ランチョンセミナー 第88回北海道透析療法学会

会 場:札幌コンベンションセンター(会場 大ホール/中ホール)
〒 003-0006 札幌市白石区東札幌 6 条 1 丁目(TEL 011-817-1010)
アクセス:地下鉄東西線「東札幌」下車 徒歩 10 分
当番幹事:古井秀典、増子佳弘、滝沢英毅、橋本整司
事 務 局:北海道透析療法学会
〒 060-0001 札幌市中央区北 1 条西 7 丁目 おおわだビル 2 F
TEL 011-261-2033
推薦演題制度
北海道の透析医療の発展と、本学会の一層の活性化のため、
コメディカルセッショ
ンに推薦演題制度を設けました。セッション毎に座長に推薦演題を選定して頂き、
これを学会終了時に公表し、学会ホームページに掲載いたします。同一演題は発表
できませんので、推薦を受けた演者はその演題の発展型を日本透析医学会に発表し
て頂く事を奨励するものです。後日表彰状を送付致します。これを契機に、一層質
の高い演題の発表を期待します。
北海道透析療法学会のインターネットホームページには本会の関連情報ならびに関連
学会、研究会などの案内が掲示されています。ご確認ください。
北海道透析療法学会ホームページ:http://www.dotoseki.net
参加者へのお願い
1.参加費は 500 円です。参加証を胸に付けてください。
2.プログラムに制限がありますので当日ご持参ください。
3.当学会参加にによる認定単位は下記に準じてください。
・北海道医師会認定生涯教育講座/北海道医師会 5 単位
・地方学術集会参加/日本透析医学会 5 単位
・生涯教育プログラム聴講/日本透析医学会 5 単位
(秋の集会時は設定無し)
・日本腎臓学会専門医/日本腎臓学会 1 単位
(ただし 1 年間 2 単位、10 年間 10 単位を上限とする)
・透析技術認定士認定更新/医療機器センタ-
(JAAME)5 単位
(2015/10/1 より)
・透析療法指導看護師受験資格申請・更新資格申請
出席 4 単位、筆頭発表者 2 単位、共同発表者 0 単位、座長 2 単位
当日の参加証、プログラムを各取得要綱に沿ってご利用ください(いずれも再発行や
送付はいたしません)
。詳しくは日本腎不全看護学会の規定にもとづき各自で申請し
てください。
4.当日にて受講者名簿にお名前と医籍登録番号をご記入ください。ご記入いただき
ました個人情報は、本学会の実施報告作成のみに使用いたします。
5. クロークは設けておりません。PC センターに衣紋掛けを用意してございます。
自己責任でご使用ください。
ご 挨 拶
北海道透析療法学会 会 長 伊丹 儀友 第 88 回北海道透析療法学会を開催できることをうれしく思います。
近年本学会への参加者数も多くなり、会場も大きくなりました。これは若い人の参
加が増えているためと思っています。今後も若い人の参加により会が盛り上がり、北
海道の透析医療のレベルが向上し、会が発展していくことを期待しております。
さて、昨年週 2 回透析について中国から報告が Nephrol. Dial. Transplant. (2014)
29 (9): 1770-1777 に掲載されました。自分は
「黎明期には日本でも透析台数が少なく、
手作りの透析器のために週二回透析が通常行われていた」と大平先生(札幌北クリニッ
ク)に聞いたことがあります。また、日本透析医学会の血液透析処方ガイドラインでは
「標準血液透析を週 3 回、1 回 3 から 6 時間とする」としています。週 2 回透析は標準
血液透析ではなく、自分は積極的には行わない治療としていました。
この報告を読み
「中
国では透析患者数の増加に透析器機の整備が追い付かないのだな」との印象を自分は
持ちました。そして、残存腎機能を保持し、通院などは週 3 回透析に比べ少なく患者
QOL を良くする可能性の治療方法であり症例を選べば良い治療方法となるだろうとの
論評(Nephrol. Dial. Transplant. (2014) 29 (9): 1618-1620)が同号に掲載されていた
にもかかわらず無視してしまいました。腹膜透析と同じく残腎機能の低下に合わせて、
週 2 回から 3 回へ少しずつ血液透析の透析量を増加させていくという「Incremental
Hemodialysis」の提案(Nephrol. Dial. Transplant. (2015) 30 (10): 1639-1648)がされ
ました。この方法には「透析導入後 3-4 カ月に認められる高い透析患者死亡率を残腎機
能の保持などにより減少させよう」という意図もあることが分りました。振り返ってみ
ると前述の論評には Revisiting Taboo(禁忌を再訪する)というタイトルが付いていま
した。今後これが本当に良い試みなのか大多数例での検討が必要ですが、既成概念に
慣らされて、新しい可能性を見逃してしまったなと思ったことでした。既成概念を打
破していくのは多くは若い人です。
若い人から新しい提案や報告が出され、本学会が透析患者さんの QOL を一層高め、
命に優しい医療に繋がる日常臨床に寄与できる熱い討論と学びの場所であることを
願っております。ご協力よろしくお願いいたします。
-1-
学 術 集 会
11 月 22 日(日)札幌コンベンションセンター
A会場
(大ホールC)
B会場
(中ホールB)
  8 : 55 ~  9 : 00 開会の辞
日鋼記念病院 伊丹 儀友
  9 : 00 ~  9 : 48 看護
(Ⅰ)
演題 1 ~ 6
  9 : 00 ~  9 : 48 医師(Ⅰ)
演題 24 ~ 29
10 : 00 ~ 12 : 00 シンポジウム
『透析患者の心房細動』
Ⅰ . オーバービュー
手稲渓仁会病院 腎臓内科 滝沢 英毅
Ⅱ . 透析患者の抗凝固療法
札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座
田中 希尚
Ⅲ . 心房細動のアブレーション治療
札幌ハートセンター 宮本憲次郎
Ⅳ . 透析室での対応
JR 札幌病院 腎臓内科 富樫 信彦
12 : 10 ~ 13 : 00 ランチョンセミナー
「C型肝炎合併慢性腎不全透析患者の 
問題点と新規治療法」
北海道大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野
須田 剛生
 
13 : 05 ~ 13 : 35 移植・透析統計報告
Ⅰ . 北海道における腎臓移植の現況一全国と比較して 
(2014 年末までのデータをもとに)
市立札幌病院 腎臓移植外科、
北海道腎臓バンク
平野 哲夫
 
Ⅱ . 日本透析医学会統計調査からみた北海道における 
透析療法の現状
仁友会 北彩都病院
(統計調査委員会)
和田 篤志
 
13 : 35 ~ 14 : 07 看護
(Ⅱ)
演題  7 ~ 10
13 : 35 ~ 14 : 23 技士(Ⅰ)
演題 30 ~ 35
14 : 07 ~ 14 : 39 看護
(Ⅲ)
演題 11 ~ 14
14 : 23 ~ 14 : 55 医師(Ⅱ)
演題 36 ~ 39
14 : 39 ~ 15 : 19 技士
(Ⅱ)
演題 15 ~ 19
14 : 55 ~ 15 : 35 医師(Ⅲ)
演題 40 ~ 44
15 : 19 ~ 15 : 51 技士
(Ⅲ)
演題 20 ~ 23
閉会の辞
札幌西円山病院 浦 信行
-2-
一般演題発表規定
1) 発表時間
口演は 1 演題 8 分(発表 6 分、討論 2 分)で厳守をお願いいたします。呼鈴を規定時間の
終了 1 分前に1回、終了時に2回鳴らします。
2) 発表媒体
パソコンファイル(PowerPoint2010)のプロジェクター投影。
3) 進行
座長の指示に従って発表、討論をお願いいたします。
演者はセッション開始 60 分前までに受付を済ませ、発表開始 10 分前までに次演者席にお
つきください。
座長は、セッション開始 15 分前までに次座長席におつきください。
4) 質疑応答
質疑は、予め質問用マイクの近くでお待ちいただき、座長の指名を受けた後に所属と氏名
を述べ、簡潔にお願いいたします。
PC データでの発表予定の方へ
発 表 形 式:原則会場で用意した PC(Windows 7)をご自身で操作して行っていただ
きます。ご持参のファイルが正常に作動しない場合のみ、バックアップと
してご持参いただいた PC での発表といたします。
ファイル受付:データを USB メモリースティックでセッション開始 60 分前までにご提出
いただき、会場の PC(Windows 7)での正常な作動をご確認ください。
発表データ形式の注意点
・アプリケーションは Windows 版 Power Point 2003~2010 と致します。
Powerpoint2013 で製作した場合、ファイルの保存形式を 2010 等の旧バージョン形式で
最終保存してください。その場合 2013 特有の機能は使用出来なくなりますので、
必ずオー
トスライド形式で確認してください。
・発表ファイルが正常に作動することを、提出メディアに記録したデータでご確認ください。
・提出メディアは USB メモリーのみです。CD-RW,MO,ZIP,FD 等は受付いたしません。
・提出メディアには提出ファイルのみを入れてください。
・Windows 7 で標準搭載されているフォントのみ使用可能です。
日本語:MS ゴシック、MSP ゴシック、MS 明朝、MSP 明朝
英 語:Century、Century Gothic
・動画使用の場合はご自身の PC をご利用いただきます。
(Power Point のアニメーション
機能は可)
・動作確認に問題ある場合はご自身の PC 使用となります。バックアップ用としてご自身の
PC を忘れずにご持参ください。また電源コードと外部プロジェクター用変換コネクター
を忘れないでください。
・使用可能な PC 側の映像出力端子は Mini D-Sub15 ピンです。お持ちの PCの外部画像出力端
子がこの形状以外の場合は『変換コネクター』が必要です。その場合、変換コネクターは
各自ご用意ください。(会場では用意いたしません !!)
・詳しくは北海道透析療法学会ホームページ(http://www.dotoseki.net/)をご覧ください。
-3-
会場のご案内
-4-
企業展示
1
キッセイ薬品工業株式会社
エポエチンアルファ BS 注、ピートルチュアブル錠
2
株式会社グッドマン
ソラテック人工血管、 NSE PTA(Vascular Access)
3
東レ・メディカル株式会社
透析用監視装置、ダイアライザ
4
日機装株式会社
DCS-100NX(多用途透析用監視装置)
5
ニプロ株式会社
NCV-3、HDF、ダイアライザ、医薬品、透析針、輸液ポンプ、
パルスオキシメーター、POCT
6
扶桑薬品工業株式会社
ダイアライザ、リクセル、血液ガス分析装置
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第88回北海道透析療法学会
ランチョンセミナー
日時
2015年11月22日(日)12:10∼13:00
会場
札幌コンベンションセンター 1階 大ホールC
〒003-0006 札幌市白石区東札幌6条1丁目
TEL 011-817-1010
C型肝炎合併慢性腎不全透析患者の
問題点と新規治療法
座長
吉田 英昭
先生
演者
須田 剛生
先生
札幌医科大学医学部
循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 講師
北海道大学大学院医学研究科内科学講座
消化器内科学分野 特任助教
共 催
北海道透析療法学会/
-6-
第回北海道透析療法学会
イブニングフォーラム
日時:
平成年月日(土)~
場所:ニューオータニイン札幌階「鶴の間」
札幌市中央区北条西丁目1−1 7(/
【情報提供】~ 中外製薬株式会社
【開会の辞】北海道透析療法学会
会長
日鋼記念病院 腎センター科長
伊丹儀友先生
【特別講演
【特別講演
特別講演】 <座長>札幌北クリニック
札幌北クリニック
顧問
顧問
大平
大平整爾先生
先生
『腎移植の現況と
腎移植の現況と42/
42/』
42/
』
東邦
東邦大学医学部
東邦
大学医学部 腎臓学講座
大学医学部
腎臓学講座 教授 相川
教授
相川厚先生 ※講演終了後、情報交換会を予定しております
共催 北海道透析療法学会中外製薬株式会社
-7-
A会場(大ホールC)
8:55 ~ 9:00
9:00 ~ 9:48
1.
開会の辞 日鋼記念病院 伊丹 儀友
看護(Ⅰ)
座長 市立札幌病院 木村 剛
知的障害がある血液透析患者の自己効力感に対する看護支援
社会医療法人北楡会 開成病院 透析センター
〇浅野友和、片山哲也、谷内裕乃、若松日都美、近藤正道
2.
QOL を尊重し安全・安楽な通院に向けた一症例
社会医療法人北楡会 札幌北楡病院 人工臓器治療センター
〇鴇田有紀、若林マリア、渡辺一成、高村昌枝、橋本みどり、久木田和丘、目黒順一
米川元樹
3.
緊急離脱避難の経験からマニュアルを振り返る
医療法人社団腎誠会 さっぽろ内科・腎臓内科クリニック
〇庄司志都江、菅原佳子、伏見めぐみ、多田沙織、田中雪絵、佐々木直美、安田卓二
深澤佐和子
4.
シャント管理教育につての取り組み ~フローチャート作成を試みて~
函館五稜郭病院 看護部 透析センター
〇佐藤 司、武安未奈、宮澤加奈子、菅原圭介
5.
高齢透析患者の看護を振り返る
~認知能力の低下が見られ社会資源の利用に至った 1 事例から~
医療法人 萬田記念病院 透析室
〇瀬上和代、石黒美恵子、表原敬子、小林史子、小笠原令子、枝 直美
6.
オーバーナイト透析患者の満足度調査と検査データの相関
医療法人社団 にれの杜クリニック 看護部 1)、腎臓内科 2)、腎臓移植外科 3)
〇津村千代 1)、宮腰麻矢 1)、伊藤洋輔 2)、玉置
-8-
透 3)
10:00 ~ 12:00 シンポジウム
NTT 東日本札幌病院
橋本 整司
Ⅰ. オーバービュー
手稲渓仁会病院 腎臓内科、札幌西円山病院 *
〇滝沢
信行 *
英毅、浦
Ⅱ. 透析患者の抗凝固療法
札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座、JR 札幌病院 腎臓内科 *
帯広厚生病院 循環器内科 **
〇田中
希尚、吉田
英昭、三浦
哲嗣、山下
智久 *、小山
雅之 **
Ⅲ. 心房細動のアブレーション治療
札幌ハートセンター
〇宮本 憲次郎
Ⅳ. 透析室での対応
JR 札幌病院 腎臓内科
〇富樫 信彦
12:10 ~ 13:00 ランチョンセミナー
座長:札幌医科大学医学部 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座
講師 吉田 英昭
『 C 型肝炎合併慢性腎不全透析患者の
問題点と新規治療法 』
演者:北海道大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野 1)
札幌北楡病院 2)
〇特任助教 須田 剛生 1)、工藤 峰生 2)、坂本 直哉 1)
-9-
A会場
滝沢 英毅
(中ホール)
司会: 手稲渓仁会病院
プログラムA 会場
『透析患者の心房細動』
13:05 ~ 13:35 移植・透析統計報告
座長:札幌北楡病院 小野寺 一彦
Ⅰ. 北海道における腎臓移植の現況一全国と比較して(2014 年末までのデータをもとに)
市立札幌病院 腎臓移植外科 1、自治医科大学情報センター医学情報学 2
日本臓器移植 NW 東日本支部 3、北海道腎臓バンク 4
〇平野
哲夫 1, 4、和田
吉生 1、福澤
薄井
さとみ 3、杉原
美樹 4
信之 1、原田
浩 1、三重野
牧子 2
Ⅱ. 日本透析医学会統計調査からみた北海道における透析療法の現状
仁友会 北彩都病院(統計調査委員会)
東室蘭サテライトクリニック(統計調査委員会)*
〇和田
篤志、伊丹
儀友 *
13:35 ~ 14:07 看護(Ⅱ)
7.
座長 桑園中央病院 岡田 久美子
血液透析患者の転倒リスクの検討
H・N・メディック北広島 看護部 1)、H・N・メディック 医師部 2)
〇影山聡子 1)、佐藤亜希 1)、村井 舞 1)、鹿俣里恵子 1)、長谷川千鶴 1)、池江亮太 2)
橋本史生 2)
8.
長期外来透析患者のリハビリテーションにおける QOL・ADL のアンケート調査
市立札幌病院 リハビリテーション科
〇小枝和洋、表
9.
亮介、木村
剛、城下弘一
重症下肢虚血への治療~長期戦を余儀なくされる中での看護~
医療法人 桑園中央病院 救肢・創傷治療センター・血液透析センター
〇佐藤友美、岡田久美子、松井 傑
10.
