一般社団法人 リラクゼーション業協会 第 24 回コンプライアンス委員会議

一般社団法人 リラクゼーション業協会
第 24 回コンプライアンス委員会議事録
日時:平成 24 年 4 月 6 日(金) 16:00~18:00
於:株式会社ボディワーク 本社セミナールーム
進行:渡邉理事
書記:事務局
1. 事故報告
前回開催以降の 2 か月間に発生した事故事例 8 件の報告を頂いた。
事例 1
ケア前に眼鏡をお預かりし、眼鏡ケースにいれたところ、ケース収納時に破損してしまっ
たもの。現在、写真・見積もり待ち。
対象会社からの報告
今後の対応として、お客様に自分で眼鏡を収納いただくこととする。
事例 2
足を伸ばした状態の座位でストレッチをしようと背中を押した際、痛みが生じたとされる
もの。急性腰痛症の診断。
対象会社からの報告
本日、対象会社欠席だったため、事故報告一覧を基に吉田様より、下記のとおり報告があ
った。
2 週間の通院(実通院 6 日)
。治療費・休損・慰謝料にて示談成立。
事例 3
「肩甲骨周辺が特に疲れているのでその部分は強く」と言われお客様に強さを確認しなが
らも、かなり圧をかけて施術をした。
施術中ネックレスをされていたが、
「外してください」のアナウンスもせず、両肩・背中が
うっ血したもの。
施術当日の夜に熱(37.6℃)が出て上半身全体が筋肉痛になったかのように非常に痛くな
ったとのことで、両肩の辺りが擦り切れたように赤くなり、右肩の下部は引っ掻いたよう
になっていた。
対象会社からの報告
本日、対象会社欠席だったため、事故報告一覧を基に吉田様より、下記のとおり報告があ
った。
1
現在、診断書等詳細待ちである。
事例 4
骨盤ストレッチ実施後、頭まで突きあがる痛み。ベッドでしばらく休んだが症状が悪化し
たため、救急車で搬送。診察後、鎮痛剤による強い眠気があり、自分で起き上がることも
できなくなった。急性腰痛症(1 週間の加療)→腰部捻挫(3/16 から約 3 週間の加療見込
み)の診断有り。
対象会社からの報告
経過観察中。4 月をこえて治療が必要となる場合は医療照会を実施。
是正対応として、社内ある連絡書を利用し、ストレッチをする際は急にストレッチをかけ
ないということをセラピストに意識してもらう、また、
「ゆっくりあげていきますね」とい
うような声掛けの意識づけを行い、全店に共有して、事故を未然に予防することとしてい
る。
会員
自社ではこういった場合、最初に膝を緩めたままにし、ケアを行っている。
あとは、お客様の状態・様子をみながら行っていく。
丸井監事
自社では、場合によっては施術を断るような対応もしている。
事例 5
足裏・ふくらはぎをクリームとオイルでもみほぐしたところ、両ふくらはぎに赤い湿疹・
痒みが発生したもの。
「一次刺激性皮膚炎兼毛のう炎」の診断有り。
対象会社からの報告
示談中。2 日通院。
是正対応として、改めて手洗いの徹底、そして施術時に使用する抗菌ロールというおしぼ
りに消毒液を入れたもので、足をふき取ってから施術を開始するのだが、その消毒液の適
正量の促しを行っている。
また、5 月の社内報にてクリームとオイルの適正量、消毒液の適正量が書かれたものを全
店へ配信することとしている。
「毛のう炎」は温浴施設では中々起こらないが、商業施設内で多い。お客様が足を洗って
から来るという場所とそうでない場所で差があるというのは、何か原因があるのではない
かと感じる。
また、最初にふき取りをする際に、下腿のほうまできちんとやっていて、こういった事例
が発生していないという例があれば、そのような徹底をしていくことも必要なのではない
かと感じる。
今後、もっと詰めていき、こういった事例が発生しないような方法をとっていきたい。
山本顧問医師
オイルが合う、合わないではなく菌が入ってしまうことが原因。
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施術行為をしなくても「毛のう炎」というのは発症することがある。
ちょっとした傷から菌が入ってしまったり、基礎疾患があるか等にもよる。
渡邉委員長
ふき取り方法については要検討事項である。
事例 6
頭皮・まつげ・目頭・こめかみ・頬の母指圧迫と四指圧迫。
(フェイスセラピー)
「両眼周囲皮下出血」の診断有り。
対象会社からの報告
診断書代のみで解決。
繊維筋痛症のお客様であった。
施術自体に大きな問題はなかったが、目の周り等を施術する際は皮下出血しやすいので、
力の加減に注意するということで是正対応している。
渡邉委員長
繊維筋痛症のお客様であったということは、施術はやるべきではないのか。
山本顧問医師
主治医の許可が出れば大丈夫である。
事例 7
