補助事業番号: 15-172 補助事業名: 平成 15 年度中東諸国の産業経済

補助事業番号:
15‑172
補助事業名:
平成 15 年度中東諸国の産業経済開発に対する協力推進補助事業
補助事業者名:
財団法人
中東協力センター
1.補助事業の概要
(1)事業の目的
我が国と中東諸国との経済協力の円滑な推進と我が国の企業進出の促進等を
を図るため、日本中東協力シンポジウムを開催するとともに、中東諸国との国際
交流、中東諸国の調査・研究及び研修を実施することにより、中東に対する正し
い理解と確実な情報分析結果の提供を行うことを目的とする。
(2)実施内容
ア.国際交流
(ア)日本中東協力シンポジウム
(ⅰ)日本・イスラエルITビジネスフォーラム 2003
日本企業の関心の高いイスラエルのIT(情報通信技術)産業関係者と、日本
のIT業界関係者等約 200 名の参加を得て平成 15 年7月、2 日間にわたり、リー
ガロイヤルホテル東京を会場にフォーラムを開催しました。
会場では両国IT関連企業の交流が活発に行われました。
(ⅱ)日本・イスラエルバイオビジネスフォーラム 2003
7月のITビジネスフォーラムに引き続き、平成 15 年 12 月には 2 日間にわた
り神戸市の臨床研究情報センターを会場に、ここ数年急速に成長を遂げ世界の注
目を集めているイスラエルのバイオテクノロジーに焦点を当てフォーラムを開催
しました。これには両国の産官学バイオ関係者約 100 名が参加しました。
イ.調査・研究
(ア)中東地域産業経済動向調査
(ⅰ)チュニジアおよびアルジェリアの廃棄物および下水再利用に関する現地調査
チュニジアおよびアルジェリアは、外資を導入することによる雇用促進、輸出
促進を求めており、日本からの技術協力や合弁投資が期待されています。この事
業では、国内外の文献調査、国内の関係機関等への事前ヒアリング、さらには平
成 16 年3月に専門家1名、センター主査1名を現地に派遣して現地関係者への聞
き取り調査を実施し、両国の経済産業実態の調査・分析を行いました。
今回の調査では、バルセロナ会議への環境対応(2010 年までに)として、下水
の完全処理化、農村への分散型の給水・下水事業の推進、環境保護のための再生
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可能エネルギーの推進、ダムの水資源汚染対策など、両国が抱える課題を具体的
に確認・把握し、今後の同地域への日本からの事業展開を検討する際の有益な情報
を会員企業に提供できました。
(ⅱ)新生リビアの投資環境調査
昨年9月の国連による制裁の解除、12 月にはリビア自らの大量破壊兵器の廃棄
宣言、その後のIAEA核査察受入等リビアは従来のテロ支援国家のイメージを
180 度転換し、国際社会への復帰に向け新たな一歩を踏み出しました。本事業で
は変わりつつあるリビアの現状や投資環境に焦点を当て、専門家1名、センター
主査 1 名を平成 16 年3月に現地派遣し、調査を行いました。
一大変革期にあるリビアの最新情勢と投資等の環境について報告書をまとめ、
今後同国への参入・復帰をめざす会員企業に対し、ビジネス推進上参考となる情
報を提供しました。
(イ)中東情勢分析研究
(ⅰ)米国の『大中東構想』、イラク問題及び中東和平プロセスに対するアラブ諸国の
反応
変動著しい中東情勢を的確に把握、また米国の対中東政策に関する中東諸国の
反応を把握するためにピエール・シャマス氏(アラブ・プレス・サービス社)に、
「米国の『大中東構想』、イラク問題および中東和平プロセスに対するアラブ諸国
の反応」というテーマで最新の中東情勢の分析を委託し、報告書を入手、会員企
業等に配布しました。
海外の中東専門家による最新の中東情勢分析を提供することで、会員企業等に
対し、多角的な視点で中東を見る機会を作り、中東関係情報の充実を図ることが
できました。
ウ.研修
(ア)研修生派遣
平成 15 年 10 月、20 日間の旅程で、研修生5名、事務局2名の計7名が湾岸産油
国を中心とする中東諸国を訪問し、中東現地研修セミナーを実施しました。
