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E-Business を支える Oracle E

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第
1
章
1
E-Business を支える
Oracle E-Business Suite 11i
1.1 Oracle E-Business Suite 11i とは
日本において‘E-ビジネス’というフレーズを耳にするようになって,3 年ほど経ちまし
た。E-ビジネスとは,元来グローバル化・電子化されたビジネスのことを指す言葉として米
国で考案された造語ですが,現在では世界中で一般的に使用されるようになっています。オ
ラクル社では,米国でこの E-ビジネスという言葉が使われるようになった当初から,これを
技術的にサポートするためのソフトウェア群を提供しています。
さてオラクル社は創業以来データベース・ソフトウェアを提供する会社であり,現在,世
界中で稼働しているほとんどの大規模情報システムを支えているデータベースは,オラクル
社が提供するデータベース‘Oracle’であると言っても過言ではありません。
データベースとはそもそも,行政や企業,病院,学校などから町中の小売店までの様々な
場面で日々発生する情報をデータとして収集し,管理するためのもので,データベースを用
いた情報管理の考え方は,今や常識となっています。
データベースには,システムが稼働し続ける限り日々多種多様なデータが蓄積されていき
ます。これらのデータを効率良く管理,活用するために,オラクル社ではデータベース・ソ
フト以外にも,以下のソフトウェア群を提供してきました。
• データを確実にパフォーマンス良く,格納・操作・閲覧するためのデータベース・
アプリケーション開発ツール
• インターネット上でデータを安全に公開するためのテクノロジーを集結したアプ
リケーション・サーバー
• 蓄 積 し た デ ー タ を 分 析 し , 現 状 把 握 ・ 経 営 判 断 支 援 の た め の BI(Business
Intelligence)ツール
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1. E-Business を支える Oracle E-Business Suite 11i
これらのソフトウェア群を組み合わせ,うまく使いこなすことで,どんなに大規模で堅牢
さを求められるシステムであっても,構築・運用・管理することができます。実際に,これ
までに多くのシステムが創られ,運用されており,様々なビジネスに貢献しています。
しかしながら,ビジネスの E-ビジネス化が進むにつれ,従来のように各企業が独自に情報
システムを 1 から設計・構築していくような体制では世界の変化に追いつけないようになっ
てきました。また,グループ会社や関連会社,もしくは従来は全く関連のなかった企業同士
の合従連衡が進む中,当然のことながら,素早いシステムの統合が求められています。
このようなニーズに応えるべく,オラクル社では,従来から提供してきたソフトウェア群
のテクノロジーを集結し,E-ビジネスをサポートするための‘Oracle Applications’という
パッケージ製品を提供するようになりました。リリース当初は ERP パッケージのみでした
が,2000 年末 ERP・CRM・SCM・BI を完全に統合したスイート製品として‘Oracle
E-Business Suite 11i (EBS 11i,以下同様に略)’が登場しました。
さて,EBS 11i には,100 以上のビジネス・プロセスを E-ビジネス化するためのアプリケー
ション・モジュールが含まれています(図 1.1:図にあるものは代表的なモジュール)。
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1.1 Oracle E-Business Suite 11i とは
セールス
プロキュアメント
Sales Online
TeleSales
iStore
Incentive Compensation
Partners Online
Sales Intelligence
購買管理
Purchasing Connect for TPN
iProcurement
Sourcing
サプライヤースケジューリング
Purchasing Intelligence
iSupplier Portal
Oracle Exchange
Marketplace Exchange
Product Development Exchange
Supply Chain Exchange
Transportation
マーケティング
Marketing Online
Marketing
Marketing Manager
for Industries
Marketing
for Communications
Marketing Intelligence
第
1
章
サプライ・チェーン管理
アドバンス・サプライチェーン計画
需要計画
Global Order Promising
受注管理
価格管理
コンフィギュレータ
リリース管理
在庫管理
Supply Chain Intelligence
プロセス生産管理
サービス
セールス
Service Online
Field Service
Mobile Field Service
Depot Repair
TeleService
iSupport
Advanced Scheduler
Customer Intelligence
Contracts
マーケティング
サプライチェーン
管理
サービス
戦略会計管理
人事管理
テクノロジ
プロキュアメント
& Exchanges
ビジネス
・インテリ
ジェンス
テクノロジ
アラート
XMLゲートウエイ
e-Commerceゲートウエイ
ワークフロー
フォーミュラ管理
在庫管理
ラボラトリー管理
