デビュタント・バル - Le Bal des Débutantes de Paris

2014年、
第22回を迎えたデビュタント・バル
総集編
25ansを彩った令嬢80人!
デビュタント
ALL STARS
毎年、華やかに開催されるパリのデビュタント・バル。
若き令嬢たちが社交界にデビューするこの催しは、世界中の熱い注目を集める唯一無二の
“舞踏会”です。
シャイヨー宮を舞台に、2014年11月に行われたバルの模様を徹底レポートします。
併せて、長く取材を続けてきた25ansならではのスペシャルな写真を披露。
創刊35周年を記念し、夢のデビュタント・バルの歴史を振り返ります!
159
シャイヨー宮で第22回のバルが華やかに開幕!
16歳から21歳まで。
世界の令嬢が
パリ社交界にデビュー!
知性と美しさが際立つ令嬢たち。
オートクチュールのドレスを見事に着こなして
改めて知りたい!
デビュタント・バルのすべて
P.162
Interview
25ansとキーパーソンが
振り返る
「デビュタント」とは?
P.164
Report
2014年の
最新ヒロインはこの24名!
P.172
Column
1992年の第1回から現在まで
麗しのストーリー
P.173
25ans Archives
期待と夢に胸躍らせて、一生に
一度の日を迎えた世界12カ国
のデビュタントたち。数カ月前
から準備を進め、オートクチュー
ル・メゾンのドレスに身を包みま
した。
バルマスター、ステファン・
ベルン氏を囲んで。
161
1996年から取材
誌面を彩った世界の令嬢たち
160
25ansとキーパーソンが振り返る
古くはヨーロッパ貴族の習わしだったデビュタントのための舞踏会。
なかでもこの“ル・バル”が最も注目を集めているのはなぜなのか、検証します!
そもそも“デビュタント舞踏会”とは?
世紀のヨーロッパでは、貴族の子女が社交界にデビュー
するための舞踏会が行われていました。
「純白のドレス、グ
ローブ、ティアラを身につけ1年間レセプションに参加する
のです」
(オフェリーさん)
。
「修道院を出た令嬢を宮廷で紹
介するソサエティもありました。結婚のためにも大切なこと
だったと思います」
(ステファンさん)
。英国では 歳になる
と王族に謁見し、舞踏会で踊るという習慣もあったそう。大
人への第一歩といえるでしょう。
なかでもこのバルが特に注目を集めるのはなぜ?
もちろん、デビュタント・バルは現代の欧米でもさまざまに
行われていますが、ほとんどは参加費を払う通常のパーティ
に近いシステムで、大規模なもの。このバルは「クチュール
メゾンのドレスであること、選ばれた数少ない参加者だけの
ものである点が異なります」
(オフェリーさん)
。 ~ 歳前
後という若さでありながら、最高峰のオートクチュールやハ
イジュエリーの着こなし、洗練されたマナーと知性が求めら
れるのです。「フランスのエレガンスそのものの象徴です」
(オ
フェリーさん)
。
「グラムール、礼儀作法、空間…クリヨンや
シャイヨー宮などは、歴史と近代のミックスされた場所でも
あります。モードの首都パリの伝統がオートクチュールに凝
縮されているのです」
(ステファンさん)
月に行われていたデビュタント・バルですが、現在
バルの一日はどう進行するの?
当初
は 月末の開催。
「学業を優先する令嬢たちの意見を尊重
しました。サンクスギビングの休暇を過ごすファミリーも
一緒に参加してくれています」
(オフェリーさん)。前日に
リハーサルを行い、当日は午前中からヘア&メイク、ジュ
エリーやドレスのフィッティング。
「リラックスした雰囲気
に始まり、徐々に表情も引き締まって、ほどよい緊張感が
生まれてきます」と毎年取材を担当しているコーディネー
ターの下田あゆみさん。この若さで、堂々とクチュールを
着こなす姿は毎回素晴らしいもの。
「特に乗馬をたしなむ
デビュタントは姿勢も美しく本番に動じない強さを感じま
す」
。数カ月かけて準備をし、それぞれに似合うドレスを選
びます。もちろんワルツなどダンスのレッスンも必須。本
番では、エスコートのキャヴァリエと共に入場。一人ずつ
紹介され、ディナー、舞踏会へと進みます。
選ばれるのはどんな参加者たち?
王室や貴族、芸術家の令嬢が多く参加しています。
「共通
するのは、知的で礼儀正しく、自分の意見をもった女性で
あること。お母様にお会いするとどのような教育をされて
いるかよくわかります」
(オフェリーさん)。決して美しい
だけのわがままに育った女性ではないのです。もちろんグ
ローバルなイベントだけに「多くの国から参加しています。
デビュタント自身も、国籍を超えてきちんと交流できる人
ばかり」
(オフェリーさん)
。その洗練された姿に世界が夢
中になるのです。
「世界中のメディアの前に立つときに、自
分のコンディションをベストにコントロールできる力も大
切です」
。また、社交性も必要な要素。
「学校やファミリー
など、自分が置かれた環境に適応することで育まれるので
はないでしょうか」
(オフェリーさん)
年以上のバルの歴史のなかで変化したことは?
多くのハイブランドと共にエレガントな世界を構築してき
ました。
「特に、1996年から 年間のミキモトのサポー
トはとても大きかったと今も感謝しています。オーガナイズ
も洗練され、進化しました。これからもフランス流のエレガ
ンスに注目してください」
(オフェリーさん)
。
「参加するデ
ビュタントは、よりモダンに、より国際的に、より自立して
いるようです。きちんと未来を見据えている女性が増えて
いると感じます」
(ステファンさん)
ローレン・ブッシュ●叔父ジョージ・
W・ ブッシュ氏が大統領就任直前
だったこともあり大きな話題に。翌
2001年は同時多発テロの直後で、ア
メリカの令嬢たちを心配したことが
忘れられない、
とオフェリーさん。
2014年のバルより。創設以来、オテル・
ド・クリヨンで行われてきたデビュタン
ト・バル。今回は改装中のためシャイヨ
ー宮が舞台です。上はダンスタイム、左
は出番を待つバックステージ。
20
アメリカの令嬢に世界中の
メディアが殺到した2000年
美しい空間に流れる時間も
何物にも代えがたい宝物
18
16
中国からも初参加!
