情報システム部が主導した マーケティング基盤の構築プロジェクト

お客様事例 : 株式会社ハウスドゥ
情報システム部が主導した
マーケティング基盤の構築プロジェクト
全国で不動産売買事業を営む株式会社ハウスドゥ。
347 店舗という不動産売買仲介専門 FC 全国 No.1(2016 年 2 月末現在)の加盟店数を誇る
同社だが、さらなるフランチャイズ加盟店拡大において、時代に即したマーケティング基盤
を構築する必要があった。情報システム部門が主導する Marketo 導入プロジェクトとは?
題
課
果
顧客開拓はできているが、そこから見込み客の優先順
位を見える化し、よりニーズに合ったアプローチを行
うことで成約率を向上させたかった。
顧客へのメール配信からのステップアップ、営業マン
との連携の仕組みを構築したかった。
効
メール内の URL のクリック率が 2 倍になった。
データを活用した PDCA サイクルが回り始めた。
契約顧客の 25% がオンラインでアクションをしてい
ることが判明した。
顧客属性別でのアプローチができるベースができた。
3ヵ月の間に Marketo アシストで受注を獲得できた。
部署間の情報共有が不足していた。
部署間や営業マンとのコミュニケーションの機会が
増えた。
不動産売買仲介専門 FC 全国 No.1 の株式会社ハウスドゥ
株式会社ハウスドゥ
業
種:不動産
業務内容:フランチャイズ事業、住宅・リフォ
ーム事業、不動産売買事業、ハウス
・リースバック事業
導入製品:マーケティングオートメーション
活用用途:メールマーケティング、
SFA&CT I との連携、
リードナーチャリング
昨今、急成長を遂げている株式会社ハ
位をつけ、成約スピードのアップ、顧客属
ウスドゥ。不 動 産 売 買や 仲 介、新 築・リ
性に見合ったアプローチでの顧客の囲い込
フォーム、住宅ローンといった住まいのワ
みで成約率を伸ばし、さらなる生産性向上
ンストップサービスを先がける他、全国か
のために救いの手を差し伸べたのが、情
ら加盟店を募るフランチャイズ事業にも力
報システム部 部長の岩田 潤氏だ。
を入れている。
「マーケティングは難しい。いろんなチャ
バブル崩壊直後の 1991 年に、ハウスドゥ
ネルを横断しているお客様の行動を把握す
グループ代表の安藤 正弘氏が創業した小さ
るには、Marketo のようなツールを使わず
な不動産仲介会社からスタートした同社だ
にやるのは限界だろうと感じていました」
が、今では全国に広がるフランチャイズ加盟
岩田氏はマーケティングの課題を解決す
店が 347店舗に達し、不動産売買仲介専門
るためではなく、事業拡大を加速させるた
では全国 No.1 の称号を得るまでになった。
めに Marketo の導入を進めた。
フランチャイズ加盟店になるには、同社
他に類を見ない情報システム部のマーケ
が主催するフランチャイズセミナーに参加
ティングオートメーション(MA)導入プロ
するところから始まる。全 国で月間 15 ∼
ジェクトの裏側に迫る。
20 回 開 催されているというセミナーは、
電話での問い合わせ、申し込みは FAX が
京都府に本店を構えるハウスドゥ
多数を占める。さらに最近ではホームペー
ジやポータルサイトからの問い合わせも増
加しており、昨年 3 月 25 日に東証マザーズ
市場に上場してからは反響数もさらに増加
した。こうした現状を見て、顧客の優先順
1000名超が参加した第9回ハウスドゥ!
