メディア宣言

World Federation of Advertisers’
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目 次
1. WFA(世界広告主連盟)とは
2. ミッション
3. はじめに
4. 目 的
5. メディアリサーチの必要条件
6. メディアリサーチの管理・運営
7. メディアリサーチの資金調達
8. メディアプランニング
9. Agencyとの関係
10. メディアバイイングの実務
11. デジタルおよびインタラクティブメディア
付 録
1. テレビ視聴率測定に関する国際ガイドライン(GGTAM) の10原則
2. GGTAMに記載する JIC (広告界合同委員会)の原則
3. WFA消費行動をホリスティックに捉える広告効果測定のための青写真
4. WFA会員(2008年9月現在)
Prepared by the WFA Media Committee
Published February 2009
2
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1. WFA について
WFAは、マーケター共通の利益を代表する世界で唯一の組織である。
5大陸、55か国のアドバタイザーズ協会と世界のマーケティングトップ100社中約50社で構
成されており、WFAは世界のマーケティングコミュニケーションの約90%を占め、その額は
年間約7,000億米ドルに達している。
WFAは世界的な効果的かつ責任あるマーケティングコミュニケーションを目指す。
2. ミッション
広告主1は、コマーシャル・コミュニケーション手段としてのメディアが、より効果的、かつ効率
良く機能するよう、枠組みと環境を創造し、その推進に努める。
3. はじめに
メディア宣言は、WAFメディア委員会によって作成された。
• 広告主のマーケティングコミュニケーション手段としてのメディアに関わる原則と目標
を定めることを目的とする。
• 広告主のさまざまな課題における指標として用いることを意図する。
• メディアは、下記を行うための広告媒体として定義される。
a) マーケティングコミュニケーションの表現、伝達、交流など
b) 該当視聴者との相互交流
1
本文における「広告主」は、例えばWFAの企業会員(添付資料参照)のように、自らの製品・
サービスの販売やプロモーションを目的として公的メディアを通じてそれらのマーケティング活
動を行う企業として定義付けられている。
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4. 目 的
4.1
告主はそのメッセージと広告が、適切なメディアのタイムとスペースによって、予め合意したタ
ーゲットへ効果的かつ効率的に到達するよう、企画・実施されることを期待する。
4.2
告主は、以下を希望する。
• すべてのメディアが制約と妨害なく使用できる。
• 合法的に製造、取引されるすべての商品やサービスの広告を、すべての国で制約を
受けずに実施できること(各国の法規制および国内外のマーケティングコミュニケー
ションの実施規定は遵守する)。
4.3
告主は、メディアスペースの合法的で自由な購入を制限する規制に対して、異議を唱える権
利を有する。
4.4
告主は、制作された国の規制を満たす広告は他地域での露出が認められるべき、という相
互認識の原則を支持する。
4.5
告主は、法的規制より、有意義で合法的な枠組みの下での適切な自主規制組織による効果
的自主規制を選ぶ。また、メディアや広告関係業界のパートナー全員がこの目標を支持、追
求するよう奨励する。
4.6
かしながら、広告主は、メディアおよび広告関係業界のパートナーに、当面は既存の広告基
準に従い、その規則を支持するよう強く要請する。
4.7
れらの目的を達成するにあたり、広告主は生活者や視聴者のプライバシーに関して最大限
の敬意を払う。同様に編集者やコンテンツプロバイダーの編集権やポリシーに対しても最大
限の敬意を払う。
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5. ディアリサーチに関する要求
「メディアリサーチ」はメディアプランニングやアクチュアルのモニタリング、プランの検証のた
めに必要とされる情報(そこにアクセスするためのシステムも同様である)の集成全体を含
む。印刷物の発行部数、テレビ/ラジオの機械・日記式測定、その他の手続・方法など全ての
視聴者測定システムを含んでいる。 5.1
告主は、すべてのメディアオーナーに以下の提供を求める。
• 所有メディアの物理的データ(第三者機関の監査による発行部数データ、購読者
数データ、実放送データ、ケーブルやDSLの分布データなど)