思い出深い2003年
建築家I・M・ペイの姪、
ペネロペ・ペイ・
タンや現在はジュエリーデザイナーと
して活躍しているバオ・バオ・ワンな
どが参加。
アジアの女性たちも増えて
きました。
「初めての中国系デビュタ
ントが実現した年。
やはり感慨深いで
すね」
(オフェリーさん)
。もちろんヨ
ーロッパ、
日本、中東などからも参加。
さまざまな国籍の令嬢が集ま
ることでも有名。例えば2007
年の1シーン。
〈右から〉アンナ・ウォレンバー
グ●スウェーデンで最も有名
な名門財閥出身の18歳。華麗
なドレスはベン・デ・リシ。
アレクサンドラ・コラシンスキ
●母は出版社アスリーン社主。
真紅のヴィオネを完璧に着こ
なしたエレガントな16歳。
タラ・スーチン●画家スーチン
の親族。スイス生まれ、ボスト
ンの大学に通う。落ち着いた
気品ある18歳でした。
キャスリーン・ケネディ●祖父
はロバート・ケネディ。当時は
スタンフォード大学で歴史を
学んでいた大学生。
ルイス・ハイアット●ランバン
が似合う17歳。フランスの海
外県マルティニークで著名な
名門ファミリー出身です。
ジュディット・ド・ウォーレン
●シャンパーニュのテタンジェ
社の家系。母、義父共に政治家
として活躍中。姉もデビュー。
ハイブランドの協力は、オフェリー
さんの長年にわたる経験とコネク
ションの賜物。右は2004年に使
用されたミキモトの高貴なネック
レス。下は2007年、ディオールで
フィッティング中のタチアナ・マウ
ントバッテン。
さらに多くのメゾン
が協力を惜しみません。
また、バル
では毎回チャリティ団体への寄付
も行われています。
12
162
163
10
よりインターナショナルに。
堂々とした
2007年の16~20歳
ジュエリー、ドレス…
最上級の美意識と共に
19
11
20
特別な舞台
M.Stéphane Bern
バルのディレクター
ステファン・ベルン●約15年バ
ルマスターを務める。小誌連載
や特集でもおなじみのジャーナ
リスト、作家。
さらにTV司会、プ
ロデューサーなどマルチな才能
を発揮。特にヨーロッパ王室、社
交界に詳しく著書多数。2014
年、エリザベス女王から大英帝
国勲章第5位を授与される。
オフェリー・ルノアール●この
バルの創始者・立案者。石油関
係ビジネスに従事していた父の
関係で、幼少時をベトナム、日本
などで過ごし、アメリカ、イギリ
ス在住後フランスに戻る。広報
の仕事を経て、パーティオーガ
ナイズのイベント会社も経営。
http://www.lebal.fr/
「デビュタント・バル」
という
司会進行役のバルマスター
Mme.Ophélie Renouard
Interview
©Abaca/Aflo
Report
2014年の最新ヒロインは
この24名
今回で22回を迎えた
“ル・バル”
では、
24人の令嬢がデビューしました。
ストーリーある家庭に生まれ、
天性の美と知性、
高い志をもつ期待のソーシャライツの、
最高に輝いている瞬間をご覧ください!
Mlle. Eleanor Lam
黒髪に白いドレスが映える
アジアン・ミューズ
エレアノール・ラム●父親は香港の著名な映画監督であり、
エンターテインメント会社も経営するピーター・ラム。現在、
L.A.のペパーダイン大学で心理学を専攻する22歳です。チャ
イナ・キャンドルライト教育基金で資金を集め、中国の恵まれ
ない女の子に支援をするなど、社会貢献に関する活動にも熱
心に取り組んでいます。才色兼備のお手本のような彼女のド
レスは、チュールに施された小花刺繍が華やかで愛らしいクリ
スチャン ディオールのオートクチュールです。
SAR la Princesse
Elisabeth de Bourbon,
Princesse de Parme
気品漂うフランス王家直系の
正統派プリンセス
エリザベス・ド・ブルボン、プリンセス・ド・パルム●ブルボンの姓が
示すとおり父方はルイ14世の家系、母方はロワール地方の貴族の
家系という生粋のプリンセス。パリ・カトリック大学に通う18歳で
す。「3年前、姉のシャルロットのデビュー(P.177)のときに参列し
ましたが、自分がデビューする番となるとまったく違いますね」とや
や緊張気味。
キャバリエは兄が務めました。光沢が美しいアレクシ・
マビーユのドレスは上品な彼女の雰囲気にぴったりです。
165
164
ついにデビュー!
ファミリーたちが見守るなかで …
夢の一夜を実現した
美意識の結晶
“ル・バル”
でのデビュー当日。家族の協力なくしてはこの日を迎えられません。
本人はもちろん、
ファミリーにとっても誇らしく、集大成となる一夜なのです。
デビュタントの誕生を祝福するために、華やかで美しい最高のステージが開幕!
夢のような瞬間を見届けようと、世界中から注目と羨望の眼差しが集まりました。
喜びと緊張の瞬間を見届けようと
世界からセレブレティが駆けつけます!
5
超一流の人々、ブランドが全面的に協力。
すべては最高に輝くこの一夜のために
デビュタントのほとんどは、王室や貴族の令嬢や著名人の子女。
社交界のみならず、世界中のメディアも注目する“ル・バル”
。
“ル・バル”に参加するということは、家族にとっても栄誉の極みです。
2014年11月29日、夢の一夜が華々しく幕を開けました。
1
ドレスをあつらえたり、ダンスやマナーのレッスンを受けたり…
今回の会場は、現在改装中のオテル・ド・クリヨンに代わり、シャイヨー宮に。
本人だけでなく、家族もこの日のためにサポートを惜しみません。
の
ベルギー 妻も
ス夫
プリンセ
6
1
一生に一度しか体験できない特別な舞踏会のために、
8
デビュタントとその家族の喜びは、この一夜に頂点を迎えるのです。
主役となる令嬢とその家族はもちろんのこと、
ディナーを楽しんだ後、バルマスターから紹介を受け、
ドレスや会場に関わる多くのアーティストやメゾンが
キャバリエにエスコートされてダンスフロアに登場するのは、
準備に準備を重ねてきました。最高級のスタイル、クオリティが
最高峰のレディ。家族で喜びを分かち合う瞬間です。
この一夜に結集し、デビュタントの誕生を高らかに祝福するのです。
家の
ブルボン
父娘が ス
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L
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rer
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2
4
2
8 オフィシャルのヘアドレッサーは、ジャン=リ
ュック・ミネッティ率いるアレクサンドル ドゥ
パリ。「ドレスをきれいに見せるヘアを提案し
ています。今年は自分から意見を言う積極的な
デビュタントが多かったですね」 9 当日のメイ
クルームから。
メイクはM・A・Cが担当。
6
7
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Renau
3
7
女優
グ
・ベニン
アネット
167
1 マルゴ・マセネ嬢の華麗なるファミリー。
右側の女性は祖母で、
老舗ジュエラー、
ブシュロンの創業者一族。
左隣は母で、調香師
“ネ”
(仏語で鼻の意)
の称号を持つ一流のパフューマー。右端は父、左端は叔父。
2コ
ンセプチュアル・アートの巨匠、ジョセフ・コスース(左)はノエマ嬢のために参列。
3 エリザベス嬢のデビ
ューを見守るブルボン・ド・パルム家の人々。姉のシャルロット
(左)は2011年にデビューしました。中央
は父のシャルル・エマヌエル王子、右は母のコンスタンス。
4 舞踏会の口火を切るファーストダンスは、由
緒正しきブルボン・ド・パルム家の父娘でした。 5 右はベルギーのエスメラルダ王女、中央は科学者のサ
ー・サルヴァトーレ・モンカダです。
ご夫婦で愛娘アレキサンドラ嬢の晴れの瞬間に立ち会います。
6 娘の
エレアノール嬢と共に、アジアン・ビューティを存分にアピールする女優で歌手のリン・シェー。
7 娘のイザ
ベル嬢のデビューに、
表情も緩む女優のアネット・ベニング。夫のウォーレン・ベイティは残念ながら不参加。 1 晩餐会で提供される料理は、オテル・ド・クリヨンのシェフ、クリストフ
ァー・アッシュが監修。
2 デビュタントが身につけるジュエリーや時計は、
昨年に続きスイスの名門、カールF.ブヘラが提供しています。写真はダ
イヤモンドとサファイアが燦然と輝く
“アラクリア ロイヤル”。 3 イン
テリアデザイナーのシリル・ヴェルニオルが、
会場の花や装飾を担当。
“ル・
バル”にはバラの花をふんだんに使うのが慣例だそう。「今回はホワイト
とグリーンを主体に、ゼブラ柄のクロスなども使い、全体をスタイリッシ
ュでコンテンポラリーなイメージにまとめました」 4 ドレスに合わせた
靴はクリスチャン ルブタンが提供。
5 会場までの移動は専用のルノー車
で。キャバリエが常にエスコートしてくれます。
6 デビュタントたちにも
©Cyril de Plater
人気が高いデザイナー、アレクシ・マビーユ。仲のいいスタイリスト、ヴァ
ネッサ・メッツと 。 7 祝杯のシーンにふさわしいシャンパーニュは、英
国のチャールズ皇太子のロイヤルワラントをもつメゾン、
ローラン ペリエ。 166
オートクチュールを着こなす次世代ソー
最新デビュタント登場!
