環境・社会報告書

環境展示会「エコアイディア ワールド」のジオラマ
S U S T A I N A B I L I T Y
R E P O R T
環 境・社 会 報 告 書 2 0 0 8
パナソニック
エコシステムズグループ
目次 /編 集 方 針
パナソニック エコシステムズグループ
環 境・社 会 報 告 書 2008
01
02
03
05
Policy
編集方針
Outline
会社概要
Message
トップメッセージ
Vision
ビジョン
編集方針
●本報告書は、パナソニック エコシステムズグループの2007年度の環境・
社会に関する活動をできるだけ多くの方々にご理解いただけるよう発行し
ています。
●本報告書でご紹介しきれなかったデータや事例などは、ウェブサイトで
ご覧いただけます。
対象範囲
対象期間:2007年度(2007年4月∼2008年3月)
(一部のデータおよび活動内容を除く)
対象範囲:パナソニック エコシステムズ
(株)
と
国内・海外主要関係会社(主要データについて)
●パナソニック エコシステムズ
(株)
●パナソニック環境エンジニアリング
(株)
「eco ideas」戦略をグループ一体で推進
●パナソニック エコシステムズ大阪(株)
●パナソニック エコシステムズ小矢部(株)
07
環境経営の実践
Environment
商品のエコアイディア グリーンプロダクツ
モノづくりのエコアイディア クリーンファクトリー
ひろげるエコアイディア 地球を愛する市民活動
●パナソニック エコシステムズ共栄(株)
●ナベック
(株)
●ベンテック
(株)
●パナソニック エコシステムズ香港(株)
●パナソニック エコシステムズ広東(有)
●パナソニック エコシステムズ広東(有)北京分公司
●パナソニック エコシステムズ タイ
(株)
※2008年10月1日、松下エコシステムズ
(株)
はパナソニック エコシステムズ
目標と実績
14
環境報告サマリー
(株)
に社名を変更しました。
Summary
グリーンプロダクツ/クリーンファクトリー/
環境・エネルギー事業/環境コミュニケーション/
販売・物流のグリーン化/環境経営と人づくり
16
社会性報告サマリー
Summary
お客様とのかかわり/従業員とのかかわり/
地域社会とのかかわり
18
Management
CSR マネジメント体制
※湘南松下エコシステムズ
(株)
、松下エコウェル(株)
を、
パナソニック エコシステムズ
(株)
に統合しました。
参考にしたガイドライン
環境省、グローバル・リポーティング・イニシアティブ
(GRI)等のガイドライン
発行時期
2008年10月
発行人
パナソニック エコシステムズ
(株) クオリティセンター
クオリティセンター所長 高橋 正雄
本報告書とウェブサイトを用いて情報開示しています
本報告書の情報を補完して、環境に関する詳細な情報を当社ウェブサイト
に掲載していますので、ご覧ください。
本報告書
パナソニック エコシステムズグループの環境・社会活動
の姿勢や基本的な考え方を伝えるメッセージ
✚
ウェブサイト
具体的な事例や定量的成果を伝えるデータファイル
パナソニック
エコシステムズ>環境活動
web
http://panasonic.co.jp/pes/environment/
01
会社概要
パナソニック エコシステムズグループは、パナソニックグルー
パナソニック家電製品や、ジェットファンや電気集塵機などの道路
プの事業分野のうち「環境システム事業」を担っています。創業以
トンネルの換気送風技術は海外でも高い評価を得ています。さら
来90年にわたり培った「風と空気」にかかわる高い技術力を結集
に、クリーンエアー機器、生活排水処理装置など数多くの製品に
し、モノづくりを通じて「環境技術でグローバルに貢献する」ことを
おいても、国内外で高い評価を得ています。
目指しています。
また、汚れた水や土壌を浄化するバイオ技術、触媒技術も、広
当社は国内で初めて扇風機の量産を開始し、「ファン」と
「モー
く社会環境に貢献しています。今後も環境技術立社を推進し、得
ター」に関して多くの技術的蓄積があります。グローバルシェア
意とする空気・水・土壌の浄化技術で「人にやさしい環境」
と
「地球に
No.1を誇る換気扇をはじめ、空気清浄機、加湿機、除湿機などの
やさしい環境」
を実現していきます。
パナソニックグループの事業体制
AVCネットワーク分野
AVC事業
(映像・音響・情報通信)、映像事業、
固定通信事業、
移動通信事業、
カーエレクトロニクス事業、システム事業、
健康システム事業
事業内容
■換気分野
全熱交換気ユニット
バスルームコンディショナー
「iミスト」
全館換気システム
アプライアンス分野
家庭電化事業、
冷熱空調事業、照明事業、環境システム事業
パナソニック エコシステムズグループ
・パナソニック エコシステムズ
(株)
・パナソニック環境エンジニアリング
(株)
デバイス分野
レンジフード
天井埋込型換気扇
同時給排 24時間換気扇
■環境エンジニアリング分野
アテネオリンピック
会場にて
クリーンルーム機器
産業用水処理装置
携帯基地局冷却
ユニット
愛・地球博会場にて
送風機
道路電気集塵
システム機器
土壌・地下水浄化
半導体事業、
電子部品事業、電池事業、
モーター事業
パナソニック電工・パナホーム
電材・電気事業、住設建材、
住宅事業、ほか
その他の分野
ハイブリッドタワー
「風かもめ」
■家電空質分野
FA機器、産業機器、
ほか
ふとん乾燥機
加湿機
デシカント方式
除湿乾燥機
会社概要
■社
名 パナソニック エコシステムズ株式会社
■本社所在地 〒486-8522 愛知県春日井市鷹来町字下仲田4017番
TEL:0568-81-1511(代表)
立 1956年5月15日
■社 名 変 更 2008年10月1日
■資 本
天井扇
加湿空気清浄機
扇風機
食器乾燥機
お問い合わせ先
■英 文 社 名 Panasonic Ecology Systems Co.,Ltd.
