報 道 各 位 解禁日 平成22年 10月28日 社団法人 JA総合研究所 野菜・果物の消費行動に関する調査結果について ― 加速する野菜喫食量の減少・健康増進に不安 ― 当研究所では、平成20年1月より農畜産物の消費行動をテーマに全国の消費者を対 象とした Web 調査を実施しています。 調査の9回目として「野菜・果物の消費行動に関する調査」を今年7月に実施しまし た。このたび、調査結果の概要がまとまりましたので、ご報告いたします。 解禁日時:平成22年10月28日(木)14時 《添付資料》 野菜・果物の消費行動に関する調査結果の概要(プレスリリース) 社団法人JA総合研究所(略称:JA総研、所在地:東京都千代田区)は、平成18 年4月1日に発足したJAグループのシンクタンクです。主な活動として①JAの基本 課題に関する理論構築 ②活力あるJA運営の構築③農業・農村地域の活性化 につな がる調査研究を行っています。 会員は、JA全中をはじめとするJA全国機関9団体、JA都道府県中央会、JA・ 連合会などです。 <本件に関するお問合せ先> 東京都千代田区一ツ橋2-4-3 光文恒産ビル7階 社団法人 JA総合研究所 基礎研究部 主任研究員 藤本恭展 ℡ 03-5214-0827 ※なお、本資料は「農政クラブ」「農林記者会」「農協記者クラブ」および日頃お付 き合いのある報道機関の関係各位等に配布します。 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 ~野菜・果物の消費行動に関する調査結果 2010年調査 ■調査方法 インターネットリサーチ ■調査地域 全 国 ■調査主体 社団法人 JA総合研究所 ■実施機関 株式会社 インテージ ■調査日時 2010 年 7 月 23 日(金)~7 月 27 日(火) ■調査対象 全国の主婦・単身者男女 ■有効回答者数 インテージ・ネットモニター会員 n=1,302 合計 主婦 の概要~ 単位:人(構成比%) 単身女性 単身男性 20代以下 149 (11.4) 53 (6.1) 45 (21.0) 51 (23.0) 30代 235 (18.0) 170 (19.6) 33 (15.4) 32 (14.4) 40代 355 (27.3) 287 (33.1) 34 (15.9) 34 (15.3) 50代 276 (21.2) 211 (24.4) 33 (15.4) 32 (14.4) 60代 169 (13.0) 95 (11.0) 37 (17.3) 37 (16.7) 70代以上 118 (9.1) 50 (5.8) 32 (15.0) 36 (16.2) 1,302 (100) 866 (100) 214 (100) 222 (100) 合計 (100) (66.5) (16.4) (17.1) 【エリア区分】 北海道 東 北 (青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島) 北関東 (茨城、栃木、群馬) 京 浜 (埼玉、千葉、東京、神奈川) 甲信越・北陸(新潟、富山、石川、福井、山梨、長野) 東 海 (岐阜、静岡、愛知、三重) 京阪神 (滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山) 中国・四国 (鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知) 九 州 (福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄) 【分析・報告書作成】 JA総合研究所 基礎研究部 主任研究員 藤本 恭展 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved 2 報道発表資料 Press Release 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp JA総合研究所 基礎研究部では、研究テーマのひとつとして、生産農家等の生産・販 売計画策定の参考となるデータを提供するため、農畜産物に関する消費者の購買行動・ 食品に関する知識・嗜好などを調査・分析しています。 これまでに公表した調査報告: ①「米の消費行動に関する調査報告」 (平成20年 3月公表) ②「野菜の消費行動に関する調査報告」 (平成20年 6月公表) ③「米の消費に関する調査報告」 (平成20年10月公表) ④「肉の消費行動に関する調査報告」 (平成20年11月公表) ⑤「果物の消費行動に関する調査報告」 (平成21年 2月公表) ⑥「米の消費行動に関する調査報告-2009 年調査-」 (平成21年 6月公表) ⑦「野菜の消費行動について」 (平成21年 8月公表) ⑧「野菜・果物の消費行動に関する調査報告」 (平成21年10月公表) ⑨「畜産物等の消費行動に関する調査報告」 (平成22年 3月公表) ⑩「米の消費行動に関する調査報告-2010 年調査-」 (平成22年 6月公表) 公表内容は、JA総研のホームページ(http://www.ja-so-ken.or.jp)でご覧いただけま す。 