『マンガで学ぶスポーツコンプライアンス~アスリートが知っておくべき大切

はじめに
「スポーツには社会を変える力がある」
日本財団パラリンピックサポートセンターは、2020年東京パラリンピック
の成功とパラスポーツの振興、そしてパラスポーツを通じたインクルーシ
ブな社会の実現へ向け、2015年5月に発足しました。
スポーツは人々に喜びや感動を与え、共感し合うことで人々の絆を深め、
時には社会に大きなムーブメントを起こします。なぜスポーツが人々の心
を動かし、社会を変えるほどの影響力を持つのか、それはスポーツの本
質に「スポーツマンシップ」や「フェアプレー」があるからだと思います。
昨今、違法賭博や法令違反、ドーピングなど、スポーツ界の高潔性を脅
かす重大な問題が頻発し、日本のスポーツ文化の発展に暗い影を落とし
ています。2020年に向かって国民のスポーツに対する関心が高まる中、
より一層の高潔性が求められています。
この冊子では、スポーツにおけるコンプライアンスに関して、アスリートを
はじめ指導者などの関係者が直面しやすい場面をマンガ仕立てで紹介し、
気を付けるべきポイントを分かりやすく解説しています。
是非ご一読いただき、日本のスポーツ文化の発展を担う皆様の参考に
して頂ければと思います。
2016年8月
公益財団法人日本財団パラリンピックサポートセンター
常務理事 小澤直
1
目 次
2
case.01 コーチそれセクハラです!
3
case.02 熱血指導が行き過ぎると…
6
case.03 その薬、本当に大丈夫?
9
case.04 不正受給は詐欺です
12
case.05 ちょっとした賭け事でも…
14
case.06 飲んだら乗らない!
16
case.07 交通事故を起こしてしまったら…
20
case.08 お酒は二十歳になってから
22
case.09 確認しよう著作権
25
case.10 その投稿、不謹慎だぞ!
27
case.11 反社会的勢力にご注意
30
case.12 見られています、あなたのマナー
33
3
4
case.01
セクシャルハラスメント(セクハラ)
セクシャルハラスメント(セクハラ)は性的な嫌がらせをいいますが、嫌が
らせに当たるか否かは、相手方が不快に感じるかどうかで判断されます。
何を不快に感じるかは個人差があるのは確かですが、だからといって勝
手な思い込みで「この程度であれば大丈夫」と考えるのは危険です。
他人の身体をむやみに触ったり、胸の大きさに言及したりすることは、不
快感を与える可能性が高い行為といえます。
指導者や先輩など上位の立場にある者が下位の立場にあるアスリート
に対して、こうした行為をした場合、下位の者は面と向かって拒絶できな
いのが通常です。だからといってその行為を黙認していると解釈すること
は間違いです。上位者としては、当たり前のことですが、不快感を与える
行為を行わないように心がける必要があります。
日本スポーツ振興センターなどでは、セクハラや暴力、パワハラなどの被
害を受けたアスリートを対象とした相談窓口が設置されており、スポーツ
の現場におけるセクハラ等の根絶を図っています。
セクハラは、民事・刑事の法的責任の対象となるほか、所属する企業や
競技団体において懲戒処分の対象となります。
〔関連法令〕
損害賠償 民法709条(不法行為)
刑事罰
刑法174条(公然わいせつ罪)
176条(強制わいせつ罪)
177条(強姦罪)
222条(脅迫罪)
223条(強要罪)
230条(名誉毀損罪)等
ストーカー規制法
5
6
7
case.02
パワーハラスメント(パワハラ)・暴力行為
他人を殴ったり、蹴ったりすることは、暴行罪等の犯罪に該当します。こ
れはスポーツ指導の現場であっても同じです。
また、「馬鹿」「強化費の無駄だ」など人格を傷つけ、自尊心を損なわせる
言動はパワハラに該当します。
日本障がい者スポーツ協会を含む5団体が行った「スポーツ界における
暴力行為根絶宣言」において明記されているように、指導者は「暴力行
為が人権の侵害」であること、「暴力行為による強制と服従では、優れた
競技者や強いチームの育成は図れないこと」を認識すべきです。
文部科学省のスポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議の
報告書では、暴力に頼った指導を否定し、競技者の主体的な判断や行
動を促すコーチングの必要性が説かれています。
暴力行為やパワハラは、民事・刑事の法的責任の対象となるほか、所属
する企業や競技団体において懲戒処分の対象となります。
〔関連法令〕
損害賠償 民法709条(不法行為)
刑事罰
刑法204条(傷害罪)
208条(暴行罪)
222条(脅迫罪)
223条(強要罪)
230条(名誉毀損罪)
231条(侮辱罪)等
8
9
10
case.03
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case.04
不正受給
日本スポーツ振興センターや各自治体などからアスリートに対して、強化
のための補助金・助成金が交付されることがあります。こうした補助金・
助成金は、国民の税金からまかなわれることになります。
このケースの場合のような不正受給は、補助金を不正に使用するだけで
なく、詐欺罪(10年以下の懲役)という犯罪にもあたります。
なぜなら、アスリートの強化活動を支援することを目的とした補助金を、
強化活動をおこなっていないのに、強化活動を行ったかのような報告書
