Amira 5.3

Amira 5.3
リリースノート バージョン 5.3.0
2010 年 8 月
株式会社マックスネット
1: サポートしているプラットフォーム
(1) OS
Windows ‐ Windows XP / Vista / 7 32bit 版 および 64bit 版
MacOS ‐ Mac OS X 10.5(Leopard), 10.6(Snow Leopard) 但し、Amira は 32bit アプリケーションとし
て動作します。
Linux ‐ Red Hat Enterprise Linux 5.5 x86̲64 版または同等のもの。他のディストリビューション
でも動作しますが、RHEL 以外は保障いたしかねます。
(2) AmiraDEV 拡張機能(開発版)の必要条件
Windows ‐ XP / Vista / 7 32bit 版 では Microsoft Visual Studio 2005 (VC++ 8)
XP / Vista / 7 64bit 版 では Microsoft Visual Studio 2008 (VC++ 9)
MacOS ‐
10.5(Leopard)では gcc 4.0.x
10.6(Snow Leopard)では gcc 4.2.
Linux ‐ Red Hat Enterprise Linux 5.5 x86̲64 版では gcc 4.1.x
2: ハードウェア
(1) ハードウェアの必要条件
SSE2 をサポートしている CPU(Intel Pentium 4 以降)
主記憶 2GB 以上
OpenGL2.0 以降をサポートしているグラフィックカード
幾つかの表示モジュールは次の shader を必要とします。
GL̲ARB̲shader̲objects
GL̲ARB̲shading̲language̲100
GL̲ARB̲fragment̲shader
GL̲ARB̲vertex̲shader
1/11
(2) 推奨するハードウェア
CPU ‐ クロック 2GHz 以上のマルチコア(MacOS においては Intel CPU)
主記憶 ‑ 4GB 以上
グラフィックカード ‐ nVidia 製の Quadro FX シリーズでメモリ 512MB 以上
2/11
3: Amira5.3(標準版)での変更点
(1) DemoDirector
- DemoMaker を刷新し、DemoDirector としてコンソールウインドウに Timeline ウインドウを表示する
事により、以前の DemoMaker より簡単に Pool 画面の全てのモジュールを登録し、編集できるように
なりました。
DemoDirector の Timeline ウインドウ。(コンソールと切り替え表示)
DemoDirector での New Event ダイアログ
(2) Spreadsheet の改良
新機能 SpreadSheet オブジェクトは作り直され、次のような新機能があります。
- プロパティの Show をクリックして表示される Viewer で、コピー・ペースト・ソートが可能になりま
した。
- 複数のテーブルの表示が可能になりました。
- MS Open XML フォーマットで保存できるようになりました。
新機能として、スプレッドシート内でマークしたものを強調表示できます。SpatialGraphStatistics モジ
3/11
ュールはその新機能を使い、SpatialGraphView つなげる事によりスプレッドシート内でマークし
(3) 新モジュール
- lotSpreadSheet スプレッドシートのデータをグラフ表示可能
- SpreadSheetToCluster スプレッドシートのデータを cluster データに変換
- SpreadSheetFilter 列データを定義した行のレンジで出力可能
- SurfacePaths/SurfacePath Editor SurfacePath は新しいデータオブジェクトで、トライアングルメ
ッシュ上の線を定義します。SurfacePath とそのエディターである SurfacePath Editor は surface
上の距離を測ることが出来ます。そのエディターは自動的に連続した表面上の(トライアングルメッ
シュのエッジに沿った)最短距離を計算します。
- ComputeDistanceToPoint このモジュールは SpatialGraph オブジェクトのグラフ上の任意の点から他
のすべての点の最短距離を計算します。
- LabelSpatialGraph SpatialGraph オブジェクトの点またはノードをラベルデータに応じて表示しま
す。
- LabelSplitVolume モザイク画像をスタック画像に変換します。例としては、DICOM スキャナによって
作られたモザイクデータをスタック画像に変換します。また、時間変化を一枚に収めた画像を分割す
るにも使えます。
- ConnectedComponents ConnectedComponents は short(16bit signed または unsigned)と integer(32bit
signed)がサポートされました。また、Label データ中の領域解析も追加されました。出力は付与され
るラベルの数によって、LabelFiled, unsigned short (16 bit) または unsigned integer (32 bit)
で可能です。
- SurfaceThickness このモジュールは平たい surface オブジェクトの厚さを測定するのに有効です。
それぞれの頂点で、法線方向に沿った法線を横切る同一オブジェクトのトライアングルまでの距離を
計算します。
- AverageVolumes このモジュールは複数の uniform scalar fields または label fields の平均および
標準偏差を計算します。
- CannyEdgeDetector この新イメージフィルタはエッジ検出を目的としています。このフィルターはエ
ッジが頂点となるようなバイナリーイメージを出力します。
(4) 更新されたモジュール
- ClusterView 新しいオプションとして、cluster データの頂点の値を球の大きさとして表示できます。
