平成27年9月 平成 27 年上半期における 特殊詐欺の状況について 警 視 庁 - 目 次 - 1 被害状況 (1) 特 殊 詐 欺 ( 全 体 ) (2) オ レ オ レ 詐 欺 (3) 架 空 請 求 ・ 振 り 込 め 類 似 詐 欺 (4) 還 付 金 等 詐 欺 ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ 2 検挙状況(都内) (1) 本 犯 (2) 検 挙 被 疑 者 の 年 代 (3) 助 長 犯 検 挙 状 況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 11 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 11 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 11 3 未然防止状況(都内) (1) 未 然 防 止 件 数 ・ 防 止 額 (2) 未 然 防 止 ・ 職 業 別 (3) 未 然 防 止 好 事 例 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 12 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 12 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13 1 4 6 9 1 被害状況 特 殊 詐 欺 ( 全 体 ) 認知件数・被害額 オレオレ 架空請求 うち既遂 認知件数 前年同期比 融資保証金 うち既遂 還付金等 うち既遂 振り込め類似詐欺 うち既遂 合 計 うち既遂 うち既遂 655件 519件 167件 157件 27件 27件 94件 94件 52件 50件 995件 847件 -41件 -31件 +48件 +39件 +5件 +5件 -43件 -43件 -36件 -35件 -67件 -65件 -6% -6% +40% +33% +23% +23% -31% -31% -41% -41% -6% -7% 増減率 被害額(約) 17億8,652万円 9億8,186万円 2,617万円 8,474万円 5億2,055万円 33億9,984万円 前年同期比(約) -1億6,023万円 +2億1,371万円 +385万円 -5,046万円 -3億1,120万円 -3億434万円 -8% +28% +17% -37% -37% -8% 344万円 625万円 97万円 90万円 1,041万円 401万円 増減率 平均被害額(既遂) ※ 被害額は、通帳・キャッシュカード等の詐取後の払出し額を含む。(以下同様) ○ 平 成 2 7 年 上 半 期 の 被 害 に つ い て は 、認 知 件 数 995 件 、被 害 額 約 33 億 9,984 万 円 で 、 前 年 同 期 に 比 べ 67 件 ( 6% ) 、 約 3 億 434 万 円 ( 8% ) 減 少 し た 。 ○ 類 型 別 で は 、 還 付 金 等 詐 欺 が 43 件 ( 31% ) 、 約 5,046 万 円 ( 37% ) 減 少 し た 一 方 で 、 架 空 請 求 詐 欺 は 48 件 ( 40% ) 、 約 2 億 1,371 万 円 ( 28% ) 増加した。 月別・認知件数・被害額 認知件数 被害額 ○ 月別認知件数は、1月、5月を除き、前年を下回った。 ○ 月別被害額は、1月、4月、6月を除き、前年を下回った。 -1- 全国に占める割合 認知件数 被害額 東京 14% 東京 14% 埼玉 8% 全国 7,007件 その他 64% その他 66% 神奈川 7% (昨年 +852件) 全国 約237億円 (昨年-約33億円) 神奈川 7% 埼玉 7% 千葉 6% 千葉 7% ○ 東 京 の 認 知 件 数 及 び 被 害 額 は 、 い ず れ も 14% を 占 め 、 全 国 最 多 で あ る 。 ○ 東 京 及 び 周 辺 3 県 で は 、 認 知 件 数 が 36% 、 被 害 額 が 34% を 占 め て い る 。 被害年代別認知件数(都内) 20代以下 オレオレ 架空請求 融資保証金 還付金等 振り込め類似 計 ○ 30代 22 4 8 1 2 28 1 10 40代 50代 60代 70代 80代 90代以上 6 11 8 1 2 28 4 11 2 72 28 6 15 6 127 266 50 6 59 24 405 290 37 17 4 21 19 13 359 17 計 655 167 27 94 52 995 オ レ オ レ 詐 欺 及 び 還 付 金 等 詐 欺 は 、被 害 者 が 60 代 か ら 80 代 に 集 中 し て い る 。 -2- 年代別・性別認知件数(都内) 20代以下 男性 14 女性 14 ○ 30代 4 6 40代 10 18 50代 12 9 60代 39 88 70代 77 328 80代 94 265 90代以上 合 計 7 257 995 10 738 被 害 者 の 約 91% ( 908 人 ) は 、 60 歳 以 上 の 方 で 、 そ の う ち 約 76% ( 691 人 ) が女性である。 被 害 額 別 認 知 件 数 ( 都 内 ~ 未 遂 ・ カ ー ド 詐 欺 を 除 く 826 件 ) ○ 1,000 万 円 以 上 の 認 知 件 数 は 、 66 件 と 前 年 同 期 に 比 べ 20 件 減 少 し た 。 -3- オ レ オ レ 詐 欺 全国に占める割合 認知件数 被害額 東京 21% 東京 22% その他 47% 全国 3,041件 その他 50% 埼玉 12% 全国 約86億円 埼玉 12% 神奈川 千葉 9% 神奈川 千葉 10% 9% 8% ○ 東 京 の 認 知 件 数 は 22% 、 被 害 額 は 21% を 占 め て お り 、 全 国 最 多 で あ る 。 ○ 東 京 及 び 周 辺 3 県 で は 、 認 知 件 数 が 53% 、 被 害 額 が 50% を 占 め 、 被 害 が 集中している。 年代別・性別認知件数(都内) 男性 女性 ○ 40代 1 5 50代 1 3 60代 18 54 70代 51 215 80代 81 209 90代以上 合 計 7 159 655 10 496 被 害 者 の 約 98%( 645 人 ) は 、 60 歳 以 上 の 方 で 、 そ の う ち 約 76% ( 488 人 ) が女性である。 -4- 欺もう文言(だまし文句)別 認知件数(都内) オレオレ詐欺 655 件 の 内 訳 ○ 「 小 切 手 等 が 入 っ た 鞄 を 置 き 忘 れ た 」「 会 社 の 金 を 横 領 」「 会 社 で 金 が 必 要 」 の 3 つ を 合 わ せ た 会 社 に お け る ト ラ ブ ル を 理 由 と し た 手 口 が 全 体 の 77% を 占めている。 金銭受取方法の割合(都内) ○ 犯人の金銭受取方法は、「手交(手渡し)」が増加している。 ○ オ レ オ レ 詐 欺 ( 655 件 ) の 98.0% ( 642 件 ) を 「 手 交 ( 手 渡 し ) 」 が 占 め て いる。 -5- 架 空 請 求 ・ 振 り 込 め 類 似 詐 欺 全国に占める割合 架空請求 東京 9% その他 78% ○ 全 国 1,954件 振り込め類似詐欺 東京 8% 神奈川 5% 埼玉 5% 千葉 3% その他 82% 千葉 3% 埼玉 4% 神奈川 3% 全 国 612件 東 京 の 認 知 件 数 は 、 架 空 請 求 が 9% 、 振 り 込 め 類 似 詐 欺 が 8% を 占 め て いる。 ○ 被 害 は 、東 京 及 び 周 辺 3 県 に 集 中 す る こ と な く 、全 国 的 に 発 生 し て い る 。 年代別・性別認知件数(都内) 20代以下 男性 11 女性 13 ○ 30代 3 6 40代 8 5 50代 9 6 60代 14 20 70代 12 62 80代 6 44 合計 63 219 156 被 害 者 の 約 72%( 158 人 )は 、60 歳 以 上 の 方 で 、そ の う ち 約 80%( 126 人 ) が女性である。 -6- 欺もう文言(だまし文句)年代別 認知件数(都内) 架空請求 振り込め類似詐欺 合 計 219 件 の 内 訳 その他 40件, 18% 金融商品 96件, 44% ギャンブル 26件,12% サイト 利用料 57件, 26% 欺 も う 文 言 2 0 代 以 下 30代 40代 50代 60代 70代 80代 金融商品 0 0 0 2 11 52 31 割合 0.0% 0.0% 0.0% 0.9% 5.0% 23.7% 14.2% サイト利用料 22 7 8 7 10 2 1 割合 10.0% 3.2% 3.7% 3.2% 4.6% 0.9% 0.5% ギャンブル 1 1 3 3 7 10 1 割合 0.5% 0.5% 1.4% 1.4% 3.2% 4.6% 0.5% その他 1 1 2 3 6 10 17 割合 0.5% 0.5% 0.9% 1.4% 2.7% 4.6% 7.8% 計 24 9 13 15 34 74 50 割合 11.0% 4.1% 5.9% 6.8% 15.5% 33.8% 22.8% ※ 各 欄 の 割 合 は 、 架 空 請 求 ・ 振 り 込 め類 似 詐 欺 の 総 数 に 占 める 割 合 を示 す ○ 90代 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 計 96 43.8% 57 26.0% 26 11.9% 40 18.3% 219 100.0% 「 金 融 商 品 」 が 、 全 体 の 約 44% を 占 め 、 70 代 か ら 80 代 に 被 害 が 集 中 している。 ○ 「 サ イ ト 利 用 料 」 は 、 20 代 以 下 に 被 害 が 集 中 し て い る 。 ※ 「金融商品」 株、社債等の金融商品の取引をもちかけ「必ず儲かる」「過去の被害を取り戻せる」等と だます手口や、「株、社債等購入する権利がある」「老人ホームに入居する権利がある」 「名義を貸してほしい」と持ちかけ、その後「名義貸しは犯罪です。穏便にするにはお金 が必要」等とだます手口 ※ 「サイト利用料」 「インターネットサイトの利用登録がある」等と伝え「利用料金が未納である」等とだま す手口 ※ 「ギャンブル」 競馬やロト6などの「当選情報が得られる」等と伝え「入会料を支払ってください」等と だます手口 -7- 金銭受取方法別認知件数(都内) 窓口振込 ATM振込 H27上半期 割合 H26上半期 割合 H25上半期 割合 ○ 手交 送付 その他 不明 計 8 50 54 86 18 3 219 3.7% 22.8% 24.7% 39.3% 8.2% 1.4% 100.0% 10 52 44 78 11 12 207 4.8% 25.1% 21.3% 37.7% 5.3% 5.8% 100.0% 2 45 64 48 8 8 175 1.1% 25.7% 36.6% 27.4% 4.6% 4.6% 100.0% 宅配便等を悪用して私設私書箱等に現金を送付させる被害が増加した。 -8- 還 付 金 等 詐 欺 全国に占める割合 認知件数 被害額 千葉 10% その他 44% 千葉 13% 東京 8% 埼玉 7% 全 国 1,144件 その他 41% 神奈川 4% 全 国 約12億円 神奈川 4% 大阪 27% ○ 埼玉 8% 東京 7% 大阪 27% 東 京 は 、 認 知 件 数 が 8% 、 被 害 額 が 7% を 占 め て い る 。 還付名目別認知件数(都内) 年金 3件 3% 還付金等詐欺 医療費 51件 54% 保険料 30件 32% ○ 94 件 の 内 訳 その他 10件 11% 「 医 療 費 」 、 「 保 険 料 」 の 返 還 ( 還 付 ) を 合 わ せ た 手 口 が 、 全 体 の 86% を 占めている。 -9- 年代別・性別認知件数(都内) 男性 女性 ○ 40代 0 1 50代 0 0 60代 2 13 70代 10 49 80代 7 12 合 計 19 94 75 被 害 者 の 約 99%( 93 人 )は 、60 歳 以 上 の 方 で 、そ の う ち 約 80%( 74 人 ) が女性である。 振込場所別被害件数(都内) ATM利用回数 合 計 118 件 ○ 「 金 融 機 関 無 人 A T M 」 の 振 り 込 み が 全 体 の 73% を 占 め て い る 。 - 10 - 2 検挙状況(都内) 本 オレオレ 架空請求 融資保証金 還付金等 振り込め類似 合 計 H27上半期 件数 376 85 6 58 48 573 H26上半期 件数 335 37 0 78 91 541 +41 +48 +6 -20 -43 +32 +12% +130% - -26% -47% +6% H27上半期 人員 240 104 2 9 68 423 H26上半期 人員 255 27 0 6 78 366 -15 +77 +2 +3 -10 +57 -6% +285% - +50% -13% +16% 増 減 増 減 ○ 犯 認 知 件 数 が 増 加 し た 架 空 請 求 詐 欺 で は 検 挙 件 数 48 件 、 検 挙 人 員 は 77 人 と 大幅に増加した。 検挙被疑者の年代 年代 ○ 10代 20代 30代 40代 50代 60代 人員 57 172 125 55 12 2 割合 13.5% 40.7% 29.6% 13.0% 2.8% 0.5% 総計 423 検 挙 被 疑 者 は 、 20 代 及 び 30 代 で 、 全 体 の 70.3% を 占 め て い る 。 