-26
ドバイ
第 41 回中東協力現地会議出席
9/29-30
ブリュッセル
10/18-20
ロンドン
10/24-28
ロンドン
10/31-11/3
ブリュッセル等
European Refining Summit 出席
Argus Biofuels and Feedstocks 出席
MEPC70 出席
Concawe-JPEC ミーティング出席
11/7-10
ブリュッセル
World Ethanol & Biofuels 出席
11/14-16
リスボン
ERTC21st Annual meeting 出席
12/1-2
アテネ
Mediterranea bunker fuel conference 出席
20
一般財団法人 石油エネルギー技術センター
JPEC 中国事務所
中国調査報告(2016 年 7 月版)
【Part1】(公開情報)
1.情報収集内容
(1)基礎情報整備
①政策
【石油・天然ガスパイプラン分割の可能性】(7/19)
新華網によると、国有企業改革が今年下半期の改革の重点となるが、国有企業改革に加えて、関連す
る重要産業の改革にも重点が置かれる見通しである。
特に、石油・天然ガスパイプラインを独立させることが、石油・天然ガス体制改革のなかで重要な位置を占め
ることになる。
厦門大学の林教授は、改革に関する関係者の認識の統一が順調に進めば、本年末には、パイプラインを
独立させる計画が浮上し、政府関係部門も関連政策文書を策定し、一部の省や市において試験的に先行
実施される可能性があると述べた。
出所:http://news.xinhuanet.com/fortune/2016-07/19/c_129157451.htm
【地方製油所へ新たに輸入原油使用権を付与】(7/13)
国家発展改革委員会は、中国石油化学工業連合会による審査の結果、山東省にある恒源石化加工
有限公司(石油精製能力 350 万トン/年)に輸入原油使用権(350 万トン/年)を付与することを
許可した。*350 万トン≒7 万 BPD
該社は輸入原油使用権の申請にあたり、130 万トン/年の精製装置を閉鎖し、150 万トンの精製装置
の性能改善を行っていた。尚、申請した輸入原油使用権は 372 万トン/年であった。
【2050 世界・中国エネルギー展望公表】(7/13)
中国の政府系シンクタンクである中国石油経済技術研究院は、「2050 年世界・中国エネルギー展望」を
公表し、経済構造調整とエネルギー消費の総量規制等の政策の推進により中国のエネルギー消費量が
2035 年前後にピークアウトし、(化石エネルギーについては、2030 年にピークアウト)二酸化炭素排出削
減及び世界的な気候変動に好影響を与えると発表した。世界全体の一次エネルギー消費量については、経
済成長と生活水準の向上から消費量は上昇するものの、エネルギー消費効率の改善や中国他の新興国の
消費量の減少により、2045 年にピークアウトを迎え、現在、クリーンな低炭素エネルギーシステムの構築に移
行する段階にあり、2050 年には天然ガス消費量が石油のそれを超え、天然ガスを含む新エネルギー、代替
21
エネルギーの一次エネルギーに占める割合が 50%を超え、石炭については、中国が強力にその消費量を抑
制していることから、その割合は 20%まで減少すると分析している。
出所:http://www.china5e.com/news/news-951446-1.html
参考:
http://etri.cnpc.com.cn/etri/qydt/201607/0d251da8cfef4c569aee255899d9a037.sht
ml
【第 3 回石油製品輸出割当】(7/5)
2016 年第3回目の石油製品の輸出割当が当該企業に通知された(割り当て数量は基本的に対外
非公表)。情報によると、第3回目の割り当て量は前年同期比 79%増であり、昨年の第3回目までの合
計(約 1,900 万トン)との比較では2倍超の量となっている。
出所:http://www.china5e.com/news/news-950527-1.html
②石油業界動静
【地方製油所、原油輸入動静】(7/25)
中国石化新聞網の調べでは、海関データによると 2016 年上半期の山東省にある地方製油所(国営