• ターゲット視聴者に関する適切なデータ(セクション6参照)、要望にこたえて社会
人口学、心理学、行動学、文脈分析などあらゆる関連事項によって分析された
詳細データ
5.2
広告主は、情報を必要とするときは、回答レベルのデータも含め、上記の正確で一貫性のあ
る客観的データに適時アクセスできることを要求する。
5.3
広告主は、上記データを自らの、あるいは担当Agencyのシステムやツールを使って分析でき
るべきである。広告主は、当該データ分析方法を知る権利を有する。この分析方法について
も、データ自体と同じ規準で客観性がなければならない。
5.4
広告主は、すべての地域と市場で、あらゆる形式のマーケティングコミュニケーションメディア
について上記が実践されることを期待する。
5.5
広告主は、以下を測定・評価・計画するためのデータを必要とする。
• 各メディアのパフォーマンス
• マルチメディアキャンペーンにおける各メディアのまたはその組み合わせによる
効果と貢献度
5.6
広告主は、メディアの消費を示すデータ及びターゲット消費者の認知と反応をより的確に把
握できるデータを要求する。
5.7
広告主は、以下の理由により、正確なメディアリサーチデータを要求する。
• 個々のメディアまたはその組み合わせ、広告費予算、出稿先を決める基準とす
る。
• 購入メディアの実施をチェックする(メディアプランの正確な実施の検証)。
• 競合の戦略・計画・広告費分析をする。
• 市場でのメディア戦略の分析と、より的確な理解。
• マーケティングコミュニケーションにおける費用対効果の評価。
5.8
広告主は、テレビ視聴率測定に関する国際ガイドライン(Global Guidelines for Television Audience Measurement. GGTAM)、ラジオ聴取率測定に関する国際ガイドライン、GGOODAM(
屋外広告)など、提示された原則に則ったメディアの視聴率測定に関する国際的ガイドライン
の確立・実施を支持する。特に、広告主は以下の目的の国際的ガイドラインについて積極的
に支援する。
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•
•
•
•
•
•
あらゆる形態のコマーシャルコミュニケーションにおいて、正確で信頼度の高い
第三者による視聴率や発行部数を算出する調査方法について国際的コンセン
サスを確立し、全ての利害関係者が等しく閲覧可能である。
視聴率と発行部数測定の最良の方法を設計、実施するために専門的手法を確
立・使用し、またその実施にあたっては第三者機関により監視しうる
実証済の基準に満たない、また最良の手段と言えない活動は抑制する。
各メディアの利用者が世界中の国や地域のデータにアクセスし、同一基準で比
較できるガイドラインや基準を作成する。
最良の方法以外も暫定的に認めることがある。それは、特定の方法が優れてい
ることの確証がない場合、または実証できない場合にのみ限定される。
視聴者、発行部数、ウェブサイトへのアクセス件数を把握、レポートする方法を
継続的に改善する。
5.9
広告主は付録1に記載するGGTAMの10原則を支持する。それは全てのメディアの視聴者測
定に通じるものだからである。
5.10
広告主は、シングルソース・パネル調査など、刺激剤としてのメディアが購買行動に結びつく
ような活動を支持する。広告主はメディア活用によるマーケティングコミュニケーション活動の
効果を理解する上で、このようなデータが必要であると考える。WFAはその詳細について、将
来の消費者効果測定のあるべき姿を「消費者が中心となるホリスティックな効果測定の青写
真(Blueprint for Consumer-Centric Holistic Measurement)」として発表・出版し、そのような
活動を奨励している(付録3参照)。
6. ディアリサーチの運営・管理
6.1
広告主は、視聴率と発行部数測定の企画、管理、具体化においては、メディアオーナ
ー、Agency、広告主の代表からなるJIC (Joint Industry Committee: 広告界合同委員会)を通
じて行うのが最善であると考える。
6.2
JICは、GGTAMの国際基準測定システムや他の全ての国際的ガイドラインに則した的確な方
法を確立する義務を負う。
6.3
またJICは、責任をもって測定システム業者を選択し、視聴率と発行部数測定調査のあらゆ
る問題について「最高の権限」を持って対処する。
6.4
異なる測定システムがもたらすデータの混乱やコストの重複を避けるため、広告主は、ひとつ
の市場、ひとつの媒体についてはひとつの測定システムを使用することを強く希望する。何ら
かの理由により一つ以上のシステムが存在する場合には、個別の運営担当者はJICに(JIC
が無ければ、全ての利用者に)、結果を比較検討し類似性や異なる点を認識・説明できるよう
な全ての役立つ情報の提供をしなければならない。
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6.5
視聴率と発行部数測定システムにおける最高水準は、JICの監視による定期的な契約の見
直し、入札を通じての競争状態の維持によって確立され、明確な目標たり得るものでなけれ
ばならない。広告主は、すべての市場が常に新しい手法や、新規参入者に開放されるべきで
あることを主張する。
6.6
広告主は、付録2のGGTAMで定義づけられたJICの原則を支持する。それらの原則は他のメ
ディアの効果測定やマルチメディアリサーチのためにJICが定める全てにあてはまる。
7. メディアリサーチの資金調達
7.1
広告主は、良質のメディアリサーチ情報は、メディアから購入するパッケージの一部であると
同時に、Agency2が提供するサービスの不可欠な部分でもあると考える。
7.2
メディアリサーチは、販売するタイムやスペースの価値を決めるための根拠となっているの
で、メディア販売者は、自己費用負担でメディアリサーチを実施すべきである。
7.3
広告主は、メディア関係予算を全てメディア購入費用に当てており、メディアの視聴率調査費
用全額もしくはそのほとんどを間接的に支払っているといえる。したがって、広告主は、こうし
た調査に二重の支払いを求める原則は容認できず、別料金、割増料金を支払うべきでないと
考える。
7.4
サービス、製品の種類を問わず、広告主は、以下の理由から、消費者を理解する必要があ
る。
• 商品に対する需要を確保し、
• その需要をどう満たすか、を伝える説得力のある方法を探す。
7.5
従って、広告主は大々的な市場調査に多額の費用を費しており、Agencyやメディアに対して
も、次のような目的で実施するメディア調査への投資を期待する。
•
Agencyが勧めるものやメディアが提供するものが、購入者(広告主)のニーズに確実
に合致する。
• Agencyやメディアが提案する“商品”の効果を説得力をもって示す。
• 提供するタイムやスペースが、どの程度、期待/意図したパフォーマンスを実現した
かを実証する。
7.6
広告主は、メディアリサーチや視聴率測定データを用いて付加価値を付けるビジネスに関わ
る企業(例:メディア所有者、Agency、メディア監査機関、調査会社など)は、彼ら自身が利用
するデータに対してはコストを負担すべきであると考える。
2
この文書では「Agency」は、クライアントである広告主に代わり戦略立案・メディアプランニング
やバイイング、その他あらゆるマーケティングコミュニケーションの役割を担う組織(企業、グ
ループ、企業体)として定義づけられる。
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8. メディアプランニング
8.1
広告主は、自らのコミュニケーションAgencyおよびメディアAgencyが以下の規準に従ってメデ
ィア戦略立案及びプランニングを作成することを要求する。
c) 予め合意した制作内容と広告環境でメッセージが露出される。
d) 予め合意した視聴者層に合意した回数・インパクトでメッセージが送られる。
e) メッセージがターゲット視聴者に、最も効果的かつ効率良く受け止められる。
f) 最も効果的かつ効率良くキャンペーン目標を達成するメディア配分とする。
8.2
広告主は、メディアを選択する場合、コミュニケーションの目的との関連を考えて選ぶ。した
がって、既存メディア、ニューメディア、メディア以外の手段によるコミュニケーションの有効性
を、個別に、また総合的に評価できることを要求する。
8.3
Agencyは、予め合意した客観的規準と最新情報に基づき、下記につき、最善のものを勧める
義務を負う。
g) メディアの目標、戦略、計画および出稿スケジュールの作成
h) メディアの選択と購入
i) 全てのメディアが急速な進化を遂げているので、プランニングは速やかに更新し、修
正する
j) プランのパフォーマンスの管理、測定および報告
8.4
広告主は、メディアプランニング、購入、評価のプロセスにおいて、偏見のない中立的立場で
の解決策やアドバイスを必要とする。メディアの売り買いとも同一業者が扱うケースや、視聴
率測定業者との関係などから生ずる利害得失が反映されたものであってはならない。このよ
うな利害関係は、進んで速やかに知らされなければならない。広告主は、メディア業者による
インセンティブはこのプロセスを歪めるおそれがあるため、それを支持しない。
