医療ICT NEWS FILE 20160510 vol.013

診療報酬・薬価から臨床・創薬まで 高度情報化医療の明日を伝える
医療
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vol.
2016.5.10
株式会社じほう 〒101-8421 東京都千代田区猿楽町1-5-15 猿楽町SSビル TEL 03-3233-6351
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医療・介護の「見える化」徹底
効率的な給付実現を
諮問会議 WG
3 費用対効果本格導入へ
「データ再分析体制が重要」
国立保健医療科学院・福田氏
6 「エビリファイ」に極小センサー
FDA が審査完了通知
大塚製薬と米企業の服薬測定ツール
INFRASTRUCTURE
3
国家戦略特区法改正案を可決 衆院・特別委
4
社会保障負担増「IT 化や保険者機能強化などで抑制」 塩崎厚労相
4
費用対効果、医薬品 7 品目を了承 中医協、18 年度改定で「再算定」へ
5
後発品促進へ「薬剤費の節減額データ」必要 中医協・中川委員
CONTENTS
6
医療ビッグデータの分析市場、25 年に 560 億円に拡大 富士経済予測
6
認知症ケアネットワークが大垣と茨木で始動 SNS も活用し情報共有
7
地域包括ケア、多機関・多職種連携の環境づくりを 日医・介護保険委
7
医療等分野専門のネットワーク整備など要請 日医、17 年度概算要求要望
8
スマホアプリ使った臨床研究を開始 東大と NTT ドコモ
8
薬事委員長に須崎氏、10 月の電子化「必ず解決」 承認事項の変更制度、課題調査や政策提言も
9
製薬協・医薬品評価委、国忠氏が新委員長に CIN への提言活動など重要課題
9
要指導薬の市場データ求める、営業の自由の判断材料に 東京地裁
013
禁無断複写
医療
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INFRASTRUCTURE
医療・介護の「見える化」徹底
効率的な給付実現を
諮問会議 WG
経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会の下に設置された社会保障ワーキング
グループ(WG、主査=榊原定征・経団連会長)は 4 月 21 日、医療・介護分野の「見える化」な
どに関する現時点での取りまとめ内容を公表した。
徹底的な「見える化」で給付の実態や地域差
の「気づき」を通じた質の改善につながるよう、
を明らかにすることで、国民、保険者、医療・
国から都道府県に対し、医療費の地域差などに
介護関係者らが「自らの行動を見つめ直す契機
関するデータを提供していく方針も示した。保
とすることが重要」と主張。国民の望ましい選
険者によるデータ分析を通じて医療機関の質を
択、行動によって効率的な給付を実現し、QOL
評価するなど、医療専門職の「気づき」を促す仕
の向上、社会保険料・公費負担の伸びの抑制、潜
組みも今後検討するという。
在需要の顕在化につなげていく考え方を示して
人生の最終段階における医療の在り方もテー
いる。
マに挙げ、「患者が医療従事者と話し合いを行
い、患者本人による決定を基本として人生の最
医療機関の「質の評価」で
医療専門職に「気づき」を
終段階における医療を進めるプロセスの普及を
図る」としている。
取りまとめでは「見える化」に関連し、今後取
り組むべきさまざまな項目を列記。医療専門職
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2016.5.10
2016 年 4月21日【MEDIFAX】 規制・GL
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INFRASTRUCTURE
費用対効果本格導入へ「データ再分析体制が重要」
国立保健医療科学院・福田氏
中医協・費用対効果評価専門部会の参考人を務めた国立保健医療科学院(NIPH)医療・福祉
サービス研究部の福田敬部長は 4 月 21 日、費用対効果評価の本格導入に向け、製造販売業者
が提出する費用対効果分析データを再分析する体制が重要との考えを示した。その上で「(国
立保健医療)科学院も一定の役割を果たしたい」と述べた。NIPH が埼玉県和光市内で開いた
シンポジウムで述べた。
2016 年 4月21日【日刊薬業】
事 業
を含めた大学などとの連携体制を検討することも重
要との考えも示した。
NDBで費用データ検討「企業も使える仕組みを」
NIPH・白岩主任研究員
NIPH 医療・福祉サービス研究部の白岩健主任研