全国FC大会の様子
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お客様事例
株式会社ハウスドゥ
情報システム部から見た Marketo の必要性
情報システム部 部長
岩田 潤氏
情報システム部 システム課
副主任
植村 晢幸氏
Marketo の導入を提言したのは、情報シ
の役割ですから」と岩田氏は話す。
ステム部 部長の岩田氏だった。 なぜ、
岩田氏がこれほどマーケティングの分
情 報 シ ス テ ム 部 が MA の必要性を訴えた
野に精通しているのは、「システムの仕事
のか と、誰しも疑問に思うことだろう。
とマーケティングは、 複数の選択肢から
「最初に MA の存在を知ったときに、『こ
最適なものを選び取る『デザイン思考』
れは面白いな』と。導入できれば、フラ
が必要 な点において、共通しているから」
ンチャイズ加盟店開発の基盤やマーケ
と言うが、セキュリティ面において懸念
ティングの基盤ができあがるのではない
することはなかったのだろうか。
か、という感覚がありました」(岩田氏)
「情報システム部はどうしても後工程に
そこで岩田氏は FC 事業部の事業部長に
なるので、守るしかない立場に置かれが
対し、「コストはうちで調整するから、絶
ち。でも本来は、先行して新たな技術を
対 に Marketo を 入 れ た ほ う が い い」と、
取り入れる攻めの姿勢を見せることで、
直談判。これに対し、
「セミナーの申し込
専門家としての地位を確立していかない
みを FAX 依存型から Web に移行したい」
といけません」と岩田氏は、一般的な情
と考えていた FC 事業部の事業部長は、快
報システム部とマーケティング部の関係
諾した。
性について述べた。
「マーケティング部門は、仕組みを考え
その観点からも守りに徹するのではな
るのが得意なわけではない。課題を解決
く、先手を打ち Marketo を導入すること
する方法を考えるのは、情報システム部
でリスクを回避できると判断したのだ。
情報システム部 部長が Marketo を選んだ理由
FC事業部 開発部
マーケティング・広報担当
濱屋 葵氏
MAに事業拡大の勝機を見出した岩田氏
「ガートナーの資料は、情報システム部の
だが、なぜMarketoを選んだのだろうか。
人間にとっても重要。ユーザーが増えてい
その理由は主に3つあげられるという。
る実績がないと、イノベーティブに機能拡
1つ目は、関西拠点があるから。岩田氏
充の投資ができません」と話した。
の所属する情報システム部やFC事業部は
最後に、担当者が信頼できると思ったか
京都にある。Marketoは大阪にも拠点があ
ら。担当についたマルケトのコンサルタン
り、成果を上げられるようになるまで、対
トは、過去にユーザーとしてMarketoを活
面で支援を受けられる点が魅力的だった。
用していた経験を持つ。「コンサルタントの
2つ目は、世界のマーケットリーダーに近
中には、実務で動かす人間の苦労がわから
いから。米国の調査会社ガートナーにより、
ない人もいる。実績として積み上げてきた
MarketoがCRMリードマネジメントの分野
人が支援してくれるのであれば安心だと思
において、4年連続「リーダー」に選出さ
いました」(岩田氏)
れていることを高く評価した岩田氏。
成約率が伸びないまま、顧客開拓をし続けるのは
つらいはず。システム部門としてマーケティングで成
果が見える環境を作ってあげたい
情報システム部 部長
岩田 潤氏
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お客様事例
株式会社ハウスドゥ
成否を決めるのは 事前の目標設定 と 明確な役割分担
Marketo導入の背景を語る岩田氏と植村氏
Marketoの管理画面
2015 年 7 月に Marketo の利用を始めた
初動から 3 ヵ月で成果をあげるという
同社だが、事前に「3 ヵ月の間にメール
のは、高いハードルにも思えるが、これ
の A/B テ ス ト で PDCA を 回 し、Marketo
には岩田氏の次のような思いがあった。
からのアシストで顧客を獲得する」とい
「成果が出ないままグダグダになってし
う明確な目標を立てていた。
まうのを、一番恐れていました。MA の導
「MA を使った全体的な業務設計は情報
入は業務改革なので、入れただけで満足
システム部で行いますが、数字に責任を
していてはダメ。しっかりと目標を決め
持って結果を出すのは、あくまでも FC 事
て、短期間で小さな成功事例を作り、モ
業部。そこの切り分けは明確にしておく
チベーションを上げておく必要がありま
必要があると思っています。このバラン
す。長距離走はしんどいですが、短距離
スが大切ですね」(岩田氏)
走ならみんな走れるんですよ」
そこで FC 事業部のサポート役として
さらに岩田氏は Marketo の費用対効果
Marketo 活用の支援にあたるのが、情報
を測定するために、「セミナー&アポの増
システム部 システム課 副主任の植村 晢
加数 × セミナー参加者の契約率 × 売上
幸氏だ。
単価」の数字が、Marketo の費用を上回っ
「7 月に利用を開始して、Marketo から
ているか、という判断指標を作成した。
初めてメールを配信したのがお盆明けで
「情 報 シ ス テ ム 部 側 で Marketo を 覗 い
した。もともと 6 年前からメール配信を
て、 成功しているポイントを見つけては、
実施していたので、そのリストを活用し、
FC 事業部に伝える というのを繰り返し
すぐにスタートできましたね」と植村氏
ています。そうしないと、現状、まだ止まっ
は話す。
てしまいそうな気がするので」(岩田氏)
業務の役割担当
Marketoを見ながら打ち合わせをする様子
FC 事業部(マーケティング部)
情報システム部
Marketo の操作フォロー
マルケトとの窓口
業務フローの移行
コンテンツの作成&拡充
運用ミーティングの実施
重複データの管理
業務のファシリテーション
お互いの役割を明確にしておくことで、対等な関係を構築している
Marketoの導入がきっかけとなって、
部署間のコミュニケーションが生まれました
情報システム部 システム課 副主任
植村 晢幸氏
3
お客様事例
株式会社ハウスドゥ
A/B テストの実施でクリック率が 2 倍に
ハウスドゥ!住宅情報モール上尾本店。
全国に広がるハウスドゥ!