シャライツ
知性と品格、美貌を兼ね備えたデビュタントたちは、世界中の注目と垂涎の的!
オートクチュールのドレスをまとった姿と共に、彼女たちの華麗なプロフィールをご紹介します。
は
英国代表 ン家
バッテ
マウント ら
か
Mlle. Ella Mountbatten
Mlle. Ginevra
Fontes Williams
ジネヴラ・フォンテス・ウイリアムズ●父はブ
ラジル人の実業家、
母はイタリア貴族の系譜。
リオデジャネイロとローマで育ち、現在はロ
ンドンの大学で哲学を専攻するグローバルな
21歳です。レッド×ゴールドが鮮やかなドレ
スは中国人デザイナー、
グオ・ペイのデザイン。
代表は
ブラジル の系譜
貴族
ア
リ
タ
イ
Mlle. Alexandra
Moncada
エラ・マウントバッテン●英国王室の系譜を継ぐ彼女は、ヴ
ィクトリア女王の子孫。現在、ブリストル大学で心理学を学
び、精神療法医を目指している18歳です。父のアイヴァー・
マウントバッテン卿の影響もあり、慈善活動にも熱心。芸術
的なディテールのドレスはラルフ&ルッソ クチュール。
ルク家に
ハプスブ 校生
連なる高
アレキサンドラ・モンカダ●彼女の母は、
ジャーナリストとしても活躍するベルギ
ーのエスメラルダ王女。アレキサンドラ
は現在、イギリスで学生生活を送る16
歳です。胸もとのビジュー遣いが華や
かなドレスは、ベルギーやオランダのロ
イヤルファミリーも御用達のメゾン、ナ
タンのもの。
Princess Lavinia
Boncompagni
Ludovisi
プリンセス・ラヴィニア・ボンコンパーニ・リ
ュドヴィジ●グレゴワール13世など多くの
教皇、司祭、政治家を輩出するイタリア名家
の出身。18歳の彼女はローマ在住の高校生
です。旅行が好きで、イタリア語のほかに英
語、仏語、
ドイツ語も堪能とか。
ジャンバティ
スタ・ヴァリのドレスがお似合い。
ギー王室
母はベル ンセス
リ
プ
の
直系
Princess Larissa
Windisch Graetz
Mlle. Diane de
Chabot-Tramecourt
プリンセス・ラリサ・ヴィンディシュ・グレーツ●
両親共にハプスブルク家の系譜。現在はローマの
高校で語学と美術史を学ぶ18歳。ロンドンの大
学に進学を希望しているそう。堂々たる立居ふる
まいはまさにプリンセス! エレガントなヴァレ
ンティノのドレスを見事に着こなしています。
ディアヌ・ド・シャボ=トラムクール●両親共にフ
ランス貴族の出身。ビジネススクールでマーケテ
ィングを学ぶ21歳です。
「アメリカ企業での研修
を終えたばかり。将来もグローバルに活動したい」
と意欲的です。知的で大人っぽい雰囲気の彼女に、
上品なラルフ ローレンのドレスがマッチ。
る
知性溢れ ア
リ
オースト 嬢
貴族の令
Mlle. Margot Massenet
マルゴ・マセネ●祖母は老舗ジュエラー、ブシュロンの一族で、
装いや知的な生き方が注目される女性です。母も1991年に自
身でデビュタントを経験。エルザ スキャパレリのロマンティッ
クなドレスが、
17歳の彼女を立派なレディに仕上げて。
Mlle. Léa Gritti
レア・グリッティ●ベネチアのグリッティ・
パレスに起源をもつ貴族の血統。
スイス在
住の16歳です。馬術クラブに属して、コン
ペで入賞したこともあるというアクティブ
な面も。
アズディン・アライアのドレスをま
とった姿は自信に溢れています。
Princesse Alexia von
Auersperg-Breunner
プリンセス・アレキシア・フォン・アウエルスペルグ=ブロイ
ナー●父はオーストリアの由緒ある家系のプリンス、母はギ
リシャ人。ドイツ語、フランス語を巧みに操り、政治や歴史
を学ぶ国際派の18歳です。
エミリオ・プッチ カスタム ガウ
ンのドレスが、知的で上品な彼女の魅力を引き立てます。
Mlle. Mélanie Hottinguer
メラニー・オッタンゲル●オッタンゲル家は18世紀にまでさかのぼ
るスイスの銀行家の系譜で、ヨーロッパでは名の通った家柄。スイ
スを離れ、現在はモナコの高校に通う17歳のメラニー。
パスカル ミ
レのドレスをまとって笑顔で登場する姿が可憐です。
169
168
最新デビュタント登場!
Mlle. Juliette Dell
Mlle. Rose Fisher
ローズ・フィッシャー●祖父はGAPを創業したドン・
フィッシャー、祖母は日本人。母はサンフランシスコ・
シンフォニーの主宰です。現在、スタンフォード大学
で法律を専攻。
2011年にデビューした姉(P.178)
同
様、
彼女もジャン=ポール・ゴルチエの斬新なドレスで。
Mlle. Viola
Jacobsen Mikkelsen
ジュリエット・デル●コンピューター、デルの創業者
マイケル・デルが父。母は父と共に基金を創設し、慈
善事業に携わっています。彼女自身は乗馬に打ち込
み、何度もチャンピオンに輝く腕前。フリルが花びら
のようなドレスはリーム・アクラです。
ヴィオラ・ヤコブセン・ミケルセン●父は俳優のマッツ・
ミケルセン、母は女優のハンネ・ヤコブセンというデン
マーク出身の21歳。文化人類学を学び、現在は看護師
を目指しているそう。背中が大胆に開いたジェスパー・
ホバリングのドレスが似合う落ち着いた北欧美人。
父は俳優 ン
ミケルセ
マッツ・
。
業家出身
GAP創 ュー
姉もデビ
者の令嬢
デル創業
ッション
父はファ 創設
を
ド
ン
ブラ
Mlle. Anna van
Ravenstein Cleveland
アンナ・フォン・ラーフェンシュタイン・クリーブランド●父
は写真家、母は元祖スーパーモデルといわれるパット・クリ
ーブランド。
アンナも4歳でモデルデビューし、
13歳でシャネ
ルのランウエイに。モデルとして活躍する一方で、恵まれな
い子どもたちへの慈善事業にも励む22歳。シャネルのドレ
スをまとったポージングは圧巻です。
Mlle. Naomi Schröder
ナオミ・シュレーダー●父は海外でも幅広く展開するブランドの
創設者トム・テイラー。現在ビジネススクールで学ぶ22歳のナオ
ミは、ドイツで優勝した強豪ポロチームにも所属するスポーツウ
ーマンです。ステファン ローランドのオートクチュールが彼女の
引き締まったボディを際立てて。
ティ、
ン・ベイ
ウォーレ ベニングの
・
アネット 娘
愛
Mlle. Emily Madrigal
エミリー・マドリガル●両親は共にアメリカの大学教授。
19歳と
なった現在は、彼女も出身地であるフィリピンを離れ、プリンスト
ン大学でフランス語、哲学、美術を学んでいます。ジェイ・メンデ
ルのドレスが彼女の優しい雰囲気とマッチしています。
Mlle. Alexandra Louey
アレキサンドラ・ルエイ●香港最大のバス会社、九龍
バスの創業者が祖父、父が現在の社長。母はスポーツ
マックス香港を経営しています。ロンドンのトリニティ
音楽院でピアノを専攻する19歳のアレキサンドラ。艶
やかなドレスはレバノンのブランド、
ジョージ チャクラ。
Mlle. Caroline Bell
キャロライン・ベル●両親はプロデューサー、脚本家と
いうクリエーティブな環境に。シカゴのノースウエスタ
ン大学でコミュニケーションを専攻。
そのかたわら児童
養護施設をサポートする活動にも取り組んでいます。
モニク・ルイラーのドレスはバックスタイルも素敵!
