377 Tok ushim a No. up k c i P e ws N は 記事 関連 ∼ P8 徳島ビジネスチャレンジメッセ 2014でのセミナー開催 The Business Information of 平成26年10月9日(木)から11日 ( 土 )まで開 催された徳 島ビジネス チャレンジメッセ2014では、多数 のセミナーが行われました。 今月号では、プロトコールセミナー、 とくしま経済飛躍サミットの様子をお 届けします。 C ontents 02 04 06 08 10 16 18 20 22 巻頭カラー特集 阿波おどりロボットを開発して ㈱ジェイテクト 徳島の企業 阿波證券㈱ 経営革新にチャレンジ 企業情報 ㈱マナベ商事 講演録 プロトコールセミナー とくしま経済飛躍サミット紹介 徳島デザインフォーラム2014 徳島発!ベンチャー企業の創出に向けて レポート ものづくり新技術展示商談会 in MAZDA 徳島県よろず支援拠点便り アジア展望 ∼上海事務所だより∼ とくしま 12 ものづくり基盤技術「高度化」への挑戦 四国化工機㈱ 公益財団法人 とくしま産業振興機構 2014 December 月号 URL : http://www.our-think.or.jp/ E-mail : [email protected] 巻 頭 カ ラ ー 特 集 阿波おどりロボットを開発して 株式会社ジェイテクト 株式会社ジェイテクトでは、同社の持つ先端技術を駆使し、阿波おどりの複雑な動きを再現する 「阿波おどりロボット」を開発されました。阿波おどり本番や徳島ビジネスチャレンジメッセで も披露された同ロボットについて、開発のきっかけ等をご紹介します。 開発のきっかけ ロボット技術は 2014 年 6 月に改訂 お披露目 初お披露目は、 今夏の阿波おどり本番。 された「日本再興戦略」において「新 両国橋南おどり広場において、多くの たな産業革命を実現する」戦略的な分 観衆の元、初日は飯泉徳島県知事率いる 野に位置づけ(徳島県科学技術振興計 とくしま連と共演、翌日は徳島工場で結 画においても戦略的推進分野の一つ)。 成するジェイテクト連と共演。また、10 ジェイテクトでは、技術革新に向け 月に開催された徳島ビジネスチャレンジ て、要素技術の研究と技術進化のため メッセでも、踊りを披露。飯泉県知事よ の知見の蓄積を推進しており、一昨 り知事感謝状をいただいた。 年の秋には、階段昇降ロボット「昇 ろっと」を日本国際工作機械見本市 (JIMTOF2012)に出展。 終わりに 当社は、徳島県や阿波おどりに関係 70 年前からお世話になっている徳 が深く、1991 年には徳島市と県内企 島県の皆様に、当社の活動が少しでも 業が主体となって開発した空圧式の阿 お役に立てるように今後も頑張ってま 波おどりロボット『オドロット』にも いります。 参画。当社の保有技術と『昇ろっと』 オドロット ’91 の知見と合わせ、フラッグシップ(当 社の技術シンボル)となるような、阿 波おどりロボット『すだちくん』の開 発を徳島県とともに着手。 阿波おどりロボット 『すだちくん』の開発 開発推進にあたり、『昇ろっと』開 発で培われたバランス技術を更に高 め、阿波おどりの二拍子の速いおどり においても、安定した二足歩行の実現 を目指した。 また、 「阿波おどりらしさ」を追求す る上で、徳島大学病院のご協力のもと、 徳島を代表する踊り手、娯茶平連の岡 連長の踊りをモーションキャプチャー で取り込み、振り付けに反映。軽快な リズム・テンポ、滑らかかつ躍動感の ある足さばき・手さばきを表現した。 2 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 阿波おどりロボット 「すだちくん」 階段昇降ロボット(NOBOROT、昇ろっと)’12 阿波おどりロボットを開発して 株式会社ジェイテクト 徳島ビジネスチャレンジメッセ 阿波おどり本番(両国橋南おどり広場) 株式会社ジェイテクト徳島工場 株式会社ジェイテクト 徳島工場 受け、軸などを支持する部品であ ジェイテクトは、世界でも類の 徳島工場は、当初徳島市庄町で り、自動車の車軸やエンジン、産 ない工作機械事業をもつ機能部 昭和 19 年に操業開始をし、昭和 業機器、医療用機器、家庭用機器 品 メ ー カ ー で あ る。 従 業 員 数 は 38 年に現在の板野郡藍住町に移り など、軸受けはあらゆる製品の「動 11,015 名で名古屋と大阪に本社 現在に至っている。 く」を支え、あらゆる産業におい を置く。 工場の敷地面積は約 15 万 3 千 てなくてはならない存在である。 1921 年に設立した軸受けメー 平方メートル、延べ床面積は 7 万 徳島工場では、自動車を中心に カーの光洋精工株式会社と、1941 1,024 平方メートルに及び、月産 OA 機器や産業機器まで多種多様な 年に設立した工作機械メーカーの 1,300 万個のベアリングを製造、 軸受を生産しており、生産システ 豊田工機株式会社が 2006 年に合 出荷している。 ムにおいては設備の合理化、近代 併し、株式会社ジェイテクトが誕 生した。 軸受事業や工作機械事業で培っ 徳島工場はベアリングの製造を 行う工場である。 ベアリング(bearing)―。 た基盤技術を進化させ、それらと 「ベア(bear) 」は英語で「支 ステアリング事業と駆動事業の技 える」という意味で、回転や往復 術を融合させ、安全で安心快適な 運動する相手部品に接して荷重を 化を積極的に進めて、生産の更な る効率化を図っている。お客様か らの期待を超える軸受けをつくり 続け、さまざまな条件で使用され るベアリングを製造している。 製品を提供している。 軸受に 90 年以上の歴史を持つ ジェイテクトは、日々技術を磨き、 皆さまの暮らしと世界の産業を支 えている。 コーポレートメッセージは ―Value & Technology 技に夢を求めて 価値ある技術 をあなたのもとへ であり、モノづくりを通して人々 の幸福と豊かな社会づくりに貢献 をしている。 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 3 阿波證券株式会社 は人である」という考えから、顧客の 気持ちを理解し、よき相談相手となる ために、社員の人間力向上にさらに力 を入れている。 顧客が求めているのは専門的な知識 だけではない。投資をする背景には一 人一人異なった思いがあり、それを把 握し親身になって相談を受けるために は、当社では「人間力」と呼んでいる 教養が必須であると考えている。人間 力は一朝一夕で手に入るものではなく 日々積み重ねられていくものであると いう考えのもと、顧客の信用・信頼を 本店営業部外観 株式投資を通じて 県民の夢を実現 得るために、誠実さ、ひたむきさ、そ 呼ばれる低成長期という厳しい状況の して顧客の役に立つことを常に考える 中、2001(平成 13)年に伊勢正見氏 姿勢を持って仕事に取り組んでいる。 が 5 代目社長として就任した。 阿波證券株式会社は、徳島市に本部 低金利の長期化や多様な投資商品の を置き県内外に 7 店舗を展開する証券 登場に伴い、お客様の資産運用のニー 会社である。 ズも多様化する一方、インターネット 多様化するニーズに 応える研修・資格取得 創業は、第二次世界大戦が幕を閉じ 専業の取引業者や銀行等の金融機関で 投資対象が新興国やエネルギー関連 て間もない 1948(昭和 23)年のこと の投資信託販売拡大等、証券・金融業 である投資信託や世界各国の外国債券 で、これは戦争により停止されていた 界が大きく変化する中で、地方証券と など、当社において取り扱う商品が大 証券取引所の売買再開に合わせたもの してのお客様への価値提供を重要課題 幅に多様化したことに伴い、必要とさ であった。現社長である伊勢正見氏の として事業活動を行っている。 れる商品知識も増え、そのための社内 祖父も創業メンバーの一員であった。 戦後の混乱した状況の中で、「株式 投資を通じて県民の夢を実現する」を 経営理念として、堅実な経営を基本方 針としてきた当社は、1964(昭和 39) 顧客の一番近くに 寄り添える存在に 地方証券会社の存在意義について、 勉強会も増えてきている。その際は、 外部から講師を招いて専門知識を習得 する。 当社では、そうして得た知識を活用 し、お客様への情報発信する場として、 年後半から 1965(昭和 40)年にかけ 「認知度やブランド力では全国規模の 1週間に一度、営業所内でセミナー て起きた証券不況や、県内に多数あっ 大手証券会社にはかなわないし、手数 を実施している。社員が講師となっ た地方証券会社が 2 社にまで淘汰され 料の安さではネット証券にはかなわな て、今週の注目すべき材料や見通しに た 1968(昭和 43)年の登録制から免 い。しかし、地方証券会社である当社 ついて説明したり、相続・NISAと 許制への移行、日本経済を揺るがした は、地域に一番近いところにいて、投 いった興味・関心の高いテーマについ オイルショックなど様々な経済と株式 資を考えておられる 相場変動の波を乗り越えながら証券市 お客様が相談できる 場の拡大と共に着実な成長を続けてき 存在であり、地域の た。 中でお客様の役に立 1980(昭和 55)年以降、対面サー てる存在であり続け ビスの充実を目指して県内外へと店舗 ることを目指してい を展開し、各地域で店舗を構え、担当 る。」と社長は語る。 者の顔が見える証券会社として徳島県 元々当社にはこう 下における基盤確立と業容の拡大を進 いう価値観や風土が めた。 