Vol.61 2016.09

成 功 へ の 道 筋 が 見 えて 来 る! 香 川 の 産 業 界 の 今 を お 届 けする
KAGAWA INDUSTRY INFORMATION 21
理 事 長が 行く
「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2015」
最優秀賞受賞者インタビュー
大津理事長が株式会社ADSムラカミを訪問
T O P NE WS
世界へ挑戦を合言葉に、町工場の技術を集結
「下町ボブスレー」の挑戦を熱く語る!
∼平成28年度 かがわ産業振興クラブ講演会∼
特集
「香川県ものづくり企業と医療機器メーカーとの展示・商談会in本郷」を開催しました!
「香川県新技術・新工法提案商談会in東芝府中」を開催しました
∼香川のものづくり企業の新技術・新工法を㈱東芝府中事業所に直接アピール∼
香川大学ビジネススクール「地域の中小企業と経済活性化」
∼企業経営の第一線で活躍する講師による公開講座を開催します!
!∼
かがわ中小企業応援ファンド/かがわ農商工連携ファンド
新商品発表会を開催しました!
!
かがわ発!元気創出企業
独自の視点と繊細な技術で生まれる
オーダーメイドの筆記具
helico(ヘリコ)
2016
vol.61
[年4回発行]
9
理事長が行く
「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2015」
最優秀賞受賞者インタビュー
大津理事長が株式会社ADSムラカミを訪問
水圧シリンダ▶
「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2015」
で最優秀賞を受賞(事業名:新水圧技術(ADS)
を用いた、次世
代の駆動装置の研究・開発・製造)
されました 株式会社ADSムラカミ代表取締役村上康裕さんを訪ね、公益財団
法人かがわ産業支援財団大津理事長が、最優秀賞を受賞された時の気持ちや、今後の展開についてお聞きしました。
理 事 長:まずは、
チャレンジコンペ最優秀賞おめでとうござ
います。受賞されたお気持ちをお聞かせください。
社 長: そうです。それ がきっかけに
の福祉機器を通してもっともっと世の中に役に立て
理 事 長:さて、
ADSシステムを使った製
社 長: 嬉しいと同時に責任の重さを痛感しています。
当社
ることをやっていきたい。でも、まさか取れるとは
思っていなかったですね。
なった面もあります。
品開発について具体的に教え
てください。
村上社長
理 事 長: 社名にもある新水圧システム
「ADS
(Aqua Drive
社 長: 先にも述べたように、水圧技術を使う市場は、
なか
社 長:ADS
(水圧技術)の一番の特徴は、オイルフリーと
ても、水を使う関係上、材料が錆びない非鉄素材に
ることであり、
これが基本コンセプトですね。
キャッチ
て5∼10年間はなかなか採用されませんでした。
そ
圧、空圧、電機等の駆動技術の弱点を克服できるの
福祉介護機器に水圧技術を応用している株式会社
System)」
の特徴を教えてください。
いうことで油を使用せず、衛生面、環境性能が上が
コピーは、安心・安全・快適・オイルフリー。従来の油
なか広がらなかったんです。
プレゼンで好感触を得
せざるを得ないことから、材料コストがかかり、始め
の間は部品の供給だけを行っていました。
その後、
がADSだという思いから、事業に取り組んでいます。
ヤエス
(高松市国分寺町)
との出会いから、水圧の
事をされていたと思いますが、
ADSを使った事業
メージも高まると考えて、徐々に介護機器の方に参
社 長: 油圧技術の市場が成熟期に入り過当競争の局面
※現在、(株)ヤエスとADSシステムを使った介護
業が出来ないものかと営業をしている中で出会っ
理 事 長: それが、現在の福祉施設向け入浴装置の開発、販売と
理 事 長: 前職の村上製作所では、主に油圧クレーン等の仕
を始めたきっかけを教えてください。
に入っている中で、既存の設備を使って何か他の事
たのが水圧技術です。今までの設備を使って油を
水に変えるだけですから、
これはいけると感じまし
たね。
また、業界で最初に水圧を手がけていた業界
大手のE社へ営業に行き、同社の水圧工場を見た
良さを再認識し、介護による社会貢献は企業イ
入していきました。
機器を共同開発。
いうことになるのですね。さて、ADSシステムの既存
製品に対する新規性についても教えていただけますか。
社 長: 一番に環境衛生性能が高いということです。油漏れ
がない、油のような産業廃棄物が出ない、流体が水
ときに、当然ですが油の臭いもなく非常に綺麗で、
なので直ぐ入手でき交換もしやすいということで、
ということもあり、油を使う際の汚れや産廃処理の
すね。空圧と比べても、空気発生装置が不要ですか
とにかくクリーンでした。油対策の付帯設備も不要
問題をよく知っている私としては、
このことが一番
強烈な印象であり、水圧技術の事業化は、
このク
リーンであることを武器にしようという単純な発想
水をよく使う食品加工機などとの親和性が高いで
ら場所を取りませんし、パワーも油圧と同じくらい
出ます。電機は、水回りの設備となると防水性能を
上げる必要があり、機器としてコストアップになっ
からでした。
その後、今から15∼16年前に、初めて
てしまいます。総じてADSシステムの導入にはコ
が、製品化には大変苦労しまして、実証実験や耐久
低く抑えられるので、導入後3∼4年でペイ出来ま
E社から水圧シリンダーの開発依頼を受けました
試験を繰り返し、性能として油圧と変わらないもの
ストがかかるのですが、その分ランニングコストが
す。最近はそういうコスト算出も出来るようになっ
になるまで約3年かかりました。
きっかけのポイント
てきました。
このことにより市場では、油圧、空圧、電
という2点ですかね。
まあ、
当初は、
こんな良いもの
とが出来るようになり、
ADS市場というものが出
と勝手に思っていたのですが、
認知度は低いので、何とかそれを高めていくことが
としては、
「非常にクリーン」
「既存の設備が使えた」
を作ったら色々と売れるだろう
Kagawa Industrial Information 21
来たのではないかと考えています。
ただし、
まだまだ
理 事 長: 今、少し市場の話が出ましたけど、
ADSシステムの
理 事 長: お聞きしている内容は、
当時、
よ
く言われていた4S、
5S運動に
機、水圧という4つのバリエーションを選択するこ
これからの課題だと考えています。
実際は先の見えない世界に足
を踏み入れてしまいました。
1
もつながるものですね。
市場における成長性、将来性についてはどのように
大津理事長
お考えでしょうか。
PRESIDENT
▲特殊入浴装置 ハートフル
▲車椅子入浴補助機能付き個浴 らくら
社 長: 将来性はかなり高いと思いますね。例えば、水圧の
中でも超低圧になる水道圧で動くという部分は非
常に魅力的で、
この辺りをもっと探って、機器の整
VISIT
▲大津理事長と村上社長
に足を運んで、本当に感触があるのかどうか、
自分
の目で確かめなければ販路拡大は出来ないと分か
りました。展示会などで幾らプレゼンしても、
周囲は
備をしていけば、市場が体系的に広がっていくので
「ああ、
良いですね」
で終わってしまう。
これは早いう
れたのですが、離島では、本土からの送水管が長い
理 事 長:ということは、今の一番の課題は、販路拡大だとい
はないかと考えています。
また、県職員の方に言わ
ので水道圧が下がり、消火栓から水が出ないらしい
ので、現地で増圧出来るような機器があれば役立
つのだそうです。
こういったところにも、
当社の水圧
技術を活かした製品開発が出来ないか、
まだ他が
参入していない市場を開拓する意味でもチャレン
ジしていきたいと思います。
また、医療、食品、半導
ちに分かって非常に良かった点ですね。
うことですね。
その点については、是非、
当財団の相
談事業やよろず支援拠点をご活用下さい。我々とし
