White Paper: Web Print Server(日本語)

BarTender Web Print Server について
BarTender ラベルを Web Brower 経由で選択し、印刷を行う
Web アプリケーションの構築について
概要
BarTender Web Print Server はラベルの選択と印刷を使用したブラウザーインターフェイスを提供
する ASP.NETのアプリケーションです。通常のPCや Windows 以外のコンピュータ、あるいは携
帯型 PDA などのブラウザーが使える媒体であればラベルフォーマットを閲覧、選択し BarTender
Web Print Server を介して印刷することが出来ます。
インストール
BarTender Web Print Server のインストールとその配置のための手順:
1. サーバーに IIS をインストール。これはコントロールパネルのプログラムの追加と削除、
Windows コンポーネントの追加と削除を使用して行います。
2. ASP.Net 2.0 をインストール。ASP.Net 2.0 は以下のサイトからダウンロードできます。
このページ内で dotnetfx.exe を探します。
http://www.microsoft.com/downloads
3. PDF 印刷を考えている場合には Adobe の Acrobat をインストールする必要があります。
4. Seagull License Server をインストール。ほとんどの場合 SLS はウェブサーバーにインスト
ールされますが、他の PC にインストールしてもかまいません。
5. BarTender と Commander をウェブサーバーにインストール。
6. 必要になるプリンタドライバーをウェブサーバーにインストール。
7. BarTender Web Print Server をウェブサーバーにインストール。
8. “Resources”フォルダーにサンプルラベルが入っています。このサンプルフォーマットを希望
するフォーマットで置き換えることが出来ます。「ラベルフォーマットの考察」の項を参照くださ
い。
9. 希望のサイト管理オプションを構成します。サイト管理ページへは Windows のスタートメニュ
ーからアクセスすることが出来ます。
注:BarTender、Commander、Seagull License Server、BarTender Web Print Server、プリン
タドライバのインストールに関する詳細説明は「導入ガイド」のマニュアルを参照ください。
BarTender Web Print Server の使用方法
BarTender Web Print Server プリケーションには 3 つの主要なページがあります。それぞれ、

ラベルフォーマット選択

ラベル印刷

サイト管理
ラベルフォーマット選択
BarTender Web Print Server のトップページ「ラベルフォーマット選択」ページで、ここには必要な
数のラベルフォーマットを配置し、しかもそれをプレビュー表示できます。
このページに多くのラベルフォーマットが存在する場合、検索機能を使ってラベルフォーマットの名
前を部分的にマッチ検索し、表示フォーマットを絞り込むことができます。
印刷ページを呼び出すには、呼び出すフォーマット上でクリックするだけで OK です。
BarTender Web Print Server のラベル選択ページではラベルを閲覧し、印刷したいラベルがあれ
ばそれをクリックすることで印刷ページに移動できます。
ラベル印刷
必要なラベルをクリックしたら、「印刷」ページが表示されます。この印刷画面では BarTender のフ
ル機能版にある印刷時オプションのほとんどの機能を使うことができます。指定したプリンタの変
更、印刷枚数の指定それと実際の印刷です。
ラベルフォーマットに対してどの BarTender オプションが使用されているかにもよりますが、「印
刷」ページではその他のコントロールも出来ます。
クエリープロンプト
ラベルがデータベースからデータを読み込むように設定され、クエリープロンプトを使って当該レコ
ードを選択するよう指定されている場合、レコード選択用の値を入力する画面が教示されます。
印刷時データ入力
ラベルに印刷時データ入力が設定してある場合、パネル上にフォーマットのプロンプトダイアログ
ボックスが表示されます。ラベルに必要なデータをここからキー入力することが可能です。
Web Print Server は BarTender 8.0 で新たに導入された新規オプションも含め、BarTender で使
用できるプロンプトデザインの機能のほとんど全てをサポートしています。
データ入力が完了したら実際の印字前にデータを入れ込んだラベルがどのように見えるかプレビ
ューでチェックすることが出来ます。(プロンプトダイアログが不要でプロンプト表示するように設定
されていない場合、プロンプトダイアログは表示されません)
印刷時データプロンプトを含む BarTender の中にある標準的な印刷オブジェクトはほとんどを
Web Print Server の印刷ページで利用できます。
サイト管理
Web Print Server のサイト管理ページはシステムアドミニストレータ用のページで、通常の印刷時
に使用者はアクセスできません。このページの目的はラベルの選択及び印刷でどのような機能が
使えるか、画像イメージ変更を含むアプリケーションの構成を変更するためのものです。
BarTender Web Print Server をインストールする際、サイト管理ページにアクセスする為、ウェブ
プリントサーバーの Windows スタートメニューのオプションに何を入れるかを指定します。
ウェブブラウザーを使って遠隔管理とローカル管理を交互に使い分けることも出来ます。
BarTender Web Print Server のサイト管理ページを使ってどのオプションが利用可能か、それが
どのように表示されるかを選択することが出来ます。
このサイトの機能をコントロールするために 3 つのタブがあります。全般、ラベルフォーマット、印刷
の 3 種類です。
全般タブ
このタブはサイト全体に影響するオプションを指定します。イメージプレビューとローカライゼーショ
ン設定のみ印刷時にユーザーが目にするものに影響を及ぼします。
一時ファイル及びフォルダの場所設定コントロールはほとんど変更する必要がありません。
ラベルフォーマットタブ
このタブはラベルフォーマット選択ページのプレビューの物理的なレイアウト位置を決めます。
印刷タブ
このタブでは印刷ページでの印刷時ユーザーに利用できる機能をコントロールできます。このオプ
ションを構成する際には 3 つの印刷方式を理解することが重要です。
印刷方式について
BarTender Web Print Server には 3 つの印刷方式があります。
標準 Windows 印刷、インターネット印刷、PDF 印刷です。
全ての場合でウェブサーバー上の BarTender が印刷コードを生成します。サーバーからクライア
ントに印刷コードを送信する方式はそれぞれ異なります。
以下に詳述されている 3 つの印刷方式は使用可・不可を自由にしかも別個に切り替えることが出
来ます。
標準 Windows 印刷
これは 3 つの中でもっとも簡単な印刷方式で、サーバー上あるいは LAN/WAN 上のプリンタに出
力可能な場合はこの方式を推奨します 。「標準 Windows 印刷」ではウェブサーバー上の
BarTender が他の Windows のプログラムと同様にサーバーにインストールされたプリンタドライ
バーを使って印刷します。
サーバーの要件
使用するそれぞれのプリンタドライバーをサーバーにインストールし、適正なプリンタポートを指定
しなければなりません。
クライアントの要件
ウェブクライアントからラベル印刷要求をするには 2 つの印刷方式があります。