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9. AGENCYとの関係
9.1
広告主は、広告Agency/メディアAgencyをマーケティングコミュニケーションの最終目的を達
成するためのビジネスパートナーと見なしている。両者の関係は、相互信頼に基づくものであ
る。
9.2
このビジネス関係においては、広告主はクライアントであり、Agencyに対し仕事に見合った公
正な報酬を支払う。Agencyはサービスとアドバイスを提供するほか、業界リサーチの費用を
負担し、メディアのブッキング、支払い、管理を行う。
9.3
広告主は、Agency(メディア)と利害を共有し、メディア市場に関連するロビー活動を行い、媒
体価格の不当な暴騰や広告税の問題解決を積極的に支援する。
9.4
これらのビジネスにおいてAgencyは、広告主と明確に合意した報酬のみを収入とすべきであ
る。広告主は、コストが完全に透明に確認でき、例えばコミッションにおけるリベートや無料の
広告スペースサービスなどAgencyの直接間接の収入の流れがあまねく報告されることを期
待する。このことはいかなる環境においても適用され、現状コミッションがメディアからAgency
に支払われていると考えられているような場合でも例外ではない。
9.5
広告主は、いかなる時も、Agencyの目的が自分たちの利益に反しないことを期待する。広告
主とAgencyのそれぞれの役割と責任は、機密保持の同意を含め、契約書などの書面に明記
することが望ましい。
9.6
Agencyやコミュニケーショングループの集中や合併は競合社を同一グループで扱う可能性
を高める。このことは守秘義務や利害の衝突を生むかもしれない。広告主は自社のAgency
が常に余すことなく適時その種の問題(顕在・潜在を問わず)の情報開示を行うことを期待
する。とりわけAgencyはそのようなビジネス展開の受け入れを検討する前に広告主に知ら
せなければならない。これは広告主がその問題に対して適切な判断を下し、可能であれば
Agencyとその判断と解決策について合意するために必要である。
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10. メディアバイイングの実務
10.1
支払い責任
広告主は2回以上、媒体への支払を求められるものでない。したがって、個々の契約上の取
り決めおよび/または国内の法規制に反する場合を除き、広告主は以下について異議を唱
える。
a) メディアバイイングの仲介業者が破産した場合、支払義務が広告主に委譲されるこ
と。
b) 広告主が一旦支払ったにもかかわらず、メディアバイヤーがメディアに対する支払を
怠って、広告主が再度支払を求められること。
c) メディアバイイングの仲介業者が、広告主からの事前の明示的同意を得ることなく、
メディアに対して広告主の金銭的負担を強いる契約を任意に締結すること。
10.2
支払い期限
広告主は、Agencyがメディアブッキングのために広告主の立場で業務を行う場合に発生する
費用とリスクを理解している。したがってAgencyの要請期限までに支払いを行う必要性を認
識する。
10.3
サプライヤーとクライアントの取引の透明性
広告主は、タイムとスペース購入のコスト構造すべての絶対的透明性を期待する。これは、
広告主とAgency、場合によってはメディアオーナーとの契約の重要な部分を構成し、書面に
よる契約とすることを強く奨励する。
10.3.1
契約上の取り決めの透明性
広告主は、サプライヤーの契約が以下を定めることを求める。
4) すべての関係者の個別責任の明確な定義。
5) ブッキング或いはそれに合意した、すべてのタイム、スペースと制作物の実施証明
と、必要に応じた事後監査の権利
6) 広告主とのビジネスに関係するメディアのすべての契約、請求書、料金および記録
を閲覧する権利
10.3.2
価格の透明性 広告主は、メディアオーナーが、広告主の代理で業務を行う第三者に対して、請求した実際
のコストを知る権利がある。メディアバイイング仲介業者は、時期・場所を問わず、値引き、リ
ベートなど、メディアの売り手との金銭面での取り決めを詳細に広告主に報告することが求め
られる。
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10.3.3
購入の透明性
事前の合意と異なる購入状況、特別ボーナス、また広告主への補償としてのタイムやスペー
スは、しかるべき証明をもって広告主に詳細に報告されなければならない。
広告主は、自社の業務に関するメディアオーナーからの請求書を必要に応じて自由に閲覧
できるものとする。
10.3.4
利害の対立
メディアバイイングの仲介業者は、メディアや広告手段に関る広告主の直接
