電子メール版 「世界の自然観察 旅日記」

電子メール版
「世界の自然観察
旅日記」
旅日記1 「オーストラリア」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
3月30日、無事にブリスベンに到着し旅がスタートしました。
友人のアパートから、さっそくメールの試験送信をお送りします。
(次はいつ送れるか、定かではないので)
満開の桜に見送られ、往路の大韓航空は快適でした。ビビンパの機内食はなかなかです。
真新しい incheon 空港には、インターネットの無料端末もあり、感心しました。
早朝、ブリスベンに着陸する前、下の土地が余りに大きく見えたので、
かなり高度が下がったものと思っていたら、まだ1万メートルの上空で驚きました。
久しぶりの大陸に、スケール感が狂います。
これから秋とはいえ、気温は25度以上あり、かわりに湿度は低くカラッとしています。
この週末はイースターの連休なので、お店はすべてお休みです。
どこにも行けないこともあり、のんびりしています。
出発当日の午前中まで準備に追われていたことを思えば、
旅のスタートにはちょうどいいかもしれません。
アパートはクイーンズランド大学に隣接した緑の多い場所で、
鳥や樹を見ながらさっそく楽しんでいます。
ここには1週間の滞在予定で、本格的な観光は、週明け火曜日から始めます。
とりあえず、地元のビールとアイスクリームを物色し始めました。
どちらがどちらかは、言うまでもないでしょう。
Rより
初海外なのにずっと日本語に囲まれラクしています。
英語のアナウンスは全然聞き取れません。ピンチです。
全てが珍しく面白いです。
昨日は近くの Mt.Coot-tha の短いトレイルを歩き楽しみました。
今日アパートの近くを散歩しました。
緑が多く、今咲いてる花や(植生は沖縄によく似ている)種を見ながら、
のんびりできてリラックスしすぎだなあーと嬉しく思ってます。
-1-
色々詰め込んで持ってきたけど、
近くのスーパーで日本の物が高めだけど売ってるので拍子抜けです。
旅してる間に荷物は減っていくことでしょう。
Mでした。
旅日記2 「オーストラリア」編 2
皆さん、こんにちは。M&Rです。
オーストラリアでの滞在も、1週間を過ぎました。
Brisbane の天候は、ほぼ毎日、午前中は快晴、午後から雲が出てきて一時雨、
夜はまた晴れるの繰り返しです。
こうした天候のおかげか、虹を見ることが多いのですが、ちょっと郊外まで出かけると、
地平線まで見渡せる景色が続くため、きのうは完全な半円状(しかも3重)のものを見ることができ、
「おおー」っと感動的でした。
雨が降るわりに空気は乾燥していて、水筒代わりのペットボトルを洗って置いておくと、
自分の家ではいつまでも底の水滴が乾かないのに対して、
こちらでは一晩できれいさっぱりです。 (ちょっとコワイ)
イースターの連休明けから、せっせと観光してます。
といっても、ダウンタウンではもっぱら書店、マップショップ、博物館、政府の国立公園管理局巡り。
あとは海へ山へと、日本にいるときとやっていることは変わらず、
ふつうの人は聞いてがっかりするコースばかりでしょうか。
ここ数日で、4ヶ所ほどの国立公園を訪れることができました。
ユーカリの明るい森や、rainforest にいる生き物たちとの出会いを楽しんでいます。
どこでもブッシュファイアーの跡が見られるのは、やはり乾燥している証拠かな。
こんなとき、オーストラリアは鳥の種類が多いのも魅力で、
記録上は750種も確認されているとか。
日本を出る前にテレビで見たばかりの「ツカツクリ(塚作り)」の仲間(見た目は七面鳥)が、
にわとりのように子供に追いかけられたりしているのを見ると、環境の違いを感じてしまいます。
居心地のよかった友人のアパート(3階建て、全部で101世帯、プールまで付いていた)も今日まで。
明日はシドニーに移動し、あさってハワイへ向かいます。
-2-
きのう、とある田舎町の酒屋にて、ご主人とこんな会話がありました。
「どこから来たんだい?」
「日本からの休日ですよ」
「俺も日本へは行ったなぁー。 それで、いつ帰るんだい。
」
返答に窮していたところで友人が、
「これから、世界を回るんですよ」
「そりゃあ、素晴らしい!! いい旅をするんだぞ。
」
と言って、親指を立ててくれました。
それで、(そうか、今は旅をしているんだっけ・・・)と思い出したのでした。
「それじゃあ、おじさん、また帰ってくるよ。 とりあえず、行ってきます。
」
Rより
皆さんこんにちは。Mです。
さて最初のトラブルは歯でした。詰めものがとれてしまいました。
(わざわざ、出発直前まで歯科医に行ったのにぃー)
旅行保険はきかないけど、友人のお陰で無事治療。20分で約9000円でした。
医療費の高い米国でなくてラッキー。無保険の割には安く、技術も進んでいるらしく
「こんな治療はもうやってないよ」とのこと。日本はかなり遅れてるようで、
口の中を遺跡を見るような目で見られました。
その後のトラブルは、言葉が通じないし、聞き取れなくて読めない事以外は楽しく過ごしています。
カンガルー、コアラ、ポッサムを動物園内でなく自然な姿で見られました。
(ポッサムは、アパートのベランダに夜遊びに来ます)
海岸の公園で散歩中、木に黒っぽいものが見え何かの巣と思い、双眼鏡を覗いたら「コアラ」
。
嬉しくて観察してると気になるのか、地元の人にも声をかけられ、教えると喜んでます。
双眼鏡を貸してしばらく皆で見てました。
ハワイではどんな出会いがあるのでしょうか?楽しみです。
Mでした。
-3-
旅日記3 「ハワイイ」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
さて、ハワイに着きました。
暑いです。特に湿気が。
朝から28度もあり、ここしばらく雨が無く、風も吹かないとかで、
この時期にしてはおかしいと聞きました。
なんだか、どこへいってもそんな話を聞くようで、気になります。
日本の春はどうでしょうか?
ところで、メールにお返事を頂いてる方、ありがとうございます。
こちらのメールが送れるときは確実に受信もできていますので、
ふたりで楽しく読まさせてもらっています。
それぞれに、お返事する時間が無くて申し訳ないのですが。
ところで、今や U.S.A.に向かう飛行機に搭乗するのと、入国するのは、
一苦労のイベントになりました。
ブリスベンの空港では、X 線の検査が2回もあり、靴も脱がされ、
荷物もフリーマーケット状態に広げられました。
いつもは許される、フィルムのオープンチェックも通用しません。
ホノルル空港では、
「いつまで滞在するの?」
「滞在先は?」
「アメリカの後はどこへ行くのか?」
(ちなみに、私達の航空券は6分冊もあって、説明がややこしい)
「いつ、日本へ帰るのか?」
「所持金を証明しなさい。
」
「夫婦なのになぜ名前が違うのか?」
などなど、このときばかりは団体旅行の人が羨ましくなります。
それでも、入国してしまえばこちらのもので、これからカウアイ島とハワイ島を回ってきます。
-4-
有名な ALA MOANA ショッピングセンターにも行きましたよ。トイレを借りに。
白木屋で和菓子を見たのは目の毒でした。成田であんパン食べたのが最後。あー、アンコ食いたい。
NHK の「利家とまつ」の放送がちょうど始まり、
「人造人間キカイダー」の再放送はやってるし、
「そこが知りたい」に英語の字幕は付いてるし、日本語のラジオ放送はあるし、
朝日新聞だってあるし、なんだかハワイはおもしろいところです。
Rより
ハワイは沖縄です。
お世話になっている叔母は在住29年ですが、職場も沖縄人に囲まれ英語が上達しないと言ってました。
実際、近所は日系の人が多いです。
叔母の長女とその彼の招待で、彼の勤務先のリゾートホテルでディナーという
予想外の嬉しいことがありました。
一泊4万円からで日本人が多く泊まっているようです。
お庭の池に、イルカ、カメ、エイまでいました。
(そんなもん、海に返しなさい!! R談)
食事はブッフェで寿司や刺身があり、Rは感激してました。
テーブル傍でハワイアンとフラのサービスもあり大満足でした。
昨日はやっと地元の山を登り、自然に触れてきました。
韓国系、中国系の人たちがエクササイズに来ていて、地元のお手軽コースのようでした。
途中で出会った人に「日本人?私神戸で仕事しています。
」と上手な日本語で話しかけられ、
ハワイの安い店や観光客の注意点を教えてくれました。
さて、森は主に亜熱帯の植生で、見たこともない木の花が多く見られ、
又バードウォッチングも楽しめました。
今日は今年のフラ・フェスティバルの録画を見ながら移動の準備です。
心残りはワイキキを歩かなかったことだけかな?
ワイキキに行かない日本人観光客なんて少ないんでしょうね。
では、Mでした。
-5-
旅日記4 「ハワイイ」編 2
皆さん、こんにちは。M&Rです。
日本はゴールデンウィーク目前。新緑が目にしみる頃でしょうか。
さて、予定通りカウアイ島とハワイ島を、それぞれ1週間ずつ回って、ホノルルに戻ってきました。
どちらの島でもキャンプをしながら、ハイキングと海水浴ざんまいの日々でした。
標高4000m 以上の Mauna kea 山頂で、国立天文台の"すばる"越しに見た夕映えの雲海と星空は、
一生の思い出になりそうです。
(すばるに最近、NHK のハイビジョンカメラを取り付けたとラジオジャパンで聞きました。
きっと、特集番組があるんでしょうね。いいな、いいな。)
テントを張ったビーチは、だいたいホームレスの人たちの生活の場にもなっていて、
適当に折り合いをつけながら仲良くやっていました。
子供たちもたくさんいてなんだか楽しそうだし、こうした人たちが年中生活できるのは、
やはり、暖かい土地柄ということなのでしょう。
(もちろん、キャンプ場には旅行者もたくさんいますが)
これで私達も、上野公園や隅田川にデビューできるかも?
どちらの島にも日系の文化が深く浸透していて、どこのスーパーへ行っても、
日本で売られているパッケージそのままの食品が手に入り、
おにぎりや太巻き寿司まであるのには驚きました。
(ハワイで、なんで「水戸納豆」なのかは別として)
ただ、こうした文化もちょうど私達の両親の世代に当たる 2 世の方々が、
健在でいるうちなのかもしれません。
私達を見ると、遠い日本を想ってついつい話しかけたくなるのでしょうか、
すでにうまくは使えない日本語で話しをする姿に、
たとえ異境の地であっても捨てることのできないものが人にはあることを感じました。
ところで、ハワイは九官鳥の島だって知ってましたか?
とにかく、日本のカラスと同じで、海へ行っても山へ行っても、街でも、どの島でも、
いたるところにいるのが、九官鳥(の仲間)
。
そんな話、ガイドブックには書いてなかったけど、この時期子育てまでして大変にぎやかです。
-6-
ハワイ固有の生き物たちともたくさん出会いましたが、
人の手で帰化した動植物(もちろん、九官鳥も)が、すでにメチャクチャはびこりつつあり、
日系の文化同様、先ゆきが少し気になります。
もうひとつ気になったのが、ハワイではゴミの分別が全くされていないこと。
すべてを見たわけではありませんが、日本で私たちがチマチマやっていることは何なの?