究官も講演し、ナショナルデータベース(NDB)を
用いて、費用対効果評価で使う「費用データ」の作成
方法などを検討する予定と説明した。その上で、
「個
人的には、企業にも使ってもらえるような仕組みも
講演後の総合討論で話す福田氏=21日、保健医療科学院
検討したい」と述べた。
福田氏は、費用対効果評価を検討する「費用対効
同じく講演した国際医療福祉大薬学部の池田俊也
果評価専門組織」に、
客観的なデータを示すことが極
教授は、厚生労働科学研究の一環で、ワクチンの経
めて重要と指摘。
「企業が提出したデータを客観的
済評価に関する統一的な指針を 2016 年度中にもま
に確認することも含めて、再分析する体制の充実が
とめる意向を示した。
「中医協での議論と矛盾しな
重要」と述べた。データ分析を担う人材の育成など
いよう、整合性を取りながらまとめたい」と述べた。
国家戦略特区法改正案を可決
衆院・特別委
2016 年 4月26日【MEDIFAX】 規制・GL
衆院・地方創生に関する特別委員会は 4 月 26 日、
「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案」を
テレビ電話による服薬指導の特例などを盛り込んだ
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賛成多数で可決した。
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INFRASTRUCTURE
社会保障負担増「IT 化や保険者機能強化などで抑制」
塩崎厚労相
2016 年 4月25日【MEDIFAX】 規制・GL
塩崎恭久厚生労働相は 4 月 25 日、政府の経済財政
負担増の決定プロセスを諮問会議で検証すべき」と
諮問会議に出席し、医療・介護などの社会保障負担
の指摘に答えた。
増の抑制について、「IT 化や保険者機能の強化を含
600 兆円経済実現に向けた対策にも、社会保障負
めて、質と持続性の向上を図ることで負担増を抑え
担・給付の構造や決定プロセスなどを制度横断的に
ていきたい」と述べた。
検証するなどの方針が盛り込まれている。医療関係
同日の諮問会議で取りまとめた 600 兆円経済実
ではこのほか、有望成長市場の創出・拡大に関連し
現に向けた対策に関連して、民間議員からの「社会
て、訪日外国人らが日本の医療機関を安心して受診
保障負担の抑制に向け、年金・医療・介護と横断的に
できる環境の整備なども盛り込まれた。
費用対効果、医薬品 7 品目を了承
中医協 18 年度改定で「再算定」へ
2016 年 4月27日【日刊薬業】 事 業
選ばれた。原価計算方式から選ばれたのは抗がん剤
2 品目で、オプジーボと抗体薬物複合体「カドサイ
ラ」だった。こちらは類似薬はない。
同専門部会では対象品目について各側から異論は
なく、了承された。支払い側の幸野庄司委員(健保
連理事)は、費用対効果評価専門組織の検討が非公
開で行われることから「結果に納得感が得られるよ
うな情報提供」を求め、厚労省は「企業に配慮しつつ
情報を出せるよう検討する」
(保険局医療課の眞鍋
馨企画官)と答えた。
中医協総会、診療側委員=27日、全国都市会館
新規収載のピーク時金額
「必要に応じて見直し」
中医協・費用対効果評価専門部会と総会は 4 月 27
日、費用対効果評価の対象品目として厚生労働省が
示した C 型慢性肝炎治療薬「ソバルディ」、抗がん剤
の抗 PD-1 抗体「オプジーボ」など医薬品 7 品目を了
費用対効果を測る新規収載品の選定基準も了承し
承した。該当企業が提出する関連データを「再分析
た。
「類似薬効比較方式で 10%以上の補正加算を希
グループ」が再分析し、費用対効果評価専門組織が
望する、ピーク時予測売上高 500 億円以上」と「原価
2017 年度に評価結果に基づいた価格算定案を作
計算方式で 10%以上の営業利益率の加算を希望す
成。18 年度薬価改定時に費用対効果に基づく再算定
るピーク時 100 億円以上」の品目を対象とする。た
が行われる。
だし金額について厚労省は「柔軟に、必要に応じて
対象品目は、類似薬効比較方式から 5 品目を選定。
見直す」姿勢を示した。新規収載品の選定基準を満
選定基準を満たしたのはソバルディだけだったが、
たす品目のデータ提出は今年 10 月に開始。10 月以
薬理作用類似薬も対象にするため、インターフェロ
降に保険適用希望書が提出される品目で選定基準を
ンフリーの経口 C 型慢性肝炎治療薬「ハーボニー」
満たすものは、関連データを出す必要がある。
「ダクルインザ」
「スンベプラ」
「ヴィキラックス」も