あったが、社長就任 その後、1990 年代初頭のバブル崩 後 に は、 「金融サー 壊やそれに続く「失われた 20 年」と ビスの基盤となるの 小学生を対象とした金融教育イベント 4 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 地域になくてはならない総合 金融サービス会社を目指して 徳島の 企 業 て、各営業所の担当者 が内容を考えて解説し 企 業 DATA ている。株式に強い社 代表取締役社長 員、投資信託に強い社 伊勢 正見 員といったそれぞれの カラーを活かしながら 会社概要 業務に当たっている。 知識の習得と併せて、 資格の取得にも力を入 れる。一定の役職以上 の社員にはファイナン シャルプランナー2級 本店営業部店内風景 ●会社名:阿波證券株式会社 ●所在地:徳島市寺島本町西1-5 ●設 立:昭和23年5月 ●資本金:1億円 ●従業員数:57名 ●電話番号:088-625-4800 ●F A X:088-625-9229 ●U R L:http://www.pawa.co.jp を求めており、取得を目指しやすい環 て、開発途上国の子どもに予防接種の 境作りの一環として、資格試験に合格 為の資金調達を行う「ワクチン債」を すると会社が経費負担する仕組みを構 取り扱ったり、本社周辺の清掃活動を 築している。ファイナンシャルプラン 実施している。運用成果に加えて社会 ナー2級だけでなく、難易度の高い1 貢献を加味した金融商品の提案や地域 社を選んでいただける理由は、お客様 級や証券アナリストといった資格への との触れ合いといった活動が、社員同 の大切な資産を預かる当社の社員が、 挑戦も推奨している。これは多様化す 士のつながりに好影響を与えると当社 お客様の良き相談相手として親身に寄 るお客様のニーズに合わせた情報提 では考えている。 り添い、知識だけではなく誠意を持っ 供、提案、アフターケアができる社員 てお客様の気持ちを理解するよう努め の育成が当社にとって必須だと考えて いるからだ。 電子化に向けた取り組み 風通しの良い 組織風土を育む 社内業務において紙ベースの書面に よる業務が多くあるが、業務効率化を ているからだと分析している。そのお かげで社員が異動で営業所が変わる場 合でも、お客様から当時の担当者にお 声がけいただくことが増えている。 目的として社内決裁書類や各種帳票 当社は、単に運用成果を出すだけで 類、注文伝票等、業務書類の電子化を なく、お客様の資産配分についてアド 当社には、県内に6つと県外に1つ 進めている。現在、タブレット端末を バイスしたり、リスク商品についての の営業所があり、これまでは異なる営 利用した営業活動について、様々な業 詳細な説明やタイムリーな情報提供と 業所の社員同士の情報共有が難しかっ 種で取り入れられ始めているが、当社 いった証券会社ならではの強みを活か たため、コミュニケーションを増やす でもタイムリーな情報提供ときめ細か したサポート体制を取ることで資産運 目的で、社内でサイボウズによるグ なお客様サポートのツールとして導入 用を通じてお客様の生活を支援し、金 ループウェアや SNS 等を積極的に活 を検討している。導入にあたっては一 融技能と人間力の両方を高めながらお 用している。それ以前には、違う営業 般的な相場市況や商品情報を顧客に提 客様にとってなくてはならない存在に 所で勤めている社員のことをあまり知 示するだけでなく、セキュリティの課 なることを目指している。 らずに仕事をしている状態が続いてい 題をクリアした上で業務的 たが、今では離れていても何をしてい な機能を盛り込み営業活動 るのか知ることができるようになっ を効率化するツールとして た。 使えるシステムの構築を考 お互いを知ることで、社員にとって え、ソフトウェアベンダー 働きやすい、人間関係の良い職場が構 を交えて検討を進めている。 築できている。この取り組みの結果と して、朝礼で誕生日のお祝いをしたり、 フットサルチームの結成やマラソン大 会への参加など、社内外での交流も増 えてきている。 また、社会・地域への貢献活動とし お客様の生活の トータルサポート 大手証券やネット証券で はなく、地方証券である当 地域での清掃活動 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 5 経営革新にチャレンジ 株式会社マナベ商事 - 守破離を目指す - 会社概要 第 5 代社長に就任した真鍋浩章社長。 新しい 分野に積極的にチャレンジする伝統を継承しつ つ、守破離を目指す。 代表取締役社長 ●会社名:株式会社マナベ商事 ●代表者:代表取締役社長 真鍋 浩章 ●所在地:三好市池田町シマ876-1 ●電話番号:0883-72-2121 ●F A X:0883-72-1888 ●U R L:http://www.manabe-shouji.co.jp/ ●設 立:1922 (大正11) 年1月 ●従業員数:37名 真鍋 浩章 店にそれらを卸すようになり、地域商 社への展開を図ったのであった。 昭和 50 年前後からは、木造だけで なく鉄骨、鉄筋が伸び、取扱商品は土 木資材を含めての総合的なものに展開 していく。販売エリアも、美馬、阿波、 高知へと広げていった。 ホームセンターフルハウスをはじめ たのは昭和 60 年。当社発祥の地でホー ムセンターとしてスタートした。当時、 三好、美馬地区には日曜大工用品を扱 うDIYがなく、新たに人を雇い入れ、 新業態に取り組んだ。経験者を徳島か ら採用して社宅に住んでもらい、店長 としてマネジメントしてもらった。平 納品を待つ資材が整然と並ぶ本社社屋前 92 年の伝統を引き継いで や価格競争力を強化した。同社の商売 入れて、地元の人に小売りしたのが始 に対する考え方が当社と一番近かった まりである。昭和 27 年の有限会社への からだった。 真鍋浩章社長は平成 25 年 1 月に第 組織化を経て、昭和 45 年に株式会社マ 地場四国での商住宅リフォーム専門 5 代社長に就任した。社長室では、昨 ナベ商事として社名、組織を変更して 店「リファイン阿波」を徳島市に出店 年 6 月に病で他界した真鍋克俊前社長 から卸売業としての原形ができた。 したのは、平成 3 年。5 ~ 6 人でスター が笑顔で顧客に、そして社員に微笑み かけている。 池田町は幕末から明治にかけて刻み 煙草の産地だった。真鍋本家では刻み 建設資材を核に 事業分野を拡大 トした。住まいの新築・増改築、 リフォー ムの需要の増大を見越しての取り組み だ。平成 20 年には食品卸部を創設し、 県西部の味噌、醤油、素麺等の食品を 総合GMSに卸す事業も始めた。 煙草の生産をしており、分家した真鍋 日本経済の発展とともに生活用品か 邦二氏は大正 11 年に池田町サラダの地 ら建設資材、土木資材、鉄鋼資材、住 もっとも、すべての事業が現在ま で真鍋金物店を創業した。バケツ、鍋、 宅設備品へと事業分野や取扱商品を拡 でに順調に伸びているわけではない。 豊富な品揃えで県西部を中心に 幅広いニーズに対応する 6 成 16 年には、ダイキと提携し品揃え 刃物、クワなどを近隣の生産者から仕 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 大していく。その展開は時代の 車の需要を背景に事業展開したのが ニーズをいち早く反映したもの イエローハット。当社の事業展開は、 であった。昭和 40 年代には伝統 関連性の強い部門へというのが真鍋 的な左官、水、漆喰を使った湿式 前社長の考え方だが、この中では異 建材から接着剤を使った新建材 質なもので、鍵山秀三郎社長の凡事 が普及しはじめ、新しい家が建ち 徹 底 の 哲 学 に 共 鳴 し た も の だ っ た。 出した。旺盛な需要を背景に三好 その後、四国本部の直営店が近隣地 郡内の祖谷や昼間、加茂等の工務 域に進出することになり、結果的に は競争を避け撤退することにはなっ たが、真鍋社長は「父は、本部に社 員を引き継ぎ、雇用が守れたことを 喜んでいた」と振り返る。 三方よしの経営 平成 24 年 1 月 5 日にマナベグループ 90 周年の記念式典を開いた。10 周年ご とに記念式典を開き、経営理念や方針 を確認しつつ、社員とともに歴史の重 荷と次の 10 年への方針を共有する。こ の記念式典には、退職OBにも体が続 く限り来ていただく。時代を超えて一 創業の地で営まれているホームセンター事業 人財育成 緒にやってきた苦労を分かち合う。社 員には感謝状を渡す。日ごろの活動に 対する感謝の念を形で表した。 ことにはかわりなく、配達エリアも広 く効率性は悪い。このような悪条件の 中での営業戦略を練り直すことからは 新入社員には四国生産性本部の新入 社員研修を受講後、初日から当社独自 じめ、従来のやり方に新しい自分なり の視点を加えていった。 経営理念は「三方よしの経営」 、社是 の営業マンマニュアルを持たせて教育 平成 25 年 1 月に社長に就任して 2 には「お客様第一主義」を、スローガ 訓練する。最初は業務部に配属し、顧 年近くを迎え、日々が目まぐるしく過 ンは「スターレット企業を目指す」を 客や商品を体で覚えながら顧客対応や ぎていくが、真鍋社長は温故知新では あげている。合い言葉には「真面目で 入出荷を経験させる。先輩とペアーに なく、守破離を目指す。今までやって 明るく、智恵と体を使って、働き甲斐 なって後輩を指導する制度だ。6 か月 きたことを守るためにも変わって行か と、将来に希望の持てる職場をつくり、 を経過して各部署に配属する。 ねばならないものがある。お客様との よりよい人の輪を広げて、心豊かな人 生を送ろう。 」を掲げている。 女子社員は 60 パーセントを超える。 信頼の中でやってこられたが、甘えが 阿波池田商工会議所が開催する講習会 あってはいけない、厳しさを問い直し スターレット企業とは、ひときわ輝 には社員を派遣する。阿波池田小集団 たいとの意だ。 