というくらい、豪快にまとめて捨てています。
巨大なスーパーに並びきれないほどの商品の山を見るたび、
ハッキリ言って、
「あんたら、地球のエネルギー使い過ぎ!!」と言いたくなります。
各家や自家用車に国旗を掲揚する愛国心の強さ。
ナショナルパークのレンジャーの、毅然としたすばらしいインタープリテーション。
そうしたカッコよさと裏腹にある、巨悪と言われる「わがままな」お国柄。
死ぬほど甘いものばかり食べながら、ダイエットコークやローファットミルクを飲む不思議さ。
この国を見つめる旅は明日からいよいよ本土、ロサンゼルスに上陸です。
5月中は、そのまま中米コスタリカへ足をのばしますので、
メールはしばらくお休みになるかもしれません。
初めてのスペイン語が、どうなることやら。
どうか、楽しいゴールデンウィークを。
Rより
こんにちは。Mです。
オアフ島のあとカウアイ、ハワイ島と周ってきました。
「ガーデンアイランド」と呼ばれているカウアイ島。
実際この目で見て緑の濃さや植物の大きさに圧倒されました。
(ジュラシックパークの撮影場所というのもうなずける)
嬉しいのは景勝地、展望台に土産物屋や目障りな看板が無かったことです。
そこで各国から来た旅行者とおしゃべりしたり景色を眺めてると、大型バスで乗り付けて、
長蛇の列を作ったり、休憩所をグループで陣取って幕の内弁当を食べているのは日本人団体客だけで、
他国の観光客も冷ややかな視線を投げてて、恥ずかしい気分でした。
-7-
ハワイ島は生き物(含む人間)が自然に翻弄されている島、という印象でした。
私の亡き曾祖父が移民でこの地でさとうきび農家をしていましたが、大変な苦労をしたそうです。
まず、移民船では家畜扱いで、ハワイに着く前に不衛生の為亡くなる人がいたこと。
ホノルル着のはずがハワイ島に着き、言葉も通じず、ここで暮らさなければならなかったこと。
火山噴火で出た避難命令を拒否し家に留まり、いよいよ溶岩が迫り死を覚悟したとき
風向きが変わり、家や畑を焼かれず生き延びた話など。
以上の話は曾祖父と仲の良かった叔母から聞いた初耳の話でした。
私にとってはハワイを身近に感じる旅になりました。
のんびりハワイからいよいよ大都会へ移動します。日本食とも今度こそさよなら?です。
やっと海外旅行に行く気分です。
気を引き締めて行ってきます。
Mより
旅日記5-1 「コスタリカ」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
行ってきました。
あこがれの地「コスタリカ」
。
インターネットカフェはあったものの、回線をつなげる場所が見つからず、久しぶりの送信です。
さて、何があこがれかって、そりゃあ世界三大美人生産国 "3C"
(確か「コスタリカ」
、
「コロンビア」
、
「チリ」でしたっけ?)のひとつです。
街を行くお姉さんのキレイなこと!!
車や家電製品、歯磨き粉のコマーシャルでさえ、なぜか色っぽいお姉さんが登場し、
毎日夕方、あるチャンネルでは、たくさんのお姉さんがスタジオでクネクネと踊っているだけの
謎の番組があったりと、Rは毎日鼻血の出すぎで、危うく"失血死"になるところでした。
(でも、アルゼンチンからのバックパッカーに聞いたら、"3C"なんて知らないと言われましたけど)
おっと、失礼しました。
お姉さんではなく、自然を見る旅でしたっけ?
コスタリカは四国と九州を合わせたくらいの面積の国ですが、そこになんと世界の動植物の5%、
鳥類は10%、そして数え切れないほどの昆虫たちが生息している、
というのが今回私たちがこの国を訪れた理由です。
-8-
国土の30%は、国立公園やなんらかの自然保護区になっており、この割合は世界最高。
また、軍隊のない永世中立国で、国家予算の 20%を教育費に当てているとか。
などというデータを頭に入れて、スペイン語、英語、ときには日本語?、身振り手振り、筆談と、
とにかく何でも駆使して回ってきました。
前情報はやたらと良さそうなこの国も、そこはアバウトなラテンのお国柄。
どこが「中米のスイス」なの?、というくらい街はボロボロ、車はもっとボロボロです。
歩道は平らなところを探すのが難しく、あちこち大きな犬が収まるくらいの穴があり、
扉を開けっ放しのバスやタクシーは人のことをあおるあおる。
信号機など信用していたら、とっくにあの世行きでしょう。
各銀行、スーパー、その他商店の入り口には
拳銃もしくはショットガンをかまえた警備員が立ちはだかり、中心街は警察官だらけ。
スーパーのすべての通路には、万引き防止の係員が配置され、常に無線で連絡を取り合う始末。
買い物に行くにも神経をすり減らし、
自ずとこちらも A 級の警戒状態での街歩きになってしまいます。
そんな中、ピカチュウの着ぐるみがモールを歩いたりするのは、少々ズッコケる気分ですが。
それでも人々はやたら明るく、長距離バスの運ちゃんはラテンミュージックをガンガン流し、
こんな国にいると、日々食えること、生きていけること、それだけで十分幸せという
気にさせてくれます。
さて、肝心の自然のお話でした。
この国の自然は大まかに4つのゾーン(太平洋側乾燥林、太平洋側熱帯雨林、山岳雲霧林、
カリブ海側低地)に分けることができ、面積のわりには複雑な環境で、
さらに地形が北アメリカと南アメリカをつなぐ橋のようになっていることから、
それだけたくさんの生き物が生息できる場所となっています。
実際、いくつかの自然公園を訪れてみましたが、植物も昆虫も鳥も
「こんなのあり?」
というくらい、これまでの感覚を破るようなおもしろいものが次から次へと現れます。
羽色がすばらしい「ケツァール」
、モビルスーツ(アニメネタですいません)のように
素早く動く「ハチドリ」
、金属光沢色や透明な羽を持つ蝶たち、せっせと働く「ハキリアリ」
、
強烈なカラーリングの「ヤドクガエル」などなど、テレビでしかお目にかかったことのない
生き物たちが見られる毎日は、飽きることがありませんでした。
-9-
しかし、そのためにはちょっとした代償も必要です。
とある国立公園を訪れたときのこと。あまり情報も得られないまま、
首都からバス3台を乗り継ぎ、最後は自分で馬に乗って(しかも初体験なんですけど)
、
10時間もかけてたどり着いた山中のロッジは壁も屋根もすき間だらけ。
部屋の中をホタルが飛び交い、全身をノミやらダニやらハエやら蚊にボコボコにされた
(その数100ヶ所近く!!)なんてこともありました。
「日本人がカップルで来たのは初めてじゃないか?」などと言われ、
Mは当然極度の"ブルー"状態。
月に10人くらいしか歩かないというレインフォレストを見られたのは良かったのですが、
まともな地図もなく未だに自分たちがどこへ行ったのか定かじゃなかったりして。
そんなところでもレンジャーさんやガイドさんはだいたいいて、
どこの国立公園でも入場料 US$6~10程度は徴収されます。
おかげで、
「管理はされているが訪れる人は少ない」 という、
アメリカとも日本とも違う自然公園を体験できました。
さて、これから7月にかけては、アメリカの国立公園巡りです。
コスタリカのおみやげが、マラリア、デング熱、アメーバ赤痢
なんてことにならなければいいのですが。
(症状が出るとすればこれからか?)
では、また。
Rより
旅日記5-2 「コスタリカ」編 2
こんにちは。Mです。
今回の旅で最初の要注意国でしたが、滞在してみると楽しい思い出が多くほっとしています。
でも慣れた頃、気がゆるんだらしく財布をタクシーへ落としてしまいました。
1800円程しか入ってなかったけど、3日分の食費だったのでとてもショックでした。
さてコスタリカは5月から雨期に入ったばかりで、私たちもよく雨にあっています。
けれども先日行ったドライエリア(国の北西部)はカラカラに乾燥してて、
暑くて熱くてげんなりしてしまいました。
その中で環境に上手く適応している生き物は日本では見られないものばかり。
汗だくで乾きながら歩き、少しだけ生き物の気持ちがわかったような気がしました。
- 10 -
一番印象的だったのは「雲霧林」でした。日本ではあまり見られないタイプの森です。
一本の木に70種程の寄生植物や苔、シダ類が着いてる姿は美しく感動でした。
その森であこがれのケツァールを見られたのはラッキーでした。
それから、人々も自然に負けず劣らず個性的でした。
男性はおしゃべり好き。人を呼ぶときは口笛。バスに乗車する時いつも口笛で呼ばれました。
(犬じゃあるまいし)
女性はとにかく色っぽくておしゃれ。街のモールのショーウインドウは女性用の商品が大半です。
その中で女性の下着を飾っている店が圧倒的に多く、それも赤面ものの色っぽい下着ばかり。
なのに店内を覗くと靴屋や洋品店、雑貨屋なのです!?ふしぎでした。
(R、ここでまた鼻血を流す)
今度は米ナショナルパーク巡りです。
シーズンに入っているので混雑は必至。さて無事泊まれるのでしょうか?
