神 経 救 急 の 診 療 ス キ ル 磨 く

ン
ス
第
札 幌 東
徳洲会病院
回SENCE開催
神経救急の診療スキル磨く
セ
ど神経救急領域の診療スキルを磨くためのトレーニングコースで、同院救急科の
札幌東徳洲会病院は6月 日、第5回SENCEを開催した。めまいや脳卒中な
医師が講師を務めた。同院内外の医師、研修医、医学生、薬剤師ら約 人が参加
けんさん
し研鑽を積んだ。
SENCEは、 Sapporo East
Tokushukai Hosニューロロジック
pital Neurologic Course
の 略 語。
For Emergency
めまいや脳卒中、頭部外
傷などはコモンディジー
PPV(良性発作性頭位
実際に手に取ったり、B
するフレンツェル眼鏡を
たい時に患者さんに装着
らないのですか?」と質
がありますか? 逆に、
それらがなければなぜ取
たは頚部CTを取る必要
があれば、頭部CT、ま
以上なら150㎝、2歳
模の研究をふまえ「2歳
対象に実施した4万人規
ーク)が外傷小児患者を
児救急医療研究ネットワ
ふだん疑問に思っている
RIをとる判断基準など、
ができました。CTやM
代男性の症例を提示し
同機のメリットは、①体
教室の桶川隆嗣教授
い感覚でメスや鉗子を動
で確認、②手の動きに近
内を拡大倍率の3D画像
を 招 聘、 3 人 体 制 で
かせる、③人間の手では
しょう へ い
行う。状態が悪く、
不可能な角度から患部に
貴重な時間を過ごすこと
また、旭川市内にある
ができました」
。
病院の初期研修医(同)
は「勤務先の病院には脳
神経外科がないのですが、
めまいの患者さんなどを
診る機会はあります。こ
のため神経救急の診療技
術を学べる機会を探して
いました。このセミナー
を知った時にはすぐに申
し込んでいましたね。と
ても役立ちそうな内容で
と閉会の挨拶をした。
すし、精細な手術が可能
いようなことを学ぶこと
満足しています」と話し
アプローチが可能――な
で周辺の筋肉や神経を傷
歳以上
尿障害などあれば速やか
するとともに、血尿や排
患。野田部長は
すれば根治が見込める疾
ていた。
ど。手術の低侵襲化が期
上の救急搬送に対応。こ
以来、月平均300件以
が開院するまで三次救急
また、この地域は同院
送件数の約4割に該当し、 一次・二次救急が手薄だ
医療が充実している反面、
と瀬戸美佐子・看護部長。
希少疾患に遭遇します」
まで診療したことのない
前立腺がんは早めに治療
重症化してから来院する
喫緊の課題はスタッフ
とに加え、今後、診療科
を育てたい」と意欲的だ。
見ることができる看護師
と同じ目線で患者さんを
く。長谷川部長は「医師
対応する疾患も増えて行
に限らず受診抑制が働き、 が増えるにつれHCUで
向 が あ り、
「 救 急、 外 来
う呼びかけている。
す」と有用性をアピール。 に泌尿器科を受診するよ
の機能温存率が高まりま
排尿機能や勃起機能など
つけることが少なくなり、 の男性に定期検診を推奨
台を導入し
待でき、徳洲会ではグル
ープ全体で
ている。
野田部長は「術後の回
復スピードが全然違いま
中等症から重症まで
どうしても東京西病
院で対応できない場
合は同大学病院に搬
送し手術、術後管理
成田富里徳洲会病院
(千
NIHSS のスコアを取る参加者
れは地元消防署の救急搬
高度治療室が稼働
など、杏林大学と密接な
葉県)は6月、
HCU(高
は東京西病院で担う
連携を図り安全性を担保
度治療室)8床の稼働を
開始した。長谷川輝・麻
酔科部長を室長に、看護 「想像以上の多さでした」 ったため、地元の方々に
同大学病院は外来の待
しているのが特徴だ。
ち時間や手術の待機期間
配置基準4対1(患者さ
救急症例は、同院が得
は医療者の負担を慮る傾
が長いため、両院でうま
ん4人に対し1人の看護
と谷河光範事務長。
く連携し患者さんの利便
性向上につなげたい考え。 職員を配置)でスタート。 意とする消化器科、循環
器科、脳神経外科の関連
病棟で状態悪化し観察が
ケースが目立ちます」と
ダヴィンチは内視鏡カ
必要になった中等症から、 が多いが、成田国際空港
かん し
メラやメス、鉗子などが
立地だけに外国人患者さ
教育だ。重症例が多いこ
瀬戸部長は指摘。
救急搬送の重症まで幅広
ん も 多 く、
「 時 に、 こ れ
から直線距離で約6㎞の
装着できる4本のアーム
く受け入れている。
同院は昨年9月の開院
をもつロボット部分と、
それを操作するコンソー
ことを聞くことができ、
めまい)を診断するため
れています」などと小児
CTをとることが推奨さ
ころから転落した場合は
㎝より高いと
未満なら
テスト
問。各グループでディス
ディックス ホ ー ル パ イ ク
のめまい誘発法である
、 カッションを行い、続い