当院におけるフットケアの取り組み
医療法人祐仁会 石田クリニック
〇舟山幸子、邊見由美、難波智恵、山本
宮川正充、石田祐二
- 10 -
和、田村
洋、菅原
剛、近藤直人
14:07 ~ 14:39 看護(Ⅲ)
(中ホール)
当院における透析患者に対する栄養状態の現状について
栗山赤十字病院
〇田代実佳、真井睦子、遠藤秀介、成田則子、阿部憲司
12.
多用化するリン管理をアルゴリズムを利用して考える
医療法人腎愛会 だてクリニック 栄養科
〇大里寿江、平子 舞、太田
13.
彩、伊達敏行
外来透析患者の創傷治癒に向けて、栄養面から考察した一例
桑園中央病院 血液透析センター 1、救肢創傷センター 2
〇柴田
14.
瞳 1、星ゆり子 1、成田千里 1、佐竹亨子 2、松井
傑2
経口カリウム負荷による、透析中の血中カリウム濃度の変化
いのけ医院 #1、札幌セントラルクリニック #2、クリニック 198 札幌 #3
〇澤
篤子 #1、久我高志 #2、櫻井秀之 #2、猪野毛健男 #1、戸澤修平 #3
14:39 ~ 15:19 技士(Ⅱ)
15.
座長 札幌医科大学 千原 伸也
非侵襲的心拍出量モニターを用いた HD から on-line HDF 変更による循環動態の検討
函館五稜郭病院 臨床工学科
〇佐々木雅敏、長谷部栞里、鎌田悠生、小澤鉄也、小原雄也、雲母公貴
16.
I-HDF で RLS の改善傾向が見られた一例
(医)養生館 苫小牧日翔病院 臨床工学部、泌尿器科 *、外科 **
〇斉藤雄大、佐藤光人、阿部正道、坂本和也 *、櫛田隆久 **、熊谷文昭 **
17.
前希釈オンライン HDF を施行したレストレスレッグス症候群の 2 症例
H・N・メディック北広島 CE 課 1)、H・N・メディック CE 課 2)、H・N・メディック 医師部 3)
〇佐藤慶治 1)、増井隼樹 1)、三谷祥世 1)、土山直人 1)、阿部大輔 1)、村井 舞 1)
内海芳淳 2)、池江亮太 3)、橋本史生 3)
18.
DEHP アレルギーを有する患者の血液透析症例の報告
医療法人 桑園中央病院 臨床工学部
〇合坪詳太、谷藤貴也、伊藤直樹、樫木貴志、兵藤嵩志、酒井征則、吉田雄太
石河文寛、峯田清志、林
19.
知美
MLT - 550N による透析中の体水分変化
医療法人社団腎誠会 さっぽろ内科・腎臓内科サテライトクリニック
〇太田和志、平間結梨枝、安田卓二、深澤佐和子
- 11 -
A会場
プログラムA 会場
11.
座長 仁楡会病院 松田 愛
15:19 ~ 15:51 技士(Ⅲ)
20.
座長 石狩病院 加藤 敏史
食事全量摂取しているのに DW が減少する症例
社会医療法人母恋 日鋼記念病院 臨床工学室 1)、腎センター 2)、外科 3)、栄養課 4)
〇毛笠貴隆 1)、植村
21.
進 1)、湊
千笑 1)、伊丹儀友 2)、高田譲二 3)、藤戸あや 4)
当院におけるオーバーナイト透析の試み
医療法人社団 にれの杜クリニック 臨床工学科 1)、腎臓内科 2)、腎臓移植外科 3)
〇安達直記 1)、打田内一樹 1)、中野渡和弥 1)、住田知規 1)、斉木俊博 1)、伊藤洋輔 2)
玉置
22.
透 3)
透析液溶解装置への異物の混入について
医療法人社団群仁会 保坂内科クリニック
〇石川剛志、米村昭夫、外川亜衣、砂川拓也、池田純幸、田中広果、保坂洋一
23.
Toreysee for CE の再使用時における有用性検討
(医)菊郷会 石橋胃腸病院 1)、富丘腎クリニック 2)
〇中尾正義 1)、佐藤幸作 1)、有馬
金谷
滋 1)、寺島寿江 2)、佐藤裕介 2)、元道信孝 2)
樹 2)、冨所竜也 2)
- 12 -
B会場(中ホールB)
9:00 ~ 9:48
24.
医師(Ⅰ)
座長 吉田病院 石黒 俊哉
透析患者における潜在性 HBV 感染症の検討
医療法人社団萌生舎 宮の沢腎泌尿器科クリニック
〇水田
(中ホール)
血液透析患者の睡眠とフレイルとの関連
H・N・メディックさっぽろ東、H・N・メディック *、H・N・メディック北広島 **
〇角田政隆、遠藤陶子 *、池江亮太 **、橋本史生 *
26.
透析を回避しえた抗 GBM 病の 2 例
北海道大学病院 内科 II、市立札幌病院 病理診断科 *
〇近藤桂一、中垣
祐、川島圭介、八反田文彦、石川洋三、楠
由宏、牧田
松岡奈央子、山本準也、深澤雄一郎 *、西尾妙織、渥美達也
27.
高容量(240μg/ 週)のダルべポエチン投与により貧血改善を認めた
骨髄異形成症候群合併維持透析患者の1例
NTT 東日本札幌病院 腎臓内科、NTT 東日本札幌病院 血液・腫瘍内科 *
〇橋本整司、岡本延彦、山本理恵、眞岡知央、渡邊加奈子、吉田美穂 *、
西尾充史 *、小池隆夫
28.
閉経前女性透析患者に対するクエン酸第二鉄水和物投与経験について
札幌セントラルクリニック #1、クリニック198 札幌 #2
〇久我高志 #1、櫻井秀之 #1、戸澤修平 #2
29.
透析患者の血清マグネシウム濃度と塩酸セベラマーの影響
H・N・メディック北広島 1、H・N・メディック 2、H・N・メディックさっぽろ東 3
〇池江亮太 1、遠藤陶子 2、角田政隆 3、橋本史生 2
- 13 -
実
A会場
プログラムB 会場
25.
誠、吉川一城、大石亜紀、野宮翔太、菅野貴行、小林真也
13:35 ~ 14:23 技士(Ⅰ)
30.
座長 札幌厚生病院 長澤 英幸
C.E.R.A 注投与における静注鉄剤投与方法の検討
社会医療法人孝仁会 星が浦病院 臨床工学科
社会医療法人孝仁会 釧路孝仁会記念病院 循環器内科 *
〇斎藤
31.
寿、野地功章、石井勝実、熊倉徹哉、齋藤礼衣 *
穿刺針口径変化が穿刺痛や止血時間に与える影響
医療法人菊郷会 富丘腎クリニック
〇寺島寿江、佐藤裕介、元道信孝、遠藤初枝、西本洋子、金谷
32.
樹、冨所竜也
脱血圧不良が疑似リークの原因となる可能性について
釧路泌尿器科クリニック
〇大澤貞利、山本英博、斉藤辰巳、伊藤正峰、佐野 洋、久島貞一
33.
シャントマップの運用について
社会医療法人北海道恵愛会 札幌南一条病院
〇松本涼雅、高野博友樹、斎藤尚史、櫻井佳代子、宮本亜紀、中野渡悟
34.
エコーガイド下穿刺の継続が必要な 2 症例
社会医療法人母恋 日鋼記念病院 臨床工学室 1)、腎センター 2)、外科 3)
〇植村
35.
進 1)、湊
千笑 1)、毛笠貴隆 1)、高橋雄哉 1)、高田譲二 2, 3)、伊丹儀友 2)
患者参加型防災訓練の経験
医療法人社団 手稲ネフロクリニック 臨床技術部、腎臓内科 *
〇室谷洋希、佐藤友則、大崎史子、三浦栄之、荒野隆之、谷村
向
博也 *
- 14 -
仁、柴潤一郎 *
14:23 ~ 14:55 医師(Ⅱ)
36.
座長 うのクリニック 宇野 元博
糖尿病性腎症による末期腎不全に対する腎移植の成績
市立札幌病院 腎臓移植外科
〇和田吉生、福澤信之、原田
37.
浩
腎移植レシピエントの BMI による移植後成績への影響
北海道大学病院 泌尿器科
KKR 札幌医療センター 透析科
〇小柳 要、坂本聡大、大槻雄士、桑原博昭、今 裕史、武田圭佐、田村 元
小池雅彦、赤坂嘉宣
39.
甲状腺内異所性副甲状腺と右前腕移植部の再発に対し手術を施行した
二次性副甲状腺機能亢進症の 1 例
札幌北楡病院
〇佐藤正法、小野寺一彦、巖築慶一、土橋誠一郎、服部優宏、飯田潤一
堀江
卓、久木田和丘、目黒順一、米川元樹
- 15 -
A会場
下血を繰り返すも出血源の同定に至らない慢性透析患者の一例
(中ホール)
38.
研、高田祐輔、佐々木元、岩見大基、篠原信雄
プログラムB 会場
〇森田
14:55 ~ 15:35 医師(Ⅲ)
40.
座長 札幌北楡病院 堀江 卓
当院の透析患者の高齢化と仰臥位用エルゴメーターを用いた運動療法の効果の検討
医療法人社団 苫小牧泌尿器科・循環器内科
〇林
謙治、栗村雄一郎、伊達史恵、北澤
誠、加藤祐介、野村庸司、村上
秀
嵯峨美幸
41.
Hip Structure Analysis(HSA)を用いた骨強度の評価
腎臓内科めぐみクリニック 1、腎臓内科めぐみクリニック 臨床検査部 2、北郷整形外科 3
〇佐藤
42.
恵 1、船戸佳津幸 2、高田潤一 3
重症虚血肢術後への治療~ SWAT による試み~
医療法人 桑園中央病院 救肢・創傷治療センター、北大病院 形成外科 *
市立札幌病院 形成外科 **、循環器内科 ***
〇松井
傑、坂入隆人、駒木
堀内勝巳 **、檀浦
43.
亨、山本有平 *、七戸龍司 *、村尾尚規 *
裕 ***
末梢血幹細胞による血管再生治療の統計解析結果
社会医療法人北楡会 札幌北楡病院 外科
〇堀江 卓、巖築慶一、佐藤正法、土橋誠一郎、服部優宏、飯田潤一、小野寺一彦
久木田和丘、目黒順一、米川元樹、川村明夫
44.
血管内治療(EVT)
を要した透析患者の臨床的特徴
時計台記念病院 総合診療センター腎臓内科
〇春原伸行、小西徹夫、浦澤一史、岡本
- 16 -
洋
シンポジウム 10:00 ~ 12:00
『透析患者の心房細動』
Ⅰ. オーバービュー
手稲渓仁会病院 腎臓内科、札幌西円山病院 *
〇滝沢 英毅、浦 信行 *
透析患者の 7 ~ 27%は心房細動である。心房細動の約 40%は無症候性であるが、脈の不整や
不快感を訴えるなどの自覚症状のほか、心房収縮が消失し心拍出量が低下するため、
1)心機能低下例では心不全を急激に悪化させ、肺うっ血をきたす。
また心房収縮の消失に伴い左房内血栓形成が促され、
2)脳梗塞発症の大きな危険因子となる。
2)に対する抗血栓療法は CHADS2 スコアで脳梗塞リスクを評価し、1 点以上でダビガトラン
やアピキサバン(NOAC)、2 点以上でワーファリンを投与する。NOAC は腎不全で代謝が遅延
するため禁忌であることと、ワーファリンは透析患者では出血性副作用が多いため、安全に使
用し脳梗塞を予防できるかにはっきりとした結論は出ていなかった。札幌医大の田中希尚先生
より透析患者の抗凝固療法に関しての研究報告をいただく。
1)に対しては洞調律にもどすか、戻せなければ心拍数を薬物でコントロールすることになる。
洞調律化の方が心房血栓は形成されないし、心臓のポンプ機能からも望ましい。札幌ハートセ
ンターの宮本憲次郎先生より心房細動のアブレーション治療につき、その適応並びに成績につ
き教示いただく。
最後に
“ベットサイドでモニターをつけると心房細動であった。
”
こんな時は頭を働かすと同時に
体も動かさねばならない。JR 札幌病院の富樫信彦先生から確認事項と対処法につきお教えいた
だく。
- 17 -
Ⅱ. 透析患者の抗凝固療法
札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座、JR 札幌病院 腎臓内科 *
帯広厚生病院 循環器内科 **
〇田中 希尚、吉田 英昭、三浦 哲嗣、山下 智久 *、小山 雅之 **
透析患者には心房細動の合併が多く、正常洞調律患者にくらべ、死亡率が高いとされている
(Neprol Dial Transplant 2012, J Am Soc Nephrol 2011)
。最近の約 10 年間のデータの蓄積
により心房細動に伴う塞栓症の予防として抗凝固療法の有用性が確立された(JAMA 2015; 19:
1950-62)が、透析患者への有用性はいまだ明らかではない。これまでの透析患者の抗凝固療法
の影響に関する研究はランダム化比較試験はなされておらず、すべてコホート研究で報告され
ている。そのうち最近報告された 5 つの大規模研究検証すると脳卒中の発症に関しては Olesen
らによりワルファリン投与で脳卒中と死亡の有意な減少効果が報告(N Engl J Med 2012)さ
れているものの、その他 4 つの報告では脳卒中予防効果を見いだせないか、むしろ有意に増
加するという結果であった(J Am Soc Nephrol 2009, Clin J Am Nephrol 2011, Kidney Int
2010, Circulation 2014)。一方で、出血合併症に関しては前述のうちの 3 つで検証されてお
り、2 つの報告では統計学的有意差は認めないという結果であった(Clin J Am Nephrol 2011,
N Engl J Med 2012)が、Shah らはワルファリン投与で有意な出血合併症の増加を認めたと報
告(Circulation 2014)している。以上より現状では心房細動合併透析患者へのワルファリン治
療による明らかな有益性が確認されていない状態であり、本邦の
「血液透析患者における心血管
合併症の評価と治療に関するガイドライン」
では原則禁忌となっている。しかしながらこれまで
の報告では PT-INR が十分に考慮されていないこと、出血合併症の定義が一定していないこと、
必ずしもコホート研究で生じる選択バイアスを傾向スコア解析で補正していないことなどいく
つかの問題点があると思われる。我々の道内 22 施設、3 年間の多施設共同前向きコホート研究
では、解析に傾向スコアを用いワルファリン使用で必ずしも脳卒中や出血合併症の増加を認め
ていないという結果であったが、今回最近の知見ともに我々のデータを併せて報告する。
- 18 -
Ⅲ. 心房細動のアブレーション治療
札幌ハートセンター
〇宮本 憲次郎
高齢化社会のなか増え続けている透析患者には基礎疾患(高血圧、糖尿病、心不全など)を有
していることが多く、それらの管理も必要とされる。その併発疾患としての心房細動(atrial
fibrillation:AF)と心房粗動(atrial flutter:AFL)は頻拍性急性うっ血性心不全や頻拍性心筋症
(tachycardia-induced cardiomyopathy)による慢性うっ血性心不全の原因となるばかりで
なく、頻拍時の血圧低下は透析困難症の原因としても重要である。透析導入患者の約 12% に AF
が合併している反面、導入時に正常洞調律であった患者の 12% が 2 年以内に AF となる。AF 合
併の透析患者正常洞調律患者にくらべ、虚血性脳卒中発症率や死亡率が極めて高いとされる。
AF は加齢や透析期間が長くなるに従って合併頻度が増加し、70 歳以上の血液透析患者では
30% 以上に認められる。その治療として従来は薬物治療が主とされていたが、最近では根治治
療としてのカテーテルアブレーションが飛躍的な進歩を遂げており、不整脈治療のガイドライ
ンでは、症候性の発作性心房細動へのカテーテルアブレーションは薬物治療と同等の class I と
されている。
心房細動治療の非薬物治療が透析患者の治療管理に少しでもお役に立てれば幸いである。
- 19 -
Ⅳ. 透析室での対応
JR 札幌病院 腎臓内科
〇富樫 信彦
心房細動は透析室でもよく見られる不整脈である。冠動脈疾患や弁膜疾患などの心疾患を有
する透析患者に多く、血圧や電解質変動の顕著な透析中に誘発されることが多い。一般的に、
心房細動出現時の問題は、頻脈、徐脈と血圧低下である。
頻脈性の心房細動に対する抗不整脈薬は多いが、一般に抗不整脈薬は有効治療濃度の幅が狭
くて、腎機能低下があると容易に中毒濃度に達する。腎代謝性の薬剤が多くて、透析患者に安
全に使用できる薬は多くない。また、抗不整脈薬の多くは心筋収縮力抑制作用を有しており、
血圧低下を来すことが多い。透析患者には左室収縮・拡張能低下による慢性心不全を合併して
いる者も多く、抗不整脈薬の心筋収縮力抑制作用のために心不全を増悪させるリスクも伴う。
徐脈性の不整脈に対してはペースメーカー植え込みの適応となることが多いが、シャント肢
側の鎖骨下静脈にペースメーカーのリードを挿入すると、鎖骨下静脈狭窄による静脈圧上昇に