■設
空気清浄機
金 120億9,236万円(2008年3月31日)
パナソニック エコシステムズ株式会社 クオリティセンター
[担 当] 清水 重文
〒486-8522 愛知県春日井市鷹来町字下仲田4017番
TEL:0568-81-1511 FAX:0568-82-6889
●インターネットでのお問い合わせも受け付けております。
web https://sec.panasonic.co.jp/pes/support/goiken.html
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
02
トップメッセー ジ
環境先進企業を目指すこととは、
志を高く持つこと
統一したブランドで
ますます強さを発揮
当社は、1909年が創業であり、来年2009年に創業100周年を
迎えます。創業当時の前身である川北電気企業社において、日本
初の扇風機を開発・発売し、日本有数の電機メーカーとして発展を
遂げました。その後、松下電器と提携し、ナショナルブランドの扇
風機も開発するようになり、1956年に正式に松下グループ入り、
1962年に社名を松下精工と改めました。 2002年に私が社長に就
任し、松下電器の完全子会社化などに伴い、翌2003年に社名を
松下エコシステムズとしました。
そして、2008年10月、パナソニック エコシステムズと新社名
に変わることとなりました。社名が二度も変わる経験をした社長も、
世の中に私くらいではないでしょうか。今後ますますグローバルに
展開する上においても、統一したパナソニックブランドとして強み
が発揮できると信じています。
パナソニック エコシステムズ株式会社 代表取締役社長
素直な心で
人に聞く姿勢を
社名から松下という名前が外れても、松下グループ創業者であ
る松下幸之助の考えを次の世代に伝えていくのが私の使命だと考
え、職場懇談会を継続して実施しています。これは、4∼5名といっ
た小所帯から、40人もいる大所帯まで、各職場に私が出向いていき、
創業者の経営の考え方について出前講義を行うというものです。
パナソニックグループには「モノをつくる前に人をつくる」という
誇るべき伝統があります。常々、私は従業員に「素直な心で、人
に聞く姿勢を持ち続けなさい」と伝えています。人間ですから
「知
らない」
「忘れた」は、あって当然なのです。知ったかぶりをして、
一人で誤った判断をする方がいけない。そうして、みんなの知恵
が集まれば、すばらしいものが生み出されるはずです。
さらに、人間というのは生まれた時から、自分自身の経営者と
いうことができます。上司に「どうしましょうか?」と相談するので
なく、「こうしたい」という姿勢をいつも持っていてほしい。「あな
たの人生をマネジメントするのは、あなた自身であり、与えられた
03
仕事に対しては、自分は責任者だと思ってください」と、そんな話
コアイディア100選」といった取り組みをグループで実施し、各地
をしています。
を巡回しているところです。特に、中国においては効果も見えや
すく、力を入れているところです。
深刻な地球温暖化に
私たちのできること
また、本社工場(春日井)
においても、月1回以上ノーマイカーデー
を設け、私も参加しています。自動車だと自宅から30分で来られ
るところですが、多少、時間はかかっても公共交通機関を使い、
2005年に「愛・地球博」が愛知県で開催され、多くの入場者でに
歩くようにしています。私はもともと歩くのは好きで苦にならない
ぎわいました。その中で人気だったのが、シベリアの永久凍土か
方ですが、便利になった今の時代、健康のためにももっと足を使
ら発見されたマンモスの子どもでした。「かわいい」
「きれいな状態
わないといけませんね。また、単身赴任生活も6年になりますが、
で残っている」というような評判でしたが、私は大きな危機感を
最近は自炊を楽しむようになりました。簡単な料理ですが、地元
持ってこれを見ていました。何万年も人の目に触れることのなかっ
の野菜をふんだんに使ったものをつくるようにしています。もちろ
た遺体が、こうして永久凍土が融けることによって次々と発見さ
ん、買い物にはエコバッグ持参で行きます。
れるほど、地球温暖化は急速に、かつ深刻化しているのだという
環境先進企業を目指すということは、つまりは「志」の問題だと
思いです。果たして私たちは、未来の子どもたちに対して豊かな
私は思うのです。排出権取引で安易に売ったり買ったりする前に、
自然環境を残していけるのでしょうか。
まずは自分たちで知恵を絞り、行動に移すことが重要ではないで
パナソニックグループとしても、グループでCO2排出総量を
しょうか。
2009年度までに2006年度の排出量から30万トン削減し、2010年
企業としてできること、そして個人レベルでできること、全員の
度には2000年度レベルまで下げると約束し、今、力を結集してこ
英知を結集して行動に移すことで、大きな目標も必ず達成できる
の大きな課題に挑戦しているところです。そのために「eco ideas
と思っています。
(エコアイディア)宣言」
を掲げ、省エネ商品・グリーン商品をお届け
することやモノづくりの過程において、さらに従業員が家族や地
(2008年7月9日インタビュー実施/インタビュアー 株式会社クレアン 薗田 綾子氏)
域の方を巻き込みながらエコ活動を推進することで、地球温暖化
という難問に取り組んでいます。
全員の英知を結集して
目標に挑戦
グリーン商品というところでは、当社においても、熱交換器が
ヨーロッパで伸びています。また、先日、パナソニックの工場で
見た技術ですが、魔法瓶に使われる技術の断熱材など、まだまだ
いろいろなところで活用できるのではないかと思いました。この
ように、あまり環境に負荷をかけずCO2を排出しないで、自然をう
まく取り込めるような仕組みをもっとつくっていく必要があります。
モノづくりの過程では、本社工場
(春日井)のようなクリーンファ
クトリー構築を各地で進めていく予定です。
「モノづくり100選」
「エ
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
04
ビジョン
パナソニック エコシステムズグループのビジョン
M I S SION
経営理念
(パナソニックグループ綱領)
ミッション
V I S I ON
PLAN
ビジョン
中期計画
グリーンプラン2010※
※P13参照
経営理念「パナソニックグループ綱領」
私たちのビジョン
パナソニックグループは「企業は社会の公器」であるとの考え方
パナソニック エコシステムズグループは2010年に向けて「環境
のもと、「社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与す
技術で社会生活の改善と向上を図り、地球環境と共存できる社会
ること」
を経営理念に掲げ、事業活動を行っています。
づくりに貢献します」
というビジョンを掲げ、取り組んでいます。
ビ ジョン 実 現 に 向 け、「G&ET
(Global and Environmental
Technology)」というスローガンを掲げています。このスローガン
産業人タルノ本分ニ徹シ
社会生活ノ改善ト向上ヲ図リ
