Methyl Primer ExpressR ソフトウェアv1.0

Methyl Primer Express® ソフトウェア v1.0
Methyl Primer Express® ソフトウェア v1.0
クイック リファレンス カード
概要
Methyl Primer Express® ソフトウェアでは、メチル化マッピング技術
として一般に使用されているバイサルファイト シーケンシング
(BSP)用およびメチル化特異的 (MSP)PCR 用のプライマーを設計
することができます。このソフトウェアでは、DNA シーケンス内で
CpG アイランドが検索でき、CpG を含むシーケンスに対してバイサ
ルファイト処理後の結果がシミュレーションされます。その後 MSP
または BSP 解析用の推奨プライマー ペアの候補が示されます。どち
らのプライマー設計プログラムにおいても、多様な実験条件に対応さ
せることができます。
Methyl Primer Express® ソフトウェアの
ワークフロー
Methyl Primer Express® ソフトウェアでは、MSP または BSP 解析用の
プライマーをデザインするための基本手順の多くを自動化できます。
目的とする DNA シーケンスをソフトウェアに読み込ませると、条件
に一致する CpG アイランドがすべて検索され、ターゲット シーケン
スに基づいてプライマー設計が実施されます。シーケンス内で見つ
かったすべての CpG アイランドや、ターゲット シーケンスに基づい
てリストアップされたすべてのプライマー ペアは、レポートとして
確認できます。
この『クイック リファレンス カード』では、例としてヒト DNA シー
ケンス(BRCA1 遺伝子)を使用し、Methyl Primer Express® ソフト
ウェアのワークフローに従って操作手順を説明します。
Methyl Primer Express® ソフトウェアの起動
Methyl Primer Express® ソフトウェア v1.0 を起動するには、デスクトップ上の
をクリックします。
シーケンスのインポート
Methyl Primer Express® ソフトウェアにシーケンスを読み込ませるには
1. 予め GenBank データベースで BRCA1 遺伝子(AC#: U37574)のシーケンスをダウンロードし、テキストファイルとして保存します。
「File」「Import Sequence」を選択し、ダウンロードしたファイルを読み込みます。
または、
2. GenBank データベースを開き、BRCA1 遺伝子(AC#: U37574)を検索し、そのシーケンスをコピーします。
コピーしたシーケンスを「Insert Nucleotide Sequence」ボックスにペーストします。
重要! インポートしたシーケンスに N コールが 1 つ以上を含まれていると、エラー メッセージが表示され、次の
手順に進めなくなります。変換が必要な N 塩基が gDNA シーケンスに含まれる可能性を最小限に抑えるために、最
新の GenBank シーケンスを入手してください。
注 : ダウンロードしたこのシーケンスの例では、N 塩基は暫定的に以下のように変換してください。
・ 8, 21, 108, 236, 254, 336 塩基目の N は C に変換します。
・ 965, 3620 塩基目の N は A に変換します。
・ 2027 塩基目の N は削除してください。
シーケンスに遺伝子情報を付加
インポートしたシーケンスに、次のようないくつかの遺伝子情報を付加することができます。
・ ユーザ指定のシーケンス名
・ 遺伝子シーケンスの転写開始点
・ 遺伝子シーケンスの翻訳開始コドン
このマニュアルでは、シーケンスに転写開始点の情報のみを付加します。
転写開始点は、インポートしたゲノム シーケンスの GenBank ファイルで mRNA の行を参照することにより特定できます。
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転写開始点情報を付加
1. BRCA1 遺伝子の GenBank ファイル(AC#: U37574)の「Features」セクションで、mRNA 開始シーケンス番号を見つけます。
2. インポートしたゲノム シーケンスの任意の場所をポインタでクリックし、画面右下の「Base Position」フィールドでシーケンス番
号の位置を確認します。
3.「Base Position」に表示される番号が GenBank ファイルの mRNA 開始番号(例では 1581)に一致するまで、シーケンスをスクロー
ルしながらポインタを移動します。
4. 転写開始点の塩基と、開始点から 12 個以上後ろにある塩基までを選択します。
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5.「Sequence Features」「Set Transcription Bases」を選択します。転写開始点の塩基がハイライトされ、青の下線が付けられま
す。スクロールして、遺伝子情報を付加した塩基を確認します。
CpG アイランドの検索
インポートしたシーケンスに遺伝子情報を付加すれば、より効果的なプライマー設計を行うことができます。
1.「Design Primers」「Find CpG Islands」を選択します。
「CpG Islands」ダイアログ ボックスに、現在設定されている CpG アイランドの検出条件を再検討するかどうかを尋ねるメッセージ
が表示されます。
2. 次のいずれかを選択します。
・ 「No」- CpG アイランドの検索にデフォルト設定が使用され、ステータス ウィンドウに進行状況が表示されます。
・ 「Yes」- 表示される「Customize Settings」ダイアログ ボックスで、Methyl Primer Express ソフトウェアによって設定された
パラメータ値を調整し、「OK」をクリックします。Frommer アルゴリズムによって CpG アイランドが予測されます。
重要! デフォルト設定はソフトウェアの実行に適したパラメータ値に設定されていますが、実際の実験目
的に応じて設定を修正することができます。詳細については、『Methyl Primer Express® ソフトウェア v1.0
Getting Started Guide』を参照してください。
3. 検索が終了したら、次に説明する手順で CpG レポートを確認します。
