テーブルクリニック - 日本コンベンションサービス

テーブルクリニック
10月21日(金) 午後
T001∼T004
T005∼T006
10月22日(土) 午前
T007∼T010
T011∼T012
午後
T013∼T016
T017∼T018
10月23日(日) 午前
T019∼T021
T022∼T023
午後
T024∼T027
T028∼T029
T001∼004
T001
日時
10月21日(金) 13:30∼16:30
テーブルクリニック
1
T002
部屋番号:401
会場
福岡国際会議場401∼404
テーブルクリニック
2
部屋番号:402
これで投薬できる。
口腔漢方の基本的知識
震災関連死軽減に向けた
口腔ケア推進プログラムの活用
○王
○瀨川 洋1),池山丈二3),板橋
齋藤高弘1),金子 振3)
宝禮
(大阪歯科大学細菌学講座)
仁2),大橋明石1),
(1)奥羽大学歯学部口腔衛生学講座,2)奥羽大学歯学部成長
発育歯学講座歯科矯正学分野,3)福島県歯科医師会)
口腔乾燥症,口内炎,舌痛症,口臭症,味覚障害など口腔内
東日本大震災に伴う原発事故により,福島県民200万人のう
科的な症状を訴える来院患者が増加傾向であり,日本歯科医師
278人が県外で避難生活
ち,2016(平成28)年2月26日現在86,
会発行の「薬価基準による歯科関係薬剤点数表」には7種の
を余儀なくされている。また,福島県の震災関連死認定者数は
「漢方薬」が列挙されている。
2015(平成27)年12月25日に2,
000人を超えた。
りっ こう さん
それらの適応は,①立効散:歯牙痛,抜歯後の疼痛,歯齦
はん げ しゃしんとう
おうれんとう
これまで福島県内の仮設住宅では,居住する自治会による見
いんちんこうとう
炎,②半夏瀉心湯:口内炎,③黄連湯:口内炎,④茵陳蒿湯:
ご れい さん
びゃっ こ
回り,保健師による巡回保健指導や健康支援活動が行われてき
か にん じん とう
口内炎,⑤五苓散:口渇,口腔乾燥症,⑥白虎加人参湯:口
たが,震災関連死の増加に歯止めが掛かっていない。
はいのうさんきゅうとう
渇,口腔乾燥症,⑦排膿散及湯:歯周組織炎,歯槽膿漏,歯齦
そこで,福島県歯科医師会を実施主体として帰還困難地域の
炎である。今回,7種類の漢方薬を中心に投薬方法の基本と副
仮設住宅入居者を対象に被災地口腔ケア推進事業を実施したの
作用に関してご説明致します。
で,その詳細を概説する。
T003
テーブルクリニック
3
T004
部屋番号:403
テーブルクリニック
4
部屋番号:404
口腔粘膜蛍光観察装置を用いた
口腔粘膜異常および疾患のトリアージへの試み
身につけよう!役立つ咬合印象法
○中島京樹1),柴原孝彦2),野村武史3),柳下寿郎4),
小林 健5),中谷泰志6)
○田中順子,杉立尚城,覺道昌樹,向井憲夫,
佐藤正樹,田中昌博
−術式と技工テクニック−
(1)鶴見大学歯学部口腔内科/大洗中島歯科医院,2)東京歯
科大学口腔顔面外科講座,3)東京歯科大学オーラルメ
ディシン・口腔外科学講座,4)日本歯科大学附属病院歯
科放射線科・口腔病理診断科,5)ルネス青山デンタルク
リニック,6)デジタルワン株式会社・お口の健康株式
会社)
(大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座)
口腔組織異常の中から,全身疾患を含め鑑別する際,口腔に
製作した補綴装置が口腔内で十分な機能を発揮するには,咬
診られる全身疾患の一部としての症状,または軟組織の異形成
合調整が重要になる。しかし,チェアサイドにおいて製作され
つまり悪性度は重要な要素になる。特に,口腔ガンは,ガン全
た補綴装置の咬合面の咬頭や隆線が調整後に消失することはよ
000人超)に過ぎない
体の年間発生率からすると1∼3%(7,
く見られる。
が,死亡率が他の先進国で減少に転じる中,50%に近いわが国