は私たちがビジョンを実現するために必要と考える、以下の2つの
ことを表現したものです。
世界文化ノ進展ニ
寄与センコトヲ期ス
私たちのミッション
パナソニック エコシステムズグループは、世界のお客様のため
に4つの使命(ミッション)
を果たしていきます。
環境技術立社の確立
グローバル企業の実現
中期計画「GP3計画」
( 2007〜 2009年度)
パナソニックグループは 2007 年度よりグローバルエクセレンス
への挑戦権獲得を目指し、「収益を伴った着実な成長」を基本スタ
ンスとして「GP3 ※計画」をスタートしました。目標実現のため、パ
空気・水・土の浄化技術で社会に貢献します
環境に配慮した安全・安心な商品でお役に立ちます
従業員・関係先・地域とともに成長・発展します
真摯で公正な「スーパー正直」の事業運営を行います
05
ナソニック エコシステムズグループでは、大きな市場・伸びる市
場である海外事業と、これから高成長が見込まれる環境分野の省
エネルギー・浄化事業を強化しています。
※GP3:Global Progress, Global Profit, Global Panasonic
最も直接的なテーマは「生産活動におけるCO2排出量削減」で
「eco ideas( エコアイディア)」戦略を
グループ一体で推進
す。 GP3計画の3年間でグループ全体で「CO2排出量をグローバル
で30万トン削減
(2006年度比)」
し、2010年度に「2000年度の水準
2007年10月には、「GP3計画」に「すべての事業活動で環境負
(約360万トン)に引き下げ」を目指します。パナソニック エコシス
荷を削減」するという目標を加え、
「地球温暖化防止対策の加速」
と
テムズグループは、2010年までにCO2排出量を2006年度比で約
「環境経営のグローバル推進」という重点課題を掲げ、当社もグ
3千トン削減することを目標としています。この目標達成のために
パナソニック エコシステムズグルー
全社員を挙げて、CO2排出削減に努力しています。
ループを挙げて取り組んでいます。
(単位:千トン-CO2)
30
パナソニック エコシステムズグループ CO2 排出量推移と目標
(単位:千トン-CO2)
30
28.0
31.2
14.9
32.1
17.0
31.2
17.2
30.4
16.9
11.0
28.0
■海外
■国内
29.2
16.7
20
「エコアイディア宣言」
31.2
32.1
14.9
17.0
11.0
20
CO2排出量削減を筆頭に幅広い領域で環境活動を加速するた
17.0
め、グループ全体で「商品のエコアイディア」
「モノづくりのエコア
17.0
16.3
15.1
10
16.3
15.1
10
14.0
13.5
12.5
イディア」
「ひろげるエコアイディア」の3つを切り口に重点取り組み
をまとめた「エコアイディア宣言」
を展開していきます。
0
0
2000
2005
2006
2007
基準年
2008計画
2000
2009計画(年度)
「GP3計画」
期間
※国内サイトは、電機事業連合会「電気事業における環境行動計画」に記載される年度ごとの「使用
端CO2排出源単位」
を使用。
ただし07年度数値は未発表のため06年度の0.410kgCO2/kWhを使用。
海外サイトは、持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)並びに世界資源研究所(WRI)
が公開しているGHGプロトコルウェブサイト内のCalculationToolsに記載の各国ごとの数値を採
用。
全ての年度で、
"Electricity-Heat SteamPurchase_tool1.0_final"記載の2002年の数値を採用。
2005
パナソニックグループは、すべての活動
※国内サイトは、電機事業連合会
「電気事業に
において、一歩先のエコをめざします
端CO 排出源単位」
を使用。
ただし07年度数値
2
エコアイディア推進のために
生態系を守ることが私たちの使命
われわれは、環境をドメインとする企業であり、社名にも「エコ」
と入っているほどです。当
社の社名にある「エコシステムズ」とは、生態系のことです。つまりは、生態系を守ることが
われわれの使命であると言うこともでき、ここ1、2年で急速に環境問題、とりわけ地球温暖
化について騒がれるようになってきましたが、やっと時代が追いついてきたと感じています。
当社の大きな役割として、「人にやさしい環境事業」と
「地球にやさしい環境事業」という二つ
の柱があります。人を中心とした生態系が、健康で快適に過ごせるように、また一方では生
物を中心とした生態系のために、大気・水・土壌を汚さないように、当社の環境技術が発揮でき
ると考えています。
「地球にやさしい」
と申しましたが、この言葉は何ともおこがましいと私は思っています。地
代表取締役専務
寺井春夫
2006
球に対し、
「生かせてくださいね」
という謙虚さが、人間にはもっと必要なのではないでしょうか。
ここ数年、環境に関する仕事をしたいと志望してくる優秀な新入社員が多く、心強く思って
います。技術の可能性は、まだまだあると私は信じています。次世代の子どもたちのために、
地球の未来のために従業員が一丸となって努力していきたいと思います。
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
06
環 境 経営の実 践
グリーンプロダクツ( GP )
●省エネ商品の徹底追求
私たちは、 省エネ商品をおとどけします ●材料、リサイクルへの取り組み
ダントツGPに新たに4製品が追加
優れた省エネルギー性能を持つ製品を世の中に広く普及するこ
た商品を
「ダントツGP」と位置付けており、2007年度、当社製品
とにより、エネルギー消費を抑え、CO2削減につなげていきます。
では、パイプファン
(電気式シャッター付パイプファン)、冷却ユニッ
パナソニックグループでは、材料への配慮や、リサイクル設計とと
ト
(携帯基地局向け冷却装置)、天井埋込型換気扇、除湿機の4製
もに、最も大きな課題である省エネルギーへの取り組みに注力し、
品が「ダントツGP」に新たに認定されました。
業界トップレベルの環境性能を持つ商品を
「グリーンプロダクツ
(GP)」と認定しています。さらに、業界No.1の環境性能を実現し
(電気式シャッター付パイプファン) 省エネルギー
パイプファン
[FY-08PFE8D]
グリーンプロダクツ認定基準
web
http://panasonic.co.jp/pes/environment/env04_01.html
冷却ユニット
(携帯基地局向け冷却装置)
省エネルギー
[BV-801WDE3]
業界No.1の低消費電力を実現。メンテナンス性とインテリ
携帯基地局の機器から発する熱を冷却するため、以前は空
ア性を向上するとともに、1軒の住宅に複数台設置され、24
調機が採用されていたが、常時運転による電力消費、初期投
時間連続運転されることから、全体のエネルギー消費を大幅
資の増大といった問題があった。これらの問題を解決すべく、
に削減することを目的に開発。排気機能に加え付加機能とし
熱交換素子技術を応用することで、外気を基地内に入れずに、