D i x -Hallpike testや
エプリー
BPPVを治療する Epley て1歳児のケースを想定
札幌市内の病院から参
法などを実践したりした。 し議論を重ねた。
CTの適応に言及、嘔吐
おう と
このあと、増井医師は
加した初期研修医(1年
「軽症頭部・頚部外傷C
症例への対応についても
せを行うなどして盛り上
機会が少なく、このよう
米国でPECARN(小
役に声をかけながら一つ
T いつ取るの? 取ら
ないの?」では、頭部C
全員に修了証を配布し
次)は「神経救急は学ぶ
がった。
T検査の適応に関する英
解説を行った。
ひとつチェックした。
「画像に頼らない、明日
続いて、松田律史医師
なセミナーはありがたい
ドラインを紹介した後、
た後、
松田知倫医長は
「他
から使えるめまい診察伝
外傷で来院した意識クリ
国やカナダ、米国のガイ
が「麻 痺患者のCT(コ
授」はワークショップ形
ア、バイタルサイン(生
ひ
ンピュータ断層撮影)/
式で実施。参加者は医師
ま
MRI(磁気共鳴画像診
役、患者役、指導医役を
命兆候)も安定した 歳
です。早速明日からの臨
ト
断)ピンポイント指摘読
実演するなど体を動かし
の保険診療を開始した。
してもらえると嬉しい」 「 教 科 書 に は 載 っ て い な
施設の参加者と交流し、
をアップし、参加者が 事
影術」と題して講義。身
ながら、めまいの診察方
床に役立てたい」と感想
前に学習することで、 当
体所見と問診から得られ
法を習得。眼振を確認し 「 ど ん な 病 歴 や 身 体 所 見
いろいろな発見があった
日は実技などに、より 多
た情報をもとに、麻痺患
を語った。同じく市内病
くの時間を割けるよう に
者の画像を推測できるよ
ダヴィンチ保険診療開始
杏 林 大 学がバックアップ
ループに分かれて交互に 「手術適応」、「くすり」、
すでにトライアルの 例
ル(操作台)から成る。
と思います。今日学んだ
改善した。なお今回は 参
うになることが目標だ。
院の初期研修医(同)は
加費を全額、熊本地震 の
参加者は4つの症例に関
に講義動画
YouTube
クイズ形式で脳卒中治療を学習
ことを実際の臨床で生か
被災者への義援金とし て
とに、脳のアトラス(断
60
ズ(一般的な疾患)であ
るため、脳神経外科や神
経内科の専門医以外の医
師が初期対応を求められ
る場面も少なくない。と
ころが神経救急を体系的
に学ぶ機会は限られてい
面図)に推定病変を書き
して与えられた情報をも
増井医師の開会挨拶 に
寄付している。
続き、松田知倫医長が「こ
医師が各症例を解説。
込み、その後、松田律史
んな時は何点? 〜N I
HSSのトラブルシュ ー
つ の 講 義 を 実 施。「 E R
このあと増井医師が3
NIHSSは脳卒中の 重
から専門医へつなぐ脳卒
ター〜」をテーマに講 義 。
症度評価基準。はじめ に
東京西徳洲会病院は、
中の治療アップデート」
では、脳卒中治療のポイ
前立腺がん全摘除術に対
NIHSSや、脳卒中 治
ントをクイズ形式で楽し
し、内視鏡下手術支援ロ
患者役、検者役、記録 係 「 そ の 他 」 の ジ ャ ン ル ご
を含めた 例に実施。全
コンソール台に座る野田部長(左)とダヴ
ィンチ担当の臨床工学技士(ME)のひとり、
稲葉英也 ME
ることから、同院救急科
の増井伸高医師がコース
ディレクターとして企画
し、2012年から毎年
開催している。
同科の松田知倫医長、
増井医師、松田律史医師
(後期研修医)が講師を
務 め た。 ま た 今 回 は
A治療(血栓溶解療法 )
を 大 幅 に 導 入。 療のひとつであるt― P
E-learning
インターネット動画サイ
み な が ら 学 ん だ。「 血 圧
とに出題。参加者が一斉
管理」、「スコアリング」、 ボット「ダヴィンチSi」
となり、ロールプレイ を
例、経過良好だ。
ィンチ診療に注力する杏
尿器科医師に加え、ダヴ
器科部長、二宮直紀・泌
手術は野田治久・泌尿
10
50
麻 痺 患 者 の CT と MRI
の読影術について講義す
る松田律史医師
に回答を掲げ、答え合わ
その後、3〜4人の グ
を解説。
東 京 西
徳洲会病院
林大学医学部泌尿器科学
開院半年を機に 8 床の HCU がスタート
90
5
40
実施。検者役は「今月 は
何月ですか」、「手を大き
く開いてください」、「閉
じて下さい」、「頭を動か
さずに、私の指を目で 追
14
14
「今日学んだことを臨床
で生かしてもらえると嬉
しい」と松田知倫医長
ってください」など患 者
コースディレクターを務
める増井医師
成田富里
徳洲会病院
25
徳洲会内外の医師ら約 40 人が参加
平成 28 年 7 月 18 日 月曜日│ No.1040 ❹
聞
新
洲
徳
い の ち
生 命だけは平等だ