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved 3 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 調 査 結 果 の ま と め 【Web調査の有意性について】 調査結果のまとめに入る前に、ここでWeb調査の信頼性について触れておきたい。 「Web調査の回答者は深夜までパソコンでネットサーフィンをするなど基本的に夜型 タイプであり、朝食を取らない割合は高くなるはずだ」とか、 「Web調査でのネットス ーパー利用率は高くなる」などと言われることがある。 一昔前であれば、それも正しかったかもしれない。しかし、2010 年3月末現在のパソ コン普及率は 74.6%と、カラーテレビの 99.5%には及ばないものの、デジタルカメラの 普及率 71.5%よりも高い(注1)。およそ全世帯の4分の3にパソコンがある昨今、We b調査だからバイアスがかかる、という考え方はもはや当てはまらないのではないだろ うか。 例えば、当研究所の調査データと他者のデータを比較してみよう。2006 年3月にNH K放送文化研究所が配布回収法により実施した「NHK日本人の食生活調査」によると、 朝食を食べなかった人は全体の9%だった(注2) 。当研究所が 2010 年に実施した「米 の消費行動に関する調査結果」では、1週間の朝食7食のうち、全サンプルの欠食の平 均値は 0.67 食であり、0.67÷7=9.6%となる。NHKの調査は特定の日をとらえて聞 いているので単純比較はできないが、非常に近い数値となっている。また、20 代の欠食 率がNHK調査では 27%、同様の計算方式で当研究所のデータでは 30%(20 代以下)と これもほとんど差が無い。2006 年のNHK調査で報告されているように、欠食率が年々 上昇傾向にあることを考慮すると、さらに数値は近いものになると推測される。 また、2009 年 11 月に厚生労働省が発表した「平成 20 年国民健康・栄養調査結果」にお いても、朝食の欠食率が 20 代男性で 30.0%、20 代女性で 26.2%となっており、これも Web調査の有意性を裏付ける結果と推測される。ここでは一例を示したが、似通った 設問について、各機関が実施したWeb調査以外での調査結果が当研究所の調査結果と 同様の数値を示すものは多数ある。 パソコンの価格は年々低下し、通信事業者の競争激化により接続料金も低減化してい る。近年ではTVチューナーを内蔵したパソコンも多く販売されており、テレビとパソ コンの垣根自体が無くなりつつあるなか、今後パソコンの普及率はテレビ並みに上昇し、 Web調査の有意性はますます高まると思われる。 (注1)内閣府 主要耐久消費財等の普及率(一般世帯)(平成 22 年 3 月末現在) (注2)『崩食と放食 NHK日本人の食生活調査から』NHK放送文化研究所世論調査 部[編] 日本放送出版協会、2006 年 12 月 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved による 4 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 1.野菜・果物を食べない単身男性/野菜・果物の喫食感度 野菜や果物を食べている感度を4段階に分けて聞いたところ、野菜では 87.5%、果物 では 68.6%が『食べる方』 (「よく食べる方だ」+「まあ食べる方だ」)と回答している。 野菜に比べると果物を食べる割合が少なく、果物は「嗜好品」ととらえられていること がうかがえる。 また、前回(2009 年)調査と比較すると、「あまり食べない方だ」の割合が増加して おり、特に果物にその傾向が大きい。この傾向は野菜では主婦、果物では単身男性が顕 著である。これまでの調査でも主婦と単身男性は商品価格に敏感であり、当調査が 2010 年7月に実施していることから、記録的な猛暑による野菜・果物価格の高騰の影響も無 視できないと思われる。 年代別に見ると、野菜・果物とも「あまり食べない方だ」の割合が若年層ほど高くな っており、前回調査よりもその比率は高くなっている。これは健康面で危惧される要素 である。 図1 野菜の喫食感度(2010/2009 対比) 野菜の喫食感度 0 Total n=1,286(2009) Total n=1,302(2010) 20 単身女性 n=189(2009) 単身女性 n=214(2010) 60 50.4 100 % 80 39.3 45.9 41.6 54.4 主婦 n=914(2009) 主婦 n=866(2010) 40 9.6 11.7 0.8 39.6 49.7 5.6 0.4 41.5 46.6 36.5 40.7 46.7 0.8 8.4 0.5 14.8 12.1 2.1 0.5 単身男性 n=183(2009) 34.4 40.4 24.0 1.1 単身男性 n=222(2010) 36.5 37.4 23.9 2.3 まあ食べる方だ あまり食べない方だ よく食べる方だ Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved 食べない方だ 5 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 図2 果物の喫食感度(2010/2009 対比) 果物の喫食感度 0 20 Total n=1,286(2009) 33.6 Total n=1,302(2010) 31.3 主婦 n=914(2009) 31.6 単身女性 n=189(2009) 30.2 単身男性 n=183(2009) 単身男性 n=222(2010) よく食べる方だ 60 26.1 まあ食べる方だ 2.0 27.8 38.5 3.5 23.6 40.3 1.5 25.8 38.6 34.6 41.0 28.4 100 % 25.5 37.3 35.5 23.5 80 38.9 36.3 主婦 n=866(2010) 単身女性 n=214(2010) 40 2.3 27.5 3.7 25.2 4.7 2.7 32.8 7.2 38.3 あまり食べない方だ 食べない方だ 2.前回調査よりも減少/野菜・果物を食べる頻度 では、実際の野菜・果物の喫食頻度はどうなっているか? 野菜や果物を食べる頻度を具体的に聞いた。 野菜を「ほぼ毎日」食べる人は全体で 65.1%と前回調査より 6.8 ポイント減少した。 単身女性では若干増加しているものの、主婦が 7.1 ポイント、単身男性が 5.7 ポイント と大きく減少している。特に単身男性が前項の設問で「あまり食べないほうだ」と回答 した比率が前回調査と殆ど変わらないにもかかわらず、実際の喫食頻度は端的に減少し ており、感覚と実態のずれが大きい結果となっている。 果物を「ほぼ毎日」食べる人は、全体で 27.9%と前回調査より 1.7 ポイント減少した。 これは単身層では若干増加しているものの、主婦での3ポイント減少が大きく影響して いる。ここでも単身男性では「週に1日未満/食べない」人の割合が前回調査の 30.0% から 42.4%と大幅に増加しており、単身男性の果物を食べない傾向が顕著になっている。 この点、果物では単身男性の「果物を食べないほうだ」の割合の増加と実際の喫食頻度 の減少の程度がほぼ一致している。また、単身女性は全体的に果物の喫食頻度が増加し ている。 野菜・果物の加工品は、生鮮品と比べて喫食頻度がかなり低く、どの加工品も「週に 1日未満」が5割前後を占めている。この傾向は前回調査と比較しても大きな差は無い が、ジュース類、特に果物ジュースの喫食頻度が減少しているように見受けられる。 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved 6 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 図3 野菜の喫食頻度(2010/2009 対比) 野菜の喫食頻度(n=全員) 0 20 40 65.1 TOTAL n=1,302(2010) 79.9 主婦 n=914(2009) 72.8 主婦 n=866(2010) 単身女性 n=189(2009) 56.6 単身女性 n=214(2010) 57.5 ほぼ毎日 週に2~3日 週に1日未満/食べない 8.6 17.1 13.5 42.4 単身男性 n=222(2010) 100 5.5 12.0 19.1 15.3 48.1 単身男性 n=183(2009) 80 2.3 11.4 7.7 6.7 3.5 8.0 13.0 10.4 4.0 1.5 5.3 9.3 2.4 12.5 6.9 5.3 3.2 7.9 14.3 18.0 2.3 8.4 17.3 14.5 71.9 TOTAL n=1,286(2009) % 60 18.6 週に4~5日 週に1日 図4 果物の喫食頻度(2010/2009 対比) 果物の喫食頻度(n=全員) 0 20 TOTAL n=1,286(2009) 29.6 TOTAL n=1,302(2010) 27.9 40 29.4 単身女性 n=189(2009) 29.1 単身男性 n=183(2009) 7.9 単身男性 n=222(2010) 23.1 19.0 10.3 11.5 18.5 6.8 26.8 17.1 25.1 13.7 16.1 13.5 13.2 18.7 19.7 30.8 10.3 29.0 15.3 15.3 100 20.3 13.3 22.5 14.3 16.4 13.8 21.4 15.3 31.7 80 22.6 12.4 主婦 n=866(2010) 単身女性 n=214(2010) 60 13.7 32.4 主婦 n=914(2009) % 30.0 42.4 ほぼ毎日 週に2~3日 週に1日未満/食べない 週に4~5日 週に1日 図5 野菜・果物の加工品の喫食頻度(2010/2009 対比) 野菜・果物の加工品の喫食頻度 20% 40% 0% 野菜サラダ(2009) 5.0 3.1 7.8 11.0 5.4 3.7 8.9 1.4 