スーパーコンピュータ﹁京﹂年報 スーパーコンピュータ「京」 年報 2014−15 2014-15 K computer Annual Report 2014-15 国立研究開発法人理化学研究所 計算科学研究機構 一般財団法人高度情報科学技術研究機構 RIKEN 2015-061 巻頭言 国立研究開発法人 理化学研究所 計算科学研究機構長 平尾 公彦 スーパーコンピュータ(スパコン)は現代の科学技術の進 展にとってなくてはならない基盤技術です。産業の国際競争 力の強化や安全・安心な社会の構築、人類社会が抱える様々 な課題の解決にもスパコンは大きな役割を果たします。スパ コン「京」が共用を開始して 3 年、 「京」は驚くほど安定的 に稼働しています。ジョブ充填率も高く、いつも 80%前後を 維持しています。 「京」はプロセッサのスピード、メモリ、 通信のバランスがとれたスパコンとして国際的にも高い評 価を得ています。すでに科学技術のさまざまな分野でワクワ クするような素晴らしい成果を挙げています。 「京」以前に は見渡すことができなかった眺望を「京」は与えてくれてい ます。 「京」の出現で産業界のスパコン利用も大いに進みました。我が国の計算科学が一気に花を開い た感があります。登録施設利用促進機関である一般財団法人高度情報科学研究機構(RIST)をはじ めとする皆さまのご支援、ご愛顧の賜物と心から感謝しています。引き続き「京」を使い倒して、 世界がギクリとする成果を挙げ、国民の期待に応えたいと思っています。 「京」の後継機であるポスト「京」スパコン開発プロジェクトもスタートしました。これからは Big Computing と Big Data が社会を変えることになるでしょう。ポスト「京」はこれまで以上に 大規模なシミュレーションを実現し、多くの分野で永年の懸案であった問題の解決に力を発揮しま す。気象予測、創薬、ものづくり、災害時の避難、交通量制御、金融工学などのシミュレーション には多数の変数、パラメータがあり、きわめて複雑です。あいまいさや不確実さを取り除くための アンサンブル・ビッグデータ同化シミュレーションがますます重要になることでしょう。スパコン と AI(深層学習)との連携も進むことでしょう。深層学習により特徴量を抽出することにより、シ ミュレーションの新たなモデル化や高次元のパラメータ統御が実現できる可能性があります。 シミュレーションは未来を科学的に予測する技術です。多くの分野でペタからエクサに至る途中 で「予測の科学(Predictive Science) 」の tipping point に到達します。 「経験に追随していた計算 科学」から「実験や観測に先行する計算科学」へのパラダイム変換が静かに、しかし確実に進行し ています。自然の懐の深さから比べると、われわれのシミュレーションはまだまだかも知れません。 しかし結構おもしろいこともできるようになりました。信頼性をこれまで以上に高め、謙虚さを失 うことがなければ、われわれ人類は新しい認識を獲得する強力なツールを手にすることになります。 大いに楽しみです。今後とも益々のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 巻頭言 一般財団法人高度情報科学技術研究機構 理事長 関 昌弘 一般財団法人高度情報科学技術研究機構(RIST)が、 「京」 の登録施設利用促進機関(登録機関)としての業務を開始 してから早 3 年半余り。日頃から、理化学研究所計算科学 研究機構(AICS)をはじめ、多くの皆様から変わること のないご指導、ご支援を頂いて参りました。ここに厚く御 礼申し上げます。 公募による「京」利用一般課題の研究が開始されて 2 年 半。多岐にわたる研究領域から優れた研究成果が、続々と 生み出されています。2014 年 10 月には第 1 回成果報告会 を開催し、300 名を超える出席者による講演やポスター発 表と盛況を収めましたし、成果発表データベースに登録さ れた「京」についての成果は、2014 年度末で、約 2,700 件にのぼります。また、これらの 成果を皆様に向けてわかりやすく発信するため、昨年にひきつづき成果事例集Ⅱを発行し ました。 RIST では、産業界からの多様な要望に応えるため、事前相談を行うとともに技術支援を 積極的に進めておりますが、産業界が「京」に向ける視線は年を追うごとに熱くなり、応 募課題は増大の一途をたどっています。このため選定委員会での審議を受けて産業利用枠 を、 「京」の総資源量の 8%から 10%とさらに拡大しました。有償の利用課題については、 2013 年度末から年間を通して随時受付を行っています。 2012 年度以来、切れ目のなく行われている募集活動についても、柔軟性の高い課題選定 活動を目指し、募集・審査プロセスの更なる合理化、効率化への努力を継続する所存です。 また、 2013 年 10 月には欧州の PRACE(Partnership for Advanced Computing in Europe) とスーパーコンピュータの共用促進に係る情報交換に関する覚書を締結いたしました。今 後はアジアとの連携も強めていく予定です。 現在、AICS を開発主体とする「京」の後継機となるスーパーコンピュータの開発計画が 進んでいます。RIST は、現在の活動をさらに的確かつ効率的なものとし、登録機関に期待 される業務を着実に実施することによって、 「京」から後継機への移行にあたっても研究活 動の推進と成果の創出に貢献して行きたいと考えています。 皆様方には引き続き、温かいご指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。 目 次 全体概要 1 「京」 の共用について……………………………………………………………………………………… 11 1 - 1 共用の枠組み… ………………………………………………………………………………………………………… 11 1 - 2 理化学研究所 計算科学研究機構… ………………………………………………………………………………… 22 1 - 3 高度情報科学技術研究機構神戸センターの組織と活動の概要……………………………………………………… 77 2 「京」 の運用………………………………………………………………………………………………… 10 2 - 1 稼働状況… ……………………………………………………………………………………………………………… 10 2 - 2 施設管理… ……………………………………………………………………………………………………………… 14 3 「京」 の共用の促進… …………………………………………………………………………………… 18 3 - 1 「京」 における利用枠と利用研究課題の種類… ……………………………………………………………………… 18 3 - 2 利用者選定… …………………………………………………………………………………………………………… 20 3 - 3 利用支援… ……………………………………………………………………………………………………………… 24 3 - 4 産業利用促進… ………………………………………………………………………………………………………… 33 3 - 5 利用状況… ……………………………………………………………………………………………………………… 35 3 - 6 利用研究成果の報告 ・ 公開… ………………………………………………………………………………………… 39 4 「京」 の共用のための研究活動………………………………………………………………………… 43 4 - 1 「京」 の高度化研究……………………………………………………………………………………………………… 43 4 - 2 共用法第 12 条に基づく研究… ………………………………………………………………………………………… 56 5 研究会等 … ………………………………………………………………………………………………… 57 5 - 1 シンポジウム ・ 会議 ・ 報告会… ……………………………………………………………………………………… 58 5 - 2 研究会 ・ ワークショップ… ……………………………………………………………………………………………… 60 6 広報活動……………………………………………………………………………………………………… 63 6 - 1 広報活動の概要… ……………………………………………………………………………………………………… 63 6 - 2 マスメディアを通じた情報発信… ……………………………………………………………………………………… 64 6 - 3 ウェブサイト ・ 制作物… ………………………………………………………………………………………………… 68 6 - 4 イベント…………………………………………………………………………………………………………………… 73 6 - 5 見学 ・ 視察対応… ……………………………………………………………………………………………………… 79 参考資料 1 利用研究課題一覧… ………………………………………………………………………… 81 参考資料 2 成果論文リスト…………………………………………………………………………………… 86 (1) 一般課題… ………………………………………………………………………………………………………………… 86 (2) 若手人材育成課題… ……………………………………………………………………………………………………… 89 (3) 産業利用課題… …………………………………………………………………………………………………………… 90 (4) 戦略プログラム分野 1… …………………………………………………………………………………………………… 91 (5) 戦略プログラム分野 2… …………………………………………………………………………………………………… 92 (6) 戦略プログラム分野 3… …………………………………………………………………………………………………… 95 (7) 戦略プログラム分野 4… …………………………………………………………………………………………………… 99 (8) 戦略プログラム分野 5… …………………………………………………………………………………………………… 100 全体概要 はじめに スーパーコンピュータ「京」は、2012 年 9 月 28 日の共用開始以来、順調に稼働し、毎年 150 程 度の利用研究課題に供されている。ここでは、2014 年度(2014 年 4 月~2015 年 3 月)の年報の 全体概要として、各章の記載内容を以下に要約する。 1. 「京」の共用 「京」は「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律(2006 年 7 月施行)」(以下、共用 法)に基づく共用施設であり、「京」の共用にあたっては、国の基本方針の下、「京」の設置者・運 用実施主体である国立研究開発法人理化学研究所計算科学研究機構(以下、AICS)、及び登 録施設利用促進機関(以下、登録機関)である一般財団法人高度情報科学技術研究機構(以下、 RIST)が連携・協力して業務を実施している。 (1)AICS の組織 AICS は、事務部門、研究部門及び運用技術部門を構成部門として、2010 年 7 月に発足した。 2014 年 4 月に、エクサスケールコンピューティング開発プロジェクトを設置した。 (2)RIST の組織 RIST 神戸センターは、2012 年 4 月に発足した。 2014 年 4 月より、外部機関との連携推進、成果公開の促進等の企画機能を強化するため、計 画管理室を計画推進室と改称するとともに人員を補強した。 2. 「京」の運用 (1)稼働状況 2014 年度の「京」の稼働状況は非常に安定しており、障害等による停止時間は 7.4 日であった。 発生した障害についてはほとんどがファイルシステムに関する障害であり、ファイルシステム以外 の運用ソフトウェアについては安定的に稼働した。 「京」に投入されたジョブの要求資源量は、常に提供可能な資源量を超えていた。2013 年度に 発生した待ち時間の増加を防ぐため、2014 年度は 2013 年度比で 85%の計算資源量を各課題に 割り当て、改善を図った。 (2)施設管理 施設の運転保守については、「京」の運転計画に基づき、年間、月間、週間、日単位で施設運 転計画を作成し、設備の運転保守を確実に実施した。また、設備の運転監視については、監視 員を熱源機械棟中央監視室に常時配置し、24 時間体制で運転監視を実施している。施設の維 持管理は電気設備、コージェネレーションシステム(CGS)、冷凍空調設備について実施した。 2011 年度と 2012 年度で構内全停電点検を実施したため、2014 年度は 2013 年度と同じく日常点 検のみとした。 全体概要-1 3. 「京」の共用の促進 (1)利用者選定 選定委員会及び利用研究課題審査委員会を開催し、以下の利用者選定を実施した。 1)2015 年度一般利用研究課題の募集について、138 件の応募課題から 67 課題を選定した。 うち、大型実験施設等との連携利用については、17 件の応募があり、11 件が選定された。 2)2014 年度に応募のあった随時募集課題のうち、産業利用(個別利用)は 11 件、産業利用(ト ライアル・ユース)は 7 件の応募があり、すべて選定された。 3)戦略プログラム利用課題について、2014 年度下期加速枠、2015 年度分野配分枠の選定を 実施した。候補決定までのプロセスについての審査・確認を行った。 4)2014 年度成果創出・加速課題について、上期は一般利用 3 課題、若手人材育成 1 課題、 産業利用(実証)1 課題を選定し、また下期においてはそれぞれの希望調査を行い、利用研 究課題審査委員会の審議を経て選定した。 5)文部科学省が決定する 2014 年度重点化促進課題について、1 課題を選定した。 (2)利用支援 1)利用支援のための一元的窓口として設置したヘルプデスクを活用し、利用者にワンストップ・ サービスを提供するとともに、利用者の意見を運営に適宜反映した。 2)「京」の利用を促進するため、戦略プログラム分野 7 課題、一般・若手人材育成 3 課題、産業 利用 19 課題について、「京」へのプログラム移植等の調整支援、プログラム性能の分析評 価・パイプライン等の最適化促進等の高度化支援を実施した。 3)「京」の利用技術の習得等を目的とした講習会については、FX10 を用いたハンズオンを 6 回、 高速化ワークショップを 1 回、利用者のすそ野を広げる一般向け HPC セミナーを 4 回、少人数 で随時開催するオンサイト講習会を 3 回開催した。また、戦略プログラム実施機関との共催によ る将来の「京」利用者のスキルアップを図る研修会を 11 回実施した。 (3)産業利用促進 1)延べ 78 件の応募前利用相談、15 社(18 課題)に対する高度化支援、3 社への可視化支援 を実施した。また、産業利用課題で支援要請があった各種ソフトウェアの実行支援、動作確 認、アプリケーション情報整備を実施した。 2)産業利用普及・利用促進活動として、シンポジウムと成果報告会の主催(2 回)、ワークショッ プ主催(2 回)、シンポジウム協賛(1 回)、相談会の主催(1 回)、報告会・展示会への出展(6 回)等を実施した。 (4)利用研究成果の報告・公開 「京」及びその他の HPCI 計算資源によって創出された成果の公開情報を一元的にまとめたデ ータベース(HPCI 成果発表データベース)に登録された成果発表件数は、「京」一般利用枠では 通算 721 件(内、査読付き論文数は 97)、戦略プログラムでは通算 2,020 件(内、査読付き論文数 は 208)、京調整高度化枠では通算 149 件(内、査読付き論文数は 19)に達した。 また、2013 年度末に終了した第1期の「京」一般利用枠課題を含む全 167 課題の利用報告書 ( 「京」一般利用枠課題 115 件(産業利用トライアル・ユース課題 19 件を含む) 、戦略プロ グラム利用研究課題 29 件、重点化促進枠課題 1 件、京調整高度化枠課題 22 件)を公開し た。 4. 「京」の共用のための研究活動 京調整高度化枠において、「京」の安定運転のためのシステム調整、ユーザ利用支援のための 研究開発等、幅広い分野のユーザの利用に資する高度化研究として、26 課題(AICS 25 課題、 RIST 1 課題)の研究を実施した。 全体概要-2 RIST は、登録機関として、共用法第 12 条に基づき、「京」の利用促進の方策検討及び利用者 支援業務を行う者の資質向上のために、1 課題の調査研究を実施した。 5. 研究会等 AICS 及び RIST は、主催あるいは共催により、「京」に関する研究成果の公表・普及、研究交流 等を目的とし、以下の合計 7 件のシンポジウム・会議・報告会を開催した。 (1)未来をひらくスーパーコンピュータ(参加者 講演会 229 名・展示約 1,400 名) (2)第1回「京」と大型実験施設との連携利用シンポジウム(参加者 103 名) (3)平成 26 年度 「京」を中核とする HPCI システム利用研究課題成果報告会(参加者 313 名) (4)シンポジウム「スーパーコンピュータが拓くわたしたちの暮らし」(参加者 250 名) (5)The 5th AICS International Symposium (参加者 130 名) (6)The 4th International Symposium on Data Assimilation (ISDA 2015; 第 4 回国際データ同 化シンポジウム) (第 2 回 AICS 国際データ同化ワークショップ)(参加者 116 名) (7)JST/CREST International Symposium on Post Petascale System Software (ポストペタスケ ールシステムソフトウェア国際シンポジウム)(参加者数 250 名) また、より小規模(参加者 100 名程度以下)で限定的な目的を持つ研究会・ワークショップを、合 計 25 件開催した。 6. 広報活動 一般市民に加えて、「京」の将来の利用者(企業関係者、青少年等)や、マスメディア、政治家、 国・地方自治体関係者等の理解を得るため、AICS と RIST は連携して広報活動を行った。 マスメディアを通じた情報発信としては、プレスリリース 17 件(うち、「京」の利用者募集・選定に 関して 3 件、成果や受賞に関して 4 件)等を行った。新聞・雑誌・テレビ等への掲載数は 800 件以 上であった。 成果の公表・普及、情報発信等を行うため、公式ウェブサイト及び Facebook の管理・運営 (AICS)、HPCI ポータルサイトの管理・運営(RIST)を行った。制作物としては、各種パンフレット の作成、AICS 研究チームハンドアウト(2 種)、広報誌「計算科学の世界」(計 3 号)、「京算百景」 (計 4 号)及び成果事例集Ⅱ・英語版成果事例集Ⅰの発行を行うとともに、「京」を用いた研究成 果など動画 1 本の制作を行った。 イベントとしては、国際会議(ISC’14・ドイツ、SC14・米国)等での展示を行った。加えて、「スーパ ーコンピュータ『京』を知る集い」を新潟、大阪、静岡、松江で開催し、また AICS・RIST も出展した 一般公開(10 月 25 日神戸地区)では、AICS 施設に 2,500 名の来場者を迎えた。さらに、出前授 業・校外学習(計 3 回)等に対応した。 以上に加えて、「京」の見学・視察では、研究機関、企業、学校、政治家、国・地方自治体関係 者など、合計 9,419 名に対応した。 参考資料 参考資料として、利用研究課題の一覧及び成果論文リストを添付する。 全体概要-3 1 「京」の共用について 1-1 共用の枠組み 2012 年 9 月より共用を開始したスーパーコンピュータ「京」(以 報科学技術研究機構(Research Organization for Information 下、「京」)は共用開始から2年半が経ち、科学技術の広範な分野 Science and Technology 以下、RIST)は連携・協力して業務を実 で基礎研究から産業利用まで幅広く活用され、既に様々な成果 施している。また、業務の実施においては、計算科学技術に関 を創出している。 わるユーザによって形成された一般社団法人 HPCI コンソーシ 「京」は「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律 アムをはじめとする関係機関とも協力している。この枠組の中で、 (2006 年 7 月施行)」(以下、共用法)に基づく共用施設であり、 AICS は「京」の運用及び高度化等を担う。一方、RIST は「京」の 「京」の共用にあたっては、国の基本方針の下、「京」の設置者・ 利用者選定業務及び利用支援業務を担い、利用者に対する一 運用実施主体である国立研究開発法人理化学研究所計算科学 元的窓口業務としてのヘルプデスクによる利用相談やプログラ 研究機構(Advanced Institute for Computational Science 以下、 ム高度化支援などを実施している。 AICS)及び登録施設利用促進機関である一般財団法人高度情 図 1 「京」の共用の枠組み -1- 1-2 理化学研究所 計算科学研究機構 AICS はコンピュータ・シミュレーションにより、科学的に未来を 示す。2014年4月にはエクサスケールコンピューティング開発プ 見通す「予測の科学」の確立を目指し 2010 年 7 月に発足した。 ロジェクトを設置した。 そのため、AICS は「京」の運用を行い、利用者視点に立ったユ ○事務部門:計算科学に関する連携・協力の促進、「京」に係る ーザにとって使いやすい計算環境を提供するとともに、計算科 研究等の支援、「京」やシミュレーションの意義を 学及び計算機科学の先導的研究開発を推進し、計算科学技術 伝える広報、報道、等の実施 (High Performance Computing 以下、HPC)の国際的な研究教育 ○研究部門:計算科学の共通基盤的研究、分野融合研究を進め 拠点の構築を目指している。 るとともに、将来重要となる領域の開拓を行い、 「京」を核として我が国の計算科学を先導する。戦 1-2-1 計算科学研究機構の概要 略機関等とも密な連携を取り、優れた成果の創出 1.計算科学研究機構の組織 を目指す。 ○運用技術部門:「京」を中心とする AICS の計算機システムの 「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロ ジェクトは 2009 年度より「京」を中核とし、多様なユーザニーズに 運用や、空調、電源、冷却施設等の維持管理・運 応える革新的な計算環境インフラ(HPCI)を構築し、その利用を 転、システム高度化等の実施 推進するプロジェクトとなった。AICSはHPCIの中核として、我が ○エクサスケールコンピューティング開発プロジェクト:ポスト「京」 国全体の計算科学技術の発展に中心的な役割を担っており、以 の設計、開発等の検討や関係部署の業務の総合 下をミッションとしている。 調整、関係官庁及び関係法人との連絡調整等を ・共用法に基づく、利用者視点に立った共用施設としての「京」の 実施 運用 ・計算機科学と計算科学の連携・融合により先進の科学的成果と 2.計算科学研究機構の予算 2014 年度には「京」の運用に必要な経費として総額 104.2 億円 技術的ブレークスルーを生み出す国際的な研究拠点の形成 ・ポスト「京」の開発、我が国の計算科学技術の在り方、将来構想 が AICS に措置された。このうち、建屋や計算機システムの保守 の策定 費、光熱水費、通信ネットワーク等の経費として 88.9 億円が措置 これらの任務を実現するため、AICS は以下の部門により構成 された。 している。図 2 に、2014 年度末における AICS の組織について -2- 機構長 副機構長 統括役 コーディネーター 企画部 戦略企画課 業務の計画・運営方針、施策の企画立案、予算編成、評価 連携促進課 外部機関との研究・人材育成の連携・協力、動向調査、 成果の取扱・実用化促進、知財の調整 研究支援部 総務課 人事、庶務、厚生、地域との連携協力 経理課 経理・契約、物品調達、資産管理、エフォート管理 広報国際室 広報、報道、イベント開催 安全管理室 施設運転技術チーム 環境汚染の防止、研究倫理関係 システム運転技術チーム 運用技術部門 ソフトウェア技術チーム HPCIシステム技術チーム システムソフトウェア研究チーム プログラミング環境研究チーム プロセッサ研究チーム 大規模並列数値計算技術研究チーム 利用高度化研究チーム 研 究 部 門 連続系場の理論研究チーム 離散事象シミュレーション研究チーム 量子系分子科学研究チーム 量子系物質科学研究チーム 粒子系生物物理研究チーム 粒子系シミュレータ研究チーム 複合系気候科学研究チーム 複雑現象統一的解法研究チーム プログラム構成モデル研究チーム 可視化技術研究チーム データ同化研究チーム 平尾計算化学研究ユニット 総合防災・減災研究ユニット 計算構造生物学研究ユニット システムソフトウェア開発チーム エクサスケールコンピューティング 開発プロジェクト アーキテクチャ開発チーム アプリケーション開発チーム コデザイン推進チーム -3- 「京」運用に必要な施設及び設備の運転・維持管理、電力等のエネルギー需給 に関する集積の他、施設設備の高度化に関する研究開発 「京」の運転・維持管理、機構ネットワークの管理、情報セキュリティ管理に関す る関連業務を行う他、「京」運用に関する技術の高度化に関する研究開発 「京」に関するソフトウェア技術の高度化に関する研究開発に加え、システムソ フトウェアの改良、応用ソフトウェアに関する調整支援の関連業務 HPCI共用システム全体の運用における技術的検討及びシステム構成機関間 の調整を行う他、機構がもつHPCIシステムの運用・管理に関する関連業務 1-2-2 計算科学研究機構の活動について (2) AICS 国際シンポジウム 1.国際協力 計算科学と計算機科学の融合による新しい科学の創造に向け、 (1) 連携協力協定等 国内外の著名な研究者を集め、最先端の研究に関する情報交 AICS では、これまでに表1に示す機関と連携協力に関する覚 換を行うとともに、「京」を用いた国際連携の展開を図ることを目 的として、2014 年12 月8 日(月)~12 月9 日(火)に AICS1F セミ 書を締結し、連携活動を行っている。 ナー室において、The 5th AICS International Symposium を開催し た。国内外から 130 名の参加があった。 表 1 連携協力協定締結先と締結時期 契約締結機関 THE SCUOLA INTERNAZIONALE SUPERIORE DI 契約締結時期 2.国内機関との連携 2011 年 5 月 国内では、次世代スーパーコンピュータ開発実施本部におい STUDI AVANZATI (SISSA) National Center for Supercomputing Applications 2012 年 10 月 AICS において神戸大学(2012 年5 月締結)との包括協定をそれ (NCSA) Australian National University / National て筑波大学(2006 年 9 月締結)、東北大学(2009 年 4 月締結)、 2012 年 11 月 ぞれ締結し、連携活動を行っている。 神戸大学大学院システム情報学研究科とは、この協定に基づ Computational Infrastructure (ANU/NCI) University of Maryland 2013 年 2 月 き共同研究等を行っている。この一環として、可視化技術研究チ Jülich Supercomputing Center (JSC) 2013 年 10 月 ーム及び大規模並列数値計算技術研究チームが神戸大学統合 Argonne Leadership Computing Facility (ALCF) 2013 年 11 月 研究拠点(AICS の東隣に立地)において、共同研究を積極的に Centre National de la Recherche Scientifique(CNRS)/ 2014 年 4 月 進めている。 また、2013 年4 月に博士後期課程を設置した兵庫県立大学大 Maison de la Simulation(MDLS) Joint Laboratory forExtreme-Scale Computing 学院シミュレーション学研究科とは、今後の連携に向けた準備を 2015 年 3 月 進めている。 (JLESC) 新たに 2013 年度に、13 機関と合計10 件の共同研究契約を締 結しており、積極的に外部機関との共同研究を行っている。 2013 年度以前に締結し、2014 年度時点で有効であった契約 に関しては、これまでと同様に、相手先機関との連携協力を図っ 3.人材育成 た。 (1) 神戸大学との連携大学院 2014 年度は新たに CNRS/MDLS 及び JLESC と覚書を締結し 理研と神戸大学との間の、連携大学院協定により、2013 年4月 た。CNRS/MDLS とは、最先端のアルゴリズムや計算科学技術 からは、6 名がシステム情報学研究科の客員教員(客員教授4名、 をはじめとして、プログラミング理論、計算科学におけるコンピュ 客員准教授 2 名)となり、連携講座として神戸大学院生の人材育 ータ言語及びビックデータに関する計算手法等の分野について 成を担っている。 研究交流を行うこととし、HPC・計算科学分野における人材育成 2014 年度は、システム情報学研究科内に博士課程前期課程と についても相互に協力することとした。JLESC は、Extreme Scale して、大規模シミュレーション総論Ⅰ、Ⅱ(前期 11 回、後期 12 回、 Computing の開発を見据えた上で、各国の関連機関が相互に連 それぞれ 2 単位)を行った。 携・協力することにより、一層の研究推進を図ることを目的とした グループであり、現在は INRIA(France)、The University of Illinois (2) RIKEN AICS HPC Summer School 及び Spring School at Urbana-Champaign、Argonne National Laboratory、Barcelona 「京」に代表されるスーパーコンピュータを駆使して新しいこと Supercomputer Center 及び Jülich Supercomputing Centre で構成さ に挑戦したいと考えている大学院生や若手研究者等の人材育成 れている。具体的には関連機関において各国でのワークショッ を目的として、2014 年 8 月 4 日(月)~8 日(金)に、RIKEN AICS プの開催や人材交流の実施、共同研究の可能性についての検 HPC Summer School 2014 を、2015 年 3 月 4 日(水)~6 日(金) 討などを行い、連携を進めていく予定である。 に、RIKEN AICS HPC Spring School 2014 を実施した。いずれ -4- も AICS 講堂において講義及び実習を行い、Summer School に Omni XcalableMP おいては 21 名が、Spring School においては 17 名が参加した。 Scalasca プログラミング環境研究チーム MUMPS 開催に当たっては、東京大学情報基盤センター及び神戸大 学大学院システム情報学研究科との三者で共催し、HPCI 戦略 Eigen K プログラム実施機関や RIST の協力のもと実施した。 EigenExa 大規模並列数値計算技術研究チーム KMATH_RANDOM (3) International Summer School on HPC Challenges in Xcrypt Computational Science 2010 年から欧州 PRACE 及び米国 XSEDE が開催してきた HPC における国際的な人材育成を目的としたサマースクールに、 AICS も 2013 年 度 か ら 主 催 者 と し て 参 加 し て い る (Compute/Calcul Canada も 2014 年度から参加)。同スクールは、 2014 年度は 2014 年 6 月 1 日~6 日にハンガリー・ブダペスト工 利用高度化チーム NTChem 量子系分子科学研究チーム GENESIS 粒子系生物物理研究チーム SCALE 複合系気候科学研究チーム KMR プログラム構成モデル研究チーム Polylib 可視化技術研究チーム Cutlib 科経済大学で開催され、日本からは 17 名の応募があり、選考の CPMlib 結果、10 名が参加した。 (4) AICS Café の開催 TextParser 可視化技術研究チーム PMlib ソフトウェア技術チーム CIOlib 異分野間の壁を超えた研究協力を促進し、新しい学問分野の 開拓を目指すため、研究者間の情報交換・相互理解の場を提供 K-scope し、研究協力のきっかけを作ることを目的として、AICS Café を開 K を待ちわびて システム運転技術チーム 催している。これは AICS 内の研究者等がお互いの研究内容を (2) 利用者向け公開ソフトに関する講習会の開催 わかりやすく紹介するもので、飲み物を飲みながら誰でも気軽 AICS で公開するソフトを対象として講習会を実施した。講習 に参加できるものとなっている。2015 年 3 月末までに 69 回開催 会の実績については以下の通りである。 し、毎回20~30名程度が参加し、活発な質疑応答が行われてい 対象ソフト名 る。 開催日 参加人数 TextParser/CIOlib 2014 年 4 月 16 日 3人 4.研究成果の普及促進 K MapReduce 2014 年 5 月 20 日 19 人 (1) ソフトウェアの公開 PMlib 2014 年 5 月 27 日 9人 GENESIS 2014 年 6 月 17 日 10 人 開発したプログラムを「京」ユーザへ利用者向け公開ソフトとして NTChem 2014 年 9 月 3 日 7人 提供するために、ワーキングループを設置して公開方法等につ XcalableMP 2014 年 9 月 18 日 6人 いて議論した。2015 年 3 月 31 日までに 22 件のプログラムを公 K MapReduce 2014 年 11 月 11 日 9人 開している。公開プログラムの一覧は表 2 の通りである。 XcalableMP 2014 年 12 月 18 日 5人 PMlib 2015 年 1 月 16 日 3人 AICS の高度化研究の一環として、「京」向けに最適化または 表 2 利用者向け公開ソフト一覧 ソフト名称 NetCDF PRDMA OACIS 研究チーム 5.その他の研究事業活動 AICS では計算機科学と計算科学の連携・融合により先進の科 システムソフトウェア研究チーム 学的成果と技術的ブレークスルーを生み出す国際的な研究拠 点の形成を目指して、次のような研究事業にも取り組んでいる。 離散事象シミュレーション研究チーム -5- また、「今後の HPCI を使った計算科学発展のための検討会」 (1) 文部科学省「HPCI の運営」(HPCI の運営企画・調整) 当該事業では、我が国の幅広い HPC ユーザ層が、全国の を設置し、将来の HPC で解決すべき社会的・科学的課題を抽出 HPC リソースを効率よく利用できる体制と仕組みを整備し、提供 する「計算科学ロードマップ」の継続的なアップデート方針とその することにより、全国規模でニーズとリソースのマッチングを可能 推進母体となる組織に関する検討を実施すると共に、「計算科学 とし、萌芽的研究から大規模研究まで、また産業利用にわたる幅 ロードマップ」の概要版の更新および英語版の発行を行った。 広い HPC 活用を加速するとともに、計算科学技術関連コミュニテ ィを醸成・拡大し、成果の社会還元にも資することを目的としてい (2) 公益財団法人計算科学振興財団「研究教育拠点(COE)形 る。 成推進事業」 そのため、理研は関係機関と連携を図りながら、今後の運営 兵庫県、神戸市の協調のもと「京」の立地効果を最大限に活用 の在り方に関する調査検討、および技術企画・調整業務を行っ し、防災・減災や創薬など地域の課題解決等に資する分野にお ている。今後の運営の在り方に関する調査検討では、HPCI シス ける「京」を活用した最先端の研究に対する助成を受けて実施し テムの整備と運用、計算科学技術の振興、将来のスーパーコン ている。また、研究成果の地域への還元を図るための普及啓発 ピューティングに関し、HPCI コンソーシアムとも連携して検討テ を通じて、「京」を中核とする計算科学分野の研究教育拠点 ーマを設定し、本事業実施機関やコンソーシアム構成機関を対 (COE)の形成と、計算科学分野の振興を図る。 象とした意見収集・集約、有識者によるワーキンググループにお AICS では地域の課題解決等に資する研究として 2012 年度よ ける検討等を通じて、HPCI の今後の運営の在り方に関する調査 り取り組んできた研究課題に 2 課題を追加し、以下7 つの研究課 検討を実施している。技術企画・調整業務では、HPCI システム 題に取り組んでいる。 運用の全体にわたる技術面での統括的な業務や共通運用の対 ①計算構造生物学による生体超分子解析と創薬応用研究 象となる HPCI システムの運用機関等との調整業務として下記を ②関西地域を対象とした都市防災の計算科学研究-地震津波と 集中豪雨被害のハザードマップの作成- 実施している。 ・HPCI システム構成機関等が参加する調整の場を設定・運営 ③京コンピュータ利用による新材料設計 ・HPCI システムの運用に際して生じる技術的不具合の原因究 ④超並列プログラムの開発・利用環境技術の展開と人材育成 ⑤ポストペタスケールにむけたアプリケーション・アルゴリズム・ 明・対応策の検討 アーキテクチャの融合型開発 ・HPCI システム全体の運用に係るソフトウェアの改良に関する検 ⑥ビッグデータ創薬とシミュレーション創薬をつなぐ計算創薬基 討 これらにより、多様なユーザニーズに応える HPCI システムの 盤の構築 運用環境維持を行っている。また、国立大学法人東京大学と連 ⑦シミュレーションによる天然光合成の解明と人工光合成の構築 携し、HPCI 共用ストレージシステムの保守運用に努め、コミュニ ※⑥、⑦の課題を 2014 年度に追加 ティによるデータ共有のためのストレージやデータのプリポスト 処理のための計算資源を提供している。 -6- 1-3 高度情報科学技術研究機構神戸センターの組織と活動の概要 1-3-1 RIST 神戸センターの組織 RIST は、共用法に基づき「京」の利用促進業務を行うための登 2014 年 4 月より、外部機関との連携推進、成果公開の促進等の 録施設利用促進機関として 2012 年度から 2016 年度までの事業予 企画機能を強化するため、計画管理室を計画推進室と改称すると 定期間をもって選定され、2012 年 4 月 1 日に開設された神戸セン ともに人員を補強した。2015年度末におけるRISTの組織図は図3 ターにおいて業務を開始した。 の通りである。 図 3 RIST の組織図 (2015 年 3 月 31 日現在) -7- 1-3-2 RIST 神戸センターの活動の概要 2012 年 4 月に発足した RIST 神戸センターは、共用法にもとづ 4)AICS と連携して「京」全利用者を対象に、計 6 回のユーザブリ いて、登録施設利用促進機関(登録機関)として、利用促進業務 ーフィングを実施し、「京」技術情報の提供を行うとともに、運用・ (事業予定期間:2012 年度から 2016 年度まで)の第 3 年度の業務 利用等に関する意見交換を行い、施設の適切な運用に寄与し を実施した。 た。 5)第1回「京」を中核とする HPCI システム利用研究課題成果報告 会を 2014 年 10 月に東京で開催し、313 名の参加を得た。また、 1.利用者選定業務 選定委員会及び利用研究課題審査委員会(以下、「課題審査委 AICS と共同で「未来をひらくスーパーコンピュータ」(2014 年 8 員会」という。)を開催し、2015 年度の一般利用研究課題の利用者 月、東京)を主催し、講演会及び展示を行った。講演会の参加者 選定を実施した。 は 229 名、展示への来場者は 2 日間合計で約 1,400 名であっ 1)2015 年度一般利用研究課題の募集について、138 件の応募課 た。 題から 67 課題を選定した。2015 年度の産業利用課題について (2)技術支援 は、計算資源量を 8%から 10%に拡大するとともに、成果を非公 1)利用支援のための一元的窓口として設置したヘルプデスクを活 用し、利用者にワンストップ・サービスを提供するとともに、利用 開とする個別利用課題(有償)については随時受付とした。 2)国から提案された 2015 年度戦略プログラム利用課題について、 2014 年度下期加速枠、2015 年度分野配分枠の選定を実施した。 者の意見を運営に適宜反映することで、円滑な支援を実施し た。 2)「京」の利用を促進するため、戦略プログラム分野7課題、一般・ 候補決定までのプロセスについての審査・確認を行った。 3)2014 年度成果創出・加速課題について、上期は一般利用 3 課 若手人材育成 3 課題、産業利用 19 課題について、「京」へのプ 題、若手人材育成1 課題、産業利用(実証)1 課題を選定し、また ログラム移植等の調整支援、プログラム性能の分析評価・パイプ 下期においてはそれぞれの希望調査を行い、利用研究課題審 ライン等の最適化促進等の高度化支援を実施した。 3)共用法第12条に基づき、「京」の利用促進の方策検討及び利用 査委員会の審議を経て選定した。 4)文部科学省が決定する 2014 年度重点化促進課題について、1 者支援業務を行う者の資質向上のために、「京」におけるハイブ リッド並列の最適化に関する調査研究を行った。 課題を選定した。 4)当財団の利用支援用スーパーコンピュータ(FX10)を用い、 2.利用支援業務 「京」でソフトウェアが動作することを確認して応募したいとの企 (1)情報支援 業の要請に対応した。また、「京」上で利用可能な産業応用ソフ 1)2013 年度に実施された課題の利用報告書、及び 2012 年度~ トウェアを拡大するため、FX10 をソフトウェア移植環境として利 2014 年度に実施された産業利用トライアル・ユース課題の内 19 用させるための共同研究契約をソフトウェアベンダーと締結し 課題の利用報告書を HPCI ポータル上で公開した。また、利用 た。 報告書を研究分野から検索できる機能、及び利用報告書の要約 (3)その他の支援 を表示する機能を追加するなど、利用成果の普及・公開を促進 1)産業利用支援 産業界が積極的に「京」を活用し、所期の成果を挙げて各社の した。 2)「京」、及びその他の HPCI 計算資源によって創出された成果の 研究開発が加速され、ひいては我が国の国際競争力が強化され 公開情報を一元的にまとめたデータベース(HPCI 成果発表デ ることが強く期待されている。「京」の産業利用を効率的に推進す ータベース)に登録された成果発表件数は、2014 年度末で通算 るため、産業利用推進コーディネーターを置き、産業利用を専任 2,360 件(内、査読付き論文数は 294 件)に達した。 で推進する体制を整備している。2013年4月には産業利用推進室 3)「京」における成果や「京」とその利用についての情報発信のた を設置し、産業応用アプリケーションの主要分野や可視化対応に めに、季刊誌「京算百景」vol.6~9、成果事例集Ⅱ、成果事例集 精通した支援員を配した推進体制を整備した。また「京」の利用相 Ⅰ英語版を発行し、「京」に関心を持つ研究者、技術者及び「京」 談や支援を対面で受けたいとの関東の企業のニーズに対応する の利用を希望する研究者、技術者に配布、公開等を行った。 ため、産業利用推進室の東京駐在を設置し、高度化支援や企業 -8- 度利用課題の応募前相談をすることとなった。 への普及促進活動を含む体制を整備している。 産業利用促進のために、①応募前利用相談、②プログラム並列 性能向上等の高度化支援、③プリポスト処理支援、④アプリケーシ ョン情報整備、⑤情報提供・情報発信などを実施した。また、「京」 の産業利用課題(個別利用)の募集は原則年1回であったが、民 間企業のニーズに迅速に対応するため、2015 年3 月より随時受付 とした。 2)講習会等の利用支援業務 「京」の利用技術の習得等を目的とした講習会については、 FX10 を用いたハンズオンを 6 回、高速化ワークショップを 1 回、利 用者のすそ野を広げる一般向けHPCセミナーを4回、少人数で随 時開催するオンサイト講習会を 3 回開催した。また、戦略プログラ ム実施機関との共催による将来の「京」利用者のスキルアップを図 る研修会を 9 回実施した。講習会等への参加者は延べ 874 名で、 図 4 RIST 神戸センターで行われた調印式 その内企業参加者は約 1/4 に上り、着実に産業利用の推進に貢 献した。 (2)アウトリーチ活動 3)展示会等 神戸市主催の「神戸医療産業都市・京コンピュータ 一般公開~ 「京」の利用促進に向け、ISC14(2014 年 6 月、独国ライプツイッ 体験!未来の科学島!」(2014 年10 月、神戸)にて、「計算機歴史 ヒ)、SC14(2014年11月、米国ニューオリンズ)等に出展し、利用者 博物館」を開催した。また、当財団初の小中学生向けのアウトリー 向けに情報提供、情報発信を行った。日本国内では、第 25 回設 チ活動として、バンドー神戸青少年科学館と連携し科学教室「スパ 計・製造ソリューション展(2014 年 6 月、東京)、第 7 回トップセミナ コン探検隊」(2015 年 3 月、神戸)を開催した。 ー(2015 年 1 月、大阪)へのブース出展を行った。 4)セミナー・シンポジウム等 利用者とソフトウェアベンダーとの情報交換の場として、 OpenFOAM 等の OSS を対象としたワークショップ(2014 年 10 月、 東京)を昨年に引き続き開催し、産業利用事例や利用技術に関す る情報提供および発信を行った。また、第 1 回「京」と大型実験施 設との連携利用シンポジウムを計算物質科学イニシアティブ (CMSI)と共同開催し(2014 年 9 月、東京)、登録施設間の連携利 用の促進を図った。 3.その他の業務 (1)国際交流の推進 2014 年 10 月、欧州の PRACE( Partnership for Advanced Computing in Europe)とスーパーコンピュータの共用促進に係る情 報交換に関する覚書を締結した(図 4)。 また、シンガポールの HPC 動向調査及び「京」の国際利用促進 の た め 、 シ ン ガ ポ ー ル 科 学 技 術 庁 配 下 の 2 研 究 機関 (Computational Resource Centre (A*CRC) 及び Institute of High Performance Computing(A*IHPC))を訪問(2015 年 3 月)、2016 年 -9- 2 「京」の運用 稼働状況 2-1-1 稼働状況 稼働率 「京」は 2012 年 9 月 28 日から共用を開始し、フルノード(82,944 ノード)を課題採択された利用者に提供している。2014 年度の月 別の予定された保守日数および停止を伴う障害等による停止日数 を表1 に示す。2014 年度の予定された保守の合計は 13.2 日、1 時 間以上の停止を伴う障害等による停止日数は合計で 7.4 日であっ た。 表 1 2014 年度の予定された保守の日数と 図 1 2014 年度の稼働率 1 時間以上の停止を伴う障害等による停止日数 予定された 障害等による 保守の日数 停止日数 2015 年 3 月の稼働率が他の月と比べて大きく低下しているが、 2014 年 4 月 2.6 0.4 これはファイルシステム障害と GIO ダウンによるステージング停止、 2014 年 5 月 0.2 0.0 電源設備障害による停電によるものである。それ以外の期間は非 2014 年 6 月 0.8 0.0 常に高く、通年で約 98 %の稼働率であった。 2014 年 7 月 6.9 1.1 2014 年 8 月 0.4 1.0 2014 年 9 月 1.1 0.8 2014 年度に発生した主な障害の状況は表 2 の通りである。ここ 2014 年 10 月 0.1 0.0 では、影響がシステム全体に渡り、かつ 1 時間以上の停止を伴っ 2014 年 11 月 0.2 0.0 2014 年 12 月 0.2 1.2 2015 年 1 月 0.3 0.0 2015 年 2 月 0.3 0.0 2015 年 3 月 0.1 3.0 合計 13.2 7.4 注:予定された保守の日数、障害等による停止日数の合計は、四 障害の発生状況 たものを記載している。 表 2 2014 年に発生した主な障害と停止期間 発生日時 障害内容 停止時間 (H) 2014 年 4 月 6 日 ローカルファイルシステム 8.8 障害(ハード障害) 2014 年 7 月 27 日 2014 年 8 月 15 日 ローカルファイルシステム 23.7 障害(ソフト障害) また、2014 年度の稼働率は図 1 の通りである。ここで示す稼働率 2014 年 9 月 12 日 ジョブ状態遷移不可 18.2 2014 年 12 月 2 日 ローカルファイルシステム 17.8 障害 (ハード障害) 当該月の稼働率 =(当該月の全時間-予定された保守の時間-障害等による停 26.3 障害(ソフト障害) 捨五入の関係により各月の合計とは一致しない。 は、以下の式に従い算出している。 ローカルファイルシステム 2014 年 12 月 10 日 ローカルファイルシステム 10.2 障害(ハード障害) 止時間)/(当該月の全時間-予定された保守の時間) 2015 年 3 月 8 日 ローカルファイルシステム 障害(ハード障害) - 10 - 17.5 2015 年 3 月 12 日 BIO 通信不可によるジョブ 入されたジョブの要求資源量の総和の推移を図 4 にそれぞれ示 9.6 す。図 4 はジョブの投入時に利用者が指定したノード数および経 スケジューリング停止 2015 年 3 月 13 日 GIO ダウンによるステージ 過時間をもとに算出している。 21.7 ング停止 2015 年 3 月 17 日 電源設備障害による停電 23.1 2014 年度に発生した障害の多くはファイルシステムに関連した ものであった。中でもハードウェアが原因の障害が増加傾向にあ る。運用開始から 2 年以上経過しており経年劣化によるものもある が、故障率が予測以上に高いため原因を調査したところ、特定の ハードウェアに問題があることが判明した。当該ハードウェアは順 次交換を行っている。ファイルシステム以外の運用ソフトウェアに 図 3 処理されたジョブ件数の推移 ついては安定していた。 3月に発生した電源設備の障害による停電では、通常はCGSか ら電力が供給され停電しないGFS等が停止したため、「京」本体は 停電はしなかったがシステムの再起動が必要となり、長時間運用 が停止することになった。 利用者数(課題数)の推移 2014 年度の実際に「京」を利用した利用者数および課題数の推 移を図 2 に示す。ここで示す「京」を利用した利用者数および課題 数とは、実際にジョブを実行した利用者数および課題数を表して 図 4 「京」に投入されたジョブの要求資源量の総和の推移 いる。 これらの図から常に「京」が提供可能な資源量を超えた要求が あったことがわかる。2013 年度は提供可能な資源量よりはるかに 多い要求があり、待ち時間の長期化等の問題が発生した。これを 防ぐため、2014 年度は 2013 年度比で 85%の計算資源量を各課題 に割り当て、これらの問題の改善を図った。 図 2 「京」を利用した利用者数および課題数の推移 一日あたりの利用者数(アクティブユーザ数)は平均して約 120 名で、非常に多くのユーザが「京」を常に利用していることがわか る。 ジョブ数の推移 図 5 使用された計算資源量の内訳 2014 年度に処理されたジョブ件数の推移を図 3 に、「京」に投 - 11 - 図 5 に 2014 年度に使用された計算資源量の内訳を示す。2014 年度は 2013 年度と比べ、特に下期の要求資源量が少なかった影 響で、ジョブ充填率(実際にジョブを処理した時間/サービスを提 供した時間)が低下した。月一回実施している大規模ジョブ実行期 間の充填率の改善策として、夜間においてもノードが故障し大規 模ジョブを実行できなくなった場合には、速やかに small, largeキュ ー等のジョブを順次実行する等の運用を行ないノードの有効利用 を図った。2015 年3月は障害の影響もあり、ジョブ充填率は70%を 下回ったが、2014 年度の年間ジョブ充填率は 75.3% と 2013 年度 とほぼ同じ結果であった。 2014 年度上期までは優先課題を対象にノード専有利用を実施 していたが、ユーザの利便性等を鑑み下期からノード優先利用を 図 7 待ち時間の推移(385〜1,024 ノード) 開始した。ノード専有利用では利用できる期間が決まっていたた め、ユーザは計画的に利用する必要があったが、ノード優先利用 では通常と同じ方法で利用できるようになり、ユーザには非常に好 評であった。 待ち時間の分析 ジョブが投入されてから実行されるまでの待ち時間の推移を、 ジョブの規模や経過時間指定毎に集計した結果を図 6 から図 10 に示す。 図 8 待ち時間の推移(1,025〜4,096 ノード) 図 6 待ち時間の推移(1〜384 ノード) 図 9 待ち時間の推移(4,096〜12,288 ノード) - 12 - 2-1-2 まとめ 2014 年度の「京」の運用状況は、設備障害による停電によるシス テム停止などがあったものの,全体的に安定しており、通年で約 75.3%のジョブ充填率であった。発生した障害の多くはファイルシ ステムに関連するものであった。これまではソフトウェアに起因す るものほとんどだったが、最近はハードウェアに起因する障害が 増加する傾向にある。「京」は共用を開始してから 2 年半が経過し ており、今後もハードウェアに起因する障害が増加することが予想 される。安定した運用を実現するためには、ハードウェアの故障が 顕在化する前に予防交換を実施できるような体制が必要と考える。 利用者の利用状況をみると、今年度は配分資源量を減らしたこ とにより、待ち時間が改善された。しかし、昨年度と比較して短くは なっているが各期末の待ち時間の長期化はまだみられており、期 図 10 待ち時間の推移(12,288〜36,864 ノード) を通して効率的に計算資源を利用するようにユーザに周知してい すべての規模のジョブで、各期末(9 月および 3 月)に待ち時間 く必要がある。