市民活動促進講演会 記録 (兼市民活動の拠点について学ぶ講座 第1回)

市 民 活 動 促 進 講 演 会 記録
(兼市民活動の拠点について学ぶ講座 第1回)
平成 28 年 5 月 29 日 9:30∼
こもろプラザ「ステラホール」
1 開会 (司会:小諸市社会福祉協議会 五十嵐次長)
2 主催者あいさつ (小諸市役所企画課 土屋課長)
・ボランティア団体・グループ、様々な問題、課題を解決したいと思っている人、その人達をつな
ぐ役割の人をどのように発見して組織化できるのかをテーマに考えました。皆さんの力が一つにな
れば大きな力になると思います。全 13 回と長丁場ですが、皆さんの忌憚の無い意見、様々な課題
を含めた意見を交換していただければと思っています。
3 趣旨説明・講師紹介 (小諸市役所企画課市民協働推進係 春原係長)
・つながっていくこと、そのことが新たな可能性の広がりになります。皆さんの活動がより充実し
ていくことこそが、住民の皆さんの幸せにもつながっていく、そのように考えています。年間での
開催になります。積み重ねを大切に、今日の偶然の出会いがかけがえのない出会いに移っていくこ
とを心から期待をしたい。
・本日の講師 山室秀俊さんは平成 22 年長野市ボランティアセンターのコーディネーター、平成
25 年、長野市市民協働サポートセンターのセンター長を経て、平成 26 年からは特定非営利活動
法人長野県NPOセンター事務局長を務めています。
4 講演会
演題:
「市民活動とは 市民活動の拠点とは」∼こもろの 未来 を創る拠点を目指して∼
講師:山室秀俊さん(特定非営利活動法人 長野県NPOセンター 事務局長)
「市民活動とは」
・市民活動・NPOは、仲間と共に行う活動を前提に、次の3つの特徴がある。自分の思いから
始まる。儲けを目的としない。社会・地域の問題を解決する。
・ボランティアとの大きな違いは、有償のサービスの提供、給与・報酬をもらうことが可能、組
織として継続的なサービスの提供と責任が求められる。
・行政との違いは、自分たちが思う事を自分たちの責任で、市民目線でお互いさまで助け合う。
・社会課題・地域課題の解決のためには、行政のみでは難しい時代となった。市民活動団体は、
社会・地域にある問題・課題とあるべき姿・めざすべき方向とのギャップを埋める解決策を実行
し、社会をよりよく変えていく。
・
「ミッションを持つ・解決策を練る・広報に取組み、共感を得る・情報を得る、手伝ってもら
う・運営を安定させる・計画、実行、評価、改善を繰り返す事が必要。
「市民活動の拠点とは」
・長野県NPOセンターが運営委託を受けている長野市市民協働サポートセンターを紹介。長野
市が交流の拠点としているもんぜんぷら座3階の一角にある。二つ大きな丸テーブルがあり、交
流会や団体の会議等の場となっている。この丸テーブルは市民活動をつなぐいいアイテムになっ
ている。小さな空間のオープンスペースにスタッフがいるので、つなぐ出会いの場にもなってい
る。このような施設を管理することも委託を受けている一つ。スタッフ8名。
・コンセプトは「新しい未来を育む未来創造拠点」としている。3年前に名称を変更、
「市民公
益活動センター」から今の名称に。市民活動をサポートするという段階から、サポートしながら
皆さんで協働するというステージに入ったため。色々な志を持った人達が集まって、出会い、つ
ながりを創ることを育みながら、新しい未来を創っていこうという基本的理念でやっている。
・伝える場として、
「まんまる」という機関紙を年4回発行。各団体のチラシ等を置く。HP、
FM善光寺、SNS、フェイスブックでの情報交換。大人の遠足として、市民活動団体の現場に
おじゃまして生の声を聞く企画を実施。
・出会いの場として、各団体が主催する交流会や勉強会の場「NPOカフェまんまる」
、社会企
業に関心のある個人事業主のネットワーク形成の場「ソーシャルコミュニティサークル(SC
C)
」
、中心市街地と周辺の中山間地の交流、相互の理解を深める場「まちむら交流会」を実施。
・学ぶ場として、各団体の課題等に対して、それぞれの段階や問題に応じた講座を実施。
「NP
O初歩講座」はゲストにNPO法人を招き、生の声を聞くことが出来る。
「NPOステップアッ
プ講座」は広報、資金調達、助成金等をテーマに実施している。
・相談の場として、市民目線に立った伴走者的なサポートを実施している。アドバイスをするの
ではなく、悩みに添って、やっていく。様々な相談が持ち込まれる。悩んでいるところを先回り