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費用対効果評価の試行的導入の時点では、新規収
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載品の評価結果は価格算定に用いず今後の制度設計
INFRASTRUCTURE
で検討することは可能」と答えた。
の検討材料になるが、土屋裕専門委員(エーザイ代
再生医療、特性に応じて薬か機器に
表執行役)は「保険適用希望書と同時にデータを出
すのは非常に難易度が高い。価格算定に用いないと
はいえ、データを提出できないからといって、加算
既 収 載 品 で は、 医 療 機 器 か ら 自 家 培 養 軟 骨
の希望や、保険収載の希望が出せないことがないよ
「ジャック」など 5 品目も選定している。ジャックは
うに配慮してほしい」と求めた。
再生医療製品だが、医療機器の扱いとして選ばれた。
総会でも費用対効果評価の関連事項は了承された
厚労省保険局医療課は総会終了後、「今後も再生医
が、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、
療等製品は、特性に応じて医薬品か医療機器に分類
新規収載品の選定基準であるピーク時売り上げ
し、基準に当てはまれば選ばれることになる」と説
「500 億」
「100 億」などについて「金額ではなく『薬
明。
「再生医療等製品」のみでグルーピングして費用
剤費総額の〇〇%を超える物』とする考えはない
対効果評価の対象を選定する考えはないとした。
か」と指摘。眞鍋企画官は「費用対効果評価専門部会
後発品促進へ「薬剤費の節減額データ」必要
中医協・中川委員
2016 年 4月27日【日刊薬業】 事 業
4 月 27 日の中医協総会では、厚生労働省が示した
達成できない」と問題提起。大西課長は、医師や薬剤
「後発医薬品の使用促進策の影響と実施状況に関す
師への普及啓発に取り組んでいる現状を紹介した。
る 2015 年度調査」の本報告をきっかけに、後発医薬
中川委員はそれを受け「後発品促進による節減効
品の使用促進策が議論になった。診療側の中川俊男
果」を推定値でも提出するよう要求。支払い側の花
委員(日本医師会副会長)は「後発品をどれだけ使う
井十伍委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡
と、どれだけの薬剤費が節減されるか」についての
会」委員)も、国民皆保険の持続可能性が懸念される
データを中医協に示すよう求め、医政局経済課の大
局面だからこそ、後発品を使うことの重要性につい
西友弘課長が「経済効果を示せるようにしたい」と
て「メッセージを届けられるデータが必要」と賛同
応じた。
した。
調査結果では、医師が先発医薬品の銘柄を指定す
後発品による医療費削減額については、厚労省が
る 理 由 と し て「 患 者 の 希 望 」が 最 も 多 く( 診 療 所
昨年秋の中医協・薬価専門部会に、13 年度に実施し
63.2%、病院 63.8%)、次に「品質(効果や副作用を
た薬価調査結果に基づく効果額として「年間 5500
含む)に疑問がある」が(50.3%、48.1%)が多かっ
億円」を示している。今後、中医協で示される削減
た。こうした結果から支払い側の幸野庄司委員(健保
額は、どのような根拠に基づき、どのような表現と
連理事)は「医師の不信を払拭しなければ “80% ” は
なるのか、現時点では未定。
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「エビリファイ」に極小センサー、FDA が審査完了通知
大塚製薬と米企業の服薬測定ツール
大塚製薬と、米プロテウス・デジタル・ヘルス社は 4 月 27 日、両社で開発し、米 FDA(食
品医薬品局)に申請していたデジタルメディスン(服薬測定ツール)について、26 日付で審査
完了通知を受理したと発表した。
2016 年 4月27日【日刊薬業】 医薬品
デジタルメディスンはプロテウス社が開発した極
つ病性障害の補助療法について、成人患者を対象に
小のセンサーを組み込んだ製剤と、パッチ型シグナ
服薬アドヒアランスの測定目的で申請していた。
ル検出器を組み合わせる世界初の技術。FDA での申
大塚製薬によると、FDA からは、デジタルメディ
請では、大塚製薬の抗精神病薬「エビリファイ」に極
スンが使われる条件下での追加データを求められて
小センサーを組み込んだ製剤を開発。統合失調症や
おり、今後 FDA の要求に対応していく方針を示して
双極性 I 型障害の躁病、混合型症状の急性期、大う
いる。
医療ビッグデータの分析市場、25 年に 560 億円に拡大
富士経済予測