また、利用者が「京」を利用しやすいように、ジョブ が増加している。これは、「京」の計算資源が上下期に分割して配 の実行を支援するツールの提供や、効率的なジョブ実行に必要な 分されるため、各期の計算資源を使いきるために、利用者が各期 情報などを提供できるようにするなど、今後も運用の改善に努めて 末にジョブを多く投入したためと考えられる。2014年度は配分資源 いく。 量を2013 年度より減らしたため、2013 年度に比べて全体的に待ち 時間は短くなったが、それでもまだ各期末の待ち時間は長くなる 傾向にある。期を通して効率的に計算資源を利用するようにユー ザに周知していく必要がある。 - 13 - 2-2. 施設管理 供給されている。関西電力からの受電電圧は 77 kV、前年度の 2-2-1はじめに 使用電力の実績を反映して契約電力は2014年4月に見直しをし 電気設備、空調冷却設備などユーティリティ施設の運転、維持 ている。都市ガス燃料による自家発電設備では、発電電圧 6.6 管理業務の目的は、「京」を中核とする AICS の研究施設を安全、 kV、最大発電電力 6,120 kW の CGS が 2 機設置されている。受 安定に運転・維持することにより、施設全体の稼働率を上げ、共 電電力と発電電力を連携することにより、一次エネルギー消費量 用施設である「京」を最大限に利用可能とすることである。 を最小化するとともに、万が一の停電時にも重要負荷に対して無 設備の運転管理においては、「京」が 24 時間連続稼働である 停電で電力を供給している。 AICS の建屋竣工引き渡しは 2010 年 5 月末であり、以降職員 ことから、常時ユーティリティ施設を適切に運転するため、24 時 の入居や「京」の稼働状況に合わせて契約電力を変更してきた。 間体制で施設管理を実施している。 設備の性能を維持するため、計画的に保守点検を実施し、 CGS は 2011 年 1 月末に竣工引き渡しを受け、「京」の本格的な 「京」を停止させることのないよう努めている。また、研究チーム 試運転が開始された 2011 年 3 月より 24 時間連続運転を実施し や戦略機関等が持ち込むサーバ類についても、設置場所の整 ている。契約電力を過大としないため、その時々の電力並びに 備、電源や空調の増設工事を行い、研究環境の維持整備も実施 熱需要に合わせ、CGS の発電量を調整してきている。 2012 年9 月の共用開始以降、AICS 全体の消費電力は徐々に している。 増加してきたが、節電の努力の効果もあり平均 15 MW 程度で落 原子力発電所の停止状態が続く昨今の電力状況に対しては、 ち着いており、CGS 1 機稼働が通常状態となっている。 構内コージェネレーションシステム常用自家発電設備(以下 CGS と呼ぶ)の運転計画を調整することにより、「京」の運用計画 CGS 1 機を常時運転し、もう 1 機を予備機として 1~2 週間ごと に支障を及ぼすことなく、かつ関西電力(株)からの節電要請に に切り替えて運用しており、2機のCGSの運転時間を均一化して も協力してきた。しかし、燃料原価の高騰の影響は大きく、運転 いる。ベンチマーク測定時や大規模ジョブ実行時には、大電力 経費を圧迫する状況が継続している。このため、関西電力からの の需要が見込まれるため、状況に応じて CGS 2 機を稼働させ、 受電量と自家発電量のバランスを見ながら、光熱費最小コストで 「京」の電力需要並びに熱需要に追従させるとともに、契約電力 の運用となるよう調整を実施している。 を超過しないよう運用している。 最大電力に関しては、夏季及び冬季の節電要請期間中での 2-2-2光熱水管理 デマンド低減のために、CGS の出力を上げることや一部機器の 1.電気 停止、照明間引き点灯等を行い、節電協力を実施している。 (図 11、12 参照) AICS の電力は、関西電力からの受電と CGS による発電により GWh 10.00 8.00 6.00 4.00 2.00 0.00 2010年度 2010年度 2011年度 2011年度 2012年度 2012年度 2013年度 2013年度 2014年度 2014年度 4月 4月 4.00 4.00 7.30 7.30 8.23 8.23 6.96 6.96 5月 5月 5.82 5.82 7.53 7.53 8.49 8.49 7.41 7.41 6月 6月 0.12 7月 7月 0.37 8月 8月 0.73 9月 9月 0.74 10月 10月 1.09 11月 11月 1.59 12月 12月 2.62 6.27 6.27 6.64 6.64 5.96 5.96 7.00 7.00 0.12 0.37 0.73 0.74 7.38 7.38 6.85 6.85 7.17 7.17 7.34 7.34 5.63 5.63 8.24 8.24 6.84 6.84 5.54 5.54 8.42 8.42 7.67 7.67 5.51 5.51 8.47 8.47 9.06 9.06 8.26 8.26 8.83 8.83 1.09 7.82 7.82 8.53 8.53 8.93 8.93 1.59 7.78 7.78 8.25 8.25 8.75 8.75 図 11 受電電力量の推移 - 14 - 1月 1月 3.09 2月 2月 4.32 3月 3月 3.00 7.04 7.04 6.95 6.95 7.50 7.50 2.62 3.09 8.56 8.56 8.45 8.45 8.47 8.47 9.07 9.07 8.54 8.54 9.08 9.08 4.32 7.57 7.57 7.67 7.67 8.18 8.18 3.00 合計 GWh 対前年度比 2010年度 17.66 2011年度 73.86 418.2% 2012年度 8.31 8.31 92.21 124.8% 2013年度 99.88 108.3% 8.74 8.74 2014年度 99.50 99.6% 8.47 8.47 GWh 5.00 4.00 3.00 2.00 1.00 0.00 4月 4月 5月 5月 6月 6月 7月 7月 8月 8月 9月 9月 10月 10月 0.01 2010年度 2 0 1 0 年度 2011年度 2 0 1 1 年度 2012年度 2 0 1 2 年度 22013年度 0 1 3 年度 2.18 2.43 3.15 3.52 3.04 3.18 3.84 2.52 2.94 2.69 3.47 3.95 3.23 3.14 22014年度 0 1 4 年度 3.40 3.40 2.18 2.52 2.71 2.71 2.43 2.94 2.86 2.86 3.47 3.47 3.15 2.69 2.59 2.59 3.61 3.61 3.52 3.47 2.74 2.74 2.86 2.86 3.04 3.18 3.95 3.23 2.72 2.72 2.73 2.73 2.03 2.03 1.79 1.79 11月 11月 0.00 0.01 0.00 3.84 3月 3月 2.47 3.11 2.55 2.78 2.95 2.51 2.51 2.89 2.89 3.91 3.33 3.11 2.31 2.71 2.95 2.50 2.50 2.07 2.07 2月 2月 0.00 0.00 2.31 2.58 2.58 1月 1月 0.00 0.00 3.91 3.14 12月 12月 0.00 1.84 1.84 3.33 2.71 2.38 2.38 1.94 1.94 2.53 2.53 1.91 1.91 0.00 2.55 2.34 2.34 1.72 1.72 合計 GWh 対前年度比 2.47 ## 2010年度 2.48 2.78 ## 2011年度 37.03 1494.3% ## 2012年度 35.30 95.3% ## 2013年度 31.39 88.9% ## 2014年度 28.56 91.0% 2.69 2.69 1.92 1.92 図 12 CGS 発電電力量の推移 2.都市ガス 3.水 都市ガスは、大阪ガス(株)より中圧 A により供給されており、 AICS で使用する水は、神戸市水道局より工業用水並びに上 供給された都市ガスのほぼ全量をCGS が消費している。CGSか 水の 2 系統が供給されている。工業用水は主に「京」を冷却した ら回収される排熱をすべて利用することにより、ほぼ常時70 %以 熱を大気中に放熱するための冷却塔補給水として利用されてい 上の熱効率で運用している。(図 13 参照) る。「京」の冷却のためには、最大 1,000 t/日もの水を蒸発させる 2013年度から2014年度にかけて燃料原価が高騰したことを受 必要があるため、安価な工業用水を使用している。上水は研究 け、光熱費コストを最小にするために受電電力の比率を高くし、 棟飲用水、手洗いの他、冬季の加湿蒸気にも使用している。また、 自家発電電力を最小とする運用を実施した。これにより、2014 年 雨水並びに冷却塔ブロー水は貯留、滅菌した上で、トイレ洗浄 度では大阪ガスとの供給契約の最低取引量を満たすため4 月か 水や構内植栽の灌水として再利用しているため、受水量に比べ ら 7 月にかけての使用量が前年度より多めに推移することとなっ 下水道使用量は非常に少ない。(図 14、15、16 参照) た。 GWh 5.00 4.00 3.00 2.00 1.00 0.00 4月 4月 5月 5月 6月 6月 7月 7月 8月 8月 9月 9月 10月 10月 0.01 11月 11月 0.00 12月 12月 0.00 3.84 3.91 3.33 2010年度 2 0 1 0 年度 2011年度 2 0 1 1 年度 2012年度 2 0 1 2 年度 22013年度 0 1 3 年度 2.18 2.43 3.15 3.52 3.04 3.18 3.84 2.52 2.94 2.69 3.47 3.95 3.23 3.14 22014年度 0 1 4 年度 3.40 3.40 2.18 2.52 2.71 2.71 2.43 2.94 2.86 2.86 3.47 3.47 3.15 2.69 2.59 2.59 3.61 3.61 3.52 3.47 2.74 2.74 2.86 2.86 3.04 3.95 2.72 2.72 2.03 2.03 3.18 3.23 2.73 2.73 1.79 1.79 0.01 3.14 2.58 2.58 2.07 2.07 0.00 2月 2月 0.00 3月 3月 2.47 3.11 2.55 2.78 2.95 2.51 2.51 2.89 2.89 0.00 3.91 3.33 3.11 2.31 2.71 2.95 2.31 2.50 2.50 1.84 1.84 図 13 ガス使用量の推移 - 15 - 1月 1月 0.00 0.00 2.71 2.38 2.38 1.94 1.94 2.53 2.53 1.91 1.91 0.00 2.55 2.34 2.34 1.72 1.72 合計 GWh 対前年度比 2.47 ## 2010年度 2.48 2.78 ## 2011年度 37.03 1494.3% ## 2012年度 35.30 95.3% ## 2013年度 31.39 88.9% ## 2014年度 28.56 91.0% 2.69 2.69 1.92 1.92 0.4 千㎥ 0.3 0.3 0.2 0.2 0.1 0.1 0.0 2 2010年度 0 1 0 年度 2 2011年度 0 1 1 年度 2 2012年度 0 1 2 年度 2 2013年度 0 1 3 年度 2 2014年度 0 1 4 年度 4月 4月 5月 5月 6月 6月 0.037 0.037 0.037 0.037 0.231 0.231 0.106 0.106 0.106 0.106 0.060 0.060 0.060 0.060 0.065 0.065 0.065 0.065 0.211 0.211 0.211 0.211 0.253 0.253 0.232 0.232 0.130 0.130 0.130 0.130 0.071 0.071 0.071 0.071 0.061 0.061 0.061 0.061 0.135 0.135 0.135 0.135 0.220 0.220 0.095 0.095 0.095 0.095 0.069 0.069 0.069 0.069 0.064 0.064 0.064 0.064 0.203 0.203 0.203 0.203 11月 11月 0.258 5.512 5.512 0.020 0.020 0.069 0.069 7月 7月 0.052 0.052 0.069 0.069 8月 8月 0.052 0.052 0.048 0.048 9月 9月 0.111 0.111 0.048 0.048 10月 10月 0.111 0.111 0.046 0.046 11月 11月 12月 12月 0.165 0.165 0.165 0.165 0.046 0.046 1月 1月 0.225 0.225 2月 2月 0.225 0.225 3月 3月 0.289 0.289 合計 千㎥ 対前年度比 2010年度 0.243 0.243 1.42 2011年度 1.16 81.8% 0.253 0.253 0.232 0.232 2012年度 1.85 160.0% 0.260 0.260 0.260 0.260 0.220 0.220 2013年度 1.76 95.1% 0.207 0.207 0.207 0.207 0.197 0.197 2014年度 1.69 95.8% 12月 12月 0.258 1月 1月 0.453 2月 2月 0.453 3月 3月 4.082 5.512 5.512 4.759 4.759 4.759 4.759 3.748 3.748 2010年度 6.53 2011年度 52.81 809.1% 2012年度 3.133 3.133 47.89 90.7% 2013年度 36.70 76.6% 2.593 2.593 2014年度 44.37 120.9% 0.136 0.136 0.136 0.136 0.243 0.243 図 14 上水道使用量の推移 7.0 千㎥ 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 2010年度 2 0 1 0 年度 2011年度 2 0 1 1 年度 22012年度 0 1 2 年度 22013年度 0 1 3 年度 22014年度 0 1 4 年度 4月 4月 4.082 4.082 3.748 3.748 2.319 2.319 3.133 3.133 5月 5月 2.565 2.565 4.510 4.510 3.248 3.248 5.060 5.060 6月 6月 0.056 7月 7月 0.137 8月 8月 0.137 9月 9月 0.347 10月 10月 0.347 0.056 0.137 0.137 0.347 0.347 0.258 4.510 4.510 5.678 5.678 5.678 5.678 4.580 4.580 4.580 4.580 3.476 3.476 2.565 2.565 3.248 3.248 5.060 5.060 3.934 3.934 3.246 3.246 4.883 4.883 3.934 3.934 3.246 3.246 4.883 4.883 5.722 5.722 2.496 2.496 3.155 3.155 5.722 5.722 2.496 2.496 3.155 3.155 0.258 3.476 3.476 2.807 2.807 2.807 2.807 3.349 3.349 3.349 3.349 0.453 2.667 2.667 3.827 3.827 2.878 2.878 0.453 2.667 2.667 3.827 3.827 2.878 2.878 4.082 2.319 2.319 合計 千㎥ 対前年度比 図 15 下水道使用量の推移 千㎥ 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 22010年度 0 1 0 年度 22011年度 0 1 1 年度 4月 4月 5月 5月 6月 6月 0.115 0.115 7月 7月 0.378 0.378 8月 8月 0.558 0.558 9月 9月 5.623 5.623 10月 10月 7.157 7.157 11月 11月 3.727 3.727 12月 12月 3.766 3.766 1月 1月 4.451 4.451 2月 2月 6.426 6.426 3月 3月 25.811 25.811 2010年度 58.012 合計 千㎥ 対前年度比 20.400 20.400 18.853 18.853 22.182 22.182 26.043 26.043 23.614 23.614 25.805 25.805 26.933 26.933 24.087 24.087 22.288 22.288 19.965 19.965 17.241 17.241 19.761 19.761 2011年度 267.172 460.5% 22012年度 0 1 2 年度 22013年度 0 1 3 年度 18.366 18.366 22.374 22.374 22.673 22.673 29.474 29.474 34.588 34.588 28.034 28.034 24.750 24.750 18.542 18.542 19.704 19.704 18.119 18.119 16.451 16.451 19.468 19.468 2012年度 272.543 102.0% 20.300 20.300 22.611 22.611 22.771 22.771 25.733 25.733 25.384 25.384 23.414 23.414 22.400 22.400 19.231 19.231 18.463 18.463 19.754 19.754 16.953 16.953 20.350 20.350 2013年度 257.364 94.4% 22014年度 0 1 4 年度 21.868 21.868 24.499 24.499 29.640 29.640 25.816 25.816 23.283 23.283 19.699 19.699 22.078 22.078 19.819 19.819 17.753 17.753 17.185 17.185 15.486 15.486 17.554 17.554 2014年度 254.680 99.0% 図 16 工業用水使用量の推移 4.省エネルギー 進しており、2013 年度は「京」の安定稼働を確認しつつ、「京」空 AICS は 2012 年 1 月 20 日付けで、エネルギーの使用の合理 冷の風量と温度差(吹出し/戻り)を調整することで、空調機の運 化に関する法律における第一種エネルギー管理指定工場等に 転台数の削減を行い、約 450 kW の電力削減を達成した。また、 指定され、理研全体の省エネルギー管理のもと省エネ活動を推 2014 年度は空調機の耐故障機能を省エネに活用することで、更 - 16 - に約 200kW の電力削減を達成した。これにより、年平均 1%以 (2) CGS 常用自家発電設備 CGSの点検は、電気事業法ならびに保安規程及びボイラ安全 上の省エネ目標達成に大きく貢献することが出来た。 規則に則り行うものであり、保安の確保並びに労働災害を防止し、 2-2-3設備の運転監視、維持管理 発電設備ならびに排熱回収ボイラの安定運用を確保するものと 1. している。2014 年度は、6 月にボイラ安全規則による排熱回収ボ 設備の運転保守 「京」の運転計画に基づき、年間、月間、週間、日単位で施設 イラの法定点検を中心に本体及び補機類の点検を実施した。点 運転計画を作成し、設備の運転保守を確実に実施した。設備の 検にあたっては 1 機ずつ交互の点検とし、「京」の運転計画に影 運転監視については、熱源機械棟中央監視室に常時 2 名以上 響を与えないように常時1 機は運転した状態で点検を実施した。 の監視員を置き、24 時間体制で運転監視を実施している。また、 また、保安規程に定められたボイラータービン主任技術者による 日勤者平日 7 名、休日 1 名を配置し、構内設備類の巡回点検、 従事者への安全教育並びにボイラ安全規則に定められた安全 薬液補充、フィルター清掃、水質管理等を計画的に実施すること 教育を計画的に実施し、事故時の対応等の訓練も行った。 により、安定した施設運用に努めた。毎朝設備担当スタッフによ (3) 冷凍空調設備 るミーティングを実施し、前日に行った保守作業の確認と不具合 2014 年度は、熱源機械棟内にある蒸気吸収式冷凍機 4 台、タ の報告を受け、対応内容の精査と情報共有を行っている。また、 ーボ冷凍機 3 台、スクリュー冷凍機 1 台の精密点検として、冷却 当日実施予定の保守作業の確認を行い、必要な指示を出してい 水系統凝縮器に加え、蒸発器のチューブ清掃並びに制御機器 る。 等精密点検を実施した。実施にあたっては、冷凍機を 1 台ずつ 停止・点検することにより、「京」の冷却に支障がないように計画し 2. 維持管理 た。 (1) 電気設備 各空調機については、日常保守作業の計画の中で、フィルタ 電気設備の定期点検は、電気事業法に基づく AICS 自家用電 ー清掃、グリスアップ等を行い、健全性を維持した。定期点検と 気工作物保安規程に則り行うものであり、保安の確保により電気 しては、中央監視装置主装置に加えて、ローカル機器の点検を 事故を防ぎ、電力の安定的な使用を確保している。2011 年度と 実施した。いずれも「京」の冷却に支障のないように1台ないし数 2012 年度で、構内全停電により各施設の点検を実施し、すべて 台ずつ停止して点検を行った。 の電気設備が健全であることを確認した。2013-2014 年度は全停 CPU 冷却設備については、毎日水質チェックを行い、必要に 電での点検は行わず日常点検のみとしたが、次回の構内全停 応じてフィルター、デミナー、脱気膜の交換を行い、水質を維持 電は保安規程に基づき、2015 年度に実施する予定としている。 した。毎年、溶存酸素濃度計など純水維持装置のセンサー校正 また、保安規程に定められた電気主任技術者による従事者への 点検を実施し、維持管理が適正に行えるようにした。 安全教育を計画的に実施し、事故時の対応等の訓練を行った。 2015 年 3 月 17 日未明に高速限流遮断装置の故障が発生し、 2-2-4環境保全への取り組み CSG 発電で電源を供給するエリア全体が停電となり、「京」の再 施設全体の電力需要、熱需要に対し、一次エネルギー消費量 起動が必要な状況が発生した。幸い、貴重な研究データの消失 が最小になるように CGS の発電電力を調節し、省エネルギー並 等の重大な問題は避けられたが、これは設備故障が原因で「京」 びに省 CO2 対策を実施している。CGS は低 NOx 運転を実施し が停止した初めての事例であった。 ており、神戸市条例による排出基準である60 ppmを大きく下回る 設備導入後 5 年を経過し、電子機器の故障率が高まる傾向に 24 ppmでの運転を実施している。また、CGSからの排気ガスは2 あるため、機器の保守整備を念入りに実施し、消耗部品の定期 ヶ月に一度測定し、NOx や煤煙などの発生量が法令や神戸市 交換を進めている。また、機器障害が全体運用に及ぼす影響を 条例を超えないよう管理している。 雨水や冷却塔ブロー水については再利用により、水資源の有 再度見直すことで、今後の重大事故の発生を未然に防ぐように 効活用をし、下水排出量を低減している。 計画的な保守整備を実施していく。 - 17 - 3 「京」の共用の促進 3-1 「京」における利用枠と利用研究課題の種類 3-1-1 一般利用枠 表 1 戦略分野一覧 一般利用枠は公募の対象となっており、成果の公開を原則とし て無償で利用することができる。一般利用枠における利用可能資 分野名 源量は、「京」の利用可能資源のうち 2014 年度は 33%程度とされ 分野 1 予測する生命科学・ 医療および創薬基 盤 理化学研究所* 分野 2 新物質・エネルギ ー創成 東京大学物性研究所* 自然科学研究機構分子科学研究所 東北大学金属材料研究所 分野 3 防災・減災に資する 地球変動予測 海洋研究開発機構* 分野 4 次世代ものづくり 東京大学生産技術研究所* 日本原子力研究開発機構 宇宙航空研究開発機構 分野 5 物質と宇宙の起源と 構造 筑波大学計算科学研究センター* 高エネルギー加速器研究機構 自然科学研究機構国立天文台 ていたが、昨今の産業界における「京」利用ニーズの高まりに応え、 2015 年度利用研究課題募集から産業利用課題(実証利用)を 10% 程度1に拡大し、一般利用枠全体を 35%程度と変更した。(図 1 参 照) また、若手人材育成課題については、従前どおり 5%程度で ある。 戦略機関(*は代表) 3-1-3 成果創出・加速枠 一般利用及び戦略プログラム利用において実施中の課題の中 から、早期の成果創出に向け、加速すべき課題への追加配分の 枠である。2014 年度に引き続き、2015 年度利用研究課題募集に おいても利用可能資源は 2%程度2である。 図 1 「京」全体の資源配分 3-1-4 重点化促進枠 「京」の配分資源量は、「京」の利用可能な資源量の 95%(計画 政策的に重要かつ緊急な非公募の課題の実施のための枠であ 停止や保守等で停止する期間を除く稼働率)に、ジョブの充填率 る。上限を 10%程度3とし、課題が設定されれば他の利用枠より優 を考慮した配分率を乗じた資源量であり、AICS により決定される。 先的に実施する。 2015 年度の配分率は、2014 年度の 85%から 88%に変更された。 3-1-5 京調整高度化枠 3-1-2 戦略プログラム利用枠 理化学研究所が、「京」の安定運転のためのシステム調整、ユ 「京」の利用可能資源のうち、約 50%を占めるのが戦略プログラ ーザ利用支援のための研究開発、幅広い分野のユーザの利用に ム利用枠である。文部科学省では、社会的・学術的に重要で「京」 資する高度化研究を実施するための枠であり、利用可能資源の の活用により大きなブレークスルーが期待できる 5 つの研究領域 15%程度を占める。 を戦略分野と定め、各分野の戦略機関を中核に関連研究機関が 連携して進める研究開発を、戦略プログラムとして実施している。 戦略プログラムでは、これらの戦略分野に「京」の利用可能資源の 約50%を優先的に割り当てることで(図1)、画期的な成果を早期に 創出することを目指している。戦略分野の一覧を表 1 に示す。 2015 年度から成果創出・加速枠における利用可能資源も配分資 源の枠外となる。 3 重点化促進枠の利用可能資源は従前通り配分資源の枠外であ る。 2 1 2015 年度募集から産業利用課題の 10%程度は実証利用への割当とな った。2014年3月から随時募集となった産業利用(個別利用)およびトライア ル・ユースは配分資源の枠外となる。 - 18 - 3-1-6 利用研究課題の種類 公開の有無について図 2 にまとめる。 利用研究課題には公募対象の一般利用課題と、非公募である 重点的利用課題がある。また、「京」の利用は広く研究開発の進展 2015 年 4 月より一般利用課題に競争的資金等獲得課題、産業 や産業競争力の強化に貢献することが目的であるため、成果の公 利用課題に ASP 事業実証利用課題が新設される。前者は一般利 開を原則とし、無償で利用できる。ただし、産業利用課題において 用課題であるが、成果を公開する有償利用となる。また、後者は成 企業が機密性の高い課題を実施する場合、成果を非公開とするこ 果を非公開とする有償利用であるが、ASP 事業の利用目的と有効 とができ、その場合は有償での利用となる。有償・無償利用や成果 性に係る実証利用成果の概要等については公開する。 図 2 「京」の利用研究課題の種類 - 19 - 3-2 利用者選定 3-2-1 一般利用枠の利用者選定 また、2014 年度に応募のあった随時募集課題の選定状況は表 3 1.選定方法 の通りである。 「京」の利用者選定に当たっては、「特定先端大型研究施設の共 表 3 2014 年度随時募集課題の選定状況 用の促進に関する法律」(共用法)に基づき、登録機関として選定 課題枠 産業利用(個別利用) 産業利用( ト ラ イ ア ル・ユース) された RIST が中立公正な立場で選定を行う。 具体的には、応募された一般利用課題について、専門分野の 学識経験者による課題の評価(レビュー)を行い、その結果を取り 申請件数 11* 選定件数 11 選定率 100% 7 7 100% *2014 年 3 月に応募があった 2 件を含む まとめた課題選定・資源配分案を、課題審査委員会が審査する。 その後、上位機関である選定委員会がその結果を確認し、最終的 2015 年度利用研究課題募集における応募件数は、2014 年度利 に登録機関である RIST の理事長が選定課題の決定を行う。 用研究課題募集の 144 件に対し、138 件と微減となった。産業利用 産業利用課題については、課題審査委員会に設置された産業 課題においては 42 件が 37 件と減少したが、これは個別利用を募 利用ワーキンググループ(WG)が課題選定・資源配分案を作成し 集対象外としたためで、実証利用は 35 件から 37 件と微増している。 て課題審査委員会に提示し、以降は一般利用課題と同一プロセス (図 3) を経て決定される。 課題の選定における公平性を保つため、選定委員会、課題審 査委員会委員長のみを公開情報とし、その他の委員やレビュアー は非公開としている。 2.選定結果 2015 年度利用研究課題募集では、応募数 138 件に対する課題 選定の結果、67 件が選定され、選定率は48.6%となった。なお、産 業利用(個別利用)課題については 2014 年 3 月から随時募集とし たため、今回の募集には含まれていない。利用区分別の内訳は 表 2 の通りである。2014 年度の利用研究課題募集に引き続き、 2014 年度募集 2015 年度募集 「京」の採択に漏れた場合に第2 希望として「京」以外の HPCI 計算 (2014 年度募集の「京」産業利用件数は個別利用7 件を含む) 資源を希望する併用申請を受け付け、18 件が「京」以外の HPCI 図 3 申請件数の推移 計算資源利用として選定された。なお、大型実験施設等との連携 利用については、17 件の応募があり、11 件が選定された。 また、提供可能資源量に対する要求資源量の比においても、 2014 年度利用研究課題募集とほぼ同様の傾向を示しており、依然 表 2 2015 年度利用研究課題の選定状況 課題枠 一般利用 若手人材育成利用 産業利用(実証利用) 合計 HPCI 資源(「京」以外) として 3 倍近い倍率となっている。(図 4) 申請件数 78 23 37 138 選定件数 24 12 31 67 選定率 30.8% 52.2% 83.8% 48.6% 143* 73** 51.0% *「京」以外のHPCI共用計算資源に申請した課題のうち、64件については「京」との重複 申請となっている。 **「京」と同時利用申請の結果、HPCI 資源も採択された 6 件を含む。 - 20 - 2015 年度募集 2014 年度募集 図 5 分野別配分資源量比率(一般・若手) 一方、産業利用課題においては、図 6 の配分資源量比率に示 す通り、「工学・ものづくり」が約 6 割という高い比率を占め、「物質・ 材料・化学」、「バイオ・ライフ」がこれに続いている。特に「工学・も のづくり」は 2014 年度に引き続き高い比率を示しており、産業利用 の特徴を示している。各分野の選定件数比率もほぼ配分資源量に 比例していることは一般・若手と同じ傾向である。 (比較のため 2014 年度の産業利用(個別)の要求資源量、提供可能資源量は含まない) 図 4 要求資源量の推移 選定結果においても、2014 年度利用研究課題募集とほぼ同等 の採択率となっており、産業利用課題(実証利用)は83.8%という高 い採択率を維持している。一方、一般利用課題は 30.8%と若干改 善されたが、引き続き厳しい選定率となっている。 利用分野別に選定結果を見ると、一般課題・若手人材育成課題 では、図 5 の配分資源量比率に示す通り、「物質・材料・化学」が約 32%と 2014 年度利用研究課題募集に比べ 14 ポイントほど減少し ている。一方、「環境・防災・減災」は約 23%と 9 ポイントほど増加し 図 6 分野別配分資源量比率(産業利用) ている。「環境・防災・減災」は 2012 年度利用研究課題募集では選 次に、選定結果における課題参加者の所属機関別分布は図 7 定されなかった分野であり、着実に増加している。各分野の選定 の通りである。民間企業からの課題参加者が全体の約半分、大 件数比率もほぼ配分資源量に比例している。 学・研究機関が 1/3 を占めており、2014 年度とほぼ同じ傾向を示し ていることがわかる。 - 21 - 度となることから重点課題追加配分枠及び戦プロ加速枠は設けら れない。 成果創出・加速枠は一般利用枠(産業利用課題(トライアル・ユ ース)を除く)にて選定された課題を対象に、利用者への成果創出 の見通し等の調査を行い、また、AICS における計算資源の利用 実績調査の結果を併せて検討し、課題審査委員会にて選定を行う。 2014 年度においては、上期は 2014 年度利用研究課題選定時に 一般利用、若手人材育成、産業利用(実証)の採択順位上位課題 (一般利用 3 課題、若手人材育成 1 課題、産業利用(実証)1 課題) 図 7 課題参加者の所属機関別分布 を利用研究課題審査委員会の審議を経て選定し、また下期にお 一方、選定結果における配分資源量の比率においては、図8に いてはそれぞれの希望調査を行い、利用研究課題審査委員会の 示す通り、大学・研究機関がおよそ約 41%の配分資源量を占めて 審議を経て選定した。 おり、2014 年度の 46%から 5 ポイント程度減少している。これに対 重点化促進枠の課題は文部科学省が決定する。2014 年度にお し、「民間企業」の配分資源量は 21%から 26%に増加している。こ いては、1 課題を選定した。 れは産業利用課題への配分資源量の拡大に伴うものと考えられ る。 3-2-3 委員会等開催概要 2014 年度に開催した選定委員会、利用研究課題審査委員会、 各種ワーキンググループは表 4 の通りである。 表 4 2014 年度委員会等開催一覧 種別 回数 開催年月日 開催地 主 な議 題 等 第6 回 2014 年 8 月 4 日 東京 平成 27 年度利用研究 課題募集要領につい て 第7 回 2015 年 2 月 4 日 東京 平成 27 年度利用研究 課題の採択および資 源配分について 第6 回 2014 年 8 月 28 日 東京 平成 27 年度利用研究 課題の審査について 第7 回 2015 年 1 月 19 日 東京 平成 27 年度利用研究 課題の採択および資 源配分について 第 1 回 2014 年 12 月 26 日 東京 産業利用課題の審査 について 東京 公募型共同研究 HPCI-JHPCN システム 利用課題の審査につ いて 選定委員 会 図 8 配分資源量の所属機関別分布 利用研究 課題審査 委員会 3-2-2 重点的利用枠の利用者選定 重点的利用枠では、「京」の能力を最大限に活用し成果を上げ ていくため、「京」を利用して重点的に行うべき研究分野について、 2014 年度も引き続き、国の方針等を踏まえ、成果創出・加速枠、戦 産業利用 WG 略プログラム利用枠、重点化促進枠を重点分野に設定している。 これらの 3 枠は非公募である。 学際共同 研究 WG このうち、戦略プログラム利用枠課題は、文部科学省が戦略的 見地から定めた配分内容をもとに、外部有識者を加えた HPCI 戦 略プログラム推進委員会で審議が行われ、登録機関への通知後 利用研究課題審査委員会のプロセス審議を経て選定される。2014 年度においては、2014 年度下期加速枠、2015 年度分野配分枠の 選定を実施した。なお、2015 年度は戦略プログラムの事業最終年 - 22 - 第1 回 2015 年 2 月 6 日 3-2-4 募集活動 2014 年度 HPCI システム利用研究課題の募集にあたり、募集説 明会を表 5 の通り開催した。また、HPCI ポータルサイトでの公開 を行うとともに、ポスター及びチラシを関係機関に配布した(図 9)。 さらに、学会誌へ 2 件(情報処理学会誌 9/15 号、日本化学学会誌 「化学と工業」10/1 号)の広告を掲載した。 表 5 募集説明会開催一覧 種別 募集説明 会 回数 開催年月日 開催地 主 な議 題 等 図9 スパコン「京」・HPCI システム利用研究課題の募集開始広告 第1 回 2014 年 9 月 5 日 神戸 平成 27 年度の募集要 領の内容について HPCI システム利用研 究課題申請手続きに ついて 利用支援について 第2 回 2014 年 9 月 12 日 東京 同上 第3 回 2014 年 9 月 19 日 東京 同上 第4 回 2014 年 9 月 30 日 神戸 同上 - 23 - 3-3 利用支援 RIST は、特定高速電子計算機施設(「京」)の優れた演算能 た。 力等を活用し、多様な分野の研究者が円滑に研究を行えるよ その他の支援として、「京」の利用技術の習得等を目的とし うに、一元的に情報を提供する窓口機能を設置し、応募前の て、利用者向け講習会を企画し開催した。更に、HPC 分野の 事前相談や、各種手続き、利用に関する相談を受けるとともに、 利用者のすそ野を拡大し、将来「京」の利用者となる人を増や 技術支援を行うため研究実施相談者等による支援体制を構 すための活動として、「京」利用者に限定しない一般の方を対 築・運用した。なお、この研究実施相談者の数は、特定先端大 象としたチューニング技法及び、並列プログラミングに関する 型研究施設の共用の促進に関する法律施行規則(平成 18 年 セミナーを開催した。 文部科学省令 28 号)の第 8 条に定められた特定高速電子計 算機施設に係る数(14 名)を確保した。さらに、スキルアップを 3-3-1 技術支援体制 技術支援体制として、利用者からのすべての問合せを受け 図るために技術支援要員向けの講習会や勉強会等を実施し 付けるワンストップサービス窓口としてのヘルプデスクを設置・ た。 このような技術支援体制により、「京」の利用課題に対して、 運用し、さらに産業界への利用支援も実施した(図 10)。 アプリケーションの調整・高度化ならびに可視化支援を実施し 図 10 RIST における利用支援体制の概要 - 24 - ・利用者プログラムとハードウェアやソフトウェアの各コンポーネン 3-3-2 一元的利用支援窓口 :ヘルプデスク ト等のシステムとの問題の切り分け実施等 「京」を利用するあるいは利用しようとする方の支援のため、一 ・トラブルについての問題解決支援、あるいは代替策検討支援の 元的窓口としてヘルプデスクを設置し、利用前相談、利用時相談・ 実施等 技術支援、情報提供を行った。相談者からヘルプデスクへの問い (3)各種手続き相談 合わせについては、HPCI ヘルプデスクシステムを活用し、迅速 各課題に対する課題参加者の追加や削除、課題参加者の所属 に対応し、問題点を的確に切り分け、効率的に実施する体制を整 備し、利用者への情報提供、利用相談等を通し、早期成果創出に 変更等の手続き支援 貢献した。また、情報共有 CMS を活用し情報の蓄積、利用者への (4)利用終了時の相談 2013 年度利用研究課題の終了時の手続き(利用報告書の提出、 情報提供を行った。 「京」や共用ストレージにおける計算データ保管等)や2015年度利 用研究課題への継続手続きについて、利用者の相談に対応し 1.利用前相談 2014 年度は、2015 年度利用研究課題の募集の他、「京」産業利 た。 用課題(トライアル・ユース及び個別利用)の随時募集があり、公募 等による課題採択前から、自らが抱える課題にどのように HPC 技 3. AICS との連携・協力 術を適用すれば解決できるかを相談できるコンシェルジュ機能、 「京」の利用相談、技術支援については、施設設置者である ないしはコーディネーション機能を有する窓口として、利用促進に AICS と定期的な(月 2 回)のミーティングを開催するなど、密接な 貢献した。 連携・協力を行いながら実施した。 ・利用者のディスク領域の拡大、複数の課題間のファイル共有等 の各種システム設定変更の要望対応 2.利用時の相談 ・定期保守の実施やパラメータ設定等の変更、システム障害等「京」 「京」利用時の利用者支援の一元的窓口として、ヘルプデスクが の運用情報の提供 対応し、相談内容によりさらに専門化した支援を受けられるようコン ・「京」のデータ領域利用量、障害による課金の返却等、利用者と シェルジュとして機能した。例えば、プログラムの調整、高度化支 援に関しては課題によっては RIST 利用支援部と連携・協力し、ま の調整連絡 ・各課題の毎月の資源利用状況を示すマンスリーレポートの配信 た産業利用者に対しては産業利用を総合的に支援する専任の利 用相談対応者(RIST 産業利用推進室)と連携・協力して利用支援 4.「京」ユーザ・ブリーフィング を行った。 「京」利用者と AICS、RIST における「京」の運用と利用に関する (1) ヘルプデスクによる技術相談対応 ・システム運用についての情報提供や質問対応 情報提供、意見交換の場として、「京」ユーザ・ブリーフィングを開 ・ハードウェアやベーシックソフトウェア及びミドルウェアについて 催した。2014 年度は、隔月1回、合計6 回開催した。会場は神戸の 他、東京に会場を設置し、テレビ会議システムによる参加も可能と の情報提供や質問対応 ・プログラム言語についての情報提供や質問対応 した。会場には「京」運用に係る責任者、技術者を配置し、直接、 ・プログラム開発環境や実行環境についての情報提供や質問対 利用者の意見等を伺うことで、円滑な情報のやり取りや迅速な問 題解決が可能な体制を整えた。当日の参加が出来ない利用者に 応 対しては、「京」利用者のみがアクセスできるウエブサイトにおいて ・利用者ポータル等「京」に装備されている各種ツールについての 発表資料を提供した。開催のない月にも開催月と同等の資料を提 情報提供や質問対応 供した。 ・講習会における利用相談、プログラム相談対応 ・「京」と共用ストレージのデータ転送に関する相談対応 5.情報提供 (2)利用時のトラブル相談 昨年度に引き続き、主に利用者等からの要望や問合せ等を元 「京」を利用する利用者の一元的窓口として、トラブル相談への対 にニーズの高いオープンソースソフトウエア(OSS)を選出し、翻訳、 応を実施した。 - 25 - 動作確認を行った(表 6)。また、情報共有 CMS 利用し、「京」利用 6.「京」利用相談対応実績 者のみにアクセス制限した情報(問合せ事例集及び FAQ 計 191 ヘルプデスクにおける月別の利用支援の状況を示す(図 11)。 件、ヘルプデスクオープンソース導入手順書(表 7)の提供を行っ 「京」の利用相談件数は、2014 年 4 月 1 日〜2015 年 3 月 31 日の た。 間で、約 1,650 件であった。 250 200 その他 各種手続き 150 要望 100 障害 プログラム 50 0 利用方法 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 図 11 利用相談件数 (期間 2014 年 4 月 1 日〜2015 年 3 月 31 日) 表 6 「京」におけるオープンソースソフトウエア等翻訳・動作確認状況(2014 年度追加分) ソフトウエア名 ソフトウエア概要 入手先 言語 PLASMA マルチコアシステムのための数値演算ライブラリ http://icl.cs.utk.edu/projectsfiles/plasma/pubs/ C/Fortran WRF 次世代のメソスケール気候予測数値モデル http://www2.mmm.ucar.edu/wrf/users/downlo ad/get_source.html C/Fortran Ghostscript PostScript,PDF などページ記述言語用のインタプ リタ http://www.ghostscript.com/ C/C++ XZ Utils 汎用データ圧縮ライブラリとコマンドラインツール http://tukaani.org/xz/ C pigz gzip をマルチプロセッサ、マルチコア環境で実行 する http://zlib.net/pigz/ C lbzip2 bzip2 を SMP 環境で並列実行するユーティリティ http://lbzip2.org/ C libxml2 XML パーサライブラリ http://xmlsoft.org/index.html C IlmBase OpenEXR で使用する画像処理ライブラリ群 http://www.openexr.com/ Fortran/C/C++ OpenEXR http://www.openexr.com/ Fortran/C/C++ LibTIFF 16 ビット FP イメージを格納するための EXR ファイ ルフォーマットパッケージライブラリ TIFF 形式のファイルを扱うためのソフトウェアライブ ラリ http://www.remotesensing.org/libtiff/ C/C++ JasPer C 言語による JPEG 2000 の実装ソフト http://www.ece.uvic.ca/~frodo/jasper/ C - 26 - 表 7 オープンソースソフトウエア導入手順書(2014 年度追加分) ソフト名 Version ソフトウエア概要 ライセンス CP2k 2.5.1 GNU GPLv3 固体、液体、分子および生体システムにおける、原子と分子のシ ミュレーションをするプログラム Frontflow/red 3.1.0004 独自(ダウンロードサイト参照) 流体解析 openMX 3.7.8 GNU GPLv2 原子局在基底と擬ポテンシャルを用いた第一原理計算プログラ ム LIGGGHTS 2.3.8 GNU GPLv2 個別要素法解析システム ImageMagick 6.8.9-7 Apache License 2.0 画像操作・表示ソフトウェアスイート Ghostscript 9.14 GNU AGPLv3 PostScript,PDF などページ記述言語用のインタプリタ XZ Utils 5.0.7 パブリックドメイン 汎用データ圧縮ライブラリとコマンドラインツール Quantum ESPRESSO 5.1.0 GNU GPLv2 第一原理計算ソフト Pigz 2.3.1 zlib License gzip をマルチプロセッサ、マルチコア環境で実行する lbzip2 2.5 GNU GPL v3 bzip2 を SMP 環境で並列実行するユーティリティ OCTA (COGNAC,SUSHI) OCTA2013SE 独自 ソフトマテリアルに対する統合的なシミュレータ REVOCAP_Coupler 2 CISS ライセンス(無償) マルチ力学解析エンジン GSL 1.16 GNU GPLv3 ANSI C で記述された科学技術計算関数のライブラリ Libjpeg 9a フリー JPEG のエンコード、デコードを行うためのライブラリ Libpng 1.6.13 libpng License PNG 形式ファイルを操作するライブラリ libxml2 2.9.2 MIT ライセンス XML パーサライブラリ IlmBase 1.0.2 BSD-3-Clause OpenEXR で使用する画像処理ライブラリ群 OpenEXR 1.7.0 BSD-3-Clause 16 ビット FP イメージを格納するための EXR ファイルフォーマット パッケージライブラリ LibTIFF 4.0.3 フリー TIFF 形式のファイルを扱うためのソフトウェアライブラリ JasPer 1.900.1 フリー C 言語による JPEG 2000 の実装ソフト - 27 - 3-3-3 高度化支援 2012 年度以降、高度化支援における産業利用課題の支援 表 8 高度化支援件数内訳表 数は年々増加傾向を示しており、2014 年度では全体の 3 分の 2 を占めている(図 12)。表 8 にまとめた高度化支援件数内訳 戦略 表から第 1 期(2012 年 9 月~2013 年 3 月)、第 2 期(2014 年 2012 年度(下期) 2013 年度 2014 年度 計 4 月~2015 年 3 月)を通じて見ると、全体の 2 分の 1 を産業利 用課題に対する支援が占めている。 7 10 7 24 一般・ 若手 産業 3 12 3 18 2 15 19 36 計 12 37 29 78 図 12 2012 年度から 2014 年度にかけての高度化支援件数比率推移図 また、高度化支援実施後に満足度を調査したところ、満足・ やや満足が合計で 87%、他の人へ勧めたいが 90%と高い評 件となっている。分類した高度化支援の内容は、以下の HPCI ポータルの高度化支援のページで公開している。 価を得ることができた(図 13)。いただいたコメントの一例を紹 https://www.hpci-office.jp/pages/k_koudoka_results/ 介すると、「プログラムの性能分析を行って、現状のプログラム では実行効率が低く、改善の余地があることを明らかにしてい ただいた。また、実行効率が低い箇所を特定し、改良方法を 提案いただいた。これらの支援によって、計算機の性能を引き 出すための具体的な方針を得ることが出来た。」といった利用 者からの評価が寄せられた。引き続き、高度な利用支援を継 続するよう努めたい。 これまでに実施した高度化支援をタイプ別に分類すると、性 能改善が 31 件、性能分析が 36 件、移植が 9 件、その他 10 - 28 - 図 13 高度化支援への満足度アンケート結果 3-3-4 講習会・セミナー 普通 8% やや満 足 31% 2014 年度に開催した講習会・セミナーは、共催を含め、延 べ 22 回であった(表 9)。そのうち、主催は 11 回、共催は 11 回 である。 以上のうち、「京」の利用技術の習得等を目的として初中級 やや不 満足 0% 満足 61% 者向けに AICS と連携して開催する定期講習会を 4 回、利用 者の希望に合わせて不定期に開催するオンサイト講習会を 3 回開催した。また、利用者のすそ野を広げる一般向け HPC プ 図 14 H25 年度 RIST 主催講習会の満足度調査 ログラミングセミナーを 4 回、戦略プログラム実施機関、AICS と の共催による「京」利用者のスキルアップを図る研修会を 11 回 参加者によるアンケート結果(図 14)によると、満足度が 92% 実施した。 (やや満足を含む)と高評価を得ており、「京」利用者の理解度 を深めることに繋がった。 表 9 2014 年度に利用支援活動として開催した講習会・セミナーの一覧 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 講習会・セミナー 第 1 回「京」初中級者向け講習会 第 1 回 HPC プログラミングセミナー 第 2 回「京」初中級者向け講習会 第 15 回 CMSI 神戸ハンズオン:バージョン管理 システムチュートリアル 第 16 回 CMSI 神戸ハンズオン:ALPS チュートリ アル 第 4 回 AICS 公開ソフト講習会「GENESIS」 第 3 回 CMSI「京」・HPCI スパコン利用情報交換 会&CMSI アプリ高度化合宿 “TOKKUN!4 (ア プリ高度化・利用方法習得)” CMSI 若手技術交流会(合宿)[第 10 回] CMSI アプリ高度化合宿“TOKKUN!5 (実行・ 並列性能向上)” "文部科学省「HPCI 戦略プログラム」分野 4 次 世代ものづくり 第 1 回東京ハンズオン: ABINIT-MP 講習会 第 2 回 HPC プログラミングセミナー 第 3 回「京」初中級者向け講習会 「京」初級者向け入門コース (講義+ハンズオン) 第 6 回 CCMS(柏)ハンズオン: ALPS チュートリ アル 第 9 回 AICS 公開ソフト講習会「KMapReduce」 第 3 回 HPC プログラミングセミナー 第 4 回「京」初中級者向け講習会 第 4 回 HPC プログラミングセミナー 平成 26 年度 CMRI「MPI プログラミング講習会」 第 11 回 CMSI 若手技術交流会「計算物質科学 アプリ勉強会」 「京」中級者向けチューニングコース (講義のみ) 「京」初級者向け入門コース (講義+ハンズオン) 主催 主催 主催 共催 開催日 2014 年 4 月 24~25 日 2014 年 5 月 12~13 日 2014 年 5 月 14~15 日 2014 年 5 月 30 日 会場 AICS(神戸) 秋葉原 UDX カンファレンス(東京) 秋葉原 UDX カンファレンス(東京) AICS(神戸) 共催 2014 年 6 月 16 日 AICS(神戸) 11 共催 共催 2014 年 6 月 17 日 2014 年 6 月 30 日 ~7 月 2 日 AICS(神戸) AICS(神戸) 10 145 共催 共催 2014 年 7 月 7~9 日 2014 年 8 月 4~6 日 AICS(神戸) AICS(神戸) 93 114 共催 2014 年 8 月 7 日 高度情報科学技術研究機構(東京) 主催 主催 主催 2014 年 9 月 1~2 日 2014 年 9 月 3~4 日 2014 年 9 月 12 日 AICS(神戸) AICS(神戸) 六行会総合ビル(東京) 共催 2014 年 10 月 16 日 東京大学物性研究所(千葉) 共催 主催 主催 主催 共催 2014 年 11 月 11 日 2014 年 11 月 25~26 日 2014 年 11 月 27~28 日 2015 年 1 月 29~30 日 2015 年 2 月 5 日 AICS(神戸) 秋葉原 UDX カンファレンス(東京) 秋葉原 UDX カンファレンス(東京) AICS(神戸) 東北大学東京分室(東京) 共催 2015 年 2 月 5~6 日 ヤマハリゾート(静岡) 主催 2015 年 2 月 20 日 六行会総合ビル(東京) 主催 2015 年 3 月 25 日 キメックセンタービル 6F(神戸) *RIST 主催の講習会で FX10 のハンズオンを受講した人数 - 29 - 参加者 11*+8 66 4*+12 8 5 24 4*+4 5* 10 9 35 6*+5 37 8 53 3 3* 3-3-5 利用支援環境の整備・運用 「京」利用者の支援環境の整備の一環として、2014 年度も継続して、 応用ソフトウェアを拡大するためにソフトウェアベンダーと共同研究 RIST が主催する講習会等で実習に使用する利用支援用スーパーコ を行い、FX10 をソフトウェア移植環境として提供し、活用した。