ではまたメールします。
旅日記6 「アメリカ」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
コスタリカからロサンゼルスに戻ったもののメールを送れず、
アラスカからまとめての送信になりました。
ただ今時刻は午前2時。1時間ほど前にアンカレッジの空港に到着したばかりです。
今夜は宿なし。このまま空港で朝まで待つため、時間ができました。Mは隣で寝ております。
さて、コスタリカから戻ったこの1週間で、
カリフォルニア州の国立公園をレンタカーで2つほど回ってきました。
巨木の森で有名な「セコイア」と、
エルキャピタン、ハーフドームなどの巨大花崗岩と数々の滝で知られる「ヨセミテ」です。
どちらもすばらしい景観を誇り、特にヨセミテはアメリカの国立公園では人気ナンバー1、
年間400万人の観光客が訪れるところ。
実際、すでに夏シーズンが始まったこの時期では、
公園内に数百はあるキャンプ場のテントサイトはすべてソールドアウト。
私たちも、公園外の私営キャンプ場から日参しました。もちろん、こちらもほぼいっぱいです。
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それでも感心するのは、公園を管理する政府機関「ナショナルパークサービス」が、
入場してくる人の限度をきちんと決めて、
「ダメなものはダメ」という姿勢を貫いている点です。
まあ、この場合「人にとって都合の良い自然に保つ」という矛盾を感じないわけではありませんが、
なんでもかんでも観光のためなら許されるというやり方とは一線を引いていることは確かです。
また、相当たくさんの人が毎日訪れているものの、
一般の人が利用するのは車で行ける公園のほんの一部だけで、
標高2000メートル以上の「ハイシエラ」と呼ばれる山々にはまだ雪がかなりあり、
場所を選べば静かな山歩きを楽しめるのも魅力でした。
どちらの公園もとにかく面積が広いため、1週間程度の滞在ではお話しにならず、
1ヶ月くらいは欲しいなあというのが実感です。
しかし、天候は安定し、新緑と春の花が楽しめ、滝の水量は十分にあり、
イヤな虫も少ないこの時期は、たいへんおススメといえるかもしれません。
できれば季節を変えて、もう一度行ってみようかと思っています。
ところで、いよいよワールドカップが始まりますね。
コスタリカで何かと助かったのがこの話題でした。
なんせ、ラテンの人たちはサッカー大好き。
「日本人なんだろ? ワールドカップが見られていいなあ」と、何度言われたことか。
コスタリカがまだ負けていないうちに、出国できたのが幸いでした。
こちらはサッカーではなく、夜が明けたら(といっても、今は日照時間が20時間近くもある)
アラスカの旅が始まります。
Rより
旅日記7 「アラスカ」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
今回はアラスカです。
アラスカでの目的地は「デナリ・ナショナルパーク」です。9日間の日程で行ってきました。
デナリの見所は壮大なマッキンリー山やその周辺で暮らす野生動物、色とりどりの高山植物です。
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人気の高い公園ですが、シーズンに入ったばかりで、キャンプ場もバスの予約も難なくとれましたが、
いちばん行きたかった「ワンダーレイク」までの道路が7日後に開通ということで、
それまでの間、公園内にある他のトレイルを歩いたり、
ビジターセンター主催のレンジャーウォークや夜のプログラムに参加したりしました。
北米最高峰マッキンリー山は標高6195m。夏期の70%は雲に覆われるため中々見られません。
野生動物はトレイルをハイキング中にムースの親子、野ウサギ、リス、ビーバーが見られ、
公園内を移動するバスの中からはリンクス(大型ネコ科)、カリブー、ドールシープ、
グリズリーの親子、地リス、マーモット等が見られました。
公園内を訪れるビジターは、必ずレンジャーから野生動物との接し方を
何度も何度も繰り返し説明され、ビジターも守ります。
グリズリーに関しては8割の方が見られるそうですが、これまで事故は無いそうです。
とても素晴らしいことだと思いました。
日中の気温は15度前後、朝方は0度近くで寒く、川はまだ所々凍っていますが、
タイガの針葉樹は花粉を飛ばし、ツンドラには多くの高山植物が見られました。
強風や寒さから身を守る為どの花もとても小さくて小さくて可憐でした。
あと強烈だったのが名物の「蚊」です。
念のため買っていったモスキートネットがとても役にたちました。
特に奥地のワンダーレイクでは常時50匹程にたかられていましたから。
ビジターもふた言めには「モスキート」を連発していました。
「モスキートブック」や巨大な蚊のぬいぐるみも売っていましたから、やはり強烈なんでしょう。
それからネイティブアラスカンの人々抜きにはこの土地を語れませんが、
英語が理解できないので、詳しいことはわからなかったけれど、
ネイティブの文化を理解し残そうという姿勢は嬉しく思いました。
アラスカはいつか戻ってくるような気がします。
Mでした。
こんにちは、Rです。
赤道の熱帯雨林の次は北極圏、タイガにツンドラ(英語の発音は"タンドラ")の世界でした。
体が悲鳴をあげそうです。
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森は、ほとんどの低木が柳か樺の仲間、
そして松や栂の木々も10メートルにもならない厳しい土地です。
森林限界が1000メートルに満たないことからも、環境の厳しさがうかがえます。
そして、ツンドラを覆う一面のベリーが、アラスカの景色と言っていいでしょう。
この様々なベリーの実はグリズリーの大好物で、彼らの食べ物の7~8割を占めるそうですよ。
変に凶暴なイメージを植え付けられていますが、肉食は少ないそうです。
あの巨体を支えるだけのベリーの実がいかに多いかわかるでしょう。
アラスカでは動物も植物も、夏の長~い日照時間をいかに上手く利用するかが、
生き残りの最大のポイントです。
現在の日の出は午前 3 時台、日の入りは真夜中を回ってなんと0時台。
20時間以上の日照から少しでも熱エネルギーを得ようと、おのおの戦略を立てていました。
この長い日照といい、デナリでは天気が東の空から変わることといい、
どうも日本での感覚からずれていて、なかなか面白い体験だったと思います。
たった1日だけ、その全容を見せてくれたデナリ(
「高きもの」という意)は、
もう神々しいというしかない大きな大きな山でした。
肩くらいの高さにたくさんある山々が、富士山と同じくらいかと思うと、
あらためてその大きさを実感できます。
植村直巳氏が眠る山ということでも、日本人にとっては想い入れのある山ですね。
公園を訪れる多くの人が望んでも、なかなか拝めることのないその姿に、思わず感謝でした。
さて、アメリカの国立公園を巡る旅はまだまだ続きます。
今日はこれから、イチローくんの活躍するシアトルへのフライトです。
日常生活ではテロの影響は感じられなくなっていますが、相変わらず空港の検査は厳しく、
それなりに心づもりしていっても毎回何かしらケチをつけられています。
先日のメールで、
「キャンプ用品一式を持っているのでは荷物もさぞかし多いことでしょう」
という指摘をいただいたのですが、私たちはそれを全て機内持ち込みにできるサイズにまとめています。
(おおむね、縦、横、高さの合計が115センチくらい)
荷物のロストをおそれての対策なんですが、それがまた検査をややこしくしているので、
最近は結局預け荷物になっています。
せっかくの軽量化作戦が実力を発揮するのはアメリカを離れてからになるでしょう。
- 14 -
ところで、ワールドカップはどうなっているのでしょう?
アメリカではサッカーの報道に熱が入っていません。
では、また。
旅日記8 「アメリカ」編 2
皆さん、こんにちは。M&Rです。
皆さんからのメールとても楽しく読んでます。
日本語に飢えているので心の息抜きにもなってます。便利な世の中と皆さんに感謝 \(^O^)/
今回はシアトルからです。
日本人が多く日本語のガイドマップや「宇和島屋」というスーパーマーケットもありました。
「R」は久しぶりにあんぱんをとても美味しそうに食べていました。
店内に紀ノ国屋書店があり、思わず本を買ってしまいました。重いのに。
さて、シアトルから車で4時間くらいの所にある「オリンピック国立公園」まで
足をのばして来ました。
ここは氷河、山脈、草原、湖、川、森、海岸がある面白い地域で、
Mのお気に入りは「Hoh Rain Forest」
。
年降水量が3000ミリ以上もある降雨林でツガ、モミ、カエデの巨木にコケ、シダ、
ヒカゲノカズラなどがグワーッと着生してて「もののけ」の深ーい森のイメージです。
一本の巨木に100種類の生き物がすみ、コケは1トン程の吸水力があるので、
重みで枝は垂れ下がってます。
その森でテントを張りのんびりしてると周りを忙しそうなリスが行ったり来たり。
他にも巨大な角をもつエルクやクーガー(マウンテンライオン)も住んでます。
ビジターセンターの掲示板に「クーガーを見たら絶対走るな」の張り紙には、
ちょっとビビリました。
次のイエローストーンではどんな生き物に会えるでしょうか?
Mでした。
- 15 -
こんにちは。シアトルで床屋に行き、変な頭になったRです。
(
「頭が変になった」ではありません、念のため。
)
アメリカで長距離移動といえば、
「アムトラック」鉄道か「グレイハウンド」バス。
そのグレイハウンドの中で書いてます。
シアトルはいい街ですね。特に観光スポットはないけど、街路樹が多くて、程良い大きさで。
内湾に面した先には雪の「オリンパス」の山々、そして南に「レーニア」山が望めるのも素敵です。
話を聞くと、アメリカ人にもこの街を好きな人は多いようで、旅行者にも人気が高いです。
「オリンピック国立公園」についても、山あり海ありで日本人好みというか
たいへん気に入りました。
今、下草で咲いているのはマイズルソウにゴゼンタチバナ。
苔むした針葉樹林にミソサザイが鳴き、私たちの地元、青木が原の樹海を思い起こさせてくれました。
ただ、青木が原と異なるのは、冬に温暖で雨が多いこと。
その違いがメープルの木にカーテンのように付いた苔を育てるこの森の特徴になっています。
イチローと佐々木の活躍で日本人の株も高いし、
シアトルとセットで夏休みに遊びに来るなんていいんじゃないでしょうか。
ただし、体長20センチもあるバナナのように黄色いナメクジ「バナナスラッグ」にはご用心を。
一部の方が喜ぶと思い写真を撮りましたので、お楽しみ(?)に。
ところで、ワールドカップ情報をたくさんお知らせいただき、ありがとうございました。
「決勝トーナメント進出!!」ということですごいな~と思い、
それならニュースに気をつけてみようかなとオリンピックから戻ったその日に
トルコに破れたことを知りました。
残念でしたねえ。メールからも相当な盛り上がりの様子が伝わってきましたから、
落胆もさぞかし大きいかと。
メキシコに勝っても、相変わらずアメリカは何の盛り上がりも見せていないというのに。
しかし、乗りやすい単純な人たちなので、道頓堀ダイブをやらせたらおもしろいかも。
さて、まもなく旅も3ヶ月になろうかとしていますが、
「どんなものを食べているんですか?」とのメールをいただきました。
ハッキリ言って、ろくなものを食べてません!(笑)
乾物、煮物、漬け物、発酵食品に加工品等、日本食のバラエティーさに比べて
こちらのメニューの貧弱なこと。そして、それを補うためのサプリメントの山また山。
- 16 -
面積だけやたらデカイこちらのスーパーと比べて、
シアトルの日系スーパーへ行き、つくづく思った次第です。
でも、シリアルとかフレークばっかり食ってて、何であんなに体格いいんでしょう?
やっぱ、肉か。
これから、イエローストーン、グランドティートン、ザイオン、グランドキャニオンと回る予定です。
では、また。
旅日記9 「アメリカ」編 3
皆さん、こんにちは。M&Rです。
今回は1872年世界初の国立公園に制定され、
世界遺産にもなっている「イエローストーン」の報告です。
(その南隣にある、名画「シェーン」のラストシーンで有名なグランドティートンにも行ってきました)
一言で表現すると「巨大レジャーランド」でしょうか。
見所は温泉、間欠泉、噴気孔(火山活動によるもの)、山脈、滝、渓谷、湖、大草原、
そこに生きる野生動物など。
とにかくビジターは、いろんな楽しみ方をえらべます。
観光、動物ウォッチング、サイクリング、ハイキング、フィッシング、カヌーやボート、
乗馬、キャンピングなどなど。
ホテル、ストア、ビジターセンターなど施設も充実。
一つ残念だったのはコンコンと溢れる温泉に入浴する施設はない、ということです。
寒い日もあったので「温泉入りたーい!!」と叫んでました。もったいないなぁー。
私たちが回った中では、ブラックベアーの親子、グリズリーベアー、エルク、ミュール鹿、
アメリカバイソン、コヨーテ、ムース、プレーリードッグ、そして野鳥も多く見られました。
レンタカーで走行中、前方をバイソンの群が道路を横断するのが見え、
「わーバイソンだ」と止まって待ってたら、群の向きが変わりこちらへ歩いてきます。
「うわぁ!こっちに来るよ!!」
群は車を取り囲むようにゆっくりと移動しながらこちらをジロっと見ていきます。
「・・・・・」
(@_@;)
(怖くて無言。ビジターセンターでバイソンに近づき過ぎた観光客が
角で突き上げられたビデオを見ていたので。ちなみに、米国48州の陸上生物のうち最大の獣です)
- 17 -
その前も走行中に前方が渋滞してて停止すると、すぐ側の茂みから不機嫌そうなグリズリーが出てきて
ビックリしたばかりでした。カメラを持った人々に追っかけられてたけど。
野生動物を見つけると狂喜乱舞する人は多く、ほとんどのトラブルは人の不注意に因るもので、
そのせいでやむなく殺される動物もいます。
しかし四国の約半分ほどの面積を保護区にし、多くの動物が野生のままで生きていけるエリアを残し、
そこからいろんなことを学び反省し、人々に伝えようとする姿勢には感動しました。
米国の国立公園は8ヶ所しか回っていませんが、
その中でイエローストーンは今の所ナンバー1!!です。
次は「ザイオン&グランドキャニオン」です。
いろんな「○○キャニオン」を見てきましたが本物はまだなので、こちらも楽しみです。
Mでした。
さて、変な頭のまま旅を続けるRです。
(頭が変なまま、ではありません。念のため。
)
アメリカの国立公園をここまで回ってきて「なんだか、どこかに似ているなー」と思い当たったのが、
ディズニーランドを初めとするテーマパークでした。
園内のテーマはもちろん「自然」
。そして案内するホスト役の「レンジャー」さんは、
いろんなアクティビティーを用意して待っていてくれます。
入園者は日本のように「山へ行ったら不便が当たり前」とか、
「頂上で冷たい生ビールまでは我慢」とか、
「下界で一週間ぶりの風呂に焼き肉」なんて感覚は
更々ありません。テーマパークなんだから当然ですよね?