より、シャント肢の浮腫がほぼ必発である。
肥大心や左室収縮能低下による不全心では、心房細動により心房収縮が消失すると、より心
拍出量低下により血圧低下を来す例が多い。この時、昇圧剤は心拍数を増加させて、血圧上昇
に寄与しないこともしばしば認められる。
血液透析患者において、心房細動出現時にどのような対応が望ましいのか、考えていきたい。
- 20 -
ランチョンセミナー 12:10 ~ 13:00
C 型肝炎合併慢性腎不全透析患者の問題点と新規治療法
北海道大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野 1)
札幌北楡病院 2)
〇特任助教 須田 剛生 1)、工藤 峰生 2)、坂本 直哉 1)
慢性腎不全透析患者における C 型肝炎ウイルス(HCV)陽性率は高く、約 7-10%と報告され
ている。更に、慢性腎不全透析患者において、HCV 抗体陽性患者の生命予後が HCV 抗体陰性
患者に比較して有意に低くなる事が複数報告され、積極的な治療介入の必要性が明らかとなっ
た。それを受けて、透析医学会のガイドラインにおいても積極的な治療介入が推奨されている。
しかしながら、長らく慢性 C 型肝炎に対しての標準療法であったインターフェロン(IFN)と
リバビリン併用療法が透析患者には行う事が出来なかった。すなわち、リバビリンは透析では
除去する事ができず使用が透析患者には禁忌であった。その為に、インターフェロンの単独療
法が透析患者には標準療法として行われていた。高率な副作用の発現も報告され、治療成績は
十分なものではなかった。
一方で、近年慢性 C 型肝炎に対する治療法の進歩は目覚ましくウイルス蛋白を直接ターゲッ
トとした薬剤(DAA)が数多く開発されつつある。加えて、IFN、リバビリンを用いない DAA
のみの治療も開発されている。HCV NS5A 阻害剤 Daclatasvir と HCV プロテアーゼ阻害剤
Asunaprevir 併用療法が本邦において初のインターフェロンを用いない治療法として 2014 年
に世界に先駆けて認可された。この両剤の主な薬剤代謝経路は肝臓で透析患者も含め腎障害患
者に対する使用は禁忌とならず使用が可能である。
そこで、我々は Daclatasvir/ Asunaprevir 併用療法の C 型肝炎合併慢性腎不全透析患者に
対する治療効果・安全性を北海道大学を中心とした NORTE STUDY GROUP において検討し
た。現在までに 30 例を超える患者に対する治療が行われ、高い奏効率と安全性が明らかとな
りつつある。
今 ラ ン チ ョ ン セ ミ ナ ー で は C 型 肝 炎 合 併 慢 性 腎 不 全 透 析 患 者 の 問 題 点 と Daclatasvir/
Asunaprevir 併用療法の C 型肝炎合併慢性腎不全透析患者対する治療成績を中心に、変わりつ
つある C 型肝炎合併慢性腎不全透析患者への治療についてお話させて頂く。
- 21 -
移植・透析統計報告 13:05 ~ 13:35
Ⅰ. 北海道における腎臓移植の現況一全国と比較して
(2014 年末までのデータをもとに)
市立札幌病院 腎臓移植外科 1、自治医科大学情報センター医学情報学 2
日本臓器移植 NW 東日本支部 3、北海道腎臓バンク 4
〇平野 哲夫 1, 4、和田 吉生 1、福澤 信之 1、原田 浩 1
三重野 牧子 2、薄井 さとみ 3、杉原 美樹 4
毎年の本学会で、北海道における腎臓移植の現況を全国のデータと比較し報告してきたが、
今回も 2014 年末迄に日本移植学会登録委員会に登録された統計をもとに報告する。
2014 年に全国で行われた腎臓移植件数は、総数で 1,594 例(生体腎 1,467(92.0%)、心停止
下 42(2.6%)、脳死下 85(5.3%))であり、前年に比し+8(生体+36、心停止下-46、脳死下-3)
と前年同様生体件数の増加、心停止下が激減した。
道内の 2014 年の腎臓移植件数は、総数 83 例(生体 77(92.8%)、心停止 2(2.4%)、脳死下 4
(4.8%))
であり、前年比総数+1(生体+14、心停止下± 0、脳死下-2)
と生体腎のみが増加した。
2014 年の実施腎移植を分析すると、ドナー別では依然として生体提供腎移植件数の増加が
続いており、献腎移植(心停止下・脳死下)
はむしろ減少している。
生体腎移植件数の増加は、配偶者間提供の増加(生体腎移植件数のほぼ 60%)、ABO 赤血球
型不適合間移植の増加(生体間のほぼ 30%)
、高齢レシピエントの増加、透析を経ない先行的腎
移植の増加(生体間のほぼ 15%)などによるものであり、前年方向と替わっていない。
今回の分析では、前に述べた献腎移植件数の減少に示されるように、2012 年 1 月~ 2015
年 6 月迄に道内で行われた献腎移植 25 例(28 例のうち小児 2 例・膵腎同時 1 例を除く例)の献
腎移植実現までの平均待機期間は 15.7 年(5,720 日、1,292 ~ 9,039 日)であり、以前のデータ
と比較しても短縮されていない。移植時の平均年齢も 51.4 才
(15 ~ 66 才)
であった。
更に今回は、最近服用が始まった免疫抑制剤のエベロリムスを含む腎移植後初期導入免疫
抑制剤の傾向についても分析する。
尚、2015 年 8 月末現在で献腎移植希望待機患者数は、
全国で 12,619 名、
道内は 556 名である。
以上 2014 年末までのデータに基づき種々の検討を行い報告する。
- 22 -
Ⅱ. 日本透析医学会統計調査からみた
北海道における透析療法の現状
仁友会 北彩都病院
(統計調査委員会)
*
東室蘭サテライトクリニック
(統計調査委員会)
〇和田 篤志、伊丹 儀友 *
2014 年末統計調査も皆様のご協力のおかげで例年通りの高い回収率での集計が可能となった。
なお、これまで 6 月の全国学術総会に集計結果を図説としてお渡しし、年末までに修正を加え
た最終値を再度公表していたが、本年からはより正確さを増すため、年末に正式なデータとし
て公表することとした。図説を含め最新データが皆様の手元に届く時期が遅くなってしまいご
迷惑をおかけするが、ご理解をいただければ幸いである。
今回は 2014 年末データの速報値を発表することとしたが、そのため最終報告とは若干異なる
可能性があることをご了承いただきたい。
最近患者数の増加速度が鈍り、いずれ減少に転ずると考えられている。昨年末の全国慢性透析
患者数は 319,388 人で前年よりも 4,950 人の増加を認めたが、導入患者数についてはここ数年
横ばいからやや減少で推移しており、これは北海道でも同様の傾向である。
導入原疾患の割合は糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症の順で変動はしていないが、慢
性糸球体腎炎は年々減少しており、近く腎硬化症が上回る可能性がある。
導入患者の年齢分布をみると、男性では 75 - 79 歳、女性では 80 - 85 歳にピークがあり、
著しい高齢化を認めている。
統計調査では、個人情報保護をさらに強固にするため、本年末調査から氏名、生年月日などの
情報に対し解読不可能な暗号化(ハッシュ暗号)を行うこととした。データの入力時には氏名な
どはそのまま入力していただき、最後に「匿名化」ボタンを押すことで暗号化したファイルが作
成される。施設から委員会事務局への移送データは暗号化ファイルであり、事務局でも個人情
報の解読はできない。各施設では暗号化コードを元の情報に戻すためのキーになる
「対応表」
ファ
イルを専用 USB に保管、次年度以降も利用していただくこととなる。対応表を紛失すると暗
号化ファイルを実名化できなくなるので、なくさないように十分留意していただきたい。
データ入力に対する負担軽減などについてもさらに検討している。また、過去に蓄積された膨
大なデータを有効に広く利用できるようにデータの整備も進めているところである。
世界に発信できる貴重なデータとして今後も引き続き皆様のご協力をお願いしたい
- 23 -
MEMO
一 般 演 題
演題 1 ~ 44
抄 録
1.
知的障害がある血液透析患者の自己効力感に対する看護支援
社会医療法人北楡会 開成病院 透析センター
〇浅野友和、 片山哲也、 谷内裕乃、 若松日都美、 近藤正道
透析患者にとって体重管理は健康維持増進に非常に重要であり、 自分の病態や透析治療の必
要性を理解していないとセルフケアは困難である。
A氏 60歳代男性 透析歴15 年 知的障害あり HDS-R22点 VSRAD2.3。
中 2 日 で の 体 重 増 加 率 は DW の 8 ~ 12 %、 カ リ ウ ム が 7mEq/L を 超 え る こ と も あ り、 来
院時に倦怠感を訴えることが多かった。 医療スタッフが体重増加等に対し注意を行うと 「俺
なんか早くむかえが来れば良い」 「俺は男だから覚悟は出来ている」 などの発言がみられて
い た。 B 氏 50 歳 代 男 性 透 析 歴 4 年 知 的 障 害 あ り 自 分 の 意 志 の 表 出 が 困 難 で あ る。 中 2
日での体重増加率は DW の 7 ~ 11%である。 A氏B氏共に介護付き共同住宅へ入居中。 本
人と共同住宅のスタッフを含めた食事指導を行うが、 その後も体重増加に変化はみられなか
った。 これらから知的障害がある透析患者に対し、 どのような看護支援が有効かを難儀して
いた。
今回我々は、 目的を達成するために行動を選択するその人の自信や、 その行動をとることで
もたらされる結果への期待に対する能力は、 知的障害があっても存在する能力ではないかと
考えた。 A氏B氏に対して自己効力感を向上させることが体重増加を抑える看護支援につな
がるのかを検討したので報告する。
2.
QOL を尊重し安全・安楽な通院に向けた一症例
社会医療法人北楡会 札幌北楡病院 人工臓器治療センター
〇鴇田有紀、 若林マリア、 渡辺一成、 高村昌枝、 橋本みどり、 久木田和丘、 目黒順一
米川元樹
【はじめに】 外来透析患者において、 通院手段を確保することは透析治療を受けるために必
要不可欠である。 自力通院 ・ 家族の送迎 ・ 社会資源活用など、 患者の状態によって様々であ
るが、 今回、 他者へ頼りたくない気持ちや ADL 維持を目的に自力通院を強く希望した患者の
思いを尊重し、 看護介入した事例を報告する。 【症例 ・ 経過】 A 氏 59 歳男性。 独居。 糖尿病
性腎症。 CML の治療により、 入退院を繰り返し ADL の低下から杖歩行となった。 自己管理不良
からくる血圧低下や、 治療薬による嘔気症状が顕著であった。 A 氏は通院時の歩行を運動の
場と考えており、 自力での通院を強く希望していた。 【看護介入 ・ 実践】 徹底した自己管理
の結果、 徐々に体重コントロールが良好となり安楽に帰宅出来た体験から、 体重管理への意
識向上がみられた。 また透析後は、 倦怠感が強く自宅に籠りがちである A 氏に対し、 非透析
日には近所への買い物や散歩を促し ADL 低下を予防した。 更に現状の ADL・QOL 維持への関わ
り以外に、 将来的な社会資源の活用も視野に入れ MSW と連携し情報提供を行った。 【結果 ・
考察】 安全 ・ 安楽な通院を妨げている状況を把握し、 安楽に帰宅できた成功体験から自己効
力感を高める事が出来たと考えられる。 また送迎による安楽を優先するよりも、 患者の望む
通院方法があり、 それを可能な限り継続するための看護が必要だと感じた。
- 26 -
3.
緊急離脱避難の経験からマニュアルを振り返る
医療法人社団腎誠会 さっぽろ内科・腎臓内科クリニック
〇庄司志都江、 菅原佳子、 伏見めぐみ、 多田沙織、 田中雪絵、 佐々木直美、 安田卓二
深澤佐和子
【はじめに】 本年 6 月 19 日、 近隣ビルにて火災が発生し、 緊急避難が行われた。 避難はマニ
ュアルに沿って行われ、 全員無事に避難することができたが、 よりスムーズに安全に避難す
るためにはマニュアルの見直しが必要と考えられた。
【 方 法 】 4 日 後 に、 当 日 従 事 し た 全 ス タ ッ フ が 経 時 的 行 動 記 録 を 作 成 し 緊 急 ミ ー テ ィ ン グ を
行 な っ た。 当 日 の 自 己 の 行 動 を 細 か く 振 り 返 り、 他 の 場 所 で 他 の ス タ ッ フ が ど う の よ う な 行
動をとっていたかを細かく検証し問題点を明確にした。
【結果】 経時的行動記録の作成で、 その時の自己の行動や思考を改めて認識することができ、
自分以外の他のスタッフの行動やその際の根拠などを再認識することができた。 これらによ
り、 マニュアルを改正することができた。
翌月には消防署防災課職員立会いのもと、 新マニュアルを適応した避難訓練を行ない、 より
スムーズに安全な離脱避難を実施することができた。
【結語】 避難訓練では気付けなかったマニュアルの不備が、 実際の緊急避難により明確にな
ったと言える。 また、 避難訓練では経験し得ない恐怖や緊迫感は、 全スタッフにとって貴重
な経験になったと思われる。 今後これらを生かし防災意識を高めていきたいと思う。
4.
シャント管理教育につての取り組み ~フローチャート作成を試みて~
函館五稜郭病院 看護部 透析センター
〇佐藤 司、 武安未奈、 宮澤加奈子、 菅原圭介
【 は じ め に 】 平 成 26 年 シ ャ ン ト 評 価 基 準 の 統 一 を 目 的 に シ ャ ン ト ト ラ ブ ル ス コ ア リ ン グ ( 以
下、 STS) を 導 入 し た。 そ の 結 果、 シ ャ ン ト 不 全 に 対 す る 早 期 治 療 が 可 能 と な っ た。 し か し
臨床で STS を用いる際の評価について統一性がなかった。 そこで、 全てのスタッフが統一し
た 評 価 を 行 え る よ う シ ャ ン ト 管 理 フ ロ ー チ ャ ー ト ( 以 下、 フ ロ ー チ ャ ー ト ) を 作 成 し シ ャ ン
ト評価基準の統一を図りたいと考えた。 【方法】 対象者 : 看護師 7 名、 臨床工学技士 9 名。 内
容 : 平成 26 年 6 月から 12 月までの STS 結果等を参考にフローチャートを作成した。 その成果に
対 す る 評 価 の 指 標 と し て フ ロ ー チ ャ ー ト 介 入 に よ る STS 結 果 の 調 査 と バ ス キ ュ ラ ー ア ク セ ス
インターベンション (以下、 VAIVT) 件数、 およびフローチャート使用後の質問紙調査を実
施。 【結果】 フローチャート導入前の平均 STS スコア発生件数 9.4 件 / 月 (17.8%)、 導入後
は 15.7 件 / 月(28.7%) に上昇。 STS3 点以上は導入前で平均 5 件 / 月(9.6%) 計画的に VAIVT 施
行したのは 2 件 / 月(54.6%)。 導入後は 3 点以上が平均で 7 件 / 月(12.7%)VAIVT 施行は 1.3 件 / 月
(33.3%) に減少。 アンケート結果で 「シャントの評価方法を統一出来たと思いますか」 「思う」
看護師 2 名 (28.6%)、 臨床工学技士 6 名 (66.7%)、 【考察】 フローチャートを使用したシャント
評価の統一は出来なかったが、 フローチャート導入後の STS のスコア発生件数は増加したこ
とで、 シャント管理に対する意識が向上したと考える。
- 27 -
5.