そこで当講座では1/3顎程度までの症例に対し,患者個々
の現状は,早期発見の差と言われている。
の正確な咬合面形態が再現できる咬合印象法を行っている。咬
今回は,症状の鑑別にトリアージという新たな概念を取り入
合印象法は,咬頭嵌合位で「患歯の印象採得」「対合歯部の印
れ,最新の蛍光粘膜観察装置を用いた方法,細胞診など従来の
象」「咬合採得」を同時採得できる。専用のディスポーザブル
診察技術と,開業医から専門医に繋げるネットワークを応用し
タイプのトレーが必要となるが,3つの操作が同時に行え,患
た新たな取り組みを紹介する。
者,術者ともに負担の少ない術式である。やや煩雑な技工操作
も改良したことで簡便に行え,日常臨床での効率性を求める方
法として術式と技工テクニックを報告する。
1
T005∼006
T005
日時
テーブルクリニック
10月21日(金) 13:30∼16:30
5
T006
部屋番号:405
会場
テーブルクリニック
福岡国際会議場405∼406
6
部屋番号:406
サーモフォーミングテクニックを応用した
スキューバダイビングマウスピースの製作法
お口のスポーツ外傷予防は
歯科医師が製作したマウスガードで‼
○上野俊明1),藤野祥子1),安部圭祐1),黒川勝英1),
中禮 宏1),島田 聡2),磯山永次郎2),松井亮介3)
○木本一成1∼3),辻村正康2∼4),羽田京太郎2,3),
品川 隆2,3,5), 村松仁志2,3), 嶋村政博2,3),
杉山義祥2,3)
(1)東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科スポーツ医
歯学分野,2)磯山歯科(東京都)
,3)ま ち か ど 歯 科 医 院
(東京都)
)
(1)神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔科学講座口腔衛
生学分野,2)一般社団法人かながわスポーツ・健康づく
り歯学協議会,3)一般社団法人日本スポーツ歯科医学
会,4)横浜歯科技術専門学校歯科技工士学科,5)平成横浜
病院歯科口腔外科)
口腔乾燥症歯科領域の潜水障害として圧外傷や顎関節症があ
スポーツ基本計画ではスポーツマウスガード(S-MG)の有
り,海外では Diver s mouth syndrome とも呼称される。顎関
効性に言及し,スポーツ外傷予防効果啓発の必要性を掲げてい
節症の有症率は24%∼68%と報告され,男性より女性に,海水
る。当協議会ではトップアスリートを含む成人等に対して S-
温も低く冷たいほうが発症しやすいと示唆されている。
MG を提供しているが,その初診時問診では市販のストックタ
発症機序はダイビング用既製マウスピースによる下顎の前方
イプやマウスフォームドタイプを使用している選手がおり,
誘導と顎関節の変位,マウスピース保持のためのクレンチング
「外れやすい,会話しにくい,違和感がある」等のプレーに集
による顎筋や顎関節への過剰負荷等が指摘されている。こうし
中できないとの短所を表すことから,歯科臨床でのカスタムメ
た Diver s mouth syndrome を予防し,安心安全なダイビング
イドタイプ S-MG の製作が望まれる。また,学齢期からのス
の普及を目的に,サーモフォーミングテクニックを応用したス
ポーツ外傷予防として S-MG 普及を図り,積極的に啓発しなけ
キューバダイビングマウスピースを考案したので,その製作法
ればならないと考える。本テーブルクリニックでは,高加圧成
を紹介する。
型器を用いたマルチレイヤー(二層)S-MG の製作工程を紹介
する。
*
*
2
*
T007∼010
T007
日時
テーブルクリニック
10月22日(土) 9:00∼12:00
7
T008
部屋番号:401
会場
テーブルクリニック
歯周組織再生療法の治療戦略
成功に導く一工夫
歯周外科の基本手技
