ドキュメンタリー映画上映とプロデューサーとの対話 『ミリキタニの猫』&新作短編抜粋他 日時:2016 年 6 月 28 日(火)5 限・6 限 場所:本多記念国際会議場(17 号館 6 階) (c) Lucid Dreaming, Inc. ――ミリキタニの人生は間違いなく悲しみに満ちているけれど、映画は希望を与えてくれる。生きる力に満ちた 意志 の強いミリキタニという人間と共に過ごしたあなたは、 大きな贈り物をもらったと思えるだろう。 (シネマティカル トライベッカ映画祭レビュー) ――pure artist って映画の中でも言われているけど、こういうことか。わたしもこうなりたいです。猫と いっしょに。 矢野顕子(ミュージシャン) 青山英文学会講演会 2016 年 6 月 28 日(火) 5・6時限目 (16:50~20:00) 青山キャンパス 17610 教室(本多記念国際会議場 17 号館 6 階) コーディネーター: 西本 あづさ(「アメリカ事情」担当) ゲスト: マサ・ヨシカワ 氏 タイトル: ドキュメンタリー映画上映とプロデューサーとの対話 『ミリキタニの猫』&新作短編抜粋他 マサ・ヨシカワ(Masa Yoshikawa)氏 『ミリキタニの猫』共同プロデューサー、撮影。 映画・テレビ製作において、プロデューサー、製作コーディネーターなどをつとめる。また、映画業界を中心に、 ライター、ジャーナリスト、通訳・翻訳、作品のセールス・買付などにも携わったほか、映画祭スタッフとして も働いてきた。ソフィア・コッポラ監督『ロスト・イン・トランスレーション』(2003 年)ではプロダクション・ コーディネーター。2016 年完成の短編ドキュメンタリー『ミリキタニの記憶』では製作・監督をつとめる。 『ミリキタニの猫』(The Cats of Mirikitani) 2006 年。リンダ・ハッテンドーフ監督作品。トライベッカ映画祭・観客賞受賞、東京国際映画祭・「日本映画・ ある視点」部門最優秀作品賞受賞、トロムソ国際映画祭・ノルウェー平和映画賞受賞、パリ国際映画祭・観客賞 受賞等、世界各地の映画祭で 20 以上もの賞に輝く。 解 説 「戦争でなくアートを(Make Art, Not War!)」、それが 80 才のジミー・ミリキタニのモットーだ。カリフォル ニア州サクラメントに生まれたこの日系人画家は、2001 年には、世界貿易センターが見えるニューヨークの路上 で暮らすようになっていた。旅行者や買い物客が行き交う中、寒風が吹きつけるソーホーの街角で、ミリキタニは 描き続ける。気まぐれな猫、荒涼とした第二次大戦中の日系人収容所、赤くぎらつく原爆の炎。その画に魅せられ、 近所に住む映画監督が声をかけたことから、二人の人生がゆっくりと変わり始めた。 雨の日も風の日もミリキタニのもとに通い、画の背後に潜む画家の過去の物語に耳を傾けようとする監督。二人 の間に芽生える友情。少しずつ語り出されるエピソードから、彼が辿ってきた道のりが明らかになっていく。広 島での子供時代、サムライだった祖先、失われた米国市民権、ジャクソン・ポロック、真珠湾攻撃、生まれた国 で敵性外国人として強制収容された日系アメリカ人たち、収容所で出会った猫が好きだった男の子……。確かな ことは、ミリキタニが恐ろしい時を生き抜き、画を通して自らの生を表現しようとしてきたということだ。 9.11 同時多発テロによって、ミリキタニは再び戦争のただ中に投げ出された。混乱する街で有毒ガスに咳き込 む老画家を傍観していられなくなった監督が、自らのアパートに招き入れたことで、前代未聞の共同生活が始ま る。そこで二人は、迷路のように複雑な社会保障制度を解き明 かし、家族や友だちを捜し、ミリキタニの壮絶な過去を探って いく。二人の過去を辿る旅は数々の小さな奇跡を生み、やがて ミリキタニが 60 年前に別れた姉との再会へと結びつく。 これは、さまざまなレベルで“ホーム――家、故郷、あるい は拠り所――を失うことについての物語だ。そこには、戦 争 と人種差別がもたらした深い傷が刻まれている。だが、同時 に、人間を温かく肯定する親密な眼差しを通して、ミリキタニ の独特な性格が生むユーモラスなシーンをとらえ、アートと友 情がもたらす癒しの力を描いた作品でもある。 受講生以外の参加歓迎!(問い合わせ先:文学部英米文学科 西本あづさ [email protected])
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