プレゼンテーションソフト利用の基本

授業ホームページ URL: http://www.FL.reitaku-u.ac.jp/~schiba/is/
2009.10
情報科学 A 資料
プレゼンテーションソフト利用の基本
担当
笹原・千葉・野瀬
ポイント:
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プレゼンテーションソフト (Microsoft PowerPoint) を使って,研究発表などの発表資
料や配布資料を作成してみよう。就職後も,社内での会議やお客様に対する企画・提案
などのプレゼンテーションのときなどに大いに役に立つ。
プレゼンテーションの基本とプレゼンテーションソフトの使い方を覚えておこう。
素材となるイラストや写真を使うときの注意点も確認しよう。
1. プレゼンテーションの基本
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プレゼンテーションとは?
→ある目的をもって、他人に対して説明や説得をおこなうこと
社内会議
ゼミの発表
卒論発表
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学会発表
企画提案
説明会・イベント
プレゼンテーションのツール:
⇒ スライド・OHP・ビデオ・パソコン・書画カメラ・フリップチャート・黒板
/ホワイトボード など
プレゼンテーションツールとしてのパソコン:
⇒ 素材・資料作成の道具としての側面
⇒ プレゼンテーション実施の道具としての側面
2. プレゼンテーションソフトの機能と役割
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プレゼンテーションソフトの役割:
1. プレゼンテーションの構成をまとめる(アウトライン機能)
2. プレゼンテーション資料の作成/プレゼンテーションの実施
3. ハンズアウト(配布資料)の作成
資料作成の道具としてのプレゼンテーションソフト
・・・
1
2
3
写真
文字
クリップアート
90
80
70
60
東京
名古屋
大阪
50
40
30
20
10
0
1月
2月
3月
図形
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4 月
3
グラフ
1 枚のスライド(画面)に,
文字
写真
クリップアート
図形
グラフ
表
などを見やすくバランスよく配置。
1
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プレゼンテーション実施までの流れ
• 企画を立案する:何をプレゼンテーションするのか考える
• 素材を集める:クリップアート,写真,データなどを集める
• 資料の作成:プレゼンテーションソフトを使う
• プレゼンテーションの実施:OHP/プロジェクタ,ハンズアウトの配布
この授業で使うプレゼンテーションソフト:Microsoft PowerPoint 2007
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代表的なプレゼンテーションソフト
あらかじめレイアウトデザインが用意され
ている→手軽に見栄えよく仕上げられる
クリップアートなどの素材もついてくる
グラフや表をいれることができる
あとからスライドの順番を変更して,追加・
削除ができる
画面の切り替え効果をつけてスライドショ
ーを実施できる
3.パワーポイントの使い方
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実際にパワーポイントを使って,プレゼンテーション資料を作成してみよう。
パワーポイントを使う基本的な流れと,主な機能を確認する。
3.1 パワーポイント利用の主な機能と利用の流れ
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パワーポイントの起動/デザインの選択
新しいスライドの作成
文字の入力,図の作成,クリップアート・写真の挿入
アウトライン表示画面で構成の再検討
スライド一覧表示画面でスライドの順番変更・削除
スライドショーの実行
印刷(スライド/配布資料)
保存・終了
3.2 パワーポイントの起動とデザインの選択
(1) パワーポイントの起動:「スタート」→「プログラム」→「Microsoft Office」→
(2) 新しいプレゼンテーションが開く。1 枚目のスライドとしてプレゼンテーションのタイ
トルスライドが表示される (「タイトルスライド」以外のスライドレイアウトに変更す
ることもできる)。
(3) タイトルスライドにプレゼンテーションのタイトルを入力する。
※スライドのレイアウトに従ってあらかじめ
挿入されているボックスの他にも,
「挿入」リ
ボンにある挿入機能を使って枠以外の場所に
「テキストボックス」で文字を入力したり,
図形や画像を配置したりすることもできる。
(4) あらかじめ登録されているデザインを使って,見栄えのよい背景やレイアウトにするこ
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とができる。
「デザイン」リボンの「テーマ」や「配色」
「フォント」
「背景のスタイル」
などから好みのデザインを選択する (下図)。
右クリックする
とスライド毎に
設定も可能
同じデザインで一連のプレゼンテーション資料を作成することで,イメージを統一す
ることができる。
※デザインはあとで変更することもできる。
3.3 新しいスライドの作成
プレゼンテーション資料に新しいスライドを追加する手順は次のとおり。
• 「ホーム」リボンの「スライド」グループにある「新しいスライド」ボタン(下図)をク
リックするか,メニューから「挿入」→「新しいスライド」を選択する。
• ブランクのスライドがあらわれる。
※ 必要ならば「ホーム」リボンの「スライド」グループに
ある「レイアウト」ボタン(右図)からスライドの種類
を変更する。
3.4 文字の入力,図の作成,クリップアート・写真の挿入