2016 年 4月28日【MEDIFAX】 医療・介護
富士経済は 4 月 27 日、レセプトや電子カルテの
療ビッグデータ分析サービス・ツール分野の全体は
データを分析するなどのサービスを行う、医療関連
560 億円(1.8 倍)になると予測した。
業界向けの医療ビッグデータ分析事業が 2025 年
一方、医師や医療従事者への e -プロモーション
(以下同)に 120 億円(14 年比 4.1 倍)に拡大すると
サービス、医師向けのポータルサイト、医師向けの
の市場予測を発表した。その他の医療ビッグデータ
SNS など、医療向けプロモーション支援サービス・
関連サービスの市場も大きく増えると予測して
システムは 801億円(2.6 倍)に拡大すると見通した。
いる。
このほか、コンピューター上で薬物動態や副作用
医療業界向けのビッグデータ分析事業に、体質遺
などを予測する創薬支援システムは 215 億円(1.7
伝子検査、保険者向けデータ分析などを加えた、医
倍)に広がると予測している。
認知症ケアネットワークが大垣と茨木で始動
SNSも活用し情報共有
2016 年 4月27日【MEDIFAX】 医療・介護
ICT を活用した「認知症ケアネットワーク」の構築
システムや、医療・介護の関係者らのみが参加可能な
が、
岐阜県大垣市と大阪府茨木市で始まっている。患
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を組み
者の処方状況や通院状況を施設横断的に共有できる
合わせた、
地域包括ケアネットワークを促進するため
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の新たな取り組みで、
全国初の試みだという。まずは
ム」と、医療介護専用の SNS「メディカルケアステー
それぞれ、大垣病院(大垣市)と藍野病院(茨木市)が
ション」などが柱。これらの仕組みを複合的に運用
中心となって運用を開始する。4 月27 日、厚生労働
することによって、より効果的・効率的な患者ケア
省でシステムの開発企業や病院関係者が発表した。
を地域で推進する狙いだ。
同システムは、医療機関や診療科の垣根を越えて
同システムは、2017 年末には 100 地域、医療介
患者情報を共有できる「かかりつけ機能支援システ
護関係者約 10 万人の参加を目指している。
地域包括ケア、多機関・多職種連携の環境づくりを
日医・介護保険委
答申を発表する鈴木常任理事=27日、
日医会館
2016 年 4月27日【MEDIFAX】 医療・介護
日本医師会の介
るとして、多機関・多職種連携の環境づくりの重要
護保険委員会(委
性を強調した。
員長=野中博・東
答申は、医師主導型のチーム医療にとどまらず、
京都医師会顧問)
QOL、QOD(クオリティー・オブ・デス)の向上
はこのほど、地域
などを目標とした多機関・多職種連携の支援チーム
包括ケアをめぐる
の強化が重要だと指摘。互いに目標や役割を確認・
関係者の連携体制
共有して、対等な関係でコミュニケーションを図る
の在り方に関する
ことができる環境づくりに向けて、地域医師会が主
答申をまとめた。
導で地域の人的な資源などの把握を行うことなどの
地域包括ケアには
要点を説明した。
生活者本位の支援
鈴木邦彦常任理事が 4 月 27 日の会見で答申を説
チームの強化が地
明した。
域全体に求められ
医療等分野専門のネットワーク整備など要請
日医、17 年度概算要求要望
2016 年 4月27日【MEDIFAX】 医療・介護
日本医師会の石川広己常任理事は 4 月27日の会見
情報やオンライン
で、2017 年度予算概算要求に関する8分野の要望事
資格確認情報、医
項を発表した。このうち地域包括ケアシステムに関す
療等IDなどが安
る予算確保の要望では、新たに医療等分野専用のセ
全にやりとりでき
キュリティーを確保したネットワークの整備を求めた。
るよう、全ての医
日医は▽地域医療包括ケアシステム▽健康寿命延
療機関などが接続
伸▽感染症予防▽災害対策▽医療安全▽医学・学術
できる医療等分野
▽医療・介護保険▽控除対象外消費税への対応―の
専用のセキュリ
8分野で要望をまとめた。
ティーが確保され
地域包括ケアシステムに関する要望のうち、地域
たネットワークを
医療介護総合確保基金以外の医療・介護の充実分と
ユニバーサルサー
して、医療等分野専用のセキュリティーを確保した
会見で概算要求要望を発表する石川常
任理事=27日、日医会館
ネットワークの整備に 20 億円を新規で要望。
「医療
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ビスとして整備す