的または間接的な利害について必ず広告主に報告しなければならない。
10.3.5
Agencyの報酬
広告主は、Agencyの収入源が唯一、広告主の仕事に対する報酬のみであるこ
とを求める。メディアからのいかなる形のリベートも内密に受け取ることは
絶対に認めない。
10.3.6
ボリューム/フリークエンシーディスカウントの透明性 広告主は、直接得たすべてのボリューム/フリークエンシーディスカウントはもとより、Agency
が直接得たディスカウントのうち、当該広告主のビジネスによってもたらされた部分も享受す
ることを求める。
10.4
交渉の自由
広告主は、メディアバイイングの価格、契約条件を制約し自由な市場交渉を制限する法規
制、販売カルテル、業界団体に対し異議を唱えるものである。
10.5.1 広告主-Agency間の守秘義務
広告主とAgencyとの間で守秘義務の合意書を結ぶことが最も望ましい。この合意書に、両当
事者がすべての第三者に対して秘密を漏洩しないことを規定するよう求める。
Agencyは、一連の業務の中でクライアントから得たマーケティングおよび販売に関する情報
の守秘義務を負う。
同様に、広告主はAgencyがそのクライアントのために実施した特別なスタディについて守秘
義務を負わなければならない。
10.5.2 広告主-メディアオーナーおよび第三者の守秘義務
広告主は、契約の期間中終了後を問わず、メディア販売業者に広告主の業務、その背景ま
たそれらに関するプランについて守秘義務を求め、メディアコンサルタントおよび監査人に
も、契約上、雇用下、フリーランスのいずれのケースでも、同様の守秘義務を求める。
同様に、広告主は求めに応じて第三者の活動に関する守秘義務を守る
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10.6
Agency間では、とりわけ同じコミュニケーショングループ内において、しばしば合併による
更なるボリュームディスカウントや交渉力の向上を目的として上位組織に参加する(例えば
「buying club」などと言われている)ことがある。上記の条項はそのような組織を通してメディ
アバイイングが行われた場合にも当然あてはまる。
10.7
広告主はメディアをそのメディア自身から直接買うまたは交渉する権利を持つ。
11. デジタルおよびインタラクティブ・メディア
11.1
広告主は、責任ある尊敬できるコミュニケーションを通して、デジタル/双方向メディアにおけ
るマーケティングコミュニケーションについて消費者の安全と信頼を得ることの重要性を認識
している。その趣旨で、健全な発展と他のメディアとも適応のために、自主規制の構築を完全
保証する。
11.2
デジタル・双方向メディアは従来のメディアと同様の基準や規範を踏襲しつつ、消費者を尊重
しつつ新しい広告媒体としての可能性を活かすよう改良を進めるべきである。従って、広告主
は斬新なビジネスモデルやマーケティングコミュニケーションのスタイルを指向する試みを奨
励する。
11.3
広告主は、(法的またはプライバシー上の理由による制約を除く)広範な広告モデル及び購
入後の速やかな報告を促すレポートシステムを標準化する自主的なガイドラインを支持す
る。
11.4
広告主は、共通で比較可能な、かつ柔軟性のあるアプローチを求めており、消費者中心また
はウェブサイト中心の視聴調査や効果測定システムのための国際ガイドラインの設立を支持
する。
それらのシステムは
• メディアの効果測定について前述のように一般原則に則っているべきである
• 可能な限り他のメディアと比較しうるものであり、マルチメディア分析の際に統合しう
るものであるべきである。
11.5
広告主は、Agency業界全体のインタラクティブメディア対応力の向上を誠意を持って推奨す
る。
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付録1: テレビ視聴率測定に関する国際ガイドライン(GGTAM)の10原則
1. TV視聴率測定システムは、当該国または市場のTV波及地域全体のニーズを満た
すよう設計をしなければならない。
2. 調査会社とTV視聴率情報の利用者は、常に、十分な協議ができなければならない。
3. 測定方法の詳細はすべての利用者にいつでも公開されなければならない。
4. 調査資源は効果的に配置されなければならない。
5. 調査方法は、科学的根拠に基づく検証試行を行い、有効で信頼性の高いシステムと
する。
6. 最善の調査方法を採用する。
7. 品質管理は、フィールドワーク、データ収集、編集、報告という調査システムの構成
要素ごとに、厳密で系統だてた方法で実施する。
8. 回答率を高め、先入観を排除し、有効で信頼できる情報を集めるために、回答者の