○小野晴彦
○中島稔博
福岡国際会議場401∼404
8
部屋番号:402
∼出血の少ない手術を行うために∼
(おの歯科医院)
(なかしま歯科クリニック)
歯周組織再生療法が臨床応用されるようになって約30年,エ
歯周外科処置の目的に,起炎因子の徹底的な除去,確実な骨
ムドゲインの応用が可能となって約20年が経過し,その間様々
欠損形態の把握が挙げられる。そして,それを確実に行うため
な術式,材料が登場した。2016年現在,適応症や使用する材料
には,より出血の少ない手術を行い,術野を明示することが重
についてはある程度整理が出来てきた感があるが,まだ確実な
要となる。術中の出血の原因としては,患者の全身状態や,服
方法とは言い難い。
用している薬物などに左右されることはあるものの,基本的に
そこで今回は,筆者が2000年頃より再生療法に積極的に取り
は,歯周基本治療の不足,切開,剥離などの器具操作の不備
組んできた経験と最新の知見をもとに,成功に導くための工夫
や,不良肉芽組織の除去不足などによるものが多いと考えられ
として,術前の診断と治療戦略,実際の術式やメインテナンス
る。今回は,歯周外科処置において,術中の出血を極力少なく
についてまとめてみたい。この発表が先生方の臨床の一助とな
し,スムーズな手術ができるようにするための切開剥離におけ
り,国民病である歯周病の一つの改善策となれば幸甚である。
る器具操作や,debridement の手順,そして使用する器具など
についてビデオなどを交えて解説したい。
T009
テーブルクリニック
9
T010
部屋番号:403
テーブルクリニック 10
部屋番号:404
歯周病を有する患者への咬合再構築の
重要性について
顎矯正手術後のオトガイ部皮膚感覚に
関する研究
○林
○出澤 幸,野間
今村佳樹
美穂,柳川淳子
(歯科・林美穂医院)
昇,渡邉広輔,関根尚彦,
(日本大学歯学部口腔診断学講座)
広汎型の歯周炎を伴う患者において咬合の問題を抱えている
顎矯正手術後早期・中期の感覚障害の詳細を検討することを
ケースに多く遭遇する。歯周病の進行の増悪因子として咬合性
目的として,ドイツ神経障害性疼痛ネットワーク(DFNS)に
外傷があげられるが,歯周病を治療する上で,咬合の問題を解
準じた検査法を用い,口腔顔面領域の体性感覚機能に及ぼす影
決することは歯周炎に罹患した歯の予知性を高める上でも重要
響を検討した。14名の患者群と32名の健康ボランティアを対象
である。また,既に歯周炎により多くの歯を喪失し,咬合崩壊
として自覚的症状と客観的評価結果から検討を行った。
冷覚識別閾値(CDT)
・温覚識別閾値(WDT)
・温冷変調識
を引き起こしているケースにおいては,殆どのケースで顎位を
別閾値(TSL)および触覚識別閾値(MDT)のパラメータが
模索し,咬合再構築が必要である。
そこで,歯周炎を伴った様々なケースを供覧いただきなが
術後早期の定量感覚検査(QST)による自覚症状の予後予測
ら,歯周炎に罹患した天然歯の予知性を高めるための咬合再構
に有用であることが,また Ab 線維の感覚機能と関連した QST
築の方法やキーポイントをお話ししてみたい。
結果(MDT)が客観的な感覚低下を調べる際に,より有用で
あることが示された。
3
T011∼012
T011
日時
10月22日(土) 9:00∼12:00
テーブルクリニック 11
T012
部屋番号:405
会場
福岡国際会議場405∼406
テーブルクリニック 12
部屋番号:406
変形性顎関節症診断のための
パノラマ四分画顎関節撮影法の臨床
顎関節症における運動療法の実際
○五十嵐千浪,小林 馨,杉崎正志,若江五月,
市古敬史,伊東宏和,大蔵眞太郎,駒橋 武,
柏原広美
○中沢勝宏1),田口 望2),和気裕之3),髙野直久4),
島田 淳5),塚原宏泰6),澁谷智明7),野澤健司8)
(1)中沢歯科医院,2)医療法人田口歯科医院,3)みどり小児