く企業になりたい、地域の一番店とし 活動研究会の改善研修には今年も女子 新しいスタイルの経営計画もその一 て地域の人から見ていただけるような 社員 2 名を派遣して業務改善の考え方 つだ。戦略の構築は前社長が外部にア 会社になろうという意味だ。昔は住み やツールを学び、仕事の改善に活かし ンテナを張り、アイデアを出し、具体 込みの制度があったように会社は大家 ている。 化する段階で社員に下ろしていくスタ 族で、同じ釜の飯を食う仲間である。 また、とくしま産業振興機構が開催 イルだったが、真鍋社長はアイデア段 大家族集団として力を発揮することを する平成長久館事業には、営業スキル 階から社員とともに考える姿を描いて 目指す。この理念は、年初の営業部隊 向上のためのプレゼンテーションや販 いる。これは、平成 23 年度の阿波池 全員が一堂に集まる営業会議や月 1 回 路開拓、IT活用といった実用的な分 田青年会議所の第 40 代理事長として 全社員が集まる全体会議で浸透を図る。 野に派遣するとともに、経営のクオリ 「みよしB級グルメフェスタ」や「第 ティ向上を体系的に振り返るツールと 1 回JCわくわくフェスタ」を開催し、 して経営品質の向上プログラムを活用 いろいろな人たちの協力や考え方にふ している。このような人財育成の取り れた経験から得たものだ。 組みについて、平成 23 年度には徳島 「この地域がある限り、地域ととも 県知事から平成長久館優良団体表彰を に、地域の雇用を確保することをしっ 受彰した。 かりとやっていきたい。継承した三方 守破離を目指す 平成 23 年 1 月に副社長として中期 よしの経営理念に基づく経営を続けて いけば必ず道は開ける」という。地盤 とする県西部の地域経済は厳しいが、 「全員の志を合わせて、叡智を結集し、 経営計画の見直しに着手した。ここ 1 新しいトレンドに視点を向け、将来あ ~ 2 年は公共投資が持ち直していると るべき姿を描いていきたい」と決意を はいえ、建設業をめぐる状況が厳しい 新たにしている。 社長室に掲げられている経営理念等 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 7 講演録 プロトコールセミナー 国際儀礼の基礎知識 ~四十年間の外交官生活で学んだこと~ 講師 日本マナー・プロトコール協会理事(元外務省儀典企画官) 寺西 千代子氏 近年、グローバル化の進展により、海外とのビジネス取引や、また日本を訪れる外国人旅行者も増えてい ます。こうした中、公益財団法人とくしま産業振興機構では、関心が高まりつつある国際儀礼についての セミナーを平成26年10月9日にアスティとくしまで開催しました。 長年、外交の舞台で活躍された寺西千代子氏を講師に迎え、 「グローバル社会における生き方」や「押さ えておきたい国際儀礼(プロトコール) 」についてご講演いただきましたので、その一部を紹介します。 「グローバル社会をスト レスなく快適に生活し ていくために」 講演を進める寺西氏 「グローバル社会をス マートに生きるために」 「スマートに生きる」とは「かっこ よく生きる」ということではなく、自 分も周囲の人も、このグローバル社会 で、快適にストレスなく生きていくた めにどうすればいいか、ということだ と思います。要点は4つあります。 「おもてなしの基本は心 にあり」 誰でも言うことですが、ピンとこな い言葉です。身近な例でお話しします と、今年の夏に2週間ほどアイルラン ドを巡ってきました。連日雨が降って いて、バスや電車の窓から見えるのは 牛や羊で、特に目を引くようなものは ありませんでした。 8 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 2週間の旅行を終えて思ったこと は、「この国の人々は素晴らしい」と いうことでした。正直で温かく、ほっ とするところがある人たちです。この 国の財産は、正に「国民の心」にある のだと思いました。 これが、「おもてなしの基本は心に あり」ということですが、旅行者が荷 物を置いてトイレに行って戻ってきて も、荷物がきちんとそこに在り、ひっ たくりもいない。食堂に入っても、安 全性の疑わしい料理も出てこない。そ のような信頼性がおもてなしには必要 です。 アイルランドには、そういった信頼 性があります。日本は、他のどの国よ りも、この精神にかけては非の打ち所 のない優等生です。これが日本の「お もてなしの基本」だとつくづく思いま した。 コミュニケーションは「初めに言葉 ありき」です。言葉なんて分からなく ても大丈夫、ハートで行けるというの は、半分本当で嘘です。ある程度まで 親しくはなれますが、そこから先は言 葉が通じなければ無理です。 1990年代の初めに、フィンラン ドに4年間勤務しました。 フィンランドは1995年のEU加 盟後は、色々なものがあふれて、日本 とあまり変わりません。しかしEU加 盟前のフィンランドは消費物資が乏し く華やかさに欠ける国でした。私の心 にもどこかにフィンランドを軽視する 気持ちがありました。 人口500万人の国のフィンランド 語を覚えたところで、将来またこの国 に来ることもないだろうし、フィンラ ンド語を覚えても得にならないと思っ ていました。 北欧人は英語が非常に上手なので、 仕事をする上ではフィンランド語は全 く必要ありません。そして4年間が過 ぎました。 ご存知のとおり、フィンランドの教 育水準は世界で一二を争う素晴らしい 国です。今でこそ少し落ち目ですが、 ノキアという最先端の技術を持つ企業 で有名な国です。 昨今ではフィンランドに学べという 風潮が出てきましたが、私の人脈カー ドにはフィンランドの知人、友人はほ とんどいません。フィンランド語を勉 強せずに、ローカルな人との交流が全 国際儀礼の基礎知識 〜四十年間の外交官生活で学んだこと〜 くなかったということで、後悔先に立 たずです。 「自立精神」 他人頼みにできない社会に対応して いかなければいけません。現役時代は コンピュータが苦手なので、同僚に「ア プリを入れて」と言っておけば、1時 間後にはアプリが入っています。 整理ができていない原稿を渡し 「ワープロで打っておいて」と言えば、 きっちりとした原稿ができているとい う生活に慣れていました。 そして定年退職を迎えると、アガサ・ クリスティの「そして誰もいなくなっ た」の世界で、頼る人が周りに誰もい ません。 だからいつでも自己完結的な人間を 目指さないと、何にもできない人間に なってしまいます。 これからはどんどん好奇心や柔軟性 を持って、新しいものを取り入れてい かないと、グローバル社会をスマート に生き抜いていけません。 昨年、ロンドンでの滞在時は、長期 の滞在で利用するアパートメントホテ ルで暮らしました。今はポーターが部 屋までラゲージを運び、部屋の使い方 を説明してくれる時代ではありません。 壁のパネルにコーヒーメーカーや皿 洗い機、洗濯機の使い方が英語で書い てあるタブレット・パソコンが埋め込 まれていて、全て自分で解読し操作を しないといけません。 IT や英語ができなければホテルに 泊まれない時代になっています。 後ろ向きではなく、前に進んで新し いものを取り入れるとともに、IT(例 えば E- メール)の利用にもマナーが あることを付随して勉強しなければな らないと思います。 「価値観の多様性」 一番大切なことだと思いますが、自 分の物差しで相手を測らないことで す。 自分の価値観だけで相手を測ると、 大変なジレンマがのしかかってきま す。私がイタリアとヴァチカンに赴任 するときに、周りからは「ファッショ ンの国で、食べ物は美味しく、遺跡も 多くの参加者が熱心に聴き入った 多いし・・・」とうらやましがられま した。 しかし大使館の同僚が帰国するとき に、「遊びに来るならがいいが、二度 と仕事では来たくない。」と言う人も 多く、これはフランスなどでも同様と 聞きます。 たとえば郵便局、銀行で、8つある 窓口のうち開いているのは3つで、開 いていても職員が常時おしゃべりして いて、用を足すのに半日仕事というこ とがしばしばあります。 日本の効率性、24時間のコンビニ、 宅配便が翌日に届く、こんな国は世界 中で他にはないことを知っていてくだ さい。 それからよその国や地域を理解する ためには、世界の出来事にアンテナを 張ることです。 私は大学で教えていますが、今週 あった世界のニュースの中で、あなた の記憶に残っているものを一つ挙げな さいと質問しても誰も手をあげませ ん。新聞も読まないし、ニュースも見 ないで、世界で起きていることに全く 関心がない。それでは日本以外の価値 観なんて分かるはずもありません。 お薦めしたいのは BS の国際ニュー スです。アジアやヨーロッパのニュー スが毎日放送されています。今はイン ターネットの動画や画像でも世界の行 事を見ることができます。外務省の現 場にいた頃でさえ公式行事の写真をと る事には苦労しましたが、今は自宅で 居ながらにして何でも手に入れること ができます。自分自身の知識を高める に十分な情報があふれています。 まとめ 「国際人とは」 国連難民高等弁務官を務めた緒方貞 子さんに「国際人の代表ですね」と切 り出したところ、「国際人て何?」と いう答えが返ってきました。 難しい問題ですが、国際人とは、グ ローバル社会で自分も他人も快く暮ら していけるハーモニーを醸し出すこと ができる人だと思います。 そのためには、心がオープンである こと。自分だけで凝り固まっていない で、いろんなものを取り入れようとす る意思があること。 二番目にイエス、ノーをはっきり言 う。日本人の間では曖昧で通っても、 外国人とのおつきあいでは、イエス/ ノーをはっきり出来ることが必要です。 三番目に相手の話を聞くこと。