カットフルーツ(2009) 1.9 4.3 7.8 1.3 カットフルーツ(2010) 2.0 4.8 8.1 9.7 野菜サラダ(2010) 野菜ジュース(2009) 12.5 6.5 13.7 野菜ジュース(2010) 12.3 6.9 13.4 果物ジュース(2009) 果物ジュース(2010) ほぼ毎日 7.3 5.1 4.6 5.5 週に4~5日 15.4 12.8 80% 100% 53.5 19.6 51.5 20.8 55.6 29.1 55.4 28.4 12.5 10.9 13.1 42.4 44.1 51.6 14.4 週に2~3日 60% 53.9 週に1日 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved 週に1日未満 12.4 12.4 8.0 8.3 全く食べない/飲まない 7 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 3.前回調査より明らかに増加/野菜不足を感じる程度 日頃の食生活の中で自分自身は「野菜不足」だと思うか、 4段階に分けて聞いたところ、 「野菜不足」と思う人は 18.0%で、 「野菜は不足気味」だと思う人(41.4%)と合わせて 約6割の人が野菜の摂取量が不足だと回答している。これは前回調査と比較し、不足の 割合が若干増加している。また、喫食頻度で見ると、低い人は当然だが、喫食頻度が高 くても「野菜不足」と思う人が多い結果になっている。 属性別に見ると、主婦(13.3%)、単身女性(22.9%)、単身男性(31.5%)の順に「野 菜不足」と思う割合が高くなっており、野菜の喫食頻度が増えている単身女性以外は、 不足と思う割合が前回調査よりも増加している。年代別に見ても、年代が低いほど「野 菜不足」を感じている人が多くなっている。 図6 「野菜不足」を感じる程度(属性・喫食頻度)(2010/2009 対比) 「野菜不足」を感じる程度(n=全員) 0 20 40 % 60 80 100 Total n=1,286(2009) 9.8 32.0 Total n=1,302(2010) 10.2 30.4 主婦 n=914(2009) 10.1 35.1 43.1 11.7 主婦 n=866(2010) 11.1 33.7 41.9 13.3 単身女性 n=189(2009) 8.5 単身女性 n=214(2010) 9.3 単身男性 n=183(2009) 9.8 27.0 15.7 18.0 40.7 29.0 23.8 38.8 21.3 7.7 単身男性 n=222(2010) 42.5 41.4 22.9 41.5 18.9 27.3 41.9 31.5 【喫食頻度】 13.9 ほぼ毎日 n=848 1.8 0.7 週に2~3日 n= 135 38.9 9.3 56.8 8.1 7.3 週に1日以下 n=150 37.9 20.1 週に4~5日 n=169 21.3 51.9 20.0 39.3 28.7 「野菜不足ではない」 「野菜は不足気味」 44.0 「野菜は不足していない方」 「野菜不足」 図7 「野菜不足」を感じる程度(年代別) 日頃の食生活の中で「野菜不足」を感じる程度 0% TOTAL(n=1302) 20代以下(n=149) 30代(n=235) 40代(n=355) 50代(n=276) 60代(n=169) 70代以上(n=118) 20% 40% 18.0 60% 41.4 30.4 35.6 24.7 18.6 12.0 9.5 6.8 80% 42.3 30.2 35.6 「野菜不足」 「野菜は不足していない方」 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved 10.2 4.7 6.8 9.0 10.9 17.2 16.1 17.4 23.4 45.1 42.3 46.0 100% 30.1 31.2 43.2 41.5 「野菜は不足気味」 「野菜不足ではない」 8 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 4.全体で減少/野菜・果物の買い物1回当たりの購入金額 1回の買い物で野菜・果物をいくらぐらい購入するか聞いた。 ■野菜 500 円までが圧倒的に多く、全体で 61.9%、単身者では 7 割前後となっている。 平均購入金額は 681 円で、前回調査の 726 円から大きく減少している。 ■果物 野菜にも増して 500 円までの割合が大きく、全体で 82.6%を占めている。平均購 入金額は 467 円で、前回調査の 488 円から減少している。 