ECX400 固体測定マニュアル

ECX400 固体測定マニュアル
薬学部 製剤工学 海野 (7716)
<測定準備> 溶液プローブ→固体プローブへの交換
1. NMR 内にサンプルが入っていないことを確認。
2. 部屋右奥の小部屋へ。左にある青いバーを 90˚回し、溶液用エアーコンプレッサーのエアーを止める。
3. 固体用エアーコンプレッサーの電源を入れる。シールの順番に 2 つのスイッチを入れる。
スイッチ入れたら、扉入って右手足元付近にあるツマミを回して水抜き。
4. 溶液プローブから各コードを外す。
 まず初めに STATUS を抜く
 LF : ツマミを少し回してからまっすぐ抜く
 HF : ツマミを少し回してからまっすぐ抜く
 Auto Tune (5 本) : ネジを回してまっすぐ抜く
 GRAD : ツマミを少し回してからまっすぐ抜く
 VT : そのまままっすぐ引っ張る
 TEMP : 両方のネジを緩めたらまっすぐ抜く
 LOCK : ツマミを少し回してからまっすぐ抜く
 PROBE HEATER : ツマミを少し回してからまっすぐ抜く
 VT IN : そのまままっすぐ引っ張る
 PROBE HEATER と VT IN の接続されていたパーツ
: 上部のネジ(黒い部分)を回してから「まっすぐ」引き抜く。中はガラス管があるので注意!!
外したらキャップをして、プローブの箱に閉まっておく。
5. 溶液プローブ本体を外す。両ネジを緩めたら、まっすぐ丁寧に抜く。キャップをして箱に閉まっておく。
6. 固体プローブのセット。
 ECA600 とは異なり、3 本の柱があって、それで支えるタイプ。
 下の 3 点をガムテープの凹んだ部分に合わせる。
 これら 3 点のネジを回して高さを調節。
 上の両ネジを閉める。片方が緑のテープの貼ってある場所になる。
 最後に下の 3 点のネジを回して、固定する。
 横のネジを回して、プローブ本体を持ちあげ中に入れる。
7. 固体プローブへ各コードを接続
 PHOTO OUT
 EL ROOM
 A
 S
形が全く一緒なので間違えないよう注意!! ECA600 の BEARING と DRIVE に対応する。
 LF : プローブの出し入れの際には一旦外すこと!!(コードが無理に曲がるため)
 HF : プローブの出し入れの際には一旦外すこと!!(コードが無理に曲がるため)
 STATUS は必ず最後につける
 分光計本体の右の扉を開け、下を見ると、LIQUID のランプが消え、OK のランプがつく。
これが確認できなかったら、接続が上手くいってない可能性があるので次には進まないこと。
8. PC のサンプル画面で、溶媒を None,種類を Solid にして、投入。
(オートサンプラーにサンプルがあると認識させる?)
<Reference 測定>
1. 標準品のヘキサメチルベンゼン(HMB)を入れる。
2. プローブを中に入れる前に回転させてみる(BEARING : 100, DRIVE : 50 くらい)。
問題なく回転したら、プローブを中に入れて 5 kHz で回転させる。
エアーの調整としては、常に DRIVE が BEARING の 1/2 の値を超えないように。
例 : BEARING :
DRIVE
:
0 → 100
0
→
→ 200
50
→ 310
→
75
→ 150 (大体これで 5 kHz くらいになるはず)
3. サンプル画面右下で、適当に名前をつけて Job 作成。
4. 中央右にある パルスシーケンス をクリック。
5. Global → Experiments →Solids →1D standard →single_pulse_dec.jxp
6. Header タブで、
をクリック。一覧から repeat を選択。追加 → OK。
7. force tune, save aborted, repeat にチェック。storage_filename を入力(適当で OK)。
8. Acquisition タブで scans を 4 から 1 もしくは 2 に変更。
9. サンプル画面で、今作成した Job を更新。
10. 更新した Job で 測定登録 をクリックして、測定開始。
11. LF の Tuning → Done。HF の Tuning →Done。(ECA600 と同様)
① ツマミが MAX の状態(×10 で時計回りに回しきった状態)で LF-TUNE(周波数成分)を調節し、緑色のメータ
ーが最小になるようにする。
② 一番メーターが小さくなったところで LF-MATCH(吸収成分)をどちらか一方向に少し動かす。このとき、
MATCH を動かしてメーターが増えても気にしないこと。
③ その後、その MATCH の状態で TUNE を動かし、いちばん小さくなるところを探す。
④ 最小となったところで MATCH を回す前と比較し、小さければ更に同じ方向に MATCH を回してより小さくなる
ように同じことを繰り返す。大きくなっていれば逆方向に MATCH を回してより小さくなるように調整する。これを
繰り返し最小値となる組み合わせを探す。2009 年 5 月現在では 1 目盛り位が最小値。
⑤ HF も同様。
12. モニター画面で画面中央の
13. データ処理の
をクリックし、FID を見て放電がないかチェック。
をクリック
→をクリック。スペクトルが得られる。
14. 左下にある ▽シム をクリック。1 番左の SHIM_Z1 を SHIM_Z0 に変える。
15. SHIM_Z0 の値を調節して、高磁場側のピークを 17.3 ppm にする。
※値をプラスするとピークは低磁場側に、マイナスすると高磁場側に動く。
16. 合わせたら、画面上部の Activity 部分の
をクリックして、測定中断。
17. 今の測定条件から、force tune, repeat のチェックを外し、scans を 4 回にして、Job 更新して再測定。
18. 得られた結果を解析し、17.3 ppm に近いかチェック。 ※頑張れば 17.303 ppm まで合わせられる。
<CPMAS 測定>
1. サンプルを入れて、回転させる。
2. 中央右にある パルスシーケンス をクリック。
3. Global → Experiments →Solids →1D standard →cpmas.jxp
4. force tune, save aborted にチェック。storage_filename に保存するファイル名を入力。
5. 各パラメータを入力。
以下によく設定するパラメータを示す。詳細は ECA600 のマニュアル参照。
理解できていないのに無闇に変更することのないように!! 機器が故障するおそれがあります。
 scans (Acquisition タブ内) : 積算回数のこと。2 の倍数に設定するとよい。
 contact time (Pulse タブ内) : CP における contact time。2~5 ms くらいで。5 ms は十分長い。
 relaxation delay (Pulse タブ内) : 1H の T1×1.2 を入力。多少は長めにとること。
ex.) T1×1.2 ≈ 3.5 [s] → relaxation delay を 4 [s]
6. サンプル画面で、今作成した Job を更新。
7. 更新した Job で 測定登録 をクリックして、測定開始。
8. LF の Tuning → Done。HF の Tuning →Done。
9. モニター画面で画面中央の
をクリックし、FID を見て放電がないかチェック。
10. 測定が終了したら、結果が出てくる。サンプル回収を忘れずに。
<溶液プローブへ戻す・再設定>
 ECA600 と異なり、基本的に溶液測定を行う NMR なので、使い終わったら必ず溶液へ戻すこと!!