171
Mlle. Sophie
Coleridge
ソフィー・コールリッジ●ヴォーグや
GQなどファッション雑誌で知られる世
界屈指の出版社、コンデナスト・インタ
ーナショナルの社長令嬢。エジンバラ大
学で美術史を学んでいます。現在18歳、
アレキサンダー・マックイーンのドレス
を装って、エレガントに入場。
Mlle. Noëma Kosuth
ノエマ・コスース●有名なコンセプチュアル・アーティス
ト、ジョセフ・コスースを父にもつ彼女。現在カレッジで
アートを学ぶ21歳です。自身でプロデュースしたアク
セサリーのコレクションを発表したばかり。
ヴィヴィアン・
ウエストウッドのモードなドレスを堂々と着こなして。
Mlle. Isabel Beatty
イザベル・ベイティ●父、母に加えて叔母
も女優という俳優一族の17歳。
「 現在は
L.A.在住ですが、映画の勉強をするために
N.Y.に行きたいんです」と将来もしっかり考
えています。エリー・サーブのドレスの裾をな
びかせたフォトジェニックな動きもさすが。
Mlle. Sabrine Keane
サブリン・キーン●父は世界中でサービスを展開す
るビスタプリントの創業者ロバート・キーン。パリの
アメリカンスクールで学んだ後、現在はジャーナリズ
ムの学校へ。アンドリュー・ゲンのベアトップのドレ
スは、
ブロンドの巻き髪と引き立てあって。
170
25ans Archives
今や世界的スターに
あのセレブリティもデビュタントだった!
麗しのデビュタント・バル・ヒストリー
デビュタントのなかには、後に一世を風靡するセレブリティとして大きく飛躍した女性も。
今や、誰もがその活躍を知る3人の、初々しい令嬢としてデビューした当時と近況はこちら。
パリ、オテル・ド・クリヨンで開催された1回目から、
2014年で22回を数えたデビュタント・バル。
その変遷を、記憶に残るトピックスと共に振り返ります。
2000
2007
1992
Mlle. Lauren Bush
米政界の名門ブッシュ家に生まれ、
嫁ぎ先はラルフ・ローレン・ファミリー
©Newscom/Aflo
©CHOMEL/SIPA
ミキモトがスポンサード。
25ansの取材始まる。
女優、モデルとして大ブレイク。
憧れのファッション・アイコンに
座っている右の令嬢が当時16歳のローレン。
すでに
モデルとして活躍中でもあり、この若さで、ミキモト
のティアラとクリスチャン ディオールのオートクチ
ュールを見事に着こなしていました。
©Reuters/Aflo
2012
ローレン・ブッシュ登場。
ますます世界的な注目度UP!
Mlle. Amanda Hearst
Mlle. Lydia Hearst-Shaw
歴史を重ね姉妹の登場回数が増える。
次女であるスカウ
ト・ラルーのデビュ
ーのために、当時の
夫、アシュトン・カ
ッチャーと共に出
席したデミ・ムーア。
この年、初めての日本人デビュタントが登場! オー
トクチュールのフィッティングや当日の舞台裏まで
詳細に取材。
これまでにない特集と反響が。
2007
このころになると、
「姉妹」
「いとこ」揃ってデビュタント、という例が珍し
くなくなってきました。なかには双子でデビューし、色違いのオートクチュ
ールをまとう演出も。先にデビューした令嬢が、後に続く妹や親戚の晴れ
姿を見に来場するなど、ファミリーの絆を強める場にもなっています。
2008
ハリウッドスターなど
大物俳優も娘のために続々と。
多彩なバックボーンから選ばれるデビュタント。社会的影響力の大きな著
名俳優やミュージシャンの令嬢も選ばれるようになりました。2008年には
会場にアラン・ドロン、ブルース・ウィリス、デミ・ムーアが揃い踏み。愛娘
のため、多忙な日程を調整して駆けつけるスターの姿が目立ちます。
〈左〉アマンダ・ハースト/2001年デビュー●〈右〉リディ
ア・ハースト・ショー/2001年デビュー●米国の新聞王
ランドルフ・ハーストの曾孫にあたるアマンダとリディア。
い
とこ同士のふたりは同じ年にデビューを飾りました。アメリ
カきっての富豪一族に生まれた彼女たちはソーシャライト
としても早くから注目され、モデルとして活躍しているのも
同じ。
アマンダは、新時代のN.Y.ソーシャライツの代表とし
て、
25ansの姉妹誌『リシェス』No.3のカバーモデルにも。
動物愛護団体“Friends of Finn”
を立ち上げた経緯など、社
会貢献にも取り組むライフスタイルを語ってくれました。
2000年代、アジア勢躍進。そして
初のインド、初のオーストラリア代表が。
2013
左から、スカウト・ラルー・ウィリス、アラン・ドロン、
アヌーシュカ・ドロン、ブルース・ウィリス。愛娘と踊
るときは喜色満面の父親の表情。
173
2000
この年、最も注目を集めたのが米国からのデビュタント、ローレン・ブッシュ。
大統領就任直前だったジョージ・W・ブッシュの姪の参加とあって、大きな
インパクトが。 アメリカ社交界でもこのバルが名誉とされていることもう
かがえ、
“現代のバル”らしいグローバルさを印象づけました。
いとこ同士揃ってデビューした
富豪令嬢たちは、モデルとして活躍
2014
1996
まだ日本ではこのバルが知られていなかった時代に、25ansではいち早く取
材を開始! 準備の段階から密着し、初めて伝えるデビュタント・バルの華
麗な世界が大きな反響を呼びました。世界の著名ブランドと並んでスポンサ
ーとなったミキモトも、令嬢を美しく彩るジュエリーが称賛されました。
Mlle. Lily Collins
2001
この年に参加者22名でスタート。
令嬢たちを社交界にお披露目するヨーロッパ貴族の伝統行事を“現代のバル”
として復活。特別なストーリーをもつ選りすぐりの令嬢たちがオートクチ
ュールをまとってデビューするこの夜会は、たちまち世界中のメディアか
らの注目を集め、現代の社交界でも重要な舞踏会に位置づけられました。
ローレン・ブッシュ/2000年デビュー●米
政界の名門ファミリーの一員であり、
10代から
モデルとして活躍していた彼女は最も注目を
集めたひとり。2011年9月、ラルフ・ローレン
氏の次男、デヴィッド・ローレンと結婚。コロラ
ド州にあるローレン家の別荘で行われたオー
ルド・アメリカン・スタイルの結婚式の模様を、
『25ans』2012年3月号でお伝えしました。W
FP
(国連世界食糧計画)の名誉スポークスパ
ーソンとして、バッグの販売を通して子どもた
ちに給食を届けるプロジェクトFEEDを立ち上
げ、昨年12月にはその活動のために初来日。
リリー・コリンズ/2007年デビュー●著名ミ
ュージシャン、フィル・コリンズの娘であるリリ
ーは、
18歳でデビュー。
シャネルのオートクチュ
ールをまとった姿は可憐のひと言です。
10代か
ら女優、モデル、コラムニスト、司会など多彩な
才能を発揮し、
注目を浴びていたリリー。
同時に、
南カリフォルニア大学ではジャーナリズム論も
専攻。
2012年の映画『白雪姫と鏡の女王』では
初主演を果たし、一躍スターに。
トレードマーク
の太眉がトレンドになり、ファッション・アイコ