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1 枚のスライドのなかには,(1)文字 (2)図形 (3)クリップアート (4)写真(図) (5)表
(6)グラフ など様々な部品 (「オブジェクト」という) を挿入することができる。
円,四角,などの図をいれるには,「ホーム」リボンの「図形描画」グループ,または
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「挿入」リボンの各種ボタンを使う。基本的な作図方法は Word と変わらない。
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図形を選択し,
「ホーム」リボンの「図形描画」グループや「描
画ツール」リボンの「書式」タブでスタイルや配置を調整し
たり,図形の重ね順,整列や反転をおこなうこともできる。
※ 後者の「描画ツール」のほうがより細かい指定ができる。
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Shift キーを押しながら図形をまとめて選択することで,複
数の図形をまとめ「グループ化」することもできる。
•
クリップアートを挿入するには,メニューの「挿入」を使う。
※ クリップアートを開いたら,キーワードを使い検索し,ク
リックして挿入する (右図)。
※ 「クリップの整理」を使うと,クリップアートをカテゴリ
ごとに整理して閲覧する「クリップ・オーガナイザ」が開く。
画像を挿入するには,「挿入」→「図」→「ファイルから」と
選択する。
「挿入」メニューから,
「グラフ」や「表」を選ぶと新しい表
やグラフが作れる。
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3.5 保存・終了
•
作成したプレゼンテーション資料は,ネットワークドライブ (‘file_server’ の[user-id])
や USB メモリーなどに名前をつけて保存しておくこと。
※ 特に必要がなければ「PowerPoint プレゼンテーション」形式 (PowerPoint 2007
の形式) で保存する。以前のバージョンの PowerPoint でプレゼンテーションを編
集・実行する必要がある場合のみ「97-2003 プレゼンテーション」形式を選ぶ。
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作業がおわったら PowerPoint を終了する。
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4. グラフィックデータの利用にあたっての注意
4.1 グラフィックデータを利用する際に注意したい 4 つの重要な「人権」
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肖像権:自分の容姿をみだりに撮影・公表されない権利
パブリシティー権:自分の名前や容姿を財産として利用する権利
プライバシー権:私生活をみだりに公開されない権利
著作権:著作物を利用(複製)し,公開する権利
9 著作物の利用や公開には,著作権を持っている人の承諾が必要。
9 利用=「複製権」: 人が作成したデータをパソコンで使うことは,そのデー
タを「複製」して使っているということになる。
9 公開=「公衆送信権」: インターネットは放送の一種。パソコンにコピーし
たデータをメール等で友人に送信したり,ネットワークを介してダウンロード
できる状態にすると,そのデータを「複製」し,さらに「公衆に送信」したこ
とになる。
プレゼンテーションや WWW ページの作成にあたって,写真データやイラストなどを使う
ときには,「自由に使用してよい」と断ってあるものを除いて,次の点に注意すること。
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漫画・アニメのキャラクタなどを許可なく使用してはいけない。
アイドルや芸能人の写真などをむやみに使用してはいけない。
有名人でなくとも,他人の写真や他人の家のなかなどを撮影した写真を許可なく使
用してはいけない。
他人が撮影した写真や他人が書いたイラストなどを勝手に使用してはいけない。
(他人が書いた文章も無断で使用してはいけない。適切な理由がある場合に誰がど
こに書いたのか (「出典」という) を明示して「引用」することは可能。)
学校教育の場では,教員と生徒・学生が著作物を複製し,授業の中でのみ使用すること
が「例外的に」認められている (2004 年 1 月施行の改正著作権法第 35 条)。ただし,
複製したものをウェブページで公開したり,授業以外での使用することはできない。
今回の課題で他人の作成したマルチメディアデータを使う場合は,以下の点に注意する
こと。
• プレゼンテーションの練習課題B (次ページ参照) には他人の著作物を複製して
使用してよい。ただし,複製使用の際には出典を適切に表示 (引用) することを忘
れないこと:テキストボックスを挿入して出典を記載するか,複製利用したデータ
の出典をまとめてスライド資料の最後に掲載すること。
• 今回の課題とは別に,後日行なうウェブページ作成課題には,無断で複製した著作
物を使用することはできないので注意。
•
2010 年 1 月 1 日から改正著作権法が施行される。これにより,権利者の許諾を得ずに
違法に配信されている音楽や映像などをダウンロードすることが禁止される (私的使
用でも同様)。現在の著作権法では違法なアップロードは違法となるがダウンロードは
違法ではなかった。
• ただし,視聴だけであれば著作権の侵害とはみなされない。これは,パソコン内に
キャッシュとして一時的に残る閲覧データの蓄積は複製権の侵害とはみなされな
いという改正著作権法の条項による。
• 他にも,障害者向けコンテンツ作成のための複製の合法化,検索サービス提供のた
めのサーバへの複製が認められる。
(参考:「これで安心 パソコンとネットの著作権」
『日経パソコン』2009 年 8 月 24 日号, 28-41 ページ)