製油所を含まない)が輸入した原油量は 2,223 万トン(108 万 BPD)となり前年同期比の約 4 倍とな
った。6 月から一部の製油所が定期修理に入ったことや、輸入港の混雑による物流上の制限により 6 月の原
油輸入量は 95 万~110 万 BPD であった(5 月は 140 万~170 万 BPD)。地方製油所は、多くの種
類の原油の調達を試みると共に、産油国とのターム契約や国外のトレーダーを通して供給チャネルの多元化
を図ろうとしている。しかしながら、国際的な原油市場での経験が浅いことなどから、安定した調達までは 6~
12 か月の時間がかかるものとみられている。
出所:
http://www.sinopecnews.com.cn/news/content/2016-07/25/content_1632603.shtml
【中国国内、ガソリン供給過剰へ】(7/8)
地方製油所への市場化改革(原油輸入権、輸入原油処理権、石油製品輸出割り当て)により、国内
のガソリン生産量が大幅に増加し、2016 年のガソリン生産量が消費量を 9%上回っている模様である。国
内の供給過剰のため、本年のガソリン輸出量は 800 万トン(前年同期比 40%増)となっている。
ICIS 社の分析によると、本年第 3 四半期の国内ガソリン消費量は第 2 四半期に比べて 1%増であるが、
生産量は山東省の地方製油所が稼働率を引き上げたことから 1.7%増加するとの見通しとしている。
出所:
http://www.sinopecnews.com.cn/news/content/2016-07/08/content_1629353.shtml
http://www.sinopecnews.com.cn/news/content/2016-07/08/content_1629355.shtml
22
【中国石油、株式市場への上場を検討】(7/5)
中国石油は、全面深化改革の一環として企業再編基本計画が協議検討され、今後、最終計画を確定
して早期に実行すると表明した。
これまでに該社は、ST天利社と資産再編協定を締結し建設関連部門の再編を図ろうとしてきている。この
協定では、中国石油の天然ガスパイプラン部門、中国石油工程建設公司等がST天利社と既に統廃合を
行っており、今後さらに対象が拡大される見通しである。中国石油はST天利社との合従連衡を通じて、建
設部門の株式市場への上場を企図しているものとみられている。
中国石油は昨年末、傘下のパイプライン関連資産の統廃合を行っており、部門再編への布石と見られてい
た。13 次 5 か年計画における国有企業改革として、中国石油は部門別再編統廃合、株式市場への上場
を推進する考えである。
出所:http://www.china5e.com/news/news-950399-1.html
③技術・環境等
【中国石油 国6供給体制構築へ着手】(7/11)
中国の全土で石油製品品質の改善が加速されているが、中国石油も環境対応への取り組みを強化して
きている。該社系列の製油所は国5基準のガソリン、軽油の供給体制を完成させたうえで、更に 2017 年 1
月から国6基準の供給能力を備える準備を進めている。
国家発展改革委員会は、現在、国6基準の規格策定作業を進めており、2016 年末に公布し、2019 年
の施行することとしている。
出所:http://www.china5e.com/news/news-951122-1.html
【戦略原油備蓄、満タンに近づく】(7/5)
人民網紙は、JP モルガンのレポートを引用して、中国は 2015 年以来の原油価格の低下の機会を捉えて
戦略石油備蓄を積み増ししてきているが、備蓄設備が満タンに近づいているのではないかとし、中国が備蓄の
積み増しを停止した場合、中国の原油輸入が 15%低下すると報道した。
中国税関統計によると、2015 年の中国の原油純輸入量は 3 億 3,263 万トンとなり 10 年前の 2 倍以上
に増加し、世界最大の原油輸入国となっており、中国の動静は国際原油価格に重大な影響力を有してい
る。
中国の原油備蓄設備は 2014 年には 1,243 万トンであったが 2015 年には 110%増、備蓄施設も 4
か所から 8 か所へ増設されている。
23
2.中国エネルギー関連の各種行政計画全体像について