てもご支援させて頂きたいと思います。
社 長: 例えば、今回のチャレンジコンペによって、研究開
発費について助成して頂けることになった中小企
業応援ファンド等は、我々のような事業規模の小さ
体と言ったクリーンな職場環境が要求される、水が
い会社にとっては非常にありがたい制度です。小さ
絞って販路開拓し、皆さんから注目されるような事
究開発が一番大切になりますから。今後も、研究開
優位性を持つ分野に対して、アピールポイントを
業をしていきたいです。
理 事 長: 今後、福祉、医療、環境分野等いろいろな分野で成
長できそうですね。期待しています。
社 長: 福祉も難しいところがありますが、機器を扱ってい
る大手企業は全国にあるので、
こちらから打って出
ていこうとしています。既に、大手介護レンタルメー
カー等数社とコネクションが出来つつありますので、
何とかこれを広げていきたいですね。2040年まで
い会社は開発商品で勝負しないといけないので、研
発や販路拡大についての積極的な支援を、財団や
県にお願いしたいと思います。
理 事 長: 我々としては、そういう中小企業の皆さんのチャレ
ンジしていくところ、研究開発や新商品開発、販路
開拓などについて、
これからも支援に力を入れてい
きたいと思います。
さて、最後になりましたが、今後、
この事業をどのように展開していくのか、抱負を聞
かせて頂けますか。
は高齢者人口は増えますので、その間に販路拡大
社 長:まず、水圧のいいところ、特徴を出して、
ADSを知っ
理 事 長:さて、少し質問を変えますが、事業を始めてこれま
は、何処と比較するのか作戦を練って、市場アピー
したいと思います。
てもらうことが何より大切だと思います。
そのために
でどんな点に苦労されましたか。
ルをしていく必要がある。今後、
ADSの市場は予測
ないという厳しさですね。製品、技術を知ってもらう
もADSを使った低圧市場(水道圧)
がおぼろげなが
社 長:やっぱり、良い物を作っても、売り先が無いと売れ
こと、告知することが、
いかに重要であるかというこ
とが、大変良く分かりました。中小企業が一番失敗
するのは、良い物を作っても売るところが無いとい
うところだと思います。
それを解決するためには、
当
社が(株)ヤエスと組んだように、販路先を持つとこ
ろと組めるようにすることですね。事業提携出来る
ところを広げていくことが大切だと気がつきました。
がつかないくらい化けていく可能性があり、
その中で
ら見えている。
しかしこういうことも1社では出来な
いので、下町ボブスレーみたいに、
グループネットで
やっていきたい。水圧を事業化している会社も全国
で10社程度あるので、横のつながりで市場を広げ
ていきたいと考えています。
この新しい第4の駆動技
術である水圧を上手く既存の技術と複合させて、新
しい駆動技術体系としてやっていきたい。間違いな
これからですが、当社は10月から販路拡大のため
くそれは出来ると思っています。
とにかく後ろを振り
皆さんに水圧の利便性を知ってもらいたいと考え
現状は、
まだまだ水圧に対する認知度が低いので、
の展示会に独自で出て行って、
プレゼンもしながら、
ています。
また、
かがわ産業支援財団の窓口相談で、
専門家の先生からアドバイスを受けながらではあ
りますが、当社の新しい考えが、
マーケットで興味
をもって受け入れられるのか否かの市場調査をし
ようと思います。実際に、
自分が売りたいと思った先
返らないでまっすぐ突き進んでいきたいですね。
ただ
アピールポイントを絞って伝えて、お客様に興味を
もってもらうことから始めたいと思います。
理 事 長:これからますます成長していく事業ということが分
かりました。
これからも頑張って下さい。今日は本当
に有り難うございました。
Kagawa Industrial Information 21
2
トップニュース
世界へ挑戦を合言葉に、町工場の技術を集結
「下町ボブスレー」の挑戦を熱く語る!
∼平成28年度 かがわ産業振興クラブ講演会∼
かがわ産業振興クラブでは、株式会社マテリアル代表取締役、下町ボブスレー推進委員会ゼネラルマネージャーの細貝
淳一氏をお招きし、本年度の講演会を7月25日
(月)
に高松市内のホテルで開催しました。講演では、世界へ挑戦を合言
葉に東京都大田区の町工場の技術を集結し、2018年冬季オリンピックでは下町ボブスレーの機体がジャマイカボブス
レーチームに採用が決定するなど、
これまでの取組みについて熱く語られ、約80名の参加者は終始熱心に聴講しました。
講演会
創業・新事業創出等支援
講 師
株式会社マテリアル 代表取締役
下町ボブスレー推進委員会 ゼネラルマネージャー
細貝 淳一 氏
演 題
「下町ボブスレーの挑戦 町工場の技術力で世界を目指す!」
私の会社マテリアルは、1992年に妻と2人で10畳分くらい
の板金屋さんの片隅を借りてスタートしました。18歳の時から
持ってないといけないと思いました。
材料販売の卸問屋に勤め、加工会社に材料を納めに行っていま
しかし、技を持っているからといって仕事に繋がることは難し
した。
ある時、加工屋から1つ100円の材料が、加工すると10万
く、
より多くの人に自分たちの技術を知ってもらわないといけな
円で売れると聞き、付加価値だと思いました。材料業界の付加
い。自分たちをどうアピールするかということが、非常に大事だ
価値は非常に薄い。
これからネット販売等になり、人が介在せず、
と気付きました。
Co n tents
2016年9月 vol.61 発行(年4回発行)
理事長が行く
「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2015」
最優秀賞受賞者インタビュー
大津理事長が株式会社ADSムラカミを訪問・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・1
トップニュース
世界へ挑戦を合言葉に、
町工場の技術を集結
「下町ボブスレー」の挑戦を熱く語る!
∼平成28年度 かがわ産業振興クラブ講演会∼・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・3
特 集
・
・6
「香川県ものづくり企業と医療機器メーカーとの展示・商談会in本郷」を開催しました!・
「香川県新技術・新工法提案商談会in東芝府中」
を開催しました
∼香川のものづくり企業の新技術・新工法を㈱東芝府中事業所に直接アピール∼・
・
・6
香川大学ビジネススクール「地域の中小企業と経済活性化」
∼企業経営の第一線で活躍する講師による公開講座を開催します!
!∼・
・
・
・
・
・7
3
誰でも簡単に物が買えてしまう時代が来る。
自分たちは、
なにか
かがわ中小企業応援ファンド/かがわ農商工連携ファンド
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・8
新商品発表会を開催しました!
!・
Kagawa Industrial Information 21
9
財団からのお知らせ
平成28年度かがわ創業塾を開催しました!
!・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・9
「第20回機械要素技術展」
に香川のものづくり企業10社が出展!
∼ 新製品・新技術を首都圏の製造業者にアピールしました ∼・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
9
希少糖の木「ズイナ」
を用いた新商品の開発を支援しています・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・10
平成28年度の希少糖関連事業補助金の補助事業者を採択しました
希少糖をPRしています
初心者向け知的財産権制度入門講座を開催しました・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・11
「中小企業等外国出願支援事業」公募のお知らせ!
!