利用 ンピュータ(以下、利用支援用スパコンという)を運用している。利用 支援用スパコンの 2014 年度の運用状況と概要を図15 と図16 にそれ 支援用スパコンは、講習会での実習利用や高度化支援に係る利用 ぞれ示す。 に活用され、産業利用支援や HPCI の裾野拡大に向けた取り組みの 加速の推進に寄与している。その他、申請支援システム等のユーザ 2,000 管理支援システムの運用を継続した。 1,500 2014年度実行ジョブ本数 1,000 500 1.利用支援用スパコンの運用 0 (1)利用支援用スパコンの整備 利用支援用スパコンは 2013 年11月より、運用を開始した。2014 年 度は利用支援用スパコン利用対象を応募前相談における動作確認 図 15 利用支援用スバコンの運用状況 のために活用し、「京」でソフトウェアが動作することを確認して応募 したいとの企業の要請に対応すると共に、「京」上で利用可能な産業 図 16 利用支援用スーパーコンピュータシステムの概要 - 30 - (2)利用支援用スパコンの利用 ベンダー 構造解析 Advance/FrontSTR 1) 「京」初級者向け講習会での利用 ベンダー 音響解析 Advance/FrontNoise 2014 年度は「京」初級者を対象とした実習つき講習会を計 6 回開 催した(3-3-4 表 9 *印参照)。そのうち、定期で 4 回、オンサイトで 2 3)利用支援での利用 回開催したハンズオン講習会(東京・神戸)では実習で利用し、総数 大規模実行期間など「京」が利用できない期間の高度化支援や応 33 名の参加を得た。講習会の開催実績と参加者数を表 9 に、神戸で 募前相談の移植支援して、利用支援用スパコンを活用した。産業利 の講習会の様子を図 17 に示す。 用2 件、HPCI 戦略プログラム 2 件、一般課題1 件の利用支援を実施 した。詳細を表 11 に示す。 表 11 利用支援での利用 利用枠 産業利用課題 (実証利用) 産業利用課題 (トライアル・ユース) HPCI 戦略プログラム (分野 1) HPCI 戦略プログラム 図 17 利用支援用スパコンを用いたハンズオン講習会の様子 (分野 3) (2014 年 4 月 24 日 神戸 定期開催) 一般課題 分野 プログラム 流体解析 インハウスコード Advance/FrontFlow/MP 流体解析 利用企業向けカストマイ ズ版 分子動力学 SCUBA 地震動解析 GAMERA 数値計算 三重対角行列解法 利用支援用スパコンが「京」と同様の環境で動作することから、産業 ハンズオン講習会では「京」そのものを使用することはできないこと 利用の裾野拡大に向けた活動の一環として、産業利用の分野から から、利用支援用スパコンを用いて、「京」と同等の環境で実習を行 い、実際の操作を体験することによって「京」の新規利用者にとって 「京」上での利用について問合わせの多かったオープンソフトウェア を対象として、ビルド手順及び動作確認テスト手順に関わるドキュメ 一層充実した講習会を提供することができた。 ントを整備・拡充を進めた。これらのドキュメントは「京」の課題実施者 2) 「京」の産業利用促進を目的とした共同研究での利用 を対象とした情報共有コンテンツマネジメントシステム(CMS)に登録 「京」の産業利用促進を目的として「京」で動作するアプリケーショ ンの整備拡充のため、量子化学計算、流体解析、気液二相流解析、 構造解析、音響解析のプログラムの移植及び高度化チューニングを し、利用者の便宜を図った。 2014 年度に導入手順を整備した主なソフトウェアは次のとおりであ る。 目的とした共同研究を大学及びアプリケーションベンダーと実施した 1) LIGGGHTS(個別要素法) (表 10)。 2) GROMACS (分子動力学) 3) NAMD (分子動力学) 表 10 共同研究での利用 4) FrontFlow/red (流体解析) 共同研究先 分野 プログラム 大学 量子化学 ABINIT-MP がら進める必要があったため、利用支援用スパコンが効率良く利用 ベンダー 量子化学 Advance/PHASE でき、短期間で作業を完了することができた。 ベンダー 流体解析 Advance/Frontflow/red ベンダー 気液二相流解析 Advance/FrontFlow/MP 導入手順の作成に当たっては、小規模な確認ジョブを多数投入しな - 31 - (3)ヘルプデスクシステム 2.ユーザ管理支援システムの運用 ヘルプデスク受付に関わる実績管理のシステムであり、利用者か 「京」を使用するためのユーザ管理支援システムの維持管理及び運 用を行っている。 らの問合せをメール及び Web 受付けをしている。Web 受付では、問 (1)申請支援システム 合せの受付に加え、対応状況を随時 Web で確認することができ、利 2015 年度課題募集(「京」を含む HPCI システム)に向けた機能強 用者の利便性向上に繋がっている。 化版(英語対応、操作性改善等)にて、2014 年 10 月 1 日より申請受 付を開始し、海外からの課題申請は 7 件と増加した。申請支援システ (4)ピア・レビューシステム ムは利用者が課題申請をする他、HPCI 運用事務局やシステム構成 応募課題のピア・レビューを行うためのシステムを運用しており、 機関等が使用する機能から構成され、月平均2000 回のアクセスがあ レビュアーからの操作性を中心とした改善要望に応えながら機能追 る。(図 18 参照)。 加を行っている。2015 年度応募課題のレビュー時に活用され、レビ ュー作業の効率化に繋がっている。 9% 20% 利用者機能 4% 運用事務局機能 44% 月平均: 約 2000 件 構成機関機能 プライマリセンター機能 最寄りセンター機能 23% 図 18 申請支援システムの利用状況 (2)情報共有 CMS 課題参加者間の情報共有や課題利用者と HPCI 運用事務局/シ ステム構成機関との情報共有を支援するためのサービスを運用して いる。情報共有 CMS では情報共有スペースと呼ばれる単位に区別 して管理している。2014 年度末で、採択された課題、システム構成機 関及びHPCI運用事務局用に600弱の情報共有スペースを運用して いる(図 19 参照)。 図 19 情報共有 CMS の仕組み - 32 - 3-4 産業利用促進 表 12 産業利用課題の高度化支援内訳 3-4-1 産業利用支援体制強化 産業利用課題の種類 「京」の利用においては、産業界が積極的に「京」を活用し、所期 高度化支援課題数 「京」トライアル・ユース の成果を挙げて各社の研究開発が加速され、ひいては我が国の国 際競争力が強化されることが強く期待されている。「京」の産業利用を 効率的に推進するために 2013 年4 月に設置した産業利用推進室に おいて、産業利用推進コーディネーター及び産業応用アプリケーシ 「京」実証利用 10 課題(10 社) 「京」個別利用 3 課題(3 社) 「京」以外 実証利用 1 課題(1 社) 計 ョンの主要分野や可視化対応に精通した支援員を配した体制を整備 4 課題(4 社) 18 課題(15 社) するとともに、「京」の利用相談や支援を対面で受けたいとの関東の 3.プリポスト処理支援 企業ニーズに対応するため、産業利用推進室の東京駐在を設置し、 「京」の大規模計算においては、入力データの準備や計算結果の 高度化支援や企業への普及促進活動を含む体制を整備した。2014 可視化は非常に重要であり、適切な支援が求められる。特に大規模 年度は、この体制のもとで産業利用推進活動を実施した。 計算による膨大なデータの可視化に顕著なニーズがあり、2014 年度 は 3 社に対して可視化支援を実施した。支援した可視化ソフトは、 3-4-2 産業利用相談・支援実績 ParaView、 POV-Ray、 AVS であり、リモート実行などの機能を使っ 2014 年度に産業利用相談・支援として実施した活動を下記 5 項目 て計算結果を確認する方法の手順書などを作成し、提案した。従来 に分けて説明する。 は、計算結果を可視化するのに社内にデータを持ち帰って可視化 1.応募前利用相談 する必要があり、時間がかかっていたが、提案した方法によりスピー 課題申請前の時点から自社の課題にどのように HPC 技術を適用 ディに計算結果を確認することが出来るようになった。また、大規模 すれば解決できるかを相談できるコンシェルジュ的な相談窓口を設 データの高速ダウンロードや可視化ニーズの高まりに対応するため、 け、対応した。応募を検討している企業の多くが、「京」を使いこなせ 産業利用拠点(アクセスポイント東京)と SINET4 との接続回線速度を るのか、セキュリティは大丈夫か、などの不安を抱えており、相談の 1Gbps から 10Gbps に 10 倍に増強するとともに、プリポスト処理用の 中で、それらが解消され、具体的な応募に至るよう努めた。神戸と東 サーバや各種ソフトウェアを整備し、利用者の利便性を向上させた。 京駐在(利用相談・支援の拠点であるアクセスポイント東京を運用中) 4.アプリケーション情報整備 において、応募手続きの支援や課題申請書への助言等を含めた応 企業の利用相談で上位を占めるのは、ソフトウェアに関する内容 募前相談として延べ 78 件に対応した。 であり、ソフトウェアの動作実績や入手方法、実行スクリプトの事例な 2.高度化支援 どである。企業においては、評価が高く、自社の業務で使い慣れて 高度化支援の依頼のあった課題のうち、産業利用課題 18 課題(15 いる有償ソフトウェアを利用したいという要望が多い。利用支援のノウ 社)に対してプログラム高度化支援を実施した。その内訳を表 12 に ハウ取得のため、2014 年度は、「京」上で動作可能な有償ソフトウェ 示す。支援した課題数と企業数の合計が異なるのは、同一の企業か アとして、分子動力学計算シミュレーションパッケージ Amber14、 大 ら異なる種類の産業利用課題に対して高度化支援依頼があったから 規模並列構造解析システム ADVENTURECluster、流体解析システ である。高度化支援を実施したプログラムは、オープンソースの ム HELYX(OpenFOAM 向けプリポスト処理の GUI ツールを含めた OpenFOAM、LAMMPS、LIGGGHTS や企業や大学で独自に開発 有償サポート版の利用環境) を購入した。 されたもの、ソース修正が可能な商用プログラムなどである。 一般的には、産業利用では上記のように有償ソフトウェアが使わ 高度化支援の具体的な例は、HPCI ポータルの利用者のページ れていることが多いが、「京」においては、オープンソースソフトウェ に掲載している。 ア(OSS)や大規模シミュレーションの実績のある国家プロジェクトで http://www.hpci-office.jp/pages/k_koudoka 開発・整備されてきたソフトウェアを利用する課題も多い。 2014 年度は、産業利用課題で支援要請のあった下記のソフトウェ アの実行支援、動作確認、手順書の整備等を行った。高度化支援に ついても、利用者の要望に沿って実施した。 - 33 - (2)展示会等への出展及びポスター展示 6 回 (1)有償ソフトウェア ADVENTURECluster 大規模並列構造解析システム 1)ISC’14 Amber14 生体分子系の分子動力学計算 2)SC14 HELYX 流体解析システム 3)第 25 回設計・製造ソリューション展 4)第 11 回 SPring-8 産業利用報告会 (2)オープンソースソフトウェア OpenFOAM 流体解析 (v2.3.0、v2.3.1) 5)大学 ICT 推進協議会 2014 年度年次大会 AXIES2014 GROMACS 分子動力学計算 6)FOCUS トップセミナー LIGGGHTS 個別要素法(DEM) (3)利用相談会 1 回 1)産業界向けスパコン利用相談会 5.情報提供・情報発信 2014 年度は産業利用の企業への普及・利用促進活動として、以下の 活動を実施した。 (4)協賛 1 回 (1)シンポジウム、報告会、ワークショップの主催 4 回 1)第7回スーパーコンピューティング技術産業応用シンポジウム 1)第 1 回「京」と大型実験施設との連携利用シンポジウム 2)第 1 回「京」を中核とする HPCI システム利用研究課題成果報告会 (1)については5章 研究会等の表 1 を参照。 3)第 2 回 OpenFOAM ワークショップ (2)、(3)、(4)については、6-4節 イベントの表 4 を参照。 4)平成 26 年度「京」における高速化ワークショップ - 34 - 3-5 利用状況 課題の利用実績はそれぞれ表 13 及び表 14 に示す通りである。 3-5-1 「京」全体 また、2014 年度には重点化促進課題が実施され、約25 万ノード 1.2014 年度に実施された課題の利用実績 2014 年度に実施された一般利用枠及び戦略プログラム利用枠 時間積が利用された。 表 13 2014 年度一般利用枠利用実績 割当資源量(NH) ※成果創出・加速枠含む 利用実績(NH) 課題数 通期利用率 上期 下期 通期 上期 下期 一般利用 24 57,341,266 69,319,724 126,660,990 63,145,646 若手人材育成利用 10 10,929,558 15,224,031 26,153,589 実証 28 17,973,374 27,266,626 45,240,000 個別 6 2,485,685 4,678,853 7,164,538 通期 54,883,558 118,029,204 93.2% 10,080,536 9,723,511 19,804,047 75.7% 18,518,553 20,880,876 39,399,429 87.1% 758,634 3,360,557 4,119,191 57.5% 個別(随時) 11 2,117,460 1,107,200 3,224,660 76,750 951,694 1,028,444 31.9% トライアル・ユース(随時) 16 493,620 150,000 643,620 209,998 186,000 395,998 61.5% 産業利用 61 23,070,139 33,202,679 56,272,818 19,563,935 25,379,127 44,943,062 79.9% 一般利用枠合計 95 91,340,963 117,746,434 209,087,397 92,790,117 89,986,196 182,776,313 87.4% 表 14 2014 年度戦略プログラム枠利用実績 割当資源量(NH) ※加速枠含む 利用実績(NH) 課題数 通期利用率 上期 下期 通期 上期 下期 通期 分野1 5 32,270,772 33,215,316 65,486,088 27,228,738 32,767,974 59,996,712 91.6% 分野2 8 32,381,245 34,030,041 66,411,286 32,790,695 29,547,260 62,337,955 93.9% 分野3 5 25,810,776 31,677,458 57,488,234 24,357,241 29,920,919 54,278,160 94.4% 分野4 6 28,344,336 31,916,443 60,260,779 28,102,419 29,473,944 57,576,363 95.5% 分野5 5 27,869,245 26,335,641 54,204,886 30,754,258 21,403,514 52,157,772 96.2% 29 146,676,374 157,174,899 303,851,273 143,233,351 143,113,611 286,346,962 94.2% 戦略枠合計 題における課題参加者数は、大学・研究機関で 571 名、独立行政 2.課題参加者数 法人 256 名、産業界 422 名の合計 1,249 名であった(表 15)。 2015 年3 月末時点の、一般利用枠(一般利用、若手人材育成利 用、産業利用)、戦略プログラム利用枠課題及び重点化促進枠課 表 15 2014 年度課題参加者数 利用者数 内訳 利用枠 産業界 利用者数 大学・研究機関 独立行政法人 一般利用 9 121 57 187 若手人材育成利用 0 4 6 10 343 53 18 414 68 393 175 636 産業利用 戦略プログラム利用 重点化促進枠 合計 2 0 0 2 422 571 256 1,249 - 35 - 3-5-2 一般利用枠 (一般利用) 1.システム利用実績 2014 年度の一般利用枠(一般利用)における月別のシステム利 用実績の推移を図 20 及び図 21 に示す。2014 年度は上期から順 調に利用が進み、下期資源の前倒し利用を含め 110%超の利用実 績となった。下期においても順調に利用が進んだが、上期の前倒 し利用の影響で資源に余裕が発生したため、成果創出・加速枠及 び産業利用課題(3-5-4参照)を対象に課題審査委員会、選定 委員会の審議を経て資源の追加配分を実施した。 図 22 システム利用実績(資源量)の分野別比率(2014 年度) (一般利用枠(一般利用)) 3-5-3 一般利用枠(若手人材育成利用) 1.システム利用実績 2014 年度の一般利用枠(若手人材育成利用)における月別のシ ステム利用実績の推移を図 23 及び図 24 に示す。 図 20 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度上期) (一般利用枠(一般利用)) 図 23 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度上期) (一般利用枠(若手人材育成利用)) 図 21 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度下期) (一般利用枠(一般利用)) 2.分野別利用実績 システム利用実績(資源量)の分野別比率を図 22 に示す。 図 24 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度下期) (一般利用枠(若手人材育成利用)) - 36 - 2.分野別利用実績 システム利用実績(資源量)の分野別比率を図 25 に示す。 図 27 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度下期) (一般利用枠(産業実証利用)) 図 25 システム利用実績(資源量)の分野別比率(2014 年度) 一方、産業利用(個別利用)課題では有償利用の特性から慎重な (一般利用枠(若手人材育成利用)) 利用の傾向があり、下期後半に利用が集中する傾向が顕著に認 められる。 3-5-4 一般利用枠(産業利用) 1.システム利用実績 2014 年度の一般利用枠(産業利用)課題における月別のシステ ム利用実績の推移を図 26 から図 29 に示す。2014 年 3 月より産業 利用(個別利用)課題の随時募集が始まったため、2014 年度利用 実績は実証利用と個別利用(随時募集分を含む)に分けて示すこ ととする。 産業利用(実証利用)課題では2014年度は順調な利用が進み、 上期の利用実績は前倒し利用を含め、100%を超える結果となった。 下期においても利用は順調に推移したが、一般課題でも述べた 通り、前倒し利用により下期資源に余裕が発生したため、成果創 図 28 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度上期) 出・加速枠及び産業利用(実証利用)課題を対象に課題審査委員 (一般利用枠(産業個別利用)) 会、選定委員会の審議を経て資源の追加配分を実施した。 図 29 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度下期) 図 26 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度上期) (一般利用枠(産業個別利用)) (一般利用枠(産業実証利用)) - 37 - 2.分野別利用実績 システム利用実績(資源量)の分野別比率を図 30 に示す。 図 32 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度下期) (戦略プログラム利用枠) 図 30 システム利用実績(資源量)の分野別比率(2014 年度) 2.分野別利用実績 (一般利用枠(産業利用)、随時募集を含む) システム利用実績(資源量)の分野別比率を図 33 に示す。 3-5-5 戦略プログラム利用枠 1.システム利用実績 2014 年度の戦略プログラム利用枠における月別のシステム利 用実績の推移を図 31 及び図 32 に示す。2014 年度上期、下期とも 非常に高い利用実績を維持している。各期とも前半に利用が進み、 後半は上期は前倒し利用、下期は割当資源を使い切ってしまう傾 向がある。このため一般利用枠でも述べたが下期資源に余裕が発 生したため、2015 年度のゴードン・ベル賞を目指す課題 3 件に課 題審査委員会、選定委員会の審議を経て約 350 万ノード時間積の 追加配分を実施した。 図 33 システム利用実績(資源量)の分野別比率 (戦略プログラム利用枠) 図 31 システム利用実績(資源量)の月別推移(2014 年度上期) (戦略プログラム利用枠) - 38 - 3-6 利用研究成果の報告・公開 3-6-1 はじめに の準備を行った。 「特定高速電子計算機施設の共用の促進に関する基本的な方 HPCI 成果発表データベースでは、登録者による編集機能の付 針」(以下、「共用の促進に関する基本的な方針」)では、利用研究 加などシステムの機能拡張を行った。HPCI 成果発表データベー の成果は、科学技術の振興を図るとともに、スーパーコンピュータ スに登録された 2014 年度末までの「京」に関する成果発表件数は、 の利用分野等に関する新たな知見を活かした特定高速電子計算 「京」一般利用枠では通算 721 件(内、査読付き論文数は 97)、戦 機施設の更なる利用を促進する観点から、知的公共財として積極 略プログラムでは通算2,020 件(内、査読付き論文数は 208)、京調 的に公表し、普及されるべきものであるとされている。 整高度化枠では通算149 件(内、査読付き論文数は 19)に達した。 この方針に従い「京」を中核とする HPCI では、利用者に以下の 以下の各項で、それぞれの詳細を記す。 要請・依頼を行っている。 ・利用報告書の提出 (課題実施終了後 60 日以内) 3-6-2 利用報告書 ・成果公開 (課題実施終了後 3 年以内) 1.利用報告書の提出 ・HPCI 成果発表データベースへの登録(随時) 2014 年度は、利用報告書の提出に際して利用者の便を図るため、 汎用ツールのオンライン投稿システムを導入、カスタマイズした 2014 年度は、2013 年度末に終了した第1期の「京」一般利用枠 「利用報告書提出サイト」を構築し(図 34)、運用を開始した。本サ 課題を含む全 167 課題の利用報告書( 「京」一般利用枠課題 115 イトは、インターネット経由での利用報告書の投稿、事務局内での 件(産業利用トライアル・ユース課題 19 件を含む) 、戦略プロ 閲読、必要に応じて利用者への修正依頼及び修正原稿の再投稿 グラム利用研究課題 29 件、重点化促進枠課題 1 件、京調整高度 など、利用報告書の提出に関する一連のプロセスを円滑に行える 化枠課題 22 件)を公開した。また、2012 年度末及び 2013 年度末 ものである。また、本サイトの運用によって、提出率の推移や、閲 に終了した「京」の成果公開対象課題(全 135 課題)の内、64 課題 読・原稿修正に要した日数などの個別データを統計的に処理する の成果公開の認定が行われた。さらに、成果公開の一方法である ことが可能となり、利用報告書の提出に係る作業効率の向上にも HPCI 利用研究成果集(登録機関発行の電子ジャーナル)の発行 寄与することができた。 図 34 「利用分野から検索」機能による利用報告書要約の表示例 - 39 - 3-6-4 HPCI 利用研究成果集の発行準備 2.利用報告書の公開 2014 年度より従来の課題枠別の一覧表示に加えて、図 34 に示 2014 年度は HPCI利用研究成果集を発刊するための準備として、 すような利用分野一覧から検索できる機能を追加した。利用分野 投稿サイトの構築、投稿の受付、公開サイトの準備等を行った。投 は、「バイオ・ライフ」、「物質・材料・化学」、「環境・防災・減災」、 稿サイトは、汎用ツールのオンライン投稿システムをカスタマイズ 「工学・ものづくり・原子力・核融合」、「物理・宇宙・素粒子」、「数理 した「HPCI 利用研究成果集投稿サイト」を構築し、運用を開始した。 科学・情報・計算機科学・その他」の 6 分野とした。本機能では、利 本サイトはインターネット経由での HPCI 利用研究成果集の投稿、 用報告書の要約(図入り)を表示し、各課題の成果の概要を素早く 査読、受理までの一連のプロセスを円滑に行えるものである。 把握できるようにした。なお、要約は利用報告書の要点を A4 スラ HPCI 利用研究成果集の ISSN (International Standard Serial イド 1 ページにまとめたもので、これも 2014 年度より、利用報告書 Number: 国際標準逐次刊行物番号)の申請を国立国会図書館へ の一部として作成することにしたものである。また、課題ごとに 行い、登録予約番号を取得した。なお、正式な登録は、HPCI 利用 HPCI 成果発表データベース(3-6-4参照)にリンクできるように 研究成果集がオンライン・ジャーナルとして公開された後、国立国 なっている。 会図書館が ISSN 表示、体裁等を確認した後に行われる。 HPCI 利用研究成果集の投稿受付を平成 26 年 12 月 15 日から 開始した。平成 26 年度は 1 件の投稿受付を行った。 3-6-3 成果の認定 「情報管理に関する基本的考え方」において、課題実施終了後 3 年以内に、以下の 4 つのいずれかの方法により研究成果を公開 3-6-5 HPCI 成果発表データベースの機能拡張 HPCI 成果発表データベースとは、HPCI 計算資源を利用して創 することが義務付けられている。 a) 課題番号が明記されている査読付き論文(査読付きプロシー 出された成果の発表情報を一元的に収録したデータベースであ ディングス、博士学位論文を含む) る[1-2]。HPCI 成果発表データベースへのデータ登録は、HPCI 利 b) HPCI 利用研究成果集(登録機関発行の電子ジャーナル) 用研究課題参加者が WEB ブラウザを使用してオンラインで行う。 c) 企業の公開技術報告書(産業利用のみ) 図 35 に HPCI 成果発表データベースシステムの構成を示す。 d) 特許(特許権の取得まで) この HPCI 成果発表データベースとオンライン登録アプリケーシ 「成果の認定・審査に関する基本的考え方」において、上記の成 ョンに以下に示す機能拡張を行った。 果の認定・審査は RIST 理事長の下に設置されている利用研究課 ①受賞情報の追加 題審査委員会(以下「課題審査委員会」という。)のもとで、上記a)、 成果発表に対して授与された受賞の情報の記述欄を新たに設 c)、d) については公開された成果の認定が課題審査委員会によ けた。この受賞情報は、論文や学会発表に対して贈られたものは って行われる。2014 年度に開催された第6回及び第7回課題審査 もちろん、例えば特定の成果発表によらない研究活動の成果に対 委員会で、2012 年度及び 2013 年度に終了した「京」の一般利用枠、 して贈られた賞も広くサポートする。 及び HPCI 戦略プログラム利用枠(全 135 課題)の内 64 課題に対 ②登録済みデータの編集機能の追加 して成果公開の認定が行われた。利用枠ごとの内訳を表 16 に示 2013 年度より稼働した HPCI 成果発表データベースへのオンラ す。成果公開の方法はいずれも a)査読付き論文である。 イン登録機能は新規登録のみをサポートしていた。このため既に 登録されたデータの修正は事務局へ変更内容を通知して、事務 表 16 「京」の利用枠別の認定課題数 利用枠 終了年度 成果公開対象 課題数 局による手作業で行われていた。この一連のデータ修正の手続き の利便性を向上させる目的で、新たに既存データの編集機能を追 認定課題数 「京」 一般利用 2012 2 0 加した。これにより、登録者は自分が登録したデータをオンライン 2013 77 28 編集することが出来るようになった(ただし、編集されたデータは HPCI 戦略 プログラム 2012 31 20 2013 25 16 135 64 総計 公開情報に即時反映されず、事務局のチェック後に反映される)。 - 40 - 図 35 HPCI 成果発表データベースシステムの構成 3-6-6 成果発表データの分析 HPCI 成果発表データベースから抽出した「京」を中核とする HPCI 利用研究成果の 2014 年度発表件数一覧を表 17 に示す。 表中の行合計は複数の課題に関与する成果発表をそれぞれの利 用枠ごとに集計した合計値(重複あり)であり、正味の成果発表件 数とは成果発表の実態数である。 図 36 に(a)査読付き論文、(b)国際会議・シンポジウム、(c)国内 会議・シンポジウムの各発表件数の年次推移(2012 年度~2014 年 度)を示す。「京」一般利用は青で、HPCI 戦略プログラムは緑で示 す。2013 年度に顕著に増加した査読付き論文数は 2014 年度も更 に増加していることが分かる。一方、国際会議・シンポジウム、国内 会議・シンポジウムでの発表件数は 2012 年度以来ほぼ一定の水 図 36 成果発表件数の年次推移 準で推移している。 図 37 に 2012 年度から 2014 年度までに発表された査読付き論 文件数の利用分野別内訳を示す。(a)は「京」一般利用、(b)は HPCI 戦略プログラムである。ともに物質・材料・化学分野からの論 文発表件数が最も多いことが分かる。 - 41 - 表 17 「京」を中核とする HPCI 利用研究課題の 2014 年度成果発表件数一覧 図 37 査読付き論文発表件数の利用分野別内訳 (「京」一般は 2012 年 10 月~2015 年 3 月、戦略プログラムは 2011 年 11 月~2015 年 3 月の各期間中の論文発表件数) 参考文献 [1] 木村晴行、平塚篤;「「京」を中核とする HPCI 成果発表データベースの構築」 RIST NEWS, No.56 (2014 年 1 月)2-13. [2] H. Kimura, and A. Hiratsuka; “Introduction of HPCI Publication Database”, Short Lecture at the RIKEN Booth in SC14 (New Orleans USA, November 2014). - 42 - 4.「京」の共用のための研究活動 4-1 「京」の高度化研究 「京」の安定運転のためのシステム調整、ユーザ利用支援のための研究開発、幅広い分野のユーザの利用に資する高度化研究として 2014 年には、下記の 26 課題(AICS:25 課題、RIST:1 課題)を実施した。以下に、各課題の研究目的と成果概要を示す。 表1 京調整高度化枠 課題一覧 課題番号 研究課題 代表者名 スケーラブルかつポータブルな通信・I/O ライブラ 石川 裕 リの研究開発 「京」のプログラミング環境の高度化に関する研究 佐藤 三久 開発 大規模並列データ処理を高度化するツール・ライ 丸山 直也 ブラリの研究開発 大規模データの可視化とデータ処理に関する研 小野 謙二 究 大規模並列数値計算アルゴリズムおよびライブラ 今村 俊幸 リの研究開発 計算方法組み合わせの比較・計算方法評価のた 富田 浩文 めの基盤的ライブラリの研究開発 「京」の利用高度化のための計算ポータル構築支 前田 俊行 援システムに関する研究開発 粒子系シミュレーションプラットフォームの開発 牧野 淳一郎 分子動力学計算の高機能化のための共通基盤的 松永 康佑 研究開発 超並列環境に資する分子科学計算ソフトウェアの 中嶋 隆人 研究開発 モンテカルロ法と線形方程式反復解法高度化の 藏増 嘉伸 ための共通基盤的研究開発 複雑流体現象に対する統一的アルゴリズムと解法 坪倉 誠 に関する研究 強相関量子シミュレータの研究開発 柚木 清司 離散事象シミュレーション研究 伊藤 伸泰 データ解析とシミュレーションの融合研究のため 三好 建正 の共通基盤的研究開発 SIONlib I/O ライブラリの京コンピュータ向け拡張 丸山 直也 格子QCDベンチマークコードを用いた京コンピュ 丸山 直也 ータの性能評価 京のアーキテクチャに最適なソフトウェアの高度 泰地 真弘人 化手法の研究開発 Ge:Sb:Te 相変化物質における無秩序性の DFT シ 丸山 直也 ミュレーション FMM toolbox の大規模多体ソルバーへの 丸山 直也 利用研究課題名 1 ra000001 2 ra000002 3 ra000003 4 ra000004 5 ra000005 6 ra000006 7 ra000007 8 9 ra000008 ra000009 10 ra000010 11 ra000011 12 ra000012 13 14 15 ra000013 ra000014 ra000015 16 17 ra000016 ra000017 18 ra000018 19 ra000019 20 ra000020 21 ra000021 22 ra000022 適用 京コンピュータにおけるイベントドリブ ン型プログラムの高速化 ポスト「京」の開発 23 24 25 26 aics-sft aics-sys aics-hpc rist 京のコンパイラとツールの高度化 京の利用環境の高度化のための研究開発 HPCI SSO による京アクセスの調整高度化 「京」の利用支援 チーム名 システムソフトウェア研究 割当資源量 利用実績 (ノード時間積) (ノード時間積) 444,117 443,701 プログラミング環境研究 2,438,213 1,457,054 プログラム構成モデル研究 1,270,355 834,017 可視化技術研究 628,682 416,053 大規模並列数値計算技術研究 738,261 711,125 10,458,661 10,458,397 利用高度化研究 1,480,691 1,233,744 粒子系シミュレータ研究 粒子系生物物理研究 255,650 3,564,319 180,834 3,357,896 量子系分子科学研究 5,122,939 5,122,170 連続系場の理論研究 7,626,500 7,584,926 複雑現象統一的解法研究 2,634,919 2,044,900 量子系物質科学研究 離散事象シミュレーション研究 データ同化研究 3,586,383 929,153 2,771,586 3,582,520 512,689 2,771,552 37,540 37,500 53 0 1,020,405 859,997 プログラム構成モデル研究 100,000 43,980 プログラム構成モデル研究 37,500 9 丸山 直也 プログラム構成モデル研究 37,500 0.16 石川 裕 エクサスケールコンピューティ ング開発 ソフトウェア技術 システム運転技術 HPCI システム技術 RIST 250,000 138,438 14,668,024 7,331,079 2,934 5,867,210 3,338,467 22,249 0 1,702,018 南 一生 宇野 篤也 平川 学 野口 孝明 複合系気候科学研究 プログラム構成モデル研究 プログラム構成モデル研究 プロセッサ研究 の、スケーラブルかつポータブルな通信機構およびファイルI/O 1.スケーラブルかつポータブルな通信・I/O ライブラリの研究 に関する研究開発を行う。 開発 「京」では数万プロセス以上の並列アプリケーションが実行される。 【研究目的】 そのような規模では、通信やファイルI/Oがアプリケーションのス 「京」の高度利用実現のために、並列アプリケーションのため - 43 - ケーラビリティのボトルネックとなりうる。そこで本課題では、「京」 「京」向けに改良するとともに、必要な機能を追加開発する。これ 上でスケーラビリティのある通信およびファイルI/Oに関するミド らのツールを用いて、実際の計算科学アプリケーションをアプリ ルウェアを開発する。 ケーション開発者とともに性能解析を進め、計算科学の高度化 「京」上で開発するソフトウェアが「京」上だけでしか使えないよう に貢献する。 ではアプリケーションプログラムの可搬性がなくなってしまい、利 ③耐故障のためのミドルウェア開発:長期間の大規模並列計算を 用者が限定されてしまう。「京」の潜在能力を最大限に引き出すと 滞りなく実行するためには、耐障害性が重要である。「京」の上 ともに他の一般に使われているPCクラスタ上でもその潜在能力 で、故障に強くスケーラブルなアプリケーションの開発実行を支 を最大限に引き出せるミドルウェアとなるように設計実装する。 援するミドルウェアの構築・評価を行う。なお、本研究テーマは 開発したミドルウェアは、「京」のユーザに公開し使用してもらうこ 産業技術総合研究所との共同研究の一環として行われる。 とで、ユーザアプリの性能向上を高めるとともに、フィードバック 【成果概要】 (1)並列言語 XcalableMP (XMP)のコンパイラ Omni XcalableMP をもらい、より使い勝手の良いシステムの実現を目指す。 において、片側通信のための機能である coarray を実装し、 【成果概要】 通信機構に関しては,これまでの成果を最新の MPI-3.0 仕 ver. 0.9.1 としてリリースした。 様で利用可能にするため MPICH-3.1 実装を移植した上で,隣 (2)並列言語 XcalableMP(XMP)の記述性および性能を調査す 接集団通信の最適化実装を開発し,当該汎用実装に比べ大幅 るため,XMP を用いて並列ベンチマークである HPC なレイテンシ改善を確認した。 Challenge(HPCC) Benchmarks を実装した.その結果, 「京」の MPI-IO に関しては、Throttling 機構と段階的通信機構 XMP は並列ライブラリの標準規格である MPI よりも簡潔に ベンチマークを実装でき,かつ MPI と同等の性能を発揮す の併用による高速化を確認した。 ることを示した.昨年に続いて、この成果を並列言語のコン 2.「京」のプログラミング環境の高度化に関する研究開発 テストである HPCC Award Competition Class 2 に応募し、最 【研究目的】 高性能賞を受賞した。 プログラミング環境研究チームでは、「京」のプログラミング環 (3)次世代大規模システムのための、耐故障性を備えたマルチ 境の高度化の研究をミッションとし、「京」の大規模並列システム SPMD プログラミング環境を開発し、その有効性を実証し のためのプログラミングの方法やプログラミング言語と、性能を た。 チューニングするためのツールの研究開発を進めている。本課 (4)ベンチマークプログラムHPGMG とHPCGのチューニングと 題においては、「京」のプログラミング環境の高度化のために以 評価を行った。 下の 3 つの研究開発を行う。 ①並列プログラミング言語 XcalableMP(XMP)の研究開発:現在、 3.大規模並列データ処理を高度化するツール・ライブラリの研 「京」の並列プログラミングには、MPI が用いられているが、これ 究開発 が、煩雑で開発のコストが増加する要因になっている。これから 【研究目的】 本課題は「京」の高度化研究課題のひとつとして、以下の 2 点 の並列プログラミング言語として、XcalableMP という新しいプロ グラミング言語を大学・企業・研究機関からのメンバーからなる を実現することを目的としてツール・ライブラリを研究開発する。 委員会にて策定しており、これを「京」でのプログラミング環境と (1)膨大な量のデータの中から、目的となる結果を高速に抽出・ して利用可能にするとともに、実際のアプリケーションに適用し、 処理が可能となるアルゴリズムの研究開発を実施し、大規模 実用的な観点からの高度化を図り、並列アプリケーション開発の 並列データ処理に関するライブラリを提供する。 生産性を向上させる。 (2)大規模データ処理を可能とする並列分散ミドルウェア、並列 ②大規模並列プログラムのチューニングソフトウエアの研究開発: 分散プログラミングの研究開発を実施し、ユーザが基礎デ 大規模並列プログラムの性能解析のためのプロファイル、表示、 ータを効率よく利用するためのツールを提供する。 診断のためのツール類を開発する。具体的には、ドイツを中心 上記2 点を実現するために「京」を用いたソフトウェアの開発、試 に開発されているチューニングツール Scalasca をベースに、 験を行う。 - 44 - ラスト型のレンダリングに必要な画像重畳アルゴリズムの高速化 【成果概要】 大規模並列システム上で MapReduce 実行する際の通信性 を図った。 能と IO 性能のスケーラビリティの問題を解決するために、 shuffle 通信の同期/非同期通信の比較評価、データアクセス 5.大規模並列数値計算アルゴリズムおよびライブラリの研究 の局所性を考慮した タスク割り当ての研究を行った。また、 開発 我々が開発しているMapReduce 処理系KMR の利便性向上の 【研究目的】 本研究課題は、従来にない先進的な並列数値計算ライブラリ ために、耐故障性向上を目的としたチェックポイント・リス タート機能、容易な MapReduce 計算の実行を実現するための を開発し、ユーザの利用に供する幅広い分野の多くのユーザ コマンドラインツール KMRRUN、容易かつ柔軟な の利用の進展につなげることである。以下の内容の研究を進め MapReduce プログラミングを実現するための KMR Python る。 API の開発を行った。また大規模データ処理に頻出する計算 (1)「京」の一部に障害が起きても、計算を続行できる、耐故障 であるグラフ処理について研究を進めた。成果は論文発表の 機能を持つ数値計算アルゴリズムおよびソフトウェアの開発 みならず、 オープンソースソフトウェアとして公開している。 (耐故障性) (2)大規模になった時に問題になる高精度計算および精度保 証付き演算手法の開発(高精度・精度保証) 4.大規模データの可視化とデータ処理に関する研究 (3)「京」の高性能プロセッサを活用し、数万並列に対応しうる疎 【研究目的】 「京」を始めとする大規模計算機資源を用いたシミュレーショ 行列ソルバー、固有値ソルバー、3 次元 FFT などの並列数 ンから生成される計算結果は大規模になり、その処理コストが大 値計算アルゴリズムおよびライブラリの開発(高スケーラビリ きくなることは、既に問題となっている。今後、さらに計算規模が ティ、先進アルゴリズム等) 【成果概要】 大きくなると、シミュレーション自体のコストと同程度の後処理の 本チームが開発を進める「数値計算パッケージソフ コストがかかるようになってくる。この問題点を緩和するため、後 処理の効率化を図る枠組みを研究開発し、遠隔地からの操作が ト:KMATHLIB」の開発を実施し、1)2012 年度から 2013 度にか 可能なポスト処理システム・要素技術の研究を推進する。このよ けて独自開発したソフトウェアならびにオープンソースソフトウェ うな研究は、大規模シミュレーション結果を有効に活用する基盤 ア(OSS)の機能強化を図った計算ルーチン開発と性能評価、 技術としての意義があり、研究成果は計算科学全般の分野へ寄 2)OSS を統合するプラグイン機能の拡充、3)OSS ではカバー 与する。 できない領域の計算アルゴリズムの研究開発を「京」コンピュー タ上で実施した。各種 OSS の違いや自由な組み込みを可能に 本研究の目的は,TBからPBオーダーのデータセットファイル するソフトウェア API のプロトタイプの作成がなされている。 から、可視化やデータ処理を効率的に行うフレームワークを構 築し、計算処理コストを低減できるプロトタイプシステムの有効性 6.計算方法組み合わせの比較・計算方法評価のための基盤 を検証することである。 的ライブラリの研究開発 本利用期間では、評価用データの作成、データ圧縮評価、 【研究目的】 「京」での直接レンダリングの評価、イメージ重畳性能評価を行 モデリング・計算方法の多様化や、現象統一的理解のための う。 モデル結合により、計算方法の組み合わせが肥大化している。 【成果概要】 大規模並列流体シミュレータ FFV-C を用いて、可視化やデー したがって、新・旧の計算方法の評価、およびその組み合わせ タ圧縮に用いる評価データを作成した。このデータを用いて、 による計算結果の比較を総合的に行うことを可能にする基盤的 大規模データに対応可能なPOD 法を用いた並列データ圧縮ア ライブラリが必要となっている。本課題では、AICS 内計算機科 ルゴリズムを開発し、その有効性を検討した。可視化において 学チームが構築するミドルウェア(I/O、通信など)を基盤とした は、「京」で画像を生成可能なレンダリングシステムを開発し、全 「京」上で高速に動く、CFD ライブラリおよび関連する物理モデリ 82,944 ノードを用いたレンダリングを達成した。また、このソート ング(放射・乱流など)ライブラリの整備を行う。さらに、これら既 - 45 - 存の計算手法の評価・比較をベースとした新規スキームの開発 を検証するための検証技術の 3 項目について研究を行ってい 基盤を提供する。 る。2014 年度は、前年度に引き続き「京」のような大規模高性能 2014 年度は、AICS 内計算機科学チームとのコデザインの 計算機のための計算ポータルフレームワークおよびその要素 もと、複数の計算手法を研究開発し、基盤的ライブラリの開 技術・理論等の研究・設計・実装・検討等をすすめた。2015 年度 発・整備を行う。また、このライブラリを、複数の気象モデ 以降も研究をすすめ、実際に「京」や次世代の高性能計算機に ル (SCALE-LES, NICAM) に組み込んで、全体パフォーマ 成果を更に展開することを目指す。 ンス評価および気象現象の再現性テストを行う。 【成果概要】 主要ないくつかの計算手法に焦点を絞り、AICS 内計算機科 (1)大規模高性能計算機向けの計算ポータル構築支援システ 学チームとのコデザインのもと、SCALE ライブラリの開発・整備 ムのインターフェイスの設計および実装。具体的には計算サ を行い、AICS ソフトウェアとして公開する。また、このライブラリ ービスをポータルシステムに登録・公開する機能などを追加 の物理的・計算的パフォーマンスを、SCALE ライブラリを利用し 実装(ただし、「京」とは未だ接続していない)。また軽量コン た領域気象モデル SCALE-LES を用 いて評価する。これら、開 テナ技術を応用した実装方法についての検討・試作。 発・整備と評価・テストを、およそ 1 ヶ月単位のサイクルで進め、 (2)軽量ネットワーク仮想環境のプロトタイプ実装および「京」上 開発・整備に 20 万時間ノード積/月、評価・テストに 30 万時間ノ での実験・試験。また、ネットワーク以外の軽量仮想化技術や ード積/月の、合計 50 万時間ノード積/月を利用する。機構長枠 コンテナ技術、CPU エミュレーション技術についての調査・研 から割り当てられた 350 万時間ノード積を理想条件下での層積 究。 (3)プログラム(主にFortranプログラム)のソースコード進化の履 雲シミュレーションの課題に充てる。 歴および性能プロファイリング履歴にもとづいて、与えられた 【成果概要】 性能プロファイリング結果やソースコードから適切な最適化パ 本実施期間においては、気象・気候計算のための基盤ライブ ターンを提示する手法の検討・プロトタイプ実装。 ラリを開発・整備し、AICS ソフトウェア (SCALE ライブラリ) のバ (4)「京」への既存アプリケーションの移植経験にもとづいた、大 ージョンアップを行った。また、全球雲解像大気モデル NICAM および高解像大気 LES モデル SCALE-LES を用いて、その計 規模並列プログラム向けの性能プロファイリングツール 算パフォーマンスおよび物理的な再現性の検証を行った。 Scalasca と Extrae の「京」上への移植・動作確認等。 (1)領域 LES 気象モデル SCALE-LES の開発と評価 (5)軽量スクリプト言語Python を用いた、「京」などの高性能計算 ・ネスティング技術 環境上で実行するアプリケーションを効率よく作成・実行・修 ・現実大気実験 正する手法についての調査・検討。 (6)上記(5)の実際の実装に関連して、Python の処理系を「京」 (2)層積雲を対象とした高解像度高領域実験による物理パフ 上で正しく動作するように移植する、既存のPython ライブラリ・ ォーマンスの検証 (3)全球雲解像大気モデル NICAM を用いた大規模な並列計 プログラム等(NumPy、MPI4Py など)を「京」へ移植する、 Fortran や C++で書かれた既存の非 Python ライブラリ(大規模 算・並列解析の実行と評価 並列数値計算技術研究チームの EigenExa など)を Python か ら利用できるようにラッパーライブラリモジュールを作成する 7.「京」の利用高度化のための計算ポータル構築支援システ 等について実装、また「京」上での公開。 ムに関する研究開発 (7)軽量コンテナ技術である Docker を「京」のような高性能計算 【研究目的】 利用高度化研究チームは、「京」に代表されるような大規模高 環境に応用して、アプリケーションの開発・試験・デプロイメン 性能計算機をより多くの利用者・開発者が簡便に利用できるよう トの手間・コスト等を削減する手法についての調査・研究・プロ なフレームワークの研究・開発を行っている。具体的には、(1) トタイプ実装等。 (8)上記(7)の実装を応用し、運用技術部門・ソフトウェア技術 計算サービスの利用・提供を容易にするような計算ポータルフ レームワーク、(2)(1)のフレームワークを実現するための仮想 チームで開発されている K-scope(Fortran ソースコード分析ツ 化技術、(3)(1)のフレームワーク上でのプログラムの安全性等 ール)の機能を前年度に引き続いて更に拡張、利用者が自ら - 46 - のソースコードやビルドスクリプト等に一切手を加える必要な 9.分子動力学計算の高機能化のための共通基盤的研究開発 く、シームレスにソースコードの分析をリモートサーバで実行 【研究目的】 分子動力学プログラム、マルチスケールシミュレーションなど できる機能を実装。 (9)前年度より引き続き、XcalableMP(プログラミング環境研究チ の粒子法に基づく計算手法は、生物物理のみならず物質科学 ーム)などの共有メモリ型のプログラミングモデルで問題とな 分野においても広くもちいられている。「京」を使いこなし、さら る「ゆるいメモリ一貫性モデル」下においてプログラム解析・検 に効果的に使えるようにするためには、長時間ダイナミクスから 証を行うための汎用的・統一的な理論の構築、および試験的 自由エネルギーを計算する手法や QM/MM 自由エネルギー計 な検査ツールの実装。 算などの高機能化と「京」を用いた大規模並列計算を組み合わ せる必要がある。そこで、我々は新たに分子動力学法計算ソフ 8.粒子系シミュレーションプラットフォームの開発 トウェア「GENESIS」を開発し、拡張アンサンブル法などの手法 【研究目的】 やアルゴリズムを整備し、「京」に最適化していく。 【成果概要】 超並列システム「京」に最適な粒子法並列化アルゴリズムを確 「京」による大規模・超並列計算による分子動力学法の計算手 立し、「京」の威力を発揮する粒子法シミュレータ・ソフトウェアを 法開発を行った。特に(1)一分子分光実験のデータを用い、限 開発することが目的である。 システムを、それを構成する個々の粒子の運動を追跡するこ られた実験データから多次元情報に基づいた状態遷移ダイナミ とによってシミュレートする粒子シミュレーションは、宇宙物理、 クスのモデルの構築法、(2)長時間計算に向け安定な熱浴法の 流体工学、コンピュータグラフィックス、ゲーム物理等の分野で 実装・評価を行った。また、これらの手法を、粒子系生物物理研 発展してきた。生命科学分野や防災分野への応用も期待されて 究チームが昨年度に公開した分子動力学法プログラム いる。粒子法は、格子法と比べ、複雑な形状を取り扱うことが容 「GENESIS」に実装し、「京」上で大規模・超並列計算を行い、 易であるので扱うことが出来る対象や現象が大きく広がる一方 それぞれ手法の有効性を確認した。 で、自由度当りの計算量が大きく大規模計算が必要である。そ 10.超並列環境に資する分子科学計算ソフトウェアの研究開 のため、医療分野など複雑な現象に適用するためには、「京」を 発 用いた大規模シミュレーションとそのための粒子法シミュレータ 【研究目的】 開発が望まれている。 京における粒子法アルゴリズムとシミュレータ・ソフトウェア開 分子科学計算ソフトウェアは物質科学・生命科学・モノづくりの 発の課題、制約 格子法と比べて、大規模並列に対応した汎用 共通基盤であり、Gaussian(米国)などの分子科学計算ソフトウェ 的なソフトウェアが少ない。 アは計算科学者のみでなく、実験科学者まで幅広く世界中で利 用されている。計算機が高度化することに伴い、大規模な系の 「京」の威力を発揮するためには、超並列システム「京」に最適 な粒子法並列化アルゴリズムを確立し、「京」の威力を発揮でき 原子や分子を計算する要望は確実に増してきているため、超並 る粒子法シミュレータを開発することが必須である。上記問題に 列計算が可能で一般ユーザーに利用可能な理論分子科学計 ついて、多岐に渡る研究領域において解決の強い要望がでて 算ソフトウェア開発が国際的に急務な課題となっている。この要 いる。 請に答えることを目的として、本利用課題では以下の研究を行 い、従来にない先進的な分子科学計算ソフトウェアを開発し 本課題においては、以上の要求をかんがみ、超並列システム 「京」に最適な粒子法並列化アルゴリズムを確立し、「京」の威力 「京」のユーザーに提供することで、幅広い分野のユーザーの を発揮できる粒子法シミュレータを開発する。 「京」利用に資することを目的とする。 【成果概要】 (1) 他の分子科学計算プログラムでは扱うことのできない大規 模分子向けの分子計算法、高速計算法、高精度分子計算法 (1)粒子法シミュレーションフレームワーク(FDPS)の 仕様詳細定義、及び(2) FDPS の実装と「京」上での性能 の理論とそのための演算アルゴリズムを開発する。 (2) それらの理論・アルゴリズムに基づき、我が国独自の分子科 最適化をおこなった。 学計算ソフトウェアNTChemを新たに開発・公開することで、 - 47 - タンパク質の丸ごと計算などの数万原子分子の電子状態計 今年度は小・中規模の問題サイズを用いたアルゴリズムパ 算や、数百-千原子分子系の化学反応などの詳細な追跡計 ラメーターの最適化を行った。 算を高速かつ高精度に実現する。 12.複雑流体現象に対する統一的アルゴリズムと解法に関す 【成果概要】 本利用期間では、国産分子科学計算ソフトウェア NTChem を る研究 【研究目的】 用いた応用計算においてユーザに広く用いられる計算機能の 拡張、および単体性能と並列性能向上のためのソフトウェアチ 計算機が高度化するにつれ、より複雑な現象や形状に関す ューニングなどの高度化を行った。具体的には、(1) 大規模分 る研究課題が増えているが、複雑な現象の計算は、流体・構造・ 子の基底状態の DFT 計算の並列性能向上を目的とした高度化、 熱・電磁波・化学反応などの複数の支配方程式が複雑に関係し (2) 大規模分子の励起状態の TDDFT 計算の高速化・高並列 ており、方程式の型やパラメータを決定することが困難である。 化を目的とした MPI/OpenMP ハイブリッド並列化、(3)大規模分 これらの複雑な現象を同時に計算できるアルゴリズムやツール 子の電子相関計算の高並列化を目的としたRI-MP2エネルギー の開発が、幅広い分野の共通基盤技術として切望されている。 計算の二段階並列実装、および(4)大規模分子の MP2 レベル このような複雑現象に対しては、アルゴリズムの複雑化による計 での構造最適化を目的としたRI-MP2解析的エネルギー勾配計 算量の増加と単体・並列性能の確保が、「京」を利用するユーザ 算の MPI/OpenMP ハイブリッド並列アルゴリズムの開発および のアプリケーション開発の大きな障壁となっている。 その新規実装、を行った。本利用期間中に NTChem の機能拡 (1)複数の支配方程式が関係する問題を計算するためには、ユ 張および高度化作業が順調に進展したため、2014 年 6 月 10 ーザの専門分野以外の支配方程式や解法を用いなければ 日に Ver 3.0 を、2015 年 3 月 7 日に Ver 4.0 を AICS ソフトウ ならず、専門分野以外のユーザでも容易に組み込める幅広 ェアとして「京」で一般公開を行った い分野に利用可能な計算方法の研究開発が必要になる。し かし、複数の支配方程式を扱うアルゴリズムは、複数のプロ グラムと同等以上の計算量が必要になるため、「京」以外の 11.モンテカルロ法と線形方程式反復解法高度化のための共 計算機ではアルゴリズムの正確さや計算結果の検証ができ 通基盤的研究開発 ない。 【研究目的】 (2)「京」を利用するユーザがさらに効果的にアプリケーションを (1)「負の重みの問題」「負の重みの問題」を持つ物理システム を「京」上において効率的に大規模並列シミュレーションでき 利用するためには、機構の計算機科学研究チームと密接な るアルゴリズムを開発・実装し、その検証実験を行う。 連携・協力を行い、ハードウェアアーキテクチャ構造を十分 考慮した上で、高い効率で自動的に並列処理を実行するた (2)「京」上での大規模並列拡張に応用できる大規模疎行列に 対する線形方程式反復解法を計算手法・アルゴリズムの両 めのツールなどを研究開発し、容易に計算結果が出てくる 面から高度化し、その検証実験を行う。(1)および(2)の研 仕組みが必要である。 究開発課題は格子 QCD シミュレーションをベースにして実 このために本年度は以下を目標として、「京」を有効利用する 先進的なシミュレータ開発のための開発環境を整備し、幅広い 施する。 分野の実ユーザと開発者の利用に供する利用拡大につなげ 【成果概要】 る。 (1)化学ポテンシャルμ(物質の密度を表すパラメーター)が小 さい領域における 3 フレーバー有限密度 QCD の臨界線 (1)複雑化した課題の現象を解くための、複数の支配方程式を (critical line)およびその曲率の決定により、高効率な行列式 連結させたアルゴリズムの研究開発を実施する。そのため 計算法を用いた reweighting 法の有効性を検証・確認するこ にまず特に「京」の性能を十分引き出し、スケーリングを実現 とができた。 するための統一的データ構造に着目し、既存のアルゴリズ ムに対してフィジビリティスタディ(FS)を実施し,「京」への実 (2) 筑波大学システム情報系櫻井鉄也教授グループが開発 中の疎行列向け超並列固有値解析エンジン z-Pares を「京」 における大規模格子 QCD 計算に応用することを目指し、 装を目指す。 (2)産業界の実問題を用いた検証解析を実施し、「京」の産業利 - 48 - ミックスに対する密度行列繰り込み群法の研究開発を行う。 用促進へ向けた課題を洗い出す。 【成果概要】 【成果概要】 (1)階層型のデータ構造を持った非圧縮ならびに圧縮性の流体 本チームで開発している補助場量子モンテカルロ法のコードは 解析コードを統合し、CUBE(Complex Unified Building cubE) 「京」上で高度に最適化された線形代数ライブラリを有効的に活用 という新規ワークフレームを作成した。CUBE に複数現象の支 することで、ノード単体性能において 80%を超える高い実行性能 配方程式(化学反応、音場解析、流体-構造物連成)アルゴリ を有する。また、モンテカルロ法の特性から、統計精度の向上のた ズムを実装し、「京」上にて FS を実施した。 めに超並列計算機のメリットを十分に生かすことが可能である。こ (2)開発した新しいフレームワークを用いて、産業界から提供され の高度化された量子モンテカルロ法のコードを用いて、ハニカム た検証問題を解析した。本研究成果のいくつかは論文投稿の 格子およびπフラックス模型と呼ばれる格子模型上で定義された 予定である。 ハバード模型の基底状態相図を精密に決定した。さらに、このモッ ①マツダ(株)より提供された複雑 CAD 形状に対して自動車の ト転移の臨界性を調べる事を目的として有限サイズスケーリング解 空力解析を実施し、風洞試験と同様な特徴的な流れ構造を 析により臨界指数を求め、二つの異なる格子模型においてモット 再現することに成功した。 転移を特徴づける臨界指数は高い精度で一致しており、ディラック ②風 HPC コンソーシアムより提供された 12km×6km 東京街区 電子系におけるモット転移に普遍性クラスが存在することが明らか となった。 の風環境シミュレーションを実施し、0.9m 解像度で最大数百 大規模並列密度行列繰り込み群法については、利用者の利便 億要素規模の大規模解析を実施し、定性的に妥当な解を再 性を考え、プログラムの改変なしに任意の物理量の計算が可能な 現することができた。 本研究成果は、特に「京」の産業利用の高度化に資する技術と 密度行列繰り込み群法のアルゴリズムを作成した。本研究開発で なり、「京」の高度利用を目指す他分野のユーザに対しても有益 開発されたアルゴリズムは、その利便性にもかかわらず、これまで な情報となろう。 とほぼ同等の計算コストで実行することが可能である。 第一原理密度行列繰り込み群法については、前年度までに開 13.強相関量子シミュレータの研究開発 発された変換行列の保存により大幅に必要とする記憶容量が削減 【研究目的】 された第一原理密度行列繰り込み群法を元に、その大規模並列ア ルゴリズムの開発を試みた。特に、変換行列を各ノードに分配させ、 銅酸化物高温超伝導体の発見を契機にして、電子間相互作 用が本質的に重要である、いわゆる強相関量子系に関する研 膨大な数のハミルトニアンの各項の演算を分散して処理すること 究は四半世紀に渡り集中的に行われてきた。それにも関わらず、 で、その並列化効率の向上が成し遂げられた。 最も基本的な理論模型の基底状態についてさえも必ずしも一致 した理解は得られておらず、現代物性物理学の最も基礎的で重 14.離散事象シミュレーション研究 要な研究課題の一つとして残っている。この問題では強い量子 【研究目的】 揺らぎと多体問題の困難さが同時に存在しており、解析的手法 本研究は社会・経済現象を主な対象としたエージェントモデル で解ける領域は極めて限定される。また、「多体問題」を陽に取 シミュレーションを、「京」および次世代エクサスケールコンピュー り扱うという観点に立てば、平均場近似等の一体描像に基づく タという大並列計算機で実現することを目指している。こうしたシミ 取扱いや摂動論アプローチは相補的ではあるが決定的な手法 ュレーションは一般には、エージェント間の相互作用・やりとりを記 とはなりにくい。本計画では、強相関量子系に対するシミュレー 述するグラフ構造及びグラフ上のダイナミクスとして実現される。さ ションとして、量子モンテカルロ法、密度行列繰り込み群法、厳 らに実社会からのデータ分析は膨大であり、また分析結果をモデ 密対角化法などの原理的に近似を含まない計算スキームに基 ルに同化して行く際には離散構造特有の多様性を処理する必要 づく量子シミュレータの研究開発、およびそれらの「京」におけ がある。このため本研究では、巨大なグラフシミュレーションおよ る高度化研究開発を行う。具体的には、①(負符号問題が出な びデータマイニングの効率的実現、および多様なふるまいを統御 い)大規模電子系に対する量子モンテカルロ法の研究開発、② するデータベース型のシミュレーション実行支援環境の実現を目 2次元密度行列繰り込み群法の研究開発、および③量子ダイナ 指している。あわせて、交通流・群衆の運動・病気の感染・流行や - 49 - (Java で実装された X10)を京に移植した。 噂の生成消滅・電力ガスなどの供給網といった社会的に重要と 考えられる現象のシミュレーション技術を開発し、効率的な社 15.データ解析とシミュレーションの融合研究のための共通基 会・経済・政治・統治の実現や国防・免災・防災・災害対策といっ 盤的研究開発 た問題解決への京級コンピュータの応用を模索する。 【研究目的】 【成果概要】 今年度は下記の 2 つ課題について研究を進めた。 ① 本課題では、シミュレーションと観測データとの相乗効果を生 み出すための共通基盤として、特に「京」を生かした大規模計算 「京」向け評価用交通流シミュレータの開発 「京」で自動車交通シミュレーションを行った場合に達成が期待 に適した効率的かつ高精度なデータ同化アルゴリズムを研究開 される性能を評価するためのベンチマークプログラムの開発を 発し、様々な応用研究における利用に供することを目的とする。 進めている。本年度は自動車の挙動を単純化し、並列化負荷が また、データ同化によるシミュレーションモデル及び観測データ 特に大きくなると考えられる場合の性能評価を達成した。日本全 の誤差評価ツールや、モデルパラメータの最適化ツールといっ 土の道路約 131 万 Km に自動車 1 億 2,700 万台を走らせるシミ た、シミュレーションにおいて有効な各種ツールを研究開発す ュレーションでは、1,000 並列程度まででは1ノード当たり約 る。この際、計算機科学の諸分野と連携することで、計算機の構 2.5MUPS(million update per second)の実行速度であったが 造に適した高速なアルゴリズム開発を行うとともに、統計数理の 10,000 並列当たりで約 3.2MUPS と極大化し、「京」の 1/4 を使っ 理論的な側面からも、階層構造に適した手法の探究や、非線 た 20,000 並列当たりでも約2.7MUPS の性能が確認された。この 形・非ガウスへの挑戦といった、データ同化の精度を高め、応用 ストロングスケーリングの極大値は、総キャッシュ容量に由来す 範囲をますます広げるための研究を進める。 ると考えられる。今後、自動車の挙動をよりリアルに複雑化した 本課題では、主に共通基盤としての汎用性、応用可能性の観 場合には、通信負荷が計算負荷よりも軽くなると同時に、キャッ 点から、アンサンブルデータ同化手法に集中して研究を進める。 シュ容量による性能ピークが第並列側にシフトすることが予想さ 具体的には、メリーランド大学で考案された局所アンサンブル れる。すなわち、ポスト「京」スパコンでも優れた並列性能が期待 変換カルマンフィルタ(LETKF)をベースとして、高精度かつ高 できる結果であると考えられる。あわせて神戸市の自動車交通 速なアルゴリズムの開発を行う。LETKF は元来並列計算性能を の因子を、シミュレーションを使って実現した。 重視して開発されたアンサンブルデータ同化手法であり、超並 ②社会シミュレーション実行・管理フレームワーク(OACIS)の 列計算機である「京」との融和性が高い。この LETKF を、広範な 応用を想定した上で、「京」に最適化して実装することで、共通 「京」対応 基盤的なソフトウェアとする。 小規模なワークステーションクラスターから大並列スパコンまで 以上の LETKF をベースとして、1)統計数理に基づいたデー をシームレスに有効に活用するためのシミュレーション実行・管 理フレームワーク(通称OACIS)の開発も同時に進めて、本年度 タ同化理論研究によるデータ同化手法の精緻化、2)データ同 はβ版を公開してユーザーおよびユーザーグループの育成に 化による様々なツールの研究開発を行う。理論的な研究として、 も着手した。さらに OACIS から京でのシミュレーションを他の計 LETKF で採用されているカルマンフィルタによる線形・ガウスの 算機実行できるように拡張した。京は 10 万程度のノードで実行 仮定を打破し、粒子フィルタといった非線形・非ガウスフィルタの が可能であり、ポスト京ではさらに桁違いとなる。このため、実行 考え方を取り込むことや、大規模計算で問題となる系の多重階 管理するシミュレーション数も桁違いに多くなる場合も多い。一 層構造を適切に考慮したデータ同化手法の探究、また、LETKF 方、本年度に公開した OACIS で効果的に実行管理できるシミュ 自体を改良するための誤差分散膨張法や誤差共分散局所化法 レーション数の上限は数百万程度であり、このままであらゆるス の高度化などに取り組む。ツールとしては、観測及びシミュレー ケールの京・ポスト京シミュレーションを管理しようとすると、 ションの誤差評価ツール、モデルパラメータの客観推定ツール、 OACIS のホスト計算機の負荷が重くなりすぎる。これを改善する 観測インパクト推定ツールといった、新規かつ有効性の高いツ ために、OACIS の実行管理機能の一部を実行する計算機側に ールの研究開発を行う。 これらのデータ同化ソフトウェア及びツールは、多様なシミュ 担当させる、「リモート版」OACIS の開発に着手した。「リモート 版」の実装に向けて、本年度は、PGAS 言語 X10 の managed 版 レーション分野で応用を行う。このための調査研究を進める。 - 50 - 【成果概要】 performed to evaluate I/O optimization for local storage on K (1)Local Ensemble Transform Kalman Filter (LETKF) computer. A prototype script-based pre-allocation of SIONlib’s multi-files experiments with a large ensemble up to 10,240 members were performed with both simulated and real cases, in collaboration has been implemented and verified on K computer. The with Large-scale Parallel Numerical Computing Technology pre-allocation script uses striping information of the Lustre file Research Team (1 paper published, press release on July 23, system and run-time information of the application to assign tasks 2014). that have access to the same local storage area to the same multi-file of SIONlib. (2)The LETKF system with the global Nonhydrostatic ICosahedral Atmospheric Model (NICAM) was improved and tested with the real conventional and satellite observations, in collaboration 17.格子QCD ベンチマークコードを用いた京コンピュータの性 with Computational Climate Science Research Team (1 paper 能評価 published). 【研究目的】 During the porting/tuning effort, small test runs would be required (3)Satellite-based global precipitation data were considered for in order to perform cross-checks with other machines and thus to assimilation with NICAM-LETKF (1 paper published). (4)“Big Data Assimilation” experiments for a selected case of local ensure the correctness of the implementation. Further down the road, severe rainstorms in Kyoto on July 13, 2013, were performed to we would like to perform some scaling runs, if time and the take advantage of Big Data from both high-resolution resources made available to us would allow us to do so. simulations and phased array weather radar data. 【成果概要】 A new, fully vectorized version of the code has been developed in (5)The development of the LETKF system with the SCALE model was started in collaboration with Computational Climate 2013/2014. With the implementation of some critical routines still on Science Research Team. the way, we restricted ourselves to tests on x86 cluster architectures for the moment. Hence, we were not yet ready to run on K (6)Convective predictability was investigated by performing computer. breeding experiments. (7)The inter-node communication of the LETKF core module was enhanced for acceleration. 18.京のアーキテクチャに最適なソフトウェアの高度化手法の 研究開発 【研究目的】 16.SIONlib I/O ライブラリの京コンピュータ向け拡張 プロセッサなどの計算機アーキテクチャとソフトウェアの関連 【研究目的】 In a first step, we need to run the SIONlib benchmarks to examine 性が高まっており、プログラムの高速化のためにアーキテクチャ the best configuration of SIONlib (e.g. task-mapping, block sizes, の知識が必須になっている。国際的にも、ハードウェアとソフト etc). This could be done typically on a small task set. Next, we want ウェアの共設計の必要性が認識されている。「京」を使いこなし、 to verify the correct configuration of SIONlib for the I/O さらに効果的に使えるようにするためには、「京」のアーキテクチ infrastructure of the K computer, which could also be done on a ャと関連した知識、プロセッサ固有の高速化のノウハウの蓄積が smaller partition. Finally and optionally, we would like to perform 必須である。そこで本研究では創薬分野、特にがんの薬剤耐性 scaling runs to verify the I/O performance of SIONlib also at larger に着目し、遺伝子タイプから考えられる変異タンパク質と薬剤分 scale. 子との結合自由エネルギーを分子動力学シミュレーションによ 【成果概要】 って算出し、結合親和性と薬剤耐性との関連性を評価する手法 SIONlib has been ported to K computer. Work was done を、「京」上で効率的に動作させるための手法を開発高度化し、 especially to adapt SIONlib configuration scripts to the compilers of 「京」の創薬応用を加速することを目的とした高度化研究を実施 K computer. Functional tests on small scale and mid-scale were する。 - 51 - parallelization distributes the different eigenstates, whereas the inner 【成果概要】 level distributes the degrees of freedom on the real-space grid in a 今年度は、非小細胞肺癌の原因タンパク質として知られてい る ALK キナーゼを対象に、薬剤耐性として報告されている変異 domain-decomposition scheme comprising a very scalable 体の立体構造をモデリングし、変異体と薬剤との結合自由エネ communication pattern restricted to nearest-neighbor messages. The planned systems to be simulated contain up to seven ルギー(ΔG)を評価した。 分子動力学計算を行う際の PME 並 列数、空間分割並列数といったパラメータチューニングにより、 thousand atoms which we can estimate to 7.5 mio. CPU-hours for a 3,744 ノードを使用してタンパク質-化合物 13 ペアを同時に評価 full structural relaxation. However, since the machine efficiency is する事に成功し、「京」において結合自由エネルギーを高速か the focus of this investigation, we will only run single iterations. The つ効率的に計算出来る事を示した。更に、10 変異体×3薬剤の efficient two-level parallelization allows for these large-scale systems ペアについて算出されたΔG と実験的に測定された阻害活性と to be calculated on up to 32,768 compute nodes within reasonable の間に概ね良好な相関関係がみられた。これまでに非小細胞 runtimes of the application. 肺癌が薬剤耐性を獲得する分子メカニズムは幾つか提唱され 【成果概要】 We determined the scaling properties of juRS on the K Computer ていたが、上記の結果によりアミノ酸変異に伴う薬剤の結合親和 性の低下が薬剤耐性を引き起こす重要な原因の一つである事 using a test suite of different input sizes using samples of the を示した。 phase-change material Ge1Sb2Te4. Increasing the number of atoms in the system from 7 to 7,000, we could observe an approximately constant leading-order-prefactor of 10-4 19.Ge:Sb:Te 相変化物質における無秩序性の DFT シミュレー node*seconds/atom3/iteration indicating that more elaborate tuning ション needs to be done to fully exploit the machine features with a 【研究目的】 Phase-change (PC) materials as e.g. alloys of Ge, Sb and Te, sustainable efficiency. exhibit a resistive change associated with the phase change and therefore qualify for memristive storage devices. 20.FMM toolbox の大規模多体ソルバーへの適用 We want to study the electronic properties of the crystalline 【研究目的】 Ge:Sb:Te phase which is given as a randomly disordered alloy show (1) Phase I a strong tendency to long-range ordering. A characterization of the - check if implemented abstraction layer can be easily adopted to coupling of structural short-range formation and electronically active new architecture scattering centers allows insight into the origin of the resistive - port FMM toolbox to K computers architecture (without specific phase-change. optimizations) The method of choice is density functional theory for the - check available hardware performance counter determination of electronic structures and ground state geometries as - evaluate in-core/in-node parallelism an approximation to the (unsolvable) fully described - benchmark cache-sensitivity of multipole operators and near field quantum-chemical interactions of atoms via their electrons. The interactions workload of this approach scales roughly with the number of atoms (2) Phase II to a power of 3 which leads to computational costs in the range of - evaluate basic network performance MPI1-style several CPU-years for a full determination of the structural ground non-blocking/two-sided P2P state of a system with about 1,000 atoms. - evaluate MPI2-style non-blocking, one-sided P2P The DFT implementation juRS makes use of a real-space grid as - evaluate support for advanced MPI3 RDMA features described in broad detail in our prior publication. The resulting - evaluate collective performances (barrier, reduce) sparse Hamiltonian operator is diagonalized iteratively finding its - compare different P2P communication schemes. lowest eigenstates. The outer level of the two-fold MPI - 52 - requires hybrid schemes of parallelization using MPI and OpenMP. 【成果概要】 Only in this combination can high performance be combined with Basic single-node thread scaling tests performed well. Basic SIMD test indicate that optimized kernels (or abstraction moderate memory demands. The simulation phase of the NEST layers) may need more inline assembly than anticipated. simulator already uses this hybrid scheme with excellent scaling on the K computer. A large proportion of the computation time is, however, spent for network setup, mostly during the wiring phase. 21.京コンピュータにおけるイベントドリブン型プログラムの高 The currently available hybrid implementations for network wiring 速化 only scale to moderately small numbers of threads. We will 【研究目的】 therefore identify the performance bottlenecks, which are likely due As a representative event-driven simulation, we study and optimize the NEST simulator, which is a widely used neural to i) unorganized sharing of memory and ii) mutual locking of simulation application. In 2014 the project will focus on the resources, in particular during allocation of memory for the synaptic development of simulation technology in three different areas in data structures. NEST. The access to the K computer in this phase is essential, as it (3) Implementation of gap-junctions presents a machine at the top edge of today’s available petascale and Synchronization of neuronal activity can be observed in the healthy importantly with an exceptional amount of main memory available brain and has as well been identified as a hallmark of several per core. neuronal dieseases. Gap junctions, mediating direct electrical (1)Simulation kernel for the exascale coupling, are known to essentially shape the synchronization properties of small neuronal networks. A detailed understanding of Our previous work has identified the currently employed collective communication pattern as a potential limit for the their role in brain-scale neuronal networks is currently hampered by scalability of network simulations for the upcoming exascale system the lack of efficient simulation technology supporting gap junctions in two respects: at this scale. Therefore the capability to simulate gap-junctions is often requested by computational neuroscientists and is of special 1.)Collective communication requires the recipient to determine whether or not the received spike events have local targets, requiring interest for our colleagues at OIST. on each process at least 1 bit per neuron in the network. This We will therefore develop a prototype implementation to efficiently ultimately limits the total network size to the order of 109-1010 simulate gap junctions in NEST. To this end we plan to explore neurons due to memory limitations on each node. waveform-relaxation techniques that will allow the representation of the effectively immediate interaction (the gap current) in a 2.)With larger numbers of compute nodes, the ratio of spike events to be discarded to the relevant events drops, leading to higher time-driven framework, where communication remains to be demands on the communication bandwidth and local computations constrained to the fixed time grid determined by the minimal than theoretically needed. synaptic delay. We explore simultaneous solutions to these two problems by 【成果概要】 In this accounting period we collected benchmark information on developing and testing prototype implementations of the next directed communication patterns in NEST and showed that the generation simulation kernel. This requires: planned communication scheme is feasible, both in terms of the 1) benchmarking of directed communication patterns in required time to wire up the network and in terms of simulation time. comparison to the currently used collective patterns, and 2) the development of new data structures for representing target In parallel we worked on the design of the required software information on the machine of the sending neuron, needed to route infrastructure, in particular the representation of the synaptic the spike events to target machines in a directed manner. connectivity. We started a prototype code containing the essential (2) Hybrid parallelization using multithreading changes compared to the current design (Kunkel et al 2014). We also The efficient use of multiple cores in modern CPU architectures successfully implemented the planned framework of waveform - 53 - relaxation, as originally planned and the new code showed good 状の MPI 通信性能を資料として整備するために、価を実施した。 accuracy and scalability. The new algorithm could outperform the 備されつつあるシステム性能データやノウハウに基づいて、用 currently available method known in the literature. A peer reviewed 者支援に資することができた。(II) 大規模ジョブ実行時に電力 publication together with our Japanese colleagues is currently in an 消費が大きなアプリケーションが実行されることで、運用計画で advanced review stage. 予定している供給電力量を一時的に超過する問題が発生して いたため、アプリケーションの特性と電力消費量の関係につい 22.ポスト「京」の開発 て評価した。また、効率的なシステム利用のため、アプリケーシ 【研究目的】 ョン特性を自動的に採取する環境構築のための評価を実施した。 (III) 性能改善への取り組みとして、「京」での HPCG ベンチマ ポスト「京」の基本設計で必要となる「京」の性能評価及びアプ リケーション及びシステムソフトウエアの「京」上でのチューニン ークのチューニング・性能評価を実施し、SC14 の HPCG BoF に グを行う。 て世界 2 位の性能を達成した。また、第一原理分子動力学コー 本年度実質2 か月の短期間であるため、「京」の性能評価が主と ド PHASE の高並列実行での性能評価を実施した。ツールにお なった。 いても、ソースコード分析ツール K-scope の C 言語版の開発を 【成果概要】 行った。 ターゲットアプリケーションとして FrontFlow/Blue, GAMERA, GENOMON, RSDFT, NTChem/RI-MP2, QCD, GENESIS の 7 つ 24.京の利用環境の高度化のための研究開発 の性能評価を行いポスト「京」の基本設計に反映させた。また、 【研究目的】 Fiber ミニアプリの「京」上での性能評価を行った。システムソフト 「京」が、研究基盤として長期間に渡り、安定的に機能するた ウェアの基本設計に資するためにファイル I/O 処理の統計情報 めには、利用ニーズに合わせた最適化と高度化が不可欠であ を採取するツールの整備を行った。 る。 特に、システムコンパイラ、プログラム開発支援ソフトウェア、 23.京のコンパイラとツールの高度化 計算ライブラリ、利用者ポータルなどのユーザ利用環境につい 【研究目的】 ては、本システムの設計時点から標準規格が改版されているも のがあり、このままでは将来的に他のシステムとの互換性が担 ソフトウェア技術チームは、「京」の安定的かつ効率的な運用 を提供するための研究・開発を実施している。具体的には以下 保できなくなる可能性がある。そこで、改版された標準規格に対 の3点である。(I)登録機関からのアプリケーションの性能に関 応するための、ユーザ環境ソフトウェアの改良を実施する。 する質問に対して、「京」の性能を引き出すために必要な最適化 また、ジョブスケジューラなどについては,運用を通じて機能強 について支援する。(II)「京」におけるアプリケーション最適化 化の必要性が生じるため、これらのシステムソフトウェアについ の体系化を進めることより、アプリケーションの特性(メモリアクセ ては、運用状況の分析から問題点を把握し、必要な機能強化を スパターン、要求 B/F 値、並列化時の特性)を明らかにし、特徴 実施する。 に応じた最適化作業を効率化し、システム利用の改善に資する。 【成果概要】 「京」の高度化として、言語処理系ソフトウェアや通信ライブラ (III)「京」におけるコンパイラおよびツールの高度化によって、 (I)(II)を効率よく実施するための手段を確立する.とくに、カー リ等の新標準規格への対応を実施した。また、ジョブ管理支援 ネル切り出し手法、高並列時の性能予測手法、並列化作業のデ 機能の開発の他、ジョブスケジューリングの分析や電力超過に バッグ作業などを支援するツールを検討する。 対する運用面からの対応方法を検討し、実施した。 【成果概要】 25.HPCI SSO による京アクセスの調整高度化 本年度は,「京」の安定的かつ効率的な運用を目指し、三つ 【研究目的】 のカテゴリーに分類される課題に取り組んだ。(I) 運用関係に HPCIアカウントによるSSOアクセス障害時には問題個所の切 ついては、複数のアプリケーションからなる計測用プログラムを 用いることで、システム保守後の性能への影響を確認した。また、 - 54 - り分けのため HPCI 技術チームによる検証が不可欠となるため、 HPCI 認証基盤を介して「京」アクセスの動作検証、障害対応を 26.「京」の利用支援 実施。 【研究目的】 本課題では、「共用法」が定める利用支援として、利用相談、 【成果概要】 HPCI 利用ユーザからの問い合せ発生時に、迅速にサポート プログラムの動作確認及び高度化等の利用支援を行う。利用支 できる体制を整えることができた。HPCI ヘルプデスク経由で利 援は、一元的相談窓口(ヘルプデスク)への依頼、あるいは利用 用ユーザからの問い合せが発生した際、HPCI ログインノードで 実績等から利用支援の必要があると RIST が判断したときに利 ある hpci-gate.aics.riken.jp での問題なのか、「京」ログインノード 用支援を実施する。その対象は、一般利用枠(若手人材育成、 での問題かを切り分け、調査や対応を迅速に行うことが可能とな 産業利用含む)及び、戦略プログラム利用枠の課題の利用者で り、ユーザサポート面での成果があった。 ある。 また、「京」ログインノードの GSI 認証対応時の動作検証、HPCI 【成果概要】 本課題の実施期間においては、割当資源量の 29%を使用し 共用ストレージや HPCI アーカイブシステムの利用における環 て、プログラムの動作確認及び高度化等の利用支援を行った。 境構築の際、動作確認を実施した。 その結果、2014 年度第 4 四半期における一般利用枠課題の利 用促進につながった。 - 55 - 4-2 共用法第12条に基づく調査研究 RIST では、登録機関として、以下の表 2 に示す課題について、共用法第 12 条に基づく調査研究を実施した。 表 2 共用法第12条に基づく研究 課題一覧 課題番号 1 hp140237 研究課題 代表者名 利用研究課題名 「京」におけるハイブリッド並列最適化に関する調査研究 山木 大輔 所属 割当資源量 (ノード時間) 利用実績* (ノード時間) 12,000 12,146 RIST 利用支援部 (*)ジョブ運用ソフトウェアによる利用資源量計算の誤差のため、利用実績合計が僅かに割り当て資源量を超過している。 1.「京」におけるハイブリッド並列最適化に関する調査研究 り、MPI+スレッド並列のハイブリッド並列化をおこなった。昨年度 【研究目的】 の非相対論 SCF 計算と同様、スレッド並列のオーバーヘッドの小 本調査研究は、施設利用研究を促進するため、「京」で推奨され さい「京」の特性を生かし、細かい粒度のスレッド並列化を検討し ているハイブリッド並列最適化に関する知見及び技術を蓄積する た。すなわち、2 電子積分に関係する、ほぼ最末端のサブルーチ ことを目的として実施した。本年度は平成 25 年度より引き続き、基 ン内のループについて OpenMP によるスレッド並列化をおこない、 礎的な物質科学研究から、新奇材料や代替触媒の開発、創薬など 該当サブルーチンの計算コストを測定した。また、比較用に 産業利用にも幅広いニーズがあり、「京」を利用した研究課題の中 OpenMP 並列化前のコードによるスレッド逐次計算のコストも計測 でも重要な分野である量子化学計算を対象とし、当該分野のオー した。テスト計算(C20/ucc-pVDZ の SCF の 64MPI 並列実行時の1 プンソースプログラムについて、調査及び性能評価を行った。 ステップ計算)において、OpenMP スレッド並列化コードはスレッド 具体的な対象プログラムとして、昨年度に引き続き、オープン 逐次コードにくらべ、全スレッドの合計コストに関しては 32%増加し ソースのプログラムパッケージより、量子化学プログラムパッケー たが、最大スレッドコストは逐次の 1/4 以下となり、非常に細粒度の ジDIRAC、および、可視化プログラムにはMOLDENを選択した。 悪条件下の OpenMP 並列化にもかかわらず、高速化されることが なお、DIRAC に関しては、昨年度に非相対論的 Self-Consistent わかった。 Field (SCF)計算部に関して調査したが、今年度は、並列化対象ル スレッド並列化は、オーバーヘッドの観点から上位階層のコード ーチンの範囲を広げ、レアメタル等の計算に重要な相対論的 SCF で行う方が有利である。しかし、変数の依存関係などの解析が大き 計算部に関して調査した。 な手間となるため、このように末端階層の並列化が有効ならば、複 雑な構造のコードを扱う場合、大きなアドバンテージとなる。さらに、 将来 CPU 当たりのコア数が増加した場合にも、細粒度の並列化に 【成果概要】 本報告では、主要な成果であり、プログラム DIRAC の代表的な 迫られることは多くなると考えられ、今回のノウハウが役に立つと考 手法である相対論的 4 成分 SCF 計算のハイブリッド並列化に関し えられる。 て記述する。 まず、プログラム DIRAC のバージョンが更新された ため、「京」への移植を改めて行い、SCF 計算部だけでなく、主要 な機能に関して正常に動作するようにコードを修正した。MPI 並列 については実装済みであるため、スレッド並列を追加することによ - 56 - 5 研究会等 AICS及びRISTは、「京」に関する研究成果の公表・普及、研究交流等を目的として、主催あるいは共催により、「京」に関する研究会等(シ ンポジウム・会議・報告会、並びに、研究会・ワークショップ)を開催している。2014 年度に開催したものは、表1のとおりである。 表 1 AICS 及び RIST の主催あるいは共催による研究会等の一覧 開催期間 研究会等の名称 主催 2014 年 4 月 16 日 公開ソフト講習会 第 1 回「TextParser / CIOlib」 AICS、HPCI 戦略プログラム分野 4 2014 年 5 月 20 日 公開ソフト講習会 第 2 回「K MapReduce」 AICS 2014 年 5 月 27日 公開ソフト講習会 第 3 回「PMlib」開催 AICS、HPCI 戦略プログラム分野 4 2014 年 6 月 1 日~6 日 5th International Summer School 2014 on HPC Challenges in Computational Sciences PRACE 、 XSEDE 、 AICS 、 Compute Canada / Calcul Canada 2014 年 6 月 17日 公開ソフト講習会 第 4 回「GENESIS」 AICS 2014 年 7 月 16 日 HPC ユーザーフォーラム 米国 IDC、(開催国ホスト:AICS) 2014 年 7 月 28 日 第 3 回 理研・京大合同データ同化研究会 AICS、京都大学 2014 年 8 月 4 日~8 日 RIKEN AICS HPC Summer School 2014 AICS を含む 3 団体 2014 年 8 月 4 日~22 日 Modeling Origins of Life Workshop 東京工業大学、AICS 2014 年 8 月 23 日~24 日 未来をひらくスーパーコンピュータ ~「京」からその先へ限りなき挑戦~ AICS・RIST 2014 年 9 月 2 日 第1回「京」と大型実験施設との連携利用シンポジウム RIST、計算物質科学イニシアティブ (CMSI) 2014 年 9 月 3 日 公開ソフト講習会 第 6 回「NTChem」(第 2 回 NTChem ワークショップ) AICS 2014 年 9 月 18 日 公開ソフト講習会 第 7 回「XcalableMP」 AICS 2014 年 9 月 24 日~26 日 第 6 回国際全球雲解像モデルワークショップ、および、第 3 回国際非静力学モデ AICS ルワークショップ 2014 年 10 月 17 日 第 2 回 OpenFOAM ワークショップ― OpenFOAM を「京」で使おう ― RIST 2014 年 10 月 21 日 公開ソフト講習会 第 8 回「TextParser/CIOlib」 AICS 2014 年 10 月 31 日 平成 26 年度 第1回「京」を中核とする HPCI システム利用研究課題 成果報告会 RIST 2014 年 11 月 11 日 公開ソフト講習会 第 9 回「K MapReduce」 AICS 2014 年 11 月 29 日 スーパーコンピュータが拓くわたしたちの暮らし 兵庫県、神戸市、計算科学振興財団 2014 年 12 月 2 日~4 日 ポストペタスケールシステムソフトウェアに関する JST/CREST 国際シンポジウム JST、神戸大学、AICS 2014 年 12 月 8 日~9 日 The 5th AICS International Symposium AICS 2014 年 12 月 15 日~16 日 第 4 回 量子化学ウィンタースクール~大規模系を目指した基礎理論~ 分子科学研究所 2014 年 12 月 18 日 公開ソフト講習会 第 10 回「XcalableMP」 AICS 2014 年 12 月 19 日 平成 26 年度「京」における高速化ワークショップ RIST 2015 年 1 月 16 日 公開ソフト講習会 第 11 回「PMlib」 AICS 2015 年 1 月 20 日 第 1 回名古屋大学情報基盤センターネットワーク型共同研究シンポジウム 名古屋大学 2015 年 1 月 20 日~23 日 第 2 回 中日韓三国理論・計算化学ワークショップ AICS 2015 年 2 月 23 日~26 日 第 4 回国際データ同化シンポジウム The 4th International Symposium on Data Assimilation (ISDA 2015) AICS 2015 年 2 月 27 日 The 5th annual Japanese Data Assimilation Workshop AICS 2015 年 3 月 4 日~6 日 RIKEN AICS HPC Spring School 2015 AICS 2015 年 3 月 12 日 公開ソフト講習会 特別編「NTChem」(第 3 回 NTChem ワークショップ) AICS 2015 年 3 月 26 日 第 4 回 理研・京大合同データ同化研究会 AICS、京都大学 - 57 - 5-1 シンポジウム・会議・報告会 2014 年度に開催したシンポジム・会議・報告会(参加者が 100 人 分野の研究者間の交流を促進し、研究成果の普及を図った。 