図8 野菜の買い物1回あたりの購入金額と購入平均単価の推移 買 い物1回あた りの購入金額 (野菜) (円) (%) 80 野菜の購入金額の平均の推移 1000 72.7 69.2 800 57.8 735 681 61.9 60 782 726 600 627 544 587 526 400 40 200 31.0 28.5 24.0 0 22.5 TOTAL 20 9.6 8.3 6.7 1.7 1.2 主婦 単身女性 2009 2010 単身男性 4.3 0.0 0.5 単身女性(n=208) 単身男性(n=187) 0 TOTAL(n=1240) 主婦(n=845) ~500円 ~1000円 ~2000円 ~3000円 図9 果物の買い物1回あたりの購入金額と購入平均単価の推移 買い物1回あたりの購入金額(果物) (円) (%) 600 100 82.6 82.0 488 86.5 81.8 75 400 50 200 25 果物の購入金額の平均の推移 14.9 2.4 2.3 484 460 442 399 385 0 15.7 15.3 516 467 TOTAL 11.8 2.5 1.7 主婦 2009 単身女性 単身男性 2010 0 TOTAL(n=1210) ~500円 主婦(n=834) ~1000円 単身女性(n=198) 単身男性(n=178) ~2000円 ~3000円 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved ~4000円 9 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 5.主婦・高年齢ほど多い「国産派」/野菜購入時の選択基準・選択理由 野菜購入時の国産・輸入品の選択基準を聞いたところ、トータルでは「値段に関わら ず必ず国産を選ぶ」が 35.8%、「許容範囲の価格差であれば国産を選ぶ」が 39.7%とな っており、これを合計すると 75.5%が「国産派」といえるだろう。 属性別には、 「国産派」は主婦が 80.8%と一番多く、子どもなど家族に食べさせること を考慮してと思われる。年代別には、「値段に関わらず必ず国産を選ぶ」人は 20 代以下 では 20.1%と最も低いが、年代が上がるごとに増加し、70 代以上では 54.2%に達する。 また、「値段に関わらず必ず国産を選ぶ」「許容範囲の価格差であれば国産を選ぶ」と 答えた人に、その理由を聞いたところ、国産を選ぶ理由はトータルで「安全」(88.0%) 「新鮮」(49.7%)「品質」(48.6%)「味」(27.9%)となっている。 注目すべきは「近くでできたものを食べた方が健康によいと思うから」 (25.4%) 、「日 本の農業を守らなければいけないと思うから」 (21.2%)を高い比率で「味」の次に挙げ ている点で、こうした問題に対する消費者の意識は高いと言えよう。 図10 野菜購入時の国産・輸入品の選択基準 野菜購入時 の選択基準 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0.2 TOTAL(n=1302) 35.8 38.7 主婦(n=866) 単身女性(n=214) 単身男性(n=222) 39.7 18.7 42.1 32.7 15.9 36.9 27.5 20.6 32.9 0.2 3.0 0.0 9.8 27.9 値段に関わらず必ず国産を選ぶ そのとき安いほうを選ぶ そのときの用途・気分で選ぶ 5.5 0.5 11.3 許容範囲の価格差であれば国産を選ぶ 値段に関わらず必ず輸入品を選ぶ 図11 国産野菜の選択理由 国産野菜の選択理由(MA)【ベース:国産選択者(n=983)】 (% ) 0 20 40 60 80 安全だと思うから 49.7 新鮮だと思うから 27.9 味が良いと思うから 近くでできたものを食べた方が健康によいと思うから 25.4 21.2 日本の農業を守らなければいけないと思うから 食料自給率を上げる必要があると思うから 栄養成分が高い(輸送で失われていない)と思うから 88.0 48.6 品質が良いと思うから 15.4 11.1 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved 10 報道発表資料 Press Release 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 6.食材購入が 1 か所で済むスーパーがトップ/野菜をその購入先から買う理由 野菜を購入している人に、購入先の1番目にあげた購入先について、どういう理由で そこで買うのかを聞いたところ、立地・売り方などの項目でのトップは「野菜以外の食 材の買い物も 1 か所で済むから」 の 81.9%で、 購入先別には 「スーパー/量販店」 が 92.1% と飛びぬけている。次いで、「近所・通り道にあるから」(31.0%)、「食品以外の日用品 や衣料品の買い物も 1 か所で済むから」 (27.6%)となっている。 購入先別の強みとしては「信頼できるお店だから」が「食材宅配業者」 (50.0%) 、「生 協」(46.6%)、「農協」(35.7%) 、 「青果専門店」(26.8%)などに特徴が見られる。品揃 えではスーパーに譲らざるを得ないが、 「信頼感」は大きな武器であり、強みをより強化 することが今後の店舗展開の大きなヒントになるのではないか。品揃え・品質・価格な どの項目でのトップは、「日常食べる野菜がひととおり揃うから」(35.7%)で、購入先 別には「農協」(64.3%)、「スーパー/量販店」 (37.0%)、「生協」(34.5%)の割合が高 い。