「かがわ知財経営塾」
を開催します
香川県産農産物の未利用部位に含まれる機能性成分の探索・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・12
工場見学会を開催
「科学と発明」おもしろ体験学習
かがわ発!元気創出企業
独自の視点と繊細な技術で生まれる
オーダーメイドの筆記具
helico(ヘリコ)
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・13
TOP NEWS
大田区という地域は羽田空港に隣接していて、工場から約
人たちを集客するには、
プロモートが必要だということで、オー
15分圏内にあり、例えばロサンジェルスだと11時間半で着きま
ストリアのシニア大会に参加しました。20チーム中9位に入り、
す。昔、大田区は図面を投げると、翌日、形になって出てくるとい
自信をつけました。
そこから、平昌オリンピックに向けて、4号機、
う神話がある地域ですから、世界中からの情報を集めれば、何
5号機を作り、
そりにいろいろな機能を付けると、ルーマニア、
イ
でもできる地域になると思いました。
また、東京都はすごく景気
ギリス、オーストリア、
ジャマイカの4か国からオファーがくるよ
の格差があり、町工場の8割は債務超過に陥っています。独立す
うなそりになりました。
る人も出て来なくなってきています。
ものづくりの根を生やすと
いうことが、非常に難しくなってきています。
そんな中、頑張ってやってきましたが、連盟から去年11月、不
採用通告がありました。
もう日本では無理だと思い、外務省を通
そのような中、近隣とのコミュニケーションは非常に大事だと
じてオファーを掛けました。次は世界の身体能力のジャマイカで
思います。下町ボブスレープロジェクトを始める前、近隣どうし
やるべきだなと思いました。我々のそりの性能が良ければ、オリ
顔は知っていても、なにをしているのか知りませんでした。地域
ンピックで金メダルを取れるところまで来ています。夢物語が現
社会でお互いにコミュニケーションは絶対必要であると思い、
ど
実となってきました。そんな中、
ジャマイカのボブスレー連盟の
うすれば深い関係ができるのだろうと、それが下町ボブスレー
会長が、日本に来て仮契約して、今月7月には調印式のために
プロジェクトでした。
やはり、人の繋がりが大切だと思います。
ジャマイカに行って、契約をしてきました。順当にいけば、確実に
今、就職活動の真っ最中ですが、内定を取り消しするのは、本
オリンピックは出られると思います。
人でなく、45%くらい母親からだそうです。就職会社の選び方
ジャマイカオリンピック委員会の会長からあなたたちは製造
に親の影響があることにすごく驚きました。そこで、中小企業の
メーカーだから、下町ボブスレーのロゴマークを付けて、オリン
良さをPRしていきたい、私たち中小企業の力で物語を作ってい
ピックで走ることができる。
みんなに自慢できると言われました。
かなければならない。大田区から世界へということで、下町ボブ
近隣の先輩たちは、子供たちに自分たちのものづくりをどう説明
スレープロジェクトの発足となっていきました。
すればいいのか、難しくて伝わらないと言っていましたが、平昌
1983年、
バブル全盛期の頃、
われわれの地域に9177社も工
場がありましたが、年数が経つにつれて工場が少なくなる中で、
なんとか地域を1つにして、1つの目標、志を持つことによって、
オリンピックでは子供たちにあれは俺たちが作ったそりだと言う
ことができます。
また、無償でやることが何の意味があるのか、金儲けになるの
楽しみながら学べて、お互いを知り合う、
コミュニティーを作る
かと言われましたが、一番はPRができればいいのです。
これは
ことができないかと思い、
ボブスレープロジェクトを始めました。
私が作ったと営業展開すればいい。そうすれば受注に繋がりま
なぜ、ボブスレーをやるようになったのかというと、今後の市
す。
フェイスブックなどいろいろな物を活用しながら、
自分たちの
場を考えると、航空機産業は大きくやりがいがあります。もう1
周知活動をしていく。技術というのは、人の繋がりというものを
つは大手企業が絡んでいないオリンピックに使われる道具、
こ
きちんとやっていくことが、ビジネスモデルに繋がっていくと
のキーワードでスタートしました。2011年、大田区振興協会の
思っています。僕はいつもこの人とこの人を繋げたらこういうビ
方が、東北の震災の現場に行った際、中小企業どうしの連携が
ジネスモデルができると考え、人と人との出会いが自分を成長
なければ復興するのは難しい。
ボブスレーで大田区を1つにしよ
させると思っています。今回の下町ボブスレープロジェクトも私
うと提案してくれました。
1人でやっていたら出来ませんでした。
当時、ボブスレーは日本のどこも作っていなかったので、作っ
私の夢は羽田空港からチャーター機で平昌オリンピックに行
た瞬間から歴史になる。
これはおもしろいものづくりだというこ
くことです。チャーター機にみんなで乗り、下町ボブスレーの映
とでスタートしました。大田区のみんなに集まってもらって、無
画を皆で見ながら、盛り上がることができたらいいなと思ってい
償でやってもらいました。
そして、1号機を作って、わずか半年足
ます。人のコミュニケーションは努力次第で、輪が広がっていく
らずで全日本選手権に出ることになりましたが、オリンピックで
ことをこのプロジェクトで経験させていただきました。一つの出
メダルを取れる女子選手に絞りました。全日本選手権では、1秒
会いを自分はこれからも大事にしていきたいなと思っています。
以上、
コースレコードを上回り、世界と戦えると思いました。
しかし、連盟から今回は予算が無いので、オリンピックに女子
チームは出せないと言われ、今度は男子とやることになりました。
期間的に1年でオリンピックのそりを作るのは大変でした。資金
も無いことから、
いろいろな大手企業にも直談判に行きましたが
駄目でした。
しかし、
ネットで話題になると、
スポンサーが集まり、
2013年には新型2台のマシーンが完成しました。
ソチオリン
ピックまであと半年というところで、連盟よりソチオリンピックで
は下町ボブスレーは使わないと連絡がありました。
そこで、平昌オリンピックに切り替えて、
ドイツのメダリストを
呼び、翌月には下町ボブスレーのテストを始めたところ、私たち
のそりは非常に良いと評価されました。
また、ボブスレーに若い
Kagawa Industrial Information 21
4
トップニュース
事例報告
「オリーブ車海老と国産固形にがりの開発」
仁尾興産株式会社 取締役化成品事業部長
日生化学株式会社
仁尾産商株式会社 執行役員 高橋 寛栄 氏
品質管理室室長 河野 博 氏
本日は、仁尾産商株式会社と
弊社は、昭和54年に設立し、元々
仁尾興産株式会社がそれぞれ取
り組んでいる事業について説明
します。
まず、子会社である仁尾
産商株式会社のオリーブ車海老
の事業展開についてですが、私ど
もは仁尾町で車海老の養殖をしています。車海老は沖縄・九州が
大変有名ですが、沖縄が700トン弱、香川県は私ども1社で約20
トンです。
そこで高付加価値商品の開発、独自ブランドの開発を余
儀なくされ、小豆島産オリーブを使用したオリーブ車海老の開発
に着手することになりました。
まず、
オリーブ車海老に使用する餌の開発に取り組み、ペレット
状の餌の開発に成功しました。
この餌を一定期間、車海老に与え、
成分分析したところ、
うまみ成分が強く出て自信をもって売り出す
ことができました。車海老は生きたまま、
お客様の手元に届けるの
が大前提で、品質保持、製造工場の取組みが大きな課題です。
ま
た、解凍すればすぐに刺身で食べられる技術開発の取組みもして
います。
また、
オリーブ車海老の最大の課題は、認知度向上であり、
積極的に認知度向上の活動に取り組んでいきたいと考えています。
次に、仁尾興産株式会社の純国産固形にがりの開発について
説明します。仁尾興産は、1919年に仁尾塩田株式会社として創
業し、1972年に仁尾興産株式会社と商号変更、
にがりの製造を
開始しました。現在は、化成品事業部門と冷凍冷蔵倉庫事業部
門、不動産事業部の大きく3つの事業で経営しています。2006
年には、にがり生産で日本一になりました。2019年には創業
100周年を迎えます。
しかし、生産日本一といえども、100%に近
いOEM生産です。今後、発展していくためには、
自分たちの商品
を作っていこう。
これが今回の事業に取り組む背景となりました。
今、豆腐業界では、
いわゆる町のお豆腐屋で丁寧に作られた手
作り豆腐と、
もう1つは、工場で大量生産されるお豆腐、大きくこ
の2つに分かれますが、
いずれも求められているのは、大豆もにが
りも純国産であり、
おいしく、安全安心である豆腐です。
では、凝
固剤というと、私どもが生産している固形にがりのほかに、