歯科,4)髙野歯科医院,5)医療法人社団グリーンデンタル
クリニック,6)塚原デンタルクリニック,7)日立製作所横
浜健康管理センタ,8)野澤歯科顎関節研究所)
(鶴見大学歯学部口腔顎顔面放射線画像診断学講座)
変形性顎関節症の診断基準は画像所見であり,パノラマ X
顎関節症の本態は,筋骨格系の運動障害であることから,そ
線像の解釈は一般診療において重要である。顎関節四分画撮影
の初期治療として運動療法が有用であることが知られている。
法は,通常のパノラマ X 線撮影より側方から下顎頭に X 線が
運動療法は,正常な筋と関節の快適性,機能性および安定性を
入射され,顎関節部のほぼ側面像を描出できる。撮影時は最大
作り出すとともに,それらを維持するために重要である。即時
開口位にするため下顎頭と側頭骨との重複を避け,顎関節部の
効果があるだけでなく,的確な応用や毎日の実践により,中,
骨変化の評価が容易になり,下顎頭の前方滑走運動も評価でき
長期にわたる効果に結びつき,患者満足度も高い。運動療法に
る。
は術者が行うものと,術者の指導により患者自身が行うセルフ
今回は顎関節四分画画像から日本顎関節学会が提唱する,骨
ケアがあるが,現在,これらを学ぶ機会はあまりないと思われ
皮質の断裂を伴う吸収性骨変化(erosion)
,骨辺縁部の局所
る。今回は,患者の病態を把握するための診察・検査の仕方
的な骨増生(osteophyte)
,吸収性変化を伴う下顎頭の縮小化
と,病態に合わせた運動療法の行い方,患者指導の仕方につい
(deformity)の画像を供覧し,顎関節症と鑑別が必要な顎関
て実技を交え解説する。
節疾患を示すことで,日常臨床の一助となることを願う。
*
*
4
*
T013∼016
T013
日時
10月22日(土) 14:00∼17:00
テーブルクリニック 13
T014
部屋番号:401
マテリアルの進化とその恩恵
会場
福岡国際会議場401∼404
テーブルクリニック 14
部屋番号:402
再生療法の選択基準
∼EMDの臨床応用について∼
○池上龍朗
○吉田
(富山歯科クリニック)
茂
(吉田しげる歯科)
近年の歯科におけるマテリアルの進化には,目を見張るもの
再生療法というものは,他の歯周外科処置と比較して,治療
があります。その中で特に進化を遂げたものとしては,「歯面
条件によって結果が大きく左右されるセンシティブな治療であ
接着(Bonding)
」が挙げられると思います。CR を主としたそ
る。
の接着性能,物性,そして審美性は,過去のものとは比べ物に
一見同じように見えるケースであっても治療結果に差が出て
ならないほど飛躍的に向上し,フッ素徐放性や抗菌作用などの
しまう,あるいは同じように治療をしたはずなのに結果が思わ
多機能性を持つまでに至りました。
しくない等という状況を改善するには,目の前にいる患者の口
このようなマテリアルの進化が,我々臨床医にどのような恩
腔内が,再生療法を行うのに有利な状況であるのか,詳細かつ
恵をもたらしてくれるのか,そしてその能力を引き出すために
客観的に判断する必要がある。
何に留意すべきなのかについて,私なりに考察してみたいと思
今回のテーブルクリニックでは,骨内欠損や根分岐部病変に
います。
EMD を使用するにあたり考慮すべきポイントを,臨床例を交
皆様の明日からの臨床の一助となれば幸いです。
T015
テーブルクリニック 15
えながらお話ししたい。
T016
部屋番号:403
テーブルクリニック 16
部屋番号:404
歯周組織再生療法 臨床における現実
フッ化物局所応用の新しい考えかたと
術式
○
○晴佐久 悟1,2),荒川浩久1,3),相田 潤1,4),
眞木吉信1,5),磯崎篤則1,6),井下英二1,7),
川村和章1,3),八木 稔1,8),小林清吾1,9)
光弘
(医療法人
歯科医院)
再生はどのようにして起こるのか?