次いで「通常の販売価格が安いから」(17.5%) 、「品質が良い割には、手ごろな価格 だから」(17.2%)など、品質を追求しながら、低価格志向の項目が上位になっている。 表1 野菜の購入先の選定理由 (単位:度数・%) 属性 1番目の購入先 農 産 物 直 ら売 直所 接/ 生 産 者 か TOTAL(回答者数) 野菜以外の食材の買い物も一か所で済むから 近所・通り道にあるから 食品以外の日用品や衣料品の買い物も一か所で済むから ポイント制度があるから チラシがよく入るから/チラシが見やすいから 商品の回転が速いから/古いものを置いていないから 時間に関係なく購入できる/買い物の手間が省けるから 信頼できるお店だから 1個売りや少量パックが充実しているから 商店街の中のお店で便利だから 他にお店が無いから 農家開設のお店/農家・生産者の直売のお店だから 古くからなじみのお店だから 商品説明や調理法・食べ方・食べ頃を教えてくれるから 野菜BOX(旬の野菜詰合せ)で購入できるから 試食ができるから 日常食べる野菜がひととおり揃うから 通常の販売価格が安いから 品質が良い割には、手頃な価格だから 特売価格やタイムサービス価格が安いから 低価格の割には、品質が良いから 品質が良いから 地元の生産者が作った野菜が購入できるから 栽培した人の名前や顔がわかる野菜を購入できるから 見切り品の値引き幅が大きいから/見切りが早いから 特定の産地・生産者の産直コーナーがあるから 同じ野菜でも産地や栽培方法、品種を色々と選べるから 国産の野菜しか扱っていないから 有機栽培や特別栽培の野菜を購入できるから 栽培の過程(生産履歴)がわかる野菜を購入できるから 新しい品種や珍しい野菜を購入できるから 高級なブランド野菜を購入できるから その他 58 70.7 8.6 20.7 22.4 13.8 12.1 22.4 46.6 6.9 1.7 5.2 6.9 3.4 3.4 6.9 1.7 34.5 0.0 20.7 1.7 5.2 25.9 13.8 19.0 0.0 17.2 3.4 22.4 17.2 15.5 1.7 0.0 0.0 56 7.1 32.1 3.6 1.8 1.8 17.9 1.8 26.8 7.1 19.6 1.8 3.6 14.3 8.9 0.0 0.0 32.1 37.5 23.2 10.7 41.1 16.1 14.3 0.0 5.4 1.8 3.6 5.4 0.0 0.0 1.8 0.0 1.8 57 5.3 3.5 0.0 1.8 0.0 28.1 0.0 15.8 8.8 0.0 0.0 52.6 0.0 1.8 0.0 0.0 21.1 24.6 33.3 1.8 28.1 31.6 63.2 36.8 3.5 15.8 7.0 22.8 12.3 3.5 3.5 0.0 0.0 単 身 女 性 単 身 男 性 1,240 81.9 31.0 27.6 21.4 17.6 12.9 12.8 12.3 11.8 5.6 4.2 4.0 2.3 2.0 1.3 1.0 35.7 17.5 17.2 16.5 14.8 11.0 10.2 7.8 6.9 6.5 3.5 3.4 2.8 2.3 2.0 0.4 1.1 845 81.3 29.3 28.3 23.1 20.8 13.8 12.1 13.3 9.9 5.2 3.8 4.6 2.1 1.9 1.4 1.3 36.6 17.9 18.9 18.6 15.0 12.8 11.2 8.6 6.7 7.9 3.0 3.8 3.2 2.2 2.4 0.5 1.2 208 81.3 39.9 28.8 21.6 11.1 13.5 15.4 11.1 18.3 7.2 7.2 2.4 3.4 1.9 1.0 0.5 37.0 16.8 14.4 12.0 14.4 9.1 12.0 8.2 6.7 4.8 5.8 4.3 3.8 4.3 1.9 0.5 1.0 187 1,027 85.6 92.1 28.3 33.7 23.0 31.7 13.4 23.4 10.2 19.9 8.0 11.7 13.4 13.5 9.1 8.4 12.8 12.4 5.3 5.5 2.7 4.4 2.7 0.8 2.1 1.6 2.7 1.5 1.1 1.0 0.5 1.1 30.5 37.0 16.6 17.5 12.3 15.3 11.8 18.9 14.4 13.2 5.3 7.6 3.7 6.4 3.7 5.6 8.0 7.8 2.1 5.1 3.7 3.4 0.5 0.6 0.0 1.2 0.5 1.1 0.5 1.6 0.0 0.3 1.1 1.2 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved ー ) № 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 主 婦 ー 購入先別欄の網掛け:30%以上 ー ッ 野菜の購入先(1番目)の選定理由 T O T A L 食 材 宅 配 業 者 共 同 購 入農 ・協 宅 配 含 コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア 等 左 記 以 外 の 購 入 先 8 50.0 0.0 0.0 12.5 0.0 12.5 37.5 50.