ダイレクトコンバージョン 無線機技術 東芝研究開発センター 鶴見博史 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 1 概要 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 2 無線部のシステム設計?(無線屋) チップ面積や価格、無線特性を考慮したIC化 部分の選定 安価で小形かつアセンブリコスト増の無いパッ シブ部品の選択 上記部品が使用可能となるICのチップパーティ ショニング 無線機全体に渡る回路や部品に対するバラ ンスの取れた仕様割り付け 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 3 移動体通信端末の無線部システム設計のアプローチ 要求条件 小形化 部品レベル ・パッシブフィルタ(誘電体、 SAW、セラミック)の小形化、 主要回路のLSI化 ・上記小形部品の高密度 実装 軽量化 重量部品(アンテナ、筐体、 フィルタ、電池)の軽量化 低価格化 高額部品(パッシブフィルタ、 アンテナ、筐体)の低価格化 汎用化・ 複数システムに対応可能な マルチモード 広帯域な通過特性を持 化 つ部品の開発 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) 方式レベル ・大形部品を使用しない 方式 ・外付部分をLSI化可能な 無線方式 重量部品の実装点数を 削減出来る無線方式 高 額 部 品 を 削 減 出来 る 無線方式 帯域制限のある部品を 削減出来る無線方式 Corporate Research & Development Center 4 ヘテロダイン方式 狭帯域フィルタ (SAW)が必要 狭帯域フィルタ (誘電体、SAW) が必要 FM、FSKに対して は、外付のディスクリミ ネータを使用 狭帯域フィルタ(水晶、 セラミック)が必要 RF MIX IF MIX ( ANT LNA : IC化可能な部分 RFft. 1st IFft. 1st LO Osc. 2nd IFft. ) DET IF LIM 2nd LO Osc. 1st IF 2nd IF 増幅すればスーパー 中間周波の数だけ発振器が必要 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 5 ダイレクトコンバージョン方式 広帯域フィルタ、もしくは マッチング回路で代用 ( ) LO Osc. π/2 DET ANT LNA RFft. MIX LPF LIM : IC化可能な部分 高周波発振器1個 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 6 ヘテロダイン vs.ダイレクトコンバージョン ダイレクトコンバージョン 項目 ヘテロダイン方式 ダイレクトコンバージョン方式 1 受信感度 ◎ ○ 2 隣接チャネル感度抑圧 ◎ △ 3 相互変調特性 ○ △ 4 ブロッキング特性 ◎ ○ 5 イメージ応答 ○ ◎ 6 選択度 ◎ ○ 7 帯域特性 (耐ローカル周波数変動) ◎ ○ 8 耐フェージング特性 ◎ ○ 9 高速応答性 ◎ △ 10 広帯域性・汎用性 (複数システム対応) 消費電力 △ ○ ◎ △ 11 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 7 歴史を紐解く。。 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 8 基本的な要求 昔々・・・ 受信信号から精度・純度の良い基準信号を得ること 精度の良いIQチャネル間のバランス、マッチング得ること 精度の良い チャネル間のバランス、マッチング得ること ベースバンドフィルタを小形に作ること 現在は・・・ “ローカル ローカル”発振器 ローカル 発振器 半導体プロセスの進歩 SCF、 、ジャイレータフィルタ、C内蔵プロセス ジャイレータフィルタ、 内蔵プロセス 加えて、強力な信号処理 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 9 Colebrookのホモダイン受信機 (1924) 兎に角、基準信号の純度が悪い 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 10 Robinsonの搬送波周波数再生方法 (1922) 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 11 Gabrilovitchのシンクロダイン受信機 (1936) 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 12 VanceのダイレクトコンバージョンFSK受信機 (1977) 原データ Data (I) Ck (Q) Qout 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 13 DCオフセット 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 14 移動体 DCオフセット LNA 反射 時変、時不変夫々に応じた キャンセル方法が有効 π/2 DC オフセット セルフミキシング DC オフセット 時変DCオフセット 時変 オフセット 時不変DCオフセット 時不変 オフセット t 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 15 ハーモニックミキサ(信号のミキシング) 1.0 0.5 Vcc LO T -∆ 2 T +∆ 2 0.0 −0.5 RF −1.0 0.0 Vout T 2 1.5 Time LO RF 3.0 LO=RF/2 LPF出力 AM → PWM ハーモニックミキサ出力 •Qout 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 16 ハーモニックミキサ(ローカル信号のミキシング) 1.0 0.5 Vcc LO signal T 2 T 2 0.0 −0.5 −1.0 0.0 Reflected LO Reflected LO signal 1.5 Time Vout LO 3.0 LO=RF/2 LPF出力 ハーモニックミキサ出力 原理的にDCオフセット無し 原理的に オフセット無し 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 17 2次歪 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 18 2次歪 入力レベル 50~ ~60dB 干渉波(Pu) 干渉波( ) 所望波 (Pd) ) f D/U:15dB 50~ ~60dB 2次歪 次歪(IM2) 次歪 IMR:65~ ~75dB 2次の非線形性 次の非線形性 0 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) 干渉波(Pu) 干渉波( ) f Corporate Research & Development Center 19 差動対の調整 作動ペアの位相・振幅のアンバランスで 2次歪が発生するので。。 次歪が発生するので。。 Vcc 信号レベル (dBm) マッチング 回路 ローカル 入力 (差動) 移相器 (φ) -30 干渉波入力 -40 -50 -60 2次歪出力(入力換算) -70 -80 -90 -100 マッチング 回路 干渉波: 2 GHz+500 kHz : 2 GHz+520 kHz ローカル: 2 GHz 2次歪出力: 20 kHz ≧ 30 dB -110 -120 -130 RF信号 入力 -140 -10 0 10 20 30 40 50 位相φ (Deg) 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 20 差動対バランス調整機能付きミキサ回路 Vcc R1 Buffer R2 出力 + Tr1 Tr2 LO Tr3 + − 信号入力 RF − Tr4 − 信号入力 RF + VB IM2 Canceler (3-bit DAC) D/A変換器 変換器 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) 制御信号 (3 bits) Corporate Research & Development Center 21 2次歪測定結果 次歪測定結果 -30 干渉波入力 -40 信号レベル (dBm) -50 干渉波: 1.9 GHz+600 kHz 1.9 GHz +650 kHz ローカル : 950 MHz 2次歪出力: 50 kHz -60 -70 制御閾値(Rb) IMR -80 -90 所要D/U(=15 dB) 2次歪仕様値 -100 -110 -120 2次歪出力 (入力換算) -130 -140 0 1 2 3 4 5 6 7 制御信号(コード) 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 22 歪特性制御機能を備えたDCR A D π/2 ディジタル部 A LNA D MIX LPF AGC ADC 歪制御 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 23 ダイナミックレンジ 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 24 受信信号の飽和 A D Q π/2 I ディジタル部 A LNA D MIX 元信号 (π π/4-QPSK) LPF Q AGC ADC I 回路の非線形性 飽和した 受信信号 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 25 ダイナミックレンジ拡大手法いくつか・・ ディジタル信号処理部 I A I A D fRF π/2 RSSI D 検波部 fRF fRF π/2 LNA MIX AGC LPF 検波部 A LNA D Q RSSI fRF A Rrff Q D 基準値 MIX D Rrff LPF 基準値 A 多ビット(~14ビット) A/D変換器 Loopft. ベースバンドアナログAGC ベースバンドアナログ 多ビットA/D変換器 変換器 多ビット I + fRF fC π/2 π/2 fRF - fC LNA LIM Q MIX LPF MIX2 いずれにせよ、ベースバンド までは線形に持って来る必要 有り 再周波数変換-リミタ 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 26 ダイナミックレンジ拡大 - 複数部分での利得制御 - フロントエンド部 ベースバンド部 ディジタル π/2 LNA 信号処理部 MIX ベースバンド部利得制御 MIXへの離散的な利得切替制御 LNAへの離散的な利得切替制御 でも利得制御が必要なのはネック RFでも利得制御が必要なのはネック 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 27 利得切替結果(一例) 理想特性 無線部C/N( (dB) ) 無線部 70 LNA2値、MIX2値 60 LNA⑤ MIX① 50 LNA⑤ MIX⑤ LNA① MIX① 