程度以上であり、内容・テーマが複数にわたるもの)は、下記のと HPCI 利用研究課題優秀成果』に選ばれた 10 課題と、HPCI 戦略 おりである。 分野5 つの、それぞれの研究成果が口頭発表された。更に 124 の HPCI 利用研究課題の研究成果のポスター展示、及び発表が行わ 5-1-1 未来をひらくスーパーコンピュータ れた。また、戦略プログラム・AICS は、ポスター展示会場にて展示 ~「京」からその先へ限りなき挑戦~ も行い、分野振興や分野間交流が深まった。 【開催日】 2014 年 8 月 23 日~24 日 【URL】 http://www.hpci-office.jp/pages/h2610_houkokukai 【会場】 科学技術館(東京都千代田区北の丸公園 2-1) 【参加者数】 講演会 229 名、展示 約 1,400 名 5-1-4 シンポジウム「スーパーコンピュータが拓くわたしたち 【主催】 AICS、RIST の暮らし」 【概要】 「京」の成果のアピール及びポスト「京」への支援(講演 【開催日】 2014 年 11 月 29 日 会)、スーパーコンピュータへの関心、興味を抱かせること(展示) 【会場】 神戸大学 統合研究拠点コンベンションホール(兵庫県 を目的とし、一般を対象とした講演会及び展示を開催した。 神戸市中央区港島南町 7-1-28) 【URL】 http://www.aics.riken.jp/library/event/mirai2014.html 【参加者数】 250 名 【主催】 兵庫県、神戸市、計算科学振興財団 5-1-2 第1回「京」と大型実験施設との連携利用シンポジウ 【概要】 神戸ポートアイランドには世界最高水準の演算性能を有 ム するスーパーコンピュータ「京」を念頭に、スーパーコンピュータ 【開催日】 2014 年 9 月 2 日 がどのように活用され、今後私たちの暮らしにどのような変化をも 【会場】 秋葉原 UDX 会議室(NEXT-1)(東京都千代田区外神田 たらすか等についてわかりやすく解説する一般向けのセミナーを 4-14-1) 開催した。 【参加者数】 103 名 【URL】 http://web.pref.hyogo.jp/sr11/supakon_k.html 【主催】RIST、計算物質科学イニシアティブ(CMSI) 【概要】「京」と SPring-8、J-PARC/MLF、KEK/IMSS/PF 等の大型実 5-1-5 The 5th AICS International Symposium 験施設との連携利用促進のため、連携利用の先駆的な研究事例、 【開催日】 2014 年 12 月 8 日~9 日 連携利用に役立つことが期待される物質科学関連の計算プログラ 【会場】 AICS(兵庫県神戸市中央区港島南町 7-1-26) ムの紹介等が行われた。 【参加者数】 130 名 【URL】 http://www.hpci-office.jp/pages/renkei_sympo_140903 【主催】 AICS 【概要】 AICS が開発主体となって進めるポスト「京」スーパーコン ピュータ開発プロジェクトの初年度として、「京」成果を国内外に発 5-1-3 平成 26 年度 「京」を中核とする HPCI システム利用研 究課題 成果報告会 信するのみならず、ポスト「京」実現に向けた計算機科学の課題と、 ポスト「京」を活用した新たな科学技術成果の課題創出の議論を目 【開催日】 2014 年 10 月 31 日 的としたシンポジウムを開催した。物質科学、粒子計算、生命科学、 【会場】 コクヨホール(東京都港区港南 1 丁目 8 番 35 号) ものづくり、社会科学等の計算科学分野の著名な研究者の講演や、 【参加者数】 313 名 最近の AICS の研究成果の紹介を行った。また、今年度の「京」の 【主催】 RIST 顕著な成果として、AICS プログラム構成モデル研究チーム研修 【概要】 「京」を中核とする HPCI システム利用研究課題実施により 生 上野氏(東京工業大学)より Graph500 にて世界 1 位を達成した 生み出された研究成果の発表を通し、研究者間の情報交換や異 - 58 - アルゴリズムの講演、AICS石川チームリーダーよりポスト「京」の開 5-1-7 JST/CREST International Symposium on Post 発についての講演を行った。 Petascale System Software (ISP2S2; ポストペタスケ 【URL】 http://www.aics.riken.jp/AICS-Symposium/2014/ ールシステムソフトウェアに関する JST/CREST 国際 シンポジウム) 【開催日】 2014 年 12 月 2 日~4 日 5-1-6 The 4th International Symposium on Data Assimilation (ISDA 2015; 第 4 回国際データ同化シンポジウム) 【会場】 神戸大学統合研究拠点、AICS (第 2 回 AICS 国際データ同化ワークショップ) 【参加者数】 250 名 【開催日】 2015 年 2 月 23 日~26 日 【主催】 JST CREST「ポストペタスケール高性能計算に資するシス 【会場】 AICS テムソフトウェア技術の創出」、神戸大学大学院システム情報学研 【参加者数】 116 名 究科、AICS 【主催】 AICS データ同化研究チーム 【概要】 京の次世代やそれ以降のスーパーコンピューティングシ 【概要】 2011~2013 年度にドイツで開催されてきたデータ同化研 ステムを目指したシステムソフトウェアやアプリケーション開発環境 究の専門家会合を、今回 AICS で開催した。世界最先端の研究に 等の基盤技術の創出に関する研究成果を広く国内外に発信し、産 関する情報交換、将来のデータ同化研究の方向性を議論した。 業界も含めた多様な研究展開を促進し、海外著名研究者 14 名を AICS が他機関と共同で進めている「ビッグデータ同化」研究など 招聘し国際交流を促進した。 を国際科学コミュニティに発信し、AICS の国際的プレゼンス強化、 【URL】 http://wallaby.aics.riken.jp/isp2s2/ データ同化研究の加速に結びつけた。また、近藤圭一特別研究 員がベストポスター賞を受賞した。 【URL】 http://data-assimilation.jp/isda2015/ - 59 - 5-2 研究会・ワークショップ 2014 年度に開催した「京」に関する研究会・ワークショップ(参加 教育センター 者が 100 人程度以下であり、特定の内容・テーマを対象としたも 【概要】 「京」に代表されるスパコンによる大規模な計算科学を駆 の)は、以下のとおりである。 使して新しい科学を開拓したいと考えている若手研究者等を対象 に、並列処理の基本と並列計算機を使いこなすためのプログラミ 5-2-1 5th International Summer School 2014 on HPC ング手法(並列計算プログラミング)の基礎習得を目的として開催。 Challenges in Computational Sciences 主催機関研究者らによる講義と、「京」の一筐体に相当するスパコ 【開催日】 2014 年 6 月 1 日~6 日 ン FX-10 を用いた演習を行った。 【会場】 ブダペスト工科経済大学 【URL】 【参加者数】 10 名 http://www.aics.riken.jp/jp/outreach/library/eventlist/riken-aics-hpc-su 【主催】 PRACE、XSEDE、AICS、Compute Canada / Calcul mmer-school-2014.html Canada 【概要】 学生や若手研究者を対象として、HPC(High Performance 5-2-4 Modeling Origins of Life Workshop Computing)関連分野の第一線の研究者による講義や実習を通し 【開催日】 2014 年 8 月 4 日~22 日 て、より広い視点で新たな知見を得る機会を提供するものである。 【会場】 神戸大学 惑星科学研究センター これらは同世代間の国際交流を深め、今後の HPC 分野の発展を 【参加者数】 27 名 担う国際的人材の育成、輩出に寄与することを目的としている。 【主催】 東京工業大学 地球生命研究所、AICS 粒子系シミュレー 講義では、基調講演やサイエンス分野のトークに加えて、プログラ タ研究チーム ミング言語やチューニングなどの実習を通じて貴重な機会を得る 【概要】 生命の起源を中心としたコンピュータシミュレーションに ことが可能である。 関する全5 週間のワークショップ。東京工業大学で行われた前半2 【URL】 http://www.aics.riken.jp/outreach/iss2014.html 週間(7 月 21~8 月 1 日)に引き続き、神戸大学で 3 週間のワーク ショップを実施した。 5-2-2 第 3 回 理研・京大合同データ同化研究会 【URL】 【開催日】 2014 年 7 月 28 日 https://old.elsi.jp/ja/workshops/modeling-origins-of-life-workshop-july 【会場】 AICS -21-aug-1-at-elsitokyo-aug-4-aug-22-at-rikenkobe/ 【参加者数】 11 名 【主催】 AICS データ同化研究チーム、京大数学・坂上研究室 5-2-5 Joint Workshop of 6th International Workshop on 【概要】 理研 AICS・データ同化研究チームと京大数学・坂上研究 Global Cloud Resolving Modeling and 3rd International 室との間の数学応用連携を深めるため、データ同化に関する数理 Workshop on Nonhydrostatic Numerical Models (第 6 と応用の議論を行った。第 3 回目は、理研側から数学的な課題を 回国際全球雲解像モデルワークショップ、および、第3 提示し、議論を行った。 回国際非静力学モデルワークショップ) 【URL】 http://data-assimilation.jp/jp/events/aics_ku_ws_2014/ 【開催日】 2014 年 9 月 24 日~26 日 【会場】 AICS 5-2-3 RIKEN AICS HPC Summer School 2014 【参加者数】 101 名 【開催日】 2014 年 8 月 4 日~8 日 【主催】 AICS 複合系気候科学研究チーム 【会場】 AICS(兵庫県神戸市中央区港島南町 7-1-26) 【概要】 気象・気候学の研究で用いられる数値モデルに関するワ 【参加者数】 21 名 ークショップを、初めて日欧合同で行った。世界中の数値モデル 【主催】 AICS、東京大学情報基盤センター、神戸大学計算科学 研究者が一堂に会し、各々の科学的成果・モデル開発状況を報 - 60 - 告することで、研究者及び知識の交流を図ることに成功した。 5-2-9 第 1 回 名古屋大学情報基盤センター ネットワーク型 【URL】 http://aics-research.riken.jp/nhm2014/ 共同研究シンポジウム 【開催日】 2015 年 1 月 20 日 5-2-6 第 2 回 OpenFOAM ワークショップ 【会場】 名古屋大学情報基盤センター (愛知県名古屋市千種区 ― OpenFOAM を「京」で使おう ― 不老町) 【開催日】 2014 年 10 月 17 日 【参加者数】 25 名 【会場】 大手町ファーストスクエアカンファレンス(東京都千代田区 【主催】 名古屋大学情報基盤センター 大手町1−5−1) 【概要】 全国 8 大学の情報基盤センターからなる「ネットワーク型」 【参加者数】 72 名 共同利用・共同研究拠点(JHPCN)を活かした共同研究活動と今後 【主催】 RIST の展望について、シンポジウムを開催した。今回は「JHPCN-DF の 【概要】 流体解析のオープンソースであり、CAE ツールとして最 実用化研究」を中心に、研究成果の紹介・討論を行った。 近注目を集めている OpenFOAM を取り上げ、「京」での移植状況 【URL】 http://www.hpc.itc.nagoya-u.ac.jp/njrs2015/ と計算事例を紹介した。 【URL】 http://www.hpci-office.jp/pages/ws_openfoam2_141017 5-2-10 Second China-Japan-Korea Tripartite Workshop on Theoretical and Computational Chemistry 5-2-7 平成 26 年度「京」における高速化ワークショップ (CJK-WTCC-II; 第2回 中日韓三国理論・計算化学 【開催日】 2014 年 12 月 19 日 ワークショップ) 【会場】 秋葉原 UDX (東京都千代田区外神田 4-14-1) 【開催日】 2015 年 1 月 20 日~23 日 【参加者数】 39 名 【会場】 AICS 【主催】 RIST 【参加者数】 36 名 【概要】 「京」で動作するプログラムの高速化について、実際の事 【主催】 AICS 量子系分子科学研究チーム 例を利用者間で共有することにより、高速化に馴染みがない利用 【概要】 新材料設計に関して、発表と議論を行った。 者の一助となる場を提供した。また、RIST より性能分析・高速化の 【URL】 http://labs.aics.riken.jp/nakajimat_top/cjkwtcc2.html ノウハウを提供した。 【URL】 http://www.hpci-office.jp/pages/ws_kei_141219 5-2-11 The 5th annual Japanese Data Assimilation Workshop (DAWS5) 5-2-8 第 4 回 量子化学ウィンタースクール~大規模系を 【開催日】 2015 年 2 月 27 日 【会場】 AICS 目指した基礎理論~ 【開催日】 2014 年 12 月 15 日~16 日 【参加者数】 41 名 【会場】 岡崎コンファレンスセンター(愛知県岡崎市明大寺町伝 【主催】 統計数理研究所、データ同化研究連絡会、AICS データ 馬) 同化研究チーム 【参加者数】 50 名 【概要】 データ同化を用いた研究の発展に資することを目的とし 【主催】 自然科学研究機構 分子科学研究所 た国内の研究集会。第 4 回国際データ同化シンポジウムに引き続 【概要】 電子状態理論の基礎から大規模系の理論までをカバー き、AICS で開催した。 する講義を行うスクール。講義では簡単な演習を行った。参加者 【URL】 http://data-assimilation.jp/daws5/ によるポスター発表も行った。 【URL】 https://ccportal.ims.ac.jp/qcs2014 - 61 - 5-2-12 RIKEN AICS HPC Spring School 2015 5-2-14 第 4 回 理研・京大合同データ同化研究会 【開催日】 2015 年 3 月 4 日~6 日 【開催日】 2015 年 3 月 26 日 【会場】 AICS(兵庫県神戸市中央区港島南町 7-1-26) 【会場】 AICS 【参加者数】 17 名 【参加者数】 14 名 【主催】 AICS、東京大学情報基盤センター、神戸大学計算科学 【主催】 AICS データ同化研究チーム、京大数学・坂上研究室 教育センター 【概要】 理研 AICS・データ同化研究チームと京大数学・坂上研究 【概要】 「京」に代表されるスパコンによる大規模な計算科学を駆 室との間の数学応用連携を深めるため、データ同化に関する数理 使して新しい科学を開拓したいと考えている若手研究者等を対象 と応用の議論を行った。第4回目は、第3回目に理研側から提示し に、並列処理の基本と並列計算機を使いこなすためのプログラミ た具体的な課題について、数理的な取り組み状況を京大側から紹 ング手法(並列計算プログラミング)を学習することを目的として開 介し、議論を進めた。 催。Summer School(基礎編)に対してアドバンストな内容となって 【URL】 http://data-assimilation.jp/jp/events/aics_ku_ws_2015spring/ いる。主催機関研究者らによる講義と、「京」の一筐体に相当 するスパコン FX-10 を用いた演習を行った。 5-2-15 公開ソフト講習会 【URL】 【開催日】 2014 年 4 月 16 日~12 月 18 日 http://www.aics.riken.jp/jp/outreach/library/topics/riken-aics-hpc-sprin 【会場】 AICS、計算科学振興財団 g-school-2015.html 【参加者数】 のべ 70 名(第 1 回~第 11 回の合計) 【主催】 AICS、HPCI 戦略プログラム分野 4 【概要】 AICSやHPCI戦略プログラム等で開発または「京」向けに 5-2-13 第 3 回 NTChem ワークショップ (公開ソフト講習会 特別編) 最適化したソフトウェアを公開している。これらのソフトウェアをより 【開催日】 2015 年 3 月 12 日 多くの方に使って頂くため、講習会を開催している。 【会場】 AICS 【URL】 http://www.aics.riken.jp/jp/outreach/aicssoft_training/ 【参加者数】 30 名 【主催】 AICS 量子系分子科学研究チーム 【概要】 第一原理計算手法に基づいた国産分子科学計算ソフトウ ェアNTChemを実際に研究に利用している講師陣から実例を中心 に紹介し、意見交換を行った。 【URL】 http://www.aics.riken.jp/jp/outreach/aicssoft_traing_ntchem.html - 62 - 6 広報活動 6-1 広報活動の概要 AICS と RIST は、一般市民に加えて、「京」の将来の利用者(企 3.イベント (6-4節参照) 業関係者、青少年等)、マスメディア、政治家、国・地方自治体関係 専門的な情報から、一般にわかりやすい情報まで、イベントを通 者等の理解を得るため、互いに連携して、広報活動を行ってきた。 じた直接対話形式の広報活動を実施している。 2014 年度に行った広報活動の概要は、以下の通りである。 AICS と RIST は、連携して、研究者、利用者向けに国際会議展 示をISC’14(ドイツ)及びSC14(米国)において行うなど、海外及び 1.マスメディアを通じた情報発信 (6-2節参照) 国内のシンポジウム・展示会への参加を行い、ブース展示や特別 「京」やスパコンを利用した研究に関する記者向けの勉強会を実 講演などを設けて広く専門家向けに情報発信を行った。 施した。2014 年度のリリースの発信は 17 件であった。そのうち、 一般向けには、「スーパーコンピュータ『京』を知る集い」を大阪、 「京」の利用者募集・選定に関して 3 件、「京」に関連する成果や受 静岡、松江で開催した。そのほか、出前授業・出張講演・特別教室 賞に関して 4 件のプレスリリースを行った。新聞・雑誌・テレビ等へ (計 3 回)や校外学習・修学旅行等に対応した。 の掲載数は 550 件以上であった。 年 1 回の一般公開(神戸地区)に AICS、RIST は近隣諸団体とと もに出展し、AICS 施設では 2,500 名の来場者を迎えた。RIST は、 2.ウェブサイト・制作物 (6-3節参照) 計算機歴史博物館の展示を行った。また、AICS は理化学研究所 ウェブサイトについて、AICS ではウェブサイトの更新、広報誌関 の他事業所で行われた一般公開で、ブース展示やポスター展示 連のコンテンツの増設、Facebook での情報発信を行った。RIST で を行った(和光、播磨、筑波)。 は、第1期(2012年9月~2014年3月)の利用が終了したことから、 一般枠課題の利用報告書を公開した。 4.見学・視察対応 (6-5節参照) 制作物については、AICS は、子ども向けコンテンツ「ハロー!ス 研究機関、企業、学校、政界、国・地方自治体関係者などを受け パコン」の冊子版を制作した。また、広報誌「計算科学の世界」に 入れた。AICS では 2014 年度の見学・視察者数は 9,419 名であっ ついて、no.9 から no.10 までの 2 号を新たに発行した。 た。 また、新たに「京」の研究成果を可視化し、成果を伝えるための 映像(動画)を、AICS で 1 本制作した。 RIST では、広報誌「京算百景」を Vol. 6 から Vol. 9 までの計 4 号 を発行した。また、昨年発行した「成果事例集Ⅰ」の英語版を海外 への発信強化のために作成し、昨年に引き続き「成果事例集Ⅱ」 を発行した。 - 63 - 6-2 マスメディアを通じた情報発信 6-2-1 記者勉強会 2.ゴードン・ベル賞ファイナリストノミネート 記者勉強会 開催 AICS及びRISTは、「京」を利用した研究成果について、論文等 【開催日】 2014 年 11 月 11 日 の学術発表と並行して一般向けに情報発信を強化している。その 【場所】 理研東京連絡事務所 (東京都千代田区内幸町 2-2-2)、 一環として、マスメディアの活用を念頭に記者の理解度向上を目 AICS (兵庫県神戸市中央区港島南町 7-1-26) 指し、記者勉強会を開催した。2014 年度における、「京」に関する 【主催】 AICS、HPCI 戦略プログラム分野 3、HPCI 戦略プログラム 記者勉強会の開催は下記のとおりである。 分野 5 1.「京」で革新するエネルギー創生 記者勉強会 開催 【概要】 【開催日】 2014 年 10 月 15 日 ・ゴードン・ベル賞 ―実際の計算の高速化を評価― (AICS粒子 【場所】 AICS (兵庫県神戸市中央区港島南町 7-1-26) 系シミュレータ研究チーム 牧野淳一郎チームリーダー) 【主催】 AICS、HPCI 戦略プログラム分野 2 ・革新的な大規模地震動シミュレーション (東京大学地震研究所 【概要】 市村強) ・「京」で飛躍する新物質開発とエネルギーの創生 (CMSI 常行 ・世界最大規模の天の川銀河シミュレーション (国立天文台 藤井 真司) 通子) ・「リチウムイオン電池」 ~高性能化と高安全性の両立に向けた取 【参加者】東京: メディア 6 名(朝日、日経、時事通信、原子力産業 り組み~(NIMS 館山佳尚) 新聞、NHK、CBCテレビ)、神戸: メディア2 名(読売、神戸)、研究 ・「太陽電池」 ~変換効率競争は、シリコン・有機薄膜からペレスト 者・関係者 18 名 ロイカ型材料に新展開~ (東京大学 杉野修) ・「光合成」 ~エネルギーを生み出す化学反応の仕組みを解明 6-2-2 プレスリリース及び取材対応 2014 年度に AICS 及び RIST が行ったプレスリリースは表 1 のと ~ (神戸大学 天能精一郎) ・ポスト「京」で目指すこと ~エネルギーの未来を拓く~ (AICS おりである。また、表 2 にメディアへの掲載件数、表 3 に概要を示 平尾公彦 機構長) す。 【参加者】メディア 8 名(日経、朝日、読売、神戸、共同通信)、研究 者・関係者 23 名 表 1 プレスリリース一覧 日付 件名 発表者 独立行政法人海洋研究開発機構、国 2014 年 5 月 7 日 熱帯域におけるマッデン・ジュリアン振動の 1 ヵ月予測が実現可能であることを実証 立大学法人東京大学 大気海洋研究 所、国立大学法人東京大学 理学系 研究科、AICS AICS、国立大学法人東京工業大学、 2014 年 6 月 24 日 スーパーコンピュータ「京」が Graph500 で世界第 1 位を獲得 ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン、 独立行政法人科学技術振興機構 2014 年 6 月 26 日 「HPC ユーザーフォーラム」を日本で9年ぶりに開催 AICS 2014 年 7 月 22 日 未来をひらくスーパーコンピュータ ~「京」からその先へ 限りなき挑戦 ~ 開催 AICS、RIST 2014 年 7 月 23 日 「京」を使い世界最大規模の全球大気アンサンブルデータ同化に成功 AICS、独立行政法人科学技術振興機 - 64 - 構 2014 年 8 月 20 日 平成 27 年度実施のスパコン「京」・HPCI システム利用研究課題の募集について RIST 2014 年 9 月 18 日 『スパコンを知る集い in 大阪 ~「京」、そしてその先へ~』を開催 AICS 2014 年 10 月 1 日 ポスト「京」スーパーコンピュータの基本設計業務実施者の決定について AICS 2014 年 10 月 2 日 “「京」で革新するエネルギー創成”記者勉強会のお知らせ AICS、国立大学法人東京大学 2014 年 10 月 15 日 第1回「京」を中核とする HPCI システム利用研究課題成果報告会の開催について RIST 2014 年 10 月 27 日 スーパーコンピュータの共用促進に関する情報交換の覚書締結について RIST、PRACE(日欧同時) RIST and PRACE Conclude MoU on Information Exchange Concerning Promotion of Shared Use of Supercomputers / Monday 27 October 2014 AICS、独立行政法人海洋研究開発機 2014 年 10 月 30 日 “ゴードン・ベル賞ファイナリストノミネート”記者勉強会のお知らせ 構、国立大学法人筑波大学 計算科 学研究センター 2014 年 11 月 13 日 RIST スーパーコンピュータ「京」及び HPCI 共用計算資源 平成 27 年度 HPCI システム利用研究課題の応募状況について AICS、国立大学法人筑波大学、 2014 年 11 月 19 日 スーパーコンピュータ「京」で HPC チャレンジ賞クラス 1、2 を受賞 2014 年 11 月 28 日 『スパコンを知る集い in 静岡 ~「京」、そしてその先へ~』を開催 AICS 2015 年 2 月 2 日 『スパコンを知る集い in 松江 ~「京」、そしてその先へ~』を開催 AICS スーパーコンピュータ「京」及び HPCI 共用計算資源 RIST 2015 年 2 月 20 日 富士通株式会社 平成 27 年度利用研究課題の選定結果について 表 2 メディア掲載件数 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 計 掲載(新聞・雑誌) 30 22 44 19 22 20 28 30 16 33 27 33 314 掲載(ネット) 39 13 31 17 10 7 21 19 29 20 10 11 227 放送(TV・ラジオ) 2 0 0 1 1 2 2 1 0 1 0 4 14 表 3 メディアへの掲載概要 掲載日・放送日 2014 年 4 月 1 日 メディア名 先端技術館@tepia 概要 コンピュータの歴史を紹介する展示パネル 2014 年 4 月 30 日 インプレス 「SmartGrid ニュー ズレター 5 月号」 「京」施設でのエネルギー運用管理 AICS 運用技術部門施設運転技術チーム 関口チームヘッド 2014 年 5 月 1 日 技術評論社 「コンピュータア ーキテクチャ技術入門」 (著:Hisa Ando) 講談社サイエンティフィク 「絵 でわかるクォーク」(著:二宮正 夫) 京の紹介 写真提供 京が量子色力学計算でも用いられることの紹介 写真提供 2014 年 5 月 10 日 - 65 - その他 写真提供 2014 年 6 月 2 日 「JST News」 6 月号 シミュレーションでゲリラ豪雨を予測する AICS データ同化研究チーム 三好チーム リーダー 2014 年 6 月 5 日 Journal of Computational Chemistry 九大吉田先生の論文掲載の際に雑誌の表紙に掲 載 写真提供 2014 年 7 月 6 日 TBS テレビ 「夢の扉プラス」 「京」の成果全般と平尾機構長の取組 AICS 平尾機構長、複合系機構科学研究チ ーム 富田チーム 2014 年 7 月 22 日 日本経済新聞 次世代スパコンで説く課題 創薬エネなど重点 2014 年 9 月 10 日 「京」の産業利用を紹介 AICS 伊藤コーディネーター, データ同化 研究チーム、計算機室内撮影有り 2014 年 8 月 22 日 兵庫県 海外企業誘致ビデオ 「Your Best Choice HYOGO-KOBE」 新産業創造研究機構 機関紙 神大先端膜工学センター 松山教授との対談 AICS 平尾機構長 2014 年 8 月 25 日 日建設計 HP 計算科学研究機構施設概要の紹介 2014 年 8 月 31 日 NHK スペシャル「スーパー台 風」 「京」による台風再現シミュレーション 琉球大学 伊藤助教を計算機室内で撮影 2014 年 9 月 1 日 インプレス「SmartGrid ニュースレター」 (雑誌) 「京」施設におけるエネルギー管理の実際(前編) AICS 運用技術部門施設運転技術チーム 関口チームヘッド(2014/3 取材) 2014 年 9 月 2 日 日刊工業新聞 2014 年 9 月 7 日 NHK E テレ 「サイエンス ZERO」 「エアロゾルが気候変動を支配する」について取材 AICS 複合系機構科学研究チーム 佐藤研 究員 2014 年 9 月 7 日 TBS ラジオ 「防災特別番組」 ゲリラ豪雨と予報研究の現状について AICS データ同化研究チーム 三好チーム リーダー 2014 年 9 月 10 日 リクルートマーケティングパー トナーズ 「キーマンズネット」 「京」開発プロジェクト 富士通 安島氏のインタビュ ー記事 写真提供 2014 年 9 月 25 日 日経サイエンス 2014 年 11 月 号 「京」を用いた超弦理論の数値シミュレーション(高 エネ研 西村淳 准教授)の研究紹介記事 写真提供 2014 年 10 月 20 日 福島県中学生用技術・家庭科 学習ノート「技術分野」 表紙に「京」写真を掲載 写真提供 2014 年 10 月 25 日 地理システム情報誌 「GISNEXT」 アンサンブル天気予報の研究について AICS データ同化研究チーム 三好チーム リーダー 2014 年 10 月 25 日 書籍中でスーパーコンピュータ「京」を紹介 写真提供 2014 年 10 月 27 日 技術評論社 WEB+DB PRESS plus シリーズ 「データ センターを支える技術」 Primeur Weekly! Magazine 2014 年 10 月 28 日 HPC wire RIST and PRACE conclude MoU on information exchange concerning promotion of shared use of supercomputers PRACE and RIST to Sign MoU 2014 年 11 月 15 日 Newton 別冊 「注目のハイテ ク 35」 Newton 2012 年 12 月号 「潜入 スーパーコンピュ ータ「京」」の再掲載 2014 年 10 月 30 日 神戸新聞 神戸「京」の支援機関と欧州 スパコン利用促進へ 提携 2014 年 10 月 31 日 日刊工業新聞 スパコン利用情報交換 欧の共用促進組織と覚書 2014 年 11 月 1 日 「日本特集」号において、神戸市のコンベンション 機能を紹介する記事の中で神戸に立地している 「京」に言及 2014 年 11 月 1 日 英国 CAT Publications 社 「Association Meetings International」誌 2014 年 11 月 号 理研広報室 理研 NEWS11 月号「研究最前線」 AICS データ同化研究チーム 三好チーム リーダー 2014 年 11 月 1 日 日本鉄鋼協会会報「ふぇらむ」 鉄鋼でのマルチスケールマルチフィジックス計算科学 AICS 伊藤コーディネーター 2014 年 11 月 6 日 原子力産業新聞 スパコンで欧州組織と覚書 RIST 2014 年 11 月 11 日 読売新聞 スパコン評価に新ランク採用へ…「京」に有利? 2014 年 11 月 11 日 読売新聞 「スパコン評価に新ランク」 スパコンの新しい評価 基準の潮流 「HPCI」研究募集 - 66 - AICS 運用技術部門ソフトウェア技術チー ム 南チームヘッド 2014 年 11 月 13 日 科学新聞 RISTとPRACE、スパコン共用促進へ覚書締結 2014 年 11 月 15 日 NHK スペシャル「激化する豪 雨」 データ同化による集中豪雨予測の研究 AICS データ同化研究チーム 三好チーム リーダー 2014 年 11 月 18 日 NHK 海外放送「Science View」 「京」の成果を英語で海外128か国に紹介する番組 AICS 宇川副機構長、FOCUS 他 2014 年 11 月 20 日 KDDI 「TIME&SPACE ONLINE」 ニュースメディアの「IT 用語の基礎知識」コーナー でスパコンの例として掲載 写真提供 2014 年 11 月 29 日 Genias Internet 2014 年 11 月 29-30 日 文部科学省 2014 年 12 月 1 日 理研広報室 RIST en PRACE tekenen MoU over uitwisseling van informatie met betrekking tot de bevordering van gedeeld gebruik van supercomputers マレーシアで開催の、日本学生支援機構主催「日 本留学フェア」の政策説明において、日本の高等 教育体制の現状を説明する中で「京」写真使用 理研 NEWS12 月号「FACE」 2014 年 12 月 1 日 日経 HR「日経キーワード 2015-2016」 キーワード「スーパーコンピュータ(スパコン)」を解 説。 写真提供 2014 年 12 月 4 日 ナツメ社「算数なるほど大図 鑑」 写真提供他 2014 年 12 月 28 日 丸善出版「深海と地球の事典」 第6 章 世界は数学でできている!の「スーパーコン ピューターの驚きの計算力!」のコーナーで、日 本のスパコン「京」を紹介 プレート境界でのすべり予測において「京」のスパ コン技術が使われていることを紹介 2014 年 12 月 理研 環境資源科学研究セン ター 「CSRS Annual Report 2013」 英国 London Business School 「Business Strategy Review」誌 2014 年 12 月 写真提供 AICS プログラミング環境研究チーム 中尾 特別研究員 写真提供 所内連携のページで理研内の最先端装置画像を 掲載 写真提供 2014 年冬号にて、理研と富士通による「京」の共同 開発について紹介 写真提供 2015 年 1 月 13 日 日経 BP 社 書籍「医療従事者のための情報リテラシー」にスパ コンの例として掲載 写真提供 2015 年 1 月 17 日 化学同人 月刊誌「化学」70 巻 2号 写真提供 2015 年 1 月 18 日 NHK スペシャル「阪神神戸地 震 20 年」 「京」を用いる創薬科学研究の解説記事(著者: 東 京大学の山下雄史先生、児玉龍彦先生)をアピー ルする目的で表紙のデザインに使用 「京」の撮影 2015 年 1 月 14 日 IOP Publishing nanotechweb.org 写真提供 2015 年 1 月 17 日 読売新聞 企画記事 講演(Feynman Lectures 50th anniversary seminar series: Building a Brain - The Atomic Switch Network)の一部で「京」を用いて行った脳神経シミ ュレーションを紹介 岩手県宮古中学の中学生による阪神淡路大震災 20 年のレポート 2015 年 1 月 Zoom Education (ブラジル) ロボット工学を説明する教材中で「京」を紹介 写真提供 2015 年 1 月 関西広域連合「関西バイオクラ スター」パンフレット 関西バイオクラスターの紹介中で「京」写真使用 写真提供 2015 年 1 月 アドバンスソフト株式会社 パンフレット中で「京」ロゴ使用。「京」上で稼働する ソフトウェアの利用サービスの紹介。 写真提供 2015 年 2 月 27 日 金の星社 「世界に誇る!日本 のものづくり図鑑 2」 スパコン「京」と諸成果の紹介 写真提供他 2015 年 2 月 中立電機株式会社 HP 「京」の配電盤を納入した実績を紹介 写真提供 2015 年 3 月 26 日 住友ゴム工業株式会社 HP タイヤ開発に「京」を利用していることを紹介 写真提供 2015 年 3 月 28 日 日本テレビ 「世界一受けたい 授業」 スパコンの例として「京」写真を使用(東京大学 平 木教授) 写真提供 2015 年 3 月 30 日 読売新聞社 ポスト「京」開発の現状・展望、特徴について AICS エクサスケールコンピューティング開 発プロジェクト 石川プロジェクトリーダー 2015 年 3 月 31 日 学研パブリッシング「コンピュ ータのひみつ」 小学生向け学習漫画。富士通協力。「京」のしくみ や「京」の利用事例を紹介。 写真提供他 2015 年 3 月 31 日 関西経済連合会「環境・エネル ギー技術・製品事例集」 関西の概要説明の中で「京」を紹介 写真提供 - 67 - 東京大学 古村教授 AICS 広報国際室 干場研究員 6-3 ウェブサイト・制作物 6-3-1 ウェブサイトの管理・運営 AICS及びRISTでは、ウェブサイトでの情報発信を行っている。 (2)Facebook 公式ウェブサイトには掲載されない情報を写真とともに発信。視 RIST においては、主として利用者選定及び利用者支援の情報、 察、見学、取材の様子や、イベントの準備風景に加え、神戸に関 AICS においては、一般向け広報から研究者・技術者向けの情報 連する話題なども提供する(図 2)。一般読者から研究者まで、「京」 となっている。 や携わる研究、研究者を、身近に感じてもらうことを狙った。 1.AICS より一般の読者を意識した情報発信を目的とし、コンテンツの追 加などを行った。 (1)公式ウェブサイト 一般向けの公式ウェブサイトとして、「京」の成果や、イベントの 告知・報告、メディア掲載情報などから、「京」の利用や稼働状況、 研究内容に関する情報まで掲載。研究者・技術者向けにも役立つ 情報が得られるサイトとなっている。2014 年度は、成果情報の充実、 探しやすいウェブの実現などを目的として、ウェブサイトのリニュー アルを行った。トップページのデザイン変更、「京」の成果、若年層 向け等のコンテンツの拡充を図った(図 1)。 サイト全体のアクセス数は年間 145,535 件(うち英語は約 8%)と 今年は 150,000 件に達しなかった。広報誌の発行やイベント回数 の減少、報道やメディア掲載によるアクセス数へのインパクトが少 なかったことが原因と考えられる。 図 2 AICS Facebook 新設した京の成果ページへのアクセス数は毎月平均して高くな 2.RIST っている。 RIST は 2012 年 4 月 19 日より、HPCI ポータルウェブサイトを運 営し、課題公募の広告・受付・選定結果の発表などについて、情報 発信する場として活用している。2014 年度には、第 1 期(2012 年 9 月~2014 年 3 月)の利用が終了したことから、一般枠課題の利用 報告書が公開された。利用報告書は分野ごと、年度ごとに検索で きるようになっている(図 3)。 日本語のトップページのアクセス数は、2013 年度の 56,685 件よ り、2014 年度は 59,019 件と 2,334 件(4%)の増加となった。 また、2013 年 8 月から公開している英語ページのアクセス数は、 2013 年度が 8 ヵ月で、2,793 件(月平均:349 件)に対し、2014 年度 は、12 ヵ月で 6,150 件(月平均:513 件)と 47%の増加であり、内容 の充実がアクセス増に貢献したと言える(2015年度のHPCI利用研 図 1 AICS 公式ウェブサイト 究課題募集では、前年度と同じく外国人研究者の 1 課題が採択さ れた)。 - 68 - 「京」を含む HPCI システム共用計算資源の情報提供では、利用 者サポートの充実を図り、申請支援システム連携により、各計算資 源で利用可能なソフトウェアの検索機能を新規提供した。 イベント・広報情報としては、広報誌「京算百景」の HPCI ポータ ルサイトからのダウンロード件数が、Vol.6:889 件、Vol.7:787 件、 Vol.8:712 件、Vol.9:497 件であった(Vol.9 は、3 月 10 日発行につ き集計期間が短い)。 図 4 ハロー!スパコン 冊子版 (2)広報誌「計算科学の世界~『京』がつくる時代~」 一般向け広報誌「計算科学の世界~『京』がつくる時代~」 は、 主に理系高校生をターゲットとして、計算科学の魅力を紹介する 広報誌である(図 5)。計算科学の最先端研究を紹介するメイン記 事、計算科学・計算機科学で使用される専門用語の解説を行う「ス パコンのことば」、「京」に関するトリビアを集めた「『京』まめ知識」 のほか、今年度からは高校生が研究者にインタビューを行いコラ ムを執筆する「研究者に聞いてみよう!」の掲載を開始した(図 6)。 図 3 HPCI ポータルサイトでの利用報告書の公開 2014 年度は no.9~10 の制作を行い、昨年度に引き続き、誌面や 動画の閲覧やダウンロードができるよう、広報誌専用のウェブサイ 6-3-2 制作物 AICS 及び RIST では、パンフレット、広報誌、ニューズレター等 を制作している。2014 年度に制作、更新した制作物は下記のとお りである。 トに掲載した。1 号あたりの平均アクセス数は 9,133 件となっており、 アクセス数向上に貢献したと考えられる。 なお、広報誌の冊子は兵庫県内のすべての高等学校、及び全 国のスーパーサイエンスハイスクール指定校、関連機関など、お よそ 500 か所に配布された。 1.AICS ・no.9 (2014 年 10 月 17 日発行) (1)ハロー!スパコン 冊子版 メイン記事:超新星爆発を「京」で再現 ニュートリノ加熱説の正しさ AICS ウェブサイトでは、子ども向けにスーパーコンピュータと計 が、より確実に 算科学研究を紹介するコンテンツ「ハロー!スパコン」を公開して ・no.10 (2015 年 3 月 13 日発行) いる。今年度は、ハロースパコンの冊子版を作成した(図 4)。 メイン記事:「京」の中で成長する台風 細かい格子で積乱雲をリア ルに再現 - 69 - 2)産業利用推進用パンフレット 「京」の産業利用に関して、無償公開型の実証利用、有償非公 開型の個別利用、年間を通じて随時募集中であるトライアル・ユー ス等について、産業界へ紹介するために要点をまとめ、2014 年 9 月に、3 刷を発行した(図 8)。 図 5 計算科学の世界 no.9~10 図 8 産業利用推進用パンフレット(3 刷) (2)広報誌「京算百景」 「京」における成果や利用についての情報発信、それを通じた 幅広い国民の理解の増進のために、広報誌「京算百景」 Vol. 6~9 図 6 2014 年度より掲載開始した高校生コラム、「研究者に聞いてみよう」 を発行し、展示会や講習会において参加者に配布するとともに、 関係機関に配布した(図 9)。「京」の利用成果などを紹介するメイ 2.RIST ン記事(クロースアップ)のほか、課題募集の案内、「京」で利用可 (1)パンフレット 能なソフトウェアの紹介などから構成されている。各号のメイン記 1)RIST の取り組み 事と発行日は以下の通りである。 RIST は、日本国内・国外で開催される各展示会等での配布のた ・Vol.6 (2014 年 6 月 10 日発行) め、神戸センターの登録施設利用促進機関及び HPCI 利用研究 コンピュータシミュレーションで、ブラックホールの謎に迫る 課題運用事務局としての活動をわかりやすく紹介するパンフレット ・Vol.7 (2014 年 9 月 10 日発行) を 2014 年 5 月に発行した(図 7)。 「京」が拓いた実用化への道 ・Vol.8 (2014 年 12 月 10 日発行) 「京」と大型実験施設の連携利用で、分子の動きを追う ・Vol.9 (2014 年 3 月 10 日発行) 超伝導の仕組みに、「京」で挑む 図 7 RIST の取り組み(左:日本語版、右:英語版) - 70 - 図 10 成果事例集Ⅱ (4)成果事例集Ⅰ(英語版) 2014 年 10 月に PRACE との覚書を締結したこともあり、海外向け 図 9 京算百景 Vol.6~9 活動強化の一環として、2014 年 3 月に発行した「成果事例集 I」を 翻訳した英語版を 2015 年 3 月に発行した(図 11)。 (3)成果事例集Ⅱ 昨年発行した「成果事例集Ⅰ」は戦略分野を中心に紹介したが、 第 1 期(2012 年 9 月~2014 年 3 月)の利用が終了したため、2014 年度は主に一般利用枠課題の中から国民の関心が高いと思われ る事例を選び、それらの成果を分かりやすく説明すること目的とし て、2015 年 2 月に成果事例集Ⅱを発行した(図 10)。掲載した 5 事例は、以下の通りである。 ・ものづくり分野 安全性の高い、革新的な建物を目指して 「京」で読み解く風の流れ ・物質・エネルギー分野 ネオジム磁石の発明から約 30 年 図 11 成果事例集 I(英語版) 「京」が導いた新磁石材料の開発 ・環境・減災分野 ひとの目線から見る津波被害予測を防災教育に役立てる ・医療・創薬分野 薬が効かなくなる! 6-3-3 映像コンテンツの更新及び新規作成 AICS は、「京」の成果を広く一般にわかりやすく広報することを 目的として、映像コンテンツ(動画)の制作を行った。2014 年度に 制作した映像コンテンツは下記のとおりである。 薬剤耐性化のメカニズムの解明 ・ものづくり分野(HPCI) 1.AICS 世界に羽ばたく Made in Japan (1) 自動車空力シミュレーション -次世代の風をつかめ- (AICS、 次世代ジェット機の開発期間を短縮 日本語版及び英語版) - 71 - 自動車メーカーでの風洞実験の様子や研究者のインタビューな どを交え、日本の国際競争力強化とスーパーコンピュータによる 研究に取り組む姿を紹介。「京」での精緻な自動車空力シミュレー ションを、通常のスパコンと比較しながら解説した。 【取材・協力】 本田技研工業株式会社、AICS 複雑現象統一的解 法研究チーム 坪倉 誠 チームリーダー - 72 - 6-4 イベント AICS 及び RIST は、イベントを通じた直接対話による広報活動を行っている。イベントは、主として研究者・利用者向け(学会・展示会等)と、 一般向け(一般公開・講演会等)に大別される。2014 年度に参加、あるいは主催したイベントは下記のとおりである。 表 4 AICS 及び RIST の参加、あるいは主催したイベント一覧 分類 開催年月日 2014 年 6 月 22 日~26 日 種別 国際会議 名称 ISC’14 (International Supercomputing Conference) 国際会議 SC14(Supercomputing Conference) 研 AICS、RIST 出展 (展示会含む) 究 AICS、RIST 出展 (展示会含む) 2014 年 11 月 17 日~20 日 実施内容 2014 年 7 月 16 日 国際会議 HPC ユーザーフォーラム AICS 会場 2014 年 9 月 5 日~6 日 国内展示会 国際フロンティア産業メッセ AICS 出展 2014 年 6 月 25 日~27 日 国内展示会 第 25 回 設計・製造ソリューション展 RIST 出展 2014 年 9 月 4 日~5 日 報告会 第 11 回 SPring-8 産業利用報告会 RIST 展示 2014 年 10 月 24 日 相談会 産業界向けスパコン利用相談会 RIST 主催 2014 年 12 月 10 日 シンポジウム 第7回スーパーコンピューティング技術産業応用シンポジウム AICS 、 RIST 者 ・ 利 用 者 向 協賛 け 2014 年 12 月 10 日~12 日 シンポジウム 大学 ICT 推進協議会 2014 年度 年次大会 AXIES2014 RIST 展示 2015 年 1 月 30 日 セミナー 第 7 回トップセミナー AICS、RIST 後援・出展 2014 年 9 月 28 日 講演会 スパコンを知る集い in 大阪 ~「京」、そしてその先へ~ AICS 主催 2014 年 12 月 14 日 講演会 スパコンを知る集い in 静岡 ~「京」、そしてその先へ~ AICS 主催 一 2015 年 2 月 15 日 講演会 スパコンを知る集い in 松江 ~「京」、そしてその先へ~ AICS 主催 般 2014 年 10 月 25 日 イベント 神戸医療産業都市一般公開 AICS、RIST 出展 向 け 2014 年 8 月 20 日 イベント 家族が熱い一週間 医療産業都市・スパコン見学会 AICS 出展 2014 年 8 月 6 日~7 日 イベント 平成 26 年度子供霞が関見学デー AICS 出展 2014 年 10 月 2 日 講演会 Techno-Ocean2014・講演会 スーパーコンピュータ「京」を知ろう! AICS 共催 学校 2015 年 2 月 1 日 第 7 回サイエンスフェア in 兵庫 AICS 出展 向け 2015 年 2 月 27 日, 3 月 1 日 第 4 回サイエンス・インカレ (エクスカーション) AICS 協力 出前 授業 2015 年 1 月 28 日 出張講演 兵庫県立津名高等学校 AICS 出展 2015 年 1 月 22 日 出前授業 兵庫県立洲本高等学校 AICS 出展 2015 年 3 月 8 日 特別教室「スパコン探検隊」 RIST 主催 出張 公演 - 73 - 6-4-1 研究者・利用者向けイベント 1.海外開催の学会、展示会 (1)ISC’14 (International Supercomputing Conference) 【開催日程】 2014 年 6 月 22 日~26 日 【開催場所】 ドイツ Leipzig 【出展】 AICS 【展示概要】 ブース展示(ポスター、映像上映)。 ・TOP500 で「京」が 4 位、Graph 500 にて「京」が 1 位 【来場者】 約 540 名 図 12 SC14 展示の様子 (2) SC14(Supercomputing Conference) 【開催日程】 2014 年 11 月 16 日~21 日(展示期間:17 日~20 日) (3) HPC ユーザーフォーラム 【開催地】 アメリカ合衆国ルイジアナ州 New Orleans 【開催日】 2014 年 7 月 16 日 【出展】 AICS、RIST(図 12) 【主催】 IDC 【展示概要】 【会場】 AICS AICS ブース展示(ポスター、映像提示、ショートレクチャー) 【来場者数】 113 名 ・HPCC クラス 1 にて「京」が 2 部門 1 位、2 部門 2 位 【概要】 ・HPCC クラス 2 を理研と筑波大の研究チームが Best HPC コミュニティの情報交換・交流促進を目的とした会議.。毎年米 Performance 賞受賞 国内で 2 回、米国外で 1~2 回開催されている。日本では前回 ・HPCG にて、「京」が 2 位 2005 年に海洋研究開発機構で開催されて以来、9 年ぶりの開催。 ・Graph 500 にて「京」が 2 位 将来のHPCを全体テーマとし、午前中にAICSや「京」成果の紹介、 ・TOP500 で「京」が 4 位 HPC 市場の概要紹介、午後は米国・韓国・欧州・日本の HPC セン RIST ブース展示(パネル、ポスター) ・成果報告会の口頭発表 10 課題の成果をポスターとして展示 ター、ベンダーによるプレゼンと議論が行われた。 【URL】 http://www.aics.riken.jp/library/event/hpcuf2014.html ・海外の研究者等への「京」利用機会提供の紹介 ・産業利用の実績の紹介 2.国内開催の学会、展示会、セミナー等 【来場者数】 AICS のショートレクチャー参加者:約 78 名。AICS ブ (1)国際フロンティア産業メッセ ース来場者:約 780 名。RIST ブース:約 100 名。 【開催日程】 2014 年 9 月 5 日~6 日 【開催地】 神戸国際会議場(兵庫県神戸市) 【出展】 AICS 【展示概要】 ・ポスター、「京」ミニチュア模型、メイキング映像提示 ・「京」見学会開催 【来場者数】 約 500 名(資料配布数) (2)第 25 回設計・製造ソリューション展(DMS) 本展示会は、CAD、CAE、ERP、生産管理システムなどの製造業 向けのITソリューションが一堂に出展する専門展であり、全体の参 - 74 - 加者は約8 万人、出展社は約2,100 社であった。RIST は今回が初 用制度の紹介及び、HPCI の産業利用やシミュレーション全般に めての出展(図 13)。 ついての個別相談会を実施。 【開催日程】 2014 年 6 月 25 日~27 日 【来場者数】 5 名 【開催地】 東京ビッグサイト(東京都江東区) (5)第7回スーパーコンピューティング技術産業応用シンポジウム 【出展】 RIST ~ コンピューティング技術による産業イノベーション ~ 【展示概要】 産業利用を中心にしたポスター展示・資料配布・事例紹介 【来場者数】 約 200 名(3 日間の延べブース来場者) スーパーコンピューティング技術の産業界への普及促進活動を 一般の方々にわかり易く紹介するシンポジウム。