すまし
粉、塩化カルシウム、
グルコン、天然液体にがりなどがありますが、
大豆のうまみを最大限に引き出すにがりを使うことが、主流に
なってきました。固形にがりは、国内で生産されているものの、原
料を中国から輸入しております。天然液体にがりは日本近海の海
水成分より生産される純国産品ですが、品質も安定しておらず、
不純物も多いので、固形にがりと天然液体にがりのいいところを
取った純国産固形にがりを是非作って欲しいという声が多く聞
かれるようになり、
日本一のメーカーとして純国産固形にがりに
取り組んでいます。今後の取組みですが、真のメーカーとして、塩
化カルシウムで出来ることを探し出し、皆様のお役に立ち、愛され
る企業になっていけたらと考えています。
5
「機能性フィルムの開発」
Kagawa Industrial Information 21
はショッピングバッグを作る袋屋で
したが、
プラスチックフィルム自体に
付加価値をつけた商品をいろいろ
開発して現在に至っております。
弊社の3つのコア技術ですが、
まず1つめは発泡技術、プラス
チックフィルムに気泡を閉じ込める技術です。2つめは改質技術、
プラスチックの性質を変える技術です。3つめがプラスチックを再
利用する技術、
その3つをコア技術と位置付けております。私ども
の商品では、発泡技術として、気泡を含んでいてクッション性が
あるフィルム、表面が穴だらけのフィルムなどがあります。改質技
術として、熱でくっつけることができるPETフィルム、
日本一の
シェアの蒲鉾の内側の適度な密着力のフィルム、金属の歯車など
を入れる錆ない袋などがあります。
リサイクル・環境技術として、
ポリエチレンの再生発泡フィルム、
PETボトルの粉砕したごみの
再フィルム化などがあります。
それぞれの採用事例ですが、
まず、発泡技術とは、
フィルムに
気泡を閉じ込める技術で、成形時に高温で溶かし、
そこに高圧で
安全なガスを注入、一気に圧力低下させると、気泡を持ったフィ
ルム、
プラスチック製品ができます。
ハニックという片面が穴だら
けのフィルムは、冷痛性、熱痛性を緩和する性能があります。
アイ
スクリームの包材を私どものハニックというフィルムを使用する
と、不織布の繊維クズが皆無になり、接着剤で張り合わせる工程
が1回減るなどコストダウンになるということで高い評価をいた
だき、
アイスクリームの一番内側のフィルムに採用されています。
改質技術とは、主原料のプラスチックにごくわずかの添加剤を
混ぜ込み、性質を変えようというものです。私どもが作ったPET
フィルムは熱で付けることが可能となり、表面にはいろいろなも
のがくっつきにくい性能があります。採用事例としては、
吊るすタ
イプの虫よけの内袋に採用していただきました。
内袋にPETフィ
ルムを使用すると、
中の薬効成分の濃度が下がらず、薬効成分の
量を少なくできるので、
コストダウンになります。
リサイクル技術ですが、使用済みプラスチックを再加工する技術
で、東かがわ市の指定ごみ袋として採用していただきました。東かが
わ市で回収されたペットボトルを使用して、
この袋ができています。
私どもは、
これまでもいくつかのフィルム製品を作っておりました
が、それら既存のフィルム製品に対して今まで気がついていなかった
性能がないかを調べることが開発のスタートラインになっています。
新たに気がついた性能を、
これまでとは異なる分野用途のユーザー
に新しい価値として認めて頂けることで、今回の採用事例となりました。
弊社に知見の無い分野用途に対して提案できたのは、幅広い
分野に詳しい方に相談することができたのも大きいです。
そのよ
うな方を見つけることも重要な点でした。
弊社で製造しているフィルム製品について、他にも気づいてい
ない性能が無いか、現在も調査を続けております。
TOP NEWS
特集1
「香川県ものづくり企業と医療機器メーカーとの展示・
商談会in本郷」を開催しました!
医療機器市場は国内・海外において拡大傾向にあり、今後が期待される成長分野の一つとされています。しかし、ものづくり企業が
新規に参入しようとするには、高度な専門知識、薬機法などの特殊な法規制、ニーズの把握など様々な障壁があるため、医療機器メ
ーカーと連携することが有効であると考えています。
そこで、県内ものづくり企業と医療機器メーカーとのマッチングを図るため、昨年、一昨年に引き続き、医療機器メーカーが集積す
る東京都文京区本郷において、商工組合日本医療機器協会と協力して展示・商談会を開催しました。
開 催 日
開催場所
平成28年8月4日(木)
医科器械会館
(東京都文京区本郷3丁目39-15)
来 場 者
参加企業
主 催
共 催
東京都文京区本郷地区医療機器メーカー
等51社・団体65名
県内ものづくり企業20社及び特別出展3
かがわ産業支援財団、香川県
商工組合日本医療機器協会
お問い合わせ先
開催状況
展示会場には昨年を上回る51社・団体、65名の来場があり、各社展示
ブースでは出展企業と医療機器メーカーとの間で、熱心な意見交換・商
談等が行われました。また、当財団の、在京の発注開拓コーディネータ
ーが企業訪問を行うなど、事前に出展企業のアピールポイントを紹介し
商談予約を受付けたところ、医療機器メーカー等19社から51件の申込
みがあり、別室において個別商談が行われました。
当財団では、この商談等が具体的な取引につながるよう日本医療機器
協会等と連携してフォーローアップを行うとともに、今後もこのようなマ
ッチングの機会を設け、県内企業の健康関連製品の開発や健康関連産
業への販路拡大等を支援してまいります。
公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 健康産業プロジェクトチーム
高松市林町2217-16 FROM香川1F TEL.087-840-0338 FAX.087-864-6303
特集2
「香川県新技術・新工法提案商談会 in 東芝府中」を開催しました
∼香川のものづくり企業の新技術・新工法を㈱東芝府中事業所に直接アピール∼
株式会社東芝 府中事業所の御協力をいただき、県内企業13社が、自社の新技術・新工法を展示・提案する提案商談会を開催しました。
【開催概要】
開催日時
開催場所
出展企業
平成28年9月2日(金) 10:00∼15:00
株式会社東芝 府中事業所24号館2階府中調達部
B・C会議室(東京都府中市東芝町1番地)
県内企業13社
来 場 者
株式会社東芝 府中事業所(インフラシステムソリ
ューション社・エネルギーシステムソリューション
社)の調達担当者
主 催
香川県、公益財団法人かがわ産業支援財団
開催状況
この提案商談会は、株式会社東芝府中事業所の調達担当者
を主対象として、県内企業の優れた技術や製品を展示し、直
接提案することにより新たな販路拡大を目指すものです。
財団からは、大津理事長も出席し、間島府中調達部長などと
意見交換し、
「株式会社東芝の府中事業所に県内企業の技術
力や製品の素晴らしさを知っていただく良い機会になった。
今後も県内企業の受注につながるよう支援していきたい」と
開会の挨拶を行うとともに、各ブースを回り、出展企業の激
励を行いました。
会期中、株式会社東芝からは関連企業を含めた123名が来場
され、各ブースで出展企業との活発な商談が行われました。
出展企業にとっては、株式会社東芝府中事業所の多くの関係
者に自社の技術等を直接提案するとともに、大手企業のニー
ズを把握できる絶好の機会となりました。
お問い合わせ先
香川県及び財団では、今回の出展企業に対しフォローアップ
を行い、具体的な取引につながるようサポートをするなど、
県内企業の販路拡大を積極的に支援します。
〈㈱東芝府中事業所 来場者の声〉
「独創的なアイデアがあり、大変参考になりました。」
「非常に優れた技術の企業が多く、自分の担当する製品へ
の適用を相談してみたい。」
「とても勉強になりました。関連ありそうな会社もあります
ので、今後も機会があれば展示会を開いて頂きたいと思い
ます」といったコメントをいただきました。
〈出展企業の声〉
「自社商品を紹介する機会となり、今後東芝府中へアプロ
ーチするきっかけづくりができた。」
「予想していた以上の名刺交換ができ、商談成立に繋がり
そうな案件があった。」
「自社製品のPRを十分に行うことができ、今後に期待が
もてる内容の話が聞けた。」
といった声が寄せられ、今後の展開に期待が持てる内容とな
りました。
公益財団法人かがわ産業支援財団 企業振興部 取引支援課
高松市林町2217-15 TEL.087-868-9904 FAX.087-869-3710
Kagawa
KagawaIndustrial
IndustrialInformation
Information2121
66
特集3
香川大学ビジネススクール「地域の中小企業と経済活性化」
∼企業経営の第一線で活躍する講師による公開講座を開催します!