高齢透析患者の看護を振り返る
~認知能力の低下が見られ社会資源の利用に至った 1 事例から~
医療法人 萬田記念病院 透析室
〇瀬上和代、 石黒美恵子、 表原敬子、 小林史子、 小笠原令子、 枝 直美
【はじめに】 認知能力の低下が見られ、 社会資源の利用に至った患者の看護を経験した。 高
齢透析患者の看護に必要な看護師の視点と役割を再確認したので報告する。 【症例】 80 歳代、
男性、 透析歴 4 年、 糖尿病腎症、 脳梗塞の既往がある。 妻と 2 人暮らし。 透析導入前は要介護
2 だったが再申請をしていなかった。 【経過】 透析導入後、 繰り返しの指導により SMBG が 2 年
4 か月継続出来ていた。 しかし、 SMBG が出来なくなり再指導したが手技再習得には至らなか
った。 認知能力の低下が指摘されインスリンや SMBG の中止となった。 また残薬が多い、 薬を
取りに行かない、 来院拒否があり MSW に面談を依頼した。 介護申請が必要と判断され要介護 1
の認定を受け、 社会資源の利用となった。 【考察】 高齢透析患者の特徴である、 認知能力の
低下、 身体能力の低下、 老老世帯を重要視していなかった。 SMBG が出来なくなった時に更な
る認知能力の低下が指摘されたが、 内服状況、 ADL、 家族背景、 要介護認定の状況など予測
される問題点の情報収集が足りず、 包括的なアセスメントができていなかった。 高齢透析患
者の特徴を踏まえた観察をし、 情報収集、 包括的なアセスメントを行い、 MSW に相談できて
いれば、 早期に社会資源を利用することができたと思われる。
6.
オーバーナイト透析患者の満足度調査と検査データの相関
医療法人社団 にれの杜クリニック 看護部 1)、 腎臓内科 2)、 腎臓移植外科 3)
〇津村千代 1)、 宮腰麻矢 1)、 伊藤洋輔 2)、 玉置 透 3)
【はじめに】 当院は今年 2 月に開院し、 曜日限定でオーバーナイト透析 (以下 NHD) を実施し
ている。 【目的】 NHD 導入患者の透析及び生活満足度と、 関連する検査データの相関を調査
し、 NHD 導入前後の変化を考察した。 【対象 ・ 方法】 当院外来維持透析患者で NHD を導入した
8 名に対し、 ビジュアルアナログスケール (以下 VAS) を透析及び生活満足度を評価するスケ
ールとして応用し、 アンケートを実施した。 その結果と NHD 導入前後の検査データの相関に
ついて検討した。 【結果】 VAS で統計学的な有意差をもって改善が認められた項目は、 十分
な透析時間の確保、 血圧の安定、 仕事時間の確保、 仕事での疲労度の改善、 倦怠感の改善な
どであり、 全員が NHD の継続を希望する結果となった。 また、 ESA 製剤の減量、 P 吸着薬の減
量 及 び 中 止、 食 事 制 限 の 緩 和 に も 関 わ ら ず、 NHD 導 入 前 後 の デ ー タ ー (BUN ・ Cr ・ Hb
・ K) の 解 析 で は P と Cr の 改 善 を 認 め た。 【 考 察 】 NHD 開 始 に よ り、 様 々 な デ ー タ の 改 善
及び身体面が楽になっただけでなく、 時間の確保、 食生活の自由度等、 精神面の充実と併せ
て高い満足度になったと考えられる。 【結語】 今後、 栄養士や薬剤師等の他職種とも連携し
ながら、 透析患者の QOL 向上や社会生活の維持を目指し、 安全な NHD に取り組んでいきたい。
- 28 -
7.
血液透析患者の転倒リスクの検討
H・N・メディック北広島 看護部 1)、 H・N・メディック 医師部 2)
〇影山聡子 1)、 佐藤亜希 1)、 村井 舞 1)、 鹿俣里恵子 1)、 長谷川千鶴 1)、 池江亮太 2)
橋本史生 2)
【目的】 透析患者の高齢化が進行しているが、 転倒による骨折は寝たきりや ADL を低下させ
るだけではなく死にも繋がり得ると考えられる。 今回当院透析患者に聞き取りを行い、 転倒
リスクにつながる患者背景を検討した。
【方法】 週 3 回の維持透析を行っている透析患者を対象に、 厚生労働省研究班による 22 項目
の問診票を元に作成された 7 項目 (鳥羽ら. 2005 年) と 5 項目 (大河内. 2009 年) のスクリー
ニ ン グ に 沿 っ て 聞 き 取 り を 行 っ た。 聞 き 取 り 結 果 か ら 転 倒 リ ス ク 有 り 群、 リ ス ク 無 し 群 に 分
け、 両群を比較した。
【結果】 83 名 (男性 : 女性= 56 : 27, 年齢 69.6 ± 11.7 歳) が対象となった。 7 項目スクリー
ニ ン グ で は 24 名 (28.9%) が 転 倒 リ ス ク あ り と 判 定 さ れ、 女 性、 整 形 外 科 疾 患、 ア ル ブ ミ ン
低値、 高感度 CRP 高値が転倒リスクと関連した。 5 項目スクリーニングでは 49 名 (59.0%) が
リ ス ク あ り と 判 定 さ れ、 整 形 外 科 疾 患 が 転 倒 リ ス ク と 関 連 し た。 い ず れ に お い て も 年 齢 は 有
意な因子ではなかった。
【考察】 2 つのスクリーニング方法で転倒リスク有りと判定された患者の割合は大きく異な
っており、 透析患者での適切なスクリーニング方法についてさらに検討したい。
8.
長期外来透析患者のリハビリテーションにおける QOL・ADL のアンケート調査
市立札幌病院 リハビリテーション科
〇小枝和洋、 表 亮介、 木村 剛、 城下弘一
【目的】 長期外来透析患者に対し透析中の運動療法の有効性と長期透析における Quality of
Life (以下 QOL) ・ 生活活動 (以下 ADL) の変化について、 その向上を図る基礎的資料を得
るため調査した。 【対象と方法】 対象は当調査に同意を得た、 週 3 回の外来維持透析を行っ
ており、 透析歴 20 年以上の 5 名 (男性 3 名・女性 2 名、 平均年齢:67.4 ± 6.2 歳) とした。 方法
は、QOL 調査のため KDQOL 日本語版 (以下:KDQOL) を実施した。 また、透析導入時と現在の
身体活動量 ・ ADL ・ 生活の充実度と注意点に対する独自に作成したアンケートを使用し調査
した。 【結果】 KDQOL の項目では、 5 名全てが腎臓病が生活の負担と考え、 QOL の低下を認め
た。 4 名が精神面や現在の健康状態が不良で、 1 年前と比較し悪化し ADL の低下を認めた。 独
自のアンケート結果は、 5 名全てが透析中の運動療法は、 睡眠 ・ 食事 ・ 精神面 ・ 運動機能 ・ A
DL の維持に対して効果的と解答した一方で、 非透析日の運動習慣の導入は不可能であり、 食
事や飲水に対する制限、 合併症に対する不安は全ての患者に共通の結果であった。 【考察】
長期透析患者は、 QOL ・ ADL が低下しており、 自立した生活や社会参加 ・ 活動が困難となって
いる。 透析中の運動は長期透析患者に対しても運動機能の維持や ADL に対して効果が期待で
きる結果となった。 今後の課題は、 透析中の運動を継続し、 在宅での ADL ・ QOL の維持 ・ 向上
し生活の質を高める事が課題であると考える。
- 29 -
9.
重症下肢虚血への治療~長期戦を余儀なくされる中での看護~
医療法人 桑園中央病院 救肢・創傷治療センター・血液透析センター
◯佐藤友美、 岡田久美子、 松井 傑
【はじめに】 当院は、 Penta-SWAT を治療体勢の根幹として、 重症下肢虚血 (CLI) 患者の治療
を行っている。 他院より下肢切断後の治療目的で転院してくる患者も多く、 切断された事を
受容出来ないまま長期に及んで治療を行っている患者も少なくない。 今回足趾切断や創治療
の不安から攻撃的な対応が見られた患者が、 入院中に気分転換として介護施設へのショート
ステイを利用した結果、 周囲との関係が良好になった経緯を振り返り報告する。 【研究方法】
質的看護研究、 Bandura の自己効力の概念を用いて考察する。 【対象】 60 代 男性。 CLI によ
り H25 年 12 月両足趾中足骨切断術後、H26 年 9 月に HBO 目的で入院。 【倫理的配慮】 患者・家族
に書面を用い説明後、 当院の倫理委員会で承認を得た。 【結果 ・ 考察】 両足趾切断へ至った
経緯で医療者に対する不信感が強く、 長期にわたる治療によるストレス、 日々の治療への拘
束に対する疲労、 HD 時の血圧低下による下肢痛の増強や倦怠感、 その為に進まないリハビリ
など様々な要因がストレスとなっていた。 私たちは言語的説得を繰り返したが、 自己効力は
高まらず、 実施するまでに至らなかった。 しかし介護施設に 1 泊できたという遂行行動の達
成で自己効力感が高められ、 退院に向けての自信やストレスの軽減となったと考えられる。
【まとめ】 治療をすすめるにあたり、 良好な信頼関係を築く為には医療者側からの言語的説
得だけではなく、 患者自身の自己効力感を高められる援助を行っていく必要がある。
10. 当院におけるフットケアの取り組み
医療法人祐仁会 石田クリニック
〇舟山幸子、 邊見由美、 難波智恵、 山本 和、 田村 洋、 菅原 剛、 近藤直人
宮川正充、 石田祐二
【目的】 血液透析患者の足病変 ・ 重症化予防に繋げるため、 フットケアチームを立ち上げ、
観察を行った。 患者自身がセルフケアできるよう指導する体制を構築した。
【対象及び方法】 当院維持透析患者 118 名を対象。 看護師 ・ 臨床検査技師 ・ 管理栄養士の各
職 種 よ り 人 選 し フ ッ ト ケ ア チ ー ム を 編 成。 全 患 者 の フ ッ ト チ ェ ッ ク を 行 い フ ッ ト チ ェ ッ ク シ
ートに記載。 医師による診察 ・ 治療の指示を受け、 5 段階に分類し、 患者個々に合った指導
を実施。 毎週定期的にミーティングを行い、 患者の足の状態を報告し、 情報共有した。 又、
必要に応じた検査やDM患者を中心に食事調査を実施。 下肢の状態を全患者撮影し、 傷や変
色など状態の変化があれば悪化部位を継時的に撮影し患者個別でファイリングした。
【結果】 定期的にフットチェックを行う事で患者自身が自分で足を見ようと意識するように
なった。 スタッフも以前より細かく足を観察する事で、 医師への情報伝達がスムーズになり、
処方や検査等、 早期に対応できるようになった。 各職種より人選したことで、 栄養面 ・ 検査
面、 又、 画像を見て幅広くチーム全体で情報共有できるようになった。
【 ま と め 】 今 後 も 患 者 自 身 が 自 分 の 足 を 今 ま で 以 上 に 注 意 し て み て い け る よ う、 フ ッ ト ケ ア
の指導 ・ アドバイスし、 他施設の工夫を参考にしながら継続していきたい。
- 30 -
11. 当院における透析患者に対する栄養状態の現状について
栗山赤十字病院
〇田代実佳、 真井睦子、 遠藤秀介、 成田則子、 阿部憲司
【はじめに】 患者の栄養状態が治療成績の向上に関与し、 栄養管理の重要性が認識されてい
る。 透析患者に関しては、 食欲不振による食事量の低下や炎症、 動脈硬化の進展等、 蛋白質
・ エネルギー栄養障害 (Protein energy malnutrition : PEM) を有する患者が多く、 栄養評
価は必須事項となっている。 栗山町は、 高齢化率が 35%を超え、 当院に通院する透析患者の
平均年齢も全国平均に比べ高い傾向にある。 今回、 我が町の地域特性を考慮し、 透析患者に
対する栄養状態の実態調査を行ったので報告する。 【方法】 対象患者 62 名 (男性 : 34 名、 女
性 : 28 名 ) を対象とし、 Malnutrition-Inflammation Score (MIS) 及び Geriatric Nutritio
nal Risk Index (GNRI) を 中 心 と し、 栄 養 評 価 を 行 っ た。 【 結 果 】 MIS Score は、 40 代 : 4.0、
50 代 : 4.7、 60 代 : 5.1、 70 代 : 5.2、 80 代 : 8.0、 90 代 : 7.0 となり、 GNRI に関しては、 40 代
: 97.0、 50 代 : 92.1、 60 代 : 91.2、 70 代 : 90.4、 80 代 : 85.8、 90 代 : 78.1 と高齢化と共に栄
養障害のリスクが高まっていた。 特に身体機能及び所見の項目は、 年齢上昇と共に低下が見
られた。 また透析歴による栄養障害に関しては個人差があった。 【考察及び結語】 透析導入
が高齢化や多様化しているこの地域において、 栄養評価に基づく早期の栄養療法は重要であ
る。
12. 多用化するリン管理をアルゴリズムを利用して考える
医療法人腎愛会 だてクリニック 栄養科
〇大里寿江、 平子 舞、 太田 彩、 伊達敏行
【背景】 これまで血清リン高値による CKD-MBD への影響については数多く報告されている。
近年、 透析患者全体の高齢化、 さらに透析導入時の高齢化により、 リン管理の指導方法も食
事 を 控 え る、 リ ン 含 有 量 が 多 い も の を 減 ら す と い っ た こ と だ け で は、 解 決 で き な い 問 題 も 増
加してきている。 また、 高齢者における食事摂取量の低下や認知症亢進による拒食から低リ
ン 血 症 と い っ た 事 例 に 直 面 す る こ と も あ る。 【 目 的 】 ア ル ゴ リ ズ ム を 使 用 し た リ ン 管 理 を 考
える。 【対象】 維持透析患者 132 名 平均血清リン 5.0 ± 1.2mg/dL 【方法】 1. 定期検査に
おいて、 血清リン値が目標範囲 (中2日透析前血清リン値 3.0 ~ 6.0mg/dL) から外れた 3.0m
g/dL 以下 3 名、 6.1mg/dL 以上 20 名に、 MNA®-SF で栄養評価し栄養状態良好群、 低栄養の
おそれあり群または低栄養群に分類し検討した。 【結果】 低栄養群においては、 リン含有量
が高いので控えていた食品も併せて好きなものを摂取してもらい、 血清リン上昇時には、 服
薬 ・ 透 析 効 率 ア ッ プ で 対 応 し、 栄 養 状 態 の 改 善 を み な が ら 血 清 リ ン を コ ン ト ロ ー ル す る こ と
ができた。 【結論】 多様化する透析患者へのリン管理には、 栄養状態評価を含めたアルゴリ
ズムも有用であると思われる。
- 31 -
13. 外来透析患者の創傷治癒に向けて、栄養面から考察した一例
桑園中央病院 血液透析センター 1、 救肢創傷センター 2
〇柴田 瞳 1、 星ゆり子 1、 成田千里 1、 佐竹亨子 2、 松井 傑 2
当院では救肢創傷治療の戦略として Penta - SWAT を掲げ治療にあたっているが、 この度、
外来透析患者の創傷治療に対して栄養状態を中心にアプローチできないか考えた。
透析毎の創状態の確認や処置はもちろん、 食事内容の把握も必要だと考え、 患者の負担も少
な く か つ 明 確 で あ る 写 真 を 評 価 の 資 料 と し て 利 用 す る こ と と し、 そ の デ バ イ ス と し て 患 者 の
携帯電話を使用した。
食事内容の評価をし、 アドバイスすることで栄養状態が改善し、 さらに創の状態が改善し
てきた一例を報告する。
14. 経口カリウム負荷による、透析中の血中カリウム濃度の変化
いのけ医院 #1、 札幌セントラルクリニック #2、 クリニック 198 札幌 #3
〇澤 篤子 #1、 久我高志 #2、 櫻井秀之 #2、 猪野毛健男 #1、 戸澤修平 #3
【始めに】
透析患者の食餌指導において、 野菜や果物によるカリウム摂取のコントロールは、 時とし
てその生命に関わる重要課題である。
当院では、 透析中の飲食は原則制限しておらず、 実際に透析前後のカリウム濃度を見る限
り数値は低下しており、 問題は無いと思われる。
一方で経口負荷により、 透析中のカリウム濃度の変化が単純に減少するものなのか?一時
的にでも上昇が見られるのか?に関しては、 根拠が乏しく、 今回当院の患者において、 透析
直前にカリウムの経口負荷 (オレンジジュース飲用) を行い、その変化を調べたので報告す
る
【結果】
透析開始より、 カリウム濃度は経時的に減少した後に、 ほぼプラトーを示した。
【結論】
透析直前の少量のカリウム負荷では、 カリウム濃度に影響しない事が示された。