40 LNA① MIX⑤ 30 目標C/N (25dB) 20 10 0 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 受信機入力レベル(dBµ ) µ :load) 受信機入力レベル( 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 28 ダイナミックレンジの拡大(一例) 1.E+00 1.E-01 1.E-02 BER 95 dB 1.E-03 85 dB LNA、ミキサ 、 AGCアンプの 利得切替 1.E-04 AGCアンプのみの 利得切替 ミキサ、 AGC アンプの利得 切替 1.E-05 1.E-06 -100 -90 -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 入力レベル (dBm) 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 29 小型に小形に。。 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 30 パッシブ部品の排除(基板内蔵化) DIV RXft. MIX π /2 CPL TXft. PA π/2 CPL Txft. DIV Rxft. 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 31 広帯域化・マルチバンド化 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 32 ヘテロダイン方式によるマルチモード化 A ディジタル D 信号 処理部 A π/2 D A D : 周波数固定のパッシブフィルタ部分 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 33 チャネル選択とシステム選択 ・周波数変換 ・チャネル選択 A/D アナログ A/D アナログ ディジタル ディジタル システム1 システム システム2 システム 出力A 出力 アナログ アナログ A/D ディジタル システム3 システム 出力B 出力 アナログチャネル選択フィルタ ディジタル A/D アナログシステム選択フィルタ 出力A 出力 ソフトウエア ・周波数変換 ・システム選択 ・チャネル選択 ディジタルチャネル選択フィルタ 出力B 出力 f システム1 システム システム2 システム システム3 システム 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) f システム1 システム システム2 システム システム3 システム Corporate Research & Development Center 34 ダイレクトコンバージョンによる システム帯域一括受信(一例) 他のシステム 所望波を含むシステム 他のシステム fRF 所望波 ch1 ch2 ch3 ch4 ch5 ch6 ch7 ch8 イメージ π/2 fc1 (固定) LNA 周波数 MIX1 ローカル発振周波数 ダイレクトコンバージョン ch4 ch3 ch2 ch1 アナログシステム選択 + LPF (帯域可変) A π/2 D - fc2 (固定) MIX2 0 (DC) 周波数 I イメージキャンセル 、A/D変換 ch1 ディジタル チャ ネル選択 0 (DC) 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) 周波数 π/2 fCK(周波数可変) Q MIX Ch ft. Corporate Research & Development Center 35 Low-IF方式による システム帯域一括受信(一例) イメージ抑圧 fRF 所望波を含むシステム 他のシステム ch1 ch2 ch3 ch4 ch5 ch6 π/2 ch7 ch8 fc1 (固定) LNA 周波数 :所望波 ローカル発振周波数 ダイレクトコンバージョン (直交復調)・イメージキャンセル :イメージ信号 ch1 ch2 ch3 ch4 ch5 ch6 MIX1 アナログ システム選択 ch7 ch8 ・・ + LPF (帯域可変) A/D変換 ch1 MIX2 周波数 ディジタルチャネル選択 I π/2 0(DC) D - fc2 (固定) 0(DC) A π/2 fCK(周波数可変) 周波数 Q MIX Ch ft. 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 36 広帯域直交変調器の構成例 電力増 幅器 直交変 調器 ディジタル 信号処理 部 ローカル発振器 (fLO) ×2 直交変調器 (2×fLO) I 所望波出 力 (2×fLO) π/2 BUFF ATT ベースバンド入 力 Q 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) Corporate Research & Development Center 広帯域直交変調器の評価結果 所望波出力 (2× ×fLO) = 1~2GHz 出力レベル (dBm) -20 -40 イメージ ローカルリーク(2×fLO) -60 -80 1.0 PDC 1.2 1.4 1.6 PDC 1.5GHz 所望波出力周波数(=2×fLO)(GHz) 東工大移動通信研究グループセミナー(02-7-8) 1.8 2.0 PCS IMT-2000 PH S Corporate Research & Development Center
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