14.安全衛生管理室の巡視

14.安全衛生管理室の巡視
14.安全衛生管理室の巡視
労働安全衛生法に従い、岩手大学では衛生管理者を選任している。この章では、安全で
健康的な教育研究環境を目指して、行われている職場巡視について説明する。
14.1
14.1 職場巡視について
有資格者である衛生管理者が、問題点の発見を主眼とした、巡視を行なうことで、危険性・
有害性の早期改善が行なわれている。廊下・階段などの共通スペースを中心とした巡視と、
実験室などの巡視に、大別されそれぞれ専用のチェックリストを用いた巡視が行なわれて
いる。
14.1.1
14.1.1 共通スペースの巡視
廊下や階段などほか、講義室などの不特定多数が利用する場所については、主に次の点
について、問題点がないか確認を行う。
・ 廊下は整理整頓されているか
・ 廊下幅は有効で 1.5m 以上確保されているか
・ 廊下は暗くないか
・ 部屋の出入り口付近に不要な物品はないか
・ 非常口・防火扉周辺に物品を置いていないか
・ 消火器は所定の位置にあるか
・ 気流、音、振動、温度、湿度で不快を感じないか
・ 異常な悪臭、振動、騒音を感じないか
・ 室内は暗くないか
・ 換気扇,空調は正常に作動するか
・ 室内の通路(避難用)は 80cm 以上確保されているか
・ 整理整頓、掃除はされているか
・ 配線,コンセントなど電気器具は安全に管理されているか
・ 書架や棚の転倒防止,内容物の転落防止は適切か
・ 廃棄物は分別されているか
・ トイレ・洗面所は清潔な状態か
14.1.2
14.1.2 実験室の巡視
実験室の巡視は、チェックリストを使った有害物質・危険物の確認であり、実態把握を
中心に行っているが、危険性が高く緊急性があると衛生管理者が判断した場合は、問題を
指摘する。
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14.安全衛生管理室の巡視
14.2
14.2 巡視結果について
発見した問題点は、当事者にその説明を行い、その後、工学部の安全衛生管理者(学部
長)と安全衛生管理室へ報告される。具体的には、毎月の巡視定期報告を、工学部の安全
管理者(事務長)に行うことで、安全衛生管理者である工学部長に報告が行われる。さら
に、巡視定期報告の内容は、安全衛生管理室を通じて、全学の安全衛生委員会に毎月報告
される。
14.3
14.3 問題点の改善について
衛生管理者による職場巡視は、安全衛生の観点から問題点を発見して、その問題点を指
摘することを主眼としている。そのため、具体的な改善については、指摘を受けた当事者
又は、安全衛生管理者である工学部長が行なうことになる。そのため、衛生管理者が、改
善を命令することや、改善を行うことはない。
14.4
14.4 巡視のまとめ
巡視活動の流れは、発見 → 指摘→ 報告 → 改善指導
1.衛生管理者が問題を「発見」した場合は、当事者に直接問題点の説明を「指
摘」として行う。当事者が不在の場合は、問題点を説明した「指摘カード」を
利用する。
2.巡視活動の結果は、各学部の安全管理者(事務長)を通じて安全衛生管理者
(学部長)に「報告」する。
3.安全衛生管理者(学部長)が、当人に対して、
「改善指導」を行う。
指
摘
:問題点を説明して、改善が必要であることを伝えること。
指摘カード:問題点を指摘した文書、違反切符の様なもの。
改善指導 :安全衛生管理者が当人に改善を命令すること。
次のページに示すフローチャート「巡視活動の手順」を参照すること。
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14.安全衛生管理室の巡視
職場巡視の流れ
問題点を発見した場合
衛生管理者が問題点の発見
問題あり
直接:当人へ指摘(説明)
間接:指摘カードを提示(貼り置く)
終
随時の改善確認
了
改善が確認
改善無し
巡視による指摘では、
定期報告
改善は困難と報告
衛生管理者が、毎月学部の安全衛生管
理者に定期報告する
学部長(安全衛生管理者)へ定期報告した後
指摘と確認
安全衛生管理者が改善指導を必要と判断
(巡視活動の続行)
NO
YES
教授会等での検討を行う
部局で対応
NO
安全衛生委員会
(安全衛生管理室)
YES
学部の安全衛生管者による
改善指導
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総括安全衛生管理者による
改善指導
14.安全衛生管理室の巡視
様式:指摘カード
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14.安全衛生管理室の巡視
様式:共通スペース巡視用
チェックシート
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14.安全衛生管理室の巡視
様式:実験室巡視用
チェックシート
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