今後は、 負荷量を増やす・固形物の摂取など、 条件を変更・追加した上で、 更に検討を行
いたい。
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15. 非侵襲的心拍出量モニターを用いた HD から on-line HDF 変更による循環動態の検討
函館五稜郭病院 臨床工学科
〇佐々木雅敏、 長谷部栞里、 鎌田悠生、 小澤鉄也、 小原雄也、 雲母公貴
【 目 的 】 HD か ら 置 換 液 量 48L の 前 希 釈 on-line HDF に 変 更 し た 2 症 例 に つ い て 非 侵 襲 心
拍出量モニターエスクロンミニを用い、 透析中の一回拍出量 (SV)、 分時心拍出量 (CO) の
変化を比較検討する。
【方法】 透析施行中にエスクロンミニを用いて SV、 CO を 30 秒間隔で計測、 10 分毎の平均値を
算出し、 BV 計と併せて経時的に比較検討した。
【結果】 症例 1 の HD は除水量 2.3L、 BV:-12.1%、 SV:40.32 → 31.28ml、 CO:3.40 → 2.73L と
なり、 on-line HDF は除水量 2.0L、 BV-10.9%、 SV : 44.87 → 34.87ml、 CO : 3.79 → 3.27L とな
った。 症例 2 の HD は除水量 3.5L、 BV:-17.6%、 SV:52.56 → 38.93ml、 CO:4.07 → 2.99L とな
り、 on-line HDF では除水量 4.4L、 BV : -18.7%、 SV : 54.47 → 50.15ml、 CO : 3.49 → 4.17L と
なった。 また、 4 時間治療時の平均 SV、 CO から算出した変化率は 2 症例とも on-line HDF が緩
徐となった。
【結語】 HD と比較して on-line HDF は、 心拍出量の減少を軽減させ、 循環動態を安定させる
ことが示唆された。
16. I-HDF で RLS の改善傾向が見られた一例
(医)養生館 苫小牧日翔病院 臨床工学部、 泌尿器科 *、 外科 **
〇斉藤雄大、 佐藤光人、 阿部正道、 坂本和也 *、 櫛田隆久 **、 熊谷文昭 **
【目的】 間欠補充型血液透析濾過 (以下 I-HDF) にてレストレスレッグ症候群 (以下 RLS) や
皮膚掻痒感、 透析後倦怠感など患者 QOL が改善した症例を経験したので報告する 【症例】 年
齢 52 歳、 男性、 透析歴 1 年 6 ヶ月、 原疾患 糖尿病性腎症、 透析後倦怠感、 皮膚掻痒感、 RLS 症
状 【方法】 治療期間は HD を 3 ヶ月間、I-HDF を 3 ヶ月間、その後 HD にするも皮膚掻痒感と RLS 症
状が悪化し、 現在まで I-HDF にて施行した。 HD 条件は、 ダイアライザー NV-15U、 血液流量 220
ml/h、 透析液流量 500ml/min、 透析時間 4 時間、 透析液キンダリー 4E 号。 I-HDF 条件は、 ヘモ
ダイアフィルター ABH-15P、 血液流量 220ml/min、 透析液流量 500ml/min、 透析時間 4 時間、 透
析液キンダリー 4E 号、 置換液注入量 200ml/30min、 置換液注入速度 150ml/min、 総置換液量
1.4L の条件に変更した。 患者愁訴の評価方法は RLS 重症度スケール質問票、 愛 Pod シート
(透析治療に関する自覚症状の評価)、 VAS スケールを用いた各種臨床症状の聞き取り調査
による評価を行った。 採血評価項目として、 UA、 Cr、 BUN、 α1-MG、 β2-MG、 P での比較検
討した 【結果】 RLS 症状の大幅な改善、 透析後の倦怠感改善、 掻痒感の改善、 QOL の向上が見
られた。 採血評価としては、 α1-MG 値が有意に低下したが、 他の項目については有意な差は
見られなかった 【結語】 I-HDF を施行することにより RLS の改善傾向が見られた。 今後は症例
数を増やして更に検証していく必要があると思われた
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17. 前希釈オンライン HDF を施行したレストレスレッグス症候群の 2 症例
H・N・メディック北広島 CE 課 1)、 H・N・メディック CE 課 2)、 H・N・メディック 医師部 3)
〇佐藤慶治 1)、 増井隼樹 1)、 三谷祥世 1)、 土山直人 1)、 阿部大輔 1)、 村井 舞 1)
内海芳淳 2)、 池江亮太 3)、 橋本史生 3)
【目的】 レストレスレッグス症候群 (RLS) を訴える透析患者を HD から前希釈オンライン HDF
へ移行したことで、 異なる症状の経過がみられた 2 症例を経験したので報告する。
【症例 1】 61 歳女性、2007 年 3 月 HD 導入。 2015 年 2 月に RLS の症状発現を認めたため、東レ・メ
ディカル社製 NV-18S を用いた HD から、ニプロ社製 MFX-21S eco を用いた HDF (QD total 600 m
L/min、 QS 200 mL/min、 QB 250 mL/min) へ と 移 行 し た。 HD で の α1- ミ ク ロ グ ロ ブ リ ン ( α1
MG) 除去率は 8.4% であり、 HDF では移行 1 ヶ月後には 36.2% と上昇した。 RLS 重症度スケール
(40 点満点) は HD 施行時 22 点、 HDF3 ヶ月後には 0 点と減少し、 RLS は著明に改善した。
【症例 2】75 歳男性、2006 年 10 月 HD 導入。 2015 年 5 月に RLS の症状発現を認め、症例 1 同様の条
件で HDF へと移行した。 HD でのα1MG 除去率は 1.0% であり、HDF 移行 1 ヶ月後 31.2% に改善した
が、経過中の平均は 28.9% であった。 RLS 重症度スケールは HD 施行時 27 点、HDF 移行後は最小
12 点と減少したが、 症状の消失には至らなかった。
【考察】 櫻井らは、 RLS 改善のためにα1MG 除去率を 30 ~ 40% と提言しており、 症例 2 ではα1 M
G 除去が不十分であった可能性がある。
18. DEHP アレルギーを有する患者の血液透析症例の報告
医療法人 桑園中央病院 臨床工学部
〇合坪詳太、 谷藤貴也、 伊藤直樹、 樫木貴志、 兵藤嵩志、 酒井征則、 吉田雄太
石河文寛、 峯田清志、 林 知美
近年、 ダイアライザーを始めとする血液浄化に関わる医用材料は多岐に渡る。 それに伴い血
液浄化に関連する治療方法は多様化され患者の状態に合わせた治療を選択する事が可能とな
っている。 当院においても様々な血液浄化や治療を行うことが可能であり、 患者の年齢や健
康状態、 社会性等を考慮し、 それぞれに応じた血液浄化を行っている。 今回、 下肢治療目的
で入院された患者においてフタル酸ビス (以下 DEHP) アレルギーを有する透析症例を経験し
た。 DEHP は血液回路等の医用材料として使用されている。 血液浄化において DEHP アレルギー
を有することで発生した問題点や現状について報告する。
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19. MLT - 550N による透析中の体水分変化
医療法人社団腎誠会 さっぽろ内科・腎臓内科サテライトクリニック
〇太田和志、 平間結梨枝、 安田卓二、 深澤佐和子
【はじめに】 MLT - 550N は生体電気インピーダンス計測技術を応用し、 生体内の細胞外液や
細胞内液などの体水分を計測することができる装置です。 本機はハンディーサイズのためベ
ッドサイドで容易に測定でき、 測定時間も 15 秒程度と短時間の測定が可能な装置である。
【目的】 MLT - 550N を使用し、 透析中の体水分がどのように変化しているか調査し報告する。
【対象】 当院でオンライン HDF を試行中の 10 名
【方法】 MLT - 550N にて透析前、 透析中 30 分毎、 透析後で体内水分を測定し、 1 週間継続して
計 3 回測定をおこない、 体内水分量、 細胞外液量、 細胞内液量、 ECW/TBW の変化を確認する。
【結果】 血圧が安定している場合では、 除水にともない体内水分量、 細胞外液量、 細胞内液
量、 ECW/TBW も減少傾向をしめしていた。 しかし、 血圧が透析中に低下する症例にはその時
間帯の細胞外液量の減少が大きく、 一時的に体内の水分移動がうまくおこなえず、 血圧低
下の原因になっている可能性があった。
【 考 察 ・ 結 語 】 透 析 中 に 細 か く 測 定 す る こ と に よ っ て、 透 析 中 の 血 圧 低 下 症 例 な ど で、 除
水に対する水分変化が適正であるかを検討できる可能性があるが、 何度か測定をおこなった
うえで評価をする必要があると思われた。
20. 食事全量摂取しているのに DW が減少する症例
社会医療法人母恋 日鋼記念病院 臨床工学室 1)、 腎センター 2)、 外科 3)、 栄養課 4)
〇毛笠貴隆 1)、 植村 進 1)、 湊 千笑 1)、 伊丹儀友 2)、 高田譲二 3)、 藤戸あや 4)
【背景】 一般的に透析導入前はたんぱく質制限があり、 それを経て透析導入になる。 また、
腎不全の進行に伴う食欲低下などもあり、 透析導入時にはたんぱく質摂取量が少ないことが
みられる。 さらに、 透析患者のエネルギー消費量は健常人より亢進しているとの報告もある。
今回、 食事を全量摂取しているのにもかかわらず DW が減少した入院患者に対し栄養介入にて
改善を図ったので経過を報告する。 【対象患者】 60 歳代男性。 透析歴 1 年 5 ヶ月。 糖尿病性腎
症。 DW65.9kg。 標準体重 56.3kg。 BMI25.74。 【方法】 下記の項目について栄養介入 (エネル
ギー量 470KcalUP、 たんぱく質量 12gUP) 前後の比較を行った。 DW ・ CTR ・ 総タンパク ・ Alb ・ C
RP ・ P ・ PCR ・ %CGR ・ GNRI。 細胞内水分量 ・ 細胞外水分量 ・ 体水分量 ・ 筋肉量 ・ 骨格筋量 ・ 体
脂肪量 (体成分分析装置 (InBodyS20) にて測定)。 【結果】 栄養介入前後で GNRI:89.35 → 92.3
3。 体脂肪量 :22.4kg → 25.6Kg。 DW:64.3kg → 65.9kg。 PCR:0.64g/kg/day → 1.0g/kg/day。 P:4.
7mg/dl → 4.4mg/dl。 【結語 ・ 考察】 たんぱく質摂取量を上げても内服薬でPを基準値内にお
さ め る こ と が で き た。 食 事 内 容 を 見 直 す こ と で、 患 者 の 栄 養 改 善 を 図 る こ と が 出 来 る と 思 わ
れた。 PCR ・ %CGR ・ GNRI など臨床工学技士特有のデータを把握し、 積極的に他職種と連携を
とることが今後必要と思われる。
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21. 当院におけるオーバーナイト透析の試み
医療法人社団 にれの杜クリニック 臨床工学科 1)、 腎臓内科 2)、 腎臓移植外科 3)
〇安達直記 1)、 打田内一樹 1)、 中野渡和弥 1)、 住田知規 1)、 斉木俊博 1)、 伊藤洋輔 2)
玉置 透 3)
【目的】 当院の現状を踏まえ、 オーバーナイト透析の紹介とオーバーナイト透析を施行して
いる患者の透析効率を検討した。
【対象 ・ 方法】 オーバーナイト透析を施行している患者 4 名に対し、 採血と透析液廃液を全
量採取し透析効率の評価を行った。
【結果 ・ 考察】 KT / Vsp は平均 2.48 ± 0.33、 クリアスペース率 83.85 ± 3.59 であった。 また、
アルブミン漏出量については 0.72 ± 0.42g であった。 日本透析医学会では目標透析量として K
T / Vsp1.4 以上が望ましいとしているが、 今回の結果ではオーバーナイト透析における透析
効率は高値を示し、 またアルブミン漏出量については比較的低値であることが示された。
【結語】 長時間透析における透析効率の優位性は以前より報告されている。 オーバーナイト
透析においても透析効率は非常に優れていた。 アルブミンの漏出量は長時間による高い透析
効率下においても低値を示していた。 当院では積極的に長時間透析およびオーバーナイト透
析の普及を目指していく方針である。 今後も CE の立場から、 長時間およびオーバーナイト透
析の発展に尽力していきたい。
22. 透析液溶解装置への異物の混入について
医療法人社団群仁会 保坂内科クリニック
〇石川剛志、 米村昭夫、 外川亜衣、 砂川拓也、 池田純幸、 田中広果、 保坂洋一
【目的】 A 液溶解装置及び B 液溶解装置出口の ETRF に異物を確認したため、それについて報告
する。
【対象】 A 液溶解装置 TP-AHI-G (以下 AHI):東レ、B 液溶解装置 TP-BHI-G (以下 BHI):東レ、
リンパック TA1 : ニプロ
【経過】 2014 年 5 月:AHI 及び BHI 新規納入。 2014 年 12 月:ETRF 定期交換時に ETRF 内部に異物
を確 認。 透析液粉末の袋に付着した段ボール片と想定し ニプロに現状を報告、 異物の調査を
依頼した。 2015 年 1 月: コンソール及び ETRF 前後の ET:< 0.001EU/ml ・ 生菌数 : 0CFU/ml。 20
15 年 3 月 : ETRF を交換した上で異物への対策として袋に付着した段ボール片を除去する目的
でカートに一時保管してから溶解装置に投入。 2015 年 5 月 : ニプロより異物調査の結果、 段
ボール片と類似しているとの回答をうける。 2015 年 6 月 : 異物の付着量は ETRF 交換前に比べ
減少しており、 コンソール及び ETRF 前後の ET : < 0.001CFU/ml ・ 生菌数 : 0CFU/ml。
【まとめ】 透析液製造工程の中で、 透析液粉末投入時は大気開放状態であり、 異物の混入が
懸念される。 そのためまずは異物の混入を防ぐ事、 そして異物が混入してしまった際には、
異物が多人数用供給装置やコンソールに流出してしまわないように溶解装置後に ETRF を設置
する事が重要だと考える。
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23. Toreysee for CE の再使用時における有用性検討
(医)菊郷会 石橋胃腸病院 1)、 富丘腎クリニック 2)
〇中尾正義 1)、 佐藤幸作 1)、 有馬 滋 1)、 寺島寿江 2)、 佐藤裕介 2)、 元道信孝 2)
金谷 樹 2)、 冨所竜也 2)
【目的】 医用機器を清潔に保つためには、 薬剤で清拭を行うのが一般的であるが、 劣化が懸
念 さ れ る。 以 前、 東 レ 社 製 Toreysee for CE ( 以 下 ト レ シ ー) を 用 い、 そ の 有 用 性 を 証 明 し
た が コ ス ト 面 か ら 導 入 に は 至 っ て い な い。 そ こ で 本 来 デ ィ ス ポ ー ザ ブ ル 製 品 で あ る ト レ シ ー
を再使用し、 有用性を検討した。 【方法】 透析終了後に、 水道水含浸トレシーにて透析機器
タッチパネルを清拭した。 使用後のトレシーを当院器具消毒の規定である 200ppm 次亜塩素酸
ナトリウムに 3 分浸漬し、 水道水にて洗浄後、 乾燥させて再使用とした。 ATP + AMP (以下 ATP)
値の測定は、 再使用なし、 再使用頻度 50、 100、 200、 400 回、 さらに当院従来の清拭方法を
測定し、 比較をした。 【結果】 再使用なしの ATP 値は 101.1 ± 31.4 であった。 再使用頻度 50、
100、 200、 400 回はそれぞれ 101.0 ± 33.8、 142.9 ± 65.8、 210.5 ± 84.8、 567.8 ± 115.4 であり
再使用なしと 50 回では有意差がなかったが (P=0.7779)、 他の頻度では有意差が認められた。
また従来の方法での ATP 値は 496.9 ± 166.1 であった。 【結語】 50 回までの再使用は、 再使用
なしと同程度の有用性があると示唆された。 また 200 回までの再使用であれば当院従来の清