1. 固体プローブを外す。基本的には接続の逆の作業。STATUS を初めに外すことに注意。
2. エアーコンプレッサーを固体から溶液へ切り換え。水抜きを忘れずに。
3. 溶液プローブを接続。STATUS は最後につけること。
4. 全て接続できたら、分光計本体の右の扉を開けて、LIQUID と OK のランプがついていることを確認。
(ここからは分光計を立ち上げない再立ち上げと同様)
5. Spectrometer control のウインドウ左上で、接続 → ユーザーの変更。名前、パスワード共に console と
入力してログイン。
6. AGE 標準サンプルをオートサンプラーにセット。Chloroform-D, Liquid に設定し、サンプルタブの投入。
7. サンプルタブ → マニュアル制御 → Probe チューンをクリック。NMR 本体下の LF と HF の Tune と
Match を調べ、入力。本体下と PC 画面内では並び方が異なることに注意!! PreTune 開始をクリック。
8. チューニングが終わったら、マニュアル制御パネルを閉じて、接続 → ユーザーの変更。名前、パスワ
ード共に delta と入力してログイン。
9. マニュアル制御タブで、
をクリックしてオーナーとして接続。
をクリックしてサンプルを回転させる。
10. ウインドウ上部で、シム → シムファイルの読み込み → システムシムをクリック。OK。
11. 右部の
をクリックして、オートロック&グラジエントシムを実行。
12. AGE を通常測定し、測定結果をチャートに印刷。日付、所属、測定者名、内線番号、Level, Gain, Lock
Level を記入(Level と Gain は前回測定した人の値に合わせる)。ファイルに閉じる。
<解析>
 基本的には ECA600 の Delta 4.3.6 と同じ。(バージョンが新しくなって配置などが若干変更されている)
 データの解析は研究室(1 研)にも Delta がインストール済みなので可能。
データの取り出し方は、ファイルを ECX400 (nmrgw) (Z:)内にコピー。受付(各部屋のカギがある部屋)前
の PC で、USB を挿し、ウィルススキャン(USB を開く時に右クリック)してから、デスクトップの ECX400 フ
ォルダ内からデータを取り出す(他の NMR も同様)。あくまでこのフォルダ内のデータは一時的な保存場
所なので注意。
1. 測定が終了したら、結果が出てくる。ファイルの場所は、デスクトップの data フォルダにある。
 ここは一時的なファイルの保存場所なので、必ずデスクトップの P(薬学部用)フォルダに移動させる
こと!!中に各自のフォルダを作っておく。data フォルダ内のファイルは定期的に消されます。
2. 位相合わせ :
をクリック。右の位相補正タブをクリックし、更に手動で P0, P1 の値を調節し
て、
スペクトルの形を整える。
3. 範囲指定 : 方法は主に以下の 3 通り。
A) 中央左端部の
をクリックし、スペクトルの見たい部分を選択
B) 右のオプションタブをクリック。X 軸の左端と右端の値を調節
C) 結果のウインドウ上部の、補助ツール → ジオメトリツール → 表示範囲の調整
出てきたウインドウの上の方の
を選択して、ポインタが指マークになったら、そ
れでスペクトルをクリック。Start と Stop の値を調節。
4. ピークピック :
でプロセスリストを実行する。
中央左の
その後、上部の
を選択。緑の線をドラッグして、ピークとして認識する強度を調節。
をクリックしてオートピック or 中央部の
をクリックし
て、手動でピック(近いところをクリックすると、1 番強度の強い所を自動でとる)。
5. 印刷 or PDF ファイルの作成 :
をクリック。プリンタを選択して印刷。
PDF ファイルを作るときはプリンタで JEOL PDF を選択 → 印刷。
ファイル名と保存場所を決めて保存。
 便利な機能
 End : 縦最大表示
 Home : 縮尺を最初の状態に
 = : ひとつ前の状態に(Delta 4.3.6 の Back Space と同じ)