2014 年度で第 7 回目を迎えた。今回は、産業界の利活用の裾野を拡げることを目 的として、身近なコンピュータ活用事例等を取り上げた。AICS 平 尾公彦機構長はポスト「京」に向けた産業界の期待をテーマにした 基調講演、バイオグリッドセンター関西 清水隆一理事は創薬イノ ベーションをテーマにした特別講演を行った。また、コンピューテ ィング技術の活用をテーマとしたパネルディスカッションを行っ た。 【開催日程】 2014 年 12 月 10 日 【開催地】 イイノカンファレンスセンター(東京都千代田区) 【主催】 スーパーコンピューティング技術産業応用協議会(産応 協) 図 13 DMS 展の RIST ブース (3)第 11 回 SPring-8 産業利用報告会 【開催日程】 2014 年 9 月 4 日~5 日 【協賛】 AICS、 RIST 他 (6)大学 ICT 推進協議会 2014 年度 年次大会 AXIES2014 大学 ICT 推進協議会の目的である我が国の高等教育機関及び 【開催地】 姫路商工会議所(兵庫県姫路市) 学術研究機関における情報通信技術を利用した教育、研究、経営 【主催】(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI) 等の高度化を図り、もって我が国の教育、学術研究、文化及び産 産業用専用ビームライン建設利用共同体 (SUNBEAM CONSORTIUM) 業の発展に寄与するために、会員ならびに国内の高等教育・学術 研究機関間で、各種専門的情報の提供ならびに交換が行われ 兵庫県 た。 (株)豊田中央研究所 【開催日程】 2014 年 12 月 10 日~12 日 【総参加者数】 269 名 【開催地】 仙台市情報・産業プラザ、TKP ガーデンシティ仙台 【出展】 RIST 【展示概要】 HPCI 産業利用についてポスター展示 (宮城県仙台市) 【主催】 大学 ICT 推進協議会 【参加者数】 約 980 名 (4)産業界向けスパコン利用相談会 【出展】 RIST 【開催日程】 2014 年 10 月 24 日 【展示概要】 HPCI 産業利用についてポスター展示 【開催地】 東京都台東区 【主催】 RIST 【概要】 民間企業が利用可能な、「京」を中核とする HPCI 産業利 (7)第7 回トップセミナー ~ビジネスチャンスを創出する「京」、産 業の未来を拓くポスト「京」~ - 75 - トップセミナーは、計算科学振興財団が主催する企業の経営者 層や技術部門長向けの講演会で、年に一回開催されており、2014 年度で第 7 回目を迎えた。2014 年度はものづくりや医療などにお ける競争力向上に不可欠なコンピュータ・シミュレーションをテー マに開催され、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 中 橋和博理事による基調講演や、株式会社デンソー技術開発センタ ーデジタル・エンジニアリング室担当部長 赤池茂氏、株式会社 JSOL 学術顧問 北岡裕子氏により、産業各分野でのコンピュー タ・シミュレーションの活用例がわかりやすく紹介された。 【開催日】 2015 年 1 月 30 日 【開催地】 グランフロント大阪北館(大阪府大阪市北区大深町 3-1) 【主催】 計算科学振興財団(AICS、RIST ほか 8 団体後援) 【参加者数】 111 名 6-4-2 一般向けイベント 1. スパコンを知る集い 「京」の成果・ポスト「京」開発等、スパコンやシミュレーションの役 割・意義や将来性について、理解増進を図るための講演会。2014 年度は 3 回開催した(図 14 参照)。 図 14 スパコンを知る集いの様子 【主催】 AICS 【対象】 中学生以上の一般の方々 (3) スパコンを知る集い in 松江 ~「京」、そしてその先へ~ 【開催日】 2015 年 2 月 15 日 (1) スパコンを知る集い in 大阪 ~「京」、そしてその先へ~ 【開催地】 松江テルサ テルサホール(島根県松江市) 【開催日】 2014 年 9 月 28 日 【参加者数】 106 名 【開催地】 エルセラーンホール(大阪府大阪市) 【URL】 http://www.aics.riken.jp/shirutsudoi/meeting20.html 【参加者数】 159 名 【URL】 http://www.aics.riken.jp/shirutsudoi/meeting18.html 2. 一般公開 AICS と RIST は、神戸医療産業都市一般公開(※)に、近隣諸 団体とともに出展した。 (2)スパコンを知る集い in 静岡 ~「京」、そしてその先へ~ AICS は、第 5 回目となる施設一般公開を行った。「京」を見るこ 【開催日】 2014 年 12 月 14 日 とができる見学者ホールのほか、免震ピット・熱源機械棟の普段は 【開催地】 グランシップ 会議ホール・風(静岡県静岡市) 公開していないエリアのツアー、AICS 研究チームによる研究紹介 【参加者数】 189 名 やシミュレーションデモ展示のほか、戦略機関による研究紹介「科 【URL】 http://www.aics.riken.jp/shirutsudoi/meeting19.html 学の広場」など関連機関によるイベントも開催し、広く計算機科学、 計算科学の紹介を行った(図 15 上)。 RIST は、計算科学振興財団 高度計算科学研究支援センター2 階にて計算機歴史博物館と題して、スパコンが誕生するまでの道 のりについて、そろばん、手回し計算機、電卓などの機器の展示 - 76 - を行った(図 15 下)。 4. 平成 26 年度子供霞が関見学デー 【開催日】 2014 年 10 月 25 日 本イベントは、毎年夏休み、各府庁省の取り組みを子供向けに 【来場者数】 2,500 名(AICS 施設来場者数) 公開しているイベントである。理研は、「文部科学省・文化庁」のス ※同時開催:理化学研究所神戸事業所(CDB、CLST、QBiC)、神 ペースに毎年展示を行っており、本年は「京」の展示を行った(展 戸市医療産業都市推進協議会、甲南大学フロンティアサイエンス 示には HPCI 戦略プログラム分野 1 も含む)。 学部、兵庫県立大学大学院、神戸大学統合研究拠点・計算科学教 【開催日】 2014 年 8 月 6 日~7 日 育センター、計算科学振興財団、高度情報科学技術研究機構、日 【参加者数】 約 620 名(ブース来場者) 本ベーリンガーインゲルハイム 【主催】 文部科学省 【URL】 【URL】 http://www.riken.jp/pr/blog/2014/140804_1/ http://www.aics.riken.jp/jp/outreach/library/event/ippankokai_report_2 5. Techno-Ocean2014・講演会 スーパーコンピュータ「京」を知 014.html ろう! 本イベントは、海洋関連の科学技術に携わる産官学等関係者の 総合的・横断的ネットワーク及びパートナーシップの構築のため、 分野を超えた議論・情報交換を行い、また、広く市民に向けて海洋 関連科学技術の理解を深めるイベントである。AICS は、神戸市内 の小学校高学年~中学生を含むファミリー層を対象に、「スパコン って何?」 「スパコンと生命科学」 「スパコンと宇宙」 という 3 つの テーマの講演を行った。 【開催日】 2014 年 10 月 2 日 【参加者数】 約 164 名 【主催】 テクノオーシャン・ネットワーク(TCN) 【URL】 http://www.aics.riken.jp/library/event/technoocean2014.html 6-4-3 学校向けイベント 1. 第 7 回サイエンスフェア in 兵庫 本イベントは高校生による課題研究活動の発展と充実及び交流 図 15 一般公開の様子 を主な目的とした展示イベントである。兵庫県内のスーパーサイエ ンスハイスクール 9 校(代表:県立神戸高等学校)と兵庫県教育委 3. 家族が熱い一週間 医療産業都市・スパコン見学会 本イベントは、神戸市が主催する親子対象のイベントであり、そ 員会が合同で組織する兵庫「咲いテク(Science & Technology)」事 業推進委員会が主催となって開催しているイベントで、県内外の の一つとして、医療産業都市・スパコン見学会が設けられた。親子 高等学校及び高等専門学校の学生によるポスターセッション形式 のグループが、「京」、理化学研究所 CDB、AICS、神戸市医療産 の研究発表会や、大学、研究機関、企業による展示ブースが設け 業都市関連施設などの見学を行った。 られ、高校生との交流を行っている。 【開催日】2014 年 8 月 20 日 2014 年度は、2013 年度に引き続き、関西地区の理化学研究所 【参加者数】 約 159 名 各事業所(AICS、CDB、CLST、QBiC、HPCI 計算生命科学推進プ 【主催】 神戸市 ログラム、播磨研究所)が協力して展示を行い、各事業所の研究を 紹介した。また、理研への興味喚起および理研ブースへの誘導を - 77 - 目的としたゲーム(YesNo 形式で研究センター診断)を掲載したチ 【講師】 南 一生 (AICS 運用技術部門ソフトウェア技術チーム ラシを作成し、来場者に配布した。ゲームは QR コードを通じてウ チームヘッド) ェブでも楽しんでもらえるようにし、iPad を用いて会場でも体験して 【内容】 一般的なスーパーコンピュータや「京」について、また、計 もらった。 算科学における離散化等の数学の手法について、高校生にも出 【開催日】 2015 年 2 月 1 日 題するなど実演を交えながら解説を行った。 【参加者数】 1,505 名 【主催】 兵庫「咲いテク(Science & Technology)」事業推進委員会 2. 第 4 回サイエンス・インカレ (エクスカーション) サイエンス・インカレは、文部科学省が主催する、自然科学分野 を学ぶ全国の学生に自主研究を発表する場を設けることにより、 3. 特別教室「スパコン探検隊」 【開催日】 2015 年 3 月 8 日 【場所】 バンドー神戸青少年科学館 学生の研究意欲を高めるとともに、課題設定・探究能力、独創性、 (兵庫県神戸市中央区港島中町 7-7-6) プレゼンテーション能力等を備えた創造性豊かな科学技術人材を 【対象】 小学 5 年生~中学 2 年生 10 名 育成することを目的としたイベントである。 【講師】 青山 幸也(RIST 利用支援部 主任研究員) AICS は今回サイエンス・インカレ参加者向けの見学イベントの 【内容】 「京」をはじめとするスパコンに使用している科学技術計 開催に協力し、「京」見学を行った。 算について、プロジェクター投影による講義と、実験機によるデモ、 【開催日】 2015 年 2 月 27日, 3 月 1 日 回路を作成する実習を行った(図 16)。 【参加者数】 107 名 【主催】 文部科学省 6-4-4 出前授業、出張講演 AICS では、「京」及び計算機科学・計算科学への理解増進のた め、依頼に応じて学校団体向けの出前授業及び出張講演を行っ ている。2014 年度に行った出前授業及び出張講演は下記のとおり である。 1. 出張講演 兵庫県立津名高等学校 【開催日】 2015 年 1 月 28 日 【場所】 兵庫県立津名高等学校 (兵庫県淡路市志筑 249-1) 【対象】 1 年生 約 200 名 図 16 スパコン探検隊の様子 【講師】 干場 真弓(AICS 広報国際室 研究員) 【内容】 スーパーコンピュータとは何か、また、「京」や計算科学と 私たちのつながりなどについて、解説を行った。 2. 出前授業 兵庫県立洲本高等学校 【開催日】 2015 年 1 月 22 日 【場所】 兵庫県立洲本高等学校 (兵庫県洲本市上物部 2-8-5) 【対象】 理系探究クラス 1 年生 17 名 - 78 - 6-5 見学・視察対応 AICS では、「京」及び計算機科学・計算科学への理解増進のた め、主に研究機関、企業、官公庁、学校など、見学を希望する団 体の受け入れを行っている。基本的に広報の見学担当者による対 応だが、要望に応じて、運用技術部門及び研究部門の研究者・技 術者による解説や施設内ツアーを行っている。 また、政界関係者、国・地方自治体関係者、企業や研究機関の 幹部などによる視察も数多く行われており、研究支援部総務課を 事務局として、理研役員及び機構幹部により、理解増進のため概 図 17 田村厚生労働大臣 視察の様子 要説明や意見交換を含めた対応を行っている。 2014 年度の見学、視察受け入れ実績は表 5 のとおりである。 【主な団体】 研究機関: 戦略分野、学会等 企 業: IT 関連企業、電力・ガス等インフラ関連企業、土木・建 設関連企業等 官 公 庁: 神戸市関連、兵庫県関連 学校団体: 小中学校、高等学校(理系選択クラス、スーパーサイ 図 18 古屋防災担当大臣 視察の様子 エンスハイスクール指定校等)、高等専門学校、大学 及び大学院生 【主な視察】 2014 年 5 月 厚生労働省 田村憲久 大臣 (図 17) 2014 年 6 月 船田元 衆議院議員 2014 年 7 月 高木義明 衆議院議員 2014 年 7 月 内閣府 古屋圭司 防災担当大臣 (図 18) 2014 年 9 月 文部科学省 藤井基之 副大臣 2014 年 11 月 環境省 谷津龍太郎 顧問 2015 年 1 月 文部科学省 山本 ともひろ 大臣政務官 - 79 - 表 5 見学・視察対応件数一覧 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 合計 6 5 1 1 3 5 2 1 0 0 2 4 30 37 138 38 8 36 82 103 5 0 0 7 15 469 7 10 10 15 6 12 11 15 10 6 10 11 123 見学者数 62 179 145 276 39 150 177 275 143 62 88 220 1,816 自 官 見学会実施件数 治公 体 庁 見学者数 1 0 0 1 0 0 2 1 1 0 0 0 6 29 0 0 7 0 0 11 17 10 0 0 0 74 見学会実施件数 4 5 2 11 6 8 5 8 13 4 11 5 82 12 39 21 160 128 197 68 141 132 35 100 69 1,102 5 2 9 9 14 11 3 8 6 2 3 5 77 298 23 224 309 337 201 133 196 145 37 53 106 2,062 一 般 諸 団 体 学 会 機教 関育 見学会実施件数 見学者数 見学会実施件数 見学者数 見学会実施件数 見学者数 自 官 政 見学会実施件数 治公 府 体 庁 ・ 見学者数 3 4 8 8 3 4 2 6 1 3 2 2 46 39 165 51 88 53 30 9 90 4 22 7 33 591 見学会実施件数 2 2 1 0 0 0 1 1 0 2 3 1 13 25 12 8 0 0 0 8 5 0 14 15 3 90 1 0 2 3 1 1 1 3 4 0 4 2 22 44 0 40 21 6 43 36 14 37 0 19 9 279 見学会実施件数 0 0 0 0 3 0 1 0 0 0 1 4 9 見学者数 0 0 0 0 220 0 2,500 0 0 0 55 161 2,936 29 28 33 48 36 41 28 43 35 17 36 34 408 546 556 527 869 819 703 3,045 743 471 170 344 626 9,419 ・ 海 外 VIP イ ベ ン ト 見学者数 見学会実施件数 見学者数 見学会実施件数 計 見学者数 - 80 - 参考資料1 利用研究課題一覧 2014 年度に「京」を利用して行った研究課題(一般課題、若手人材育成課題、産業利用課題、戦略プログラム課題 1~5)の一覧を、以下 に示す。なお、京調整高度化枠及び共用法第 12 条に基づく研究の研究課題は、それぞれ4-1節の表 1 及び4-2節の表 2 に示した。所 属機関名等は 2015 年 3 月 31 日現在のものである。 ■一般利用課題 課題番号 利用研究課題名 研究課題 代表者名 カスケード型分子動力学による生体超分子繊維構造の制御 hp140030 北尾 彰朗 メカニズム解明 hp140044 高性能ヘリカル型核融合プラズマの乱流輸送シミュレー ション 分野 割当資源量 (ノード時間積) 利用実績 (ノード時間積) 東京大学 分子細胞生物学研 物質・材料・ 究所 化学 4,000,000 3,994,553 渡邉 智彦 名古屋大学大学院理学研究科 原子力・核融 合 6,690,000 5,984,929 中島 映至 宇宙航空研究開発機構 第一 環境・防災・ 宇宙技術部門地球観測研究セ 減災 ンター 9,907,200 9,854,176 ナノ構造体における光誘起電子ダイナミクスと光・電子機 信定 克幸 能性量子デバイスの理論設計 分子科学研究所・理論計算分 物質・材料・ 子科学研究領域 化学 hp140046 全球規模大気環境汚染に関わる統合環境モデリング hp140054 所属機関名 hp140067 大規模数値シミュレーションで解き明かす超弦理論の物理 花田 政範 階層型並列固有値解析ソフトウェアの高性能実装技術およ 櫻井 鉄也 び各種アプリケーションに対する高性能利用技術の開発 3,978,000 3,951,938 京都大学白眉センター 物理・素粒 子・宇宙 2,000,000 1,929,281 筑波大学・システム情報系 数理科学 2,668,000 2,300,118 キャリアドープされたモット絶縁体の量子相とスピン・電 hp140078 遠山 貴巳 荷励起:二次元ハバード模型の解析 東京理科大学・理学部 物質・材料・ 化学 7,840,000 7,791,816 地球磁気圏におけるマクロ-メソ・ミクロスケール遷移領 深沢 圭一郎 hp140081 域のシミュレーション 京都大学学術情報メディアセ 物理・素粒 ンター 子・宇宙 5,419,008 4,463,164 風作用を受ける都市・建築物の快適性・機能性・安全性確 田村 哲郎 保のためのHPCの展開 東京工業大学 大学院総合理 環境・防災・ 工学研究科 減災 3,907,584 3,804,146 hp140092 強相関超伝導体に対する第一原理量子モンテカルロシミュ 柚木 清司 レーション 独立行政法人理化学研究所・ 物質・材料・ 計算科学研究機構・量子系物 化学 質科学研究チーム 6,985,728 6,930,944 hp140103 極限的パルス光と物質の相互作用を記述するマルチスケー 矢花 一浩 ル第一原理計算 筑波大学計算科学研究セン ター 物質・材料・ 化学 6,000,000 5,974,630 RIKEN AICS 物質・材料・ 化学 4,000,000 3,724,063 京都大学・福井謙一記念研究 物質・材料・ センター 化学 3,990,000 2,751,825 3,987,200 3,705,196 hp140069 hp140084 第一原理計算に基づく密度行列繰り込み群法による強相関 hp140104 中嶋 隆人 生体関連物質の電子状態解明 hp140109 単一および複合金属超微粒子の電子状態と反応性・物性の 榊 茂好 理論・計算化学研究 hp140130 光格子中における冷却中性原子気体の量子ダイナミクス 曽田 繁利 理化学研究所・計算科学研究 数理科学 機構 hp140135 カノニカル乱流の大規模直接数値シミュレーション 石原 卓 名古屋大学・大学院工学研究 工学・ものづ 科 くり 10,000,000 9,856,038 理化学研究所・計算科学研究 物質・材料・ 機構 化学 スピン・軌道相互作用とスピン・フラストレーションに起 曽田 繁利 hp140136 因する三角格子量子スピン系の新奇量子相の研究 3,872,000 3,169,266 「京」による有機・無機化合物のシュレーディンガー解の 中辻 博 hp140140 計算 量子化学研究協会・研究所 物質・材料・ 化学 3,000,000 2,720,241 hp140150 永久磁石のマルチスケール性能解析 三宅 隆 産業技術総合研究所・ナノシ 物質・材料・ ステム研究部門 化学 9,940,000 9,939,509 神崎 亮平 東京大学先端科学技術研究セ バイオ・ライ ンター フ 1,776,270 1,670,390 hp140151 昆虫嗅覚系全脳シミュレーション 化学反応シミュレーションによるCO2分離回収のためのア 中井 浩巳 ミン溶液の探索 早稲田大学 先進理工学部 物質・材料・ 化学 2,600,000 1,804,694 hp140169 Understanding systems of multiple molecular machines: first 鄭 載運 atomistic simulations of polysomes 理化学研究所計算科学研究機 バイオ・ライ 構 ・粒子系生物物理研究 フ チーム 3,900,000 2,142,065 hp140172 蓄電デバイスの高速充放電化を実現する界面ダイナミクス 大谷 実 制御技術確立に向けた理論的研究 産業技術総合研究所・ナノシ 物質・材料・ ステム研究部門 化学 10,000,000 9,366,149 計算科学と実験科学の融合による乱流計測手法の高精度化 hp140196 辻 義之 とその応用 名古屋大学大学院・工学研究 工学・ものづ 科 くり 5,200,000 5,200,078 東京大学 先端科学技術研究 バイオ・ライ センター フ 5,000,000 4,999,995 hp140164 hp140200 抗原と抗体の会合過程シミュレーションから見る分子認識 山下 雄史 機構 - 81 - 備考 ■若手人材育成課題 課題番号 利用研究課題名 研究課題 代表者名 所属機関名 分野 割当資源量 (ノード時間積) 利用実績 (ノード時間積) 大気重力波と熱帯対流を陽に解く中層大気モデルを用いた hp140021 小玉 知央 シミュレーション 独立行政法人海洋研究開発機 環境・防災・ 構 減災 1,872,565 1,859,366 高レイノルズ数乱流境界層におけるマルチスケール物理と 河合 宗司 hp140028 モデリング 東北大学・大学院工学研究 科・航空宇宙工学専攻 工学・ものづ くり 1,991,440 1,922,752 核融合プラズマにおける燃料及び不純物イオンの乱流輸送 仲田 資季 シミュレーション 自然科学研究機構 核融合科 原子力・核融 学研究所 合 3,926,016 3,898,598 hp140077 Quantum Simulations of Extended Molecular Assemblies on Ralph Oliver Solid and Liquid Surfaces (qSEMA) Koitz Institute of Physical Chemistry, University of Zurich 物質・材料・ 化学 2,900,000 2,113,303 hp140091 表面張力レプリカ交換法による生体膜構造の分子ダイナミ 森 貴治 クス解析 独立行政法人理化学研究所・ バイオ・ライ 杉田理論分子科学研究室 フ 2,252,800 759,285 (独)海洋研究開発機構 地 環境・防災・ 球シミュレータセンター 減災 2,700,000 2,663,271 構造モデルと回折像パターンマッチングによる新しいX線 徳久 淳師 hp140121 単粒子構造解析法の検証 理化学研究所 計算科学研究 バイオ・ライ 機構 フ 580,000 367,414 水物資の相変化によるエネルギー変化を陽に解く次世代気 hp140124 宮本 佳明 象モデルの構築 理化学研究所 環境・防災・ 減災 2,000,000 1,074,183 千葉大学・大学院理学研究科 物理・素粒 子・宇宙 5,930,768 3,279,411 国立天文台・理論研究部 物理・素粒 子・宇宙 2,000,000 1,866,464 hp140053 hp140120 乱流が引き起こす粒子衝突に対する超大規模計算 hp140127 大西 領 超新星残骸衝撃波における宇宙線加速機構の解明に向けた 松本 洋介 1兆個粒子シミュレーション 大規模粒子シミュレーションによる3次元磁気リコネク hp140129 ション過程の解明 藤本 桂三 備考 ■産業利用課題(実証利用・個別利用)(1/2) 課題番号 利用研究課題名 hp140009 標的蛋白質に対する薬物の作動性予測 研究課題 代表者名 山崎 一人 所属機関名 分野 割当資源量 (ノード時間積) 利用実績 (ノード時間積) 備考 大日本住友製薬株式会社・ゲ バイオ・ライ ノム科学研究所 フ 600,000 579,921 実証利用 hp140018 低燃費タイヤ用ゴム材料設計を目指した大規模分子シミュ 日野 理 レーションの実証的研究 東洋ゴム工業株式会社タイヤ 工学・ものづ 技術本部タイヤ先行技術開発 くり 部 1,456,000 294,395 実証利用 hp140033 炭素繊維強化プラスチックを利用した超軽量ジェットエン 黒木 博史 ジンの開発 株式会社 IHI 工学・ものづ くり 756,000 717,925 実証利用 大規模CFDを用いたハイトワゴン型車両の空気抵抗低減技 hp140035 橋爪 祥光 術の開発 スズキ株式会社 工学・ものづ くり 856,000 636,601 実証利用 hp140037 大規模振動解析による船体の振動現象の再現 平川 真一 ジャパンマリンユナイテッド 工学・ものづ 株式会社技術研究所構造研究 くり グループ 756,000 740,521 実証利用 hp140042 新薬開発を加速する「京」インシリコ創薬基盤の構築 奥野 恭史 京都大学・医学研究科 バイオ・ライ フ 2,756,000 2,753,541 実証利用 株式会社ブリヂストン タイ 工学・ものづ ヤ研究部 くり 1,500,000 1,499,996 実証利用 hp140045 3次元津波シミュレーションによる減災ハード対策検討方法の提案 金井 則之 新日鐵住金株式会社技術総括 環境・防災・ 部技術総括室 減災 750,000 174,788 実証利用 超大規模流体計算による自動車空力特性ならびに空力騒音 hp140047 上岡 孝志 の次世代評価技術に関する研究 工学・ものづ マツダ株式会社 車両実研部 くり 1,200,000 1,198,859 実証利用 空力騒音を考慮に入れた高速車両の突起形状の多目的設計 菅沢 正浩 探査 東海旅客鉄道株式会社 中央 工学・ものづ 新幹線推進本部 くり hp140043 hp140048 持続可能な社会へ向けたタイヤ開発のための大規模数値解 門脇 弘 析技術に関する研究 hp140049 タイヤ用ゴム材料の大規模分子動力学シミュレーション 岸本 浩通 住友ゴム工業株式会社 材料 開発本部 材料第三部 756,000 755,401 実証利用 物質・材料・ 化学 4,000,000 3,343,119 実証利用 hp140055 大規模数値流体解析を用いた竜巻等突風による建物の局部 菊池 浩利 風圧力の予測 清水建設(株)技術研究所 工学・ものづ 総合解析技術センター 環境 くり 解析グループ 1,456,000 1,432,438 実証利用 hp140057 エネルギー・環境機器および輸送機械の革新的性能向上を 川本 英樹 目指した超大規模非定常流体解析技術の開発 川崎重工業株式会社 工学・ものづ くり 3,400,000 3,401,369 実証利用 日東電工株式会社 機能設計 物質・材料・ 技術センター 化学 3,700,000 3,589,162 実証利用 物質・材料・ 化学 4,000,000 3,924,983 実証利用 富士電機株式会社 技術開発 工学・ものづ 本部 くり 756,000 75,684 実証利用 野中 哲也 株式会社地震工学研究開発セ 環境・防災・ ンター 減災 850,000 178,181 実証利用 冨永 哲雄 JSR株式会社四日市研究セン 物質・材料・ ター物性分析室 化学 1,006,000 984,771 実証利用 巨大地震による阪神高速道路湾岸線の地震応答シミュレー 金治 英貞 ション 阪神高速道路株式会社 技術 環境・防災・ 部 減災 600,000 258,783 実証利用 スペクトルシミュレーションによる高分子有機半導体材料 hp140089 石田 雅也 の設計 住友化学株式会社・先端材料 物質・材料・ 探索研究所 化学 1,456,000 1,439,502 実証利用 hp140095 Liイオン二次電池正極材料の劣化解析 株式会社コベルコ科研 物質・材料・ 化学 600,000 459,413 実証利用 hp140059 大規模分子動力学法による接着界面現象に関する研究 島津 彰 第一原理計算によるLi電池用途各種添加剤の反応とSEIの機 hp140071 奥野 幸洋 能解析 hp140072 パワーエレクトロニクス機器の低騒音化に向けた流体騒音 金子 公寿 メカニズムの解明 避難ビル等の重要施設を含む広域3次元津波シミュレー hp140073 ション 大規模粗視化MDシミュレーションを用いた次世代高機能 hp140082 ポリマー材料の開発(継続課題) hp140088 世木 隆 富士フイルム(株) - 82 - ■産業利用課題(実証利用・個別利用)(2/2) 課題番号 利用研究課題名 研究課題 代表者名 所属機関名 分野 割当資源量 (ノード時間積) 利用実績 (ノード時間積) 備考 全原子分子動力学法によるフェノール樹脂ネットワーク構 hp140097 首藤 靖幸 造の研究 住友ベークライト株式会社 物質・材料・ 化学 756,000 751,107 実証利用 数値流体力学の工業利用における標準解の整備に関わる研 hp140117 沢田 龍作 究 トヨタ自動車 エンジン設計 工学・ものづ 部 くり 756,000 724,406 実証利用 自動車操縦安定性および空力性能の連成に関する非定常空 hp140126 藤山 祐司 力解析手法の構築 日産自動車株式会社 工学・ものづ くり 2,500,000 2,499,361 実証利用 川崎重工業(株)ガスタービ ン・機械カンパニー ガス タービンビジネスセンター ガスタービン開発部 工学・ものづ くり 2,656,000 1,714,623 実証利用 羽貝 正道 一般社団法人 日本自動車工 工学・ものづ 業会 くり 3,500,000 3,501,700 実証利用 hp140187 実在街区に立つ複雑表面形状を有する超高層建築物のLES 近藤 宏二 鹿島建設(株)技術研究所 工学・ものづ くり 856,000 856,875 実証利用 ミクロ相分離構造を有する高分子材料の物理的性質の解明 hp140192 本田 隆 (継続) 日本ゼオン(株)総合開発セ 物質・材料・ ンター基盤技術研究所 化学 1,006,000 912,004 実証利用 hp140008 長時間MDシミュレーションを活用したインシリコ創薬 大日本住友製薬株式会社・ゲ バイオ・ライ ノム科学研究所 フ 1,000,000 (非公開) 個別利用 本田技術研究所 基礎技術研 工学・ものづ 究センター 第0研究室 第3ブ くり ロック 3,000,000 (非公開) 個別利用 半沢 宏之 第一三共RDノバーレ株式会 バイオ・ライ 社・生物評価研究部 フ 2,000,000 (非公開) 個別利用 hp140039 二酸化炭素排出量削減のための炉内現象の定量的評価 佐藤 新吾 JFEスチール株式会社 数値 工学・ものづ 解析研究部 くり 500,000 (非公開) 個別利用 hp140111 創薬のための新規分子設計法の適用研究 田中 稔祐 武田薬品工業株式会社 化学 バイオ・ライ 研究所 フ 450,000 (非公開) 個別利用 hp140145 電子機器の高密度実装における大規模解析技術の開発と適 山岡 伸嘉 用 富士通アドバンストテクノロ 工学・ものづ ジ株式会社HPC適用推進統 くり 括部 214,538 (非公開) 個別利用 hp140235 物理ベースかつバイアスのない3次元景観レンダリングエ ンジンの開発 500,000 (非公開) 個別利用 (随時募集) hp140154 DESおよび知的可視化による多段軸流圧縮機の旋回失速初 松岡 右典 生現象の解明 hp140167 自動車開発における試作レス開発に向けた研究 hp140011 山崎 一人 次世代流体解析ソフトウェアFrontFlowRedによる空力騒音 吉野 崇 発生メカニズムの捕捉 hp140029 分子動力学計算を利用した抗がん剤の探索 hp140236 大規模非定常計算による流体継手特性の予測 hp140240 FrontFlow/Blueによるプロペラファンの高解像流体解析 hp140243 動的陽解法による大規模計算に関する研究 スーリエ クリ 株式会社フォーラムエイト ストフ 張 会来 本間 直彦 勝浦 啓 株式会社数値フローデザイン その他 工学・ものづ くり 個別利用 (随時募集) 1,216,000 課題終了日 2015/4/13 個別利用 (随時募集) 工学・ものづ くり 200,000 三菱重工業株式会社 技術統 工学・ものづ 括本部 長崎研究所 構造研 くり 究室 49,760 三菱電機株式会社 高解像度計算による建物近傍の流れと風荷重予測技術の開 hp140244 小野 佳之 発 大林組技術研究所 hp140246 データ管理ライブラリCIOlibの大規模性能実証 原田 昌紀 hp140247 非貴金属触媒材料の開発 (非公開) (非公開) 課題終了日 2015/8/7 (非公開) 個別利用 (随時募集) 個別利用 (随時募集) 環境・防災・ 減災 151,700 アドバンスソフト株式会社 情報・計算機 科学 67,200 (非公開) 個別利用 (随時募集) 豊田 健治 パナソニック株式会社 先端 研究本部 物質・材料・ 化学 40,000 (非公開) 個別利用 (随時募集) hp140248 鉄道分野の流れの数値シミュレーション 中出 孝次 公益財団法人鉄道総合技術研 工学・ものづ 究所 くり 550,000 (非公開) 個別利用 (随時募集) hp140250 船舶の大規模解析 川本 英樹 川崎重工業株式会社 工学・ものづ くり 150,000 (非公開) 個別利用 (随時募集) hp140253 大規模騒音解析 川本 英樹 川崎重工業株式会社 工学・ものづ くり 200,000 (非公開) 個別利用 (随時募集) hp140254 機能性材料の第一原理計算 世木 隆 株式会社コベルコ科研 物質・材料・ 化学 100,000 (非公開) 個別利用 (随時募集) - 83 - (非公開) 課題終了日 2015/9/24 ■産業利用課題(トライアル・ユース) 課題番号 利用研究課題名 Lagrange Particle Tracking法による粒子計算ライブラリの hp130129 性能実証 hp130130 波力発電シミュレーター開発プロジェクト 研究課題 代表者名 所属機関名 分野 割当資源量 (ノード時間積) 利用実績 (ノード時間積) 十川 直幸 株式会社 ヴァイナス 工学・ものづ くり 50,000 39,239 大槻 真人 株式会社CAEソリューショ 環境・防災・ ンズ・フルイド事業部 減災 50,000 7,117 本間 直彦 三菱電機株式会社 工学・ものづ くり 50,000 40,704 永沢 浩 富士重工業株式会社 CAE 部 工学・ものづ くり 50,000 31,758 大林組技術研究所 環境・防災・ 減災 50,000 43,222 スズキ株式会社 工学・ものづ くり 50,000 48,721 yoshiyuki kubota 関西電力株式会社電力技術研 物質・材料・ 究所 化学 50,000 49,936 配管合流部での高速流れに起因した乱流励起振動現象の解 前川 宗則 hp130138 明 工学・ものづ くり 50,000 40,617 環境・防災・ 減災 50,000 42,462 物質・材料・ 化学 hp130131 FrontFlow/Blueによるプロペラファンの空力騒音予測 hp130132 自動車衝突安全解析に対する大規模・高速化環境の構築 hp130133 高解像度計算による実大スケール建物の風荷重予測技術の 小野 佳之 開発 大規模CFDを用いたハイトワゴン型車両の空気抵抗低減技 hp130136 橋爪 祥光 術の開発 hp130137 CO2吸収液の自由エネルギー計算 巨大地震による長周期地震動による構造物及び人的影響の hp130139 甲斐田 康弘 程度を表現する計算手法の検討 高分子材料の相分離構造に関するSPring-8実験データの逆 高柳 篤史 問題構造推定 千代田化工建設株式会社 応用地質株式会社 エンジニ アリング本部 地震工学セン ター 日本ゼオン株式会社・基盤技 術研究所 50,000 47,384 マルチスケール粗視化RMC法によるナノ粒子凝集構造の解 hp140239 曽根 卓男 析の実施可能性検討 JSR株式会社 物質・材料・ 化学 50,000 49,387 hp140241 金属3次元造形ミクロスケールシミュレーション 三菱重工業 先進技術研究セ 工学・ものづ ンター くり hp140238 亘 紀子 備考 50,000 10,379 電子写真システム設計のための並列シミュレーション技術 hp140242 世古 丈裕 の開発 富士ゼロックス株式会社 工学・ものづ くり 50,000 31,264 hp140245 圧電振動子の最適設計とその手法の確立 京セラ株式会社 総合研究所 工学・ものづ CATセンター くり 50,000 20,604 層流型多層方式を用いた超音波流量計測シミュレーション 永原 英知 hp140249 の研究 パナソニック株式会社 アプ ライアンス社 スマートエネ 工学・ものづ ルギーシステム事業部 ス くり マートメータデバイス技術グ ループ 50,000 49,376 課題終了日 2015/6/17 hp140251 分子動力学法による蛋白質‐阻害剤の結合相互作用解析 大正製薬ホールディングスグ バイオ・ライ ループ 大正製薬(株)医薬 フ 研究本部 化学研究所 50,000 201 課題終了日 2015/8/22 大森 実 宮川 博夫 ■HPCI 戦略プログラム利用研究課題(1/2) 課題番号 利用研究課題名 研究課題 代表者名 所属機関名 分野 割当資源量 (ノード時間積) 利用実績 (ノード時間積) 備考 計算科学推進体制構築 研究支援体制による高度化利用支 hp140208 江口 至洋 援 理化学研究所HPCI計算生命 科学推進プログラム バイオ・ライ フ 440,040 427,297 分野1 hp140228 創薬応用シミュレーション 藤谷 秀章 東京大学先端科学技術研究セ バイオ・ライ ンター フ 24,601,873 24,272,797 分野1 hp140229 細胞内分子ダイナミクスのシミュレーション 杉田 有治 独立行政法人理化学研究所・ バイオ・ライ 杉田理論分子科学研究室 フ 21,162,261 18,463,061 分野1 hp140230 大規模生命データ解析 宮野 悟 東京大学医科学研究所 バイオ・ライ フ 8,940,957 8,966,119 分野1 高木 周 東京大学・大学院工学系研究 バイオ・ライ 科 フ 10,340,957 7,867,438 分野1 藤堂 眞治 東京大学・大学院理学系研究 物質・材料・ 科物理学専攻 化学 717,141 493,307 分野2 hp140215 相関の強い量子系の新量子相探求とダイナミックスの解明 今田 正俊 東京大学大学院・工学系研究 物質・材料・ 科 化学 7,924,716 7,634,691 分野2 水素・メタンハイドレートの生成、融解機構と熱力学的安 hp140216 田中 秀樹 定性 岡山大学 大学院 自然科学 物質・材料・ 研究科 化学 3,960,366 3,283,003 分野2 hp140217 全原子シミュレーションによるウィルスの分子科学の展開 岡崎 進 名古屋大学大学院工学研究科 物質・材料・ 化学 7,480,692 7,436,905 分野2 密度汎関数法によるナノ構造時空場での電子機能予測とそ hp140224 押山 淳 の実現 東京大学・工学系研究科 物質・材料・ 化学 11,828,733 11,835,940 分野2 hp140225 電子状態・動力学・熱揺らぎの融和と分子理論の新展開 神戸大学システム情報学研究 物質・材料・ 科 化学 12,778,934 12,463,318 分野2 物質・材料・ 化学 16,880,256 14,606,656 分野2 産業技術総合研究所・ユビキ 物質・材料・ タスエネルギー研究部門 化学 4,840,448 4,584,135 分野2 hp140234 予測医療に向けた階層統合シミュレーション hp140214 計算科学推進体制構築 hp140232 エネルギー変換の界面科学 天能 精一郎 杉野 修 金属系構造材料の高性能化のためのマルチスケール組織設 hp140233 香山 正憲 計・評価手法の開発 東京大学物性研究所 - 84 - ■HPCI 戦略プログラム利用研究課題(2/2) 課題番号 利用研究課題名 hp140219 地球規模の気候・環境変動予測に関する研究 hp140220 超高精度メソスケール気象予測の実証 研究課題 代表者名 木本 昌秀 斉藤 和雄 所属機関名 分野 割当資源量 (ノード時間積) 利用実績 (ノード時間積) 備考 東京大学大気海洋研究所 環境・防災・ 減災 13,327,917 13,327,731 分野3 気象研究所 環境・防災・ 減災 18,067,709 16,341,211 分野3 環境・防災・ 減災 8,194,368 6,736,111 分野3 hp140221 地震の予測精度の高度化に関する研究 古村 孝志 東京大学大学院情報学環 hp140222 津波の予測精度の高度化に関する研究 今村 文彦 東北大学・災害科学国際研究 環境・防災・ 所 減災 6,657,385 6,657,205 分野3 hp140223 都市全域の地震等自然災害シミュレーションに関する研究 堀 宗朗 東京大学・地震研究所 環境・防災・ 減災 11,240,855 11,215,902 分野3 原子力施設等の大型プラントの次世代耐震シミュレーショ hp140206 中島 憲宏 ンに関する研究開発 日本原子力研究開発機構 シ 工学・ものづ ステム計算科学センター くり 5,770,000 5,336,900 分野4 輸送機器・流体機器の流体制御による革新的高効率・低騒 藤井 孝藏 音化に関する研究開発 独立行政法人宇宙航空研究開 工学・ものづ 発機構宇宙科学研究所 くり 12,050,000 11,874,501 分野4 次世代半導体集積素子におけるカーボン系ナノ構造プロセ hp140218 大野 隆央 スシミュレーションに関する研究開発 独立行政法人物質・材料研究 工学・ものづ 機構 くり 8,200,000 7,936,713 分野4 東京大学生産技術研究所 工学・ものづ くり 27,664,277 27,418,446 分野4 東京大学生産技術研究所 工学・ものづ くり 498,502 468,403 分野4 6,078,000 4,541,400 分野4 hp140207 hp140226 乱流の直接計算に基づく次世代流体設計システムの研究開 加藤 千幸 発 計算科学推進体制構築 研究支援体制による高度化支援利 hp140227 畑田 敏夫 用 hp140231 多目的設計探査による設計手法の革新に関する研究開発 大山 聖 宇宙航空研究開発機構 工学・ものづ くり hp140209 格子QCDによる物理点でのバリオン間相互作用の決定 藏増 嘉伸 筑波大学・数理物質系 物理・素粒 子・宇宙 14,001,017 13,866,491 分野5 hp140210 大規模量子多体計算による核物性解明とその応用 大塚 孝治 物理・素粒 東京大学大学院理学系研究科 子・宇宙 19,766,814 19,766,542 分野5 hp140211 超新星爆発およびブラックホール誕生過程の解明 柴田 大 京都大学・基礎物理学研究所 物理・素粒 子・宇宙 10,260,608 10,198,601 分野5 牧野 淳一郎 東京工業大学大学院理工学研 物理・素粒 究科理学研究流動機構 子・宇宙 9,293,857 7,450,601 分野5 物理・素粒 高エネルギー加速器研究機構 子・宇宙 882,590 875,537 分野5 hp140212 ダークマター密度ゆらぎから生まれる第1世代天体形成 計算科学推進体制構築 研究支援体制による高度化支援利 hp140213 橋本 省二 用 ■重点化促進枠利用課題 研究課題 代表者名 南海トラフ巨大地震による被害予測の高度化(長周期地震 参事官 hp140252 動) 名波 義明 課題番号 利用研究課題名 所属機関名 内閣府(防災担当) - 85 - 分野 環境・防災・ 減災 割当資源量 (ノード時間積) 320,000 利用実績 (ノード時間積) 251,808 備考 参考資料2 成果論文リスト (1)一般課題 課題番号 分類 発表年月 著者・所属 タイトル 1 hp120011,h 原著論文 p130008 2014年4月 Y. Idomura, M. Nakata(JAEA), S. Jolliet(EPFL) 2 hp140044,h 原著論文 p140227 2014年5月 3 hp120086,h 原著論文 p130022 Z. Torbatian(Univ. of Tokyo), T. Ozaki(JAIST), S. 2014年6月 Tsuneyuki(Univ. of Tokyo), Y. Gohda(Tokyo Tech and Univ. of Tokyo) T.-H. Watanabe(Nagoya U.), Y. Idomura, S. Maeyama, M. Nakata(JAEA), H. Sugama, M. Nunami, A. Ishizawa(NIFS) 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Progress of Full- f Gyrokinetic Simulation Toward Reactor Relevant Numerical Experiments Plasma Fusion Research, Vol.9, p.3503028 Exploring phase space turbulence in magnetic fusion plasmas CCP2013 Proceedings in Journal of Physics: Conference Series, Vol.510, p.012045 Strain effects on the magnetic anisotropy of Y2Fe14B Appl. Phys. Lett. 104, 242403 (2014). 4 hp120131 原著論文 Ohue, M., Matsuzaki, Y.(Tokyo Institute of Technology), MEGADOCK: An All-to-All Protein-Protein 2014年6月 Uchikoga, N.(Chuo University), Ishida, T., Akiyama, Y.(Tokyo Interaction Prediction System Using Tertiary Structure Institute of Technology) Data Protein & Peptide Letters, 21, 766--778. 5 hp120131 原著論文 Matsuzaki, Y., Ohue, M.(Tokyo Institute of Technology), 2014年6月 Uchikoga, N.(Chuo University), Akiyama, Y.(Tokyo Institute of Technology) Protein & Peptide Letters, 21, 790--798. 6 hp120146 原著論文 Tsukuru Ohwaki(Nissan Research Center, Nissan Motor Co., A method of orbital analysis for large-scale first2014年6月 Ltd.), Minoru Otani(Nanosystem Research Institute, AIST), principles simulations Taisuke Ozaki(Research Center for Simulation Science, JAIST) Journal of Chemical Physics, 140, 244105 (2014) Yasuhiro Kajima, Shuji Ogata, Ryo Kobayashi, Tomoyuki 2014年7月 Tamura(Nagoya Institute of Technology), Miyabi Hiyama(ISSP, Univ. of Tokyo) Fluctuating Local Recrystallization of Quasi-Liquid Layer of Sub-Micrometer-Scale Ice: A Molecular Dynamics Study J. Phys. Soc. Jpn., Vol. 83, pp.083601-1-4 Gapless Spin-Liquid Phase in an Extended Spin 1/2 Triangular Heisenberg Model J. Phys. Soc. Jpn., 83, 093707 (14) 7 hp120147,h p130022,hp 原著論文 140024,hp1 40214 Protein-protein Interaction Network Prediction by Using Rigid-Body Docking Tools: Application to Bacterial Chemotaxis hp120043,h 8 p120283,hp 原著論文 130007 2014年8月 Ryui Kaneko, Satoshi Morita, Masatoshi Imada(University of Tokyo) 9 hp120086 原著論文 2014年8月 Optical absorption spectra calculated from a firstMasayuki Ochi(The University of Tokyo), Shinji Tsuneyuki(The principles wave function theory for solids: transcorrelated method combined with configuration University of Tokyo, ISSP) interaction singles Journal of Chemical Theory and Computation 10, 4098-4103 10 hp120146 原著論文 2014年8月 Takahiro Ohkubo(Chiba University), Eiji Tsuchida(AIST), Yasuhiko Iwadate(Chiba University) Time-dependent Born charges of lithium borate melts by ab initio molecular dynamics Chemical Physics Letters Vol.612, pp.68-72 11 hp130037 原著論文 2014年8月 Daisuke Yamaki(Research Organization for Information Science and Technology(RIST)) Analysis method for comparison of two similar molecules using natural orbitals of the difference density Mol. Phys. matrix: application to substituent effects hp120043,h 12 p120283,hp 原著論文 130007 13 hp130070,h 原著論文 p130098 2014年9月 Takahiro Misawa, Masatoshi Imada(University of Tokyo) Origin of High-Tc Superconductivity in Doped Hubbard Models and Their Extensions: Roles of Uniform Phys. Rev. B, 90, 115137 (1-16) Charge Fluctuations 2014年9月 Hiroki Nakano(U. of Hyogo), Toru Sakai(JAEA) Anomalous Behavior of the Magnetization Process of J. Phys. Soc. Jpn. 83, 104710 the S = 1/2 Kagome-Lattice Heisenberg (2014) Antiferromagnet at One-Third Height of the Saturation - 86 - 課題番号 分類 発表年月 著者・所属 タイトル 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) 14 hp140054 原著論文 2014年9月 Kenji IIda(IMS), Masashi Noda(IMS), Katsuyuki Nobusada(IMS) Theoretical Approach for Optical Response in Electrochemical Systems: Application to Electrode Potential Dependence of Surface-Enhanced-Raman Scattering J. Chem. Phys. 141, 124124 15 hp120010 原著論文 2014年10月 R. V. Belosludov, Y. Kawazoe(Tohoku University), R. K. Zhdanov, O. S. Subbotin, V. R. Belosludov(Nikolaev Institute of Inorganic Chemistry), H. Mizuseki(Korea Institute of Science and Technology) Theoretical Study of Hydrogen Storage in Binary Hydrogen-methane Clathrate Hydrates J. Renewable Sustainable Energy 6 (2014) 053132. 