る 」と 要 請 し た。
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また、継続的な医学的・集中治療管理が必要な患者
求めた。
らに対する短時間の長距離搬送などで効果的だとし
健康寿命の延伸に関しては、生涯を通じた国民の
て、メディカルウイング(ドクタージェット)の導入
健康支援を後押しするため、施設・組織横断的な健
支援も新たに要望。北海道のメディカルウイング事
診データの管理が可能な健診標準フォーマットの運
業の本格運航や全国各地での事業展開に 12 億円を
用を支援する措置を求めた。
スマホアプリ使った臨床研究を開始
東大とNTTドコモ
2016 年 4月21日【MEDIFAX】 医療・介護
東京大とNTTドコモは 4 月 21 日、スマートフォ
する。利用開始時と終了時に身長・体重などの基本
ンのアプリケーションを用いて不整脈と生活習慣病
情報と高血圧などの既往歴や症状などを入力し、1
の関連性を解析する臨床研究を開始したと発表し
日1回脈拍を記録するとともに1~2週間ごとに動
た。同研究は、日本在住で 20 歳以上の成人を対象
悸の有無などに回答する。
に、脈の揺らぎをスマホ経由で大規模に収集しデー
計測された脈拍データは日常生活の中での脈の揺
タを解析するというもので、将来的に不整脈に起因
らぎを調べ、不整脈(心房細動など)の発生傾向など
する病気の予後の改善などが期待できるという。で
を分析する研究データとして使用される。研究参加
きるだけ多くの人に参加してもらうため、報道メ
者が医療機関を受診する際には、アプリに記録され
ディアや学会などを通じて研究への参加を広く呼び
たデータが診療の参考に生かされる可能性もあると
掛ける方針だ。
いう。なお、同アプリの対応OSはiOS 8.0 以降
研究に同意した参加者は、東大とNTTドコモが
ということから iPhone・iPod touch の利用者が対
共同開発したスマホアプリ「HearTily」
(ハーティ
象で、アプリの利用開始時に研究利用に関する研究
リー)を使って1年間継続して自身のデータを記録
参加者の承認が必要。
薬事委員長に須崎氏、10 月の電子化「必ず解決」
承認事項の変更制度、課題調査や政策提言も
須崎正和・薬事委員長=27日、都内
日本製薬工業協
会見した須崎委員長は、薬事委員会の重要課題と
会の薬事委員会は
して、今年 10 月から承認申請電子データの提出が義
4 月 27 日 の 総 会
務化されることへの対応を挙げた。須崎氏は「相当
で役員改選を行
難しい問題をはらんでいるようだが、必ず解決しな
い、 須 崎 正 和 氏
ければならない」と抱負を述べた。
(大日本住友製薬)
薬事制度部会では、製薬企業だけではなく第三者
を新委員長に選出
が見ても問題がある薬事規制の運用面について、そ
した。新任の副委
の実態や国際的整合性を考慮しながら提言活動を
員長兼申請薬事部
行っていく。特に承認事項の変更制度が諸外国と異
会長には柏谷祐司
なっている点については、変更方法などについて引
氏(武田薬品工業)
き続き検討していく。
が就いた。副委員
須崎委員長は「日本には軽微変更制度があり、変
長兼薬事制度部会
更後 30 日以内に届け出ればよいことになっている。
長の神崎充氏(中外製薬)は留任する。
医療 ICT
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2016.5.10
2016 年 4月27日【日刊薬業】 医薬品
だが諸外国を見ると、例えば米国には年次報告すれ
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ばよいというカテゴリーもある。医薬品を海外で販
はないが、課題が見えたら政策提言につなげたい」
売したり、製造したり、海外に導入先がある場合な
と語った。
どでは、スケジュール調整などさまざまな作業が必
柏谷申請薬事部会長は、2016 年度から施行して
要で、神経を使っているところだ」と述べた。
いる人道的見地からの治験や患者申出療養制度の運
神崎薬事制度部会長は、厚生労働省の全品目点検
用状況を眺めつつ、浮かび上がってきた課題を抽出
で承認書との不一致事例が相当数あると見られてい
し、政策提言していく考えを示した。柏谷氏は「現
ることを踏まえつつ、「どのようなところに課題が
段階では問題点が明確になっていない。制度が運用
あったのか、必要に応じて調査してはどうかと考え
される中で、事例を収集したい」と述べた。
ている。まだ薬事委員会として正式決定したわけで
製薬協・医薬品評価委、国忠氏が新委員長に
CIN への提言活動など重要課題