日本 人は概して自己主張は少ないですが、 自分のことを話す前に、人の話を聞く ことが必要です。いつでもお招きした い人とは、ユーモアが有り、話が豊富 です。自慢話や昔話ばかりしません。 それから他人に甘えない、期待しな いことも国際社会を生き残る基本で す。学歴や肩書きも職場を離れたら意 味がなく、自分の名前で勝負するしか ありません。 話し方にも品性が表れます。すばら しい文章を書くのに、話を聞いたら幻 滅する人もいます。逆にアナウンサー でなくても、話し方がすばらしい人も います。若いうちから話し方に気をつ けるべきだと思います。 最後になりますが、一般化(ジェネ ラライズ)することは落とし穴です。 モスレムだから,お酒や豚肉を一切ダ メと思い込むと意外に厳しくない国も あります。逆に例外だろうと楽観して 対応すると危険な場合もあります。モ スレムでも国によって違いますので、 必ずその国の方に聞くことが大事です。 個々に対応しなければ間違うことがあ るということを申し上げて、今日の話 を終わらせていただきます。 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 9 と く し ま 経 済 飛 躍 サ ミ ッ ト 紹 介 徳島デザインフォーラム2014 ~デザインを考える1日~ 地域活性化や地方の価値が謳われるようになり、全国各地でも様々な取 り組みが注目されている中で、サービスや商品の販促ツール、パッケージ、 発信媒体などを魔法のようにカタチにするクリエイターに大きな期待が寄 せられています。 そこで、徳島県では今までは想像もつかなかった異業種間の連携や柔軟 で多用な発想と想像をもって課題を解決することを体感してもらうため、 徳島デザインフォーラム 2014 を平成 26 年 10 月 9 日にアスティとく しまで開催しました。本コーナーでは、2 本の基調講演の一部をそれぞれ ご紹介します。 基調講演Ⅰ 講演に先立って挨拶をする飯泉知事 「デジタルカーモデラーという仕事」 講師 寺田 天志 氏 (3Dカーモデラー) 3Dモデリングとは 「3D モデリング」とは、簡単にい うと、コンピュータ上で制作する彫 刻みたいなものです。モデリングの 仕方にも種類があって、大きく分け て CAD、スカラプトモデリング、ポ リゴンモデリングの3つがあります。 CAD は、 よ く プ ロ ダ ク ト の 設 計 や金型を作るのに使われていますが、 直感的にモデリングしづらいのが難 点です。 スカラプトモデリングは、怪獣や人 物など直観的なモデリングができる 手法ですが、絵を描くようなモデリ ングなので、プロダクトのようなかっ ちりとした物には向いていません。 ポリゴンモデリングは最もポピュ ラーで、自由度も高く、ある程度直 観的にモデリングがし易いものです。 現代において CG は、CM やデータ 研究所のシミュレーション等様々な 場面で使われています。 3Dモデリングの強み カーモデリング自体はとても難易 10 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 3Dモデリングのメリッ トと将来 モ デ リ ン グ が で き る こ と に よ っ て、 現実世界とそのスケッチの間により 正確な仮想世界のイメージを制作で きるようになります。 3D は他人に対してイメージを正確 に伝える手段となり、自分でも正確 なイメージを持てるようになります。 また、一度モデリングしてしまえば、 それは 360 度どんな方向からでも見 ることができ、さらに 3D プリンター と併用することで、デザインに対し て、手の収まり具合や握り具合といっ た、より現実的な視点からもアプロー チできるようになります。 将 来 的 に は、「CG は 工 具 の 一 種 」 という考え方になり、より家庭的な ツールになれば楽しそうだと思って います。将来子どもたちがモノ作り をする上で、遊ぶモノや遊ぶ場所は 自分で作れる、創作すること自体が 遊びの一つだということを伝えられ たらと思っています。 例えば、椅子を作りたいと思った 時に、今まではスケッチをしてイメー ジを固めて具現化をしましたが、3D 神山で借りた古民家にはいろいろ 度が高く、技術を習得するまで半年、 そこから研ぎ澄ませて一人前になる まで2~3年はかかります。 CG の世界では、モデリングという のは体で覚えるという職人的な感覚 の部分になります。職人的な仕事な ので、習得に時間が掛かるのですが、 逆に一度覚えてしまえば一生物にな ります。 最近は 3D スキャナーでモデリング を自動化できるという話もあります が、制約も多くまだまだ発展途上で すし、そもそも 3D スキャナーでは現 実にないものはモデリングできない という問題があります。 無いもの(頭にあるイメージ)を 3D で具現化するというところに、3D モデリングという仮想世界の強みが あると思っています。 神山での3Dモデリング 応用 とくしま 経 済 飛 躍 サミット紹 介 手を加える必要があったので、家の 構造部分の改修は地元の大工さんに お願いしたのですが、お互いのイメー ジのギャップを感じることがありま した。そのギャップを埋めるために 思いついたのが、その古民家を CG 化 して希望するイメージを大工さんに 伝えることでした。モデリングの技 術があればこのようなことができる という事例です。 将来的には、卒論や研究のために、 神山に訪れている学生に自分の家に泊 まってもらいながら、古民家の改修や 長期間放置されている畑などを復活さ せて、景観を取り戻す活動ができたら 楽しそうだなと思っています。 現在、神山には多くの学生が訪れて いますが、泊まるところが少なくなっ てきています。そこで、古民家に無 料で泊まってもらう代わりに、古民 家の改修や景観を取り戻す作業の手 伝いをしてもらえればお互いの利害 が一致しており、より相乗効果が生 まれるのではないかと思っています。 現在、地元の大工さんと一緒に古民 家の改修をしていますが、古民家の 仕組みを分かっていて、修復や改修 ができる大工さんは、現在の代でほ ぼ居なくなるそうです。その洞察力 や技術力にいつも感動を受けていま すが、技術が途切れるのはとてももっ たいない。将来的にこの仕組みを使っ た学生の中から、古民家の大工さん に興味を持つ人が出たら嬉しいです ね。 興味のある分野を見つ けるワークショップ 作したものが現物になるという感動 が得られます。 出来たフリスビーを使い、実際に 投げたりトリックを決めたりして遊 びます。 このワークショップのポイントは、 最後に遊びが入っていて楽しく学習 できることに加え、3つの分野の入 口を簡単に体験でき、その中で各々 が興味のある分野を見つけられると ころにあります。 3D プリンターが注目されています が、一番の問題点は、モデリングが できないと 3D プリンターが使えない ということです。それが主な理由で これから幻滅期が来て、その後緩や かに4、5年かけて成長するだろう と予測されています。その時期に合 わせてモデリングできる人が増えた ら、いい感じになるのではと思って います。 神山という地の強み 神山にもいろんな業種の方がい らっしゃいます。この方々と自分の 周りの人たちとのコラボレーション ができれば、更に大きな輪が生まれ ていろんな化学変化が起きて、普通 の田舎にはない刺激的で攻撃的な生 活スタイルが描けるのではないかと 思っています。 初めて神山に来たときに、ちょう ど大南さんの講演があり、そこで話 を聞いて、その考え方にとても共感 講演を進める寺田氏 しました。 共感した部分は色々ありますが、そ の一つとしては、「できない理由を考 えるより、できる方法を考える」と いう部分です。今まで独学でいろん なことを学んできたので、自分とし てはとても琴線に触れる言葉でした。 神山へ移住した方々は、できる方 法 を 実 践 で 考 え て き た 方 々 な の で、 いろんなアドバイスをもらえるので すが、とても具体的で的確です。そ の言葉はすごく重要で、できない理 由を考えるより、できる方法を考え るという行動の原動力になっている と思います。 神山はネットが早いとよく言われ ますが、はっきり言って人のつなが りのスピード感がネットより早いと 自分では思っています。そういった 人がいろんな分野でいることが神山 で一番の楽しさで、簡単に真似ので きない特色なのではないかなと思っ ています。 自分の考えたフリスビーを 3D モデ リングして、それを 3D プリンターで 出力して、そのフリスビーを使って、 いろんなトリックキャッチや遊び方 を教えるというワークショップを考 えています。 フリスビーの形状はとても簡単な ので、誰でも 10 分くらいでモデリン グができます。モデリングに興味を 持ってもらうための成功体験をすぐ に得られます。 そして、3D プリンター用にデータ を書き出して、プリンターに命令を 送れば、後は出来上がるのを待つだ けです。ここでは、バーチャルに制 フォーラムと同時開催された企画展 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 11 と く し ま 経 済 飛 躍 サ ミ ッ ト 紹 介 徳島デザインフォーラム2014 ~デザインを考える1日~ 基調講演 Ⅱ 「ローカルにこそデザインを」 講師 江副 直樹 氏(ブンボ株式会社 代表取締役) 講師 中庭 日出海 氏(なかにわデザインオフィス 代表) 【江副氏】 地域を元気にするとい うこと 地 域 を 元 気 に す る と い う の は、 メディア等に取り上げられるよう なと思います。 な広報を進めていくということで デザインを有効活用する す。