(plates および scale plates オプション参照)
- BoundingBox 新たに、色・線幅・線種が指定でき、さらにバウンディングボックスの中心も表示でき
るようになりました。
4/11
4: Neuro 拡張機能(新機能)
Neuro 拡張機能は、脳の解析に特化した新拡張機能です。この拡張機能の特徴は、拡散強調 MR 画像
(Diffusion Weighted MR Imaging)の結果を解析し表示するモジュールを包括的に含んでいます。その他の
モジュールは CT および MR の灌流強調画像(Perfusion Weighted CT and MR Images)の解析用です。
Neuro 拡張機能を使うには別途ライセンス(AmiraNeuro)の購入が必要です。
(1) モジュール
- ComputeTensor このモジュールは拡散強調画像の 2 階テンソルを計算する。
- ComputeTensorOutOfCore ハードディスクにある拡散強調画像のテンソルを計算する。
- CreateGradientImage テンソル場からグラディエント画像を作成する。
- EigenvectorToColor テンソル場における固有ベクトルの Directionally Encorded Color (DEC)表示。
- FiberTracking 拡散強調 MR 画像から、神経束を検知するためにテンソル場内のシード領域から神経線
を追跡する。
- ComputePerfusion MR または CT の灌流強調画像から、平均時間(MTT)・脳血流量(CBF)・脳血液量(CBV)
を計算する。
- ExtractEigenvalues テンソル場の固有値を計算する。
DTI 画像の Directionally encoded color (DEC) 画像表示例 (EigenvectorToColor)
DTI 画像の表面テンソル表示例
5/11
DTI 画像の表面テンソル表示例: 偽色彩法を用いた、灌流強調画像(CT time series)から脳血流量(CBF)と
Venal Input Function (VIF) と Arterial Input Function (AIF)の同時表示
DTI 画像からの神経抽出例。SelectLines モジュールを使う事により強調表示
6/11
5: AmiraDEV 拡張機能(開発版)の変更点と新機能
ITK integration ITK(Insight Tool Kit)ライブラリを使えるようになりました。入門として、Development
Wizard が ITK を使ったフィルターのサンプルプロジェクトを生成します。
Windows 64bit では、Visual Studio 2008 (VC++ 9)をサポートします。
クラスリファレンスが追加されました。<Amira‑Install‑Dir>/share/devref/Amira/index.html をご覧く
ださい。
6: Mesh 拡張機能の変更点と新機能
(1) RemeshSurface
このモジュールは表面メッシュの品質を向上します。ある規則性の評価基準を満たすために元のメッシュ
の頂点を移動する事により再度メッシュを生成します。メッシュの総数をのぞき、RemeshSurface の高度
の規則性またはメッシュの等方性を目的とします。
メッシュを Editor で減らした例
メッシュを RemeshSurface で減らした例
(2) 新たに対応したファイル形式
Abaqus (.inp format) Tetrahedral グリッドを Abaqus 用に出力できるようになりました。
7/11
7: Microscopy 拡張機能の変更点と新機能
(1) Filament Editor
Filament Editor は、新しいトレーシングオプションと編集ツールを加えることによって、かなり改良さ
れました。
View options タブ SpatialGraphView グループには 3D 表示で線幅を変更するスライダーが付加されまし
た。
ノードサイズと線幅がトレーシングウインドウで変更できるようになりました。
Tools options タブ Graph Info で、ラベルグループの統計情報を生成する事ができるようになりました。
それぞれのラベルグループはタブ付きのテーブルとして挿入されます。新しいスプレッドシートのデザイ
ンと統一するために、Export to XML と Graph summary ボタンは廃止しました。XML に出力するためには
Save as…ダイアログで XML 形式を選んでください。グラフサマリーは、ラベリングで作成可能です。同様
に Rank は通常のセグメント属性として、その属性があるときだけテーブルに行として表示されます。
Remove isolated points この新ツールは他に関連のない点またはノードを消去します。
Linear この新方式は、直線の追跡を可能にします。
Filament type この入力ポートは、filaments が明視野なのか暗視野なのかを指定します。(インタラクテ
ィブ追跡時のみ)
Snap to Graph インタラクティブツールで、新たに追跡を始める場合、以前は新しい分岐ノードに 5 ピク
セルの許容誤差(5 ピクセルおきの内部グリッド上に設定)がありました。この新しいオプションは、これ
をキャンセルできます。
Editing tools の追加
Select sub‑graph この新しいツールは、選択したノードまたはセグメントから下流側のサブグラフを選択
できます。Shift キーを押した状態で上流側のサブグラフ(ルートセグメント方向)を選択します。このツ
ールはルートセグメントないしはノードが Set Root ボタンで設定している時に有効です。
Select shortest path この新しいツールは、任意のノードまたはセグメント間の最短距離を計算します。
Move selected node この新しいツールは、トレーシングウインドウ内のノードを移動可能にします。
全てのグラフ編集ツールはより便利に使えるようにショートカットキーで動作するようになりました。キ