原著論文 Yousuke Ohno, Gentaro Morimoto, Noriaki Okimoto, Yoshinori Hirano, Makoto Taiji(Laboratory for Computational Molecular Design, Computational Biology Research Core, RIKEN Quantitative Biology Center), Rio Yokota, Huda Ibeid(Computer, Electrical, and Mathematical and Engineering Petascale molecular dynamics simulation using the fast 2014年10月 Division, King Abdullah University of Science and Technology, multipole method on K computer Saudi Arabia), Hiroshi Koyama, Aki Hasegawa, Gen Masumoto(High-performance Computing Team, RIKEN Computational Science Research Program), Tetsu Narumi(Department of Computer Science, The University of Electro-Communications) 16 hp120068 17 hp120245,h p120300,hp 原著論文 120301,hp1 30004 18 hp130120 原著論文 hp140081,h 19 p120092,hp 原著論文 140064 20 hp120086,h 原著論文 p140150 21 hp140054 22 原著論文 hp120043,h p120283,hp 原著論文 130007,hp1 40215 2014年10月 Kazuyuki Uchida,Shinnosuke Furuya,Jun-Ichi Iwata,Atsushi Oshiyama(The University of Tokyo) Atomic corrugation and electron localization due to Moire patterns in twisted bilayer graphene Susanne Kunkel(Juelich Research Centre, RIKEN), Maximilian Schmidt, Jochen M. Eppler(Juelich Research Centre and JARA), Hans E. Plesser(Juelich Research Centre and JARA, Norwegian University of Life Sciences), Gen Masumoto, Tomoki Fukai(RIKEN), Jun Igarashi(Okinawa Institute of Spiking network simulation code for petascale 2014年10月 Science and Technolog), Shin Ishii(Kyoto University), Abigail computers Morrison(Juelich Research Centre, Juelich Research Centre and JARA, Ruhr-University Bochum), Markus Diesmann(Juelich Research Centre and JARA, RIKEN, RWTH University), Moritz Helias(RIKEN, Juelich Research Centre and JARA) Computer Physics Communications, Vol. 185, pp. 2575-2585 Physical Review B, 90, 155451 Frontiers in Neuroinformatics, 2014; 8: 78 Takayuki Umeda(Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Communications in Computer and Performance tuning of Vlasov code for space plasma on 2014年10月 Nagoya University), Keiichiro Fukazawa(Research Institute for Information Science Vol.474, the K computer Information Technology, Kyushu University) pp.127-138 2014年11月 Jun Fujisaki, Atsushi Furuya, Yuji Uehara, Koichi Shimizu(Fujitsu Limited), Hirotaka Oshima(Fujitsu Laboratories Limited), Tadakatsu Ohkubo, Satoshi Hirosawa, Kazuhiro Hono(National Institute for Materials Science) 2014年11月 First-Principles Computational Visualization of Kenji IIda(IMS), Masashi Noda(IMS), Kazuya Ishimura(IMS), Localized Surface Plasmon Resonance in Gold Katsuyuki Nobusada(IMS) Nanoclusters 2014年12月 Takahiro Misawa, Masatoshi Imada(University of Tokyo) - 87 - Micromagnetic Simulations of Magnetization Reversal in Misaligned Multigrain Magnets with Various Grain Boundary Properties by Using Large Scale Parallel Computing Superconductivity and its mechanism in an ab initio model for electron-doped LaFeAsO IEEE Transaction on Magnetics J. Phys. Chem. A, 118, 11317, 2014 Nature Commun. 5, 5738 (1-11), (2014) 課題番号 23 hp130047 分類 原著論文 発表年月 著者・所属 Hiroshi Watanabe(ISSP, The University of Tokyo), Masaru 2014年12月 Suzuki(Kyushu University), Hajime Inaoka(AICS, RIKEN), Nobuyasu Ito(The University of Tokyo) 24 hp130070,h 原著論文 p130098 2014年12月 25 hp130070,h 原著論文 p130098 2014年12月 Toru Sakai(JAEA), Hiroki Nakano(U. of Hyogo) 26 hp140135 27 原著論文 hp120043,h p120283,hp 原著論文 130007,hp1 40215 28 hp120086 原著論文 タイトル Toru Sakai(JAEA), Hiroki Nakano(U. of Hyogo), Kouichi Okunishi(Niigata University) 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Ostwald ripening in multiple-bubble nuclei The Journal of Chemical Physics, vol. 141, pp. 234703 (2014) Exotic Quantum Phase Transition of the Spin Nanotube Journal of Physics: Conference Series 568 (2014) 042024 Novel Field Induced Quantum Phase Transition of the Kagome Lattice Antiferromagnet Journal of Physics: Conference Series 568 (2014) 042025 情報処理学会研究報告. [ハイパ 森下浩二,横川三津夫(神戸大学), 宇野篤也(理化学研究所 一様等方性乱流の直接数値シミュレーションコードの フォーマンスコンピューティング] 2014年12月 計算科学研究機構), 石原 卓(名古屋大学), 金田行雄(愛知 京コンピュータ向け最適化 2014-HPC-147(17), 1-5, 2014工業大学) 12-02 Quantum Spin Liquid in Spin 1/2 J1-J2 Heisenberg Satoshi Morita(University of Tokyo), Ryui Kaneko(Goethe Model on Square Lattice: Many-Variable Variational 2015年1月 University Frankfurt am Main), Masatoshi Imada(University of Monte Carlo Study Combined with Quantum-Number Tokyo) Projections Masayuki Ochi(Department of Physics, The University of 2015年1月 Tokyo), Shinji Tsuneyuki(Department of Physics, ISSP, The University of Tokyo) J. Phys. Soc. Jpn. 84, 024720 (111), (2015) Second-order Møller-Plesset perturbation theory for the transcorrelated Hamiltonian applied to solid-state Chem. Phys. Lett. 621, 177 calculations 29 hp120115,h 原著論文 p130092 Xiao-Yong Jin(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Hyogo 650-0047, Japan), Yoshinobu Kuramashi(Faculty of Pure and Applied Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba, Ibaraki 305-8571, Japan, Center for Computational Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba, Ibaraki 305-8577, Japan, RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Hyogo 650-0047, Japan), Critical endpoint of the finite temperature phase Yoshifumi Nakamura(RIKEN Advanced Institute for 2015年1月 transition for three flavor QCD Computational Science, Kobe, Hyogo 650-0047, Japan, Graduate School of System Informatics, Department of Computational Sciences, Kobe University, Kobe, Hyogo 6578501, Japan), Shinji Takeda(Institute of Physics, Kanazawa University, Kanazawa 920-1192, Japan, RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Hyogo 650-0047, Japan), Akira Ukawa(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Hyogo 650-0047, Japan) 30 hp120222,h 原著論文 p140127 Y. Matsumoto(Chiba University), T. Amano(The University of Stochastic electron acceleration during spontaneous 2015年2月 Tokyo), T. N. Kato(National Astronomical Observatory Japan), turbulent reconnection in a strong shock wave M. Hoshino(The University of Tokyo) Physical Review D, 91, 014508 Science, 347, 974-978 hp140136,h 31 p130007,hp 原著論文 140215 2015年2月 Kazuya Shinjo(Yukawa Institute for Theoretical Physics, Kyoto Density-matrix renormalization group study of the University), Shigetoshi Sota(RIKEN Advanced Institute for extended Kitaev-Heisenberg model Computational Scien), Takami Tohyama(Department of Applied Physics, Tokyo University of Science) 32 hp140150 2015年2月 Yosuke Harashima(AIST and NIMS), Kiyoyuki Terakura(AIST First-Principles Study of Structural and Magnetic JPS Conference Proceedings, 5, and NIMS), Hiori Kino(NIMS), Shoji Ishibashi(AIST), Takashi Properties of R(Fe,Ti)12 and R(Fe,Ti)12N (R=Nd, Sm, 011021 Miyake(AIST and NIMS) Y) 33 会議論文 hp140200,h p120297,hp 原著論文 130006,hp1 40228 Improvement in Empirical Potential Functions for Increasing the Utility of Molecular Dynamics Simulations 2015年3月 Takefumi Yamashita(Univ. Tokyo) - 88 - PHYSICAL REVIEW B 91, 054401 (10 pages) (2015) JPS Conf. Proc. 5, 010003 (2015) (2)若手人材育成課題 課題番号 1 hp120092 2 hp120084 3 分類 T. Umeda, Y. Ito(Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Nagoya University) 原著論文 Yausmasa Ashida(Kyoto University), Ikkoh 2014年5月 Funaki(ISAS/JAXA), Hiroshi Yamakawa(Kyoto University), Yoshihiro Kajimura(Akashi National College of Technology) 2014年7月 原著論文 Takayuki Umeda, Satoshi Ueno(Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Nagoya University), Takuma K. M. Nakamura(XComputational Physics Division, Los Alamos National Laboratory) 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Entry of solar-wind ions into the wake of a small body with a magnetic anomaly: A global Vlasov simulation Planetary and Space Science, Vol.93-94, pp.35-40 Analysis of Small-scale Magneto Plasma Sail and Propulsive Characteristics TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, AEROSPACE TECHNOLOGY JAPAN, Vol. 12, pp. Tb_11-Tb_18 Plasma Physics and Controlled Ion kinetic effects on nonlinear processes of the KelvinFusion, Vol.56, No.7, 075006 Helmholtz instability (11pp.) Takayuki Umeda(Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Communications in Computer and Performance tuning of Vlasov code for space plasma on 2014年10月 Nagoya University), Keiichiro Fukazawa(Research Institute for Information Science Vol.474, the K computer Information Technology, Kyushu University) pp.127-138 学術誌記事 2015年2月 hp140127,h 原著論文 p120222 7 hp120173 タイトル 2014年4月 hp120092,h 4 p140064,hp 原著論文 140081 6 著者・所属 原著論文 hp120092,h 原著論文 p140064 5 hp140077 発表年月 Building Blocks for Two-Dimensional Metal-Organic Ralph Koitz(University of Zurich), Marcella Iannuzzi(University Frameworks Confined at the Air-Water Interface: An of Zurich), Jürg Hutter(University of Zurich) Ab Initio Molecular Dynamics Study Y. Matsumoto(Chiba University), T. Amano(The University of Stochastic electron acceleration during spontaneous 2015年2月 Tokyo), T. N. Kato(National Astronomical Observatory Japan), turbulent reconnection in a strong shock wave M. Hoshino(The University of Tokyo) 2015年3月 Naoyuki Miyashita(RIKEN QBiC), Suyong Re(RIKEN), Yuji Sugita(RIKEN QBiC) Journal of Physical Chemistry C Science, 347, 974-978 REIN: Replica-exchange INterface for simulating protein dynamics and function International Journal of Quantum Chemistry, Vol. 115, 325-332 8 hp130072,h 原著論文 p140124 Yoshiaki Miyamoto(RIKEN AICS), Junshi Ito(University of 2015年3月 Tokyo), Seiya Nishizawa(RIKEN AICS), Hirofumi Tomita(RIKEN AICS) A linear thermal stability analysis of discretized fluid equations DOI:10.1007/s00162-015-0345-x 9 hp130081,h 原著論文 p140215 Takafumi Suzuki(University of Hyogo), Kenji Harada(Kyoto 2015年3月 University), Haruhiko Matsuo(RIST), Synge Todo(University of Tokyo) and Naoki Kawashima(ISSP, University of Tokyo) Thermal phase transition of generalized Heisenberg models for SU(N) spins on square and honeycomb lattices Phys. Rev. B 91, 094414 (2015) 10 hp130081,h 会議論文 p140215 Takafumi Suzuki(University of Hyogo), Kenji Harada(Kyoto 2015年3月 University), Haruhiko Matsuo(RIST), Synge Todo(University of Tokyo), Naoki Kawashima(ISSP, University of Tokyo) Thermal phase transitions to valence-bond-solid phase in the two dimensional; generalized SU(N) Heisenberg models J. Phys.:Conf. Ser. 592, 012114 (2015). - 89 - (3)産業利用課題 課題番号 発表年月 著者・所属 タイトル 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) 原著論文 2014年7月 地震観測結果に基づく免震建物を支持する格子状 濱田純次,重野喜政,中村尚弘,谷川友浩,山下清(竹中工務店 地盤改良を併用したパイルド・ラフト基礎の地震 技術研究所), 鬼丸貞友(竹中工務店大阪本店設計部) 時シミュレーション解析 日本建築学会構造系論文集, 第 79巻, 第701号 hp140071,h 原著論文 p130021 2014年7月 K. Sodeyama(Kyoto Univ., NIMS), Y. Yamada(Univ. Tokyo, Sacrificial anion reduction mechanism for Kyoto Univ.), K. Aikawa(NIMS), A. Yamada(Univ. Tokyo, electrochemical stability improvement in highly Kyoto Univ.), Y. Tateyama(NIMS, JST-PRESTO, Kyoto Univ.) concentrated Li-salt electrolyte J. Phys. Chem. C, 118, 1409114097 (2014). 1 hp120082 2 分類 3 hp140073 原著論文 2014年11月 本橋英樹,野中哲也,坂本佳子(株式会社地震工学研究開 広域3次元津波シミュレーションにおける造波境 発センター), 中村真貴,原田隆典(宮崎大学) 界の設定方法 土木学会論文集B2(海岸工 学)),Vol.70,No.2,Ⅰ_181Ⅰ_185 4 hp120051 会議論文 2014年12月 ファム バン フック(清水建設(株)技術研究所), 野津 剛(清水建設(株)技術研究所), 菊池浩利(清水建設(株) LESのSGSモデルによる一様流中のセットバック 技術研究所), 日比一喜((株)数値フローデザイン), 田村 した建物の局部風圧の検討 幸雄(東京工芸大学) 風工学シンポジウム論文集, Vol.23,pp.463-468 2015年3月 Takashi Segi(KOBELCO RESEARCH INSTITUTE, INC.), Rinun Shu(KOBELCO RESEARCH INSTITUTE, INC.,), Takayuki Tsubota(KOBELCO RESEARCH INSTITUTE, INC.,), Tatsuya Yamaue(KOBELCO RESEARCH INSTITUTE, INC.,) JPS Conf. Proc. , 011014 (2015) hp120191,h 5 会議論文 p140095 - 90 - Evaluation of the transport properties of a degenerated Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O2 positive electrode using density functional theory (4)戦略プログラム分野1 課題番号 分類 hp120297,h 1 p130006,hp 原著論文 140228 発表年月 著者・所属 タイトル 2014年7月 Takefumi Yamashita(University of Tokyo), Akihiko Ueda, Takashi Mitsui, Atsushi Tomonaga, Shunji Matsumoto(Fujitsu Limited), Tatsuhiko Kodama, Hideaki Fujitani(University of Tokyo) Molecular Dynamics Simulation-Based Evaluation of the Chemical and Pharmaceutical Binding Free Energies of Computationally Designed Bulletin vol.62 pp. 661-667 Drug Candidates: Importance of the Dynamical Effects Relevance of cardiomyocyte mechano-electric coupling to stretch-induced arrhythmias: optical voltage/calcium measurement in mechanically stimulated cells, tissues and organs Progress in Biophysics and Molecular Biology, 115(2–3), pp. 129–139 Metagenome fragment classification based on multiple motif-occurrence profiles PeerJ, Vol.2, e559 Spiking network simulation code for petascale computers. Frontiers in Neuroinfomatics, Volume 8 2 hp120302,h p120306,hp 原著論文 130019,hp1 40234 2014年8月 Seo K(The Johns Hopkins Medical Institutions), Inagaki M(National Cerebral and Cardiovascular Center Research Institute), Hidaka I(The University of Tokyo), Fukano H(The University of Tokyo), Sugimachi M(National Cerebral and Cardiovascular Center Research Institute), Hisada T(The University of Tokyo), Nishimura S(Jichi Medical University, The University of Tokyo), Sugiura S(The University of Tokyo) 3 hp140230,h 原著論文 p140118 2014年9月 Naoki Matsushita, Shigeto Seno, Yoichi Takenaka, Hideo Matsuda(Osaka University) 4 hp140234 原著論文 hp120306,h 5 p130019,hp 原著論文 140234 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Susanne Kunkel, Maximilian Schmidt, Jochen M. Eppler, HansE.Plesser,(Juelich Research Certre), Gen 2014年10月 Masumoto,(RIKEN), Jun Igarashi(OIST), Shin Ishii(Kyoto Univ.), Tomoki Fukai,(RIKEN), Abigail Morrison, Markus Diesmann, and Moritz Helias(Juelich Research Centre) 2014年12月 Naoto YAMAMURA(The University of Tokyo), Jose Luis Effect of tendon stiffness on the generated force at the ournal of Biomechanical Science ALVES(University of Minho), Toshiaki ODA(Hyogo University Achilles tendon - 3D finite element simulation of a and Engineering, Vol.9, No.3 of Teacher Education), Ryuta KINUGASA(Kanagawa human triceps surae muscle during isometric contraction (2014), p.13-00294. University), Shu TAKAGI(The University of Tokyo) 6 hp130003,h 原著論文 p140229 2015年1月 Kono H.(Japan Atomic Energy Agency), Shirayama K, Arimura Two Arginine Residues Suppress the Flexibility of Y, Tachiwana H, Kurumizaka H.(Waseda Univ.) Nucleosomal DNA in the Canonical Nucleosome Core 7 hp120297,h p130006,hp 原著論文 140200,hp1 40228 2015年3月 Takefumi Yamashita(Univ. Tokyo) Improvement in Empirical Potential Functions for Increasing the Utility of Molecular Dynamics Simulations hp120297,h 8 p130006,hp 原著論文 140228 2015年3月 Takefumi Yamashita(Univ. Tokyo), Akihiko Ueda, Takashi Mitsui, Atsushi Tomonaga, Shunji Matsumoto(Fujitsu limited), Tatsuhiko Kodama, Hideaki Fujitani(Univ. Tokyo) Chemical and Pharmaceutical The Feasibility of an Efficient Drug Design Method with Bulletin, vol. 63, pp. 147–155 High-Performance Computers (2015) 2015年3月 Naoyuki Miyashita(Laboratory for Biomolecular Function Simulation, Computational Biology Research Core, RIKEN Quantitative Biology Center (QBiC)), Suyong Re(RIKEN Theoretical Molecular Science Laboratory), Yuji Sugita(RIKEN Theoretical Molecular Science Laboratory, Laboratory for REIN: Replica-Exchange INterface for Simulating Biomolecular Function Simulation, Computational Biology Protein Dynamics and Function Research Core, RIKEN Quantitative Biology Center (QBiC), RIKEN iTHES, Computational Biophysics Research Team, Research Division, RIKEN Advanced Institute for Computational Sciences (AICS)) 9 hp140229,h 原著論文 p120173 - 91 - PLoS ONE.10:e0120635. JPS Conf. Proc. 5, 010003 (2015) International Journal of Quantum Chemistry, Vol. 115, 325-332 (5)戦略プログラム分野2 課題番号 1 hp130004 2 hp130032 分類 発表年月 著者・所属 タイトル Z.-X. Guo(Xiangtan University), A. Oshiyama(School of Engineering, The University of Tokyo) Structural Tristability and Deep Dirac States in Bilayer Silicene on Ag(111) Surfaces 原著論文 2014年4月 原著論文 Qing-Miao Nie(Institute for Molecular Science & Nagoya University), Akio Togashi(Nagoya University), Takeshi N. Coupling of Lever Arm Swing and Biased Brownian 2014年4月 Sasaki(Aichi Shukutoku University), Mitsunori Takano(Waseda Motion in Actomyosin University), Masaki Sasai(Nagoya University), Tomoki P. Terada(Nagoya University) Masatoshi Imada, Youhei Yamaji, Moyuru Kurita(University of Electron Correlation Effects on Topological Phases Tokyo) 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Phys. Rev. B, 89 PLoS Comput Biol 10, e1003552 J. Phys. Soc. Jpn. 83, 061017 (19), (2014) 3 hp120283,h 原著論文 p130007 2014年5月 4 hp120283,h 原著論文 p130007 2014年5月 Youhei Yamaji, Masatoshi Imada(University of Tokyo) Metallic Interface Emerging at Magnetic Domain Wall of Antiferromagnetic Insulator: Fate of Extinct Weyl Electrons Phys. Rev. X 4, 021035(1-27), (2014) 5 hp120283,h 原著論文 p130007 2014年5月 Takahiro Ohgoe, Masatoshi Imada(University of Tokyo) Variational Monte Carlo Method for Electron-Phonon Coupled Systems Phys. Rev. B 89, 195139 (1-10), (2014) hp120290,h 6 p130032,hp 原著論文 140225 2014年6月 7 hp130021 原著論文 2014年6月 N. Bonnet(ISSP), M. Otani(AIST), O. Sugino(ISSP) 8 hp130022 原著論文 2014年6月 9 hp130022,h 原著論文 p120086 hp120292,h 10 p120293,hp 原著論文 130011 Yu-ya Ohnishi(Kobe University), Kazuya Ishimura(Institute for Interaction Energy of Large Molecules from Restrained J. Chem. Theory Comput., 10, Molecular Science), Seiichiro Ten-no(Kobe University) Denominator MP2-F12 4857-4861 Self-Poisoning Dynamical Effects in the Oxygen Reduction Reaction on Pt(111) from a Top-Down Kinetic Analysis Journal of Physical Chemistry C, 118, 13638-13643 Massively Parallel Implementation of 3D-RISM Calculation with Volumetric 3D-FFT J. Comput. Chem., 35, 1347-1355 Z. Torbatian(Univ. of Tokyo), T. Ozaki(JAIST), S. 2014年6月 Tsuneyuki(Univ. of Tokyo), Y. Gohda(Tokyo Tech and Univ. of Tokyo) Strain effects on the magnetic anisotropy of Y2Fe14B Appl. Phys. Lett. 104, 242403 (2014). 2014年7月 Y.Andoh, S.Muraoka, S.Okazaki(Nagoya University) Molecular dynamics study of changes in physicochemical properties of DMPC lipid bilayers by addition of nonionic surfactant C12E10 Mol.Siml., in press (2014) 特集 スーパーコンピュータ「京」の利用 3 ウィルスの 全原子分子動力学シミュレーション 情報処理、vol.55, No.8 Yutaka Maruyama(Keio University), Norio Yoshida(Kyushu University), Hiroto Tadano, Daisuke Takahashi, Mitsuhisa Sato(Tsukuba University), Fumio Hirata(Ritsumeikan University) 11 hp130011,h レビュー論 2014年7月 安藤嘉倫、岡崎進(名古屋大学) p140217 文 12 hp130021,h 原著論文 p140071 Sacrificial anion reduction mechanism for K. Sodeyama(Kyoto Univ., NIMS), Y. Yamada(Univ. Tokyo, 2014年7月 Kyoto Univ.), K. Aikawa(NIMS), A. Yamada(Univ. Tokyo, electrochemical stability improvement in highly Kyoto Univ.), Y. Tateyama(NIMS, JST-PRESTO, Kyoto Univ.) concentrated Li-salt electrolyte J. Phys. Chem. C, 118, 1409114097 (2014). 13 hp130022,h p120147,hp 原著論文 140024,hp1 40214 Yasuhiro Kajima, Shuji Ogata, Ryo Kobayashi, Tomoyuki Fluctuating Local Recrystallization of Quasi-Liquid 2014年7月 Tamura(Nagoya Institute of Technology), Miyabi Hiyama(ISSP, Layer of Sub-Micrometer-Scale Ice: A Molecular Univ. of Tokyo) Dynamics Study J. Phys. Soc. Jpn., Vol. 83, pp.083601-1-4 hp120283,h 14 p120043,hp 原著論文 130007 2014年8月 Ryui Kaneko, Satoshi Morita, Masatoshi Imada(University of Tokyo) - 92 - Gapless Spin-Liquid Phase in an Extended Spin 1/2 Triangular Heisenberg Model J. Phys. Soc. Jpn., 83, 093707 (14) 課題番号 分類 hp120283,h 15 p120043,hp 原著論文 130007 発表年月 著者・所属 タイトル 2014年9月 Takahiro Misawa, Masatoshi Imada(University of Tokyo) hp120298,h レビュー論 香山正憲(産業技術総合研究所), 田中真悟(産業技術総合 16 p130016,hp 2014年9月 文 研究所), 椎原良典(東京大学生産技術研究所) 140233 17 hp120301,h p130004,hp 原著論文 140066,hp1 40224 Ayako Nakata, Tsuyoshi Miyazaki(National Institute for 2014年9月 Materials Science), David R. Bowler(University College London) Origin of High-Tc Superconductivity in Doped Hubbard Models and Their Extensions: Roles of Uniform Charge Fluctuations 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Phys. Rev. B, 90, 115137 (1-16) 局所エネルギー・局所応力の第一原理計算法開発 まてりあ, Vol.53, pp.405-409 と材料界面への適用 Efficient Calculations with Multisite Local Orbitals in a J. Chem. Theory Comput., 10, Large-Scale DFT Code CONQUEST 4813-4822 (2014) 18 hp130007 原著論文 Youhei Yamaji, Yusuke Nomura, Moyuru Kurita(University of First-Principles Study of the Honeycomb-Lattice 2014年9月 Tokyo), Ryotaro Arita(RIKEN), Masatoshi Imada(University of Iridates Na2IrO3 in the Presence of Strong Spin-Orbit Tokyo) Interaction and Electron Correlations 19 hp140216 原著論文 2014年9月 T. Yagasaki, M. Matsumoto, H. Tanaka(Okayama Univ.), Y. Andoh, S. Okazaki(Nagoya Univ.) Dissociation of Methane Hydrate in Aqueous NaCl Solutions J. Phys. Chem. B 118, 1179711804 (2014) 20 hp140224 原著論文 2014年9月 Huy Duy Nguyen(Osaka University), Tomoya Ono(Osaka University) Electronic Structures and Magnetic Anisotropy Energies of Graphene with Adsorbed Transition-Metal Adatoms Journal of Physical Society of Japan, 83(9) 094716 1-4 (2014) hp120292,h p120293,hp 21 原著論文 130011,hp1 40217 Y. Andoh, N. Yoshii, A. Yamada(Nagoya University), K. Fujimoto(Ritsumeikan University), H. Kojima, K. All-atom molecular dynamics calculation study of 2014年10月 Mizutani(Nagoya University), A. Nakagawa(Institute for Protein entire poliovirus empty capsids in solution Research, Osaka University), A. Nomoto(Institute of Microbial Chemistry), S. Okazaki(Nagoya University) Phys. Rev. Lett, 113, 107201 (15) J. Chem. Phys., 141, 165101 (2014) hp120300,h p120245,hp 原著論文 120301,hp1 30004 2014年10月 Kazuyuki Uchida,Shinnosuke Furuya,Jun-Ichi Iwata,Atsushi Oshiyama(The University of Tokyo) Atomic corrugation and electron localization due to Moire patterns in twisted bilayer graphene hp120300,h 23 p120301,hp 原著論文 130004 2014年10月 M. Arita(National Institute for Materials Science, Tokyo University of Science), S. Arapan(National Institute for Materials Science), D. R. Bowler(University College London), T. Miyazaki(National Institute for Materials Science) Large-scale DFT simulations with a linear-scaling DFT Journal of Advanced Simulation code Conquest on K-c omputer in Science and Engineering hp120290,h 24 p130032,hp 原著論文 140225 2014年11月 Yu-ya Ohnishi(Kobe University), Kazuya Ishimura(Institute for Massively parallel MP2-F12 calculations on the K Molecular Science), Seiichiro Ten-no(Kobe University) computer 22 Physical Review B, 90, 155451 Int. J. Quantum Chem., 115, 333341 25 hp120283,h p120043,hp 原著論文 130007,hp1 40215 2014年12月 Takahiro Misawa, Masatoshi Imada(University of Tokyo) Superconductivity and its mechanism in an ab initio model for electron-doped LaFeAsO Nature Commun. 