そこには田舎町の商店顔負けのストアと、温水シャワーが常にあり、
キャンプ場では衛生テレビを受信し、それにもかかわらず、テントのすぐ周りには
野生動物たちがたくさんたくさん息づいている・・・
アメリカの国立公園システムは確かに素晴らしいものですが(全米で国立公園は350ヶ所以上あります)
、
どうも日本人とは自然を観る目が少し違うような気がします。
ですから、そのシステムを作り動かす人々の感覚の違いを知らないと、
ただ羨ましいということだけになってしまいそうです。
こうした日本との感覚の違いを知ることが、なにより旅のおもしろさなのかなあとも思います。
- 18 -
イエローストーンは60万年に一度噴火する超巨大火山の火口原にできた公園です。
最近、屋外で無線 LAN に接続できる場所をホットスポットと言うそうですが、
こちらは現在も活動中の正真証明の「ホットスポット」です。
1988年には公園の4割近くを焼失する大火災もありましたが、
そこには次の自然がよみがえりつつあり、人々の火災に対する考え方をも変えたと言われています。
まさに、自然の一大実験場ですね。
私たちはおそらく次の噴火も、再生した森も見ることはできないでしょう。
レンジャーさんがしばしば使う言葉、
「ずっと先の世代までありのままの姿で手渡すこと」
。
人の活動による影響も含めて全てが自然であり、できるのは、それだけです。
自然の物差しでものを見るのって、なんかいいですよね。
そしてそれが、似たもの同士のディズニーランドとナショナルパークとの違いかもしれません。
国立公園巡りもラストスパートです。
このメールは20人前後の方へ送信しています。
配信の停止、追加、バックナンバー等の希望がありましたら、お知らせください。
では、また。
旅日記10 「アメリカ」編 4
皆さん、こんにちは。M&Rです。
米国 NP(National Park)巡りの最後を飾るのは、
「ザイオン&グランドキャニオン(略して GC)」です。
どちらもとにかく暑く、あまりの暑さと極度の乾燥で蚊もいません。
日中は35~40度以上もありました。
両公園ではマイカー規制の為シャトルバスに乗り換えての観光になります。
園内には多くのトレイルがありますが私達はザイオンで2ヶ所、
GC で1ヶ所歩くことができました。
乾燥したイメージのザイオンでしたが、そこには川が流れ、
岩の隙間から流れる清水のそばに黄色のオダマキや苔も見られました。
- 19 -
GC のビジターセンターで日本人女性のパークボランティアの方と話す機会がありました。
日本人客の為ではなく、環境関連を専攻していることから NP のプログラムを受けての採用とのこと。
多くの日本人客は団体、しかもガイド付きなので殆ど話す機会が無く、
「日本語が話したい」と言う彼女お薦めの、峡谷を下りるトレイルへ行って来ました。
そこは、乾燥に耐えて生きる動植物を間近に観て触れる良いトレイルでした。
途中すれ違ったビジターを引率しているレンジャーが盲目だったのは正直驚きました。
巧みなストックさばきで急な下りも難なく歩いていましたから。
峡谷の断崖を歩き、なおかつ人をガイドするという厳しい条件で、
しかも障害に関係なく人材を採用するあたりは、アメリカの懐の広さを感じます。
カラカラに乾いた GC は、山火事警報も出て遠景は霞んでいましたが、
ある日なぜか半日だけ雷雨になり、霞みが取れてため息の出るような美しい姿を、
わずかな時間だけ見せてくれました。
米国10ヶ所の NP を訪ねて特に感じた事は、
「ネイティブアメリカンを抜きには語れない!!」ということでしょうか。
ここまではMがお送りしました。
暑い、暑い、暑~い!!
ということで、夏が得意のRも夏バテする2つのキャニオンは、強烈な暑さでした。
とにかく、行動できるのは早朝か日没近くになってから。日中は何もする気になりません。
グランドキャニオンのあるアリゾナ州では、極度の乾燥のためたき火は禁止。
喫煙場所さえ制限され、トレイルも大半が閉鎖という状態でした。
2ヶ所のキャニオンを移動するため数百キロをドライブしたときも、
「ここで車が故障したら、ヤバイんじゃないか」と、身の危険を感じたほどです。
しかし、同じように見える赤茶けた「コロラドプラトー」と言われるこの超巨大な台地は、
場所によって露出している年代が異なり、それが形成された過程がわかると
景色が俄然おもしろく見えてきます。
グランドキャニオンなんて、自分の足元の一番上の層が2億6千万年前のものだったなんて
実感湧きませんよ。
年代が古すぎて恐竜の化石も出ないくらいなのですから。
- 20 -
その一番上の層からコロラド川が削った谷は、東西450キロ、
深さ1500メートルの大峡谷です。
視界に入りきらないこの景観を、どう説明したらいいのでしょうか。
まったく、畏るべき自然の力です。
いくつもある展望台からの景色を回ってみても私たちは、
「なんか、もの足らないなあ」ということで、
暑さに耐えてやっぱりトレイルを歩いてきました。
自然に触れるには、やはり歩け、歩けです。
そうすれば、谷を渡る風の音を聞きながら、わずかな時間で何千どころか何万年もの地層の旅が
できるのですから。その複雑で変化に富んだ色の数々は、間近で見て初めてわかるものです。
ただし、どこのトレイルも当然ながらスタート地点が一番高い位置にあることをお忘れなく。
あまりのんびりしていると、帰りは灼熱の登りになります。
これに対してザイオンキャニオンでは谷が狭く、太股まで水に浸かって歩くトレイルがあり、
避暑には最高でした。私はこちらがお気に入り。
コロラドプラトーが占めるユタ、コロラド、アリゾナ、そしてニューメキシコのそれぞれの州は、
インディアンカントリーといわれるネイティブアメリカンの土地です。
日本でも、アイヌや琉球の人々の自然感が大切なように、アナサジ、ホピ、パイユート、
そしてナバホと、それぞれの民が持つ世界を理解するには、
旅行者である私たちはあまりに時間が少なすぎます。
それが、なにより残念でした。
ところで、先日7月4日は独立記念日でした。
アメリカの祝日の内でも重要な1日ということで、なんかありそうだなと思っていたら、
ロスの空港で発砲事件。
幸いテロとは関係なさそうですが、ロスに戻った私たちは、用事があってその3日後に
空港へ行ったものですから、あまり気分のいいものではありません。
まあ、普通のディスカウントストアーで拳銃が1~3万円、
ライフルでも5万円もあれば買えてしまうお国柄ですから、バカがいるかぎり防ぎようもありません。
そんなアメリカの旅はまもなく終了です。これから、東海岸ワシントン D.C.へ移動して
1週間ほど滞在、それからヨーロッパへ足を進めます。
では、また。
- 21 -
旅日記11 「アメリカ」編 5
皆さん、こんにちは。M&Rです。
日本は「海の日」ですね。
今年の梅雨明けは順調でしょうか?
エルニーニョの影響がちょっと気になります。
こちらはアメリカの旅を無事に終了し、ただいま出国直前、
ワシントン空港のボーディングゲートにいます。
(ワシントンの空港といっても、レーガン、ダラス、バルティモアと
御丁寧に3つもあるんですよね。そのうちのバルティモアにいます。
)
ワシントンの細かい報告は、これから機内での暇つぶしで書きますのでお待ち下さい。
ハワイ、アラスカを経由してのアメリカを回った印象は、
ひと言で言うと「大きいことはいいことだ」という考えが
どこでも貫かれている(ような気がする)ことですね。
ありとあらゆる人種や価値観を持った人たちが集まる国で、
その集団を支配できるのは「パワー」だけ。
その力がいつまで持つかは別として、いずれはつぶれてしまわなければいいのですが。
さて、これからロンドンを経由して、明日はいよいよスイスです。
アメリカはインターネット発祥の国にしては、こうしてメールを送信できる公衆電話は空港だけ、
しかも10台に1台くらいしか無く、けっこう不便でした。
次のヨーロッパはどんなもんでしょうか?お楽しみです。
皆さんの夏休みの計画は?
メールお待ちしてます。
Rでした。
Mです。
ワシントンは蒸し暑く緑も多いので日本と似ています。
ラテン系の人が多く底辺を支えています。
近い将来日本にもラテン系が増えるとなんとなく面白そうだなあ。
- 22 -
ドルにも慣れたのに次はスイスフラン、ユーロ、イギリスポンドです。
ところで日本円の2000円札はすぐ姿を消しましたが20ドル札、
25セントは使ってみると、とても便利ですね。
ではまた。
旅日記12 「アメリカ」編 6
皆さん、こんにちは。M&Rです。
すでにスイスを旅行中ですが、今回はワシントン D.C.の続編です。
D.C.から車で4時間のバージニア州 Williamsburg にMの叔母が住んでおり、
15年ぶりに会いに行ってきました。
Williamsburg は全く未知の場所でしたが行ってビックリ。
イギリス人が新大陸に初上陸し、町や首都を作った場所でした。
歴史保存地区には当時の建物があり、土産店員や従業員、ガイドはその当時の服装で働いていて、
映画のセットに紛れ込んだよう。
ほかにも車で30分の York Town は米独立戦争時の舞台となった歴史的にとても重要な場所でした。
叔母が住んでたのは偶然ですが、米国を自然以外の視点から見られてラッキーでした。
さて、Rです。
スイスへ向かうエアーラインは、BRITISH AIRWAYS を利用しました。
今回の旅では、大陸ごとに提携航空会社を乗り継ぐ形を取っていて、
それぞれお国柄みたいなものが出ていておもしろいです。
大韓やカンタスも良かったですが、BA はこれまで利用した中ではいちばんのサービスかも。
シートはヘッドレストの左右が独立して動き、枕とブランケットは全席サービス。
ヘッドホン、映画上映は当然として、アイマスク、歯ブラシ、なぜか靴下まで付いていました。
これに対して先日 L.A.から乗ったアメリカン航空は、ヘッドホンの有料はまだしも、
ランチサービスの時のこと。
私たちの目前のシートまでランチボックスを配りきった後、客室乗務員がなかなか来ないので、
「あの~、まだランチをいただいていないのですが」と聞いたところ、
「あらー、ごめんなさい。もう、品切れなのー」
(ぬわ~に~ し・な・ぎ・れ??)
- 23 -
そんなのあり?機内食無し?