て、暴風雨時に雨水や風の侵
内外の温度差を利用し冷却する画期的な冷却方式を開発。ま
入 を 防 止 する 電 気 式 シャッ
た従来、空調機でしか対応
ターを装備。シャッター開閉
できなかった高温熱帯地域
機能のための消費電力削減を
にも装置が可能となった。
可能にした。
天井埋込型換気扇
省エネルギー
[FV-08VKM1]
除湿機(冷風機能付き10L/day 除湿機)
[F-YHD100]
今回、開発したDC
(直流)
モーターは、風量の一定制御を可
デュアルセパレートファンの採
能にし、さらに人感センサーとモータートルク制御とを組み合
用により、風路構造が効率的にな
わせ、最適な24時間換気を
り、除湿能力アップと衣類乾燥時
実現。当社比30 ∼ 50%と
間の短縮につながるとともに、製
いう大幅な省エネを実現。
品質量で同程度の他社製品に比べ
加えて低消費電力と発熱量
3%の省資源を実現。
の低減による長寿命化と、
小型化も同時に実現した。
07
省資源
CO 2を減らすモノづくり̶北米向け天井埋込型換気扇の事例
省エネNo.1製品の開発を加速
換気扇は、長時間稼動させる商品であり、環境問題への意
技術センター
制御グループ
マネージャー
識の高まりから、消費電力を気にする消費者が増えています。
2008年は京都議定書の第一約束期間の初年度に当たります
が、日本の目標である1990年度比で6%のCO2排出量削減と
田谷人志
いう数値の達成も簡単ではなく、特に増加の著しい家庭部門
「省エネ性能の優れたDC
モ ーター 搭 載 の 商 品 を、
全世界に向けて広く展開
していきたい。」
での省エネ対策が叫ばれています。
パナソニックグループにおいても、
「エコアイディア宣言」の
中で、CO2排出量を減らすモノづくりを推進し、省エネNo.1製
品の開発を加速しています。その代表的な製品として、当社の
北米向け天井埋込型換気扇
(FV-08VKM1)
をご紹介します。
近年、アメリカにおいては家庭でも24時間換気が普及する
とともに、エナジースター認証基準の改定等に伴って、換気
さまざまな部門の連携で課題を克服
扇の省エネ性、長寿命化への要求が高まっています。こうし
アメリカでは独自の安全性に関するUL規格や、ASHRAE
たニーズに対応し、当社独自の換気扇対応の「AC電源ダイレ
基準(日本のビル管理法に相当するもの)
というものがあり、
クト入力型DCモーター」
を開発しました。
テキサス州にある住宅換気研究所に出向いて、認可のための
風量測定や騒音試験を何日も実施しました。
省エネ化と長寿命化を同時に実現
また、高効率、低騒音という付加価値を付ける上で、製品
サイズと低騒音化というのは相反するものです。開発の段階
ブラシレスDCモーターには、ACモーターに比べ、エネル
では、風量一定制御にかかわる制御回路をモーターの内部に
ギーロスが少ないという特性があります。また、ACモーター
も組み込みながら、全体としていかに小型化するかという難
と比較して、トルク制御(風量の調整)が簡単であり、低回転
問が横たわっていました。このため、研究所、モーター部門、
から高回転域までをカバーできるという強みを持っています。
機構設計部門、製造部門といったさまざまな部門と、密に連
今回、開発したDCモーターは、180度3相全波リニア駆動方
携を取りながら商品開発を進める必要がありました。さらに、
式と、DC-DCコンバータの定電流出力化により、風量の一定
発売前から営業部門もプロモーション活動に力を注ぎ、展示
制御への対応を可能にすると同時に、制御回路とモーターを
会では実演キットが大きな反響を呼びました。こういった多く
モールド一体化させることで、小型化も実現できました。
の人の努力が実を結び、発売から2年間で予定の2.7倍の販売
この北米向け天井埋込型換気扇は、DCモーターを搭載し
実績を上げることができました。
たことで、従来製品に比べ30∼50%程度の大幅な省エネを図
ることが可能となりました。さらに、風量の一定制御によって、
風量過多による冷暖房エネルギーロスの削減と、低消費電力、
発熱量低減による長寿命化を実現しました。
恒温恒湿での回路動作実験
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
08
環 境 経営の実 践
クリーンファクトリー( CF )
私たちは、 CO 2 の排出量を減らします
工場での生産活動にとどまらず、商品企画から製造、販売、サー
ビス、リサイクルにいたるモノづくりのすべてのプロセスで、環境
負荷削減を推進し、CO2排出量を削減します。
パナソニック エコシステムズグループは、2010年までにCO2排
事例
●生産性向上でCO2削減
●省資源、廃棄物への取り組み
1
パナソニック エコシステムズ タイ
モータ改良による VOC 使用量削減
パナソニック エコシステムズ タイのモータ製造工程では、VOC
出量を2006年度比で約3千トン削減することを目指しています。
(揮発性有機化合物)
を含むワニス処理を行っていましたが、イン
具体的な施策として、工場や事務棟の統合、消費電力の「見える
サーター方式から直巻き方式に変更することで、ワニス工程の廃
化」、生産性向上、熱損防止、管理強化の取り組みを行い、全社
員を挙げてあらゆる面から目標達成を目指しています。結果とし
て2007年度は、前年比900トン削減を実現し、目標を達成しました。
また、当社はパナソニックグループのクリーンファクトリー化の
推進も重要な使命ととらえており、パナソニックグループの基幹事
止が可能となり、年間約3.8トン
のVOCの大気排出量を削減しま
した。またワニス工程を廃止す
ることで、年間のCO2排出量を
約40トン削減することができま
した。
直巻き方式の製造ライン
業である半導体工場やプラズマ工場のクリーンファクトリー化にも
取り組んでいます。今後はさらに中国の製造拠点への展開にも着
手し、クリーンファクトリーのグローバル化に努めていきます。
CO2 削減計画と対策
高効率機器への更新
CO2 増加量
321
2年連続で「ダントツCF」に認定されたパナソニック エコシステ
拠点統廃合
生産増による
+67
312
2
パナソニック エコシステムズ広東(有)北京分公司
「ダントツ CF 」認定工場における取り組み
生産性向上による削減
(単位:百トン-CO2)
事例
▲9
管理強化
▲8
損失防止
▲9
その他の施策 制御方法改善
▲14
「見える化」
▲3
廃熱利用 等
▲44
削減目標
▲20百トン-CO2
304
292
ムズ広東
(有)北京分公司では、配電盤の改良や、照明器具をひも
付きスイッチにし、不要な箇所の照明を消すことができるようにす
ることで、省エネルギーを実現
しました。また、梱包材の削減
により廃棄物を減らすことが可
能になり、雨水を植木への散水
に有効利用することで水使用量
の削減ができました。
2006年度実績
2007年度実績
2008年度計画
2009年度計画
北京分公司
「GP3計画」期間
事例
パナソニックグループ
クリーンファクトリー( CF )の考え方
パナソニックグループでは、エネルギー・廃棄物・水・化学物質の