プロセス原価管理
プロセス品質管理
プロセス生産計画
プロセス製品管理
規制管理
Process Manufacturing
Intelligence
生産管理
部品構成表管理
原価管理
設計変更管理
フロー生産
生産計画
プロジェクト生産
品質管理
工程管理
Manufacturing Scheduling
Manufacturing Intelligence
人事管理
Business Intelligence
統合会計
人事情報管理
給与計算管理
勤怠管理
教育研修管理
福利厚生管理
Self-Service Human Resources
Human Resources Intelligence
Financial Analyzer
Sales Analyzer
Warehouse Builder
Strategic Enterprise Management
バランスド・スコアカード
Activity Based Costing
ABM Analyzer
SEM Exchange
ビジネス・インテリジェンス・システム
一般会計
プロジェクト請求管理
買掛管理
プロジェクト原価管理
売掛管理
プロジェクト・リソース管理
資金管理
固定資産管理
不動産管理
財務管理
iExpenses
iReceivables
経費精算
管理会計
Financial Intelligence
プロジェクト管理
構成モジュールおよびモジュール名は,2002 年 3 月現在のものです。
バージョンによって,モジュールが追加されたり,その名前が変更されることがあります。
図 1.1 Oracle E-Business Suite 11i 製品構成図
15
1. E-Business を支える Oracle E-Business Suite 11i
これらのアプリケーション・モジュールやテクノロジーを組み合わせて,単に企業内プロ
セスの効率化を図るだけでなく,‘対顧客’や‘対サプライヤ’までをカバーした企業間プ
ロセス最適化のための情報システムを実現します(図 1.2)。
企業内
BIS/DWH
対 顧客
CRM
B-to-C
営業
需要予測
会計
B-to-B
受発注
人事
サービス
対 サプライヤ
SCM
ERP
マーケ
ティング
B-to-B
レガシーシステム
生産
生産計画
統合データベース
購買(Procurement)
販売(Commerce)
インターネット / E−ビジネス
図 1.2 Oracle E-Business Suite 11i により実現されるシステム
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1.2 製品の特徴
第
1
章
1.2 製品の特徴
EBS 11i には様々な特徴がありますが,大きく次の 3 つに分類されます。
①
End to End ソリューション
②
シンプル & 完全統合
③
オープンで柔軟
この 3 つのキーワードは,EBS 11i を語る上で重要なものです。この節では,それぞれに
ついて説明していきます。
1.2.1 「End to End ソリューション」
図 1.2 に表現されるように,EBS 11i は単なる ERP パッケージではなく,顧客からサプ
ライヤまでをつないだ‘End to End’の全体的に包括した E-ビジネスソリューションを提
供する Suite(スイート)製品です。
EBS 11i では,次のような機能を備えています。
• 企業内の ERP のみならず,企業間・顧客との有機的な連携を促す SCM・CRM・
EC 機能
• 俊敏な経営判断を実現する BIS(Business Intelligence)・SEM(Strategic
Enterprise Management)・DWH(Data Ware House)機能
• あらゆるネットワークアクセス,システム統合を実現可能にする EIP(Enterprise
Internet Platform)・EAI(Enterprise Application Integration)・ポータル・モバイ
ル等の機能
このため,企業という枠を超えて,インターネット上で‘E-ビジネス’を展開するための
システム構築を支援することができます。
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1. E-Business を支える Oracle E-Business Suite 11i
1.2.2 「シンプル&完全統合」
会計,生産管理,販売管理などといった各業務別の‘ベスト オブ ブリード’と呼ばれる
パッケージ製品は,確かに,その製品の目的とする業務をカバーするシステムとしては最も
優れているかもしれません。
しかし,いくつかの業務を個別のパッケージ製品によって置き換えることを考えてみま
しょう。もちろん,業務をシステムで管理することの一番の目的は業務データを効率良く管
理することですから,複数の業務をシステム化することの最終的な目的はそれぞれのデータ
の統合です。もしも「部分最適化」のシステムとして構築されている‘ベスト オブ ブリー
ド’の組み合わせにより実現しようとした場合,各業務システムの違いを吸収する仕組み作
りやフォーマットの統一化などの作業が必要となります。これらの作業は,データの統合作
業以前の作業ですが,決して容易なものではありません。
対して,EBS 11i は各業務システムを一気通貫的に連携し,複数の業務システムを 1 つの
データベースで一元管理する「全体最適化」を実現した完全統合型のスイート製品です。つ
まり,すべての業務システムから吸収される基幹業務データを統合することを第一の目的と
しているため,異種パッケージ統合の際に要するような本来のデータ統合作業に至る前の基
本的な作業は必要ありません。
しかも,どの業務システム(実際にはいくつかのモジュールを組み合わせて実現します)も
同じテクノロジーによって構成・構築されているので,いくつもの他社製品を組み合わせた