2016 年 4月27日【日刊薬業】 医薬品
日本製薬工業協会の医薬品評価委員会は 4 月 27
ようになる。被験
日の総会で、新委員長に国忠聡氏(第一三共顧問)を
者レジストリを
選出した。また新任の臨床評価部会長には近藤充弘
使った試験が可能
氏(大塚製薬メディカルアフェアーズ部担当部長)
になれば、ものす
が就いた。
ごい進歩だ。製薬
国忠委員長は会見で、2016 年度の重要課題とし
企業が苦労して、
て▽クリニカル・イノベーション・ネットワーク構築
時間をかけてきた
(疾患登録情報を活用した臨床開発インフラ整備=
治験の在り方が変
CIN)に向けた提言活動▽患者申出療養と拡大治験
わる。企業にとっ
が本格稼働した後の課題対応▽法令順守―の 3 点を
ては、喉から手が
挙げた。
出るほど欲しい医
CIN は、国立高度専門医療研究センターなどの疾
薬品の評価方法
患登録システムを活用して臨床開発の効率性を高め
だ」と述べた。
る取り組み。国内患者数が少なく、治験で症例を集
法令順守面については、PMS 部会の服部洋子部会
めづらい疾患でも、CIN を使えば患者情報を一元的
長(第一三共秘書部渉外グループ主幹)が発言。昨
に集めることができ、被験者リクルートの効率を上
年、副作用報告漏れなどで行政処分を受けたケース
げられる。また治験では疾患登録情報を対照群デー
が相次いだことを指摘し、「システム変更などを
タとして使える可能性もある。
行ったときには問題が起きやすいので、注意を払っ
国忠委員長は「患者数が少なければ試験自体が成
ていく必要がある。PMS 部会でも確認していく」と
り立たないが、そのような疾病でもデータを取れる
述べた。
国忠聡・医薬品評価委員長=27日、都内
要指導薬の市場データ求める、営業の自由の判断材料に
東京地裁
2016 年 4月26日【PHARMACY NEWSBREAK】 医薬品
インターネット通販会社のケンコーコムが国を相
判長)であった。谷口裁判長は営業の自由に対する
手取り、要指導医薬品の指定取り消しを求めた訴訟
影響度を判断するため、原告、被告の双方に要指導
の第 11 回口頭弁論が 4 月 26 日、東京地裁(谷口豊裁
薬の市場規模に関する資料の提出を検討するよう求
医療 ICT
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2016.5.10
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めた。次回弁論は 7 月 1 日に開かれる。
CONTENTS
討会」の議事録全文の提出を求めた。
この日の弁論では、原告、被告双方の主張や反論
さらに谷口裁判長は要指導薬の市場規模につい
がほぼ出尽くしたことを踏まえ、谷口裁判長がス
て、「営業の自由に関するインパクトに関連するの
イッチ直後品目と劇薬の特性や販売時の留意点につ
で、金額は出ているが、もう少し(関連データが)あ
いて議論した厚生労働省の「スイッチ直後品目等の
るのかないのかを検討してほしい。インターネット
検討・検証に関する専門家会合」と、ネット販売の新
業者にとって、これらの品目(の販売)が制限される
たなルールづくりを検討した同省の「一般用医薬品
ことで何が起きるのかということに関連する」と述
のインターネット販売等の新たなルールに関する検
べ、関連資料の提出を要請した。
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2016.5.10
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前日までのニュースを取りまとめた紙面
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がweb上で閲覧でき
ます。
また、
プリントも可能です。
※
「Adobe Flash Player(Ver.10以上)」
が必要です。
5
4 関連資料
資料
マークが付いた記事には、
厚労
省や中医協などの関連資料をPDFファ
イルにして添付しています。
年間購読料金
408,000円
(1ID・税別)
利用者プロフィール
※年間でのご契約とさせていただきます。
2ID以上のご契約については、追加1ID
につき年間120,000円(税別)
の加算にな
ります。複数ID契約をご希望の方は弊社
までお問い合わせください。
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寄稿・時事解説・記者コラム
有識者による連載や、
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