ンとしても存在感大。最新出演作『あと1セン
チの恋』
は昨年冬に日本でも公開されヒット。
第1回から現在まで ―
Column
2009
2007年にデビューした英国の侯爵令嬢、タチアナ・
マウントバッテン
(P.177)
。
2014年のバルでは、
エラ・
マウントバッテン(P.168)
のファミリーとして来場。
ヨーロッパの伝統ではありますが、このバルは当初から国際色豊かなデビ
ュタントが特徴。日本人は1996年が最初の参加ですが、2000年代になると
中国をはじめとするアジア勢も参加することが当たり前に。そしてインド、
オーストラリアと、まさに地球規模の拡大を見せています。
172
凛々しい美しさで話題を集めた
ジャパニーズ・ビューティ
デビュタント・バルの歴史に、何人もの日本人が彩りを添え、称賛を受けてきました。
世界基準の素晴らしい令嬢として選ばれた5人から、
その特別な日の感動を伝えていただきます。
多様な文化をもつデビュタントたちに
出会えたことは、人生の宝物
世界のデザイナーの
オートクチュールドレスは、
大きな刺激に
遠藤絵野さん
Mlle. Kaya Endo/2001年デビュー●ファッシ
ョン・ビジネスに精通する両親をもち、4歳までミラノで
過ごした絵野さん。聖心女子大学2年時に再びミラノ
へ。ボッコーニ経済大学大学院を卒業、ロンドンのシテ
ィグループでHead of European Equity Derivative
Strategyとして活躍。 2年ほど前に退職した後は
N.Y.でパテ ィシエ 学校に通い、GourmetStrategist.
comというレシピサイトを立ち上げました。昨年結婚。
森 星さん
Mlle. Hikari Mori/2011年デビュー●25ansでもおな
じみ、
森星さん。森家の姉たちに続き、
星さんもデビュタントに。
「とにかく楽しみなさい」という母からのアドバイスを胸に、参
加しました。大学入学と同時に始めた芸能活動では、学業と両
立しながらモデルとしてファッション誌、CM、ショーなどで活
躍。
ますます活動の幅を広げており、今後が期待されます。
思い出は・・・
デビュタント・バルに参加したことはとても光
栄なことでした。華やかなイベントとしての経
験だけでなく、私の人生に残る大切な一夜とし
て覚えています。デビュタントたちの国籍の多
様さに驚きましたが、皆、素晴らしい文化、背景、
経験の持ち主でした。私は当時、大学1年生で、
日本でチャリティボールのお手伝いなどもして
いましたが、多くの方々の前で正式なワルツを
踊るのは初めてのことでした。しかし、ほかの
デビュタントもそうだとわかり、お互いに安心
しあったものです。そして、バルを無事に終え
てからジーンズに着替え、デビュタントたちで
クラブに踊りに行ったことも楽しい思い出です。
思い出は・・・
1日限りのプリンセスになれる、女の子の憧れの世
界でした。そして、たくさんの国の方と友人になれ
たので、その方の国に会いに行く楽しみが増えまし
た。ファッションに関しては、世界のデザイナーの
オートクチュールドレスを直に見ることができ、と
ても刺激を受けました。デビュタントひとりひとり
の個性が出ていて、この人はこれが似合う、とか勉
強になることがたくさんありましたね。デビュタン
トたちは皆、ファッションに興味をもっていて、彼
女たちの普段のスタイルも素敵でした。
『 25ans 』2002年4月
号では、絵野さんが日本
を出発する前の準備か
らバルの一部始終まで、
完全密着取材!
デビュタントの経験が、
ファッション・ビジネスを
起業するきっかけに
沙羅宮澤ラフルアーさん
Mlle. Sarah Miyazawa LaFleur /
2002年デビュー●第78代内閣総理大臣、宮
澤喜一の孫娘。ハナエモリのオートクチュール
をまとってデビューした沙羅さん。大学卒業後
は拠点をN.Y.に移し、3年ほど前に、働く女性
のための洋服をイーコマースで販売するファッ
ションハウスを起業しました。今年はN.Y.に
ブティックをオープンする予定。働く女性のラ
イフスタイルに沿う、魅力的なファッションを
提供することを目標としています。
思い出は・・・
ほぼ勉強ひと筋の学生だった私は、ほかのデビュタントたちのフ
ァッションや自分自身に対する意識の高さに驚かされました。ヘ
アやメイクについてもきちんと意見を言い、10代にしてしっかり
自分のイメージをマネージしていたのです。一緒に撮影をしたマ
ルゲリータ・ミッソーニも堂々とポーズを作り、セクシーに演出し
ていたのが印象的でした。私は3年前にファッションハウスを起
業しましたが、デビュタント・バルで森英恵さんのドレスを装い、
オートクチュールのデザインとはどういうものか、最高の職人が
作る品質はどこが違うのかを肌で知ったことが、間違いなく、起
業したことのきっかけになっていると思います。
ヨーロッパの良き伝統を感じながら、
デビューした感激は忘れられません
準備の段階からエキサイティング。
舞台裏の努力にも感銘を受けました
丹下 彩さん
Mlle. Aya Tange / 2013年デビュー●祖父の丹下健
三氏、父の憲孝氏は共に世界的建築家。東京のインターナシ
ョナルスクールからハーバード大学に進学し、社会学と心理学
を専攻する3年生。バレーボールクラブの共同キャプテンを務
め、Kappa Alpha Theta Sororityに所属。放課後に小学生
を教えるプログラムに参加するなど、多彩な学生生活をエンジ
ョイしています。
思い出は・・・
弁護士である母、デニースさんと父、
憲孝氏と。素敵なファミリーの肖像。
175
デビュタント・バルは美しく、華やかな世界。でも、
その舞台裏には主催者、ファッション・デザイナー、
ヘア&メイクアップ・アーティストなどたくさんの
方々の努力があることを学びました。デビュタン
トにもハードワークが必要とされますが、それは
とても楽しく、素晴らしい時間です。準備の期間
も含め、とてもエキサイティングな1週間でした。
たくさんのデビュタントたちと知り合えたのも嬉
しいことでした。初対面でも私たちはすぐに親し
い関係になれ、デビュタント同士で多くの友情が
育まれました。
浦宗美幸さん
浦宗郁枝さん
〈 右〉Mlle. Miyuki Uramune / 2012年デビュー●〈 左〉
Mlle. Ikue Uramune/2012年デビュー●ヴァレンティノ
の色柄違いのドレスをまとい、会場で特に輝いていたと評判だった
美貌の双子姉妹。
このエレガントさは、漢方薬治療医・皮膚科医院技
術医長である母譲りとか。昨年4月、姉妹で起業し、
“伝統から生み
出す新たな日本美”
をコンセプトにしたブランドを今春スタート予定。
思い出は・・・
デビュタント・バルとは現実にあるファンタジー。
美しい会場からオートクチュールのドレスまで、す
べてが特別で、別の世界にいるように感じられます。
感動したのは、バルが始まり、デビュタントがひと
りひとりキャバリエにエスコートされながら出席
者の前を歩くときに、生い立ちから将来の目標まで
をアナウンスされ、皆様に紹介されたこと。社交界
