up ! os e マイク&音源 ∞の“カホン専用” cl 使い方 演奏にすごく可能性が広がる パワーのあるアンサンブルでも使ってみたい ティックか……もちろん音楽の種 類でも使う音色が変わりますし、例 えばここでちょっとパンチが欲し 今年発表されたローランドの世界初となるELCajon(エレクトロニック・レイヤード・カ ホン) = EC-10 に続き、 “カホン専用”のマイク・プロセッサー= EC-10Mがリリース! サウンド・ホールに専用クリップ・マイクを取りつけ、 カホン本来の音はもちろん、内蔵 音色を重ねて鳴らすことが可能になるというもので、どう使うかは叩き手次第。今回の close up!は、そんな∞(無限大)の可能性を秘めたEC-10Mをプロ・パーカッショニ ストの田中倫明、 朝倉真司にレポートしてもらった。 いときや、プレイする音楽が 1 つ でなくいろいろと要求されたとき、 アイディアを出すのにもすごく良 いですよね。クリップのつける位置 によっても音の出方はずいぶん変 わるし、カホンによってもかなり変 わると思います。そのへんはスレッ 企画&構成&文:編集部 撮影:八島崇 (製品写真除く) About EC-10M... ELCajon(エレクトロニック・レイヤー ド・カホン)シリーズの EC-10M はアコー スティック・カホンの音を専用クリップ・マ Roland EC-10M イクで拾い、さらにそこから内蔵音色を重ね レーズをループ再生させながら演奏ができる ク・プロセッサー。“ カホン+パーカッショ が無限に広がっていく! またライト・ウェ て鳴らすことができる “ カホン専用 ” のマイ ン ” で多彩な音を作るも良し、“ カホン+カ ホン ” で音を増強するも良し、キック・トリ ガーも 2 台まで接続可能、録音した MIDI フ など、奏者の使い方次第で、カホンのプレイ イト&コンパクトなのも特長で、電池駆動も 可能なため、野外でのライヴ、ストリートの 演奏などにも気軽に持ち運ぶことができる。 オープン・プライス Review #1 田中倫明 Profile ●たなかみちあき:1959 年生まれ。19 歳でBread & Butter のサポートでデビュー。 松岡直也グループ在籍 時にはモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演、 自身のバンド “コンフント・ミチアキーノ” ではキューバ・モザンビーケ25 周 年フェスに国賓として招かれる。現在は角松敏生をはじめ、 ポップス、ラテン、ジャズとジャンルを問わず活躍中。昨年、 自身の名義でアルバム『ORACION』 をリリースした。 ▲田中のオススメはエレクトロニックなサウンドの“7” 「 。最 近はドラムレスの仕事が多いんですけど、カホンでドラムの パートを任されることが結構あるんです。でも僕は、 ドラムな 音とパーカッシヴな音と分けたいので、EC-10Mはカホン以 外の音色で、 リズム・パターンとして使ってみたいです」 。 ショルドや音量つまみなどでコン トロールできますし、シンプルなの ですぐにコツが掴めそうです。何よ り手元ですぐに調整できるのが良 いですね。カホン初心者でも、EC- 10M を使って、ちょっと慣れれば これはすごい!よく考えましたね(笑) 、 楽しく演奏できる感じがしますし、僕だった 手のタッチの感覚を EC-10M 用として完璧 てもらって叩いてみたいし、音量の大きいパ とても面白いです。マイクの反応の仕方や、 に切り替えるのに少し練習は必要だと思いま すが、 演奏にすごく可能性が広がりますよね。 アンサンブルする楽器がエレキかアコース ら大きな会場で PA さんにうまくミックスし ワーのあるアンサンブルで使ってみたいです ね。エレキ・ギター&ベースとのトリオでも いろいろなことができると思います。 