みなさん、中南米に行くとき以外はアメリカン航空はやめましょう。
それはさておき、D.C.(ディストリクト・オブ・コロンビア)のお話し。
日本で言うところの霞ヶ関に当たるこの場所は、ホワイトハウスを始めとして、議会棟、各省庁、
修復中のペンタゴン、FBI 本部などなど、今どきお近づきになりたくない所ばかり。
それでも四角四面のビルばかりではなく、赤レンガやギリシャ神殿のような石造りでできた
立派な建物が多く、それを見上げながらの街歩きも悪くはありません。
その多くは国立公園として、やはりナショナルパークサービスに管理され、
しっかりビジターセンターもあります。
私たちがこの街を訪れた理由は2つ。
「ナショナルジオグラフィック協会本部」と、
「スミソニアン博物館」を訪れるためです。
世界的な規模を誇るスミソニアンは、収蔵品1億4千万点以上、9つの建物と1つの動物園を
抱える国立博物館の大集合体です。(収蔵品を展示しきれないためさらに増築中)
中でも一番の人気は、
「航空宇宙博物館」
。ここには、ライト兄弟の「フライヤー」
、
リンドバーグの「スピリット・オブ・セントルイス」から、
「ゼロ戦」などの戦闘機、
「アポロ」の着陸船に「ボイジャー」
、
「スペースシャトル」のシュミレーターまで、
飛行に関する蒼々たる展示を見ることができます。
「乗り物」大好きな男の子(もちろん大人も)だったら、たまりません。
これだけのものを展示するスペースたるや、とにかく、一つの博物館を駆け足で回るだけで、
軽く1日は必要です。適当に休憩しないと夕方にはもうフラフラ。
D.C.は日本では秋田や岩手あたりと同じ緯度ですが、たいそう蒸し暑くてこの季節それもこたえます。
その他にも「自然史」
、
「アメリカ史」
、
「美術」などいくつもの博物館が広大な敷地に立ち並び、
しかも今どきなんとすべて入場無料!!
そのためか D.C.では国内からの観光客が多いような気がしました。
ホワイトハウスの周りには名物ホットドッグ屋さんが立ち並び、しっかり「プレッツェル」も
売ってましたよ。まったく、ジョークの好きな抜け目のないアホな国民です。
大統領とそのファーストレディーは芸能人のような存在で、ほとんどスター扱い。
政治家グッズの土産物もやたら多く、かなり笑えるものもありました。
ブッシュくんの笑顔がすられたマグカップなんて、誰が買うんでしょう?
- 24 -
讃える面と茶化す面のバランスで、この国の民主主義はうまく機能しているのかもしれません。
さて、そんな「巨大なお子様」アメリカの旅は終了です。この国のほんの一部しか
見られなかったけど、若い国は若いうちに訪れるのがいいような気がしました。
最後に、アメリカ横断中の多くの旅行者に聞いたおススメの街はどこだと思いますか?
答えは「ニューオーリンズ」
。とても、エキゾチックなんだそうですよ。
いつかまた、自分の目で見に来られたらいいなと思います。
次のメールはバカンスシーズン本番のアルプス、スイス編の予定です。
では、また。
旅日記13 「スイス」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
今回はMが一番行きたかった「スイス」です。
玄関口の"チューリヒ"、中央高地の"グリンデルワルト"、南西部フランス寄りの"ツェルマット"、
南東部イタリア寄りの"ツェルネッツ"とまわりました。
第一印象。
「スイスは物価が高い!!」
。日本以上です。
一般の平均月収が50万円もあるのに、殆ど貯金ができないと聞きました。
そんな国ですから、おのずと泊まりはキャンプ場で節約モードです。
旅してみると鉄道は正確で駅のそばにキャンプ場、スーパー、
あらゆる施設が集中してて便利だし、観光客に対するサービスを心得ていて、
人気の高い理由が解りました。
特に日本人は、日本語の看板や案内所、日本食レストラン(弁当2900円、うな重5600円!!)に
日本人店員と、特別待遇です。
さてスイスといえば、ハイキングとフラワーウォッチング。
電車、ゴンドラ、リフト等で高い所に登り、歩いて下ります。リフトは最高3800m 近く。
山小屋やレストランも3500m 位、放牧中の家畜もこのくらいの高さまでいます。
アイガー、メンヒ、ユングフラウ、マッターホルンやモンテローザの山々と
それを覆う氷河を眺め、まわりに咲いてる高山植物、
放牧中の牛や羊をよけながらのハイキングは快適でした。
しかし、スイスで国立公園に指定された場所は一つしかなく、そこで見た本来の自然と、
人が手を入れて保たれている景観との違いを見て、やっとスイスに来たと思えたのでした。
- 25 -
日・米に比べると質素で合理的なスイス人の生活に知性と豊かさを感じたMでした。
さて、スイスは100円程度の瓶ビールもあるのに、なぜかアイスバーは300~400円もする
ということで、相変わらず苦境が続くRです。
(でも、こちらのビールは味に深みがあって、冷やさないでもおいしいですね。これは、新発見。
)
日本と同じ「山と鉄道の国」スイスで見る車窓は、子供の頃よく乗った奥多摩や秋川渓谷を
思い起こさせてくれます。
ただ、多くの山が夏は放牧地、冬はスキー場であり、日本のような深い森はなかなか見られません。
アメリカからやって来ての違いを箇条書きにしてみると・・・
まず、木造や石造りの古い建物が多い。教会も多く、時を告げる鐘が町のシンボル。
車はコンパクトカー。家もコンパクトサイズ。ベランダにはお花。
自転車の利用率が高く、専用道もある。鉄道もまだまだ輸送の主力。
買い物でもハイキングでも、犬を連れた人が多い。しかも、ムダ吠えしない。
黒人が少ない。また、醜いほど太った人も少ない。
食べ物の味付けがしつこくない。ケーキも甘すぎない。
ソフトドリンクをバカでかいカップでは飲まない。コーヒーより紅茶。
スーパーで色々なチーズを量り売りする専用のショーケースがある。その数ざっと40~50。
"eco"とか"bio"といった言葉を当たり前に見かける。買い物袋は持参。
キャンプ場でもゴミの分別は常識。
巨大モールやスーパーが少ない。コンビニの代わりに駅のキオスク。
土曜の夕方から月曜の午前中まで商店はしっかり休業。
自販機、ファーストフード店もほとんどなし。
落葉広葉樹が少ない。夏なのにセミが鳴かない。大型獣も少ない。蚊に悩まされなくて快適。
・・・などなど。
まだスイスしか見ていませんが、こうしてみると、
日本の生活はかなりアメリカ化されているのに、感性はヨーロッパに近いような気がします。
スイスでは公用語としてスイス型ドイツ語を使用しますが、西部ではフランス語、
南部ではイタリア語も使われ、旅行者に対しては英語と、
この国の人たちは3カ国語くらいを当たり前に使いこなすうらやましい環境です。
鉄道のアナウンスも独・仏・英。ハイキング中でも、
「ハロー」
、
「グレッツィ!」
、
「グーテンモルゲン」
、
「ボンジュール」
、
「チャオ!」と、頭が混乱しそう。
- 26 -
さらに南東の一部の地方では、第4の言語「ロマンシュ語」も使われます。
スイス唯一の国立公園「PARC NAZIUNAL SVIZZER」は、このロマンシュ語を話す人々が
暮らす地域にあり、ここではアジアからの観光客はめずらしく、
地元の人がのんびりとキャンプを楽しむ様子は、
「あ~、スイスへ来たなあ~」
と、本当に感じさせてくれる所です。
山々を歩けば、放牧がないため標高の低いところは松が主体の森で花々は少なく、
代わりに森林限界より上では見飽きるほど(!!)のエーデルワイスがあったりします。
スイスの山は牧歌的な風景にたくさんの高山植物というイメージですが、
ここでは「放牧する前、山はどうだったのか?」という姿を見ることができます。
ヨーロッパ全体でもすでに少ないこうした場所は、訪れる価値ありでした。
(さらに関心のある方は www.nationalpark.ch を、
泊まったキャンプ場は www.camping-cul.ch をご覧ください。
)
さて、このあとはオーストリア、ドイツ、イギリスと経由して、
8月20日から南アフリカへ入ります。
では、また。
旅日記13 おまけ 「オーストリア」編
皆さん、こんにちは。
「"ザッハトルテ"食べたい!」Rです。
(でも、ウィーンには行きませんが)
この週末からお盆休みの方も多いことと思います。甲子園も始まり、日本は暑いようですね。
さて、今回は「旅日記12」と「旅日記13」を、まとめてお送りしました。
スイスでは、とうとうメールを送れるところが見つからず、昨日からオーストリアに入りました。
"ザンクト・アントン"という、チロル地方の小さな町にいます。
そこの郵便局に頼み込んで、やっとメールがつながりました。
(スイスやオーストリアでは、郵便局が通信も管理していて、市バスの運行も司っています)
久しぶりに受信すると、未読メールがたまって(しかも、ジャンクメールが多かったりして)
通信費もバカになりません。
- 27 -
ところで、このザンクト・アントンという町ですが、アルペンスキー発祥の地とかで
野沢温泉村と姉妹都市になってます。
そういえば、グリンデルバルトは安曇村と、ツェルマットは妙高高原とやはり姉妹都市でした。
今回初めて、たまたまその日本の相手方の都市を訪れたわけですが、ハッキリ言って
「ぜんぜん、違うんじゃね~の?」
というのが感想です。残念ながら、日本の方が"お粗末"という意味で。
役所の方、現地視察してるんでしょうか?
それはさておき、オーストリアで通貨はユーロになりました。
コインもお札も、まだピカピカの一年生です。
お店で年輩の方が、店員さんにお金の数え方を教わっている光景も見られ、
新しい通貨なんだと実感しています。
物価もスイスより下がって一安心。
でもコインが、1,2,5,10,20,50セント,1,2ユーロとあって、短期滞在者としては、
「どうすりゃいいの~?」という感じです。出国までに使いきるのは大変かも。
スイスとチロルは電車で1時間もしない距離なのに、言葉では表しにくいですが
微妙な違いがあって面白いですよ。
(ザンクト・アントンの観光は、www.stantonamarlberg.com をご覧下さい。
それから、町ですてきな地図を見かけましたので、こちらもどうぞ。www.europa-panorama.at )
ここからはちょっと急ぎ足で、週明けにはドイツ・ミュンヘンへ、
そしてロンドン経由で、まもなくアフリカ行きです。
ハイキングの次は、サファリだ!!
