2016年6月9日に特許協力条約(PCT)

クウェートが特許協力条約(PCT)に加盟
クウェートは、2016年6月9日に特許協力条約(PCT)への加入書を寄託することにより
PCTに加盟した。これにより、クウェートはPCTの149番目の締約国となった。PCTは2016
年9月9日にクウェートにて正式に発効する予定であることから、最も重要な点として、
2016年9月9日以降に出願されたPCT出願は自動的にクウェートの指定を含むこととなる。
さらに、クウェートはPCT第2章(任意)によって拘束される予定である。これにより、
2016年9月9日以降に出願されたPCT出願に関して国際予備審査を請求する場合、自動的
にクウェートも選択されることとなる。また、クウェートの国民および居住者は、2016
年9月9日をもってPCT出願することができるようになる。
クウェートは、サウジアラビア王国、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン国、バー
レーンを含む地域機構である湾岸協力会議(GCC)の加盟6カ国のうちのひとつである。
GCCには加盟全6カ国において特許保護が及ぶ統一特許付与制度がある。GCC自身はPCT
に加盟していないことから、PCT出願においてGCCを指定することはできず、かつPCT
出願においてGCC特許の付与を申請することもできない。しかしながら、クウェートが
PCTに加盟することによりすべてのGCC加盟国がPCT加盟国となる。従って、各加盟国
においてPCTを通じ特許保護が間もなく可能となる。さらに、湾岸6カ国において保護を
求める際に常に必要であった、PCT出願とGCC出願の併用がもはや必要でなくなる。
クウェートのPCT加盟以前、出願人は、クウェートにおいて保護を受けるためにGCC特
許庁へ出願しなければならなかった。実際、クウェート通商産業省が2016年4月3日に公
布した、GCC加盟国特許法の施行の制限を含む2016年法律第115号を考慮して、クウェー
ト特許庁は国内の特許出願の受理を中止した。
また、2014年のクウェートのパリ条約加盟以降、すべてのGCC加盟国がパリ条約加盟国
でもあることから、GCCの加盟6カ国のうちいずれかの特許庁に最初に提出された出願
に対しパリ条約に基づき優先権を主張することができる。一方、GCC自身はパリ条約に
加盟していないことから、GCCの地域特許庁に最初に提出された出願に対しパリ条約に
基づき優先権を主張することはできない。