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CpG レポートの確認
CpG レポートには、CpG 部位がピンクの垂直バーで横軸上に示されます。また、転写開始点は青のバーで、翻訳開始コドンは赤のバー
で示されます(このマニュアルでは、転写開始点のみ設定しました。翻訳開始コドンの設定手順については、『Methyl Primer Express®
ソフトウェア v1.0 Getting Started Guide』を参照して下さい。
)。CpG アイランドはピンクの実線で横軸の下に表示されます。レポート
をスクロールして、検索結果を確認して下さい。
ターゲット シーケンスの選択
シーケンス内で見つかった CpG アイランドの確認後、プライマー設計のターゲット シーケンスとして使用するシーケンス領域を選択
します。
1. CpG レポートで、画面右下の「Select an island」ドロップダウン リストから目的のアイランドを選択し、
「Next」をクリックします。
2. そのまま転写開始点前後のハイライト表示された領域を使用するか、または、選択した CpG アイランド内でプライマー設計領域を
適宜選び直し、「Next」をクリックします。
注 : 転写開始塩基情報を付加した場合、転写開始点前後の 500 個の塩基がターゲット シーケンスとして自動的
に選択されます。転写塩基情報を付加しなかった場合、選択した CpG アイランドが自動的にターゲット シーケ
ンスとして設定されます。シーケンスの選択を変更するには、別のターゲット シーケンスを選択し、
「Next」を
クリックします。
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DNA シーケンス レポートの確認
DNA シーケンス レポートで、推奨されるターゲット シーケンスを確認します。
DNA シーケンス レポートには、gDNA シーケンス、推奨ターゲット シーケンス、選択したターゲット シーケンス、メチル化ターゲッ
ト シーケンス、および非メチル化ターゲット シーケンスが表示されます。
プライマーの種類の選択
DNA シーケンス レポートの確認後、MSP 用または BSP 用のどちらのプライマーを設計するかを選択できます。このマニュアルのワー
クフローでは、BSP 用のプライマーを設計します。
「DNA Sequence View」ウィンドウのドロップダウン リストから MSP または BSP を選択します。
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BSP 用プライマーの設計
BSP 用プライマーを設計するには
1.「DNA Sequence View」ウィンドウ下部のドロップダウン リストから「Design BSP Primers」を選択し、
「Next」をクリックします。
BSP 用プライマーの設計条件を再検討するかどうかを尋ねるダイアログ ボックスが表示されます。
2. 次のいずれかを選択します。
・ 「No」- デフォルト設定によって いくつかの BSP 用プライマーが設計されます。
・ 「Yes」- 表示される「Customize Settings」ダイアログ ボックスで、ソフトウェアによって設定されたパラメータ値を調整し、
「OK」をクリックします。
重要!「Customize Settings」ダイアログ ボックスの各パラメータ値は、ソフトウェアがプライマーを設計
する際に使用されます。デフォルト設定は推奨される値ですが、実験目的に応じて設定を修正することが
できます。詳細については、『Methyl Primer Express® ソフトウェア v1.0 Getting Started Guide』を参照し
てください。
プライマー ペアの選択
1.「BSP Primers」ウィンドウを確認し、最適なプライマー ペアを選択します。
次の図に示すように、プライマー ペアは互いに相補する矢印のペアで示されます。プライマーは横軸に近いものほどペナルティが
低いもので、最適なものがプライマー ペアとして選択できます。
2. 矢印のペアをクリックして最適なプライマーを選択します。選択したプライマー ペアの色が白に変化し、フォワード プライマー
とリバース プライマーのシーケンスが画面上の「Selected Sequences」パネルに表示されます。
注 : この時点では、バイサルファイト処理のシミュレーションにより、C 塩基があった位置に T 塩基が表示され
ます。ただし、メチル化された C 塩基はバイサルファイト処理から保護されますので、CpG 部位に含まれる C
塩基は、ここでは C 塩基で表示されます。
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BSP プライマー レポートの作成
1.「BSP Primer Report」をクリックして、選択したプライマー ペアの BSP プライマー レポートを作成します。
2. BSP プライマー レポートをスクロールして、提示されたプライマー設計の詳細を確認します。
レポートは次の 4 つのセクションで構成されています。
・ 初期状態のヌクレオチド シーケンス
・ バイサルファイト処理後の DNA シーケンスとそれを増幅するフォワードおよびリバース プライマー
・ PCR 産物
・ その他の候補プライマー
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初期状態のヌクレオチド シーケンス
その他の候補プライマー
バイサルファイト処理後の DNA シーケンスとそれを増幅
するフォワードおよびリバース プライマー
ここでは、次の操作を行うことができます。
・ 「File」「Save As」を選択して、レポートに名前を付ける。
・ Microsoft® Word 文書(.doc)として保存してレポートを
エクスポートする。
・ レポートを印刷する。
シーケンスに遺伝子情報を付加するその他の方法
シーケンスに遺伝子情報を付加するその他の方法について
は、『Methyl Primer Express® ソ フ ト ウ ェア v1.0 Getting
Started Guide』を参照してください。このガイドには、次の操
作手順が記載されています。
・ シーケンスの名前付け
・ シーケンスに転写開始点情報を付加するその他の方法
・ シーケンスに翻訳開始コドン情報を付加する方法
PCR 産物
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