にデビューしていると実感できましたし、ヨーロッ
パの伝統を強く感じることができました。その伝統
が今の時代まで続いていることに感動し、継承し続
けようと努力している人々に感謝しました。
174
清楚にしてオーラ溢れる
プリンセス&旧家の令嬢
ここからは、デビュタント・バルの歴史のなかでも、特筆したい令嬢たちをピックアップ。
Mlle. Marie de
Rohan Chabot
まずは由緒正しい家系に生まれた、気品溢れる生粋のレディたちをご紹介します。
HSH Princess AnneHélène d’Arenberg
マリー・ド・ローアン=シャボ/2013年デビュ
ー●フランスで由緒正しい歴史をもつ、非常に名
高い名門貴族の出身。祖母はデザイナーでもある
ジョイ・ド・ローアン=シャボで、母のエレオノール
も、
20年前にこのバルでデビュー。母娘でデビュ
タントとなりました。繊細なレースが美しいドレス
は、アルマーニ・プリヴェ。
仏王
1世の
ィリップ
ルイ・フ
家系
プリンセス・アンヌ・エレン・ダレンベルグ/2008
年デビュー●ドイツ、ベルギーの貴族、ダレンベル
グ公爵家の令嬢であるアンヌ・エレン。
この年、
唯一、
プリンセスのタイトルをもつデビュタントで、主役
級の輝きを放っていました。
クリスチャン ディオー
ルのオートクチュールを着こなした姿は、プリンセ
スらしい気品に満ちて。
Lady Tatiana
Mountbatten
レディ・ タチアナ・ マウントバッテン/
2007年デビュー●英王室マウントバッテ
ン・ウィンザー家のミルフォード=ヘイヴン侯
爵令嬢。17歳の当時から高貴な美貌が注目
を集め、
2011年には英国の陶磁器ブランド、
ウェッジウッドのグローバル・キャンペーンの
モデルも務めました。
SAR la Princesse
Charlotte de Bourbon,
Princesse de Parm
プリンセス・シャルロット・ド・ブルボン、プリンセス・ド・
パルム/2011年デビュー●フランス王家発祥の、輝か
しいブルボン=パルマの名をもつ直系のプリンセス。父は
ルクセンブルクのアンリ大公といとこ。医学関係に興味
があるという知的なシャルロットは、アトリエ ヴェルサー
チのドレスをシックに着こなしていました。
Countess
Anastasia
Tolstoy
アナスタシア・トルストイ伯爵令嬢/2003年デ
ビュー●ドストエフスキー、ツルゲーネフと並んで
19世紀の帝政ロシアを代表する文豪、レフ・トル
ストイ。伯爵家の四男として生まれ、
『戦争と平和』
『アンナ・カレーニナ』などの普遍の名作を残しま
した。その子孫であるアナスタシアは、オックスフ
ォード大学で学んだ才媛。ニール・カニンガムのド
レスを清楚に着こなしました。
子孫
ストイの
文豪トル
Mlle. Marie-Solène
d’Harcourt
マリー・ソレーヌ・ダールクール/2007年デビュー●
最後のフランス王、ルイ・フィリップ1世の直系。
さらに
13世紀のサン・ルイ王、
10世紀のカペー王、名門ギーズ
侯爵家にも連なり、ギリシャ、デンマーク、スペイン、ポ
ルトガル王家とも繋がる…という、ヨーロッパ貴族のな
かでも特に由緒正しき令嬢。幼少時代から英語とスペ
イン語を学び、語学堪能。人とのコミュニケーションを
大切にしています。
ドレスはステファン・ソニエール。
Contessa Diana
Piccolomini
祖父は の
ベス女王
ザ
リ
エ
いとこ
ダイアナ・ ピッコロミーニ伯爵令嬢/
2012年デビュー●ルネサンス期のロー
マ教皇ピウス2世を祖先にもつダイアナ。
世界遺産に登録されたピエンツァ歴史地
区には、ピウス2世の名がついた広場があ
ります。父はイタリアの名門、
ピッコロミー
ニ伯爵。環境問題に興味をもつ伯爵令嬢
です。
ドレスはズハイル・ムラド。
Lady Amelia
Windsor
英国から 姪も
元妃の
ダイアナ
Lady Kitty Spencer
レディ・キティ・スペンサー/2009年デビュー●父はダイア
ナ元妃の弟であるチャールズ・スペンサー伯爵で、キティは3
人姉妹の長女です。いとこにあたるウィリアム王子とキャサリ
ン妃の結婚式には、双子の妹、エリザ、アメリアと共に列席し、
ダイアナ元妃譲りの美貌が話題になりました。
177
レディ・ アメリア・ ウィンザー/
2013年デビュー●祖父は、エリザ
ベス女王のいとこにあたるケント公。
父はセントアンドリューズ伯爵のジョ
ージ・ウィンザー。王位継承権をもつ
イギリスのロイヤル・ファミリーから
参加したレディ・アメリアは、特別な
オーラを放っていました。エリー・サ
ーブのドレスが、可憐な彼女によくお
似合いでした。
Princess Adishree Singh
プリンセス・アドシュリイー・シン/2009年デビュー●初の
インド代表として注目を浴びたプリンセスは、
母国のデザイナー、
リツ・ベリのオートクチュールを装い、エキゾティックな美しさ
がより際立ちました。N.Y.のパーソンズ・スクールで学び、政
治からファッションまで幅広い関心をもっているそう。
Countess Stéphanie
von Bismarck
ステファニー・フォン・ビスマルク伯爵令嬢/1996年デビュ
ー●プロイセン王国、
ドイツ帝国の首相を歴任し、
「鉄血宰相」
の異名をとったオットー・フォン・ビスマルク侯爵。その家系に
生まれたステファニーは、ラクロワのオートクチュールで登場。
176
Mlle. Nadine Ghosn
ナディーヌ・ゴーン/2005年デビュー●カルロス・ゴー
ン氏の次女、ナディーヌは、モノトーンのヴィンテージド
レスでシックに決めて。翌2006年には長女のキャロライ
ンもデビュー。明るい笑顔でさまざまな国のデビュタント
とすぐに打ち解ける社交性は、
国際派ファミリーならでは。
Mlle. Lan Vy Tran
社交界をリードする、
政財界の名門出身ソーシャライツ
政治家の家系、
そして世界に名をとどろかせる大企業の令嬢たちも、社交界には欠かせません。
欧米だけでなく、アジア出身のデビュタントたちの注目度も年々高まっています。
ラン・ヴィ・トラン/2012年デビュー●
初のベトナム出身デビュタントとしても、
華麗なルックスの持ち主としても注目を
集めていたラン・ヴィ。義父は不動産開発
者のフランス人、母は元モデルでアートに
造詣が深いベトナム人というインターナシ
ョナルな環境で育った令嬢です。
ン
仏ビルパ 女優
娘で
元首相の
Mlle. Marie de
Villepin
マリー・ド・ビルパン/2001年デビ
ュー●2001年の最年少、
15歳だっ
たマリーは、元仏首相のドミニク・ド・
ビルパンの娘であり、現在は映画『イ
ヴ・サンローラン』でベティ・カトルー
役を熱演するなど、女優として活躍。
10代でモデル活動を始めたころは、
両親の反対を押し切り、本名を伏せ
ていたのだそう。
ジバンシィの香水の
キャンペーンに登場したことも。
氏の
・ゴーン
カルロス 嬢
令
祖父は 統領
ョフ元大
チ
バ
ル
ゴ
