70.旬の魚「ホウボウ」2014年2月

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■■株式会社うおいち メールニュース Vol.382
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―――――――――――――――――――――――――――2014.2.22
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◆◆「旬の魚」 No.70
ホウボウ
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ホウボウは色・体形共に特徴があり、一度見たら記憶に残ること間違いなしです。
味も良いので、お店で見かけたときはぜひ購入して食べてみてください。美味しさも
記憶に残ることでしょう。春から夏の産卵期に向けて寒い時期、魚体に栄養を蓄えます。
そんなホウボウをご紹介します。
● ホウボウの写真
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こんな魚
頭が大きく、こん棒のような体形をしています。全長は約 40cm で、頭部背面は硬い骨質板で
覆われています。体色はぱっと目を引く赤褐色で、大きな胸びれを持っています。この大きな
胸びれは閉じていると全くわかりませんが、広げると内側には鮮やかな色彩の膜があります。
明瞭な青色に縁取られた深緑で、青い斑点が散らばっています。この斑点は、死んでから時間が
経つと消えてしまいます。またこの胸びれは、敵を驚かすのに役立っているという説があります。
沿岸の浅めな砂泥底に生息しており、エビやカニ、貝類、小魚を食べる肉食です。
分布図
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■ 鳴いて歩ける魚
「歌って踊れる○○」なんて言葉がありますが、ホウボウは鳴いて歩ける魚と言えます。
体内のうきぶくろが「鳴き袋」と呼ばれており、収縮させることにより「グーグー」と音を
出すことが出来るのです。この音は繁殖期にのみ出されることから、成熟した繁殖相手を
呼んでいると推測されています。
ホウボウが大きく美しい胸びれをたなびかせて泳いだらさぞや優雅な姿でしょうが、実は
あまり泳ぎが得意ではありません。胸びれの下部分から 3 本の鰭条が分離独立し、まるで
虫の細い足のようになっています。夜行性で普段は夜間に、その細い足のようなものを左右に
チョコチョコと突き出して砂底を歩くのです。しかもその表面は感覚細胞が発達しており、
このセンサーを利用して、砂底に潜んでいる小さい生物を見つけ出して食べます。
■ 名付けられる魚
「ホウボウ」という名前は、うきぶくろの収縮による「グーグー」という音にちなんで
つけられたという説や、餌を探して歩く姿が這っているように見えることから「はう」→
「はうはう」→「ほうぼう」に転じたという説があります。どちらの説にしても、正に名が
体を現しています。
ホウボウは世界に仲間がおり、英名も和名と同じように音と関連した言葉が使われています。
Gurnard や Bluefin searobin と言い、Gurnard はぶつぶついう人を、searobin は海のコマドリ
を意味します。海外でもホウボウ類が同じ認識で捉えられていることがわかります。
地方では、キミウオやコウボウと呼ばれています。キミウオは君魚と書き、君は殿様を
意味します。殿様が食べる魚とされたことからきているそうです。
■ 仲間の魚
仲間にカナガシラという魚がいます。ホウボウと同じカサゴ目ホウボウ科ですが、こちらは
カナガシラ属です。ホウボウよりやや小型ですが、同じように頭が大きく金づちのようである
ことから「金頭(カナガシラ)」と呼ばれています。胸びれの下部分から 3 本の鰭条が分離独立
している所はホウボウと同じですが、胸びれは小さく内側に青い斑点が見られません。またウロ
コが大きく体表がざらざらとしていることも、ホウボウとの区別になります。
よく似ていることから、ホウボウのことを「カナガシラ」と呼ぶ地域もあり、なかなかやや
こしいです。
● カナガシラの写真
■ 祝いの魚
ホウボウは鯛やキンメダイと同じように赤い色がおめでたいと、昔からお祝い事がある時に
食べられています。結婚で嫁を迎える時に、ホウボウを 2 尾角樽に乗せて持っていくという
風習がある地域があります。その他、頭部の骨板を鎧と兜に見立てて「強い子になるように」
とか、ホウボウが鳴くことから「夜鳴きをしないように」という願いを込めてお食い初めの
魚としても利用されます。
尾頭付きで料理が出来る大きさで、なおかつ見栄えが良いという所も、この魚が祝い魚として
選ばれる理由かもしれません。
■ おいしい魚
ホウボウを専門に獲る漁はなく、他の魚と混じって底曳き網を中心に、刺し網などで漁獲
されます。東シナ海では周年漁獲されますが、特に冬から春にかけて多くなる時期です。
白身で淡白な味で、張りと歯ごたえがある身質をしています。寒い時期が旬で、刺身や
塩焼き、煮付け、唐揚げにしておいしく食べられます。アラから良い出汁が出るので、
ブイヤベースや鍋物にも御薦めです。
■ おいしいレシピ
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● ホウボウの湯引き
鮮度の良いホウボウが手に入りましたので刺身にしました。
半分は湯引きで、半分は皮を引いて頂きました。
料理写真
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【材料】
ホウボウ…片身分
【作り方】
①ホウボウを背身と腹身に切り分ける。
②背身の皮側に布ふきんをかぶせ、熱湯をかけてすぐに氷水で締める。
③腹身は皮を引く。
④②・③を薄作りし、できあがり。
付け合せはお好みで!!
● ホウボウと里芋の煮付け
ホウボウを里芋と一緒に煮付けました。
うすいえんどうを別茹でして飾ると、ちょっとした彩りに!
ほろっとした身が最高です。
料理写真
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【材料(2 人分)】
ホウボウ…大きめ 1 尾
里芋…8 個
☆煮汁
料理酒…3/5 カップ
醤油…3/5 カップ
みりん…大さじ 4
水…4/5 カップ
【作り方】
①ホウボウを切身に加工。
②里芋の皮を剥き、食べやすいサイズに切る。
③調味料をあわせて煮汁を作り、火にかける。
④沸騰した煮汁にホウボウと切った里芋を入れる。
落し蓋をし、中火で煮込む。
⑤具材に火が通れば完成。
■旬の魚のバックナンバーはこちらから
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/main_bknum_fish.asp
参考:現代おさかな事典 (株)エヌ・ティー・エス
食材魚貝大百科 第 2 巻 貝類+魚類 (株)平凡社
冬の食材
春の魚 (株)講談社
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