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4.2 練習課題 A
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4-1~4-6 の文章のうち,パソコンとネットワークにおけるマルチメディアデータの利
用例として問題のある文章はどれか(1つとは限らない)。問題のある利用例すべてにつ
いて,文章のどこに問題があるのかを指摘し,Word を使い A4 判 1 枚で,レポートに
まとめなさい。
レポートには,必要に応じて前ページの「グラフィックデータを利用する際に注意した
い 4 つの人権」で紹介した 4 つの用語 (肖像権,パブリシティー権,プライバシー権,
著作権) を使うこと。用語を用いた箇所は下線を引いて示すこと。参考 URL や参考書
籍など,他の資料を参照した場合は出典情報を添えること。
レポートの先頭には,科目名,クラス名,「2009 年度情報科学A ○月●日課題レポー
ト」というタイトル,学籍番号,氏名,フリガナ,電子メールアドレスをかきなさい。
次回授業開始時までに提出しなさい。
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【4-1】A さんは,ピカチュウが大好きなので,自分のホームページにもピカチュウの絵をの
せることにした。ピカチュウの絵は,任天堂のホームページの中にあったので,それを使おう
と思ったが,そうすると著作権の侵害になってしまうので,自分でピカチュウの絵をグラフィ
ックスソフトで描いた。われながらうまく描けたので,ホームページに掲載した。
【4-2】 私がアルバイトをしているお菓子屋さんが新聞にのっていた。記事の中の写真には私
も写っていた。そこで,新聞記事をイメージスキャナで読みこんで,私のホームページのなか
にのせることにした。新聞にでているなんて,みんなビックリするに違いない。
【4-3】タレントの情報を集めたホームページを作りたいのだが,他人のとった写真を使うと
著作権の侵害になるので,タレントが住んでいるマンションの家の前に張り込んで,買い物に
いこうとしているところを写真に撮ることに成功した。苦労してとったこの写真を私のホーム
ページにのせてある。
【4-4】ある人のホームページをみていたら,カッコいいイラストが掲載されていた。このイ
ラストを描いた人は特に有名な人ではなく,マンガのキャラクタになっているわけでもないの
で,インターネットで自由に利用することは特に問題ないと考えた。そこで,このイラストの
データファイルを自分のパソコンに保存した。ただし,構図がちょっと気にいらなかったので,
グラフィックソフトを使ってトリミングしてから,自分のホームページに掲載した。
【4-5】レンタル店で借りてきた音楽 CD をパソコンの音楽管理ソフトにコピーして,MP3 プレ
ーヤーで聴いている。いい曲だったので,弟と弟の友達にもコピーしてあげた。
【4-6】テレビ番組で放映されていた歌手のコンサートがファンの手で録画され,動画共有サ
イト上に公開されていた。画質と音質はいまひとつだったが,気に入ったので,パソコンにコ
ピーして DVD に焼いてある。
参考 URL:
9
9
9
9
(社) 著作権情報センター ホームページ
http://www.cric.or.jp/
著作権に関する知識 (メディア教育開発センター (NIME) 「著作権関連情報データベース
システム」提供)
http://deneb.nime.ac.jp/tisiki.html
著作権のひろば (日野 孝次朗さん提供。日野さんは「著作権保護・利用センター」も運
営されている。)
http://cozylaw.com/copy.html
「著作権における例外とは?」(追手門学院大学 総合情報教育センター)
http://www.ccile.otemon.ac.jp/link/av/av4.html
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著作権と肖像権・パブリシティー権 (静岡産業大学 国際情報学部 メディアセンター)
http://www.fujieda.ssu.ac.jp/media/rrm/rrm2.htm
肖像権Q&A ((社)日本音楽事業者協会) ※工事中 (現在は肖像権啓蒙キャンペーン実
施中)
http://www.jame.or.jp/syozoken/index.htm
9
5. 練習課題 B
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次のテーマからひとつを選択して,パワーポイントを使ったプレゼンテーションをまと
めなさい。
テーマ:(1)大学の紹介 (2)自己紹介 (3)コンピュータの活用法
※「私の通う大学のひみつ」「私と私のお気に入り」「私のおすすめするパソコン利用
術」など,取り上げる内容にあわせタイトルを工夫してよい。
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スライド枚数は 12 枚以内とし,10 分程度のプレゼンテーションを想定すること。
文字だけでなく,クリップアートや図,写真などを使用すること。著作権と関連する権
利に注意すること (§4 参照)。デジカメなどが使える人はオリジナルのデータを作成
して利用するとよい。
タイトルページには,タイトルのほか,スライド作成日,科目名,クラス名,学籍番号,
氏名,電子メールアドレスを記載すること。
プレゼンテーション資料は配布資料(1 ページ 6 枚)の形態で印刷して提出する (印刷方
法は次回説明する)。次々回授業のはじめに提出できるよう,準備しておくこと。
次々回授業でスライドショーができるよう,用意しておくこと (スライドショーの実行
方法は来週説明する)。
練習課題Bは次々回授業のはじめに提出(詳細は教員の指示に従うこと)
次回授業時までにプレゼンテーションの構想を練り,スライド作成をある程度進めてお
くこと。次々回授業ではグループ発表をおこなうので,授業時間に作業できる時間は限
られる。
(以上)
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