次回のメールは、どこからになるやら。
今日は小雨のちょっと寒い1日です。
では、また。
旅日記14 「ドイツ・イギリス」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
Rです。南アフリカ・ケープタウン行きの飛行機の中です。
前回のフライトに続き、BRITISH AIRWAYS は快適です。今回は、全席12チャンネルの液晶モニター付き。
映画は「スパイダーマン」と、新作を楽しんでます。
(チャンネルで全編 CG アニメの「アイス・エイジ」もやっていて、こちらも笑えてけっこう好きですが。)
- 28 -
ヨーロッパでは、なんとなく天候不順だなと思っていましたが、
ご存知のように水害が大きなニュースになりました。
私たちもドイツへ向かう列車から、今にもあふれそうになっている川を何回も見ましたし、
ミュンヘン市内の川も危ない状態でした。
幸い短期滞在のこちらに影響はありませんでしたが、この先もこういう自然の大きな力で
旅にあまり影響が出なければいいなと思います。
ドイツ・ミュンヘンのあと、中継地として寄ったロンドンはさすがに大きな都市で、
世界中からの観光客でにぎわっていました。ちょうどお盆休みと重なって、
もちろん日本人も多かったです。
最近は、都会慣れしていないためか、ただの街歩きでもなんだか疲れてしまいます。
その点で、ロンドンは王室の緑地公園が多く、少しは息抜きになりますね。
私たちが宿泊したユースホステルも、そんな緑地の一角にあって、
リス、キツネ、コウモリや鳥たちの生活の場になっていました。
イングランドの自然というと、アメリカのようなスケールの大きな自然というわけにはいかず、
書店でナチュラルヒストリーのコーナーを見ても、内容はどうしても貧弱で、
人の生活の場で共存している生き物が中心という感じです。あとは、ガーデニングですね。
そういった都市の野生動物をより理解してもらえるようにと、
環境教育センターのような施設もあるのですが、
観光客はおろか地元の人にも存在は知られているか怪しいようでした。
大都市にはいろいろ無理があるのかゴミの分別はされておらず、ミュンヘンでは街中から空港まで
徹底していたので、同じヨーロッパでもそのあたりの事情は様々なんですね。
それでも、この季節どこの都市にもありがちな、強力な冷房というものはなぜかなく、
デパートや地下鉄の中はたいへん蒸し暑くて、かえって体調を崩さずにすみました。
ロンドンは、なんとなくすべての施設がちょっと老朽化していて、エコなのかエコじゃないのか、
いまひとつ、つかみきれなかったです。
さて、ここまで書いたところで、南アフリカ・ケープタウンへ、無事到着しました。
空港も街も、白人優先社会のなごりか、ヨーロッパの街と変わらないくらい近代的ですね。
治安も(思ったよりは)良さそうです。しつこい客引きもいないし、中米よりはいいかも。
物価がまた下がったのが何よりうれしいですね。たとえば宿は1泊1人、500~1000円程度です。
- 29 -
また、東洋系の人の姿は少ないです。
その辺はちょっと目立ってしまうので、私たちにとってはマイナスかな。
今は、地球サミットの開催が迫っていて、その関連イベントがあちこちで行われてます。
このあと隣国ナミビアに3週間ほど滞在の予定です。
プロバイダの接続ポイントがないので、またしばらく音信不通になります。
皆さんこんにちは。Mです。
ドイツ、イギリスでは主に博物館めぐりをしましたが、
「ドイツ博物館」は将来は技術者か科学者をめざさなければ!!と思ってしまう展示内容でした。
滞在中の宿の周辺はパソコン関係のジャンク屋街になってて、
「ドイツの秋葉原だ」と思いました。
今回は時間がないのでこの辺で。
では、また。
旅日記15 「ナミビア」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
ナミビアでの3週間の旅を終え、
(世界でも危ない都市の一つ)南アフリカ・ヨハネスブルクに
戻ってきました。
「ナミビアって何があるところ?」
日本から遙かなこの国のイメージは、なかなか湧きにくいですよね。
しかし、ネイチャー系の番組が好きな人なら、
赤い砂漠でトカゲが片足ずつを持ち上げて暑さをしのいだり、
甲虫が海からの霧を全身に受け、体を伝わるわずかな水分で生きてゆく、
といったシーンを見たことがあるのでは?
その、世界でもっとも古い砂漠の一つ「ナミブ砂漠」のある国がナミビアです。
"ブッシュマン"、いわゆるサン族をはじめ、オワンボ、ヒンバ、ダマラなど
たくさんの黒人種族と、ドイツ系白人の両者とが暮らしている国でもあります。
サハラ以南ではもっとも乾燥した国の一つで、年間たった50~200mm の雨しか降りません。
アカシアやその他灌木、ブッシュがどこまでも続く、
まさに全土が砂漠に覆われたカラカラの国です。
こちらは、全身あっという間のひび割れ状態になりました。
- 30 -
毎日、空に雲はまったくなく、お日様は地平線からグワーッと上り、また地平線にドーンと沈み、
夜空には星がギンギラギンと、単純明快な1日がそこにあります。
この国を訪れる観光客のお目当ては、砂漠に光と陰が造り出すそれはそれは美しい景観と、
もうひとつは野生動物を見るためのサファリドライブ。
ケニアの"マサイマラ"、タンザニアの"セレンゲティ"、南アフリカの"クルーガー"と並んで有名な
野生動物保護区、"エトーシャ"があるのもナミビアです。日本でもテレビではおなじみですね。
ゾウ、キリン、ライオン、シマウマ、サイ、インパラ、オリックス、ハイエナ、
ジャッカルなどなど、乾季にわずかに残った水場には昼夜を問わず次々と動物が集まり、
そしてたくさんの鳥たちがそれを取り巻く。
これはまさにいつかテレビで見た「野生の王国」そのものです。
しかし、テレビや動物園と違うのは、一頭一頭それぞれの動物の美しさでしょう。
シマウマのしまった筋肉となめらかな肌。キリンのしなやかな首。
巨体が闇から音もなく現れまた闇に帰ってゆくゾウたち。
圧倒的な厳しい環境で生きる生き物とその自然が織りなす様は、
テレビで見るだけでは決してわからない、ひとことで言うと"美しい"世界です。
人と動物双方の安全のため、キャンプ場はフェンスで囲まれ、
行動できるのは日の出から日没までと、動物園と立場が逆転しているところが実に面白かったです。
そしてなんといっても、砂漠で見る日の出と日没も、これまた素晴らしいものでした。
そこにあるのは見渡す限り砂、砂、砂だけの世界。にもかかわらず、それが実に美しく変化します。
自然の造形のすばらしさをあらためて感じた旅でした。
「アフリカの空気を吸った者は、いつしかアフリカの大地に帰ってくる」
なかなか、言えてるかも。
しかし、南アフリカ"ランド"とナミビア"ドル"が1対1の関係で、
両方のお札、コインとも流通してるのは、ややこしかったなあ~
Rでした。
Mです。
現地に来るまでは憂鬱でした。
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しかし、実際来てみると物価は安い、ショッピングセンターはある、
旅行者のツアーは充実している、どこでも英語が通じる、
と欧米人なら日本よりはるかに旅行し易い場所でした。
生活費は宿代と食費合わせ1日二人で2500円程度。
高そうなレストランで飲み食いしても二人で1500円!!日本なら6000円位はするでしょう。
外出の際もスリに気をつければ特に問題はありませんでした。
しかしナミビアの失業率は45%。白人の豊かな生活と対照的な黒人の暮らし。
雨がない国だけに、道路脇で露天で寝起きしてます。
けれども雰囲気が暗くないのは人々に笑顔があったからでしょう。
さて私達は10日間、総勢十人のサファリツアーに参加しました。
国籍は豪、米、独、仏、それに私たちのそれぞれカップル。
途中からカナダ人男性が加わり、主要旅行者国がうまいこと揃いました。
(豪からの夫婦はやはり世界一周組で、7ヶ月目のここが最終地でした)
米の女性はいつも会話の中心で賑やか。もちろん、甘いもの大好き。
仏の若者ペアは超個人主義で大抵皆と違った事をしている。
日と独は主に聞き役で食事の後片づけを率先してやる。時間に律儀。
豪、カナダはマイペース。
とても面白い貴重な体験でしたが、この顔ぶれで会話するときは・・・
そう、もちろん英語です。
そして、それができないのは?
残念ながら私たちだけなのです。情けないなあ。
ツアーでは星空の美しさが印象的でした。
天の川が本当にミルクをこぼしたように濃く見えたのは初めてでした。
次は5番目の大陸、怒濤のアジアです。まずは、香港から。
では、また。
追伸 とっても良い鳥の図鑑がありましたよ。
"Birds of Southern Africa"
ISBN 1-86872-721-1
www.struik.co.za にて
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旅日記16 「香港」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
南アフリカから13時間のフライトと6時間の時差を越え香港へ。
ついに、アジアへ戻ってきました。
日本との時差はわずかに1時間。
温度28度、湿度96%!!!
天気は雨、雨、雨。アフリカとまったく逆転です。
4年前に開港した新空港はバリアフリーで市街地へのアクセスがよく、
また鉄道、地下鉄、バス、フェリー等の主な交通機関は共通の1枚のプリペイドカードで利用でき、
コンビニ、スーパーの支払いもできて、さすが有名な国際都市だなぁと感心してしまいました。
日本人と香港人は顔つきが似ているようで、なにかと広東語で話しかけられます。
人にぶつかってもあやまらない、ゴミはポイポイ捨てる、お店で「いらっしゃいませ」
、
「ありがとうございました」なんて間違っても言われない、
そんなこともご愛敬として受け入れられる自分たちも、やはり同類なんだと感じます。
今、香港では日本ブームなのか、食材(特に菓子類)
、日用品、化粧品などで
(パッケージもそのままの)日本製品を売る店が目立ち、なんと「百円ショップのダイソー」
(ここでは H$10ショップ=170円)も2軒発見。
書店には東京のガイドブックがあふれています。
コンビニはセブンイレブンがあって、あの白・オレンジ・緑の3色と商標そのままを
デザインした傘も、なぜか街ゆく人の流行になってます。
欧米では漢字 T シャツが流行で、意味不明の漢字の羅列にかなり笑わせてもらいましたが、
これもなかなかです。
香港は初めてですが、そんなわけで驚きというものは意外なほどなく、街の様子も、
漢字をひらがな、カタカナに入れ換えれば、日本とまったく変わりません。
ケータイを異常に信仰している姿も含めて。
ただ、ビクトリア湾沿いに建つビルディングが、やたらピカピカ、キラキラしているか、
もうどうしようもなくボロボロか、あまりに極端で、その辺りはさすが中国かも。
建築現場の足場は相変わらず"竹"で組んでるし・・・
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今いる安宿は、"コーズウェイ・ベイ"という新宿歌舞伎町みたいな繁華街にある、
17階建ての魔宮のようなビルですが、タブルでトイレ、シャワー、エアコン、
テレビ、電話付き。リネンは毎日交換と快適で、1泊 H$300とまあまあでしょう。
香港でうれしいのは、食材が日本とほとんど変わらなくなったこと。
今週の中秋節のお祭りに合わせて、今はどこでも"月餅"が盛んに売られてます。
香港観光といえば、ショッピング、食べ歩き、エステやマッサージ。
しかし、あまり感心のない私たちは「香港自然散策」という本を見つけました。
都市の猥雑なイメージが強い香港ですが、実は街として開発されてるエリアは全体の20%に過ぎず、
残りのうちなんと40%もの土地は、23の郊野公園(カントリーパーク)として
自然が保護された場所になってます。
都市からこれだけ近く、しかも高い割合でこうしたエリアがある場所は世界的にもめずらしく、
私たちのお楽しみはこちらにありました。
現に高層ビルのすぐ背後に迫る森を歩けば、そこはトロピカルレインフォレストです。
「香港はもう何回も行ったから」という方。
全長100km のハイキングトレイルに挑戦するなんていうのはいかがでしょう?
さて、ここで問題です。
次の中国語が示すものは何? 「的士」
。
「電梯」
。
「信箱」
。
簡単すぎますか?
答えはタイ・バンコクからのお届けになります。
では、また。
旅日記17 「タイ」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
香港からタイ・バンコクまで移動しました。
まずは、前回のお答えから。次の中国語が示すものは何?