当初からそういうことを念頭 に置いて、戦略・戦術を組み込ん でいけば成功の可能性が高まって いきますので、是非これは進めて あちこちで聞く話ですが、結局き 地域系に限らず企業等のプロ ちんと稼げないと元気になりよう デュースをする際に、常にやって がありません。 いる原則論があります。それが総 最後は、空間です。業種により 合デザインという、デザインを有 重なりは違いますが、この「商品・ 効活用するということです。 情報・空間」で全ての事が構成さ それを商売繁盛という言葉でい えば、商売繁盛はどうやったらで いくべきだと思います。 れていると思っています。 きるかということになると、まず 一 番 大 事 な の は 提 供 す る 商 品・ は換金する商品を作ること、そし サービス。リピーターをたくさん て商品があるならそれを磨くこと 持つということが商売繁盛の鉄則 パッケージ。商品でもあるし、情 です。自分の関わるビジネスがう ですから、提供するものをしっか 報 発 信 で も あ る と い う こ と で す。 まくいけば、結果的に雇用の創出 りデザインする。この時のデザイ こういう意識で同時に考えていく にもなり地域が元気になっていく ンはパッケージ云々ではなく、企 ことが重要だと思います。 わけです。 画というニュアンスです。しっか そ し て、 一 番 重 要 な の は、3 つ り商品を考えましょうということ が重なる中心を貫いている考え方、 です。 コンセプトです。ここが矛盾して デザインの役割と強み 次に、いい商品が出来たら、そ 例えば、商品と情報の重なりは、 いると全部矛盾していきますので、 デザインというのはお化粧では こにあぐらをかくのではなく、しっ 私のプロデュースはここの整理か ない、という言い方を私はよくす かりと知らせていくことがとても ら入っていきます。 るのですが、食品であれば食べて 大事です。今はネットで自力発信 みなくても、最初に何となくパッ もかなりできるので、そうした可 ケージを見ておいしそうな予感が 能性をフル活用しながら知らせて するとか、そういうことがデザイ いくべきです。しっかりしたもの ンの大きな役割だと思っています。 を作って、ちゃんと情報発信して ものづくりは、スペック訴求で 商品に自信を持っている人ほど、 いれば流通業の方々は血眼で売れ はなく、ストーリー訴求です。つ るものを探していますので、当然 まり、何グラム入って幾らという 触手に引っかかります。 ことではなくて、誰がどこでどん 「食えば分かる」と言われるのです が、裏を返せば「食わないと分か 12 せるのがデザインの一つの強みか ストーリーで勝負する ものづくり らない」ということで、それでは ここで言う情報発信とは、お金 なふうに作っているという背景に ダメなのです。食べる前に感覚に をかけた広告キャンペーンではな ある物語が実は共感を呼ぶ。そこ 訴えて、そういうメッセージを出 く、 話 題 に な る よ う に 仕 立 て て、 までちゃんと伝えないと、値段で 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 とくしま 経 済 飛 躍 サミット紹 介 勝負をする消耗戦になります。 ス ト ー リ ー 訴 求 を す る た め に、 葉に変換したり、嘘をつかない程 なくて、商品の動く時間軸を意識 度に解釈して変換してあげたりと しています。 例えば作り手がプロセスを見せる いうことが必要なのですが、作り 展示会に出展することを考えて イ ベ ン ト を す る こ と も あ り ま す。 手側はそういうことが苦手でほと み る と、 ま ず、 バ イ ヤ ー さ ん に 内輪のお祭りではなく、誰を呼ぶ んど企画がないことがあります。 気に入ってもらえなければ会社に かというのはちゃんと打ち合わせ デザインのカッコよさで売って をして、情報発信力の高そうな人 も、中身が伴っていなければ次に で 大 事 に な っ て く る の が、 名 刺、 たちを中心にお呼びすることで口 は繋がらないので、まずそういう 商品、配布物ですが、それがしっ コミのスピードを加速させる。こ 中身を揃えてデザインに入って行 かりしていなければ、展示会に仕 ういうことを、いやらしく同時に きましょうということです。 入れの決定者が来ているかどうか 考 え て い た だ き た い と 思 い ま す。 持って帰ってもらえません。そこ この情報を全て揃えるのにすご も分からないので、会社に持って 商売でやっているわけなので、当 く時間を費やすのが現場の仕事で 帰られた後、それが決まるかどう 然そういう知恵はフル動員したほ す。1回2~3時間かけて、それ かも分かりません。仕入れが決まっ うがいいと思います。 を3回、4回と繰り返して情報を たところで、店員さんがその商品 掘り出していくという作業をして をきちんと消費者に伝えてくれる いきます。 のかも分かりません。それぞれに 地方には地方の未来が ある 私自身もずっと田舎に住んでい ますが、田舎の人は、「いつか我々 商品の動く時間軸に 沿ったデザイン 対処していく必要があるというこ とです。 だから、展示場に持っていくと きには、名刺もデザインしました は東京になるんだ」と思い込んで 自分の経験からも、ほとんどの し、仕入れの資料である配布物も いるような気がしていました。つ 地方企業は営業自体がなかなかう 全部デザインしましたし、カタロ まり、進化の最終形は東京で、自 まくできていなくて、デザインを グはもちろん、最終的に店頭ポッ 分たちはそのずっと手前にいるか 取り入れてもなかなか結果につな プもホームページからダウンロー らダメだというコンプレックスが がらないことが多いように思いま ドできるようにして、リーフレッ あるような気がしていました。私 す。 トもお客さん用と店頭用を別に作 りました。 が思うに、東京というのは進化形 だから、作って、終わるのでは でも何でもなくて、ものすごく特 なくて、伝えるところまでデザイ それぞれの段階で関わる人のコ 殊でいびつな一地方なんです。だ ンして、一つのプロジェクトなの ミュニケーションを手助けする からあそこを目指していくのは間 ではないかと気づき始めて、商品 ツールを、時間軸できちんと想像 違っていて、独自の進化を探った そのもののデザインだけをするの してきちんと作っていくというこ 方がいいということで、「地方には ではなく、総合的なデザインをす とが、売るということに対してデ 地方の未来がある」ということを るようになりました。 ザインを使う際にすごく大事なこ ここのところずっと言っています。 単に商品をデザインするのでは とだと思います。 【中庭氏】 パッケージデザインに 至るまで 基本的には商品と背景と企画と いうのを揃えていく作業です。大 体商品はすでにあるので、その品 質・価格・評価をヒヤリングする と同時に、背景があれば、歴史や 地域や人を聞いていきますが、殆 どないのが企画という部分です。 お店側が置きやすい、店員さん が薦めやすいネーミングやライン ナップを考えたり、伝えやすい言 講演を進める江副氏、中庭氏 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 13 と く し ま 経 済 飛 躍 サ ミ ッ ト 紹 介 とくしま経済飛躍サミット 徳島発!ベンチャー企業の創出に向けて 徳島県では、徳島県民が抱える喫緊の健康課題であり、世界的に患者数が増加し、その対策が求められている糖 尿病の克服に向け、産学官金が連携して持続的なイノベーションの創出を目指す「とくしま「健幸」イノベーショ ン構想」を策定し、県民の意識向上や研究開発等の取組を実施しています。 本構想の実現には、取組により生まれた研究開発成果等を早期に事業化に結びつけ、そこから得た収益を更なる 研究開発に投入し、次代を担う新たな成果を創出するなど、 「自立的かつ持続的」な取組が必要不可欠であり、これ らの取組の主体となる企業等の創出は、構想の実現を左右する重要な課題となっています。 これらの構想を実現するため、自立的かつ持続的な取組の主体となる「ベンチャー企業」を創出し、経営してい くために求められる様々な要素について、日本ベンチャーキャピタル株式会社のベンチャーキャピタリストである 北岡侑子先生を講師に迎えてご講演をいただくとともに、各分野においてそれぞれの立場から、ベンチャーの創出 に関わって来られたパネリストの皆様によるパネルディスカッションを実施しました。 基調講演 徳島発!バイオベンチャーの創出に向けて 講師 日本ベンチャーキャピタル株式会社 ベンチャーキャピタリスト バイオベンチャーを取り 巻く環境 講演ではまず、2000年初頭の勃 興期における日本のバイオベンチャー に対する評価と、それらを取り巻く環 境、ベンチャーバブル崩壊後の冬の時 代を経て、現在に至るまでの歴史的な 経緯、そして現在のバイオベンチャー を取り巻く環境などについて、数多く のデータを踏まえてご説明をいただき ました。 例えば2000年~2005年頃の ベンチャーバブルと言われた時期には、 企業が有するシーズの市場価値や実 現可能性の検証を無視した投機的な資 金が市場に流入し、多くのバイオベン チャーが、実際の企業価値をはるかに 上回る多額の資金調達を実現したもの の、この時期に創業された企業の多く は当初の事業計画を達成できず、休眠 状態になった会社や破綻した会社が少 なくなくなかったということでした。 