(1)概観
エネルギー行政計画の最も中心的枠組みとなるものは、国務院『エネルギー発展戦略行動計画
(2014-2020 年)』と第 13 次五ヵ年エネルギー発展計画(策定中)であり、この下に分野別や地方別の
エネルギー行政計画が数多く作られる。またエネルギーとの関係が深い周辺分野の行政計画(環境保護/
省エネ排出削減、気候変動/温暖化対策、エコカー、戦略的新興産業等)も並列的に作られている。
習近平政権発足の 2013 年以降にエネルギー分野や環境分野の行動計画が数多く作られ、また
2016 年からは第 13 次五ヵ年計画の枠組みの下で、エネルギー分野や周辺分野の行政計画が続々と作
られる見込みである。今後、石油に関連する個々の政策の内容、現状、進捗についてフォローしていくことと
したい。
(2)エネルギー行政計画全体図
※1 NDRC:国家発展改革委、NEA:国家エネルギー局、MIIT:工業・情報化省
※2 (予)は今後策定予定のものを指す。地方政府版の計画は省略
(3)第 13 次五ヵ年計画要綱のエネルギー関連部分
①重要発展指標
GDP 単位エネルギー消費量低減率:15%(強制)
非化石エネルギーの対一次エネルギー 消費割合:12%→15%(強制)
GDP 単位二酸化炭素排出量低減率:18%(強制)
②第 30 章 近代エネルギー体系の構築
エネルギー革命を推進し、エネルギー生産利用方式の変革を進め、エネルギー供給構造を改善し、エネル
ギー利用効率を高め、クリーン・低炭素・安全・高効率的な近代的エネルギー体系を構築し、国家エネルギ
24
ー安全を守る。
第 1 節 エネルギー構造の最適化・グレードアップの推進
第 2 節 近代エネルギー備蓄輸送ネットワークの構築
第 3 節 スマートエネルギー体系の積極的構築
③第 43 章 資源節約・集約的利用の推進
第 1 節 エネルギー節約の全面的推進
④エネルギー発展重要プロジェクト
・高効率のスマートグリッド
・クリーン石炭の効率的利用
・再生可能エネルギー
・原子力発電
・非在来型オイルガス
・エネルギー輸送ルート
・エネルギー備蓄施設
・エネルギー核心技術と装備
「第 13 次五ヵ年計画要綱」下記 URL 頁7、図11参照
⑤資源節約・集約・循環利用重要プロジェクト(下記 URL 頁)
・全民省エネ行動
「第 13 次五ヵ年計画要綱」下記 URL 頁11、図16参照
「第 13 次五ヵ年計画要綱」:http://sh.xinhuanet.com/2016-03/18/c_135200400.htm
(4)制定済みエネルギー計画(国務院)
①国務院『エネルギー発展戦略行動計画(2014-2020 年)』
2014 年 11 月公布。2020 年までのエネルギー行政中長期計画。
3 観点:①消費総量を抑制、エネ安全を保障、②石炭消費を抑制、エネ構造を最適化、③エネ体制改
革
4 戦略:節約優先、国内立脚、グリーン低炭素、イノベーション
5 任務:エネルギー自主保障能力、エネルギー消費革命、エネ構造最適化、国際協力、イノベーション
http://www.gov.cn/zhengce/content/2014-11/19/content_9222.htm
http://www.xinhuanet.com/energy/zt/nyxgc/16.htm
②国務院『省エネ車・新エネ車産業発展計画(2012-2020 年)』
2012 年 6 月公布(習近平政権発足前)。
主目標:
・2015 年 EV/PHEV 累計生産販売台数 50 万台、2020 年同 500 万台、同年生産能力 200 万台
・乗用車平均燃費 100km6.9ℓ→5.9ℓ(2015 年)→5.0ℓ(2020 年)及び 4.5ℓ(省エネ車 2020
年)
http://www.gov.cn/xxgk/pub/govpublic/mrlm/201207/t20120709_65317.html
25
③国務院『新エネ自動車普及利用の加速に関する指導意見』
2014 年 7 月公布。数値目標なし。
6 項目 25 措置:①充電設備、②新ビジネスモデル、③公共分野利用推進、④政策体系整備(補助金、
税金、金融、参入規制、燃費管理制度等)、⑤地方保護主義打破、⑥イノベーションと品質監督