TCP/IP 接続あるいはサーバーに直接インストールされたプリンタに印刷出力するには、ブラ
ウザーのみ必要なだけです。携帯端末に組み込まれたブラウザでも十分使用可能です。

クライアントシステムに接続したプリンタに出力する場合、当該 PC には適切にプリンタドライ
バがインストールされウェブサーバーから共有可能として共有されていなければなりません。
優位性
標準 Windows 印刷は設定するにはもっとも簡単な印刷方式で、なおかつ最も効率の良い方式で
す。多くの場合、クライアント端末にはソフトウェアを全く必要としません。この為、携帯端末からの
印刷がやりやすくなります。
注:サーバーに接続したプリンタに印刷する場合、クライアント上にはドライバもソフトウェアも必要
ありません。しかしクライアントが LAN ないし WAN 上のウェブサーバーに接続された PC の場合、
サーバーのプリンタドライバはクライアントと共有されていることが望ましいわけです。こうすること
でクライアントの「プリンタと FAX」フォルダ及び「印刷スプーラー」ウィンドウにプリンタのステータ
スが表示できるからです。
インターネット印刷
プリンタが LAN または WAN でなはくインターネットを介してサーバーに接続されたクライアント PC
に接続されている場合のみ使用することを推奨します。なぜなら標準 Windows 印刷がこのケース
では使用できないからです。印刷コードがサーバー上のファイルに生成されウェブサーバーからク
ライアントのブラウザーに転送されるわけです。クライアント側にわたるとクライアント側スクリプト
と BarTender ウェブクライアントランタイムが一緒になってプリンタコードをローカルの Windows ス
プーラーに提供します。
インターネット印刷はより複雑になるため常に標準の Windows 印刷をするよう心がけてください。
サーバーの要件
プリンタごとにドライバーをサーバーにインストールしなければなりません。出力ポートを指定する
必要はありません。ドライバはファイルに印刷する際に使用するだけです。
クライアントの要件
クライアントは Windows PC でなければなりません。従って Windows 2000, XP, Windows 2003
サーバーないし Vista で、プリンタドライバーが適正にインストールされている必要があります。
またクライアント側のブラウザーはスクリプティングと ActiveX コントロールをサポートしている必要
があります。BarTender Web Print Server の「印刷」ページを最初に表示させる場合、ユーザー
は自動的にBarTender ウェブクライアントランタイムをインストールするよう促されます。
優位性
LANまたはWANではなくインターネットを介してウェブサーバーに接続されたクライアントPCに接
続されているプリンタに印刷することが出来ます。ウェブサーバーはインターネットプリンタに直接
アクセスできないため、標準Windows印刷はできません。
注:クライアント側にある TCP/IP プリンタはプリンタの TCP/IP ポートをウェブサーバーに公開する
事も実際には可能です。その場合にはインターネット印刷ではなく標準 Windows 印刷を行なって
下さい。
PDF 印刷
PDF 印刷ではサーバー上で Adobe 社の PDF を生成します。それで、クライアントのブラウザーが
自動的に Adobe Reader を使って PDF を表示し、必要ならそれを PDF ドキュメントから印刷しま
す。この方法はサーマルプリンタの印刷ではなく事務用プリンタに主に印刷する場合に推奨する
方式です。
サーバーの要件
ウェブサーバーには Adobe Acrobat がインストールされている必要があります。プリンタ内蔵フォ
ントが必要な場合、それに対応したプリンタドライバがサーバーにインストールされていることが推
奨されます。適切な出力ポートを指定する必要はありません。ドライバは PDF を生成するために