一定基準をクリアした工場を
「クリーンファクトリー
(CF)」として社
内認定しています。 2010年度までに90%以上の工場「CF」化を目
指します。 2007年度、パナソニック エコシステムズグループでは
全工場が「CF」に認定され、パナソニック エコシステムズ広東
(有)
北京分公司は2年連続「ダントツCF 」に認定されています。
※
※ダントツ CF:各国で最高レベルの環境負荷削減取り組みを実施している工場
web クリーンファクトリー認定制度
http://panasonic.co.jp/pes/environment/env08_01.html
09
3
本社・新事務棟
建物環境配慮の取り組み
新しく事務棟を竣工し、建物にさまざまな環境配慮を施しました。
昼光センサー、人感センサーによる照明の制御、窓ガラスへの熱
線反射ガラス採用、機器の制御や電力の計測を行う中央監視シス
テムの導入など、エネルギー低
減のために、さまざまな工夫を
凝らしています。これらの効果
に より、 年 間CO2排 出 量 を 約
335トン削減できる見込みです。
本社・新事務棟
本社工場(春日井)での CO 2 削減に向けた取り組み
照明の適正化を実施
CO2削減の目標を達成するために、各職場、各チームにも
住宅環境工場
部品製造グループ
チームリーダー
それぞれ数値目標が定められており、チームごとにその目標
達成のためにさまざまな努力や工夫を重ねています。
船坂紀之
まずは、どんなところにムダがあるのかを明確にするため、
生産機器の計測を行うなど、データや効果の「見える化」を
「CO2削減は、チームメン
バー全員の心掛けと日頃
の地道な努力が欠かせま
せん。 安全性に配慮し今
後も努力し続けたい。」
2008年2月から始めました。積算電力計を新たに購入し、各
種機器の測定に利用しています。
最初に行ったのが、過剰照明の見直し、適正化です。全工
場において、作業エリアの照度を測定し、過剰照明を改善し
ています。具体的には、局所照明を有効に使いながら天井の
照明を間引いたり、照度をダウン、さらにインバータ照明に
変えたり、通路や廊下には人感センサーを配し、必要な時に
た熱により室内が温ま
のみ照らすように徹底しました。
ることを防止する役割
これらを実践することで、従業員の意識の向上に大きく役
があります。これによ
立ちました。本社工場
(春日井)は24時間稼動しているため、
り、設備当たりおよそ
照明をすべてつけっぱなしにしているのと間引くのでは、使
20%の 省 エ ネ 効 果 が
用電力に大きな違いが生じてきます。
ありました。
成形シリンダー部を断熱材で覆った
ゾーン別温度管理の実施
これらに加え、実装工程では、ビニールシートで区分したゾー
ンごとの空調温度管理を実施しました。当工場では、製品で
天井照明間引きまたは照度ダウンによる照明の適正化
ある換気扇に組み込むプリント基板に部品を実装する工程があ
り、この工程において温度を一定に管理する必要があるため、
射出成形シリンダーの断熱
フロア全体を25℃に保っていました。この工程を行うフロアに
は、他に部品倉庫や、換気扇に電装品を組み付ける工程のゾー
次に行ったのが、樹脂を射出し成形する機器である成形シ
ンなども隣接しています。ところが、点検を行ううち、実装工
リンダーの断熱です。当工場で最も電力を使うのは、塗装工
程以外は25℃という温度管理を徹底する必要がないことがわ
程と射出成形機です。この2点を重点的にエネルギー消費を
かり、実装工程だけを
抑える取り組みを実施しました。
ほかの工程からビニー
まずは、成形シリンダーの保温性を高めるために、トライア
ルで断熱材を取り付けました。当工場には26台の射出成形機
ルシートを使って区分
しました。
がありますが、このシリンダー部に断熱カバーを巻き付けると
この結果、空調に使
いうシンプルな取り組みです。これを実施することで、シリン
う電力の大幅な削減が
ダー内を通る樹脂の熱を逃さないということと、夏季は逃れ
実現できました。
実装工程部をビニールシートで区分
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
10
環 境 経営の実 践
地球を愛する市民活動( LE 活動)
私たちは、 エコ活動を世界中にひろげます
全従業員によるLE活動への取り組み
●地域社会とともにエコを拡大
●国境を越えた取り組みの強化
PESグループ イキイキ運動について
パナソニック エコシステムズグループでは、「企業人であると同
2008年3月、パナソニックグループは創業90周年を迎えました。
時に一人の家庭人、社会人として環境に配慮できる市民であるこ
これを機に、今一度「企業は社会の公器」という原点に立ち戻り、
と」
を目指し、従業員とその家族が家庭や地域社会でも積極的に環
全従業員が心を一つに「PES
(パナソニック エコシステムズ)グ
境活動を行う
「地球を愛する市民活動」
(Love the Earth=LE活動)
ループ イキイキ運動」である環境・地域社会貢献・教育活動をさらに
を推進しています。パナソニックグループの中で環境事業ドメイン
積極的に展開していきます。当社では、これまでに工場周辺美化
を担う当社にとって、LE活動においてもトップランナーを目指し、
活動、環境絵画コンクール、交通街頭監視活動、年末助け合いカ
積極的に活動に取り組んでいます。
ンパ活動など多くの活動に取り組んできましたが、今後はこれまで
の地道な活動を基本に骨太の活動を、全従業員挙げて行います。
事例
ノーマイカー通勤の取り組みにつ いて
自動車通勤している従業員対象に毎月1回以上の「ノーマイカー
環境展示会「エコアイディア ワールド」開催
通勤」推進活動を実施しています。 2008年度は、環境月間である
パナソニックグループは「3つのエコアイディア」を中心に、多く
6月の1 ヵ月間に366人が参加し、それにより4,768kgのCO2削減
の方々に環境への取り組みを広くお伝えし、ご理解いただくことを
を実現しました。本社工場が愛知県春日井市にあり、交通事情や
目的とした環境展示会「エコアイディア ワールド」を2008年4月よ
立地条件等により、本社勤務の大部分の従業員が自動車通勤であ
ることから、当社にとってノーマイカー通勤は重要なCO2削減の啓
発につながります。
り全国7拠点で開催しました。その一つである名古屋会場では、当
社が中心となり、環境活動への取り組みについてのパネル展示や、
子どもたちに環境の大切さを考えてもらうための環境絵画コン
クールの作品展示を行いました。
環境絵画コンクールを継続開催
当社は、社会貢献活動の一環として、子どもの頃から環境を意識
した行動ができるよう、2006年から全国の小学生を対象として
「環
境絵画コンクール」
を開催しています。2007年の第2回は、「ぼく・わ
たしができるエコ活動」
をテーマに、全国から155点の応募がありま
した。これらの作品とメッセージを、パナソニックセンターなどで展
示するほか、当社ウェブサイトにも掲載し、多くの人へお届けします。
これからの時代を担う子どもたちに美しい地球環境を残していけるよ
う、今後もこのコンクールを続けていくことが使命と考えています。