拭方法よりも高い清拭効果を示したことから、 トレシー導入時の判断材料の一つになる可能
性がある。
24. 透析患者における潜在性 HBV 感染症の検討
医療法人社団萌生舎 宮の沢腎泌尿器科クリニック
〇水田 誠、 吉川一城、 大石亜紀、 野宮翔太、 菅野貴行、 小林真也
【はじめに】 近年、 HBsAg (-) でも HBV-DNA (+) の状態が存在することが判明してきた。
抗がん剤 ・ 免疫抑制剤を使用する患者に限り HBsAb、 HBcAb 検査を行い、 陽性の場合は HBVDNA 検査が保険適応なっているが、 透析患者にそれらは認められていない。 しかし HBV 管理は
透析室感染予防とベット管理の観点からは重要である。 【目的】 当院で HBsAg (-) の透析
患者において、 潜在的な HBV 感染の有無について検討した。 【対象】 当院維持透析患者 82 名。
年齢 63.2 歳。 透析歴 85.4 ヶ月。 【方法】1.HBsAg/MAT 検査 2.HBsAg(-)患者において HBsAb、
HBcAb を測定 3.HBsAb (+) 患者または HBcAb (+) 患者に HBV-DNA を測定 【結果】 HBsAg (+)
2 名。 HBsAg (-) 80 名かつ HBsAb (+) or HBcAb (+) 24 名のうち HBV-DNA (+) 1 名。 しかし、
この HBsAg (-) HBV-DNA (+) 1 名に対して、HBsAg/CLIA で再検査すると HBsAg/CLIA (+) 【考
察】 今回の検討で精度の高い CLIA 法を用いることで、 より正確に HBV の診断が出来た。 しか
し、 HBsAg/CLIA (-) でも HBV-DNA (+) を示す症例が報告されている。 透析医療においては、
患者間感染予防の観点から HBsAg (-) 例に対しても抗がん剤 ・ 免疫抑制剤使用患者と同様な
HBV 関連検査の保険適応を求めたい。 【結語】1.HBsAg 検査において MAT 法陰性でも CLIA 法で
陽性のケースが認められた。 2. 潜在的 HBV を把握するには導入 or 転院時の HBsAg (-) 例に対
して HBsAb、 HBcAb を測定し陽性であれば HBV-DNA 検査を行うべきである。
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25. 血液透析患者の睡眠とフレイルとの関連
H・N・メディックさっぽろ東、 H・N・メディック *、 H・N・メディック北広島 **
〇角田政隆、 遠藤陶子 *、 池江亮太 **、 橋本史生 *
【目的】 血液透析 (HD) 患者の睡眠の状態を調査し、 関連する因子を検討した。 【方法】 当院
HD 患者を対象に睡眠健康調査票 (SHRI) を用いて睡眠の状態を点数化し、関連する因子を検討
した。 SHRI は睡眠健康を評価する質問票で、 14 の質問項目から睡眠健康の危険度を表す 5 因
子 (睡眠維持障害、睡眠随伴症、睡眠時無呼吸、起床困難、入眠障害) の得点、及び SHRI 総得
点 を 求 め た。 な お、 フ レ イ ル は TFI (Tilburg Frailty Indicator) を 用 い て 診 断 し た。 【 結 果 】
対象は 71 名( 男性:女性= 48:23 名、年齢 66.9 ± 9.9 歳、透析歴 114 ± 99 月) で普段の睡眠時間
は 5.9 ± 1.6 時間であった。 SHRI 総得点は睡眠剤投与と TFI スコアと睡眠時間に関連した。 ま
た睡眠維持障害は% CGR と睡眠時間に、睡眠随伴症は安定剤投与と Hb に、睡眠時無呼吸は WBC
と睡眠時間に、 入眠障害は TFI スコアと眠剤投与に関連した (起床困難と関連する因子はなか
った)。 なお睡眠時間は %CGR と関連した。 また TFI はフレイルを 3 つの phenotype (身体的フレ
イル , 精神的フレイル , 社会的フレイル) に分類して検討できる。 いずれの phenotype とも関
連したのは入眠障害であったが、 その他睡眠維持障害と精神的フレイルに関連が見られた。
【考察】 睡眠とフレイルとの関連が示唆された。 睡眠障害の各パターンで関連する因子が異
なっており、 患者の QOL を向上させるためには栄養状態を含め、 各方面から患者を把握する
ことが重要であると思われた。
26. 透析を回避しえた抗 GBM 病の 2 例
北海道大学病院 内科 II、 市立札幌病院 病理診断科 *
〇近藤桂一、 中垣 祐、 川島圭介、 八反田文彦、 石川洋三、 楠 由宏、 牧田 実
松岡奈央子、 山本準也、 深澤雄一郎 *、 西尾妙織、 渥美達也
抗 GBM 病は急速進行性糸球体腎炎のうち 6.1% に認められる血管炎であり腎予後不良の疾患で
ある。 今回、 抗 GBM 病に対して血漿交換療法を併用し、 維持透析への移行を回避することが
できた 2 例を経験したので報告する。 症例 1) 84 歳女性。 当院入院 1 か月前より発熱あり、 近
医に精査加療目的に入院となった。 急速進行性糸球体腎炎を呈しておりステロイドパルス療
法が施行された。 治療開始前の抗 GBM 抗体が陽性と判明し当院転院となった。 転院時 Cr7.47m
g/dl、 BUN121mg/dl と重度の腎機能障害を認め、 血液透析と血漿交換療法を併用、 ステロイ
ド治療継続にて透析を離脱した。 症例 2) 64 歳女性。 2 型糖尿病、 バセドウ病で当院通院中
であった。 当院入院 2 週間前より倦怠感が出現し、 近医を受診となった。 血尿を伴う急激な
腎機能の悪化 (Cr0.56 → 2.55mg/dl) を認め、 当科紹介入院となった。 翌日に腎生検を施行
し、 急速進行性糸球体腎炎を呈していいたことからステロイドパルス療法を開始した。 腎生
検にて糸球体 11 個中 8 個に細胞性半月体を認め、 IgG の糸球体基底膜への線状沈着を認め、 更
に抗 GBM 抗体陽性が判明したため、 血漿交換療法を併用した。 その後シクロフォスファミド
間欠静注療法も行い、 腎機能は改善傾向である。 症例 1,2 ともに比較的早期に治療介入開始
できており、 早期の治療介入が重要であると考えられた。
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27. 高容量
(240μg/ 週)
のダルべポエチン投与により貧血改善を認めた
骨髄異形成症候群合併維持透析患者の1例
NTT 東日本札幌病院 腎臓内科、 NTT 東日本札幌病院 血液・腫瘍内科 *
〇橋本整司、 岡本延彦、 山本理恵、 眞岡知央、 渡邊加奈子、 吉田美穂 *、
西尾充史 *、 小池隆夫
【症例】 70 代男性。 5 年前から貧血と腎機能障害を指摘されていた。 3 年前に精査をうけ、 骨
髄異形成症候群 MDS-U(WHO) RA(FAB) の診断となり、 azacitidine の治療を施行したが、 効果
は限局的で、 年齢や腎機能の問題もあり以後は輸血にて対症的に治療を行っていた。 2 年前
から維持透析導入。 腎生検は未施工で、 詳しい腎障害の原因は不明。 以後週 60μg のダルべ
ポエチン (DA) の投与を行っていたが、 月に一回程度の輸血が必要でHbは 7 前後で推移した。
本年より高容量 (240μg/ 週) の DA の皮下注射を施行したところ、 輸血は継続しているが、
Hb レベルは 8 ~ 9 に上昇し自覚症状などの改善が認められた。
【考察】 MDS に対する ESA 製剤の有効性はガイドラインにも示されているとおりであるが、 維
持透析患者は腎性貧血も必然的に併発しておりその効果にも限界があると考えられる。 従来
は保険診療の問題もあり、 一般の維持透析患者と同じ投与量であったが、 昨年 12 月末より MD
S における追加承認があり、 高容量での使用が可能となった。 エリスロポエチンの枯渇して
いる維持透析患者に関しても、 一定の効果が得られることが期待できる。
28. 閉経前女性透析患者に対するクエン酸第二鉄水和物投与経験について
札幌セントラルクリニック #1、 クリニック198 札幌 #2
〇久我高志 #1、 櫻井秀之 #1、 戸澤修平 #2
従来のリン吸着薬に加え、 新たに鉄を利用したリン吸着薬として、 クエン酸第二鉄水和物
(リオナ) が発売された。 発売より 1 年以上が経過し、 当初の目的のリン吸着に加え、 昨今
は鉄欠乏に対する鉄剤としての側面も広く話題に上っている。
頻繁に鉄剤投与を行っていた当院通院中の閉経前の透析患者に対し、 鉄補充による貧血コ
ントロール改善を期待し本薬剤を投与し、 その結果 ・ 経過を報告する
症例 1 : 39 才女性 透析歴 25 年 原疾患 : 先天性腎形成不全
症例 2 : 41 才女性 透析歴 28 年 原疾患 : 先天性腎不全 (詳細不明)
2 例共に、 不正出血がしばしば見られており、 他院にてホルモン療法施行中であった。
不正出血および月経に伴い、 ヘモグロビン値、 T-SAT、 フェリチン値の低下が見られ、 その
度に ESA 増量や鉄剤投与 (i.v.) で対応するも。
両症例共に、 昨年6月より本剤の投与を開始した。
投与開始より 1 年以上が経過し、 ヘモグロビン ・ 鉄指標の安定および ESA の減量が得られた
ので、 報告する。
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29. 透析患者の血清マグネシウム濃度と塩酸セベラマーの影響
H・N・メディック北広島 1、 H・N・メディック 2、 H・N・メディックさっぽろ東 3
〇池江亮太 1、 遠藤陶子 2、 角田政隆 3、 橋本史生 2
【背景】 血液透析患者において、 低 Mg 血症は炎症, 動脈石灰化, 死亡率上昇との関連が報告
されている。 一方、 塩酸セベラマーは血清中の亜鉛や銅などの濃度にも影響しうることが報
告されている。 透析患者の血清 Mg 濃度に関連する因子を、 塩酸セベラマーの影響も含め検討
した。
【方法】 透析歴 6 ヶ月以上の患者を対象に、 血清 Mg 濃度に関連する因子を横断的に検討した
(透析液 Mg 濃度は 1.0 mEq/L)。
【結果】 86 人 (男性:女性= 56:30, 年齢 68 ± 12 歳, 透析歴 92 ± 72 ヶ月) が対象となり、 血
清 Mg 濃度は 2.5 ± 0.4 mg/dL と高めであった (基準値 1.7 ~ 2.6 mg/dL)。 塩酸セベラマーは 67
人 (77.9%) で使用されていた。 単変量解析では、 Mg 濃度は年齢, 高感度 CRP と有意な負の相
関を示し、 透析歴, クレアチニン産生速度, 血清アルブミン, HDL コレステロール, nPCR,
セベラマー投与量と有意な正の相関を示した。 これらのうち、 多変量解析で有意な相関を示
したのは、 年齢 (β= -0.338, P = 0.001), nPCR (β= 0.188, P = 0.04), セベラマー投与
量 (β= 0.284, P = 0.004) であった。
【考察】 塩酸セベラマーの多面的効果には Mg の作用と重複するものもあり、 セベラマーの多
面的作用の機序を考える上で、 興味深い結果であった。
30. C.E.R.A 注投与における静注鉄剤投与方法の検討
社会医療法人孝仁会 星が浦病院 臨床工学科
社会医療法人孝仁会 釧路孝仁会記念病院 循環器内科 *
〇斎藤 寿、 野地功章、 石井勝実、 熊倉徹哉、 齋藤礼衣 *
【目的】C.E.R.A 注投与(月 2 回投与)の静注鉄剤投与を週 1 回投与から週 3 回隔週投与に変更し、
貧血管理、 鉄代謝等を検討した。 【対象】 維持透析患者= 19 名(男性 =11 名 / 女性= 8 名)、 年
齢 =68.6 ± 9.8 歳を対象とした。 【方法】 静注鉄剤投与を週× 1 回 (週初め) から、C.E.R.A 投与
週× 3 回 / 隔週 (第 2/4 週) に変更し、C.E.R.A 投与量、Hb 値、ERI、S-Fe 値、Feri 値、TSAT 値、
目標 Hb 維持率を比較。 尚、 C.E.R.A 注及び静注鉄剤投与基準は当院のプロトコルにより統一
とした。 【結果】 C.E.R.A 投与量 =133.08 ± 88.12μg / 月→ 90.91 ± 77.10μg / 月 (p<0.05)。 Hb
値 =10.65 ± 1.10g/dl → 10.88 ± 0.89 g/dl(p<0.001)。 ERI=6.55 ± 4.94 → 4.38 ± 4.42(p<0.05)。
S-Fe 値 =63.87 ± 26.43μg /dl → 59.19 ± 22.84μg /dl (p<0.05)。 Feri 値 =113.90 ± 94.11mg/dl
→ =124.79 ± 83.99mg/dl(n.s)。 TSAT 値 =25.41 ± 10.94% → 24.52 ± 9.63%(n.s)。 目標 Hb 維持率
=64.33% → 77.73% (p<0.001) であった。 【考察 / 結語】 C.E.R.A 注投与患者の静注鉄剤投与量を
増加させたが、 Feri 値、 TSAT 値の過上昇を抑え、 C.E.R.A 投与量を減量させつつ安定した貧
血管理が可能であった。 C.E.R.A は半減期が約 7 日~ 9 日間と、 他の ESA 製剤よりも長時間のた
め、 C.E.R.A 注投与時の静注鉄剤補充は、 C.E.R.A 半減期期間の C.E.R.A 投与週の充分な鉄剤
補充が、 C.E.R.A の造血作用により効果的である事が示唆された。
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31. 穿刺針口径変化が穿刺痛や止血時間に与える影響
医療法人菊郷会 富丘腎クリニック
〇寺島寿江、 佐藤裕介、 元道信孝、 遠藤初枝、 西本洋子、 金谷 樹、 冨所竜也
【目的】 血液流量 (QB) を安全に確保する為には穿刺針の口径を考慮する必要があるが、 口径
の大きい穿刺針は痛みや止血不良等の患者の肉体的、 精神的負担となる場合が多い。 そこで
QB 確保のために実施した穿刺針の口径拡大が、 穿刺痛及び止血時間にどのような影響を及ぼ
すかを調査した。
【方法】 当院外来透析患者の中で自己血管内シャントのみの 22 名を対象に、 穿刺針 (メディ
キット社製クランプキャス NB) の口径を 1G (17G ~ 14G) 拡大し、その直前及び直後 (各 6 回)
における穿刺痛と止血時間を調査した。 穿刺痛は 10 段階のアンケートにて、 止血時間は当院
基準の 5 分を最短止血時間と設定し以下 1 分刻みで測定した。 なお穿刺、 止血共にスタッフは
患者ごとに固定し、 貼布用局所麻酔剤の貼布時間も差がないようにした。
【結果】 穿刺痛、 動脈側止血時間、 静脈側止血時間の全てにおいて変更前後で有意差は認め
られなかった。 さらにどの口径からの変更でも有意差は認められなかった。
【結語】 本調査から、 自己血管内シャントにおける 1G の口径拡大であれば、 穿刺針の口径が
穿刺痛や止血時間に与える影響はないと推測された。 QB を安全に確保するための穿刺針の口
径拡大は、 最も効果的で副作用の少ない方法の一つであると考えられた。
32. 脱血圧不良が疑似リークの原因となる可能性について
釧路泌尿器科クリニック
〇大澤貞利、 山本英博、 斉藤辰巳、 伊藤正峰、 佐野 洋、 久島貞一
【目的】 血液透析施行中は、 設定 QB と穿刺針太さの組み合わせにより、 流速が変化し脱血圧
は容易に陰圧となる。 強い陰圧では溶血が危惧される。 溶血により発生する遊離ヘモグロビ
ンは、 透析膜を通過し疑似リークとなる可能性があり、 実験系にて検討した。
【方法】 洗浄牛血液を用いて、脱血側に 14G ~ 18G の針を使用し、QB は 150 ~ 300mL/min の範囲
で 50mL/min 毎に変化させ脱血圧を測定した。 牛血漿の吸光度を測定し、 その変化率から溶血
の有無を推測した。 その後、 脱血側に 16 ・ 18G の針を使用し、 QB300mL/min としダイアライザ
ー PES-150 α eco を用い透析実験を行った。
【結果】 同じ設定 QB では、 穿刺針が細くなるほど脱血圧は陰圧となり、 同じ穿刺針を用いた
ときは、 設定 QB が多くなるほど陰圧になった。 洗浄牛血液の吸光度変化率は、 穿刺針が細く