のみ使用されるからです。
クライアントの要件
ブラウザーからアクセスするため、クライアントには Adobe Reader がインストールされていなけれ
ばなりません。またクライアントには適切なプリンタドライバーインストールされていることも必要に
なります。
優位性
PDF では複数ラベルを印刷する際、印刷プレビューの機能が提供されます。これは事務用プリン
タで業務を行うには有効なオプションです。
注:PDF で印刷の際は、しばしばリサイズが行われます。これはバーコードの品質に決定的な影
響を与えます。Adobe Reader でリサイズを不可に設定し、バーコードの品質がスペック通りでユ
ーザーの要求に合致しているかどうか確認が必要です。
インターネット印刷で「互換モデル」を使う
インターネット印刷では通常プリンタドライバーを全く同じ名前でクライアントとサーバーにインスト
ールすることが求められます。しかし、サーバーにインストールされ利用されているプリンタがクラ
イアントのプリンタと互換性が非常に高い場合、不必要に多くの同じようなプリンタをサーバー上
にインストールすることを避けるため、そのプリンタドライバーをパネル上で互換モデルとして使用
することが出来ます。
プリンタモデルリストは現行ウェブサーバー上にインストールされている全てのモデルを表示しま
す。一つを選択し、互換モデルコントロール内で互換性のあるプリンタモデルの名前を入力します。
一行に一モデルを入力します。ワイルドカード文字の*及び?がサポートされています。
互換モデルリストでワイルドカードを使う際、特定のモデル名を非互換モデルリストに追加すること
で特定のモデルを互換モデルリストから除外することも出来ます。
ラベルデザイン上の制約
BarTender Web Print Server には BarTender を印刷クライアントとして使用する際のほとんど全
ての機能が含まれていますが、幾つかの制限もあります。
そのため以下のようなガイドラインがあります。幾つかの制限事項は将来の Web Print Server で
は取り除かれる可能性があります。
プロンプト
印刷時プロンプトが使用され、1 つ以上のサブ文字列がラベルで使用されている場合、「印刷」ペ
ージ内でデータ入力パネルが Web Print Server により表示されます。このパネルはフル機能版
の BarTender にある「プロンプトダイアログ」の HTML 版です。
BarTender のプロンプトデザインビューよりこのフォームをカスタマイズすることが出来ます。印刷
時プロンプトにサブ文字列が無くプロンプトダイアログに何らの制御もかかっていない場合、この
パネルは表示されません。
Web Print Server の印刷ページ内のプロンプトダイアログを使う際には以下の制限事項に注意し
てください。

データベースからのサブ文字列は印刷時プロンプト画面にはセットできません。サブ文字列
データベースから来るのかあるいは印刷時プロンプト画面から来るのか指定する必要があり
ます。両方はできません。

リストボックスに対するデータソースとしての VB スクリプトはサポートしていません。

BarTender の“データソース”内で設定されたデータ入力、”その他のオプション”ダイアログで
設定された制限事項に違反した場合でも、ブラウザー上には(BarTender 使用時に表示され
るような)ポップアップ警告メッセージは表示されません。しかしプレビューを更新することでラ
ベルに印刷される結果を確認することはできます。
レコード選択
レコードを表示して手動で印刷するレコードを選択する機能はサポートされていません。しかし
BarTender のクエリープロンプトを指定することでレコードを選択することは出来ます。クエリープ
ロンプト内に入力するデータは BarTender に引き渡されます。従って、通常のオペレーションのよ
うにクエリーを実行し、特定の検索要件にマッチしたラベルを印刷します。