「エコアイディア ワールド」
のジオラマ
第2回環境絵画コンクール最優秀作品
「みんなでエコ活動」小学5年 旭健児さん
11
LE達人に認定
2006年度から、家庭・会社・社会でエコライフを積極的・継続
的に実践し、周囲にそれを普及させることのできる従業員を
パナソニックグループ内で認定する「LE達人認定制度」が始ま
お客様支援グループ
マネージャー
りました。 2007年度、多数の応募者の中から、科学館などで
白石秀樹
環境問題、自然エネルギー関連の説明を行っている白石秀樹
が当社初のLE達人として認定されました。
「自宅に小規模な自作の太
陽光発電装置を備え、実
験的に運用を行っていま
す。 どうしたら一 般 の 家
庭で有効に活用できるか、
常に考えています。」
白石マネージャーはもともと科学技術に興味があり、科学
館でのボランティア説明員を継続して行っています。子どもた
ちの理科離れを食い止め、科学は
おもしろいと気付いてもらえるよ
う、学者・教育者とはひと味違う企
業人ならではの経験から、やさし
杉の間伐材を使った
LE達人認定のトロフィー
い言葉で、納得してもらえるよう
いて、勉強しています。LE活動を続けるコツは、難しく考えず、
説明することを心がけていると言
まずは自分の興味の持てるところから取り組むこと、さらに仲
います。一方で、愛知県の開催す
間がいればいっそう、楽しく続けられるということです。
る「環境教育学習」では、地元環境
の保全や他企業の環境活動につ
今後も、当社の従業員がLE達人に選ばれるよう啓発に努
めていきます。
エコアイディアで、くらし、社会、世界に笑顔を。
パナソニックグループは、すべての活動において、
一歩先のエコをめざします
私たちは、
私たちは、
私たちは、
省エネ商品をおとどけします
CO2の排出量を減らします
エコ活動を世界中にひろげます
● 省エネ商品の徹底追求
● 生産性向上でCO2削減
● 地域社会とともにエコを拡大
● 材料、リサイクルへの取り組み
● 省資源、廃棄物への取り組み
● 国境を越えた取り組みの強化
オアシス21のミスト冷房
局所空調
(バリアゾーン空調方式)
によるCO 2 削減
北京分公司での植樹活動
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
12
環 境 経営の実 践
■ 2007 年度の目標と実績
自己評価区分 ○:目標達成 △:目標の 80% 以上 ×:目標の 80% 未満
項目
2007 年度目標
2007年度実績
●グリーンプロダクツ開発率92%達成
○
・ダントツGP4機種開発(パイプファン、除湿機、
○
グリーンプロダクツの
・製品開発
●グリーンプロダクツ開発製品88%以上
新たな挑戦
地球温暖化防止
・温暖化防止指標※1 1.58以上(00年度比)
化学物質
・資源利用指標※2 1.58以上(00年度比)
3R 設計
・ダントツGP3機種開発
自己評価
天井埋込型換気扇、冷却ユニット)
●製品有害物質不使用の取り組み
●グローバルで展開
○
●塩ビ樹脂の使用量削減9.1t
●塩ビ樹脂使用量削減6.0t
△
クリーンファクトリーの ・地球温暖化防止
●CO2 排出量32%削減(90年度比)
(国内)
●CO2 排出量35.8%削減(90年度比)
(国内)
○
新たな挑戦
●発生量省エネルギー削減率3.5%(06年度比)
●発生量省エネルギー削減率15.2%削減
○
(国内7.6%削減 中国21.2%削減 タイ3.5%削減)
・化学物質
●重点削減物質の排出移動量4%削減(05年度比)
●重点削減物質排出移動量31.9%削減(05年度比)
○
(国内14.8%削減 海外39.1%削減)
・廃棄物と
●廃棄物発生量2%削減(06年度比)
有価発生物
・水
●廃棄物発生量5.35%(06年度比)
○
(国内9.7%削減 海外1.7%削減)
●リサイクル率99%以上(国内)
●リサイクル率99.5%(国内)
○
●水使用量 削減率2.5%(06年度比)
●水使用量7.7%削減(06年度比)
○
(国内4.6%削減 海外10.4%削減)
製品リサイクルの強化
●欧州リサイクル指令対応に向けた施策の方向付け ●WEEEに対応
○
環境・エネルギー事業の取り組み
●事業活動への支援
○
●パナソニックグループを中心に省エネ提案推進
●新工場のVZ、換気システムなどを紹介
販売・物流のグリーン化 ・省資源化
●低公害車の導入率 70%
●環境配慮型車両の導入率※3 78%(25台)
○
・地球温暖化防止
環境コミュニケーション ・情報発信
●環境経営報告書の継続発行と進化
●環境経営報告書の継続発行
○
・地域貢献
●工場敷地の緑化推進
●各サイトで実施
○
・企業市民活動
●LE(地球を愛する市民)活動の展開
●全従業員の87%(1,287人)がLE登録
△
LEファミリーの拡大:全従業員世帯数の100%登録 (マイバッグ、
ノーマイカーデーなど6テーマで取り組み)
環境経営と人づくり
※1 エネルギー利用指標 = ・組織体制
●グローバル全社の環境推進体制の強化
●環境パフォーマンスシステムの構築
○
・人材の育成
●全従業員への環境教育の実施
●全従業員がeラーニング受講
○
・経営評価制度
●環境負荷削減結果の業務評価への反映
●環境業績評価100点
○
●環境会計の推進
●投資293百万円 効果230百万円※4
○
製品寿命×製品性能
ライフサイクルでの CO2 排出量
温暖化防止効率を示します。 ※ 2 資源利用指標 =
製品寿命×製品機能
ライフサイクルでの循環しない資源量
資源効率を示します。
※3 環境配慮型車両はパナソニック エコシステムズ(株)
、ナベック(株)
、ベンテック(株)の集計 ※4 パナソニック エコシステムズ(株)のみ
■グリーンプラン2010(2001年10月に策定、2000年度を基準とするグローバル目標[2005年度に中間見直しを実施])
<基本目標>
項目
2008 年度目標
2010 年度目標
グリーンプロダクツ(GP)
ダントツGP機種率 15%以上※1
同25%以上
クリーンファクトリー(CF)
クリーンファクトリー認定率 74%以上※2
同90%以上
<グリーンプロダクツ(GP)開発率とクリーンファクトリー(CF)認定率の定義と基準>
指標
2008 年度認定基準
2010 年度認定基準
GP開発率
温暖化防止ファクター※3 1.72以上(00年度比)
同2.0 または 業界トップ
資源ファクター※4 1.62以上(00年度比)
同1.7 または 業界トップ
CF認定率
「重点削減対象物質」の排出移動量 6%削減(05年度比)
「重点削減対象物質」の排出移動量 10%削減(05年度比)
※1 当年度開発した全機種数に占めるダントツGP機種数 ※2 全工場に占めるCF認定工場の比率
※3 温暖化防止ファクター=温暖化防止効率(=製品価値÷環境負荷)の向上倍率 ※4 資源ファクター=資源効率(=製品価値÷循環しない資源量)の向上倍率
13
環 境 報 告 サ マリー
グリーンプロダクツ(GP)
■ ダントツ GP 認定商品
クリーンファクトリー(CF)
■ CO2 排出量
ダントツGP商品検討の様子
■ 廃棄物・有価物発生量削減率
国内 2007年度 14.0千トン-CO2