2 0 0 5 年 ~ 2 0 1 2 年 頃 に は、 多くのベンチャーにおいて当初の事 業計画が達成されなかったことに加 え、 2 0 0 5 年 の ラ イ ブ ド ア 事 件 や 2 0 0 8 年 の リ ー マ ン シ ョ ッ ク、 14 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 2011年の東日本大震災など、市場 全体がネガティブであったこともあ り、バイオベンチャーの資金調達は冬 の時代を迎えましたが、近年、これら の冬の時代を経験した企業の中から、 市場が求めるニーズを徹底的に分析 し、自社の持つ技術シーズを磨き込む 事により、死の谷を越え、収益を上げ ているバイオベンチャーが登場しつつ あるという説明がありました。 ベンチャー成功の 方程式は存在しない ベンチャーの成功要因については、 これまで多くの企業の創業・経営に関 わってきたベテランのベンチャーキャ ピタリストでも、明確にすることはで 北岡侑子先生 きないとのことでしたが、失敗の要因 については大きく3つに分類できると いうお話がありました。軽症から重症 な要因の順に「研究者が経営に口を出 して混乱」 「経営者の能力不足」 「シー ズの質の問題」という3つの要因が挙 げられ、失敗するベンチャー企業につ いては多くのケースでこれらが当ては まっているということや、 それらのケー スの具体的内容について、これまでの 事例を基にした解説がありました。 それぞれのケースの解決策として、 「企業の経営は専門の人材に任せるべ き」であることや、経営者には「経験・ 実績・人脈・技術的な知識に関するバッ クアップ体制」が必要であること、 「研 究シーズに関する徹底的な調査が必要 であること」などの説明がありました。 とくしま 経 済 飛 躍 サミット紹 介 島発のベンチャーを 徳 生み出すには 基調講演の最後は、徳島発のベン チャー創出に向け、求められる事項に ついての説明がありました。 上記の失敗要因を踏まえ、まず大切 なのは質の良いシーズを確保すること であり、そのためには大学の研究はも ちろん、企業で眠っている技術の掘り 起こし等についても積極的に実施すべ きであること、経営人材やスタッフ人 材の確保については、徳島県の社長輩 出率の高さや女性社長割合の高さを引 きあいに、徳島県民が持つ経営者向き の資質をさらに磨くための社会人大学 院やインターンシップなど、経営を学 ぶ場の整備が求められること、そして 数多くの失敗事例を分析しつつ、他に はない徳島オリジナルな取組を創出し ていくことの重要性についての説明を いただき、基調講演は終了しました。 パネルディスカッション 徳島発!ベンチャー企業の創出に向けて 基調講演終了後、徳島県知事や大学 発ベンチャーの経営者、大学の研究者 などがそれぞれの立場から、徳島発の ベンチャー創出に向けた提言を行うと ともに、パネルディスカッションを実 施しました。 パネルディスカッションではまず、 とくしま「健幸」イノベーション構想 の概要について、パネルディスカッ ションのモデレーターであり、本事業 のプロジェクトディレクターである濱 尾重忠氏より説明を行ったのち、飯泉 嘉門徳島県知事から、徳島県のベン チャー創出に向けた産業戦略や、徳島 県が実施する経営支援、技術開発・販 路開拓支援、人材育成支援の各種施策 についての説明がありました。 また、実際にベンチャーを経営す る経営者として、久留米大学発ベン チャーである株式会社グリーンペプタ イドの永井健一代表取締役社長から、 ベンチャーの価値は、大成功と大失敗 の振れ幅が大きいほど高く、その振れ 幅こそがベンチャー経営の魅力である ことなど、起業家を目指す学生に向け たアドバイスをいただきました。 パネルディスカッションの最後に は、現役の企業経営者 である濱尾プロジェ クトディレクターか ら、 当 日 参 加 し て い た多くの大学生や大 学 院 生、 若 手 研 究 者 に 向 け て、 起 業 家 精 神を持つことの大切 さについての提言を 行 っ た 後、 基 調 講 演 やパネルディスカッ ションから得られた 多 く の 提 言 を 基 に、 徳島発のベンチャー 創出に向けて産学官 金が密接に連携し、今後の事業を推 進していくことを確認し、とくしま 経済飛躍サミットは終了しました。 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 15 レ ポ ー ト 「徳島県ものづくり新技術展示商談会 in MAZDA」を開催しました 徳島県と公益財団法人とくしま産業振興機構は、 11月5日~6日の2日間、広島県に本社を置き、日本を代表 する自動車メーカーである「マツダ株式会社」との間で、県内企業の新技術・新製品をPRする「徳島県ものづく り新技術展示商談会in MAZDA」を開催いたしました。 概要 「徳島県ものづくり新技術展示商談 「マツダ側のニーズ」と「県内企業の 能や品質を 「徳島の『ものづくり技術』 有する技術」とのマッチングの効果を で進化させるんだ」 という意気込みを 高めるため、出展企業の募集段階にお 持って、提案パネル・試作品展示やデ いて、マツダ側からの「ニーズ発信会」 モ機の実演を行うとともに、展示製品 を開催することにより、 「低コスト化」 等の具体的な説明を行うなど、2日間 「生産性向上」といっ 会」(以下、「展示商談会」 とする。) 「軽量・小型化」 た。 は、県内ものづくり企業が有する優れ たニーズにしっかりと対応できる企業 た技術力を大手企業に PR し、取引関 に出展いただくとともに、県内企業等 係を構築することを目的として開催し による製品の 「もう一押しの技術改良」 ら「マツダ側のニーズを事前に発信し ており、平成19年度のトヨタ自動車 を支援する県の「新技術・素材製品開 て頂いたことにより、焦点を絞った ㈱を皮切りに、今回で8回目を数える 発ブレイクスルー事業」を経て臨まれ マッチングが図れた」 、 「新技術や素材 こととなります。今回の展示商談会は ている企業もありました。 等に強い関心を示して頂き、サンプル 展示商談会終了後には、出展企業か 広島・企業城下町の拠点であるマツダ 当日の展示商談会場では、出展企業 や関係データの提供を求められた」と 本社において、機械金属関連企業を中 各社がブースを設置し、マツダ車の性 いった意見の他、「今後も自動車関連 心に、LED・木工・環境等の幅広い 業種から「県内ものづくり企業等31 団体」が出展し、自動車部品・部材及 び工場用設備等に関する新技術・新製 品を PR いたしました。 商談会開催 飯泉知事による開会挨拶から展示商 談会が始まり、マツダ㈱及び関連企業 の調達担当者や研究者等、2日間で延 べ約600名の方が来場されました。 出展企業は、展示商談会開催までの 間に、提案書のブラッシュアップや、 ポスター発表研修により提案内容が効 果的に伝えられるよう努めるなど、展 示商談会への強い意気込みを感じるも のでした。 また、今回の展示商談会に際しては、 16 にわたり、活気ある商談が行われまし 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 商談会場 産業を中心に展示商談会の開催を希 望」といった意見も頂きました。 本県ものづくり産業が将来にわたっ て成長・発展していくには、大手企業 等との取引関係構築は非常に重要であ り、今後も自動車関連産業を対象とし 来場者の声 て、展示商談会を継続的に開催して参 りたいと考えております。県内ものづ くり企業の皆様には、自社の製品・技 術にさらなる磨きをかけられ、積極的 来場者アンケートでは、多数の方に 出展企業の関心を持って頂き、「徳島 なご参加をお待ちしております。 ポスター 県の提案技術を参考に今後の開発手段 の一つとして検討していきたい」、「担 当部門へ連絡し導入の是非を検討した い」 といった反応を頂きました。また、 当日の商談結果(速報)としては、約 92件の引き合いがあり、試作依頼や 価格交渉まで進んだ案件が10件、マ ツダの担当者が企業訪問を希望する案 件が6件など、早速、具体的な成果が 現れております。 一方で、展示製品等のコスト、品質 及び機能面での改善や、車載での具体 的な活用方法に関する提案等を希望す る意見もありましたので、出展企業の 皆様には、課題を十分に検討・改善し て頂き、相手先企業に再提案を行うこ とにより、今後の商談成立に繋げて頂 きたいと考えております。 展示商談会を契機として 以上のようなことから、これから成 約に向けて個別の商談が進むことが期 待されます。 徳島県と公益財団法人とくしま産業 振興機構では、 「とくしま経済飛躍ファ ンド」による資金面での支援や、工業 技術センターによる技術面での支援等 を通じて、本県ものづくり企業の新商 品・新技術開発や販路開拓を積極的に 支援して参りますので、相手先企業の ニーズに的確に応えることにより、展 示商談会を契機とした取引の芽を確実 に成約へと結びつけて頂きたいと考え ております。 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 17 徳島県 12 月号 中小、零細企業者のあらゆる経営上の悩みに対応するため、(公財)とくしま 産業振興機構内に「徳島県よろず支援拠点」が開設されました。 皆様のお役に立ちそうな相談内容を「徳島県よろず支援拠点」のアシスタント が交代で紹介していきます。 今月は井上アシスタントが紹介します。 相談内容について 画どおりに収益がでていません。 さっているとのことですが、商品の卸 先が地元の中堅スーパーマーケットで ん。どこが悪いのか? が補助金はないか? ントの中小企業診断士井上秀二です。 •M&A で事業を承継したが、まった 毎日、いろんな相談を受け、一緒に く収支がとれていないのでどうす 考えながら皆様のお役にたてるよう、 ればよいか? あり、ここ数年の間に 3 社が相次いで 倒産したため、売掛金の回収ができな くなったことと、取引先がなくなった ことで売上高が減少してしまいまし た。 