!∼
公益財団法人かがわ産業支援財団と香川大学大学院地域マネジメント研究科とは、地域を担う若手人材を育成することを目的に、
企業経営等の第一線で活躍している講師による授業科目「地域の中小企業と経済活性化」を昨年度に引き続き、地域マネジメント研
究科における提供講座として開講します。
講座では世界に誇れる技術や様々なマネジメント事例が登場します。一般聴講も可能ですので是非ご参加ください。
【講座概要】
日 程
平成28年10月4日(火)∼平成29年2月7日
(火)
※毎週火曜日開催(各講座の詳細は講座概要一覧を参照ください。)
時 間
18:20∼19:50(90分間)
場 所
香川大学 幸町南キャンパス
又信記念館1階・特別講義室(高松市幸町2-1)
授業回数
15回
講 師
講座概要一覧のとおり
開催形態
公開講座(地域マネジメント研究科の学生に加えて、
一般公募の申込によりどなたでも聴講できます。)
受 講 料
無料
お申込方法
香川大学地域マネジメント研究科HPから専用サイ
トで直接申込むか、受講申込書に必要事項を記入の
上、
FAXまたはメールにて下記までお申込ください。
講師と講座概要一覧
講義回
7
日 程
社 名・団 体 名
役 職
氏 名
講 義 概 要
第1回 H28.10. 4
公益財団法人
かがわ産業支援財団
理事長
大津 佳裕
地域活性化の政策と実践
第2回 H28.10.11
高松信用金庫
理事長
蓮井 明博
地域経済の発展と金融機関の役割
第3回 H28.10.18
松谷化学工業株式会社
取締役
製造生産本部長
山田 晃士
希少糖の研究開発と事業化
第4回 H28.10.25
株式会社ルーヴ
専務取締役
野
低糖質・低カロリースイーツの開発に挑んだルー
ヴの取組み
第5回 H28.11. 8
徳武産業株式会社
代表取締役会長
十河 孝男
感動のオンリーワン企業を目指して
第6回 H28.11.15
株式会社藤田製作所
代表取締役
藤田 和也
下請け零細企業で儲ける経営
第7回 H28.11.22
株式会社レクザム
取締役副社長
住田 博幸
技術で勝って、
ビジネスでも負けない
第8回 H28.11.29
四国化工株式会社
代表取締役社長
入交 正之
四国化工が目指すもの!
第9回 H28.12. 6
山一木材株式会社
代表取締役
熊谷 國次 「今だけじゃない、未来にもいいものを。」老舗材
KITOKURASディレクター 熊谷 有記 木店の一世一代の新事業「KITOKURAS」。
第10回 H28.12.13
勇心酒造株式会社
常務取締役
研究所長
大久保 明
酒造会社からバイオテクノロジー会社へ
∼理念に基づく経営∼
第11回 H28.12.20
株式会社メドレックス
代表取締役社長
松村 眞良
技術のイノベーションは新しいマーケットをつくる
第12回 H29. 1.17
日本手袋工業組合
理事長
友國 誠二
香川に、地域産業に生まれて
第13回 H29. 1.24
株式会社未来機械
代表取締役社長
三宅 徹
香川大学発ベンチャー企業 未来機械の起業プロセスと
ソーラーパネル清掃ロボット開発及び中東への販売戦略
第14回 H29. 1.31
株式会社森國酒造
代表取締役
池田 亜紀
小豆島の小さな酒蔵の、女性ならではのブランデ
ィング及び地域活性化への取組
第15回 H29. 2. 7
有限会社井上誠耕園
代表取締役
井上 智博
6次化農業経営について
Kagawa Industrial Information 21
幸三
昨年度開催された講義では地域マネジメント研究科の学生、
一般聴講の方、延べ約600名の方にご参加いただきました。多
彩で経験豊富な企業経営者等による講義が行われ、講義の終
盤には積極的な質疑応答が交わされています。
お申込先
香川大学大学院地域マネジメント研究科
高松市幸町2-1 TEL.087-832-1955 FAX.087-832-1988
MAIL:gsm-offi[email protected]
U R L:http://www.gsm.kagawa-u.ac.jp
昨年の講座の様子
公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課
お問い合わせ先
高松市林町2217-16 FROM香川1F TEL.087-840-0338 FAX.087-864-6303
特集4
かがわ中小企業応援ファンド/かがわ農商工連携ファンド
新商品発表会を開催しました!
!
財団では、
「かがわ中小企業応援ファンド」及び「かがわ農商工連携ファンド」を活用して、中小企業者や農林漁業者等が行う研究
開発や販路開拓、人材育成などの様々な取組みを支援しています。
このファンド事業を活用して企業の皆様が開発された新商品や技術を広くPRし、今後の販路開拓やファンド事業の活用を促進す
るために、7月27日にサンメッセ香川小展示場において、今年で8回目となる新商品発表会を開催しました。
新商品発表会では、38の事業者の方々に事例発表や新商品等の展示をいただいたほか、
「香川県よろず支援拠点」、
「かがわ6次
産業化推進センター相談窓口」、
「知財総合支援窓口」の出張相談会を開催しました。企業や行政、研究機関、金融機関などを中心に
280名の方々に参加いただき、大変盛況のうちに終了しました。
事例発表
事業主体
テ ー マ
支援メニュー
㈲アイヴエモーション
産学官連携によるCFRP製高性能ロー 中小企業応援ファンド
ドバイクフレームの研究開発
(成長のエンジンとなる分野支援事業)
㈱ルーヴ
低糖質・低カロリースイーツの開発と販 中小企業応援ファンド
路開拓
(食品産業総合支援事業)
㈲筒井製菓/
大野豆プロジェクト
大野豆の復活と生産体制の構築、豆菓 農商工連携ファンド
(新商品等開発支援事業)
子等の新商品の開発と販路開拓
お問い合わせ先
公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 ファンド事業推進課
高松市林町2217-15 TEL.087-868-9903 FAX.087-869-3710
Kagawa Industrial Information 21
8
財団からのお知らせ
平成28年度かがわ創業塾を開催しました!
!
当財団では、香川県からの委託を受け、県内での創業を支援するため、昨年度に引き続
き今年度も「かがわ創業塾」を開催しました。創業に必要な知識やノウハウを、講義や創業
計画書の作成、創業の先輩との交流を通じて習得いただき、創業される方の夢がカタチに
なるよう応援しました。
講師は、当財団で日頃から中小企業の方からの相談に対応している経営、
マーケティン
グ等の専門家等が務めました。創業塾終了後もこれらの専門家等が無料で相談をお受け
するなど、開業に向けて財団が万全のサポートをしていきます。
日 時
平成28年6月29日
(水)、7月6日
(水)、13日
(水)、20日
(水)、27日
(水)
場 所
香川産業頭脳化センタービル1階100会議室及び2階一般研修室
課 程
創業の心構え、事業のコンセプトづくり、創業に関する基礎知識、創業計画書
策定演習、創業の先輩からの体験談等
受講者
34名(うち全課程修了者24名)
受講料
無料
お問い合わせ先
公益財団法人かがわ産業支援財団 企業振興部 企業支援課
高松市林町2217-15 TEL.087-840-0391 FAX.087-869-3710
「第20回機械要素技術展」に香川のものづくり企業10社が出展!