システムに比べて,非常にシンプルな作りになります。このため,迅速なシステム構築の実
現と,システム構築後のデータやシステム自身のメンテナンス性にも優れています。
シンプルでありながら,完全統合されている EBS 11i では,正確でリアルタイムな情報を
蓄積し,迅速な経営判断をするための土台を構築することができます。もちろん,スイート
製品だからといって製品のすべてを導入する必要はなく,業務別・目的別に段階を分けて導
入していくことも可能です(図 1.3)。
第二次フェーズ
統合会計 人事管理
共通モジュール(Applications Object Library)
第二次フェーズ
受発注
統合会計 人事管理 営業支援
在庫管理
共通モジュール(Applications Object Library)
図 1.3 Oracle E-Business Suite 11i により実現されるシステム
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Self
Service
1.2 製品の特徴
1.2.3 「オープンで柔軟」
EBS 11i のデータ構造は,すべて公開(オープン)されています(その仕様は,製品版
CD-ROM にバンドルされている「Technical Reference Manual」にモジュールごとに示さ
れています)。そのため,EBS 11i により蓄積されたトランザクション・データを活用した,
EBS 11i に備わっていないユーザー独自のビジネス要件に伴うアプリケーションの追加を容
易に実現することができます。
また,オープンなアーキテクチャを使用しているため,既存資産であるレガシー・システ
ムからのデータの取り込み,‘ベスト オブ ブリード’により選択した他社パッケージ製品
からのデータの取り込みやシステムの連携も容易に実現可能です。
既存のシステムやサード・パーティー・システムとの共存・統合を可能にするために EBS
11i では,図 1.4 に示すように,外部システムと EBS 11i の各表との間に,オープン・イン
タフェースを介してデータを取り込むという仕組みになっています(一部のモジュールでは,
API を使用して直接実表にデータを取り込むといったアーキテクチャを採用しています)。
オープン・インタフェースのアーキテクチャについては,『6.4 外部システムとの連携』
で説明します。
カスタム
インポート・プログラム
オープン・インタフェース表
既存システム
SQL*Loader
外部システム
正規化
実行レポート
エラー・レポート
図 1.4 オープン・インタフェース
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第
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章
1. E-Business を支える Oracle E-Business Suite 11i
逆に,データを取り出す際にも,様々なフォーマットでのデータの取り出しをサポートし
ています。特に,近年企業間プロセス連携のためのデータ交換時に有効であると注目されて
いる XML 形式でのデータ取り出しにも対応しています。
さらに,EBS 11i では,各企業の個別要件に対して「柔軟性」を備えていることも大きな
特徴です。多くの企業において,基幹業務では,取り扱う各業務のキーとなるデータをコー
ド体系(勘定科目コードや製品コード,地域コードなど)を用いて管理しています。一般的に
ERP パッケージ製品は,業務の統一化とデータの規格化を図るためのものであるため,パッ
ケージ内で決められたデータ体系を持っており,そのデータ体系に各企業がこれまで使用し
てきたコード体系を合わせる必要があります。つまり,ERP パッケージを導入すると決めた
企業は,既存のシステムや業務フローだけでなく,さらに既存のデータの見直しまでも考え
なければならないということです。
しかし,EBS 11i では‘キー・フレックスフィールド’を使用して,各企業が現在使用し
ているコード体系に合わせて,システムを構築することができます(図 1.5)。基幹業務のキー
となるデータをそのままのコード体系で新システムに取り込むことができるということは,
既存アプリケーションとの容易な連携と新システムの早期立ち上げにもつながります。
一般的なパッケージ製品では・・・
Oracle E-Business Suite 11i では
„
項目数に制限がある
„
パッケージにあわせた運用を強いられる
„
„
„
変更する場合はカスタマイズ(費用が大)
お客様の業務に沿ったコード体系の設定
項目数/データ長/データ型を約 30項目, 25桁
(事実上無制限)に自由に設計可能
„
勘定科目,部門コードなどの桁数に制約がある
„
„
コードの各種チェックも可能
別名による入力も可能
部門
会社
コード
??
コード
??
?? ド コード
ー
コー
ド
勘定科目コード
得意先
コード
部門コード
コ
会社
コード
勘定科目コード
プログラムの変更なしに
自由なコード体系が定義可能!
図 1.5 キー・フレックスフィールド
20
??
コード
1.2 製品の特徴
また,一般的なパッケージ製品では,パッケージ内で定義されているデータベース表に存
在しない項目に関するデータを取り扱いたいというビジネス要件に対して,そのデータを新
システムに取り込むことを諦めてビジネス要件自体を変更するか,そのデータを取り込むた
めの仕組みやプログラムを別途作り込む必要があります。
しかし,EBS 11i では,そのようなデータをプログラミングや難解な仕組み作りをするこ
となく,容易に取り込むための機能を既に持ち合わせています(‘付加フレックスフィールド’
を使用します)。
キー・フレックスフィールドや付加フレックスフィールドについては,『5. フレックス
フィールド』で説明します。
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