助長犯検挙状況 口座詐欺 犯罪収益 移転防止法 携帯電話不正 利用防止法 合 計 H27上半期 件数 116 59 71 2 248 H26上半期 件数 110 21 66 1 198 増 減 +6 +38 +5 +1 +50 +5% +181% +8% +100% +25% H27上半期 人員 109 34 73 3 219 H26上半期 人員 97 20 69 2 188 +12 +14 +4 +1 +31 +12% +70% +6% +50% +16% 増 減 ○ 携帯電話詐欺 「携帯電話詐欺」の検挙件数、検挙人員が特に増加し、全体的に検挙件数、 検挙人員ともに増加した。 - 11 - 3 未然防止状況(都内) 未然防止件数・防止額 件 防止額 1000 900 件数 百万円 940 858 830 3500 800 700 2682 2668 2656 3000 600 2500 500 2000 400 1500 300 1000 200 500 100 0 0 H 2 5上 ○ 4000 H 2 6上 H 2 7上 未然防止件数、防止額ともに、前年同期に比べ増加している。 未然防止・職業別 タクシー運転手 13件, 1% その他 44件, 5% 介護職員, 11件, 1% 未然防止 940 件 の 内 訳 配送業者 20件,2% コンビニ店員 23件, 2% 警察官 48件, 5% 金融機関 職員 781件, 83% ○ 金 融 機 関 職 員 に よ る 未 然 防 止 が 83% を 占 め て い る 。 - 12 - 未然防止好事例 1 銀行員による未然防止 防止者(銀行員)は、被害者(高齢女性)方を訪問した際に、息子を騙る 男 か ら 電 話 が あ り 、被 害 者 と の 会 話 の 中 に「 株 」や「 横 領 」と の 言 葉 が 出 て 急 に 落 ち 着 き が な く な っ た こ と か ら 、 不 審 に 思 い 事 情 を 聞 い た と こ ろ 、「 実 は 息 子 が 会 社 の お 金 を 横 領 し た 。な ん と か し て ほ し い と 言 わ れ て い る 。」等 と 話 し た こ と か ら 、オ レ オ レ 詐 欺 を 疑 い 、被 害 者 を 説 得 す る と と も に 、警 察 に通報し、被害を防止した。 2 JR職員による未然防止 防止者(JR職員)は、駅改札口において勤務中、被害者(高齢女性)が 駅構内コインロッカー前で携帯電話を利用しながら操作しているのを発見、 困 惑 し た 様 子 で あ っ た こ と か ら 声 を 掛 け た と こ ろ 、「 息 子 に 頼 ま れ コ イ ン ロ ッ カ ー に お 金 を 入 れ た 。」等 と 話 し た こ と か ら オ レ オ レ 詐 欺 を 疑 い 、被 害 者 を説得するとともに、交番に届け、被害を防止した。 3 空港職員による未然防止 防 止 者( 空 港 職 員 )は 、空 港 タ ー ミ ナ ル 内 に お い て 、落 ち 着 き の な い 態 度 の 被 害 者( 高 齢 女 性 )を 見 か け た の で 声 を 掛 け た と こ ろ 、飛 行 機 で 一 緒 に 上 京 し た 夫 と は ぐ れ た こ と が 分 か っ た 。 さ ら に 事 情 を 聞 い た と こ ろ 、「 息 子 に お 金 を 渡 す た め に 来 た 。」等 と 話 し た こ と か ら 、オ レ オ レ 詐 欺 を 疑 い 、被 害 者を説得するとともに、交番に届け、被害を防止した。 4 バイク便による未然防止 防 止 者( バ イ ク 便 配 送 員 )は 、荷 物 の 配 送 依 頼 を 受 け た 被 害 者( 高 齢 女 性 ) 方 を 訪 問 し た 際 、落 ち 着 き が な か っ た こ と か ら 、被 害 者 か ら 渡 さ れ た 配 送 物 の 在 中 品 に つ い て 聞 い た と こ ろ 、「 実 は 、 お 金 で す 。 」 等 と 言 っ た た め 特 殊 詐 欺 を 疑 い 、被 害 者 を 説 得 す る と と も に 、警 察 署 へ 通 報 し 、被 害 を 防 止 し た 。 5 タクシー乗務員による未然防止 防止者(タクシー乗務員)は、被害者(高齢女性)が行き先を「東京駅 ま で お 願 い し ま す 。」と 指 定 し た が 、態 度 に 落 ち 着 き が な か っ た の で 事 情 を 聞 い た と こ ろ 、「 甥 が 東 京 駅 に 鞄 を 置 き 忘 れ た 。 」 等 と 話 し た こ と か ら 、 オ レ オ レ 詐 欺 を 疑 い 、 被 害 者 を 説 得 す る と と も に 、 110 番 通 報 し 、 被 害 を 防 止 し た 。 - 13 -
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