∼ 新製品・新技術を首都圏の製造業者にアピールしました ∼
香川県の主要な産業であるものづくり基盤技術関連企業の成長分野等への進出を支援する取組みとして、機械要素・加工技術を一堂
に集めた日本最大の専門技術展「第20回機械要素技術展」に香川県ブースを出展しました。出展企業10社にとっては、首都圏の設計・
製造・開発部門を中心とした来場者に対して、自社技術を直接提案するとともに、企業のニーズを把握する絶好の機会となりました。
開催期間
平成28年6月22日(水)∼24日(金)
開催場所
東京ビッグサイト(東京都江東区有明)
出展者数及び来場者数
2,350社、87,285人(ともに過去最多)
香川県ブース実績
出展企業:10社 来場者数:1,562人
商談件数:201件 継続案件数:55件
出展企業のコメント
来場者も訪問先を絞り込んで来られるので、非常に効率的な
展示会であった。
ターゲットとしている企業の方に来ていただくことができ、情
報収集、商品提案など、今後につながる機会となった。
普段では関わりを持つことのできない他業種の方々との出会
いであり有効な機会となった。
などのご意見を出展企業からもいただき、首都圏で開催され
る大規模展示会への出展によって様々な成果が得られるととも
に、次年度の参加を希望される声も多くいただきました。
お問い合わせ先
9
Kagawa Industrial Information 21
<香川県ブース>
<商談の様子>
なお、10月に開催されます第19回関西機械要素展への出展
も予定しております。
【第19回 関西機械要素技術展】 http://www.mtech-kansai.jp/
開催期間
平成28年10月5日(水)∼7日(金)
(3日間)
開催場所
インテックス大阪(大阪府大阪市住之江区南港)
香川県ブース
出展企業:8社を予定
公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課
高松市林町2217-16 FROM香川1F TEL.087-840-0338 FAX.087-864-6303
財団からのお知らせ
希少糖の木「ズイナ」を用いた新商品の開発を支援しています
公益財団法人かがわ産業支援財団では、平成28年度かがわ
農商工連携ファンド助成事業について、右表のとおり希少糖の
木「ズイナ」を活用した商品開発事業を支援対象事業の一つと
して決定しています。
事業名
連携体事業者
ズイナを活用した大福などの 健康によいスイ
ーツ の開発と販路開拓
サヌキ結願亭(株)ズイナ栽培研究会
平成28年度の希少糖関連事業補助金の補助事業者を採択しました
香川県では希少糖D-プシコース(純品)を使用した商品開発及び糖質バイオ分野の研究成果(機能性糖鎖等)を活用した製品開発
に取り組む企業に対し、経費の一部を補助することで事業化を促進し、糖質バイオ産業の振興と活性化を図っています。
平成28年度は糖質バイオ商品開発支援事業費補助金について、平成28年3月25日(金)から5月27日(金)まで公募を行い、この
期間に申請のありました案件について厳正な審査を行った結果、下記の2件を採択しました。
高純度のD-プシコース(純品)は、現在、特定保健用食品として国の審査を受けており、流通していませんが、この補助事業を実施
する場合は、メーカーから供給を受けることが可能です。ただし、開発した商品を市販する時期は、D-プシコース(純品)の特定保健
用食品の表示許可後となります。
<希少糖商品開発支援事業>
企業名
補助事業
テーマ
桜の内助六商店(同)
大島周辺の
「てんぐさ」
を使った
『フルーツところポンチ』
の開発
<糖質バイオ活用支援事業>
企業名
補助事業
テーマ
ハイスキー食品工業(株)
D-プシコースとこんにゃくグルコマンナン混合物の
脂質代謝の改善効果と機能性食品素材への展開
また、今後成長が期待される希少糖分野への企業の進出を促進し、本県における希少糖産業の集積を図るため、県では県内企業
の新たな希少糖生産に係る研究開発を支援しています。
平成28年度は新たな希少糖生産に係る研究開発支援事業費補助金について、平成28年3月25日(金)から6月10日(金)まで公
募を行い、この期間に申請のありました案件について、厳正な審査を行った結果、下記の1件を採択しました。
企業名
補助事業
テーマ
(株)伏見製薬所
生理活性単糖類の製造・製品開発・安全性に
関する研究
※詳細は香川県ホームページ(http://www.pref.kagawa.jp)
「事業者の皆さま向け
(助成/補助/貸付/認定/賞)」
の情報を
ご覧ください。
希少糖をPRしています
「さぬきうまいもん祭り in 東京」
で希少糖含有シロップが利用されました。
香川県では、県産食材の認知度向上・販路拡大を図るため、
平成28年7月22日(金)帝国ホテル東京(東京都千代田区)に
おいて、報道機関の皆様や百貨店バイヤー、卸・仲卸業者等を
対象に県産食材を使った料理の試食会「さぬきうまいもん祭り
in
東京」を開催しました。今回は、
「さぬき讃フルーツ」を贅沢
に使用したスペシャルデザートに希少糖含有シロップが使用さ
れました。
お問い合わせ先
希少糖含有シロップを利用したデザートならびに希少糖含有シロップ関連商品展示
公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 健康産業プロジェクトチーム
高松市林町2217-16 FROM香川1F TEL.087-840-0338 FAX.087-864-6303
Kagawa Industrial Information 21
10
財団からのお知らせ
初心者向け知的財産権制度入門講座を開催しました
当財団では、
「香川県知的所有権センター」活動の一環として、産業財産権を活用した地域産業の振興を促進するため、知財経験が
少ない中小企業等の社員等を対象として、初心者向けの講習会(知的財産権制度入門講座)を下記の日程で6回開催しました。
日 時
テーマ
参加数
1
平成28年5月25日
(水)
知的財産権制度について
(概要)
3
平成28年6月22日
(水)
意匠・商標の出願から取得まで、各種支援策の案内
2
4
5
6
平成28年6月 8日
(水)
平成28年7月 6日
(水)
平成28年7月20日
(水)
平成28年8月 4日
(木)
19
特許・実用新案の出願から取得まで
特許・実用新案の検索実習・演習
意匠・商標の検索実習・演習
外国(台湾・中国)商標の検索実習・演習
13
13
9
13
7
●企業・学校・各種団体等へ出向いて実施する出
前講座を行いますので、ぜひお申込みください。
随時受け付けています。
(詳細は財団のホームページをご覧ください。
http://www.kagawa-isf.jp)
講習風景
検索実習風景
「中小企業等外国出願支援事業」公募のお知らせ!
!