デジタルな感じに、ソロで、曲の一部分で “バリエーション”にすごく可能性があると思う ▲▶専用クリップ・マイク Specification ●音色キット数:16 ●レイヤード音色種類:2(ハイ、 ロー) ●コントロール:<トップ・パネル> POWER スイッ チ、 (MIC)COMPRESSORつまみ、 (MIC)VOLUMEつまみ、 (ELECTRONIC)THRESHOLD つま み、 (ELECTRONIC)VOLUMEつまみ、MODE SELECTボタン、Aボタン、Bボタン<左側面> MIC GAINつまみ、ENHANCEスイッチ●インジケーター:キット番号●接続端子:TRIGGER INPUT 端 子(TRS 標準タイプ) 、MIC INPUT 端子(ステレオ・ミニ・タイプ/専用マイク) 、MIC/MIX OUTPUT 端子(MONO・標準タイプ) 、 ELECTRONIC OUTPUT 端子(MONO・標準タイプ) 、 DC IN 端子●電源: ACアダプター(DC5.7V) 、充電式ニッケル水素充電池(単 4 形) ×4 ●消費電流:150mA ●連続使 用時の電池の寿命:約 5 時間(電池の仕様、 容量、 使用状態によって異なります) ●外形寸法:175(幅) × 135(奥行き) ×55(高さ)mm ●質量:500g(電池含む) ●付属品 : 取扱説明書、 「安全上のご注 意」 チラシ、AC アダプター、 クリップ・マイク、 保証書、 ローランド ユーザー登録カード●別売品:キック・ トリ ガー(KT-10、KT-9、KD-7) 、 ステレオ・スプリット・ケーブル(PCS-31L) メ ” したり。そういう意味ではこの EC-10M は理に適っていて、ここぞ というときに生の音ではない強く面 白い音が出せるのはとても良いと思 いました。つまみの操作もすごくシン プルで、原音と混ぜられるのもいい。 打面を叩いたときどう反応するかは 慣れるのにちょっと時間がかかるか もしれないけど、叩いているうちに てこんなことも! ■“箱”を使っ ▼ 2 系統のアウトプットを装備。マイクで拾っ たカホンの音と内蔵音色を独立して出力できる ので、PA 側でも音のバランスを調整できる。 ▲キック・トリガーは 2 台まで接続可能。フッ ト・ボタンA /Bに割り当てられているレイヤー 音 色を鳴らすことができる。KT-10、KT-9、 KD-7などのコンパクトなモデルがオススメ。 130 2016.11 Rhythm & Drums Magazine ◀ EC-10M が 梱 包 されている“箱”に 専用クリップ・マイ クを装着すれば、即 席パーカッション に早変わり。とに かく楽しいのでぜ ひ お 試しを! 可 能性は未知数 !? 自然と手が覚えて馴染んでいくと思 ▲「やっぱりどうせ使うならインパクトがあって面白い音色 を」 ということで、 音色は完全に“飛び道具” とも言える“F” を 選択。 “ドン”でも“タン”でもない細かいニュアンスを出すプ レイ、朝倉曰くゴースト的にごしょごしょやっているときに、 その音が低音/高音にどう分類されて反応するかがわかって くると、 かなり面白く使えるのでは、 とのこと。 います。アコースティックのライヴ だと、カホンだけで通してしまうこ とも多いけど、曲や状況によっては ここはさすがに変わった強い音色が 欲しいなあ、みたいに思うときもあっ て。なので、 (EC-10M を使って)こ カホン自体はそれほどレンジが広くない楽器 こでがらっと変わった、みたいな意志が、きち ン ” を強調する……“ 下 ” と “ 上 ” の帯域を伸ば だけデジタルな感じに、ソロで、曲の一部分、 なので、 私が普段使うときはEQで“ドン”と“タ してもらうことが多いんです。アコースティッ クのアンサンブルでリズムを支えるようなとき はカホンの原音がわからないくらい “ デフォル んと面白く伝わればすごく良いですよね。1 曲 とか。そういうバリエーションはすごく可能性 があると思いました。EC-10M とカホン 1 つ あれば、本当にいろんなことができますからね。 Roland EC-10Mに関する問い合わせは、 ローランドお客様相談センター(☎ 050-3101-2555) まで。 Review #2 朝倉真司 [ヨシンバ、Asoviva!] Profile ●あさくらしんじ:1971 年生まれ。 大学在学中に LOVE CIRCUSにパーカッションで参加し(その後ドラム もプレイ) 、96 年にデビュー。自身が参加するヨシンバ、 “Asoviva!” での活動の他、一青窈、森山直太朗、スネオヘ アー、ハシケン、 リクオ、岸谷香、松尾清憲、いきものがかり、 秦基博、レキシ、中田裕二などのライヴ/レコーディングに 参加、 ドラマー&パーカッショニストとして活躍中。 131
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