(1)一般社団法人日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会,
2)
福岡歯科大学口腔保健学講座,3)神奈川歯科大学大学
院口腔科学講座口腔衛生学分野,4)東北大学大学院歯学
研究科国際歯科保健学分野,5)東京歯科大学衛生学講座,
6)
朝日大学歯学部口腔感染医療学講座社会口腔保健学分
野,7)滋賀県衛生科学センター,8)新潟大学大学院医歯学
総合研究科口腔生命福祉学講座口腔保健学分野)
組織修復は炎症と密接
に関連し,炎症は「局所に作用した傷害因子に対する防御反応
近年,フッ化物等の普及により,乳幼児期や学齢期における
と修復反応」と定義される。従って歯周組織再生療法において
は,組織再生の3要素に加え“感染”と“力”のコントロール
う
は減少傾向にある。しかしながら,う
も重要な要素と考える。近年,マテリアルの進歩が著しいが,
や,成人・高齢者のう
の地域格差の縮小
予防対策のために,さらなるフッ化物
応用の普及が期待される。フッ化物配合歯磨剤は,市場占有率
日常臨床では与えられた条件のもと,先人たちが積み上げてき
が約90%を占めており,様々な製品が市販されている。フッ化
た知識や技術,CBCT などの先進の診査を駆使して歯周組織
物洗口は,100万人以上の小児が集団で実施しており,2015年
再生療法を成功に導かねばならない。
に集団用の製剤及び OTC 医薬品としてセルフケア用の洗口液
本テーブルクリニックでは,生体が本来持っている創傷治癒
が発売された。フッ化物歯面塗布では,2010年に酸性のフォー
能力を最大限発揮にさせること,起炎因子に関わる歯髄象牙質
ム状の塗布剤が発売された。これらの製品開発に伴い,応用法
複合体や咬合を考慮した臨床をご提案したい。
において新しい考え方や術式が出てきた。そこで,実際の製品
を用いながらそれらについて紹介する。
5
T017∼018
T017
日時
10月22日(土) 14:00∼17:00
テーブルクリニック 17
T018
部屋番号:405
歯冠破折の MI 審美修復
会場
福岡国際会議場405∼406
テーブルクリニック 18
部屋番号:406
ジュニア期の外傷歯治療と
マウスガード調製のコツ
−成長発育と患部保護を考える−
○冨士谷盛興,友田篤臣,竹口あゆみ,堅田和穂,
岸本崇史,掘江 卓,千田 彰
○上野俊明,白子高大,吉田結梨子,塩田菜々,
田邊 元,矢野 顕,中禮 宏
(愛知学院大学歯学部保存修復学講座)
(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科スポーツ医歯
学分野)
切縁隅角を含む前歯の歯冠破折において(WHO の分類:
ジュニア期の歯科外傷発生頻度は比較的高く,発生機序も日
2−6,Ellis&Davey の分類:Class2)
,MI 審美の概念に基
常の遊びから交通事故,また学校体育・部活動やスポーツ中の
づいた治療法の第1選択はコンポジットレジン修復であろう。
転倒,転落,対人・対物衝突など様々である。外傷歯治療で
このような症例では,レジンの強固な接着,およびレイヤリン
は,外傷歯学会ガイドラインに従って的確な診断と処置を行
グテクニックによるレジンの色調の調和を図ることが求められ
い,成長発育を含めフォローアップするべきである。治療中ま
る。
たは直後から運動・スポーツ活動に参加(復帰)を許可する場
本テーブルクリニックでは,ワンステップボンディング材の
合,不安定な患部の保護対策を講じる必要がある。その際マウ
確実な接着を得るために外せない点,ならびにマトリックス法
スガードの着用が有効であるが,適正に調製されないと十分効
による2色から始める簡易なレイヤリング修復やシリコンガイ
果を発揮しない。
そこで今回,ジュニア期の外傷治療症例を例にとって,マウ