募集期間
平成28年11月11日まで
(受付は随時)
応募資格
香川県内に本社を有する中小企業者等、または、地域団体商標の外国出願については商工会議所、商工会、NPO法人
等で、以下の要件を満たす者。
①申請書提出時点で、日本国特許庁に既に特許出願等(PCT含む)を行っており、平成29年3月末までに外国特許庁へ同
一内容で出願を完了できること。
②外国特許庁と国内出願の出願人名義が同一であること。
③先行技術調査等の結果、外国での権利取得の可能性が明らかに否定されない出願であること。
④外国で権利が成立した場合に、当該権利を活用した事業展開を計画していること。
または助成を希望する商標出願登録に関し、外国における冒認出願対策の意思を有していること。
⑤外国出願に必要な資金能力及び資金計画を有していること。
助成内容
① 補助率:1/2以内 ② 上限額:1企業に対し300万円
(複数案件の場合) ③ 1案件ごとの上限額(
万円 実用新案、意匠、商標出願:60万円 冒認対策商標出願:30万円)
(消費税分を除く)
提出先
特許出願:150
公益財団法人 かがわ産業支援財団 知的財産支援部 知的財産普及課(杉本、大久保)
高松市林町2217-15 香川産業頭脳化センタービル2階
TEL:087-869-9004 FAX:087-867-9365 E-mail:[email protected]
「かがわ知財経営塾」を開催します
当財団では、知的財産を出願したことのある中小企業等の経営者等や知的財産の活用に関心のある経営者等を対象に、企業経営
に知財活動を定着していただくため、知的財産の活用による企業競争力の強化への取組み等について、
「かがわ知財経営塾」として、
セミナーを5回開催することにしています(無料)。
第1回目は、
「下町ロケット」の弁護士のモデルとして著名な鮫島正洋弁護士・弁理士をお迎えし、知的財産を企業経営に活用する
方法を講演いただきます。
多くの皆様の御参加をお待ちしています。
テーマ
講 師
「下町ロケット」に学ぶ中小企業の知財・経営戦略
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
鮫島正洋弁護士・弁理士
お問い合わせ先
11
Kagawa Industrial Information 21
日 時
平成28年10月25日(火)13:30∼15:30
場 所
サンポートホール高松5階54会議室
定 員
100名(先着順)
公益財団法人かがわ産業支援財団 知的財産支援部
高松市林町2217-15 TEL.087-867-9332 FAX.087-867-9365
財団からのお知らせ
香川県産農産物の未利用部位に含まれる機能性成分の探索
公益財団法人かがわ産業支援財団と香川県産業技術センター食品研究所が共同で、香川県産の農産物の未利用部位を機能性食
品素材として有効活用することを目的として、未利用部位に含まれる機能性成分を探索した成果をまとめました。未利用部位として選
んだ香川県産農産物のブロッコリーの葉・茎・脇芽、さつま芋の葉・蔓、ぶどうの絞り滓、桑の葉、枇杷の葉、オリーブの葉、柿の葉の
機能性成分を探索したところ、ブロッコリーにはスルフォラファンなど、さつま芋にはクロロゲン酸など、ぶどうにはレスベラトロール
など、桑葉には1-デオキシノジリマイシンなど、枇杷葉にはセスキテルペンなど、オリーブ葉にはオレウロペインなど、柿葉にはイソケ
ルシトリンなどが含まれていました。抗酸化性は、オリーブ葉、枇杷葉、柿葉、桑葉が高い値を示しました。酵素阻害活性は、桑葉の
α-グルコシダーゼ阻害活性、枇杷葉及び柿葉のα-アミラーゼ阻害活性が高い値を示しました。
今後、未利用部位の有効活用を進めるな
ブロッコリー
(葉、茎、芽)
かで、バイオマス素材をお持ちの皆様方と共
サツマイモ
(葉、茎)
ブドウ
(発酵滓、搾り滓)
同で研究すればより一層の成果が得られる
ものと考えています。特に、農商工連携など
を活用した事業化に向けた取り組みが効果
的です。本取り組みをさらに発展させ未利用
部位を捨てることなく機能性食品素材として
利用することで農産物の全利用を可能とし、
その結果、一層の経済活性化とさらなる環境
低負荷型生産システムの構築が実現すること
を期待しています。
クワ
(葉)
ビワ
(葉)
オリーブ
(葉)
カキ
(葉)
工場見学会を開催
日 時
平成28年6月21日
(火)7:50∼18:30
場 所
日本食研㈱(愛媛県今治市)
ヤマキ㈱第二工場(愛媛県伊予市)
主 催
かがわ機能性食品等開発研究会及びかがわ冷凍食品
研究フォーラム
概 要
参加者
日本食研㈱見学
ヤマキ㈱見学
「かがわ機能性食品等開発研究会」及び
「かがわ冷凍食品研究フォーラム」
の会員を対象に、愛媛県内の日本食研株式会社
及びヤマキ株式会社において、研鑽を積むとともに会員相互の交流を深めることを目的として工場見学会を開催しました。
41名
「科学と発明」おもしろ体験学習
日 時
場 所
概 要
参加者
内 容
平成28年8月20日
(土)10:00∼15:30
RISTかがわ
(公財)
かがわ産業支援財団・
(公財)大西・アオイ記念財団、
(一社)香川県発明協会は、
将来を担う子供たちに楽しみながら科学と発明への興味を高めてもらうために、小学生
高学年親子等を対象に
『科学と発明』
おもしろ体験学習を開催しました。
A 電子レンジでガラス細工
B いろいろな顕微鏡でのぞく世界
C 発明工作教室
20名
17名
20名
A 電子レンジのマイクロ波で加熱してガラス細工
やポップコーンづくりを体験した。
B 3種類の顕微鏡を使って、
それぞれの世界の違
いを観察した。
C 磁石の作用を応用して、
トントンえさをついば
む小鳥を制作した。
お問い合わせ先
A 電子レンジでガラス細工
B いろいろな顕微鏡でのぞく世界
C 発明工作教室
公益財団法人かがわ産業支援財団 地域共同研究部 研究開発課
高松市林町2217-43 RISTかがわ1F TEL.087-869-3440 FAX.087-869-3441
Kagawa Industrial Information 21
12
独自の視点と
繊細な技術で生まれる
オーダーメイドの筆記具
工房の奥に並んでいるのは、これから形になるのを待っているアクリル
樹脂の素材。その色鮮やかさと種類の豊富さに、これまでの「万年筆」
のイメージをくつがえされる―。そんな美しさを備えているのが、
helicoの万年筆。
万年筆を中心にボールペンなど、要望に応じてオーダーメイドの筆記具
を手がける「helico」の工房には、文具好きでなくても愛着の一本を
オーダーし、使い続けたくなる。そんな魅力が潜んでいる。
helico(ヘリコ)
代 表 者 諏訪 匠氏
所 在 地 香川県高松市国分寺町新名491-6
電話番号 (090)
7575-5987
U R L https://www.facebook.com/
ヘリコ-helico-370229819818170/
香川県内の元気な企業を訪問し、
その企業が発展して
きた過程と躍進し続ける今、
そして未来への指針につい
てお聞きする
「かがわ発!元気創出企業」。
今回、取材させていただいたのは、オーダーメイドの万
年筆やボールペンが人気を博している工房「helico」。
型にはまらない発想で創りだす美しい筆記具が生まれた
背景と経緯、
そして今をあますところなくお聞きしました。
代表
諏訪 匠氏
13
Kagawa Industrial Information 21
木工職人としての経験を活かし
他にはない文具をつくりたい
住宅街の一角にそっと佇む一軒家。ここが、お客様がそれぞれ
の好みで選んでオーダーした万年筆やボールペンなどを、細やか
な作業で生み出す「helico」のアトリエ。奥から、代表の諏訪匠さ
んがにこやかに出迎えてくれます。
今や8カ月待ちともいわれるオーダーメイドの筆記具は、これま
でに見たことのないような美しさ。今までになかった筆記具が生ま
れた背景には、諏訪さん独自の視点がありました。
家具職人だった父の影響もあり、高校卒業後は、木工職人とし
て就職し、大型家具の制作に携わってきたそう。
「仕事として手が
けるのは大きなものばかりでしたが、自分自身は小さなものをつく
るのが好き。なので、仕事から帰ると、父の工房にこもって小物を
つくることに没頭していました」と話します。
そんな折、万年筆が欲しいと思い、気に入った万年筆を手に入
れようと探した時に、納得できるようなものがなかったという諏訪
さん。目にするのは、落ち着いた色合いのどちらかといえば高い年
齢層に受けそうなものばかり。素材の魅力をあまり感じないうえ、
同じようなデザインの万年筆に愛着を持てる気がしなかったこと
から、自分自身が納得して選べるような、素材そのものの魅力が
活かせる個性的な万年筆をつくろうと思い当たったといいます。