負担は最小に抑えなければならない。(GGTAMによって定義されている)
9. 利用該当者は、同じ条件でデータにアクセスできるものとする。
10. 調査機関は常に革新的であることが望まれる。特に、代替方法については十分な検
証、試行、実施方法やその結果の詳細な説明が必要とされる。
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付録2: GGTAM記載の広告界合同委員会(JIC)の原則
フィールドワークとデータ処理を行う調査会社は、放送局、広告主、メディアAgencyの代表か
らなる広告界合同委員会(JIC)と正式契約を結ぶ。
JICは、サービス、入札、契約、サービスの監視、所有権の帰属、許認可の諸条件の詳細を
定める。日常管理と技術問題は、管理委員会や技術諮問委員会に委任されることもある。
• JICは各業界の全部門を代表し、効果的な業界合同協議を行うという方針を実践す
るための組織である。業界の全部門が協議に参加し、上記各事項のシステム構築と
管理に関わることができる。ひとつの媒体に複数の視聴率測定システムを用いる資
金的余裕のない市場があることを考慮すると、これは、非常に重要な組織である。そ
して、すべての調査業務のあらゆる段階の当事者に徹底的な協議を義務づける組
織構造になっており、カスタマー主導の調査システムが実現できる。
• すべての参加者が、競合入札者の評価、契約発注、契約実施・監督に関する実務の
決定に参画する。選ばれた調査会社とJICとは一体となって、システムの全利用者で
取り決めた専門的サービスを所定の期間、維持・推進してゆく。
「テレビ視聴率調査組織に関するWFA/EACAガイド」はWFAのウェブサイトからダウ
ンロード可能である。
付録3: WFA消費者中心のホリスティックな効果測定に関す
る青写真
•
ビジョン:人口動態の枠を超えた消費者行動を理解し、消費者に関する情報
をタイムリーに取得すること。そして、多メディアに対する消費者の行動をきちんと理
解する一方で、消費者のプライバシーを尊重すること。こうした活動を踏まえることに
よって、広告主は消費者の関心に応える適切なコンテンツを通じて、ターゲット消費
者に適切な時期に効果的かつ効率的にアプローチすることが可能となる。
•
目的:消費者のメディア接触行動が複雑化している傾向に対応し、業界での
オーディエンス測定方法の変化を指導すること。メディアの影響とシナジー効果をよ
り正確に予測し、ベーシックな測定法の改善と標準化を進めることによって、選択肢
となるメディア同士を比較し、確信をもって選択出来るようにすること。
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付録4: WFA会員(2008年9月現在)
各国の広告主協会
アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、チリ、中国、コロン
ビア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガ
リー、アイスランド、インド、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、レバノン、メキシ
コ、モロッコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、パキスタン、パラグアイ、ペルー、フィリ
ピン、ポーランド、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、ス
ウェーデン、スイス、トルコ、UAE、イギリス、アメリカ、ウルグアイ、ベネズエラ、ジンバブエ
有力企業会員
エイボン、バカルディ-マーティニ、バイヤスドルフ、BNP パリバ、ベーリンガーインゲルハイ
ム、BP、バーガー・キング、キャドバリー-シュエップス、中国航空、コカコーラ、コティ、ダイ
ムラー、ダノン、ディアジェオ、エミレーツ、ゼネラルミルズ、グループ フェレーロ、ハスブロ、
ヘンケル、ハイネケン、ICI、inBev.indesit、ジョンソン・アンド・ジョンソン、ケロッグ、クラフトフ
ーズ、ロレアル、マーズ、マクドナルド、マテル、ミューラー、マイクロソフト、ネスレ、ノキア、ノ
バルティス、オレンジ、オークラ、プロクター・アンド・ギャンブル、ペプシコ、フィリップス、RBS、
レキットベンキーザー、ルノー、SCジョンソン、シノケム、シェル、テレフォニカ、VFヨーロッパ、
ボーダフォン、ラングレー、YUM!ブランド、ユニリーバ
 15
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