「的士」
中国語にもカタカナと同じで英単語に音(おん)だけをそのまま当てはめた言葉がたくさんあります。
ということで、これは"タクシー"なんですね。
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「電梯」
これは漢字の意味をそのまま素直に解釈するとわかります。
電気のハシゴ・・・。そう、"エレベーター"です。
「信箱」
街でよく見かける信書を入れる箱は・・・、"ポスト"が正解です。
実物が目の前にあると「なるほどなあ」と思うことが多く、毎日、街歩きをしながら、
同じ漢字を使う国でも日本とは表現が異なるおもしろさを楽しんでました。
さて、ここはバンコク。
雨期がそろそろ終盤で、香港よりさらに蒸し暑くなりました。
2日に1回くらい、強烈なスコールです。
タイ語の蛇のような文字は、何の予備知識もない私たちにとっては完全に意味不明。
乗り物の行き先にしろ、食べ物にしろ、まったく解読不能です。
会話だけなら、ツーリスト関係の場所は英語がけっこう通じるので、それがせめてもの救いです。
ただ、英語がうまく、やたら親しげな人は、まずだましに来ているので要注意。
戦いは空港の到着口に着いたときから始まります。
山のようにいるタクシーや宿の客引きを適当にあしらいつつ、まずは無事に街へたどり着けるかどうか。
ご存知のように日本以外のアジアの国々では、モノの価格はあってないようなもの。
乗り物に乗るにしても、相場を知らないと、ここで痛い目にあいます。
日本人よりよほど信仰があついのに、この国の仏教の教えはどうなっているのでしょう?
バンコクだけでも400もの寺院があるはずなんですが。
そんな中、私たちもバックバッカーの世界では有名な安宿街、
"カオサン通り"の近くに泊まっています。
市内の果てしない渋滞はどうしようもなく、空気の汚いことといったらありません。
バイク、トゥクトゥク、自動車などが、これでもかと飛ばして走り、
片道6車線の道路を横断するのはまさに命がけです。
(松葉杖を使った人をやたら多く見かけますが、あれは絶対交通事故に違いない)
裏道に入ればボロ雑巾のような野良犬とネコがヨロヨロと徘徊し、
同じくボロボロの乞食が暑さを避けて横たわり、
生活排水でドロドロの水路がそこをゆるゆると流れます。
- 35 -
そこへやって来るのは、世界中からのバックパッカーと、彼らにたかる怪しいモノ売り、
そして数々の食い物の屋台などなど。
コピーCD に、インチキ学生証も、警官の前でもちろん堂々と売ってます。
う~ん、なんともアジア的ですね。
物価は香港よりますます下がり、今の宿は1泊250バーツ。1人400円なり。
このクラスだとトイレ・ファン付きですが、さすがにシャワーは水です。
でも、暑いので特に問題なし。
ただ、3階なのになぜか今夜は部屋の中をアリさんが大引っ越し中で、
まあそれも気にならないといえば、気にならない?
食事も200円も出せば贅沢できるし、ファミリーマートとかで25円のあんぱんと
15円のミネラルウォーターでもよし。
マンゴーのアイス、ドリンクなんて最高―!!ですよ。
(肝炎にさえ気をつければ・・・)
そんなわけで、長期で"沈没"するにはいい所なんでしょうが、
私たちは次の目的地ネパールへの中継地にしか考えていなかったので、
80ヶ所以上もあるこの国の国立公園も、南の島のリゾートも残念ながらお預けです。
ちょっと、もったいなかったかなあ。
さて、そのネパールですが、毛沢東派ゲリラのせいで、
この所毎日のように死傷者が出ている政情不安な時期に、
「行ってみなけりゃわからない」と、これまたバンコク名物の安い航空券を買いました。
往復4万円ほど。23日から入国します。
団体観光客80%ダウンの中、トレッキングできるといいのですが。
ヤバそうならタイへ戻り、今度はリゾート(のある島)へでも、行こうかな。
ネパールからもメールは可能だと思いますので、続きは現地よりお伝えします。
では、また。
旅日記18 「ネパール」編
皆さん、こんにちは。M&Rです。
マオイストのテロ活動にもめげず、行ってきました"ネパール"へ。
(バリ島の事件も、無関心ではいられません)
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今回はタイを経由して、再び香港からの送信です。
(タイはまだまだ暑く、床屋でカットをしたら200円。うれしい~
香港はバリからの避難で宿がパンパンです。
)
「どこかなつかしい」
ネパールの第一印象です。小さい頃の記憶にある町です。
今回の私たちの旅も、実は「ネパールへ行きたい」のがきっかけで、
計画していくうちに世界一周になって?しまった思い入れのある場所です。
ああ、それなのに、ゴミだらけの町と大気汚染、
やたらとクラクションを鳴らしまくる"リキシャ"とバイクとタクシー、
しつこい物売りに"サランギ"の押し売り演奏、手足がなくても歩道に日参する乞食、
狂犬病のわりに血色の良い野良犬たちに、辟易する毎日というのも情けない・・・
ヒンドゥー教とチベット仏教が入り交じった赤レンガの町並みにあふれる人、人、そしてまた人。
死者を火葬する"ガート"からは煙がたなびき、人々が沐浴する川には水量がなく、
なんだかナマ焼けの遺体が溜まっていたりして。
そして、日々それを見つめる"ブッダの眼"。
そこにあるのは、"混沌"としたアジアそのものです。
ネパールの国土は海抜60m から8848m のエベレストまで、南北わずか150km の距離にあり、
亜熱帯から北極性気候までの地形が多様な生き物を育てています。
世界の花の2%、鳥類の8%(848種)
、全ほ乳類の4%、蝶類500種以上、
他に600種の土着の植物、319種の蘭があるというユニークな場所です。
そんな土地でのハイライトは、やはりヒマラヤの山々へのトレッキング。
安宿(ダブルで500円が相場)のあるタメル地区には、
トレッキング会社だけでも300社以上もあり、
安食堂で地元食(トゥクパやモモやチャパティなど)を食べ、
ものの見事に下痢になった私たちは、まずは会社を決めるのにフン闘(失礼!)するのでした。
タメルにはその他、トレッキングに必要な道具類を販売する店も多く、
その道具のブランドはアメリカ"ノースフェイス社"の物が異常にまで信仰されています。
しかし、その大半が刺繍屋さんがタグだけ付けた"にせフェース"。
「こんなもの、ノースフェースじゃ製造してないぞ」という物もあって、
老若男女が皆"にせフェース"を着て歩く姿は、
資本主義に侵されていく世界最貧国の一つの姿という気がします。
- 37 -
私たちは、ここで真空ステンレスボトルを購入してみましたが、
タイガー製をマネした中国産で、その名も「真空背帯壺」
。
価格は最初1200ルピーと言われ、
「バカ言ってんじゃないよ」とばかりに値切りまくり、
850がやがて700になり、とうとう「ミスター、今日だけのラストプライス!!」で
600ルピー(960円)で買いました。半額になったけど、それでも利益あるのね・・・。
さすが、アジア。
さて、そのトレッキングですが、私たちは世界最高峰エベレストを展望する
2つの有名な場所のうち、"GOKYO・RI"(標高5360m)への12日間に挑戦してきました。
この場所からは、8000m 峰4座(チョー・オユー、エベレスト、ローツェ、マカルー)をはじめ、
その他数々の6000~7000m 峰が眺望できる人気コースです。
ご存知のようにネパールでのトレッキングは、ガイドやポーターに荷物を預け、
地元の人が生活する姿にふれながら街道を行くハイキングで、
特にこのエベレストのあるソル・クーンブ地方へは、
洋風メニューのそろった快適なロッジ泊まりで歩けるコースです。
(10日間以上風呂には入れず、毎日ヤクくんたちのウンコを踏みながら、
というのはこの際目をつぶりましょう)
唯一の敵は高山病(この標高では、酸素は平地の51%しかありません)
。
しかし、このときのためを思い、半年間世界あちこちの山を歩いてきたのが良かったのか、
なぜか標高が増すにつれ食欲も増すという卑しいふたりは、
快調なペースで目的のピークに立つことができました。
心臓がはちきれそうになりながら見た世界最高の山々は、これまで見たどんな景色よりも美しく、
神々の前では感動の言葉より、ただただ涙を流すしかありませんでした。
5000m 近くからの満天の星空。
日本では珍しい野鳥"ヤツガシラ"とネパールの国鳥"ダフェ"を見たのも、いい思い出です。
モノのあふれた社会からすれば確かに貧しいこの国で、人々と自然は輝き、
人生最高の体験ができるのはなぜなのでしょう。
風になびく"チョルテン"とクルクル回る"マニ車"を、自分の知人にもぜひ見せたいと
つくづく思いました。
旅はいよいよ終盤です。
(毎日着てきたダイエーの1200円綿パンも、もうボロボロです)
次はアウトドア天国、なつかしの地ニュージーランドへ入ります。
では、また。
- 38 -
旅日記19 「トンガ」編
皆さんこんにちは、M&Rです。
さて、旅の訪問国も残り少なくなってきました。
香港からニュージーランドに入国し、北島をレンタカーで移動中です。
その前に、ニュージーランドから北東へ約2000km、南太平洋に170の島々からなる王国、
「トンガ」へ1週間ほどの寄り道をしてきましたので、今回はまずその報告をしましょう。
「南太平洋の島」といえば青い空に青い海。白いビーチにヤシの木が茂り、
人々はおだやかに暮らし、そして数々のフルーツが市場に並ぶ・・・というイメージでしょうか。
首都"ヌクアロファ"のあるトンガタプ島のみの訪問でしたが、
この島だけでもまさにそんなイメージそのものの世界が広がっています。
このところ、山ばかりで海とはご無沙汰だったこともあり、
久しぶりのお魚ウォッチングには感激でしたが、
おかげであっという間に全身大やけどになりました。
日本でこの国の知名度をあげるのに一役かっているのはラグビー選手ですね。
とにかく男性だけでなく女性も含め、老いも若きも体格のいい人ばかりなのには驚かされます。
典型的な日本人標準型のRの体格で勝てるのは、だいたい中学生くらいまで。
あとは、圧倒される一方です。
中高年のおばちゃん、おばあちゃんにしてもそうなのですから、おかげでこちらはふたりとも、
なんだか「小人の国」からやって来たような気分になってしまいました。
観光的にはあまり開発されていないこの国では、そんな大柄な人々もまだまだ素朴で、
道ですれ違うときには笑顔で手をあげてくれたりします。
この時期、日本向けのカボチャの出荷がピークで、
それが日本に対しての親近感ともなっているようです。
この冬(こちらは夏ですが)カボチャを食べるたび、きっとトンガを思い出すことでしょう。
日本との意外なつながりで、もう一つ面白いのは、
町行く自動車のほとんどが日本からの中古車、しかもその中に社用車が多いということです。
たとえば、タクシーの中に「東松山自動車学校」の教習車がいたり、
お客で満員のバスは「新郷南幼稚園」の送迎バスだったりという具合です。
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ペイントの塗り換えの手間を考えて、そのまま利用しているのでしょうが、
日本の中古車がこういう形で余生を送っているとは。
動き出した目の前の車が、Rの実家がある東京都国立市の設備屋の車だったというのには、
思わず笑いました。なんせ電話番号まで、そのままでしたから。
さて、そんな素朴な島でも各家はすでに電化されており、僻地という感じではありません。
テレビやラジオの普及率はまだ低いですが、イモ類や野菜、それにバナナ、スイカ、
パパイヤなどの果物は豊富にあり、豚や山羊、ニワトリなどの家畜とともに暮らす様子は、