ド法による多色レイヤリングテクニックなどについて,それら
スガードのデザインを解説し,調製のコツを紹介する。
の注意点と勘どころをハンズオンデモを交えて解説する。
*
*
6
*
T019∼021
T019
日時
10月23日(日) 9:00∼12:00
テーブルクリニック 19
T020
部屋番号:401
会場
福岡国際会議場401∼403
テーブルクリニック 20
部屋番号:402
医科 ― 歯科連携症例を交えて
超高齢化社会を斬る
これだけは押さえておきたい審美領域の
リスクマネジメント
○小出康史
○野澤
(公益財団法人慈圭会慈圭病院歯科)
健
(新潟再生歯学研究会)
2025年には高齢化率が30%を超えると予想されている。医科
この10年歯周形成外科やインプラント審美修復では,新たな
では,高度専門医療施設,地域での慢性疾患やリハビリテー
概念や術式,そして材料が生まれ,時代のトピックスとして脚
ションを取り扱う病院,外来を主軸とする診療所など機能に応
光を浴びてきた。しかし生体の許容範囲を超えた治療は,審美
じた分化がすでになされている。我々歯科医療人も様々な医療
的な危機を招き次第に姿を消しつつある。
形態に対応する時期に来ている。高齢化社会において様々な疾
本講演では審美治療のゴールである前歯部歯周組織の特徴
病を抱えて来院する患者が増加することは必然であるため,自
(辺縁歯肉と歯間乳頭を中心に)を解説し,問題となる歯肉形
医院内での完結医療のみならず,地域包括ケアに伴う往診や嚥
態の不調和を三次元的に分析する。そして組織のリモデリング
下障害などのリハビリテーションの知識や技術の習得が必要と
を考慮した低侵襲の歯周形成外科手術を紹介し,理想的な歯肉
される。また,他職種との連携も必須と考える。超高齢化社会
形態を誘導する補綴術式を提示する。後半では演者らが提唱し
を迎える前に,医科−歯科連携症例を通じて今後の歯科医療人
た生物学的比率の概念を歯周−補綴学的観点から総括し,歯周
がなすべき道標を皆様と考えたい。
組織と調和したインプラント審美修復について解説する。
T021
テーブルクリニック 21
部屋番号:403
成長因子濃縮フィブリンの臨床的検討
○林
正人
(臨床器材研究所)
*
骨造成の手技手法はこれまで数多く報告されているが,骨再
生の早さおよび術後の免荷期間を短縮していくことは大きな課
題となる。なぜなら,咬合回復の遅延は,口腔内全体の咬合破
壊に繋がりかねないからである。骨形成時における X 線所見
の透過像から不透過像への推移は,骨の再生機序を考慮すると
一般的に術後半年以上の期間が必要と思われる。しかし,今回
の症例では,従来の骨造成に成長因子濃縮フィブリン(Growth
factor Rich Fibrin:以下 GRF と略す)を併用することによっ
て,早期に新生骨再生を示唆する X 線不透過像を確認するこ
とができた。そこで今回,GRF を併用した症例を通して,GRF
の効果を考察してみたい。
7
*
*
T022∼023
T022
日時
10月23日(日) 9:00∼12:00
テーブルクリニック 22
T023
部屋番号:404
会場
福岡国際会議場404∼405
テーブルクリニック 23
部屋番号:405
−課題と対応−
抗 Porphyromonas gingivalis
lgG 血症の自動測定による迅速診断
○小谷博夫
○髙柴正悟
睡眠時無呼吸症候群の歯科治療
(小谷歯科医院)
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯周病態学分野)
SAS 治療に歯科から関与する機会が,この10年間で拡大し
歯周病の検体検査として,Porphyromonas gingivalis に対する
SAS の歯科治療の認知度が高まってきた。患者にとっても福