個人のお金を会社に貸し付けること そして笑顔で帰っていただけるように • ソフトのリース契約をした先が倒 でなんとかしのいできましたが、いつ 日々努めています。前回10月号でも 産、債務だけ支払っているがどう までも続きません。どうしたらよいの 書かせていただきましたが皆様の相談 すればよいか? でしょうか?というご相談です。 内容は本当に範囲が広く、中小、零細 等々、今回はわりと重い話が多かった 企業の経営者はこんなことで悩まれて ように思います。 いるんだ!と私にとっても新たな気づ きがあります。 10月から11月に受けた相談内容 「徳島県よろず支援拠点」では前向 相談にお越しになったのは社長の奥 様と娘様で、社長は現在入院中とのこ とでした。 きな相談も、切羽詰まったご相談も親 現在の取引先を聞きますとほとんど 身になって対応させていただきます。 が地元のスーパーマーケットであり、 また私ども中小企業診断士が対応でき 売上高が毎期減少していること、大手 • 飲食業で起業したいのですが、起 ない、法律系やデザイン系、ICT 系な のスーパーマーケットと取引を開始し 業場所とか投資金額に対する考え どの相談に対してはミラサポの専門家 ようとすれば衛生面の設備に相当の資 方を教えて欲しい。 派遣制度を使用することで、無料にて 金が必要であることと、単価の値下げ • お金の借り方がわかりません。事 専門家を派遣し、対応していただいて は避けられず、現状のままの体制では 業資金を借りるにはどうすればい いますので専門色の強い案件でもご相 難しいと言わざるを得ません。 いか? 談ください。 の一例をあげますと • 従業員が増えてそろそろ就業規則 を作成したいのですが弊社にあっ それでは事例の説明をさせていただ きます。 た就業規則とは? • 毎年毎年売上高が減少して資金繰り も厳しいです。 どうすればいいか? • 新たな商品を開発したのですが、 パッ 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 幸い借入金は少なく、土地と工場を 売却すれば事業から撤退したとしても 幾ばくかの退職金は出そうです。奥様 にお伺いすると今までも何度も事業か 事例1 人生の岐路?に たった方からの相談 ケージ・デザインを考えて欲しい。 • 創業補助金をもらったのですが、計 18 中小企業診断士 • 忙しいのにまったく利益がでませ • データをクラウド化したいのです 「徳島県よろず支援拠点」アシスタ 井上 秀二 ら撤退しようと考えていたのですが、 社長は創業者であり、事業意欲が旺盛 であったため撤退できなかったとのこ と。 地元で長く食品加工の製造卸をな すぐにでもやめたいのですが、お嬢 様 (会社の専務)、お嬢様のご主人様(会 社の工場長)に中学生のお子様がいる ためなかなか踏ん切りがつかないとの 事例2 いかに認知度を 上げるか 対策は簡単です。いかにして地元 での認知度を上げるかです。それと同 時に今の売上高に対応した人員配置と すること。当初のメニューと実際にで ことでした。 そのまま事業を続けるにも撤退する 昨年、創業補助金が採択となり、飲 ているメニューが違うのでメニューの にしても重たい相談です。話をお伺い 食業経営を始めた女性からの相談があ 一部リニューアルすると同時に原価率 しながら最善策を話し合いました。そ りました。 を下げるために廃棄ロスを減らすよう の中で①将来的に撤退することも視野 に入れ、できるだけその日までに借入 当初、創業補助金申請時に細かな売 な工夫をお願いしました。地元での認 知度を上げるために商工会への入会、 上高計画 金を減らしましょう。②お金をかけず (昼間客単価×客席数×昼間の稼働 Facebook 等の口コミ対応、 マスコミ(関 にできることをやっていきましょう。 率+夜間客単価×客席数×夜間の稼 西キー局の TV 放送、地元新聞、地元 働率)×営業日数 タウン誌、地元有線 TV 等)への出演 と結論となりました。すぐに撤退でき ないのであれば、収益と売上高を上げ を作成し、自信を持って経営を始めた 等、認知度をあげる方策を次から次へ ることが必要です。そのためには他社 のですが、売上高が大幅に未達。また と行っていきました。 と違う商品を開発し、当社独自の強み 原価率も計画以上で推移し、また当初 幸い、女性代表者の明るい接客が話 を発揮することでコストダウン競争に 計画の売上高に対応する人員配置と 題となり「あの人のお店に行きたい。 巻き込まれない企業体質を構築する。 なっていたため、毎月赤字となってい あの人の接客を受けたい。 」というご年 それにより資金繰りの余裕を持たせる ました。 これからどうすればよいでしょ 配の女性を中心とした常連客がつき始 ことで次の展開を検討することとなり うか?という相談です。 めました。 ました。撤退も視野に入れながらお嬢 店舗にお伺いし、ランチもいただき ようやく売上高が当初計画まで残せ 様家族の生活も考えて、いつまで事業 ましたが味は良いし、接客も想像以上 るようになってきましたが、さらに売 を続けるのかがこれから課題となって に素晴らしいものでした。但し、店舗 上高を増加させるためメニューの改訂 きます。決算書や資金繰り表などがな が主要幹線沿いでなく道からほとんど や接客に磨きをかけています。また新 いなかで最善の結論かどうかは不明で 見えない状態であり、またアンケート しい仕掛けもいろいろ考えています。 すが、笑顔でお帰りいただきました。 等から地元での認知度が低いことが判 繁盛店になるまで「徳島県よろず支援 明しました。 拠点」は応援します。 よろ ず 支 援 拠 点 の 連 絡 先 は 以 下 のとおりで す 。 電話番号 : (088)-654-0103(公益財団法人とくしま産業振興機構内) 徳島県よろず支援拠点 担当:大塩、日出、井上 住 所 : 徳島県徳島市南末広町5番8-8 徳島経済産業会館2階 No.376号 徳島県よろず支援点便 りにおいて執筆者名に誤りがありま した。正しくは「日出晴夫」です。 訂正してお詫びいたします。 よろず支援拠点では、中小企業支援に実績のある次のスタッフが、 スタッフ紹介 皆さんの課題解決のお手伝いをさせていただきます。 よろず支援拠点 上席コーディネーター 大塩 誠二 徳島大学 産学官連携推進部教授 よろず支援拠点上席コーディネーターとして着任 した大塩です。課題の解消に向け企業の皆様と一 緒に、知恵を出し合い、課題への対応策を考えて 参ります。各種専門家による無料相談制度の活用 も考えて参ります。 商工会議所、商工会連合会、中 小企業団体中央会などの各種機関と連携を図り ながら、最適な支援をめざし皆様のご来訪をお待 ちしております。 よろず支援拠点 アシスタント 日出 晴夫 中小企業診断士 本年度創設の「よろず支援拠点事業」のアシスタ ントを務めさせていただく中小企業診断士の日出 です。 現在、 中小企業の皆さまは多くの分野で奮闘 されておられると思います。 これより先も、新たな課 題に直面されることも多いことが予想されます。 そ んな時、私どものことを思い出していただければ幸 いです。 私個人的には非力かも知れませんが、支 援機関様のネットワークもあれば、必ずや御期待に 添えるものと思っております。 宜しく御願いします。 よろず支援拠点 アシスタント 井上 秀二 中小企業診断士 よろず支援拠点アシスタントコーディネーターを 担当します中小企業診断士の井上秀二です。皆 様のよろずな悩みをお聞かせいただき、今までの 経験を活かしてワンストップでの対応、 または各専 門家や専門機関等と連携を図りながら親身に なって支援を行っていきたいと思います。 まずはお 気軽にご相談ください。 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 19 アジア展望 〜上海事務所だより〜 上海四国食品包装机械有限公司 総経理 三木正樹 氏 今月号のアジア展望では、中国へ進出して約20年になる四国化工機の関連会社、上海四国食品包装机械有限 公司についてご紹介します。三木総経理のお話を通じて、これまでの歩みや、現在の課題など様々な面から見た 中国での状況をお伝えします。 工場全景 ◆上海工場設立年月日はいつですか? 超円高状況の中で充填機の輸出競 したが、2000 年からは充填機を中 弊 社 は 1995 年 11 月 2 日 に 設 立 争力が大きく低下したためであり 心とする食品機械を中国市場向け しました。設立当初は、現在の工 ます。そこで部品の製作を上海で行 に生産するようにもなりました。 場近くの賃貸工場にて仮操業いた うことで部品コストを下げ、徳島 しておりましたが、1998 年に、自 で製造する充填機の価格競争力を ◆ 上海工場の従業員数は何人です 社工場を建設し、以来この場所で 高めることを戦略的に進めました。 か?どのような体制で運営していま 操業しています。私は 5 代目の総 進出場所の選定にあたっては、世 すか? 経理となります。 界各地を検討しましたが、最終的に 現在、従業員は約 190 名で機械や 日本に近いということと、将来我々 部品の設計・販売から、販売後のア ◆上海に進出したきっかけはなんで の製造する充填機の大きな市場と フターサービスまで、機械メーカー しょうか?またどのような理由で、 なる可能性がある中国の上海の地 として展開しております。組織は、 中国、上海に進出したのでしょうか。 に決定しました。そして、当初は、 営業部、設計部、製造部、品質保証 上海に進出し約 20 年になります。 四国化工機の海外における部品の 部、経営管理部、市場開拓部の 6 部 上海進出のきっかけは、その当時、 調達基地という位置付けでありま 体制で、日本人スタッフは、総経理 を含め 5 名です。 ◆上海工場では何を作って いますか? 