沖縄の離島あたりを思い出す環境です。
実際、石灰岩でできた海岸や、畑の回りの植物たちなどを見ているだけでは、
自分がどこにいるのだかわからなくなりそうなほど空気感が似ていて、
木陰で風を受けながらぼーっとしているのがなんとも心地よいです。
(あの大柄な人たちさえいなければ、の話しですが)
今から3000年の昔、パプアニューギニア付近から島々をつたい、海を渡ってきた人々は、
ここトンガそしてお隣のサモアでポリネシア文化を発展させ、そしてそれはそのままフィジーやタヒチ、
ハワイやイースター島、ニュージーランドまで広がったと言われています。
安宿のツアーで、
「ポリネシア音楽と伝統食の夕べ」なるものに参加してみましたが、
ここで初めて本物(?)のファイヤーダンスを見ましたよ。
リズムやメロディーの中に、やはり沖縄のフィーリングに近いモノを感じました。
観光客相手だし、これまでミクロネシア、メラネシア、ポリネシアの文化をそれぞれ区別して
調べたこともないので、なんともいい加減ですがそれなりに楽しめました。
この半年間、いろいろな国の言葉を聞いてきましたが、太平洋の島々の言葉は、
私たちと同じ"a"、"e"、"i"、"o"、"u"の5つの母音を基本としているので親しみを感じます。
トンガでは「こんにちは」
、
「ありがとう」に当たる言葉として、"マロゥー"と言いますが、
これがこの旅で最初に訪れたハワイでは"マハロ"になります。
ここへ来てやっと言葉がつながった気がして、そういう意味でも、
地球を一回りしてきたんだなという実感を持つことができました。
トンガは日付変更線がもう目前という点でも、東へ東へと旅を続けてきた私たちにとっては、
端まで来たなあという感じです。
(南太平洋の島々の位置を、ぜひ地球儀で確認してみてください)
これ以上東へ行くと世界二周目(?)になってしまいますので、
このあとはニュージーランドへ戻り、2週間ほどの山歩き、森歩きを始めています。
- 40 -
日本はもうだいぶ寒いのではないかと思いますが、
こちらでもそろそろクリスマスグッズが並び始めました。
しかしそれも、南の島ではどうも気分が出ないことも確かです。
では、また。
旅日記20 「ニュージーランド」編
皆さんこんにちは、M&Rです。
ニュージーランド(以下 NZ)での旅を終え、オーストラリア・ブリスベンに戻り、
やっと世界をひとまわりできました。
今は、最後になるこの国の旅を楽しむため、再び準備しているところです。
さて NZ は山、森、川、湖、海、温泉地帯、ネィティブ"マオリ"の伝統文化ありと、
盛り沢山で色々楽しめます。私達は北島の国立公園や自然保護区を中心に、
1日1500円のレンタカーで2週間、キャンプで回ってきました。
NZ のキャンプ場は予想以上に快適でした。
温水シャワー、コインランドリーはもちろん、立派なキッチン棟には冷蔵庫、コンロ、
湯沸かし器、レンジ、食器、テーブル、テレビ等があり、時々スパ・プールがついたりします。
大抵このような施設で一泊500円~800円。
もちろん長期滞在の方(住んでる?)もいました。
物価が安くて治安も良く、人々もフレンドリー。
観光や語学留学、ワーキングホリデーそして移住と、人気の高さが実感できました。
Mでした。
さて、Rです。
10数年ぶりに訪れた NZ で、変わることのない旅のしやすさに大満足でした。
ここはおそらく、安全に快適に旅をするには、世界で一番環境が整っている国の一つだと思います。
NZ へ来ると、ついつい日本と比較したくなってしまうのですが、
快適な要因の一つとして人口の少なさが上げられる気がします。
1平方キロあたりの人口密度が、日本が400人前後なのに対してこちらは10数人しかなく、
日本の4分3ほどの国土にこれですから、ハイウェイ以外の一般道も
郊外では時速100km で走れ、幹線以外では対向車もほとんどありません。
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国全体が、私たちの大好きな北海道になったようなものですね。
今回は、夏に少し早いということもあり、観光のメインとなる南島では
主要ハイキング(こちらではトランピングと言います)コースすべてがまだ雪の中だったので、
北島だけから自然のおもしろそうなエリア4カ所を選んで回りました。
NZ 北部でしか見られない巨樹"カウリ"の森が残る「ワイポウア森林公園」
。
NZ 最初の国立公園で世界遺産、マオリの聖地として火山の連なる「トンガリロ国立公園」
。
北島最大面積の森林保護区「ウレウェラ国立公園」
。
そして、NZ の中でも有数の海景を誇る「コロマンデル半島」です。
NZ の森は世界的にもおもしろい存在で、8000万年前に大陸から分離した後、
およそ1000年前に人間がやってくるまでの長い期間、独自の生体系を維持してきた場所です。
自生植物のうち80%、陸の鳥たちの60%、海鳥の30%は、
世界でここだけで見られるものです。
そして、なんといってもおもしろいのは、自生していたほ乳動物は、
コウモリがたった2種類だったという点でしょう。
今では NZ の顔となっている羊はもちろん、豚も牛も山羊も鹿もウサギもキツネもポッサムも、
実はな~んにもいなかったわけです。
だから、NZ は鳥たちの楽園でした。あの有名なキィウィも、その仲間のひとつです。
しかし、今や残念なことに、60種以上いたそうした鳥たちの4割は絶滅に追い込まれています。
使える土地という土地は、すべて牧場にしてしまったかに思えるそのあとに残った森は、
それでもまだ十分に魅力的です。
そんなわけで、ここでの森歩きは、その当時の様子を想像しながらゆくのが、楽しみの一つでした。
四つ足の動物が全くいない世界を、皆さんは想像できるでしょうか?
それはわくわくするような、つまらないような、今ではまさに想像するしかない世界です。
それにしても、人の生活にくっついてやって来た生きものたちの、なんと多いことよ。
人のいなかった自然。人と生きる自然。NZ はそんなことをちょっと考えながら旅するには、
いい場所なんだなあと、またこの国を好きになった旅でした。
さあ、あとの残りの資金と時間はすべて、"グレート・バリアリーフ"行きに投入します。
次回、旅日記最終回で、師走の日本には全く季節もタイミングもはずれた、
「夏の風」をお届けしたいと思います。
では、また。
- 42 -
旅日記21 「オーストラリア」編 3
皆さんこんにちは、M&Rです。
ブリスベンは"夏"です!
カラっとした空気と明るい日射しに、風景がまるでハレーションを起こしたかのように見えます。
この9ヶ月間、ずっと夏を追いかけ旅をしてきた私たちにふさわしい最終地でしょう。
おかげさまで、
「ビールがうまい!」
(M)
「アイスがうまい!」
(R)
おまけに、マンゴーにはほっぺたが落ちそうです。
シティのモールでは、クリスマス目前、
夏休みを楽しもうと肌もあらわなお姉さんたちが満開で・・・
・・・いや、またまた失礼しました。
お姉さんではなく自然を観る旅でした。(本当か?)
島大陸オーストラリアは大きく広く、雪の山から珊瑚の海、砂漠から熱帯雨林まで、
選ぶのに迷うほどの自然が満載です。
ここクイーンズランド州だけでも国立公園は200カ所以上。
州立、その他の保護地区を合わせると、なんと500カ所以上の自然公園があり、
全土の野鳥の80%、動物の70%はこの州で見ることができます。
それでも公園面積は、州全体のたった4%にしかならないというから驚きです。
さて、それだけある自然公園のうち、"世界最大"というキーワードで
2つの場所を旅の最後に選びました。
ひとつは砂でできた巨大な島、
「フレーザー・アイランド」
。
もうひとつは、生き物による構造物なのに月からさえも見えるといわれる
「グレートバリア・リーフ」です。
"フレーザー"は南北に120km ある大きな島ですが、世界遺産になっているには理由があります。
波や風に運ばれた砂が西から東へと島を形成した過程から、その年代と場所により、
ひとつの島で7種類の異なる森や植生を見ることができるのです。
砂が深く、4WD 車でしか走れない島の道をドライブしながら、
森が次々に変化する様は、なんとも楽しいものでした。
しかし運転中は、上へ下へ右へ左へと荷物と一緒にひっくり返りそうになりながらの走行ですから、
あまり森を観る余裕はありません。
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それでも、真っ白な砂の中に点在する神秘的な湖を見たとき、十数年前、この島を訪れるために
この国を再訪しようと決心したことは間違っていなかったのだと確信できました。
そして、2300km におよぶ果てしない珊瑚の海と島々。それが"グレートバリア"です。
その南端、南回帰線のすぐ近くにある"レディ・マスグレイブ島"は、
数ある島の中でもシュノーケリングに最適の場所、ということで行ってきました。
キャプテンクックが接岸した年にちなんでつけられた
「1770(セブンティーン・セブンティ)
」という変わった名前の町から、船に乗ること 1 時間半。
島を囲むラグーンの中はまさに"水族館"でした。
ちょうど海鳥の営巣、海ガメの産卵の時期とも重なっていて、
陸も海もたいへんにぎやかなときに日帰りクルーズではもったいなかったのですが、
そこは小さな無人島。キャンプには国立公園局の許可が必要になります。
多くの乗客が船酔いで苦しむ中、ふたりでしっかりランチもいだだいて、
ここぞとばかり楽しみました。(やっぱり、卑しい)
さて、そんな楽しかった旅もまもなく終わりです。
東京に雪が降ったと聞き、すでに帰る気力を失いましたが、
お金もなくなり装備もずいぶんボロになりました。
(しかもMは、初海外旅行だったんですけど ・・・)
それでもまだ、書店に行けば真っ先に旅行書のコーナーへ行き、
次はどこへ行こうかなんてあれこれ思いをめぐらすほど、私たちは旅が好きです。
ですから、気持ちの上では二周目、三周目も可能だと思っています。
この「旅日記」は、主に自然のことを中心にお伝えしてきました。
それは、どこの国でも街の情報は古びますが、自然に関する情報は
人が生きている程度の年数では天変地異でもない限り古びないだろうと思ってのことです。
だから長旅でも飽きることはないし、もっともっと知りたいという思いは、
常に変わることがありませんでした。
しかし、今回旅した国々で見たのと同じような自然は、
実は一部を除きほとんど日本にもあるんですよね。
だから、私たちは日本も大好きです。
(旅費を出していただいて)日本全国どこへでも、
旅のもっと詳しい話しをしに行かれればよいのですが。
- 44 -
いつか私たちの旅した国を訪れることがあれば、
ぜひ自然についても関心を持っていただきたいですし、
そのためにこのメールが何かの参考になればうれしいです。
できれば旅費を出していただいて(結局それかい!)
、案内役として同行するなんてどうですか。
でもそのときは、"世界自然紀行"ではなく、"世界美女紀行"に鞍替えしていることでしょう。
(やっぱり?)
長い間、ご愛読、そして返信をありがとうございました。
「帰国したら書店めぐりをして、この9カ月分の新刊チェック。
あんパン、トンカツ、それに青い魚の寿司が食べたーい」
(R)
「のーんびり、温泉につかりたーい」
(M)
・・・働かないと生活費ないよ!
まもなく、帰国します。
日本でお会いしましょう。
「あー、楽しかった!!」
(完)
<Monkeys&Rabbits Visitorcentre>
http://nature.travel.coocan.jp/
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