IgG 抗体価検査を提唱してきた。糖尿病など歯周病関連疾患の
音となったに違いない。しかし,OA 治療が普及すると同時に
歯周病検査として,医科歯科連携の現場での共通用語として用
OA 治療のドロップアウト症例も増加してきている。
いられることを期待する。
SAS 治療の現状を重症度・肥満度・OA 治療のドロップア
これまでは,全菌体の破碎抽出抗原を用いていたため検査用
ウト患者の観点などから検討し,OA 治療では骨格系因子に起
抗原にバラツキがあり,マニュアル操作による検査であったた
因する非肥満 SAS への効果が期待された。
め時間がかかった。
OA 治療を装置面からみると顎口腔機能を考慮した装置の応
このたび,遺伝子組換えにより特異抗原を安定的に供給で
用の有効性が示唆された。
き,測定反応・操作の高速自動化に成功し,検査の感度・特異
度が向上した。今後は,医科歯科共通検査となり得る。
OA 治療を取り巻く問題としては,導入時のインフォームド
コンセント・モチベーションの高揚・評価の方法・医科との連
携・メンテナンスなどの重要性が明らかとなった。
*
*
8
*
T024∼027
T024
日時
10月23日(日) 14:00∼17:00
テーブルクリニック 24
T025
部屋番号:401
歯内療法を行うための
修復物除去に関する各種テクニック
会場
福岡国際会議場401∼404
テーブルクリニック 25
部屋番号:402
歯周ポケット治療およびフラップ手術に
おける Er : YAG レーザーの応用
−安全かつ効率的な除去を目指して−
○木ノ本喜史1),林
○青木 章,水谷幸嗣,谷口陽一,渡辺
和泉雄一
美加子2)
久,
(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病 学
分野)
(1)医療法人豊永会きのもと歯科,2)大阪大学大学院歯学研
究科口腔分子感染制御学講座(歯科保存学教室)
)
歯内療法を開始するにあたり,冠や支台築造の除去を伴う
レーザーは,その蒸散,止血,滅菌などの優れた効果によ
ケースは多い。しかし,それらは本来はずれないことを目的に
り,歯周治療における有効な手段となっている。なかでも Er :
作製,装着されているため,その除去には困難が伴う。冠や支
YAG レーザーは,水への吸収が極めて高い特性により,従来
台築造を除去する必要があると,歯内療法の開始前に集中力や
の高出力レーザーとは異なり,軟組織のみならず硬組織におい
気力を使い果たしてしまったことはないだろうか。それらを除
ても優れた蒸散能力が認められ,歯周組織において,歯石,歯
去するにはさまざまな方法があるが,本発表では簡便でしかも
根面および骨組織への応用も可能となった。特に,組織の熱変
歯質の削除量を最小にする除去法を紹介する。
化が非常に軽微であるため創傷治癒は良好であり,臨床上非常
に安全なレーザーである。
具体的には,冠除去においては切削を最小にしてそのまま撤
去冠を暫間冠として使用できる方法であり,支台築造除去にお
本講演では,軟組 織 治 療,従 来 の 機 械 的 治 療 に Er : YAG
いてはポストを切削することなく除去する方法である。動画で
レーザーを併用した包括的歯周ポケット治療(Er-LCPT)
,お
症例を供覧するので,是非臨床の参考にしていただきたい。
よびフラップ手術や再生治療における Er : YAG レーザーの応
用について紹介する。
T026
テーブルクリニック 26
T027
部屋番号:403
テーブルクリニック 27
部屋番号:404
歯肉溝滲出液(GCF)を使用した
歯周病迅速診断キットの応用
矯正用アンカースクリューの埋入術
○沼部幸博1),伊藤
○大西祐一,藤井智子,渡辺昌広,窪
覚道健治
1)
弘1),上原
−標準術式と周術期管理−
直1),橋本修一2)
2)