グローバル 2007年度 11,989トン
2006年度比 0.9千トン-CO2削減
2006年度比 目標2%削減→実績5.35%削減
1990年度比 目標32%削減→
実績35.8%削減
2006年度比 1.7%削減(2006年度 6,879トン)
海外 2007年度 6,761トン
(1990 年度
CO2 排出量 2010 年度に 32% 削減
2007 年度のグリーンプロダクツ(GP)開発
比)
を目標に、2007 年度も燃料変換、高効率機器
率は 92% となり、目標を達成することができ
の導入、熱損失の防止、省エネ啓蒙活動等の取り
ました。また、各ビジネスユニットとパナソニッ
組みを行い、目標を達成することができました。
ク エコシステムズ広東(有)
においてそれぞれ
1機種、合計 4 機種がダントツ GP に認定され
国内CO2 排出量
グリーンプロダクツ開発率
実績
100(%)
87
71
58
40
56
■ 水使用量削減率
(千トン-CO2)
20
60
77
70
グローバル 2007年度 385千m3
21.8
15.6
16.3
15.1
04
05
06
14.0
2006年度比 目標2.5%削減→実績7.7%削減
10
92
90
88
0
90
07(年度)
※国内サイトは、電機事業連合会「電気事業における環境行動計画」
に記載される年度ごとの「使用端CO2排出源単位」を使用。ただし
07年度数値は未発表のため06年度の0.410kgCO2/kWhを使用。
目標
20
05
06
07
10 (年度)
(目標)
■ 製品の化学物質削減活動
2007 年度の水使用量は、385 千m 3、2006
年度比で 7.7% 削減
(グローバル)
となり、目標
の 2.5% 削減を達成しました。これは、中水
の利用や水道設備等の点検による漏水対策を
■ 省エネルギー削減率※
0
04
※リサイクル率
(再資源化量÷
(再資源化量+最終処分量)
)
が99%以上。
30
ました。
80
国内 2007年度 5,228トン
2006年度比 9.7%削減(2006年度 5,787トン)
廃棄物ゼロエミッション※を国内で7年連続達成
施し、水使用の効率化を徹底したことによる
ものです。
グローバル 2006年度比 15.2%削減
目標3.5%
■ 石綿対策
欧州連合
(EU)
では、電気・電子機器に含ま
重油や灯油から LPG、LNG への燃料の転
当社では、パナソニックグループの方針に
れる特定の化学物質
(鉛、水銀、カドミウム、六
換、製造のセルライン化、実験施設の拠点集
基づき、2005 年 9 月に全社石綿対策委員会
価クロム、特定臭素系難燃剤 2 種)
を含む製品
約による効率的なエネルギー使用などの取り
を設置し、多面的なリスク対応を進めていま
について 2006 年 7 月から EU 域内で販売を禁
組みを行っています。
す。春日井工場・小矢部工場では、建屋の一
止する RoHS 指令が発効され、当社でも製品約
※当年度の対策によるエネルギー削減率(CO2換算)
÷前
年度のエネルギー消費量(CO2換算)。パナソニックグ
ループ独自の指標
部に吹き付け石綿が使用されていました。す
4,500 機種で代替化を完了しました。2007 年度
は製造拠点監査や分析装置の追加導入などを実
施し、さらなる管理体制の強化を行いました。
■ 2006 年 4 月から生産する GP 製品を
中心に塩ビ樹脂使用を制限
パナソニックグループでは、塩化ビニール樹
脂については、特定の添加物
(フタル酸エステ
ル)
を含有、または廃棄物の回収システムがな
でに封じ込め処置はされていましたが、使用
中の一部を除き、2006 年度までに撤去工事
■ 重点削減対象物質の排出・移動量
を完了しました。 残りの箇所は、2008 年度
の解体工事と同時に撤去する予定です。併せ
国内 2007年度 4.84トン
2005年度比 目標4%削減→実績14.8%削減
(2005年度 5.68トン)
て、定期健康診断において全員の胸部 X 線の
直接撮影を行い、健康障害のないことを確認
海外 2007年度 22.21トン
2005年度比 目標4%削減→実績39.1%削減
(2005年度 36.44トン)
しました。
製造工程で使用する化学物質の中で、VOC
り込んだパッキンなどが使用されているケー
生産設備・実験装置では、石綿を樹脂に練
い製品のいずれかに該当する場合は使用を制
のような環境負荷の大きいものを重点削減物質
スがあります。このようなケースについては
限しています。パナソニック エコシステムズグ
に定め、削減活動を推進しています。ワニス工
リストを作成し、定期点検に合わせて交換を
ループにおいても、GP製品である国内新製品
程や塗装工程を中心に改善を加え、グローバル
進めており、2008 年度中の交換完了を目指
を中心に塩ビ樹脂使用の制限を開始しました。
で2005年度
(基準年度)
比31.9%削減しました。
しています。
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
14
環 境 報 告 サ マリー
環境・エネルギー事業
販売・物流のグリーン化
「水・空気・土」の浄化技術を核とした、地球環境の保全という事業活動を通じて、地球環境に
■ 販売・物流時の CO2 排出量
貢献しています。浄化事業を中心に、
エネルギー創出事業や、
リサイクル事業などの省エネルギー・
省資源に貢献する事業に取り組み、環境負荷低減を推進しています。
■ 水・空気・土の浄化事業
4,781トン-CO2
2006年度比 432トン-CO2排出削減
ステム、風力発電システムを納入しています。
2007 年度の物流における CO2 排出量は、
2007 年度納入実績は CO2 排出量換算で推定
4,781トンとなり、昨年度に比べ 432トンの
770トンの削減となります。また、空調、動力、
排出量削減です。拠点統合の効果が出たもの
ム」は、半導体や液晶など電子部品の製造過
照明といった各種設備に最適な省エネルギー
と考えます。今後も委託先であるパナソニッ
程で発生する廃液や排水を浄化しています。
調査・診断を行っています。
ク ロジスティクス
(株)と連携を取りながら、
水浄化分野における「排水廃液処理システ
空気浄化分野では、有害ガスや VOC
(揮発
2007 年 12 月より中国の 2 拠点で現地調査を
物流時の CO2 排出量削減に努めていきます。
性有機化合物)
を浄化する排ガス処理設備や、
開始、2 拠点合わせて 2009 年度までの CO2 排
堆肥化施設などの悪臭の脱臭設備を建設し、
出量削減目標 3,700トンは、対策をしない場合に
大気汚染防止に貢献しています。道路換気事
見込まれる排出総量の約 23% に当たります。こ
当社では 2002 年度から自社車両をエコカー
業では、換気設備とともに、浮遊粒子状物質
の目標は、省エネ意識改革だけでは難しく、厳正
に切り替える取り組みをしてきましたが、2005
等を除去する電気集塵機や低濃度脱硝設備
な現地調査を踏まえた省エネ対策、生産設備の
年 1 月に
「パナソニック躍進エコカー計画」
を策
で、トンネル内の快適な環境を維持し周辺環