本研修では、特に中東地域でのコンサルタントとして名声の高い MEIRC のセミナ
ーのほか、現地の日本大使館、JETRO、進出企業の協力を得て、訪問国の政治・経済
情勢、アラブ社会の文化等について講義を受け、各国産業の発展状況、中東ビジネ
スの進め方を学びました。また、各国の国営石油・天然ガス会社、工業団地等の現
場を視察し、中東の実状に直接触れると共に、幅広く交流を行いました。
専門家による講義、施設見学、現地の人々との交流により、訪問先の政治、経済、
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文化、風土、習慣等広範囲にわたり中東に対する理解を深めることができました。
(イ)中東講座
平成 15 年9月 18 日、アラブ イスラーム学院において会員企業を中心に 34 名の
参加者を得て講座を開催しました。
本事業では中東ビジネスに携わっている会員企業、関係機関、団体等の若手・中
堅社員を対象に、中東研究家及び実務家の方々を講師に招き、中東における諸問題
の歴史的背景、社会文化の特色、政治・経済及びエネルギー問題の動向等を紹介し
ました。
各分野における専門家の講義、並びに現地駐在経験者によるパネルディスカッシ
ョンにより、中東全般にわたるガイダンスを行うことができました。
2.予想される事業実施効果
ア.国際交流
(ア)日本中東協力シンポジウム
イスラエルが世界的に優位に立つITやバイオといった先端産業分野の、同国の
産官学にわたる関係者と日本側関係者の交流の場を提供することにより、これを契
機として両国企業間での提携等今後の関係発展が期待されます。
イ.調査・研究
(ア)中東地域産業経済動向調査
情報量の比較的少ない中東諸国を対象に、我が国企業が関心を有するテーマを選定
し、中東経験の豊富な調査員を現地に派遣し実態調査を実施しており、その報告書
は、中東ビジネスに携わる企業にとって最新の有力情報として活用が期待されます。
(イ)中東情勢分析研究
海外の中東専門家による最新の中東情報を入手し、分析・検討を加えて会員企業
等の関係者に提供するものであり、有効な情報としてその活用が期待されます。
ウ.研修
(ア)研修生派遣
中東にビジネス上深い関わりを持つ企業の社員が中東現地を訪問し、専門家の講
義、施設見学、人的交流を通じ、訪問先諸国の現状を肌で感じることができます。
この研修を通して得たものは、参加者の今後のビジネス活動に大いに役立つことが
期待されます。
(イ)中東講座
この講座は中東の政治、経済、社会・文化、エネルギー等の分野に関する入門的講
座ですが、各分野の専門家による講話や、現地駐在経験者によるパネルディスカッシ
ョンは好評で、中東に関わるものにとっては、格好のガイダンスとなっています。
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3.本事業により作成した印刷物
「Sharing
IT
Innovation」
「Advanced Synergy in the Life Sciences」
「躍進するイスラエルのバイオ産業」
「チュニジアおよびアルジェリアの廃棄
物および下水再利用に関する現地調査」
「新生リビアの投資環境」
「米国の『大中東構想』、イラク問題および
中東和平プロセスに対するアラブ諸国の反応」
「平成 15 年度中東現地研修セミナー報告書」
「中東講座」
テキスト
4.事業内容についての問い合わせ先
団 体 名 : 財団法人
中東協力センター
(ザイダンホウジン チュウトウキョウリョクセンター)
住
所 : 郵便番号 102‑0073 千代田区九段北1−14−17 三創九段ビル
代 表 者 : 会長 根本 二郎
(ネモト ジロウ)
担当部署 : 総務部
担当者名 : 総務部長 八木 秀次
(ヤギ ヒデジ)
電話番号 : 03‑3237‑6721
Fax
: 03‑3237‑8018
E‑mail
: [email protected]
URL
: http://www.jccme.or.jp/
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