なるほど大きくなった。 透析実験では 18G を用いたときに漏血検出器が作動する値より高値
となった。
【結語】 使用する穿刺針と設定 QB により脱血圧が変化し、 脱血圧が陰圧になると溶血に影響
を与え、 疑似リークを起す可能性が示唆された。
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33. シャントマップの運用について
社会医療法人北海道恵愛会 札幌南一条病院
〇松本涼雅、 高野博友樹、 斎藤尚史、 櫻井佳代子、 宮本亜紀、 中野渡悟
透 析 患 者 に お け る シ ャ ン ト 管 理 は、 患 者 は も と よ り、 我 々 透 析 ス タ ッ フ に お い て も 重 要 な 課
題 と 言 え る。 当 院 で は 以 前 よ り、 シ ャ ン ト ス コ ア リ ン グ シ ー ト (STS) を 用 い シ ャ ン ト 管 理
を行ってきた。 しかし、 月に 1 度紙ベースで行っていた STS は、 保管方法や過去の情報を見る
の に 不 便 で あ っ た。 ま た、 シ ャ ン ト ト ラ ブ ル 時 に ベ ッ ド サ イ ド に て 様 々 な シ ャ ン ト 情 報 を 確
認で きたら良いとスタッフから意見があったため、 今回透析室の iPad 導入に伴いシャントマ
ッ プ を 作 成 し た。 シ ャ ン ト マ ッ プ と は、 iPad 画 面 上 に STS、 エ コ ー 報 告 書、 シ ャ ン ト 写 真、
シ ャ ン ト 経 歴、 ト ラ ブ ル 歴 が 患 者 ご と に 表 示 さ れ 確 認 で き る よ う に な っ た。 こ れ ら の 項 目 が、
ひ と 画 面 に 表 示 さ れ る こ と に よ り シ ャ ン ト ト ラ ブ ル 時 に シ ャ ン ト 情 報 の 確 認、 迅 速 な 判 断 や
対応をすることが可能となった。 現在は透析室のみでの運用だが、 今後、 外来や検査室など
院内で閲覧できるようになると使用の幅が広がり、 より利便性が増すと考える。
34. エコーガイド下穿刺の継続が必要な 2 症例
社会医療法人母恋 日鋼記念病院 臨床工学室 1)、 腎センター 2)、 外科 3)
〇植村 進 1)、 湊 千笑 1)、 毛笠貴隆 1)、 高橋雄哉 1)、 高田譲二 2, 3)、 伊丹儀友 2)
【諸言】 血液透析でエコーガイド下穿刺 (以下エコー穿刺) が普及し、 当院でも安全 ・ 確実
な VA 穿刺を目的に 2012 年からエコー穿刺を開始した。 エコー穿刺を行い、 安定した患者は通
常穿刺へ移行することが多い。 今回、 通常穿刺へ移行できなかった症例について報告する。
【症例 1】 60 歳代女性、 透析歴 39 年 9 ヵ月、 透析導入原疾患 : 水腎症、 左前腕 AVF 閉塞により
左肘部 AVF 及び AVG 再建するも閉塞。 右上腕動脈表在化と自己静脈にて透析施行。 エコー穿刺
を導入してからの穿刺成功率は通常穿刺/エコー穿刺 : 57.1 / 92.1%で 10 ヵ月経過。 通常穿
刺時は穿刺部位が限定していたが現在は穿刺部位が増え穿刺困難に対する患者の不安は軽減。
【症例 2】 80 歳代女性、 透析歴 19 年 3 ヵ月、 透析導入原疾患 : 多発性嚢胞腎、 左前腕 AVF 閉塞。
心機能低下により左上腕動脈表在化と左前腕 AVF にて施行するも穿刺困難となりカフ付留置
カテーテルを返血用に留置。 カテ感染にて抜去となり右肘正中皮静脈にて透析施行。 下肢で
の血圧測定が不安定なため、 左上腕尺側皮静脈へエコー穿刺を導入。 穿刺成功率は 36.4 / 10
0% で 2 ヵ月経過。 担当看護師は毎回エコー穿刺を要望するようになった。
【考察 ・ 結語】 穿刺困難症例では、 穿刺ミスは透析施行が不可能になるとの不安が増加する。
エコー穿刺は成功率を向上、 穿刺部位探索にも有効であり患者がエコー穿刺を希望する要因
として考えられた。 エコー穿刺は患者とスタッフの苦痛を軽減する可能性が示唆された。
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35. 患者参加型防災訓練の経験
医療法人社団 手稲ネフロクリニック 臨床技術部、 腎臓内科 *
〇室谷洋希、 佐藤友則、 大崎史子、 三浦栄之、 荒野隆之、 谷村 仁、 柴潤一郎 *
向 博也 *
【はじめに】 当院では毎年春と秋に防災訓練を行っているが、 今回初めて患者参加型の訓練を
行った。
【目的】 目的従事の職員のみ参加の防災訓練と患者参加型訓練の違いを検討し、 その評価を元に
今後の防災に対する検討を行う。
【実施日】 2014 年 10 月 21 日 【参加者】 職員 26 名、 透析患者 10 名、 計 36 人
【方法】 透析中に地震が発生し、 それに伴い停電と火災が発生したとの想定。 非常灯下でヘル
メット、 ヘッドライトを着用し透析離脱、 避難誘導を行った。
【考察 ・ まとめ】 まず、 患者 1 名に対し 2 人の職員で離脱の対応をしている一方で、 他の患者で
離脱 ・ 避難誘導が手薄になる、 1 階や院外に避難した後どうすればいいかわからなかった患
者がいる、 など、 職員の声掛けや確認が不足している点があった。 次に通常は穿刺業務を行
っていない職員が離脱に対応した患者のテープ固定が不十分である、 といった教育不足が明
らかになった。 また、 災害時に使用する物品に消耗 ・ 劣化が発見され、 管理不十分が明らか
になった。 以上のことから、 災害発生時の避難マニュアルの見直し、 緊急時対応の職員への
教育、 物品管理の徹底が必要と思われた。
36. 糖尿病性腎症による末期腎不全に対する腎移植の成績
市立札幌病院 腎臓移植外科
〇和田吉生、 福澤信之、 原田 浩
【目的】 当施設での成績を検討し、 糖尿病性腎症による末期腎不全に対する腎移植の意義を
明らかにする。
【方法】 糖尿病性腎症による末期腎不全について、 2001 年 8 月から 2015 年 4 月まで、 当院で生
体腎移植を行った 57 例を後方視的に検討した。
【成績】 レシピエントの男女比は 49:8 と男性が多かった。 平均年齢は 55.5 ± 8.62 歳だった。
糖尿病型は 1 例のみ 1 型で、その他 56 例は 2 型であった。 完全な先行的腎移植(PEKT)は 13 例
(22.8%)、 透析導入後 1 年未満の導入早期腎移植 (near PEKT) は 13 例 (22.8%) であった。
平均維持透析期間は 28.9 ヵ月であり、 最長は 155 ヵ月であった。 死亡例が 5 例 (8.8%) あり、
内訳は膵癌 1 例、感染症 1 例、肝不全 1 例、脳梗塞 1 例、心筋梗塞 1 例であった。 移植後の 5 年生
存率は 96.5% であり、 死亡例を除いて移植腎機能喪失に至った例はなかった。 PEKT 及び near
PEKT 群 26 例とそれ以外の群 31 例を比較したが、 死亡率、 心血管イベント発症率、 癌発症率の
いずれにも有意差は認めなかった。
【結論】 糖尿病性腎症による末期腎不全に対しては、 腎移植による生命予後の改善が大いに
期待できる。 維持透析期間の長短に関わらず、 腎移植を積極的に考慮すべきである。
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37. 腎移植レシピエントの BMI による移植後成績への影響
北海道大学病院 泌尿器科
〇森田 研、 高田祐輔、 佐々木元、 岩見大基、 篠原信雄
【背景】 肥満レシピエントは創感染症などの移植後合併症が多い。 【目的】 BMI と移植後成
績を後方視的に検討する。 【対象】 1986 年以降の移植時年齢 20 才以上の腎移植レシピエント
219 例 (男性 123、 女性 96) : BMI 中央値 21.03 (14.7-31.4) 【方法】 BMI により対象を4群に
分け、 腎移植後 30 日以内の創関連合併症と感染症、 移植後拒絶反応、 移植腎生着率を比較検
討した。 羸痩群 (18.5 未満) 41 例、 標準体重群 (18.5-21.9) 94 例、 過剰群 (22.0-24.9) 57
例、 肥満群 (25.0 以上) 27 例の4群で検討した。 【結果】 移植後 30 日以内の感染症は肥満群
(5 例) で多かった (p=0.006)。 10 年生着率 (Kaplan-Mayer 法) は 88、 76、 65、 45% で羸痩
群に比較し肥満群で生着率が低かった (図 : p=0.037)。 【結語】 移植後早期感染症は肥満
群で多く長期生着率の悪化を認めた。 日本人の BMI 分布と合併症の関係について、 移植後の
体重管理、 栄養指導を継続し観察を行う予定である。
38. 下血を繰り返すも出血源の同定に至らない慢性透析患者の一例
KKR 札幌医療センター 透析科
〇小柳 要、 坂本聡大、 大槻雄士、 桑原博昭、 今 裕史、 武田圭佐、 田村 元
小池雅彦、 赤坂嘉宣
症例は 67 歳女性。 慢性腎不全のため 19 年来当科にて透析中の患者。 AVF で透析開始されるも、
シ ャ ン ト 不 全 が 続 き、 2 年 前 よ り バ ス キ ュ ラ ー ア ク セ ス と し て パ ー マ ネ ン ト カ テ ー テ ル を 留
置。 既往歴は高血圧と慢性心不全のみ。 慢性心不全は当院循環器内科で精査されるも有意狭
窄認めず、 保存的に経過観察されている。 昨年、 透析後に下血を認め緊急下部消化管内視鏡
施行。 明らかな出血源を認めず、 カプセル内視鏡を施行するもやはり明らかな出血源は確認
されなかった。 経過観察で症状改善したため退院となった。 その後大きな問題なく経過して
いたが、 約 1 年後に再度下血を認め、 Hb5.4 と貧血を呈していたため、 精査 ・ 加療目的に当科
入院となった。 下部消化管内視鏡施行するも出血源確認できず、 当院消化器内科にコンサル
トし、 再度カプセル内視鏡を施行したが、 やはり明らかな出血源は確認されなかった。 原因
と し て は パ ー マ ネ ン ト カ テ ー テ ル 留 置 中 の た め ワ ー フ ァ リ ン 内 服 中 で あ り、 大 腸 憩 室 か ら の
出血が推測された。 透析患者の出血傾向に関しては様々な症例が確認されているが、 本症例
を文献的考察を踏まえて報告する。
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39. 甲状腺内異所性副甲状腺と右前腕移植部の再発に対し手術を施行した
二次性副甲状腺機能亢進症の 1 例
札幌北楡病院
〇佐藤正法、 小野寺一彦、 巖築慶一、 土橋誠一郎、 服部優宏、 飯田潤一
堀江 卓、 久木田和丘、 目黒順一、 米川元樹
症例は 46 歳男性。 26 歳時ネフローゼ症候群で透析導入。 33 歳時、 二次性副甲状腺機能亢進
症に対し、 副甲状腺全摘出術、 右前腕の自家腕移植術を当科において施行した。 術前 99mTcMIBI シンチグラフィで同定した 4 腺を全て切除、 病理ですべて副甲状腺過形成であった。 術
後 8 日目の iPTH の値は 9pg/ml であったが術後 6 年目から徐々に上昇し、2015 年 3 月、46 歳時に
は 1140pg/ml に達し維持透析先の病院から当科紹介となった。 右前腕に腫瘤を触知し、 99mT
c-MIBI シンチグラフィでは右前腕移植部以外に左前頚部にも集積を認めた。 頚部造影 CT で甲
状腺左葉に 2.2 × 2.0 × 1.8cm の低吸収性腫瘤を認め、 頚部超音波検査でも同部に境界明瞭な
低エコー腫瘤を認めた。 以上より、 右前腕移植部及び甲状腺内異所性副甲状腺での再発と診
断し、 5 月、 甲状腺左葉切除術及び右前腕副甲状腺移植片全切除、 再自家移植術を施行した。
術後、 iPTH は速やかに低下した。 血清カルシウム低値が遷延し補充を要した以外は術後経過
は良好であった。 切除標本の病理は右前腕部腫瘤、 甲状腺腫瘤のいずれも副甲状腺過形成で
あった。 初回手術で副甲状腺を全摘出したと判断され、 なおかつ前腕移植部の再発が疑われ
る場合でも、 異所性遺残副甲状腺の存在も含め精査 ・ 手術を計画すべきと考えられた。
40. 当院の透析患者の高齢化と仰臥位用エルゴメーターを用いた運動療法の効果の検討
医療法人社団 苫小牧泌尿器科・循環器内科
〇林 謙治、 栗村雄一郎、 伊達史恵、 北澤 誠、 加藤祐介、 野村庸司、 村上 秀
嵯峨美幸
【目的】 当院における透析患者の高齢化が進んでおり、 これに伴い自立度の低下、 運動の能
力の低下傾向を認める。 そこで透析患者に対して運動療法を行い、 ADLや筋力運動能力に
対する効果を検討した。 【対象と方法】 透析患者 72 例中運動能力の低下傾向があり運動療法
希望の外来透析患者 8 例 (男性 6 例、女性 2 例、平均年齢 70.4 歳、52 - 82 歳) を対象に透析中
(開始から 2 時間以内) に仰臥位用エルゴメーターを用いた運動 (20 分) とストレッチ、 レジス
タント運動 (20 分) を週 3 回、 3 ヶ月以上行った。 ADLの機能的自立度評価法であるFIM
スコアと筋力運動能力の変化を検討した。 また運動療法開始後 3 カ月以降に運動療法に対す
るアンケート調査を行った。 【結果】 8 例中 6 例評価可能 (2 例途中脱落)。 運動療法中の血
圧などの大きな変動は認めなかった。 有効 1 例はFIMスコアが低い患者で筋力の向上とF
I M ス コ ア の 向 上 が 見 ら れ た。 や や 有 効 2 例 は F I M ス コ ア 不 変 で あ っ た が、 下 肢 の 筋 力 の
向 上 が 認 め ら れ た。 不 変 3 例 は F I M ス コ ア と 筋 力 の 変 化 は 認 め な っ た。 ま た、 ア ン ケ ー ト
調査の結果ほとんどの患者で運動に対するモチベーションの向上が認められた。
【結語】 透析患者に対するエルゴメーターを用いた運動療法は運動能力の維持改善効果を認
め、 運動に対する意識付けが行えるようになり、 QOLの向上につながると考えられた。
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41. Hip Structure Analysis(HSA)
を用いた骨強度の評価
腎臓内科めぐみクリニック 1、 腎臓内科めぐみクリニック 臨床検査部 2、 北郷整形外科 3
〇佐藤 恵 1、 船戸佳津幸 2、 高田潤一 3
【背景】 Hip Structure Analysis (HSA) とは、 DXA によって得られた骨密度を基に三次元の骨
構造を再構築して骨強度を評価する方法である。 具体的には、 Cross Sectional Area (CSA、
断面積) は長軸方向に対する圧縮力、 Section Modules (SM、 断面係数) は曲がりにくさ、 Buck
ing Ratio (BR、 座 屈 比 ) は つ ぶ れ に く さ、 Cross Sectional Moment of Inertia (CSMI、 断 面
二次モーメント) は硬さの指標で表される。 【方法】 当院通院中で骨量の減少が認められた
症例 (男性8名、 女性9名) に対し、 エルデカルシトールによる治療を施行、 治療前後での
HSA を頸部最狭部 (NN)、転子部 (IT)、骨幹部 (FS) の3部位でそれぞれ測定し、骨強度の評価
を行った。 【結果】 男性ではいずれの部位においても骨密度、 強度ともに増加しており、 有
意差が認められたのは、 NN では CSA、 IT では骨密度、 BR、 FS では骨密度であった。 女性では N
N と IT は骨密度、 強度ともに増加しており、 有意差が認められたのは、 NN では CSA、 IT では CS
A、 SM、 CSMI であった。 【考察、 結論】 骨密度と骨強度は必ずしも一致した変化を示さなか
った。 骨密度に差がみられなくても強度指標が改善していたことは、 HSA でなくては評価で
きない股関節の構造をみているとも考えられた。 また広く用いられている DXA 機器での解析
が可能であり有用な方法のひとつと考えられた。 今後さらなる症例の追加、 評価を継続する。
42. 重症虚血肢術後への治療 ~SWATによる試み~
医療法人 桑園中央病院 救肢・創傷治療センター、 北大病院 形成外科 *
市立札幌病院 形成外科 **、 循環器内科 ***