http://www.gov.cn/zhengce/content/2014-07/21/content_8936.htm
http://www.gov.cn/xinwen/2014-07/21/content_2720944.htm
(5)制定済みエネルギー計画(省庁系)
①NDRC『石炭火力発電省エネ排出削減高度化・改造行動計画(2014-2020 年)』
http://www.sdpc.gov.cn/gzdt/201409/t20140919_626240.html
②NDRC 等『配電変圧器効率向上計画(2015-2017 年)』
http://tech.hexun.com/2015-08-13/178309637.html
③NDRC 等『エネルギー技術革命革新行動計画(2016-2030 年)』
http://www.gov.cn/xinwen/2016-06/01/content_5078628.htm
④NDRC『国家気候変動対応計画(2014-2020 年)』
http://www.sdpc.gov.cn/zcfb/zcfbtz/201411/t20141104_642612.html
⑤NEA『配電網建設改造行動計画(2015-2020 年)』
http://www.gov.cn/xinwen/2016-08/15/content_5099597.htm
⑥NEA『石炭クリーン高効率利用行動計画(2015-2020 年)』
http://zfxxgk.nea.gov.cn/auto85/201505/t20150505_1917.htm
⑦MIIT『工業グリーン発展計画(2016-2020 年)』
http://www.miit.gov.cn/n1146295/n1652858/n1652930/n3757016/c5143553/conte
nt.html
(参考 1)NDRC『再生可能エネルギー中長期発展計画』
2007 年 9 月に公布(習近平政権発足前)、計画年は 2007 年~2020 年。
http://www.ah.xinhuanet.com/swcl2006/2007-09/04/content_11048535.htm
(参考 2)環境保護省『大気汚染防止行動計画』
2013 年 9 月に公布、計画年は 2013 年~2017 年。
http://www.gov.cn/zwgk/2013-09/12/content_2486773.htm
(6)今後制定される見込みのエネルギー計画
①エネルギー第 13 次五ヵ年計画
エネルギー発展第 12 次五ヵ年計画は 2013 年 1 月 1 日に採択されており、この例からするとエネルギー
第 13 次五ヵ年計画は 2018 年 1 月頃となる。国家能源局からの報道では、作成作業は大詰めを迎えて
いるといい、早ければ 2016 年末頃までに公布される可能性もある。
②国務院「エネルギー発展戦略行動計画(2014-2020 年)」で記載された見込み計画
・工業省エネ行動計画
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・設備効率向上計画
・グリーン建築行動計画
・グリーン交通行動計画
・全民省エネ行動計画
③国家能源局「2016 年エネルギー事業指導意見」で記載された見込み計画
エネルギー科技革新、電力、原子力、石炭、石油、天然ガス、再生可能エネルギーの分野別計画を作
成、国と省政府のエネルギー全体計画の連携を図る。北京・天津・河北エネルギー共同発展特定計画、
シルクロード経済ベルトエネルギー発展計画、長江経済ベルトエネルギー発展方針と重点地域エネルギー中
長期発展計画を作成する。
http://www.gov.cn/xinwen/2016-04/12/content_5063240.htm
④国家能源局の文書で記載された見込み計画
・第 13 次五ヵ年計画省エネ排出削減総合事業方案
・第 13 次五ヵ年計画全民省エネ行動計画
・第 13 次五ヵ年計画省エネ環境産業発展計画
・第 13 次五ヵ年計画再生可能エネルギー計画
http://www.nea.gov.cn/2016-08/13/c_135592846.htm
以上
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