5, 5738 (1-11), (2014) 26 hp120292,h p120293,hp 原著論文 130011,hp1 40217 N.Yoshii, Y. Andoh, K. Fujimoto, H. Kojima(Nagoya 2014年12月 University), A. Yamada(CNRS, CRPP -University of Bordeaux), S. Okazaki(Nagoya University) MODYLAS: A highly parallelized general-purpose molecular dynamics simulation program International Journal of Quantum Chemistry, 115(5), 342-348 - 93 - 課題番号 分類 hp120300,h p120301,hp 27 130004,hp1 原著論文 40066,hp14 0224 28 hp120283,h p120043,hp 原著論文 130007,hp1 40215 hp130007,h 29 p140136,hp 原著論文 140215 30 hp130007,h 原著論文 p140215 31 hp140224 原著論文 発表年月 著者・所属 タイトル 2014年12月 M. Arita(National Institute for Materials Science, Tokyo University of Science), D. R. Bowler(University College London), T. Miyazaki(National Institute for Materials Science, Tokyo University of Science) Stable and Efficient Linear Scaling First-Principles Molecular Dynamics for 10,000+ atoms Quantum Spin Liquid in Spin 1/2 J1-J2 Heisenberg Satoshi Morita(University of Tokyo), Ryui Kaneko(Goethe Model on Square Lattice: Many-Variable Variational 2015年1月 University Frankfurt am Main), Masatoshi Imada(University of Monte Carlo Study Combined with Quantum-Number Tokyo) Projections 2015年2月 Kazuya Shinjo(Yukawa Institute for Theoretical Physics, Kyoto University), Shigetoshi Sota(RIKEN Advanced Institute for Density-matrix renormalization group study of the Computational Scien), Takami Tohyama(Department of extended Kitaev-Heisenberg model Applied Physics, Tokyo University of Science) 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) JOURNAL OF CHEMICAL THEORY AND COMPUTATION J. Phys. Soc. Jpn. 84, 024720 (111), (2015) PHYSICAL REVIEW B 91, 054401 (10 pages) (2015) H. Matsuzaki, H. Nishioka, H. Uemura, H. Okamoto(Department of Advanced Materials Science, Graduate School of Frontier Sciences, University of Tokyo), A. 2015年2月 Sawa(National Institute of Advanced Industrial Science and Technology), S. Sota(RIKEN Advanced Institute for Computational Science), T. Tohyama(Department of Applied Physics, Tokyo University of Science) Ultrafast charge and lattice dynamics in onedimensional Mott insulator of CuO-chain compound Ca2CuO3 investigated by femtosecond absorption spectroscopy PHYSICAL REVIEW B 91, 081114(R) (5 pages) (2015) 2015年2月 Tomoya Ono(Univ. Tsukuba), Shoichiro Saito(Osaka Univ.) First-principles study on the effect of SiO2 layers during oxidation of 4H-SiC Applied Physics Letters 106(8) 081601 1-4 (2015) Phys. Rev. B 91, 094414 (2015) 32 hp140215,h 原著論文 p130081 Takafumi Suzuki(University of Hyogo), Kenji Harada(Kyoto 2015年3月 University), Haruhiko Matsuo(RIST), Synge Todo(University of Tokyo) and Naoki Kawashima(ISSP, University of Tokyo) Thermal phase transition of generalized Heisenberg models for SU(N) spins on square and honeycomb lattices 33 hp140215,h 会議論文 p130081 Takafumi Suzuki(University of Hyogo), Kenji Harada(Kyoto 2015年3月 University), Haruhiko Matsuo(RIST), Synge Todo(University of Tokyo), Naoki Kawashima(ISSP, University of Tokyo) Thermal phase transitions to valence-bond-solid phase J. Phys.:Conf. Ser. 592, 012114 in the two dimensional; generalized SU(N) Heisenberg (2015). models 34 hp140224 原著論文 2015年3月 Huy Duy Nguyen(Osaka Univ.), Tomoya Ono(Univ. Tsukuba) Electron-transport properties of ethyne-bridged diphenyl zinc-porphyrin molecules 35 hp140224 レビュー 論文 2015年3月 小野倫也(筑波大学) 実空間差分法に基づく第一原理輸送特性計算によ シミュレーション, 34(1) 18-22 るナノ構造体の電子輸送特性 (2015) - 94 - Japanese Journal of Applied Physics 54(5) 055201 1-4 (2015) (6)戦略プログラム分野3 課題番号 分類 発表年月 著者・所属 タイトル 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) 原著論文 T. Miyakawa(JAMSTEC), M. Satoh(AORI, University of Tokyo), H. Miura(University of Tokyo), H. Tomita(AICS RIKEN), H. Yashiro(AICS RIKEN), A. T. Noda(JAMSTEC), 2014年5月 Y. Yamada(JAMSTEC), C. Kodama(JAMSTEC), M. Kimoto(AORI, University of Tokyo), K. Yoneyama(JAMSTEC) 原著論文 Yoshiaki Miyamoto(RIKEN Advanced Research Institute for Computational Science, Kobe, Japan), Masaki Satoh(Atmosphere and Ocean Research Institute, University of Tokyo, Chiba, and Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Yokohama, Japan), Hirofumi Tomita(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Japan), Gradient Wind Balance in Tropical Cyclones in High2014年5月 Kazuyoshi Oouchi(Japan Agency for Marine-Earth Science and Resolution Global Experiments Technology, Yokohama, Japan), Yohei Yamada(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Yokohama, Japan), Chihiro Kodama(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Yokohama, Japan), James Kinter III(Center for Ocean-Land-Atmosphere Studies, Fairfax, Virginia) Monthly Weather Review, 142, 1908–1926. 3 hp130010 原著論文 Tomoki Miyakawa(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Masaki Satoh(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology/ Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo), Hiroaki Miura(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology/ Department of Earth and Planetary Science, The University of Tokyo), Hirofumi Tomita(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology/ Advanced Institute for Computational Science, Madden-Julian Oscillation prediction skill of a new2014年5月 RIKEN), Hisashi Yashiro(Advanced Institute for generation global model Computational Science, RIKEN), Akira T. Noda(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Yohei Yamada(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Chihiro Kodama(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Masahide Kimoto(Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo), Kunio Yoneyama(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology) Nature Communications 5, Article number: 3769 4 hp130013 原著論文 Takuto Maeda(The University of Tokyo), Takashi 2014年5月 Furumura(The University of Tokyo), Kazushige Obara(The University of Tokyo) 原著論文 Shunsuke Homma(University of Tokyo, Japan), Kohei Fujita(University of Tokyo, Japan), Tsuyoshi A physics-based Monte Carlo earthquake disaster Ichimura(University of Tokyo, Japan), Muneo Hori(University simulation accounting for uncertainty in building 2014年6月 of Tokyo, Japan), Seckin Citak(Japan Agency for Marine-Earth structure parameters Science and Technology, Japan), Takane Hori(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Japan) 1 hp120313 2 hp130010 5 hp130015 - 95 - Madden-Julian Oscillation prediction skill of a newgeneration global model. Scattering of teleseismic P-waves by the Japan Trench: A significant effect of reverberation in the seawater column Nature communications, 5, 3769 Earth Planet. Sci. Lett., 397(1), 101-110 Procedia Computer Science, Volume 29, 2014, Pages 855–865 課題番号 分類 発表年月 著者・所属 タイトル 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) 6 hp130015 原著論文 Kohei Fujita(Department of Civil Engineering, The University of Tokyo, Tokyo, Japan/ Research Fellow of the Japan Society for the Promotion of Science), Tsuyoshi Ichimura(Earthquake Research Institute, The University of Tokyo, Tokyo, Japan), A quick earthquake disaster estimation system with fast Procedia Computer Science, vol., 2014年6月 Muneo Hori(Earthquake Research Institute, The University of urban earthquake simulation and interactive 29, pp. 866-876 Tokyo, Tokyo, Japan), M. L. L. Wijerathne(Earthquake visualization Research Institute, The University of Tokyo, Tokyo, Japan), Seizo Tanaka(Earthquake Research Institute, The University of Tokyo, Tokyo, Japan) 7 hp130015 原著論文 2014年6月 本間俊介(東京大学大学院工学系研究科), 藤田航平(東京大 土木学会論文集A1(構造・地 学大学院工学系研究科), 市村強(東京大学地震研究所), 堀 断層-都市系のパラメータ不確実性を考慮可能な統 震工学), Vol. 70 (2014) No. 4 宗朗(東京大学地震研究所), Seckin CITAK(海洋研究開発機 合地震シミュレータの開発 p. I_199-I_209 構), 堀高峰(海洋研究開発機構) hp120279,h 8 p130010,hp 原著論文 140219 Chihiro Kodama(Research Institute for Global Change, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Masaaki Terai(RIKEN Advanced Institute for Computational Science), Akira T. Noda(Research Institute for Global Change, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Yohei Yamada(Research Institute for Global Change, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Masaki Satoh(Research Institute for Global Change, Japan Agency for Scalable rank-mapping algorithm for an icosahedral grid Parallel Computing, Volume 40, Marine-Earth Science and Technology/ Atmosphere and Ocean 2014年8月 system on the massive parallel computer with a 3-D Issue 8, August 2014, Pages 362– Research Institute, The University of Tokyo), Tatsuya torus network 373 Seiki(Research Institute for Global Change, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Shin-ichi Iga(RIKEN Advanced Institute for Computational Science), Hisashi Yashiro(RIKEN Advanced Institute for Computational Science), Hirofumi Tomita(Research Institute for Global Change, Japan Agency for Marine-/ RIKEN Advanced Institute for Computational Science), Kazuo Minami(RIKEN Advanced Institute for Computational Science) 9 hp130015 2014年8月 原著論文 田邊将一(九州大学大学院 工学府建設システム工学専 攻), 浅井光輝(九州大学 工学研究院社会基盤部門), 中尾 3 次元粒子法による橋桁に作用する津波外力評価 尚史(土木研究所構造物メンテナンス研究センター), 伊津 とその精度検証 野和行(立命館大学 理工学部都市システム工学科) - 96 - 構造工学論文集, vol 60A, pp. 293-302 課題番号 10 hp130015 11 分類 原著論文 hp130010,r 原著論文 a000006 12 hp130015 13 hp130010 発表年月 著者・所属 タイトル 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Tsuyoshi Ichimura(Earthquake Research Institute, The University of Tokyo), Kohei Fujita(Research Fellow of the Japan Society for the Promotion of Science (DC), Department Three-dimensional Nonlinear Seismic Ground Response J. Pressure Vessel Technol. 2014年8月 of Civil Engineering, The University of Tokyo), Muneo Analysis of Local Site Effects for Estimating Seismic 136(4), 041702 (Apr 03, 2014) (8 Hori(Earthquake Research Institute, The University of Tokyo), Behavior of Buried Pipelines pages) Takashi Sakanoue(Tokyo Gas Co., Ltd.), Ryo Hamanaka(Tokyo Gas Co., Ltd.) Masaki Satoh(Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo/ Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Hirofumi Tomita(Japan Agency for MarineEarth Science and Technology/ RIKEN Advanced Institute for Computational Science), Hisashi Yashiro(RIKEN Advanced Institute for Computational Science), Hiroaki Miura(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology/ RIKEN Advanced Institute for Computational Science/ Department of Earth and Planetary Science, The University of Tokyo), Chihiro Kodama(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Tatsuya Seiki(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Akira T Noda(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Yohei Yamada(Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo/ Japan Agency for Marine-Earth Science The Non-hydrostatic Icosahedral Atmospheric Model: 2014年10月 and Technology), Daisuke Goto(National Institute for description and development Environmental Studies), Masahiro Sawada(Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo), Takemasa Miyoshi(RIKEN Advanced Institute for Computational Science), Yosuke Niwa(Meteorological Research Institute), Masayuki Hara(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Tomoki Ohno(Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo), Shin-ichi Iga(RIKEN Advanced Institute for Computational Science), Takashi Arakawa(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology/ Research Organization for Information Science and Technology), Takahiro Inoue(Japan Agency for MarineEarth Science and Technology/ Research Organization for Information Science and Technology), Hiroyasu Kubokawa(Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Tokyo) Progress in Earth and Planetary Science 2014, 1:18 doi:10.1186/s40645-014-0018-1 山下 拓三(防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究セン 日本建築学会構造系論文集, ター), 大崎 純(広島大学), 小檜山 雅之(慶應義塾大学), 宮 繰り返し載荷を受ける合成梁の詳細有限要素解析 vol. 79, No. 704, pp. 1481-1490 村 倫司(日本大学 工学部情報工学科), 張 景耀(名古屋市立 大学), 田川 浩之(防災科学技術研究所) 原著論文 2014年10月 原著論文 Yoshiaki Miyamoto(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Japan), Ryuji Yoshida(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Japan), Tsuyoshi Yamaura(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Japan), Hisashi Yashiro(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Japan), 2015年1月 Does convection vary in different cloud disturbances? Hirofumi Tomita(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Japan/ Seamless Environmental Prediction Research, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Yokohama-city, Kanagawa, Japan), Yoshiyuki Kajikawa(RIKEN Advanced Institute for Computational Science, Kobe, Japan) - 97 - Atmospheric Science Letters, DOI: 10.1002/asl2.558 課題番号 14 hp130010 分類 原著論文 hp120282,h 15 p130012,hp 原著論文 140220 16 hp120312,h 原著論文 p130014 発表年月 著者・所属 タイトル 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Masuo Nakano(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Yokohama, Kanagawa, Japan), Masahiro Sawada(Atmosphere and Ocean Research Institute, University of Tokyo, Kashiwa, Chiba, Japan), Tomoe Nasuno(Japan Intraseasonal variability and tropical cyclogenesis in the Geophysical Research Letters, 2015年1月 Agency for Marine-Earth Science and Technology, Yokohama, western North Pacific simulated by a global Volume 42, Issue 2, pages 565Kanagawa, Japan), Masaki Satoh(Japan Agency for Marinenonhydrostatic atmospheric model 571 Earth Science and Technology, Yokohama, Kanagawa, Japan/ Atmosphere and Ocean Research Institute, University of Tokyo, Kashiwa, Chiba, Japan) 2015年2月 Chen, G(Tohoku Univ.), X. Zhu(Tohoku Univ.), W. Sha(Tohoku Univ.), T. Iwasaki(Tohoku Univ.), H. Seko(MRI and JAMSTEC), K. Saito(MRI and JAMSTEC), H. Iwai(NICT), S. Ishii(NICT) Toward improved forecasts of sea-breeze horizontal convective rolls at super high resolutions. Part I: Configuration and verification of a Down-Scaling Simulation System (DS3) Monthly Weather Review, doi: 10.1175/MWR-D-14-00212.1, in press Baba, T(Institute of Technology and Science, The University of Tokushima (Dept. of Civil and Environmental Engineering)), K. Ando(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), D. Matsuoka(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), M. Hyodo(Japan Agency for MarineEarth Science and Technology), T. Hori(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), N. Takahashi(Japan Large-scale, high-speed tsunami prediction for the great Inter. Jour. of High Per. Comp. 2015年2月 Agency for Marine-Earth Science and Technology), R. Nankai trough earthquake on the K computer App., accepted Obayashi(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), Y. Imato(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), D. Kitamura(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), H. Uehara(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology), T. Kato(NEC Corporation), R. Saka(NEC Corporation) hp120282,h 17 p130012,hp 原著論文 140220 Guixing Chen(Department of Geophysics, Graduate School of Science, Tohoku University, Sendai, Japan), Xinyue Zhu(Department of Geophysics, Graduate School of Science, Tohoku University, Sendai, Japan), Weiming Sha(Department of Geophysics, Graduate School of Science, Tohoku University, Sendai, Japan), Toshiki Iwasaki(Department of Geophysics, Graduate School of Science, Tohoku University, Sendai, Toward Improved Forecasts of Sea-Breeze Horizontal 2015年4月 Japan), Hiromu Seko(Meteorological Research Institute, Convective Rolls at Super High Resolutions. Part II: The Impacts of Land Use and Buildings Tsukuba, Japan, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Yokohama, Japan), Kazuo Saito(Meteorological Research Institute, Tsukuba, Japan, Japan Agency for MarineEarth Science and Technology, Yokohama, Japan), Hironori Iwai(National Institute of Information and Communications Technology, Tokyo, Japan), Shoken Ishii(National Institute of Information and Communications Technology, Tokyo, Japan) 18 hp130010 A. Noda(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Kanagawa, Japan), M. Satoh(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Kanagawa, Japan/ Atmosphere and Ocean Research Institute, The University of Cold and warm rain simulated using a global Tokyo, Kashiwa), Y. Yamada(Japan Agency for Marine-Earth 2015年4月 nonhydrostatic model without cumulus J. Meteor. Soc. Japan, 93 Science and Technology, Kanagawa, Japan), C. Kodama(Japan parameterization, and their responses to global warming Agency for Marine-Earth Science and Technology, Kanagawa, Japan), T. Miyakawa(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Kanagawa, Japan), T. Seiki(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, Kanagawa, Japan) 原著論文 - 98 - Monthly Weather Review, doi:10.1175/MWR-D-1400230.1, in press (7)戦略プログラム分野4 課題番号 1 hp130001 2 分類 原著論文 hp130008,h 原著論文 p120011 発表年月 2014年4月 著者・所属 タイトル Hiroyuki Nishida(Tokyo University of Agriculture and Technology), Taku Nonomura, Abe Takashi(JAXA) 2014年4月 Y. Idomura, M. Nakata(JAEA), S. Jolliet(EPFL) 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) Three-dimensional simulations of discharge plasma evolution on a dielectric barrier discharge plasma actuator Journal of Applied Physics 115 Progress of Full- f Gyrokinetic Simulation Toward Reactor Relevant Numerical Experiments Plasma Fusion Research, Vol.9, p.3503028 3 hp140227 原著論文 S. Tanaka(Kobe Univ), Y. Mochizuki(Rikkyo Univ., IIS The Electron-correlated fragment-molecular-orbital 2014年4月 Univ. of Tokyo), Y. Komeiji(AIST), Y. Okiyama(IIS, the Univ. calculations for biomolecular and nano systems of Tokyo), K. Fukuzawa(Mizuho IR, IIS The Univ. of Tokyo) Physical Chemistry Chemical Physics, Physical Chemistry Chemical Physics, Vol.16, 1031010344 4 hp130002 原著論文 Nobuo Tajima, Tomoaki Kaneko, Jun Nara(NIMS, 2014年5月 MARCEED), Takahisa Ohno(NIMS, MARCEED, Univ. of Tokyo) Carbon atom reactions in the initial stage of CVD graphene growth on copper: a first principles study Japanese Journal of Applied Physics, 53, 05FD08 Exploring phase space turbulence in magnetic fusion plasmas CCP2013 Proceedings in Journal of Physics: Conference Series, Vol.510, p.012045 5 hp140227,h 原著論文 p140044 6 hp130001,h 学術誌記事 2014年7月 Kozo Fujii(JAXA) p140207 7 hp140227 原著論文 hp120294,h 8 原著論文 p130018 9 2014年5月 2014年9月 T.-H. Watanabe(Nagoya U.), Y. Idomura, S. Maeyama, M. Nakata(JAEA), H. Sugama, M. Nunami, A. Ishizawa(NIFS) High-performance computing based exploration of flow Philosophical Transaction A, control with micro devices Vol.372 pp.1471-2962 河村拓馬(JAEA),井戸村泰宏(JAEA),宮村浩子(JAEA),武宮 粒子ベースボリュームレンダリングを利用した遠 日本シミュレーション学会論 博(JAEA) 隔可視化システム 文誌, Vol.6, p.15 Masaya Muto(Kyoto University), Hiroaki Watanabe(Central Research Institute of Electric Power Industry), Ryoichi 2014年11月 Kurose(Kyoto University), Satoru Komori(Kyoto University), Saravanan Balusamy(University of Cambridge), Simone Hochgreb(University of Cambridge) Large-eddy simulation of pulverized coal jet flame Effect of oxygen concentration on NOx formation hp130001,h Taku Nonomura, Kozo Fujii(JAXA), Daiki Terakado, Yoshiaki A new technique for freestream preservation of finite学術誌記事 2015年1月 p140207 Abe(University of Tokyo) difference WENO on curvilinear grid 10 hp140227 原著論文 T. Kawamura(JAEA), Y. Idomura(JAEA), H. 2015年2月 Miyamura(JAEA), H. Takemiya(JAEA), N. Sakamoto(Kyoto U.), K. Koyamada(Kyoto U.) 11 hp140227 原著論文 2015年3月 K. Kato(Mizuho IR), K. Fukuzawa(Nihon Univ., IIS Univ. of Tokyo), Y. Mochizuki(Rikkyo Univ., IIS Univ. of Tokyo) - 99 - Fuel, 142, 152-163 Computers & Fluids 107 (2015) 242–255 Remote Visualization System based on Particle Based Volume Rendering Visualization and Data Analysis 2015, Proc. of SPIE-IS&T Electronic Imaging, Vol.9397, 93970S Modeling of hydroxyapatite - peptide interaction based on fragment molecular orbital method Chemical Physics Letters, In Press, Accepted Manuscript, Vol.629, 58-64. (8)戦略プログラム分野5 課題番号 分類 発表年月 著者・所属 タイトル Tomoya Takiwaki(Center for Computational Astrophysics, National Astronomical Observatory of Japan), Kei 2014年4月 Kotake(Department of Applied Physics, Fukuoka University), Yudai Suwa(Yukawa Institute for Theoretical Physics, Kyoto University) 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) A Comparison of Two- and Three-dimensional Neutrino-hydrodynamics simulations of Core-collapse Supernovae ApJ 786 83 HIGH-RESOLUTION CALCULATIONS OF THE SOLAR GLOBAL CONVECTION WITH THE REDUCED SPEED OF SOUND TECHNIQUE. I. THE STRUCTURE OF THE CONVECTION AND THE MAGNETIC FIELD WITHOUT THE ROTATION The Astrophysical Journal, 786, 24 2014年5月 Tomoaki Ishiyama(University of Tsukuba) Hierarchical Formation of Dark Matter Halos and the Free Streaming Scale The Astrophysical Journal, Volume 788, Issue 1, article id. 27, 13 pp. (2014) hp130025,h 4 原著論文 p140211 Kenta Kiuchi, Yuichiro Sekiguchi, Masaru Shibata(Yukawa Institute for Theoretical Physics), Koutarou 2014年8月 Kyutoku(Department of Physics, University of WisconsinMilwaukee), Tomohide Wada(National Astronomical Observatory of Japan) High resolution numerical relativity simulations for the merger of binary magnetized neutron stars Physical Review D, 90, 041502(R) 5 hp140212 2014年9月 Hajime Susa(Konan Univesity), Kenji Hasegawa(University of Tsukuba), Nozomu Tominaga(Konan University) The mass spectrum of the first stars Astrophysical Journal, Vol 792, pp.32 2014年11月 Shunsaku Horiuchi(Virginia Tech), Ko Nakamura(Waseda University), Tomoya Takiwaki(National Astronomical The red supergiant and supernova rate problems: Observatory of Japan), Kei Kotake(Fukuoka University), implications for core-collapse supernova physics Masaomi Tanaka(National Astronomical Observatory of Japan) 1 hp120285 2 hp120287 3 6 原著論文 hp130026,h 原著論文 p140212 原著論文 hp120304,h 原著論文 p140211 7 hp130024 8 原著論文 会議論文 hp130026,h 原著論文 p140212 hp120287,h p120222,hp 9 130027,hp1 原著論文 40127,hp14 0213 hp130024,h 10 原著論文 p140210 2014年4月 H. Hotta(University of Tokyo), M. Rempel(High Altitude Observatory), T. Yokoyama(University of Tokyo) Tooru Yoshida, Noritaka Shimizu(Center for Nuclear Study, 2014年12月 University of Tokyo), Takashi Abe, Takaharu Otsuka(Department of Physics, University of Tokyo, Bunkyo) 2015年1月 H. Hotta, M. Rempel(High Altitude Observatory), T. Yokoyama(University of Tokyo) Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: Letters, Volume 445, Issue 1, p.L99-L103 Appearance of -cluster structure in Be isotopes based on Monte Carlo shell model Journal of Physics: Conference Series, 569, 012063 High-resolution Calculation of the Solar Global Convection with the Reduced Speed of Sound Technique. II. Near Surface Shear Layer with the Rotation The Astrophysical Journal, Volume 798, 15 pp. Y. Matsumoto(Chiba University), T. Amano(The University of Stochastic electron acceleration during spontaneous 2015年2月 Tokyo), T. N. Kato(National Astronomical Observatory Japan), turbulent reconnection in a strong shock wave M. Hoshino(The University of Tokyo) Science, 347, 974-978 Tomoaki Togashi(Center for Nuclear Study, University of Tokyo), Noritaka Shimizu(Center for Nuclear Study, University Large-scale shell-model calculations for unnatural-parity 2015年2月 of Tokyo), Yutaka Utsuno(Japan Atomic Energy Agency), Physical Review C 91, 024320 high-spin states in neutron-rich Cr and Fe isotopes Takaharu Otsuka(Department of Physics, University of Tokyo), Michio Honma(University of Aizu) hp120284,h 博士学位論 11 p130024,hp 2015年3月 Yusuke Tsunoda(Department of Physics, University of Tokyo) 文 140210 - 100 - Structure of medium-mass nuclei studied by Monte Carlo Shell-Model calculations Ph. D. thesis, University of Tokyo, 2015 課題番号 分類 発表年月 著者・所属 タイトル hp120285,h 12 p130025,hp 学術誌記事 2015年3月 関口雄一郎(京都大学基礎物理学研究所) 140211 13 hp120286,h 原著論文 p130026 掲載誌・巻番号・ ページ番号(発表年) 連星中性子星の合体と高密度核物質の状態方程式 原子核研究 第59巻2号53頁 2015年3月 Kaiki Taro Inoue(Kinki University), Ryuichi Takahashi(Hirosaki Constraints on warm dark matter from weak lensing in University), Tomo Takahashi(Saga University), Tomoaki anomalous quadruple lenses Ishiyama(Tsukuba University) Monthly Notices of the Royal Astronomical Society, Volume 448, Issue 3, p.2704-2716 14 hp140211 原著論文 2015年3月 Yuichiro Sekiguchi(Yukawa Institute for Theoretical Physics), Kenta Kiuchi(Yukawa Institute for Theoretical Physics), Koutarou Kyutoku(University of Wisconsin-Milwaukee), Masaru Shibata(Yukawa Institute for Theoretical Physics) Dynamical mass ejection from binary neutron star mergers: Radiation-hydrodynamics study in general relativity Physical Review D, Volume 91, Issue 6, id.064059 15 hp140212 原著論文 2015年4月 H. Hotta, M. Rempel(HAO/NCAR), T. Yokoyama(University of Tokyo) Efficient small-scale dynamo in the solar conviction zone The Astrophysical Journal, 803, 42 16 hp150224 会議論文 2015年4月 Y. Iwata(The University of Tokyo), N. Shimizu(The University of Tokyo), Y. Utsuno(JAEA), M. Honma(University of Aizu), Ingredients of nuclear matrix element for two-neutrino T. Abe(The University of Tokyo), T. Otsuka(The University of double-beta decay of 48Ca Tokyo) hp120286,h 17 p130026,hp 原著論文 140212 Tomoaki Ishiyama(University of Chiba/University of Tsukuba), Motohiro Enoki(Tokyo Keizai University), Masakazu A.R. The $\nu$^2GC Simulations : Quantifying the Dark 2015年5月 Kobayashi(Ehime University), Ryu Makiya(University ot Side of the Universe in the Planck Cosmology Tokyo), Masahiro Nagashima, Taira Oogi(Nagasaki University, Bunkyo University) - 101 - To appear in J. Phys. Soc. Conf. Proc. PASJ, online スーパーコンピュータ「京」 年報 2014-15 平成 27 年 9 月 国立研究開発法人理化学研究所 計算科学研究機構 〒 650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-26 電話(078)940-5555 FAX(078)304-4956 http://www.aics.riken.jp/ 一般財団法人高度情報科学技術研究機構 〒 650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町 1-5-2 神戸キメックセンタービル 電話(078)599-9511 FAX(078)599-9512 HPCI ポータルサイト:http://www.hpci-office.jp/
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