Mlle. Anastasia
Virganskaya
Gorbatcheva
アナスタシア・ヴィルガンスカヤ・ゴルバチョ
ワ/2004年デビュー●ヴェルサーチのドレ
スをまとい、知的な美しさを披露したアナス
タシア。祖父である旧ソ連元大統領のミハイ
ル・ゴルバチョフも、自慢の孫娘のデビューに
大感激だっだとか。2010年には祖父の来日
に同行、
日本のテレビ番組にも登場しました。
Mlle. Ashley Bush
アシュレー・ブッシュ/2005年デビュー●アメリカ
の名門、ブッシュ・ファミリーからは、
2000年のローレ
ン(P.173)に続いて、妹のアシュレーも社交界デビュ
ー! 当日はローレンもお祝いに駆けつけ、嬉しそう
に妹の晴れ姿を見守りました。透き通るような白い肌
にラルフ ローレンのブルーのドレスがマッチ。
Mlle. Ariel Ho-Kjaer
©Abaca/Aflo
Mlle. Lara Lau
Mlle. Dakota
Warde-Levi
ララ・ラウ/2012年デビュー●名門オッ
クスフォード大学在学中にデビューした香港
出身のララ。かつて中華人民共和国の副主
席を務めた祖父に、最も影響を受けたという
彼女。その祖父から譲り受けたリーダーシッ
プで、自然とデビュタントの輪の中心に。
〈右〉アリエル・ホー=カジャール/2009年デビュー●
パーフェクトな美しさの首、肩、デコルテのラインを生か
したドレスとヘア&メイクで、堂々たる存在感を放ってい
たアリエル。祖父はマカオのカジノ王として知られるスタ
ンレー・ホー。母は中国人、父がデンマーク人です。
〈左〉ダコタ・ワード=レビイ/2009年デビュー
●カリフォルニアで7代続く名家出身で、ファミリ
ーには大手ガス会社の創始者もいるというダコタ。
同年にデビューしたクリント・イーストウッドの娘、
フランチェスカ(P.181)
とは、幼なじみだそう。
Mlle. Sarah Mellon
©Abaca/Aflo
Mlle. Tanyatip
Chearavanont
タンニャティ・シャルヴァノン/2011年デビュ
ー●タイ最大、アジアでも有数の企業集団のオー
ナーで、大富豪として知られるシャルヴァノン家。
その令嬢、タンニャティは、美しい母と一緒に仲良
くポーズ。揃って親日家ということで、
25ansの
取材にもフレンドリーに対応してくれました。
Mlle. Lily Rivkin
〈左〉リリー・リヴキン/2012年デビュー
●当時の在仏アメリカ大使、チャールズ・リ
ヴキン氏を父にもち、パリのアメリカンスク
ールで学んでいたリリー。ハイスクールを卒
業後はイェール大学に進学し、将来はジャー
ナリズムの道へ進もうと意欲的です。
179
サラ・メロン/2008年デビュー●アメリカを代表す
る財閥であるメロン家の三女、サラ・メロン。たっぷり
のラッフルが華やかなオスカー・デ・ラ・レンタのブルー
のドレスで、清楚な美しさをアピールしました。
Mlle.
Kyra L. Kennedy
キイラ・L・ケネディ/2013年デビュー●バ
ル開催の数日前に、ディオールのドレスを試着
する様子が各国で報じられるほど注目を集め
たキイラ。父、ロバート・ケネディ Jr.と仲良くツ
ーショットを披露! 父の恋人で女優のシェリ
ル・ハインズも盛装して出席していました。
Mlle.
Bronwen Carter
〈右〉ブロンウェン・カーター/2012年デ
ビュー●雑誌『ヴァニティ・フェア』の編集長
グレイドン・カーターを父にもつブロンウェン。
当日は同誌の取材チームも会場入り! ペ
ンシルバニア大学で歴史と古典を学ぶ一方、
油絵が得意というアーティスティックな面も。
Mlle.
Talicia Martins
〈中〉タリシア・マーティンス/2012年デ
ビュー●父はニューヨーク・シティ・バレエ団
の芸術監督で、母もバレエダンサーという芸
術一家に育ったタリシアは、もちろんダンス
の経験は豊富。そんな彼女でも、このバルで
のダンスはかつてないほど緊張したのだそう。
.
ディJr
ト・ケネ
父ロバー 共に
と
©le Bal
Mlle. Remy Aileen
Makiko Fisher
レミー・アイリーン・マキコ・フィッシャー/2011年
デビュー●2014年デビューのローズ(P.171)の姉で、
GAP創業家出身のレミーは、ゴルチエのドレスで個性
的な装いを披露。祖母が日本人というだけあって、親
しみのもてる愛らしさが魅力です。米・プリンストン大
学を卒業後、投資会社に勤務しているそうです。
Mlle.
Lily Mortimer
リリー・モティマー/2007年デビュー
●父方の祖父はヤルタ会談などで知られ
る政治家W.A.ハリマン、母方はハリウッド
を代表するショービズ一家というリリー。
当時は美術史を専攻する学生でしたが、
現在はN.Y.のギャラリーに加え、祖父が設
立したプライベートバンクでも活躍中。
178
俳優、アーティスト、
ミュージシャン…
デビュタントのファミリーも
見逃せない!
愛娘の社交界デビューは、家族にとっても心躍る
ビッグイベント。笑顔に包まれたファミリーたちの姿も
バルの見どころのひとつといえそうです。
カルロス・ゴーン・ファミリー
日本でも家族を大切にする
こと、そして子煩悩な父親
ぶりでも知られるカルロス・
ゴーン氏。2005年に次女
(P.179)がデビューした際
には、三女も連れ立ち会場
を訪れました。
もちろん、翌
年に長女がデビューしたと
き、そして長男がキャバリ
エを務めた2013年にも家
族揃って出席しています。
スターのDNAが輝く2世たち!
会場にいっそうの華やかさを添える存在であり、
メディアからの注目度も高いのが、スターの血を引くデビュタントたち。
子どものころからスポットライトを浴びることに慣れているからか、ポーズを決める姿もこなれた印象です。
Mlle. Dree
Hemingway
…
.ドロン
リス、A
B.ウィ 界の2世たち
エンタメ
ドリー・ヘミングウェイ/2003年デビ
ュー●2009年3月のパリコレクションで
モデルデビューを果たし、その後もショー
や雑誌、広告などに登場! さらに女優
にも活動の幅を広げているドリーも、元デ
ビュタント。曾祖父は作家のアーネスト・
ヘミングウェイ、母は女優のマリエル・ヘ
ミングウェイです。
曾孫
ウェイの
ヘミング
Mlle.
Francesca
Eastwood
フランチェスカ・イーストウッド/
2009年デビュー●父は俳優・映画
監督のクリント・イーストウッド、母
は女優のフランシス・フィッシャー。
自身も女優やパーソナリティとして
活躍するだけでなく、
2013年のゴー
ルデン・グローブ賞では授賞式のア
シスタントに抜擢されました。
ドの愛娘
ストウッ
C.イー
クリスティン・スコット・トーマス
フランス人医師フランソワ・オリヴ
ェンとの間にもうけた長女ハンナ
が、
2006年にデビューした女優ク
リスティン・スコット・トーマス。そ
の晴れ姿を、テーブルから優しい眼
差しで見守っていました。美しく
聡明なハンナは、その年、最もメデ
ィアの注目を集めていました。
Mlle.