〇松井 傑、 坂入隆人、 駒木 亨、 山本有平 *、 七戸龍司 *、 村尾尚規 *
堀内勝巳 **、 檀浦 裕 ***
透 析 症 例 の 重 症 虚 血 肢 (Critical Limb Ischemia : CLI) は 高 度 の 動 脈 石 灰 化 を 認 め、
下肢動脈 ・ 膝下領域の小動脈閉塞を伴う進行する血流障害がある。 加えて免疫能低下もあり
創 傷 治 癒 が 遷 延 す る 事 が 多 い。 治 療 は 学 際 的 に な り 困 難 か つ 長 期 に わ た る こ と が 多 い。
前回の当会に於いて我々は SWAT* の有用性について報告した。
今 回 一 ヶ 月 と い う 短 期 間 に 足 趾 切 断、 下 腿 切 断、 大 腿 部 切 断 を 余 儀 な く さ れ、
更 に 大 腿 部 断 端 縫 合 部 も 壊 死 が 進 行、 感 染 を 伴 っ て 離 開 し た 難 治 創 に
SWAT を 施 行 し 良 い 結 果 を 得 る こ と が で き た。 進 行 す る CLI 創 は 血 流 状 況 に よ っ て は
開 放 創 で wound bed preparation ( 創 面 環 境 調 整 ) と SWAT を 行 い 二 期 的 に 創 閉 鎖 を
期待する選択肢もあることが示唆された。 経験症例に若干の考察を加え報告したい。
SWAT*:Strategical Woundcare and Advanced Technique 戦略的創傷治療
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43. 末梢血幹細胞による血管再生治療の統計解析結果
社会医療法人北楡会 札幌北楡病院 外科
〇堀江 卓、 巖築慶一、 佐藤正法、 土橋誠一郎、 服部優宏、 飯田潤一、 小野寺一彦
久木田和丘、 目黒順一、 米川元樹、 川村明夫
当院では平成 13 年 12 月より G-CSF 動員自家末梢血幹細胞移植を行ってきた。 平成 18 年には
末梢血管再生治療研究会を立ち上げ、 レトロスペクティブ調査を行った。 総 CD34 細胞数/体
重別生存期間では細胞数が多ければ多いほど生存期間は延びた。 また下肢温存生存期間では、
Fontaine II、 III と IV との間、 および透析の有無で有意差を認めた。 有害事象では、 細胞治
療と明らかに因果関係を認めるものはなかった。
平 成 21 年 7 月 よ りプ ロ ス ペ ク テ ィ ブ な ラン ダ ム 化 比 較 試 験 を 開 始 し た。 対 象 は Fontaine II
~ IV 度の ASO またはバージャー病患者で、 TASC II に基づく推奨治療群と推奨治療 + 細胞治療
群とにランダムに割りつけて、 1 ヶ月、 6 ヶ月、 1 年後に観察する。 主要評価項目は無増悪生
存期間である。 症例登録期間は 2013 年 12 月までで、 17 施設が参加し、 107 例の登録があった。
統計解析は 2015 年 6 月に終了した。 両群間に有意差を認めた。 またサブグループ解析で、 Fon
taine 分類 (II、 III) でも有意差を認めた。 探索的解析で樹木モデルでは透析群で潰瘍有で
は予後が悪く、 潰瘍無の場合、 細胞治療をすると予後は良かった。 また、 透析無の場合は細
胞治療をすると予後はよかった。 解析内容を十分検討し、 今後の方針、 細胞治療の適応等を
きめていく予定である。
44. 血管内治療(EVT)
を要した透析患者の臨床的特徴
時計台記念病院 総合診療センター腎臓内科
〇春原伸行、 小西徹夫、 浦澤一史、 岡本 洋
下肢虚血は透析患者の ADL だけでなく生命予後を著しく悪化させることが知られている。
当院では多数の下肢虚血患者の紹介を受けているが、 循環器科医と形成外科医が協力して治
療に当たることにより良好な治療成績を上げている。 今回、 透析患者の下肢虚血発症リスク
を明らかにするため、 EVT を要した患者と EVT を要しない患者の背景について比較検討したの
で報告する。
【対象】平成 27 年 4 月から 7 月末までの 4 ヶ月間に当院に紹介され EVT を要した透析患者のうち、
入院後一週間内に中2日の透析前採血データのあるもの 25 名を対象とした。 比較対照として
同期間に当院で EVT 予定の無い患者と H 病院で外来維持透析を受けている患者とした。 【症例】
EVT 群 25 名(女性 6 名、平均年齢 72.6 歳)非 EVT 群 25 名(女性 13 名、平均年齢 67.2 歳)【結果】
年齢には両群間に有意差なし。 血清アルブミン値 (p < 0.0001) HDL-C (p < 0.0003) に有意
差が見られたが、 その他の検査項目、 LDL-C、 L/H 比、 TG、 補正 Ca 値、 リン、 補正 Ca × P、 BNP、
グ リ コ ア ル ブ ミ ン、 ヘ モ グ ロ ビ ン 値 に は 有 意 差 は 見 ら れ な か っ た。 【 考 察 】 危 険 因 子 か、 バ
イ ス タ ン ダ ー か、 も し く は 病 態 の 結 果 か と い う 議 論 は あ る が、 低 ア ル ブ ミ ン と 低 HDL-C は 下
肢虚血の危険因子であると考えられる。 下肢虚血のリスクを低減するためには、 両者の改善
を治療のターゲットとすることが推奨されると考える。
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第89回 北海道透析療法学会 一般演題募集
日時:平成 28 年 5 月 8 日(日)
会場:札幌コンベンションセンター
札幌市白石区東札幌 6 条 1 丁目(TEL.011-817-1010)
ランチョン講演・一般演題
透析医療全般にわたる一般演題を公募いたします。
登録開始 平成 28 年 2 月1 日(月)午前 9 時
締切 平成 28 年 3 月 7 日(月)正午(自動的に入力不能となります)
演題送付先:http://www.dotoseki.net/ の演題募集ボタンを押し、
アクセスコード doto89(すべて小文字 ディー・オー・ティー・オー・数字 89)を入力してください。
演題抄録要領
演題抄録は、本学会ホームページよりの on line 応募のみの受け付です。
以下の要領を十分ご確認の上ご応募ください。尚、演題登録に問題が生ずる場合は、本学会ホームペー
ジ運用システムの原因による場合に限り代替法にての応募をお受けする場合もございますので、早め
に事務局にご連絡お願いいたします。
学会の運営情報やプログラムが最も早くホームページに掲載されます。ご確認ください。
1) 一般演題は演題名・発表者を含め 600 字以内で、登録ページの注意書きを十分にご理解の上、
入力ください。
2) ワープロで前もって演題を作成し、コピー&ペーストで入力してください。
3) ホームページ(http://www.dotoseki.net/)から本学会の演題募集ボタンを押し、アクセスコー
ドをすべて半角で入力してください。
4) 記載項目と注意点をよくお読みの上、入力してください。メールアドレスと電話番号など連絡先
は間違わずご入力をお願いいたします。
5) 作動環境は Windows Internet Explorer です。それ以外の場合、不具合が発生することがあり
ますので、入力や送信については送信者の自己責任でお願いいたします。
6) 入力後、確認のため別途作成の text ファイルを送信してください。
7) 登録時発行される演題 ID とパスワードを印刷、記録してください。
8) 送信後 24 時間を過ぎて演題登録確認のメールが登録アドレスに届かない場合は速やかに、
[email protected] または学会事務局にお問い合わせください。
9) 抄録原稿はそのまま本学会プログラム、日本透析医学会誌に(演題名:筆頭発表者名のみ)掲載
されます。その所属責任者の点検をお願いします。
10) 演題締切日時をすぎると on line 入力が不能となります。ID とパスワードで登録期限に限り何
度でも編集が可能です。早めの登録をお願いいたします。
11) 一施設からの発表を 3 題以内にするようご協力ください。
12) 一般演題以外の司会および演者の方は、一般演題以外の講演(特別講演・その他)の新規登録ボ
タンより事前にお知らせしたアクセスコードでお入りいただき、演題名・発表者に関係なく本文
全角 1000 文字以内の抄録をご登録ください。
平成 27 年 11 月 北海道透析療法学会学術委員会 プログラム担当
河田哲也、古井秀典、滝沢英毅、深澤佐和子、増子佳弘、橋本整司、室橋高男、定本高子
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北海道透析療法学会 一般演題 on line 登録の流れ
演題は前もってワープロにて作成し、Text 形式で保存した後、そこからコピー/ペーストで入力し
てください(作動は原則 Internet Explorer 9 ~ 11 となります)
。
北海道透析療法学会 HP http://www.dotoseki.net にアクセス
↓
「第 89 回道透析演題募集」をクリック
要領をよく確認の後、一般演題の新規登録をクリック
↓
一般演題新規ログイン 入力コード(doto89)を入力
↓
一般演題ログイン画面の注意事項をよくご確認ください
・申込み者情報を記入し、書式に則って演題登録を終了
・入力の確認画面が出ます。行が多い場合や機種依存文字はアラートがでます。
確認しましたら登録を行ってください。
作成の text ファイルを確認用に送信してください。
↓
登録が正規に終了すると演題の ID とパスワードが画面に出来てきます。
忘れずに画面プリントするかメモしてください。
* 申し込み情報で記入して頂いたメールアドレス宛に演題の受付メールが届きます。
こちらにも演題の ID とパスワードが明記されております。ご確認ください。
24 時間後にもメールが届かない時は [email protected] または学会事務局までご連絡お願いします。
一度登録した演題を修正する場合は上記の演題IDとパスワードが必要となります。
登録済み一般演題の修正より入り、演題 ID とパスワードを入力して個々の演題を修正してください。
修正は締め切り日時まで有効です。
当システムは Internet Explorer 11 までの利用を前提としております。
ご使用については Internet Explorer 9 ~ 11 でお願いいたします。
* Windows 版エクスプローラ以外のブラウザーをお使いの方へ
オンライン演題登録の表示ブラウザーについてのご注意
1.Mac 版サファリに関してはタグの自動埋め込みがずれますのでコピーペーストでタグを入れてください。
例)H2O を表記する場合は H<sub>2</sub>0 と表記しますが、サファリなどのブラウザーの
場合 H2O<sub></sub> となってタグが正規の場所に入りませんので、手作業でなおしてく
ださい。
2.Mac 版 Internet Evplorer については演題本文、所属などのテキストフィールドに文字を入力す
る場合、正規に漢字変換が機能いたしません。これはブラウザーのジャバスクリプトを OFF に
する事により回避できますが、システムの機種依存文字察知機能が正常に行われないこと、また
手動でタグを入れていただくことになりますのでご注意してご使用ください。
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学術集会案内
■北海道内開催学会
〇パネルディスカッション「腎機能障害者の高齢化に伴う支援のあり方に関する研究」
モデレーター:日ノ下 文彦
(国立国際医療研究センター腎臓内科)
会 期:平成 27 年 12 月 5 日
(土)13 時~ 17 時
会 場:TKP ガーデンシティ札幌駅前
〇第 89 回 北海道透析療法学会学術集会
会 長:伊丹 儀友
会 期:平成 28 年 5 月 8 日
(日)
会 場:札幌コンベンションセンター
ランチョン講演・特別講演・一般演題
透析医療全般にわたる一般演題を公募致します。
〇第8回 二次性副甲状腺機能亢進症に対する PTx 研究会
大会長:小野寺 一彦
会 期:平成 28 年 9 月 16 日
(金)
・17 日
(土)
会 場:KKR ホテル札幌
〇第 22 回 日本腹膜透析医学会学術集会
会 長:伊丹 儀友
日 時:平成 28 年 9 月 24 日
(土)
・25 日
(日)
会 場:札幌プリンスホテルパミール館
■北海道外開催学会
〇第 21 回 日本腹膜透析医学会学術集会・総会
会 長 :中山 昌明
(福島県立医科大学 腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科学講座)
会 期 :平成 27 年 11 月 28 日
(土)
・29 日
(日)
会 場 :仙台国際センター
〇第 6 回 日本腎臓リハビリテーション学会学術集会
会 長:槇野 博史
会 期:平成 28 年 3 月 26 日
(土)
・27 日
(日)
会 場:岡山コンベンションセンター
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〇第 61 回 日本透析医学会学術集会・総会
会 長:武本 佳昭
(大阪市立大学)
会 期:平成 28 年 6 月 10 日
(金)
~ 12 日
(日)
会 場:大阪国際会議場、
他
〇第 59 回 日本腎臓学会学術総会
会 長:今井 裕一
(愛知医科大学腎臓 リウマチ膠原病内科教授)
会 期:平成 28 年 6 月 17 日
(金)
~ 19 日
(日)
会 場:パシフィコ横浜
〇第 25 回 日本腎不全外科研究会
会 長:岩元 則幸
(桃仁会病院)
会 期:平成 28 年 7 月 8 日
(金)
・9 日
(土)
会 場:京都ホテルオークラ
〇第 46 回 日本腎臓学会東部学術大会
会 長:服部 元史
(東京女子医科大学腎臓小児科教授)
会 期:平成 28 年 10 月 7 日
(金)
・8 日
(土)
会 場:京王プラザホテル
〇第 54 回 日本人工臓器学術大会
会 長:西村元延
(鳥取大学)
会 期:平成 28 年 11 月 23 日
(水)
~ 25 日
(金)
会 場:米子コンベンションセンター
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【協和発酵キリン 株式会社 企業広告】 A4 SIZE:H255mm×W180mm(1C)*2014.0 7.30
http://www.kyowa-kirin.co.jp
多様化する透析治療に対応!
大画面振動タ
動タッチパネルによる視認性・操作性の向上
間歇補液プログラム
見針絆 連動(オプション)
治療データカスタマイズ機能(データ表示画面のカスタマイズ)
データ表示画面のカスタマイズ)
ETRF交換サポート機能
ヒートピュアポートTM(標準装備)
返血バックアップ機能(標準装備)
高度管理医療機器/特定保守管理医療機器
医療機器承認番号:22400BZX00125000
一 般 的 名 称:多用途透析装置
販 売 名:透析用監視装置 NCV-3
資料請求先
販 売
ニプロ株式会社
大阪市北区本庄西3丁目9番3号
製造販売
金 沢 市 若 宮 2丁
丁 目 232番 地
[sepXiris/AN69_H12 ad] A5 size: 210×148mm 1C
ニプロ株式会社
企画開発技術事業部 医療器械開発営業部
大阪市北区本庄西3丁目9番3号
TEL:06‐6373‐0519
AN69
The Adsorptive Membrane
陰性荷電による吸着作用
重症敗血症及び敗血症性ショックの治療に
チャージバリアによりアルブミン漏出を抑制
販売名:セプザイリス
販売名:H12ヘモダイアライザー
特定保険医療材料名称:持続緩徐式血液濾過器②特殊型
医療機器承認番号:22500BZX00401000
クラス分類:高度管理医療機器(クラスⅢ)
特定保険医療材料名称:人工腎臓用特定保険医療材料(回路を含む。)
(1)
ダイアライザー⑬特定積層型
医療機器承認番号:15700BZY00150000
クラス分類:高度管理医療機器(クラスⅢ)
製造販売元
バクスター株式会社 東京都中央区晴海一丁目8-10 http://www.baxter.co.jp/
2015年8月作成
2013年7月作成
CAB・JA42・0713・SP