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 12.5 25.0 0.0 0.0 0.0 12.5 0.0 0.0 62.5 12.5 37.5 0.0 0.0 12.5 25.0 50.0 25.0 37.5 0.0 12.5 14 57.1 42.9 7.1 35.7 28.6 7.1 7.1 35.7 14.3 0.0 14.3 28.6 14.3 0.0 0.0 0.0 64.3 7.1 42.9 7.1 21.4 21.4 42.9 7.1 7.1 50.0 0.0 14.3 0.0 7.1 0.0 0.0 0.0 4 75.0 75.0 0.0 50.0 0.0 0.0 0.0 0.0 25.0 25.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 25.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 16 43.8 25.0 6.3 12.5 6.3 31.3 12.5 37.5 18.8 0.0 6.3 6.3 6.3 6.3 0.0 6.3 25.0 0.0 31.3 6.3 18.8 56.3 12.5 25.0 0.0 12.5 0.0 18.8 12.5 25.0 12.5 12.5 0.0 ) 青 果 専 門 店 ・ 八 百 屋 ( 共 同 購 入生 ・協 宅 配 含 ー ) ( ( 含ス ネ パ ト ス/ 量 パ販 店 11 報道発表資料 Press Release 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 7.まとめ 今回の調査結果を見ると、全体的に「野菜・果物」の喫食頻度や摂取量が減少している ように見受けられるし、「野菜不足」「果物不足」と感じる割合も高くなっている。 記録的な今夏の猛暑などによる野菜・果物の収穫量の減少は、野菜・果物の大幅な価 格高騰を招いた。2008 年のリーマン・ショック以降の長期的な不況に追い討ちをかける ような状況が野菜・果物の消費意欲を削いでいることは間違いないが、ただでさえ欧米 に比較して少ないといわれる野菜・果物の摂取量がますます減少すれば、国民の健康そ のものに悪影響が出かねない。 また、消費の減少や低価格志向は生産者の生産意欲の低下にもつながり、政府の掲げ る食料自給率目標 50%の達成にも暗い影を落とすことになる。 調査の結果では、厚生労働省が掲げる「健康日本 21」の野菜摂取目標である1日 350 gに届いていない人が多い。また、「野菜不足ではない」理由を聞いた調査結果の前回と の比較から、摂取目標重量の認知率の低下も推測される。 政府や農業団体、野菜・果物の流通・販売に携わる各企業、外食産業なども含めて、 野菜・果物の消費意欲を喚起し、摂取頻度・量の増加を図ることが喫緊の課題といえよ う。 また、食料自給率向上の観点からすると、食材を自分で購入する場合は自由に国産ま たは輸入品を選択できるが、中食・外食では表示・開示されない限り消費者に選択肢が 無い。アンケート結果が示すように 75.5%の消費者が「国産派」だとすれば、使用され る食材が国産か輸入品か開示されれば、国産食材を使用した中食商品や外食の料理を選 択する可能性も高まると思われる。国民全体でこうしたコンセンサスを形成していくこ とも、今後重要となるのではないか。 Copyright 2010 JA General Research Institute. All Rights Reserved 12 報道発表資料 Press Release 2010 年 10 月 28 日(木)14 時 解禁 東京都千代田区一ツ橋 2-4-3 光文恒産ビル7階 URL http://www.ja-so-ken.or.jp 調査報告書 目 次 ページ 1.単身男性が野菜嫌いに?/野菜や果物の好き嫌い································································ 10 2.野菜・果物を食べない単身男性/野菜・果物を食べる感度··················································· 11 3.前回調査よりも減少/野菜・果物を食べる頻度········································································· 12 4.もっと食べる必要があると自覚/野菜・果物を食べる頻度や量に対する満足度············ 14 5.やはり「安くなれば」がトップ/野菜・果物をもっと食べるようになるきっかけ ···················· 15 6.