してサポートしていくことが大事。
・2年前にセンターが10周年を迎えた、それを記念して大交流会を実施。その中で、これから
は協働で、みんなで集まって何かしようという話が出た。そして、1年間のワークショップでな
がの協働ネットができた。主体はNPOだけれど、その枠を超えて集まって、プロジェクトをや
っていこうというもの。既に6つのプロジェクトが実施されている。各団体が力を合わせて、課
題の解決を加速化させる「協働」がセンターを中心に本格化している。
・市民活動には拠点が必要だという一言に尽きる。集まって、発信するには、場所が必要です。
そしてその場所を動かしていく、人と事が必要になる。市民活動の拠点として何が必要なのか、
それぞれの機能がごちゃ混ぜになって、それでいろいろな活動が出来ていく。個々人の活動がし
っかり継続していくようになるのと同時に、協働、それぞれの皆さんが、力を合わせて、小諸市
の市民の幸せのために何かやっていく活動の場、この二つの大きな柱を支えるのが、市民活動の
拠点です。拠点に求めることがあると思います。皆さんが創る拠点です。小諸の未来は皆さんが
主役なのは間違いないので、拠点を真ん中に市民活動を通じてどんな地域、どんな市を皆さんが
創りだしていきたいか、対話、議論を十分重ねてつくっていければと思っています。
5 意見交換会
◆コーディネーター 山室秀俊さん
◆自己紹介&参加した動機
「自分を表す3つのキーワード」
・4グループに分かれ、自己紹介シートに3つのキーワードを記入、ぞのキーワードをもとに自己紹
介をする。
◆今日感じた思いなどを共有
・付箋にそれぞれのテーマ別に記入し、付箋を貼りながら想いを発言する。
*講演を聞いての感想・質問 黄色の付箋
1グループ 機能、目からうろこ。大変勉強になった。NPO改めて納得。長野市の「まんまる」
にも行ってみたい。生き様が見える。拠点立ち上げは志。同志は思った以上にいるも
のだ。
長野市のような大きな市と小諸市とでは規模が違うのでどんな人がいるのかな。
地域課題への公共的ミッション。機能、出会い、学び、協働。ニーズの多様化により
ボランティア活動の幅が広がってきている。池の前の高齢者見守り隊。運転の支援(地
区での活動)
。
2グループ 今朝は何時に起きて小諸に来て下さったのですか。山室さんの元気の元を教えて下さ
い。基本的な事を知ることができた。NPOの失敗例? NPOと民間企業とのバッ
ティングは? NPOの活動が他とのNPOと重複する場合の対応。拠点づくりの大
切さ。まんまるは盛りだくさんの活動、小諸も近づきたいと思っています。これまで
考えていたことが整理できた。日々直面している課題がテーマになっていたので、今
後が楽しみ。
3グループ 長野はうまくいっている。分かりやすい講演だった。長野の問題は何があるのか。長
野市の今後の課題はあるのか。今後の自分の活動の為への勉強。市民活動・ボランテ
ィアの意味が理解が出来ました。より一層の活動向上を進めるためにはどうしたら良
いか。活動拠点は新しく作らなければいけないのか? 協働とは! 活動資金の集め
方。ボランティアと言っていますが、中身は市民活動でした。但し、私の会の人達は
ボランティアと言いたい。活動を継続していくには。
4グループ NPO発足時に人を集めるコツ! 分かりやすかった。拠点は大事だと分かった。長
野市と小諸市はつなげられるか。多種多様な関わり方、活動がある。交流センターは
拠点となっているか? 情報発信の必要とつなげる大切さ。年代を超えた交流はでき
るのか。
*こんな拠点があったらいいな 青色の付箋
1グループ 気軽に立寄れる。気軽に出入りできる拠点。誰でも(子ども∼お年寄)集まれる場所。
自由な出入が可能。駐車場は広く利便性高く。情報収集できる。経験の共有。
2グループ もんぜんぷら座のような場所(ボラセン)
。バリアフリーの施設。地域づくりとボラン
ティア活動組織とのつながり。中間支援も市民のみなさん(若者中心)で作ってほし
い。いつでも気軽に立寄れて頼れる存在の人が居ること。現在ぼらせんがあります。
このぼらせんを含めて市民が気軽に集まれる拠点を市民の皆さんと作りたい。気軽に
誰でも寄れる場。笑いのたえない拠点。色々な団体の人が気軽に集える場所。
3グループ 誰でもが気軽に立寄れる所。高齢者・障がい者も自由に入れる拠点が欲しい。市民多
くの参加ができる場を。部落にてお茶を飲みコミュニケーションができる場所がほし
い。地域での拠点づくりをどうしたら。個別の会議ができる拠点。身近な地域の拠点