ーの動作に関しては、ユーザガイドをご覧ください。
Viewer 3D スライスがトレーシングウインドウ内で黄色い枠と共に表示されるようになりました。
Label Editor ラベルの順番をラベルリスト内でドラッグして変更できるようになりました。ラベルサブツ
リーは他のラベルグループに移動できるようになりました。
(2) 新モジュール
8/11
- ShapeAnalysis この新モジュールは、形状に関して、それぞれのラベルを楕円体に近似する事により
ラベルフィールド内の領域を解析します。楕円体のパラメータは、位置と体積と同様に SpreadSheet
オブジェクトとして出力されます。
- MorphologicSeparation この新モジュールは、繋がっている同じような大きさのオブジェクトを分離
しようとします。入力はラベルフィールドです。オブジェクトは連結性とラベル番号によって認識さ
れます。オブジェクトは形態学を元に分離されます。
- LocalThreshold この新モジュールは、独自の基準に沿って閾値によるセグメント化を行います。こ
のモジュール低周波成分の影響で画像全体に対して閾値をつかうことが難しい場合に便利です。4 つ
の異なる方式が実装されています。
ShapeAnalysis を使ったテンソル表示例
- WatershedSegmentation ITK を使ったこの新モジュールは、Watershed アルゴリズムを使ってグレイ
スケール画像をラベル化します
9/11
8: その他の改良と変更
(1) モジュール
- CreateSphere このモジュールは、Molecular 拡張機能でのみ使用可能でしたが、標準版に組み込まれ
全てのユーザが使用できるようになりました
- TridelityView Tridelity(Tridelity 社 製 裸 眼 立 体 デ ィ ス プ レ イ ) に 表 示 す る モ ジ ュ ー ル が
Linux(64bit)および MacOS 版でも使えるようになりました。
- CalculusMatlab Matlab サーバへの接続が改良されました。Surface, Surface fields およびライン
セットが Matlab に渡せるようになりました。また、このモジュールは、Create メニューから直接呼
び出せるようになりました。
- Port の相互接続 この新機能は、2 つの Port を相互接続することにより同時にそれらのモジュールに
アクセスする事を可能にします。新しい Tcl コマンドの connect が全ての同じ種類の Port の接続を
可能にします。例えば OrthoSlice と OrthoSlice2 の sliceNumber スライダーを接続する場合、コン
ソールで
OrthoSlice sliceNumber connect OrthoSlice2
と入力します。
接続を解除するには、
OrthoSlice sliceNumber disconnect OrthoSlice2
とコンソールに入力します。
- MPR Viewer の新しいレンダーモードとして none が追加されました。これはインタラクティブツール
を使いやすくするため 3D 表示の更新を行わず、2D 表示のみ更新するものです。
(2) セグメンテーションエディタ
- 2つのラベルをマージする際にクラッシュする障害が修正されました。
- Selection/Interpolate機能が隣同士のスライスを選択している際に時々機能しない問題を修正しま
した。
- ラベルフィールドをセグメンテーションエディタで編集した際に、そのラベルフィールドの
Properties情報を変更しない問題を修正しました。
(3) ドキュメント
- Quantification+のtutorialは書き直されました。
- SampleScalarFieldのドキュメントが追加されました。
- ViewBase(SurfaceView, IsosurfaceやGridVolumeの親クラス)のドキュメントが書き直されました。
- デモとして、A case study in BiofluidmechanicsがMesh拡張機能のデモに追加されました。このデ
10/11
モは、amira5.2.2で既にありましたが、Helpメニューから起動できませんでした。
(4) その他の制限事項
- 次のモジュールとコマンドは入力オブジェクトのtransformationをコピーしません。ExtractSurface
/ CreateSurface (TCL command)、CastFieldおよびArithmetic。
- DICOMDIRファイルの一部はLinuxおよびMacOS版で読み込めません。
- SetTranslationとapplyTransformコマンドはuniform scalar fieldの大きさをそれらが2回目に実行
された際にそれぞれの方向に対して1にします。
- LandmarkSet はランドマークが1つしかない場合サイズが0となるため表示されません。
- ViewerPlot をVolrenと共に使った場合、transparent plot overlay上ではVolumeレンダリングが表
示されません。
- ViewerEdit のCreateMask機能が作成するラベルフィールドはExteriorを含みません。
- TIFFイメージをunsigned short(16bit)からLDAに変換するとき、データスケールは0から255に変更さ
れます。
- Surfaceデータのトライアングル数が膨大な場合、Measure ‑> SurfaceAreaモジュールがpatches ま
たはmaterialsモードを選択した場合に著しく異なる値を算出します。これは、内部のバッファーが
高解像度をサポートするように変更されたためです。
(5) ファイル形式
- Vevo (.rdi/.rdb)リーダはバウンディングボックスの情報を保存しません。
- Olympus(oib/oif)リーダは、Version2における幾つかの問題を修正しました。
- Leica LIFリーダは、16bit time seriesデータをサポートしません。
11/11