( 日本歯科大学 生 命 歯 学 部 歯 周 病 学 講 座, 日 本 歯 科
大学)
寛仁,
(大阪歯科大学口腔外科学第二講座)
本邦での歯周病有病率は未だに高く,これは歯周病の検査・
近年,矯正治療において歯を移動する際の矯正力の固定源
診断・治療技術が不十分であることを示唆し,さらに平成28年
として,歯科矯正用アンカースクリュー,あるいは歯科矯正用
度の歯科診療報酬改定では,歯周病の重症化予防に焦点が当て
ミニプレートとスクリューで構成される Skeletal Anchorage
られている。
System(SAS)を顎骨に埋め込み,歯に強い力をかけられる
歯肉溝滲出液(GCF)は各歯の部位別病態を反映する多彩
ようになった。顎骨に固定源があるため今まで困難であった大
な情報を含み,簡便かつ無痛的に採取可能な優れた検査試料で
臼歯の圧下や近遠心移動が可能である。
ある。
また矯正治療期間の短縮をはかれるだけでなく,症例によっ
本テーブルクリニックでは,チェアサイドで迅速に GCF 中
ては骨格性不正咬合の術前矯正治療にも用いられるようになっ
の成分を検出,炎症反応を探知可能な迅速診断キットの原理,
た。
使用方法,歯周治療への応用の実際を示すと共に,SPT 時や
当科での使用症例を提示しながら,適応症,手技,リスク等
インプラント治療の予後の検索への可能性に言及する。(文部
について紹介する。
科学省科学研究費助成金:基盤研究 C,課題番号26463146の助
成を受けた)
9
T028∼029
T028
日時
10月23日(日) 14:00∼17:00
テーブルクリニック 28
T029
部屋番号:405
会場
福岡国際会議場405∼406
テーブルクリニック 29
部屋番号:406
歯冠色修復材の効果的な研磨法
歯科医療の ICT サービス:遠隔画像
診断サービスの実際とその有用性
○長谷川 充1,2),石川明子1),北 大樹1),中西生美1),
干川 摂1),松村和洋1),櫻田綾子1),河合麻友1)
○江島堅一郎1),澤田久仁彦1),荒木正夫1),四井資隆2),
古跡孝和2),小久保崇史3),新井嘉則1),本田和也1),
清水谷公成2)
(1)日本歯科大学附属病院ホワイトニングチーム,2)長谷川
歯科医院)
(1)日本大学歯学部歯科放射線学講座,2)大阪歯科大学歯科
放射線学講座,3)メディア株式会社)
自然な色調を求めるニーズの高まりとともに,現在,様々な
現在,歯科医院(以下,依頼側)が歯科用 CT やパノラマ X
歯冠色修復材が開発され,臨床に広く用いられている。また,
線写真などを撮影し,その読影について遠隔画像診断を利用し
各種歯冠色修復材に適した研磨システムも数多く開発されてお
た場合,「歯科画像診断管理加算」が依頼側で請求可能となっ
り,その選択枝の多様さから,歯冠色修復材と研磨システムの
ている。
我々はこの点に着目し,保険請求を前提とした遠隔画像診断
組合せに迷うことは多い。
サービスを立ち上げた。本サービスを契約する歯科医院は,最
さらに,不適切な手技による研磨操作により,修復物光沢感
近増加傾向へ転じており注目されつつある。
の欠如や,不快な舌感,着色等の不快症状が引き起こされるこ
遠隔画像診断は,医科領域では,すでに多くの施設で実施さ
とは広く周知されている。また,早く効果的な研磨操作は,
れており,専門医の高い読影スキルによって,地域医療連携に
チェアタイムの短縮や,患者満足度の向上に繋がる。
貢献している。
今回,各種歯冠色修復材に用いる研磨システムの選択と効果
本テーブルクリニックでは,遠隔画像診断サービスの実演を
的な研磨法について,実演し解説を行う。
行い,そのフローや機器などの詳細について説明する。また併
せて,画像診断の重要性についても解説する。
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