身体を起こし仕上げの段階でストレッチをかけようとした際に腰が立たなくなったもの。
そのままベッドで 30 分ほど横になっていたが改善せず、救急搬送。
「急性腰痛症」にて 3
日間の入院。
対象会社からの報告
医療照会実施中。
是正対応として、身体を起こす際にゆっくり起き上がらせる。また、96 番の事例同様の対
応をすることとしている。
事例 8
うつ伏せで腰から下、背中の左側のボディケアを行なった際、筋肉に痛みが発生。「左肋骨
骨折・腰部挫傷」の診断。
対象会社からの報告
約 3 ヶ月(実通院 14 日)の通院。現在示談交渉中。
是正対応として、強さの加減。そして、セラピストが日本語をうまく話せないということ
もあり、コミュニケーション不足も問題として挙げられる。
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渡邉委員長
アカスリ時の体調ご確認シートの徹底が出来ていないことが明らかになったので、今一度、
体調ご確認シートがきちんと取れるような仕組みづくりをしていきたい。
山本顧問医師
クレーマーのような方には、病院でもそうだがマニュアル通りに動くのではなく、相手を
察して説明に時間をかける等、配慮が必要に感じる。
渡邉委員長
自社では、セラピストが対応せず、すぐに担当マネージャーに報告を上げ、担当マネージ
ャーから連絡させていただくように対応している。
渡邉委員長
その他、起きてしまった事故以外に、各社様で抱えている案件があれば是非お持ちより頂
きたい。
会員様
下記、2 件の事案について山本顧問医師へ確認があった。
1 点目
52 歳 女性の方で、4 年間で 68 回来店(月 1~2 回来店)されていたのだが、3 月に店舗
へ来店された後、くも膜下出血で亡くなられた。
これまで、体調ご確認シートや自社のチェックシートも記載いただいており、問題ないと
思い施術も行っていたし、特にご家族の方からのクレームはないが、施術との因果関係は
ないのか、誘発することはあるのか。
2 点目
腰に違和感があるということで来店されたお客様。年齢が 92 歳。
血圧は、少し高めでお薬を飲んでいる。
骨密度は、70 歳代。
基本は軽擦中心で、辛いという部分には、少し圧をかけるという施術を行ったのだが、高
齢者に対する施術について顧問医師の見解を聞きたい。
山本顧問医師
1 点目の確認事項について
因果関係はないと思ってよいと思う。
あとは、普段血圧はどうだったのか。
血圧が高い状態で施術をしている場合は、誘発したと言われかねない。
2 点目の確認事項について
高齢者の場合、急変し死に至る可能性はある。
高齢者が施術を受けるにあたり重要なのは、どうして通われているのか、ご家族の理解度
はどのくらいなのかということ。
ご家族・ご本人は何を望んでいるのか。施術を受けている時間と空間が大切と思われてい
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るのであればよいと思うが、治すというような違う期待をされていたり、リスクの理解が
ないのであれば、主治医に容態を確認する等したほうがよいと思われる。
会員様
1 点目について、自社では体調ご確認シートとは別に自社のチェックシートに書いて頂い
ている。また、その際に血圧は高めかどうかのチェック、薬を飲んでいるかのチェック項
目がある。
尚、今回の方は血圧は問題なかったようだ。薬も飲んでいないとのことであった。
2 点目について、ご家族の方にお話ししたのは、ほんとに施術を行う場合は体調がよく、
問題ない時にお願いしたいという話をした。また、医師の判断を仰ぐようお願いをした。
丸井監事
体調ご確認シートに血圧の事も加えるべきなのか。
また、温浴施設ではお風呂場で亡くなられたり、お風呂を出てから亡くなられたりという
こともある。
山本顧問医師
お風呂場と脱衣所の気温差も関係すると思われる。
渡邉委員長
お客様が施術を受けることで何らかの危険性があることを知らずに、施術を行ってしまっ
た場合、スペース側の責任は問われるのか。
服部弁護士
セラピストが体調ご確認シート等できちんと体調を把握できていたのかにもよる。
あとは、お客様には体調ごシートを毎回書いて頂いていると思うが、あまりに高齢である
と、内容をわかって署名をしているのかという点、それからお客様が本来医者へ行くべき
ところ、リラクゼーションスペースを利用しているとすればそれは問題である。
会員様
自社では、体調ご確認シートの記入については、ご本人が書けない場合は家族に書いて頂
いている。
未成年についても同様である。
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