を作成して受給することで、自治体からお金をだまし取ることになるから
です。
また、当然のことながら、不正受給した補助金は、自治体より損害賠償と
して返還請求されます。さらに、所属する企業や競技団体において懲戒
処分の対象にもなります。
「この程度なら」という甘い考えが重い制裁を受ける結果となってしまうこ
とを肝に銘じましょう。
〔関連法令〕
損害賠償 民法709条(不法行為)
刑事罰
刑法246条(詐欺罪)
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case.05
賭博
賭博は犯罪です。
このケースのように高校野球の試合やプロ野球その他スポーツの試合、
麻雀や単なるジャンケンなど結果が分からない勝負や出来事(英国では
皇室の赤ちゃんの名前で賭け事が行われています)にお金を賭けること
は、等しく賭博に該当します。競馬や競輪など公営ギャンブルは特別に
法律で許されているため罰せられないにすぎません。
もっとも、例外的に、刑法では「一時の娯楽に供(きょう)する物を賭けたに
とどまるとき」は賭博罪は成立しないとされています。「一時の娯楽に供
する物」とは、安価なお菓子や昼食程度のものが該当するとされていま
す。
しかしながら、裁判所は、少額であっても金銭を賭けることについては賭
博罪が成立すると厳しい態度をとっています。
もっとも、少額の賭博を行った場合、直ちに警察に逮捕されたり刑事処分
が科されたりする可能性は低いと思われますが、所属する企業や競技団
体の倫理規程などコンプライアンス(法令遵守)違反として懲戒処分の対
象になります。
〔関連法令〕
刑事罰 刑法185条(賭博罪)
186条(常習賭博・賭博場開張図利罪)
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case.06
飲酒運転
飲酒運転をしてはならないことは社会人として常識ですし、知らない人は
いないと思います。しかしながら、飲酒運転による重大事故は後を絶たた
ないのが現状です。
こうした重大事故を他人事と考え、「自分は酒が強いから大丈夫」「数時
間休めばアルコールは抜けるから大丈夫」などという安易な考えはいま
しめなければなりません。
昔から言われているとおり「飲んだら乗るな」を必ず実践しなければなり
ません。
交通事故を起こした場合、刑事罰のほか行政罰(免許の取消し等)、民
事責任(被害者や遺族に対する損害賠償責任)を負うことになります。
被害者に重度の後遺症が残ったり、死亡した場合には、このケースのよ
うに高額な賠償金が請求されることになります。さらに、所属する企業や
競技団体において懲戒処分の対象にもなります。
〔関連法令〕
損害賠償 民法709条(不法行為)
行政罰
道路交通法103条
(免許の取消し、停止等)
刑事罰
道路交通法117条の2
(酒酔い運転の罪)等
自動車運転致死傷行為処罰法2条
(危険運転致死傷罪)等
刑法201条
(業務上過失致死傷罪)
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case.07
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case.08
未成年の飲酒・強要
未成年者の飲酒は、法律で禁止されていることはご存じのことと思いま
す。
未成年者であるアスリートが飲酒をした場合、罰則はありませんが法律
違反行為として非難の対象になります。
未成年者に飲酒を強要して飲ませた指導者等においては強要罪に問わ
れるおそれがあります。
また、未成年者に飲酒をさせて、急性アルコール中毒になった場合は傷
害罪に問われるおそれがあります。この行為をあおった者は現場助勢罪
(げんばじょせいざい)に問われるおそれがあります。
このように未成年者の飲酒は、大きな法律問題に発展する可能性があり
ます。また、飲酒や一気飲みの強要は、未成年だけなく成人アスリートに
おいても、アルコールハラスメントとして問題視されているところです。
特に、日本を代表するアスリートは、社会的に注目されていることを常に
意識し、公の場での行動に十分注意を払う必要があります。
〔関連法令〕
未成年者飲酒禁止法
刑法204条(傷害罪)
206条(現場助勢罪)
223条(強要罪)等
24
25
case.09
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case.10
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発行日:2016年8月31日 初版
発行者:公益財団法人日本財団パラリンピックサポートセンター
〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル4階
Tel 03-6229-3721 Fax 03-6229-3722
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URL www.parasapo.tokyo
監 修:大橋卓生(弁護士)
漫 画:三輪亮介(マンガ家・イラストレーター)
※本書内のマンガはフィクションです。
実在の人物、団体、事件などには一切関係がありません。
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