(集まれる場所)高齢者施設、かんたんなコミュニケーションの場。情報発信、情報
のネットワークがある。どこが何を求めているかを知っている。資金の集め方を教え
てくれる。ニーズがどこにあるかを見る。
4グループ 井戸ばた会議の復活。※井戸を掘るか? 寺子屋で子どもに教える遊び・マナー。立
ち寄り易い所。交流センターを真のセンターにしたい。情報が沢山集まるところ。熊
本・大分へはげましの手紙を書く。若いママにおばあちゃんの智恵を与える。交流セ
ンターへぼらせんこもろを入れるべき。誰でも立ち寄れる。気軽に寄れ、話し会える
場。小諸の拠点は考えてほしい。
*講座への要望 赤色の付箋
1グループ 多数の意見交換が必要∼本日の参加者以外も∼。多くの市民に知ってもらえるような
興味をもてるようなもの。
もっと若い人が…入ってほしい。
高校生への声かけも必要。
中間支援センター設立の具体策。この13回の他に「まめ講座」を。子ども、企業に
協力してもらう。若者がくいつくような講座。自分がこれから新しいNPOに参加す
るということはたぶんないと思うので、いまさらという気持ち→まだ理解が出来てい
ないのかな? 絵に描いたもちにしない。
2グループ 小諸市内で活動しているNPOの様子を発表してほしい。具体的な事案について勉強
したい。人づくりの場、指導的な。参加者の交流の場。お互いの交流。若い人達も講
座に出席できたらいいですね。
3グループ 他の行政他、進んでいる地域の講座を聞いてみたい。具体的な活動事例が知りたい。
小諸の未来像を! 小諸市内で活動しているグループの話を聞きたい。
4グループ アンケートではなく、感想文を出す方が良い。前回の感想を発表する機会を作る。具
体的な運営方法、特に資金運用。幅広い宣伝。市民参加へのハードルを低くする。小・
中・高校生の参加。学生の授業としての参加。
◆まとめ
参加者からの質問「長野市の課題はあるか」について
・一つは、プロジェクトの中で、若い子達が来るような仕掛けができない事です。若い人達世代、
多世代に地域活動に参加してもらう仕掛けは非常に大事なことです。
・もう一つは、プロジェクトは大変労力がいるので、人が減ってしまい、残ったコアな人たちの負
担が増えていくので、常に、人が入ってくるようなことを考えていくということです。
・4年間限定のプロジェクトを行った。ずっと続けなくても、この4年間で成果を出せばいいので、色々
な人、中高生もボランティアでやりました。最初から4年という限定だと、みんな先が見えているから結
集しやすい。でも、結果的に4年超えても続けていくことになりました。今までやってきた成果がここで
途切れるのは嫌だということでした。そこから、NPOにしようという次の段階も生まれました。
講師より
市民活動・NPOは個人も団体も共通しているのは、最初はどんなことを問題として自分の真ん中に置い
ているかということ、そして、それに対して、自分たちで何か目指すべき方向が定まっていないと、バラ
バラになってしまう。そこが今回整理できたのではないかと思います。すぐに解決策ではなく、目指す方
向を仲間で共有し、ここまでやるということをしっかりさせることが大事です。
・こんな拠点があったらいいでは、気軽に来てほしいという想いがものすごく強いということです。交流
会や講座を開催するのは、大変だというグループがありましたが、一人でも二人でも来てくれる場所が必
要です。ニーズがあれば、ちゃんと拾っていくことが大事です。それがある意味、気軽に来れる拠点の一
つの条件です。次はメニューを作っておくことです。色々な事をやっていて、選択の幅があることが大事
です。中高生に来てもらうには、中高生向けのイベントをやることです。来なくても、それが新しいヒン
トになります。
・講座への要望では、皆さん色々な人と出会いたいという要望がありました。講座自体が人を集める一大
イベントになってほしいと思います。講座を通して学びながら、色々な人たちを集めていく仕掛を作って
いって、13回終わったら運営を担う組織ができてしまったという講座になればいいと皆さんの話を聞い
て感じました。それが拠点だと思って、皆さんが講座に集まって議論する、その事を、この場で終わらせ
ることなく、多方面でやっていくということです。ぜひ、この講座に、色々な人を呼びたいというのを基
に、拠点の核、種みたいなものをしっかり作って、後につなげてほしいと思います。夢を見ながら、皆さ
んが小諸の主役なので、がんばっていただきたいと思います。
6.次回講座について
事務局より、2回講座のお知らせと3回講座の日程調整。
7.閉会