現在は、主に中国国内 の乳業・飲料メーカー向 けに充填機を中心に食品 機械の製造販売をしてお ります。また、中国市場 だけでなく海外にも輸出 三木総経理(右)と澤淵副総経理 20 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 事務室の様子 をしております。 (公財)とくしま産業振興機構上海事務所 所長 大岡 士郎 ◆ 主にどこに販売していますか?輸 つかっています。人材育成面では、 展や雇用には、外資企業の役割は 出・内販の割合は? 技術力向上のために、毎年、数人 重要だと思いますが、ある日突然、 を徳島の四国化工機本社に派遣し、 国内産業保護に舵を切り、外資企業 ますが、約7割が中国内の販売、3 研修を行っております。また、技 に規制がかかる可能性もあります。 割が海外輸出です。輸出先は、ヨー 術を身に付けても、継続して働い ロッパ、東南アジア、日本、中東、 て頂けないと人への投資が無駄に ◆中国市場についてはどう考えてい アメリカなどの多岐にわたります。 なってしまいます。中国の技術者 ますか? その年の状況によって変動があり は、個人主義、実力主義で、条件 中国は、最近、世界の生産基地か ◆ 中国と日本の商習慣の違いなどは が良ければ簡単に転職する傾向が ら消費市場へと変わってきており、 ありますか? あります。社内制度の工夫や待遇 巨大市場として、大きなビジネス 言葉や文化の違いに加え、商慣習 を検討し、会社に残ってもらうよ チャンスが望めるところだと認識 も大きく異なります。中国のお客様 うに努力しています。おかげで弊 しています。市場規模は、日本の の第一の要求は価格です。付加価値 社の離職率は他社と比べて大幅に 10 倍はあるでしょう。しかし、市 の高い仕様でも、価格が高ければ受 低く年率5%を切っております。 場が大きくなった分、世界の各社 が参入し競争が激化しております。 け入れて貰えません。価格水準につ いて、一概に言うことはできません ◆ここ数年、日中関係が緊張してい 品質レベルの上がった中国国内の が、中国での売れ筋の機械は、日本 ましたが、影響はありましたか?御 メーカーも台頭し、「モノづくり」 の半額程度です。価格が制限された 社にとってチャイナリスクとは何で において先進国に近づきつつあり なか、品質・性能などの面において、 しょうか? ます。そのような関係で弊社の競 機械にどこまで付加価値を付けられ 日中間の政治的問題は上海四国 合企業は、もはや欧米企業だけで るかが、他社との差別化を図る上で の経営や商取引には大きな影響は はありません。ライバルの中国企 大変重要になります。 出ておりません。ただ、四国化工 業が何十社とあり、なかには、規 機本社の中国販売は影響を受けて 模の大きな企業も出てきています。 おります。 弊社としては、独自技術を活用し また、機械を納入しても、代金の 回収に時間がかかることが珍しくあ りません。さらには、製作途中で、 弊社にとってのチャイナリスク 他社と差別化を図って行かなけれ ばなりません。 お客様が要求される仕様が二転三転 は、人件費をはじめとするコスト することも多く、据付後に機能の追 の 上 昇 で す。( 編 注:JETRO の 調 加を要求され、検収を頂くまでに、 査によると、2014 年の上海での人 ◆中国ビジネスを考えている県内企 困難な交渉が必要になることもあり 件費(月額基本給)は、職層にも 業にアドバイスはありますか? ます。 よりますが 1995 年に比べて約 4 倍 日本のビジネスモデルをそのま 〜 6 倍となっています。)また、中 ま移植するだけでは、中国ではう ◆その他に上海で苦労をしたこと、 国の人を雇用することにおいては、 まくいきません。諺にあるように、 気をつけていることはありますか? 人事管理の難しさがあります。人事 「郷に入っては郷に従え」で、通用 習慣などの違いからくる日常生 管理については、お互いの信頼関係 するようにアレンジすることが重 活での気苦労のほか、仕事において を築くことが大変重要です。政府 要です。しかし、一方で日系企業 は、人事面で、社員の育成や定着 の政策の変化が見えにくいという としての優れた経営理念は持ち続 化のためのマネージメントに気を 問題もあります。中国の産業の発 けることが必要です。 ◆最後に、今後の抱負を教えてくだ さい。 品質第一を常に意識し、お客様 ニーズに合った機械づくりやメン テナンス体制を構築し、安心・安全 に使用して頂けるモノづくりを目 指したいと思っております。また、 いつまでも従業員が安心して仕事 を続けられる「働きがい」がある 工場内 中国での納入先の製品 職場にしていきたいと思います。 企 業 情 報 と く し ま 2 0 1 4 . 1 2 No.377 21 特集:地域イノベーション創出研究開発事業 ものづくり 基 盤 技 術 「高度化」 への 挑戦 地域イノベーション創出研究開発事業とは、地域の新産業・新事業の創出に貢献するとともに、全国的に広く 波及効果が期待され、広域的なイノベーションを起こす可能性のある研究開発を支援するため、サポイン事業 と同様、 「中小企業ものづくり高度化法」に基づく認定を受けた企業と大学等の共同体で研究開発をする事業で す。本特集では、 とくしま産業振興機構が 「事業管理機関」 として採択されたプロジェクトの内容を御紹介します。 第2回 四国化工機株式会社 溶接現象可視化技術による品質保証のための プロセス検査技術の開発 四国化工機株式会社(板野郡北島町) 四国化工機株式会社は、徳島県に本 社を置く食品充填機械の大手メーカー です。特に紙容器成形事業では国内ナ ンバーワンのシェアを誇り、世界最高 レベルの品質を持つ同社の製品は、40 か国に輸出されています。 大下勝仁氏は、2003 年(平成 15 年) 、 同社の品質保証部長に就任しました。 折しも、2000 年(平成 12 年)に発生 した大手乳業メーカーの食中毒事件に より、消費者の食品の品質に対する目 が厳しくなり、食品メーカー各社が品 質管理を強化していた時期です。四国 化工機の製品は、包装・充填という食 品の安全性や衛生性に関わる重要な工 程を担うもので、さらなる「安全・安心」 を実現するため、いっそうの品質向上 が課題となっていました。 製品の品質を保ち機械を運転する上 で、ユーザー企業からのクレームの大 部分は「溶接」工程に起因します。し かし、溶接の品質を向上させるのは容 易ではありません。というのも、溶接 には強力なアーク光が発生するため、 溶接の最中に接合部の状態を確認する 手段はなく、溶接後の検査では 溶接部分がどうなっているかが 完全には確認できません。表面 上は十分に溶接されているよう に見えても、内部の溶け込みが 十分でなければ、数年で割れが 発生してしまいます。溶接の品 質を向上させるためには、接合 中に溶け込みの状況を確認しな がら溶接を行う技術が不可欠でした。 この難題を解決するべく、 「溶接現象 可視化技術による品質保証のためのプ ロセス検査技術の開発」で中小ものづ くり高度化法の認定を受け、品質保証 部長の大下勝仁氏が中心となって技術 開発をスタートさせたのは 2007 年(平 成 19 年)のことです。同年、サポイン 事業への提案を行いましたが、不採択 となったため、翌年 2008 年(平成 20 年)の提案では、とくしま産業振興機 構が提案機関となり、国内最大規模の 溶接技術研究所を有する大阪大学や、 アーク溶接現象の観察で先端的な研究 を行っている産業技術総合研究所の小 川洋司氏をコンソーシアムに加え、地 域イノベーション戦略支援プログラム に提案、採択されました。 開発の一つの目標は、高い技術を持 つベテラン溶接工の「感覚」を数値化 し、リアルタイムで溶接の品質を観察 しながら訓練できるような装置、 「エキ スパートシステム」の完成です。四国 化工機でも特に高い溶接技術を持つベ テラン溶接工の感覚を、大阪大学の接 お知らせ 来月号では、新春特集として「2015 年 の経済展望」について掲載します。 ご期待ください。 企業情報とくしま 12 月号 No.377 平成 26 年 12 月 1 日 編 集 後 記 代表取締役社長 CEO 植田 滋 合科学研究所の協力を得ながらシミュ レーションし、数値化していきました。 また、数万ボルトの電気を発生させる 溶接の現場では、強力な高周波の電気 的ノイズが発生し、観察装置であるカ メラやコンピュータが誤作動を起こし てしまうため、精密機器をノイズから いかに保護するかも、大きな問題とな りました。これに対しては、装置のあ らゆる場所に絶縁素材を巻き付けるこ とで解決しました。 2 年間の開発期間を経て、2010 年(平 成 22 年)に、溶接部分を可視化しなが ら訓練ができる装置が完成しました。 その後も当機構のファンド事業などを 活用して改良を続けた同社の装置は、 溶接を指導するテクノスクールや、徳 島県立工業技術センター、県内のもの づくり企業に設置され、本県のものづ くりの基盤を支える溶接技術の向上に 役立てられています。 訓練装置使用の様子 今年も残すところ1ヶ月となりました。慌ただしい時期ですが、 やり残すことなくラストスパートをかけていきたいと思います。 (あ) ●発行所:公益財団法人とくしま産業振興機構 総合支援部 〒 770-0865 徳島市南末広町 5 番 8 - 8 徳島経済産業会館 2 階 TEL.(088)654-0101 ㈹ FAX.(088)653-7910 ●印刷所:株式会社松下印刷 〒 771-1156 徳島市応神町応神産業団地 5-1 TEL.(088)641-4611 ㈹ FAX.(088)641-3540
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