文具マニアの間で、最近注
目されているガラスペン。アク
リル樹脂材なら割れにくくま
た、
キャップ付きで持ち歩ける
魅力も
ナガサワ文具センター梅田茶屋町店「万年筆サミット」。
オーダーのほとんどが、
こういった展示会を通じてのも
のだとか
「しっかりとしたサポートがあるからこそ、
作品づくりに没頭ができる」
と諏訪さん
アクリル樹脂という素材の魅力を活かした
「helico」の万年筆。ペン先もオリジナル
これまでになかった美しい筆記具。
それに特化して創る、ということ
今までにないものを創る、というのは言葉にするよりも難しいもの。
ですが、新しいものを創ることに迷いはなかったといいます。そこで
諏訪さんが選んだのが、木工職人としての腕を活かせる木材のほか、
アメリカから輸入したアクリル樹脂材。日本ではあまり目にすること
のないアクリル樹脂材の豊富な色合いと個性的なルックスに、これ
で万年筆をつくれば、これまで万年筆は敷居が高いと手に取らな
かった層にも受け入れてもらいやすいのではないか。それがまるで
アクセサリーのような色とりどりの万年筆の制作につながりました。
「もともと30歳までには独立したいと考えていました。家具や小
物と違って、文具の世界は新しいものがどんどん取り入れられると
ころ。既成概念にとらわれることなく、好きなものがつくれるという
のも魅力でした」。その後、会社を退職し、2013年に工房をオー
プン。最初のうちは木製品アクリル樹脂や木製の文具を半々で手
がけていたものの、今までになかった美しい万年筆が、しかも自分
の選んだ素材や形、細かな部分までオーダーしてつくれるとあって
徐々に文具マニアを中心に認知度が上がり、このままで中途半端
になるくらいならと、翌年からは万年筆やボールペンなどの筆記具
に特化するようになったのだとか。言葉の端々にモノづくりにかけ
る信念がうかがえます。
手作業で創るからこその完成度。
二人三脚で世界にひとつの筆記具を提供
300種類を超えるというアクリル樹脂材と木材、そのなかから
気に入った素材を選ぶというのが、
「helico」のスタンダードな注
文方法です。お客様から頂いた要望を反映した、イメージラフを
描くところから始まり、ていねいに描かれた設計図面に沿って仕上
げていく工程は、まさに作品づくり。同じ素材を使うとはいえ、一
つひとつオーダー内容が異なるため、万年筆であれば1日に1本、
ボールペンであれば2本がやっと。
「そのため、オーダーいただい
てから長くお待たせしてしまうのですが、その分愛着のある1本が
できあがると待ってくださるお客様ばかりなのは有難いですね」と
相好を崩します。
「通常、オーダーを受けてから納品まで半年ほどの期間をいた
だいていたのですが、このところ8カ月待ちの状態が続いています」
と諏訪さん。各地をイベントなどで飛び回ることもあるため、職人
を入れたほうがと考えることもあるといいます。
「それでもひとりで
やっているからこそ、要望に細やかに応えられる強みとフットワー
クの軽さがあると思うとなかなか」と考え込みます。そんな諏訪さ
んを二人三脚で支えるのが、イベントなどでのオーダー受付や経
理関係などを引き受けてくれる奥様の存在。丹精をこめて精緻な
手作業でつくりあげていく一つひとつの作品には、おふたりの愛情
が込められています。
Kagawa Industrial Information 21
14
財団コーディネーター
Relay Essay
『出会いと成長』
8
しい人々に会うことができたと思っています。
私の勤めるよろず支援拠点でも、
たくさんの専門家の方に出会
えました。
ずんやり芸術とデザインに染まった私からみると、全く別の専門
家の人は世間に明るく、知識も豊富で、尊敬します。
おかげで、
自
分の考え方の偏りを知ることができ、
たった1年と数か月ではあり
ますが、考え方に大きな変化が生まれました。
人との出会いは得難い宝だと思っています。
もちろん、不愉快な出
会いや、
出会いによって傷つくこともあります。
でもそれも成長の肥やし。
人は人に会うことで変わっていくことができます。
同じ自分じゃ飽きてしまう。成長が止まると飽きるらしい。
それに育ててくれた人をがっかりさせたくないですから。
だから、
もういい年ではありますが、
まだまだ成長せんといかん
なと思っています。
月2日、私のデザイン観に大きな影響を与えてくださった人
が急去されました。彼女と出会ったのは2006年。
まだまだ上
辺でしかデザインについて考えていなかった私にデザインの奥深
さ、哲学を教えてくれました。
デザインに対する精神性を高めてく
れた最大の恩人です。彼女との出会いで今まで開けることができ
なかった扉が開き、大きく成長させてくれました。
彼女から受けた親切で真摯なアドバイスを見習い、私の教え子
へ、彼女への恩を返すようなつもりで真剣に向き合ってきました。
そして、彼女のゴールを決めないストイックな仕事ぶりを見習い、
また、彼女に見せても恥ずかしくない作品となるように仕事に磨き
をかけたつもりです。
彼女との出会いの後、石材業者のとある社長さんに縁をいただ
きます。
彼には行動力をもらいました。
その気にさえなればどこにでも行
けて、誰とでも会える勇気をもらいました。
そんな彼に貢献したくて
積み重ねた努力も結局は私自身の財産にもなっています。
そんな出会いによって、気が付けば本当に多くの経験をさせて
もらい、勇気をもらい、成長することができました。
人に一番大きな影響を与えるのはやっぱり人です。
その成長がきっかけとなり、
その後、今に至るまで多くの素晴ら
香川県よろず支援拠点
吉岡 律子
(ウェブ/デザイン)
アートディレクター・グラフィックデザイナー。
デザイン分野における相談に対応。
専門学校非常勤講師。
香川県デザイン協会所属。
ACCESS MAP
琴電
高松築港駅
JR高松駅
国道11号
瓦町駅
号
国道
11
国道
32
JR高徳線
四国横断自動車道
高松中央
I.C
太田駅
号
四国横断
自動車道
レインボーロード
琴電琴平線
国道 号
高松檀紙
I.C
琴電志度線
国道11号バイパス
琴電
長尾
街道
線
長尾
県道太田上町志度線
香川インテリジェントパーク
県道三木国分寺線
高松西
I.C
高松桜井高校
高松土木
事務所
RISTかがわ
地域共同研究部
県立図書館・文書館
香川大学工学部
サンメッセ香川
バス停
サンメッセ香川
サンシャイン通り
FROM香川
技術振興部
ネクスト香川
香川産業頭脳化センタービル
総務部 企業振興部 知的財産支援部
交通アクセス
JR高松駅より、車で約25分
(約9km)
、定期路線バスで約30分
[サンメッセ・川島・西植田線 サンメッセ香川下車]
高松中央インターチェンジより、車で約5分
(約1km)
高松空港より、車で約25分
(約12km)
この印刷製品はグリーン基準に適合した印刷資材を使用し、
グリーンプリンティング認定工場が印刷した環境配慮製品です。
企業振興部
〒761 - 0301 香川県高松市林町2217番地15
香川産業頭脳化センタービル2F
企業支援課
TEL
(087)
840 - 0391 FAX
(087)
869 - 3710
取引支援課・海外展開支援室
TEL
(087)
868 - 9904 FAX
(087)
869 - 3710
技術振興部
〒761 - 0301 香川県高松市林町2217番地16
FROM香川1階
産学官連携推進課・健康産業プロジェクトチーム
TEL
(087)
840 - 0338 FAX
(087)
864 - 6303
<香川インテリジェントパーク 拡大図>
至レインボーロード
▲ 総務部
〒761 - 0301 香川県高松市林町2217番地15
香川産業頭脳化センタービル1F・2F
総務課
TEL
(087)
840 - 0348 FAX
(087)
869 - 3710
企画情報課
TEL
(087)
868 - 9901 FAX
(087)
869 - 3710
ファンド事業推進課
TEL
(087)
868 - 9903 FAX
(087)
869 - 3710
施設管理課
TEL
(087)
869 - 3700 FAX
(087)
869 - 3703
印刷:香川印刷株式会社
地域共同研究部
〒761 - 0301 香川県高松市林町2217番地43
RISTかがわ1階
研究管理課・研究開発課
TEL
(087)
869 - 3440 FAX
(087)
869 - 3441
知的財産支援部
〒761 - 0301 香川県高松市林町2217番地15
香川産業頭脳化センタービル2F
知的財産支援課
TEL
(087)
867 - 9577 FAX
(087)
867 - 9365
知的財産普及課
TEL
(087)
869 - 9004 FAX
(087)
867 - 9365