前回調査より明らかに増加/野菜不足を感じる程度······························································· 16 6.-1 「野菜は不足していない」と思う理由···················································································· 17 6.-2 「野菜は不足している」と思う理由························································································· 18 6.-3 楽な方向に走り気味?/「野菜不足」の解消方法·························································· 19 7.前回調査より頻度が減少/野菜・果物の買い物の回数 ························································· 20 8.全体で減少/野菜・果物の買い物1回当たりの購入金額 ······················································ 21 9.約4割がいくらまでと決めている/食料品等の買い物の予算を決めているか················· 22 9.-1 殆どが食料の予算を減らしている/買い物の予算を増やした?減らした? ············ 23 9.-2 「節約ペース」が定着?/買い物予算と実際の支出······················································ 24 10.スーパーマーケットがダントツ/野菜の購入先········································································ 25 11.野菜よりも青果専門店・八百屋が健闘/果物の購入先······················································· 26 12.食材購入が1か所で済むスーパーがトップ/野菜をその購入先から買う理由············· 27 12.-1 「栽培した人の顔がわかる」も重視/果物をその購入先から買う理由 ················· 28 13.どちらもトップは「鮮度」/野菜・果物の購入に際して重視している点 ······························ 29 13.-1 トップは「味」/野菜・果物ジュースの購入に際して重視する点······························· 30 13.-2 トップは「価格」/カット野菜・冷凍野菜の購入に際して重視する点 ······················· 31 13.-3 加工食品は「味」/野菜・果物の加工食品の購入に際して重視する点················ 32 14.料理をしない人が増加/1日の調理で使用した野菜・買い置きのある野菜 ·················· 33 14.-1 単身男性はニンジン嫌い?/調理に使用した野菜・買い置きのある野菜 ·········· 34 15.買置き割合は減少/調理に使用した加工野菜・買い置きのある加工野菜 ··················· 35 16.主婦・高年齢ほど多い「国産派」/野菜購入時の選択基準 ················································ 36 17.求めるものは「安全」「新鮮」「品質」「味」/国産を選ぶ理由················································ 37 18.MAX5割か?/国産野菜を選ぶ価格差の許容範囲···························································· 38 19.前回調査より若干減少/野菜の栽培状況 ··············································································· 39 20.総じてプラスイメージ/食卓に果物がある風景に対するイメージ······································ 40 21.桃がトップ/好きな果物は? ········································································································· 41 ※上記目次の内容はJA総合研究所の会員向け調査報告書に掲載しています。報告書本冊を ご希望の方は、JA総合研究所 基礎研究部まで、ご連絡ください。 Copyright 2010 JA General Research Institute. 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