生産パートナー向けコードオブコンダクト

ファーストリテイリンググループ
生産パートナー向けのコードオブコンダクト
ファーストリテイリングは、本当に良い服を創造し、世界中のお客様に良い服を着る喜び
を提供することを使命としている。本当に良い服の概念には、ビジネス活動の全ての側面
において、誠実さを保ち、人権を尊重し、環境に配慮することも含まれる。ファーストリ
テイリングは、商品生産の過程で、適切な労働環境と持続可能性を実現することを重視す
る。このコードは、ファーストリテイリンググループのグループ会社の商品、付属品、そ
の他商品に関連するものの生産に関わる全ての生産者、すなわち「生産パートナー」が最
低限遵守するべき基準を示したものである。
法的要求事項
生産パートナーはその事業活動を行う国で適用される全ての国・地域の法令、法的要求事
項、条約(以下、「法令等」という。)に従わなくてはならない。適切な労働環境と持続可
能性実現のための統一基準を維持する目的で、ファーストリテイリングは、法令等より厳
しい基準を設定する可能性がある。この文書と法令等の間に相違点や不一致が生じた場合
は、より厳しい基準が適用される。
児童労働
生産パートナーは、児童に労働を行わせてはならない。「児童」とは、満 15 歳(ILO 条約
第 138 号に基づく例外が適用される場合は満 14 歳)
、または、生産パートナー所在国にお
ける法令による最低就労可能年齢のうち、どちらか高いほうの年齢未満の者をいう。生産
パートナーは、全ての労働者の年齢を証明する文書を維持しなくてはならない。生産パー
トナーが公的な書類を入手できない、もしくは公的な書類の信頼性がない国で操業してい
る場合、生産パートナーは、適切かつ一貫性のある年齢確認の方法を確立しなければなら
ない。労働者を雇用するにあたり、生産パートナーは、満 18 歳未満の労働者に関する全て
の法令等、また、実習生・訓練生に関する法令等を遵守しなければならない。満 18 歳未満
の労働者は、危険な環境での労働もしくは夜間シフトに就かせてはならない。
強制労働
生産パートナーは、拘束労働、年季奉公、強制労働、奴隷労働、受刑者による労働、奴隷
制類似の労働または人身取引を通じた労働をさせてはならない1。生産パートナーは、労働
1
生産パートナーは、
「奴隷制」
「奴隷制類似の」の定義として「奴隷制度、奴隷取引並びに
奴隷制類似の制度及び慣行の廃止に関する補足条約(1957)」、
「人身取引」の定義として「人、
特に女性及び児童の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書(2000)」、
「強制労働」
の定義として ILO 条約第 29 号をそれぞれ参照しなければならない。
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者に対し、採用時や雇用過程において、法的な個人書類の原本を預けることを要求し、ま
たは預り金を支払うことを義務づけてはならない。労働者の移動の自由は、職場及び生活
エリアいずれにおいても制限されてはならない。
抑圧及びハラスメント
生産パートナーは全ての労働者に対し尊厳を持って接しなければならない。生産パートナ
ーは、体罰やいかなる抑圧行為も行ってはならない。生産パートナーは、肉体的、口頭に
よる、または精神的なものを含むいかなる虐待、また、性的嫌がらせを含むいかなるハラ
スメントも行なってはならない。生産パートナーは、例えば、口頭での警告から停職処分、
最終的には解雇までといった、書面化された段階的な懲戒手続きを策定・運用しなければ
ならない。
差別
生産パートナーは、労働者をその仕事をする能力で雇わなければならない。人種、性別、
肌の色、国籍、宗教、年齢、妊娠、婚姻状況、社会的または民族的出自、性的嗜好、政治
的意見、障がい、組合への参加・不参加、またはその他の状況による差別をしてはならな
い。
健康と安全性
生産パートナーは、適切な健康・安全性管理、建物の安全性及び消防安全、機械・設備の
安全性、安全な飲み水と適切な衛生設備の提供、安全な化学物質管理を通して、全ての労
働者に安全かつ健康的な環境を提供しなくてはならない。同様の基準は、労働者の居住ス
ペースにも適用される。
組合結成の自由
生産パートナーは、法令等に沿って、労働者がペナルティ・妨害・抑圧を受けることなく、
合法的かつ平和的な方法で連合し、組織を作り、団体交渉する権利を尊重しなければなら
ない。また、生産パートナーは、全ての労働者が秘密を厳守されたうえで、報復のリスク
無く、経営層や従業員代表に懸念を訴えることのできる苦情処理システムを設けなければ
ならない。
賃金と諸手当
生産パートナーは、全ての関連する法令等に従い、賃金と諸手当の支払い、控除、労働契
約の締結を行わなければならない。生産パートナーは、賃金に関連した書類を維持しなけ
ればならない。懲罰を目的とした金銭の控除は認められない。
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労働時間
生産パートナーは関連する法令等に定められた労働時間を遵守しなければならないが、い
かなる状況においても一週間の労働時間は残業も含めて 60 時間を超えてはならない。生産
パートナーは労働者に少なくとも7日に1日の休暇を与えなければならない。生産パート
ナーは、各労働者の正確な出退勤の時刻を記録しなければならない。残業は労働者の任意
とし、残業時間は割増で支払われなければならない。
環境保護
生産パートナーは全ての環境に関連する法令等を遵守するだけではなく、ファーストリテ
イリングが定める環境に関する要求事項を満たし、環境パフォーマンスの改善に努めなけ
ればならない。ファーストリテイリングによる要求事項は、環境に関連する法令等を上回
る可能性がある。
文書化とコミュニケーション
生産パートナーは本コードオブコンダクトの全ての要求事項を確実に遵守できるよう、マ
ネジメントシステムと社内規定を作成・維持しなくてはならない。社内規定の内容は全て
の経営層・労働者に共有されなければならない。マネジメントシステムの要素としては、
リスク評価、教育・訓練、達成度の測定・説明責任・文書化のための方針・手続などが挙
げられる。
モニタリング及び本コードオブコンダクトの遵守
生産パートナーは、ファーストリテイリング及びファーストリテイリングの指定する代理
人に対し、本コードオブコンダクトへの遵守状況を確認するため、事前連絡の有無に関わ
らず、労働者、生産・居住施設を含む全ての施設及び関連文書へのアクセスを
許可しなければならない。
是正措置
生産パートナーが、本コードオブコンダクトに違反した場合、ファーストリテイリングと
生産パートナーは問題事項を妥当な時間内に解決する是正措置計画を作成し、合意する。
生産パートナーが本コードオブコンダクトに違反した場合、ファーストリテイリングはオ
ーダーの即取り消し及び/または取引の即停止を含む、しかるべき措置をとることができ
る。
下請業者及び家内労働者
生産パートナーがファーストリテイリングのグループ会社から受けたオーダーを下請業者
または家内労働者に再委託する場合、生産パートナーはその再委託先の事業活動が本コー
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ドオブコンダクトに沿っていることを確認し、生産パートナーの責任において遵守させな
ければならない。下請業者または家内労働者を使用する場合は、生産パートナーは事前に
ファーストリテイリングに報告しなければならない。
透明性及び誠実性
ファーストリテイリングは、生産パートナーとの全ての取引が倫理的に透明性をもって行
われなければならないと考えている。ファーストリテイリングは、ファーストリテイリン
グ及びその代理人の判断を誤った方向に導くための、賄賂、記録の隠蔽または偽造・改ざ
ん、または労働者に影響を与えることを含むいかなる非倫理的な行動も許容しない。
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