Anouchka Delon
アンディ・マクダウェル
2013年、次女サラ・マーガ
レット・クアリーのデビュー
を祝うためにバルを訪れた
女優のアンディ・マクダウ
ェルをキャッチ! 2005
年に長女(P.181)
のデビュ
ーを経験していることもあ
り、
落ち着いた様子で談笑。
圧倒的な女優オーラを放っ
ていました。
ブルース・ウィリス&タルーラ
ビー・シャファー/2004年デビュー●
米版『ヴォーグ』の編集長、アナ・ウィンタ
ーの愛娘、ビー・シャファーはシャネルの
ドレスでデビュー! コロンビア大学を
卒業した彼女は、ハリウッドの名プロデュ
ーサーのアシスタントに就くなど、エンタ
ーテインメント業界でキャリアをスタート。
〈右〉アヌーシュカ・ドロン/2008年デビュー●
俳優のアラン・ドロンとドイツ人モデル、ナタリー・
ヴァン・ブレーメンの娘のアヌーシュカ。2003年
にテレビ映画で父娘共演を果たすなど、子どもの
ころからメディアに登場していた彼女。現在も女
優として舞台や映画で活躍しています。
Mlle.
Rainsford Qualley
レインスフォード・クアリー/2005年デビュ
ー●ジャンポール・ゴルチエの個性的なドレス
を堂々と着こなしたのは、女優アンディ・マクダ
ウェルの長女、
レイニー。
2012年のゴールデン・
グローブ賞では授賞式のアシスタントを務め、
その後は女優としても注目を集めています。
とろけてしまいそうな至福
の笑顔で、三女タルーラ
(P.181)とダンスを楽しむ
ブルース・ウィリス。美しく
ドレスアップした愛娘と手
に手を取り合ってワルツを
踊る喜びは、華やかな席に
慣れているハリウッドスタ
ーにとっても格別です。会
場の視線を集めたふたりの
周りには、多くの取材陣が。
Mlle. Tallulah Willis
©le Bal
シルべスター・スタローン夫妻
長女(P.180)
のデビューの
際、
「 この日をとても楽し
みにしていました」と気さ
くに取材に応じてくれたス
タローン夫妻。妻は元モデ
ルでスキンケアブランドの
創始者のジェニファー・フ
レイヴィン。たびたびイベ
ントやレッドカーペットに
登場している次女、三女の
デビューにも期待!
181
Mlle.
Bee Shaffer
〈右〉タルーラ・ウィリス/2011年デビュー●
次女のスカウトがデビューした3年後には、ブル
ース・ウィリス&デミ・ムーア元夫妻の三女でタ
ルーラもデビュタントに。2人の姉同様、生まれ
たときからメディアの注目の的だった彼女。昨
秋には、SNSでかつての映画『G.I.ジェーン』の
デミを思わせる姿を披露して話題になりました。
Mlle. Atlanta de
Cadenet Taylor
〈左〉アトランタ・ドゥ・カデネ・テイラー/
2011年デビュー●父はデュラン・デュラン
のギタリスト、ジョン・テイラー、母は元女優
でフォトグラファーのアマンダ・デ・カデネ。
両親の才能を受け継いだアトランタは、抜群
のファッションセンスで注目を集めるように
なり、現在はモデル&DJとして活動中。
©Gouhier-GuibbaudNebinger-Orban/
ABACAPRESS.COM
Mlle.
Sokhna N’Dour
Mlle. Clémence Mlle. Marguerite Mlle.
Rochefort
de Tavernost
Scout laRue Willis
〈左〉ソフナ・ンドゥール/2008年デビュー●リ
ネン素材をパッチワークした個性派ドレスを着こ
なしたのは、セネガルの大御所歌手ユッスー・ンド
ゥールの愛娘ソフナ。当時はセネガルのフレンチ・
ハイスクールで学ぶ16歳。英国やカナダに留学し、
経済学を学びたいと夢を語ってくれました。
〈中左〉クレモンス・ロシュフォール/2008年 〈中〉マルグリット・ド・タヴェルノ/2008年デ 〈中右〉スカウト・ラルー・ウィリス/2008年デ
デビュー●フランスが誇る名優、ジャン・ロシュフ ビュー●ひと際大人びた雰囲気を放っていたマ ビュー●堂々たるふるまいでも注目を集めたブル
ォールの愛娘、クレモンスはニナ・リッチのグリー ルグリットは、フランスのテレビ局、M6の社長、ニ ース・ウィリスとデミ・ムーアの次女、スカウト。歌
ンのドレスをまとって。今でも両親と一緒にチャ コラ・ド・タヴェルノの令嬢。パリの高校を卒業後 手を目指す一方で、名門ブラウン大学に進学した
リティイベントに出席する際など、メディアの前に は、マドリードやロンドンの大学に留学しながら有 才女でもあります。
2013年の卒業式にも、ブルー
登場すると可憐な魅力と家族仲の良さが話題に。 名企業でインターンシップも経験しているよう。 スほか家族が勢揃いしました。
Mlle.
Zoé Bleu Sidel
ゾエ・ブルー・シデル/2012年デビュー●女優
ロザンナ・アークエットの一人娘で、その美貌と才
能を受け継いだゾエ。
この翌年、大学に入学し、美
術史を学ぶのを楽しみにしていた彼女ですが、
「適
切な時とチャンスがきたら母とは違った形で女優
の仕事をしたい」
という夢も語っていました。
Mlle. Sophia
Rose Stallone
ソフィア・ローズ・スタローン/2012年デビュー
●ハリウッドで「スター2世のなかでも、圧倒的な美
しさを誇る三姉妹」と評されているシルベスター・ス
タローンの娘たち。元モデルの母親譲りのすらりと
したプロポーションも魅力の長女ソフィアに続き、妹
たちがデビューする日も待ち遠しい!
Mlle. Anna
Klossowska de Rola
アナ・クロソフスカ・ド・ローラ/2004年デビュー●祖父
はフランスの画家バルテュス、父はその次男で作家のタデ・
クロソフスキー。一方、母はイヴ・サンローランのミューズと
して知られるルル・ド・ラ・ファレーズ。ソルボンヌ大学で美
術史を学び、アート関連で活躍しています。
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Mlle.Rozanna et Weronica Misiurewicz
〈左〉ロザンナ&〈右〉ヴェロニカ・ミジウレヴィッツ/2008年デビュー●ドミニ
ク・シロの色違いのドレスをスタイリッシュに着こなして喝采を浴びたのが、ポーラ
ンドで14世紀から続く大貴族の家系の双子。幼いころから揃ってテレビ番組に出
演していたというだけあり、カメラの前でのポージングや立ち居ふるまいも自然体
でした。大叔父は世界的な数学者、父は多くの会社を経営する実業家です。
Photos:MANABU MATSUNAGA(P.160~161, P.164~171), BERNARD PESCE, IKUO YAMASHITA, JUNICHI AKAHIRA, MASAHIKO TAKEDA, MASATOSHI UENAKA, SHIRO MURAMATSU,
TETSUYA TOYODA, MIKIMOTO Text:YUMI SUZUKI(P.164~171) Interview & Coodination:AYUMI SHIMODA Coodination:MAKIKO MONJI(P.174)
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