マーケティング
連携
追
加
MA
連携
追
加
顧客関係
構築
営業
SFA
コールセンター
CT I
FC 事 業 部 で 実 際 に Marketo を 使っ た
め、開封率やコンバージョン率など配信後
メール配信を担当しているのは、IT ツール
の状況は見えにくい状態でした。最近はメー
の利用は Marketo が初めてだという濱屋
ルの内容とともにスコアリングの高いお客
葵氏だ。
様を報告するようになって、『最近、西日本
「今は配信する曜日や時間の最適解を見
の動きが少ないみたいだけど、なぜ?』と
つけるために、全国を 5 つに分けて、エリ
具体的に相談もしてくれるようになり、励み
アごとに異なるメールを週に 2 回ずつ送っ
になっています」と濱屋氏は語る。
ています。A/B テストができ、そのデータ
また、Marketo を効果的に活用するため
をもとに毎週集客ミーティングを開き、そ
に、
リストとコンテンツの充実が重要と考え、
の場で改善していく。PDCA サイクルがう
積極的に新規メールアドレスを獲得し、新
まく回り始めました」(濱屋氏)
コンテンツ の 制 作 に 注 力したことで、約
Marketo の導入をきっかけに、テキスト
4 ヵ月の間に、メールのクリック率は 2 倍に
メー ル から HTML メー ル へ の 切り替えも
まで上昇した。
行った。
「まだ感度がある人しか興味を持っていま
「以前は、ただメールを送るだけで、そ
せんが、必ず営業成績にも差が出てくると
のメールの返信は直接営業マンに返るた
思いますよ」(岩田氏)
データ統合後のイメージ図
データ共有から生まれる部署間のつながり
Marketoのスマートリスト機能を使って、
客 にお いて、このように部 署 間で 連 携を
契約顧客のうち25%が、オンライン上で何
取って仕事を進めることはありませんでし
らかのアクションを取っているということが
た。今 はMarketoの 成 果を把 握 するた め
わかった。
に、週1 回の集客ミーティングに、私も参
さらに、一人ひとりの動きを把握するた
加するようになりました」と植村氏は話す。
め に 同 社 が 次 に 挑 む の は、Marketoを
「まず何よりも、マーケティングの成果が
SalesforceやCTIと連携させて、部署間で
見えない状態では、コンテンツの質を改善
同じ顧客データを見ながら行うリードナー
しようという発想にはなりません。MAで作
チャリングだ。
業効率が上がることで、コンテンツの中身
「今はその準備段階として、情報システム
について考える時間も増える。良いコンテ
部に相談しながら、顧客属性別のランディ
ンツを作るには、部署間の連携が不可欠で
ングページを用意しているところです」と話
すから、結果的に会社全体として良い方向
す濱屋氏。
に向かっていくのだと考えています」(岩田
「Marketo導入以前は、加盟店開発の集
氏)
マーケティングの精度を上げて見込み客の育成
をしてから、営業により確度の高い顧客情報を
渡せるようにしたい
FC 事業部 開発部
マーケティング・広報担当
濱屋 葵氏
株式会社マルケト
03-4510-2300 ( 代表 )
http://jp.marketo.com
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