日本進出するイケアとは(1)!!

流通とSC・私の視点
2005 年7月7日
視 点 (549)
I Saw All America(その 47-1)!!
−日本進出するイケアとは!!(1)−
スウェーデンのホームファニッシング会社のイケア・プロパティ・エスエル(IKEA Property,S.L)の日本
支社が、船橋(千葉県)と港北(神奈川県)と神戸(兵庫県)に出店表明しています。店舗運営はイケア・
ジャパン株式会社が行います。日本市場においては、当面、首都圏に4∼6店舗、関西地区に4∼6店舗の
展開を計画し、標準的な店舗面積は 40,000 ㎡(売場面積 23,000 ㎡)
、駐車台数 2,000 台と言われています。
イケアはスウェーデンの生まれの、イングヴァー・カンプラッドさん(現在は名誉会長)によって創業さ
れました。イングヴァー・カンプラッドさんは、当時のスウェーデンでは、お金持ちは豪華な家具・見栄え
の良い家具を使っていましたが、貧乏人は安っぽい家具・見栄えの悪い家具しか使うことしかできませんで
した。そこで、貧乏人にも、豪華さは必要ないが、見栄えの良い家具を提供したいという「高い志」を持っ
て会社を設立しました。この高い志は、貧乏人の家具・インテリアに関するライフスタイルを変え、いわゆ
る「世の中を変え」ました。この概念はヨーロッパ全体に広がり、アメリカへ進出して当時の団塊世代(ベ
ビーブーマ)のニューファミリー時代に大人気になりました。
イケアの概要は次の通りです。
内
容
売 上 高 154 億 25,030 万ドル(前年比 24.3%アップ)
店 舗 数 200 店
従 業 員 数 84,000 人
国 別 売 上 高 ヨーロッパ 81%、北アメリカ 16%、オーストラリア、アジア、中東 3%
また、イケアの特徴は次の通りです(IKEA のホームページより要約)
。
(1)幅広い品揃え
家の中を居心地の良い空間とするための全てを揃え取り扱いアイテムを豊富に揃え、他の店に行かな
くても良いようにしている。次に、ロマンティックなものからシンプルなものまでのスタイルを揃えて
いる。ただし、良質で暮らしに役立つものだけに厳選し、その中で幅広く品揃えしている。最後に客の
好みのスタイルと必要な機能を合わせてコーディネートしている。
(2)デザイン性と機能性
デザイン性と機能性を重視しつつ、高品質・低価格の相反する手法を同時に展開し、多くの人々の手
に届く価格で良いものをデザインしている。
イケアでは賢い商品展開と呼び、重要な部分だけに焦点を絞り、必要のないことは極力省いている。
無駄なことにはお金をかけなく、お客様にそんな負担はさせないことを理念としている。
(3)価格設定
より多くの人々が毎日を快適に過ごせるように提案していくための最も大切な要素は価格設定である。
商品価格を低く設定すれば、お客様には必要なものを見付ける幸せとそれを高いお金を払うことなく手
に入れる喜びを味わっている。
そのためには、次の2つの努力を日々重ねている。
①商品開発担当者は、最も低コストで生産できる場を探し、デザイナーは低コストを実現できるデザイ
ンを常に考えている。バイヤーはイケアの基軸を満たし、しかも低価格である材料を常に探し、そし
て大量買い付けによって、さらに低価格を実現させている。
②客にも、家具を選び、棚から取り、自身で家まで運んで組み立ててもらうことにより低価格の一端を
担ってもらっている。
以上のように、イケアが展開する商品は「モダンでありながら、流行に流されず、機能的でデザイン性に
富み、使う人の視点に立ち、子供にもやさしい」というスウェーデンの暮らしの伝統をしっかりと受け継い
でいる。
スウェーデンといえばさわやかで健康的なライフスタイルを思い浮かべる人が多いと思います。このライ
フスタイルは、イケアの品揃えにも大きな影響を与えています。白木の家具、生成りの布地、加工を施して
いない木の風合いなど、イケアの商品にはスウェーデンのさわやかで開放的な雰囲気が反映されています。
寒く暗い冬が長期間続くスウェーデンで、この軽やかで明るい生活空間はまるで一年中夏の光を浴びている
ような感覚を作り出すのです。
イケアのコンセプトは、創業者と同じくスモーランド地方で生まれました。スウェーデン南部のスモーラ
ンドは土地がやせ細っているため、人々は勤勉に働き、わずかな貯えで暮らし、限られた資源をどれだけ有
効に使えるかを考えます。
価格を低く設定するというイケアの精神は、
まさにここで培われたものなのです。
けれども、価格のために品質を妥協するわけにはいきません。スウェーデンは安全と品質に関して、世界
的に高い評価を受けていますが、イケアはどのような状況においても、品質の高いものを提供することに誇
りをもっています。
(IKEAホームページより)
(流通とSC・私の視点(550)へ続く)
+3
(株)ダイナミックマーケティング社
代
Copyright (C)1993-2005 Dynamic Marketing Co.,Ltd. All rights reserved.
む
表 六
ぐるま
車
秀 之