抜本的な改革が必要となるため、当社のエネル
定、エコカーの基準を政府公用車と同等以上に
■ 環境配慮型車両の導入
ギー調査・診断技術
レベルアップしています。本年度環境配慮型車
工場における水浄化・空調・排ガス浄化な
を活用し、事業計画
両の導入台数は 25 台で全体の 78%となります。
どを通じて省エネルギーに取り組み、CO2 排
を策定、2008 年度
境の改善に寄与しています。
出量削減を実現しています。
土壌浄化分野においては、地質、水質、利
から本格的に改革
に取り組みます。
省エネルギー調査
用状況に合わせた工法で、VOC、重金属、油
などの浄化事業を行っています。近年では微
生物を活用したバイオレメディエーション法※
で、土壌を入れ替えることなく、建物が建っ
環境経営と人づくり
■ その他の事業
デザイン性と機能性を持たせ、景観性の向上
■ グローバル環境推進体制を強化
た状態での浄化が可能となりました。
を図るとともに、環境負荷の低減、日射制御など
※汚染土壌・地下水に自生している分解菌に必要な栄養
物質を与え、活性化させることにより、汚染物質を分
解する方法
の室内外環境改善を目指した壁面緑化システム
は、国内外の製造拠点それぞれの役割を明確に
を供給しています。
したグローバル協業体制の確立が重要です。そ
公共施設、商業ビ
のため、
当社では 2006 年度、
製造拠点を再編し、
ルなどで幅広く採
経営リソースを春日井工場に集約しました。
■ エネルギー事業
エネルギー分野においては、太陽光発電シ
用されています。
都内病院の壁面緑化システム
グローバルで環境活動を推進していくために
■ 環境業績評価
業績評価の環境業績評価点(パナソニック
グループ独自の指標)は連続 100 点でした。
この評価点は環境パフォーマンスの結果から
環境コミュニケーション
環境負荷の削減率を割り出し、算出されます。
■ 環境会計
■ 環境の取り組みについて情報発信
当社グループの環境に対する取り組みや環境
また、当社グループのウェブサイトにおいても
経営についてわかりやすく説明するツールとし
詳細なパフォーマンスデータをはじめ、環境へ
て、「環境・社会報告書」
を継続発行しています。
15
の基本姿勢など環境情報を提供しています。
環境保全コスト
企業内経済効果
投資額:293百万円(205百万円)
費用額:846百万円(1,068百万円)
230百万円(467百万円)
( )
内は2006年度実績
社 会 性 報 告 サ マリー
従業員とのかかわり
お客様とのかかわり
■ 製品安全への取り組み
■ 仕事と家庭の両立支援
■ お客様情報の共有
品質を常に第一に考え、お客様にご満足い
パナソニックグループで取り組んでいる「早
仕事と子育ての両立支援やライフステージ
ただける製品・サービスの提供に努めていま
期品質監視システム
(グローバルイエローカー
に合わせた働き方が可能な社会の実現に向
す。そのために 2006 年度からは、社長主催
ドシステム)
」を、当社においても活用してい
け、当社ではいち早く
「ワーク・ライフ・バラ
の「チアーズミーティング」をスタートしまし
ます。これは、お客様から寄せられる相談情
ンス」活動の取り組みを開始しました。具体的
た。これは、各ビジネスユニットが失敗した
報やサービス会社からの修理情報などをデー
には、子どもの看護休暇、短時間勤務制度の
事例を本音で話し合うことで、同じ失敗を繰
タベースに蓄積し、監視・分析しリスク対策を
導入などの充実した育児支援勤務制度、介護
り返さないようにするための失敗事例研究会
図る仕組みです。データは 1 週間ごとにまと
のための休業制度・短時間勤務制度、全従業
で、3 ヵ月ごとに開催しています。また、新
めて役員および責任者に発信し、情報共有を
員を対象としたフレックス勤務制度、チャイル
技術管理棟内に製品安全のための部屋を設
図っています。このシステムは 2006 年 10 月
ドプラン制度(不妊治療のための休業制度)な
け、過去の失敗事例について技術者を中心に
から運用しており、対応スピードは確実に上
どを設けています。また、情報・通信技術を
学べるようにしています。
がっています。今後は中国をはじめ海外工場
活用した「e-Work」を導入するなど、従業員
へも展開していく予定です。
が時間や場所にかかわらず働ける職場環境の
整備にも積極的に取り組んでいます。
■ お客様からのご相談
当社の活動は各方面から高く評価されてお
製品に関するあらゆるお問い合わせやご相
り、2006 年には愛知県産業労働部から、男女
談にお応えできるように、365 日体制で「お
ともに仕事と家庭の両立を支援するさまざまな
客様ご相談センター」
を開設しています。また、
制度を整え、柔軟な働き方を選択できる企業に
換気扇に関するお問い合わせやお困りの時に
与えられる
「愛知県ファミリー・フレンドリ−企
ご相談いただく窓口として、代理店・工事店
業」に認定されました。また、2007 年には愛
様などを対象としたフリーダイヤル「換気扇
知労働局より、次世代を担う子どもが健やかに
年間約 7,200 棟を建てられる旭化成ホーム
110 番」も設置しています。 2007 年度は、合
成長できる環境整備のために制定された
「次世
ズ様にとって、現場で発生する膨大な量の段
計 193,640 件のお問い合わせをいただきまし
代育成支援対策推進法」に基づき、仕事と子育
ボール、梱包材を処理することは、費用面、
た。 相談内容の内訳は、買い物相談 42%、
ての両立支援の推進が認められた企業などが
労力面だけでなく地球環境にとっても大きな
使用相談 34%、修理相談 14%、お客様から
認定される
「次世代認定マーク」
を受けました。
問題でした。これを解決するため、当社は旭
のご不満の問い合わせ 1%、その他 9% でし
当社は今後も、未来社会の主役となる子ど
化成ホームズ様と共同でシステムを開発、構
た。お客様からいただいた声を、製品づくり
もの健やかな育成のため、仕事と家庭の両立
築しました。それはリターナブル梱包(通い箱)
や今後の経営に生かしていきます。
支援に対する取り組みを推進していきます。
チアーズミーティング
■ お客様のニーズに対応
により、全国のお客様から邸別の換気プラン
に合わせてコンピュータシステムで受発注さ
れた商品を、段ボールを使わず何度も使用で
きる通い箱に梱包し、当社独自の流通に乗せ
て全国の現場にスピーディにお届けするシス
テムです。これにより、年間 105トンの段ボー
ルおよび梱包材を削減できました。
介護休職・育児休職等利用件数
相談内容の内訳
10
10(人)
8
お客様からの
ご不満の問い合わせ
1%
6
その他
4
9%
育児休職等
8
2
修理相談
14%
8
買い物相談
0
0
0
0
05
06
07 (年度)
介護休職
42%
使用相談
34%
次世代認定マーク
通い箱
「ファミリー・フレンドリ−企業」
認定証
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
16
社 会 性 報 告 サ マリー
従業員とのかかわり
■ 人材開発
自らのキャリアプランを自ら築いていく
「出
地域社会とのかかわり
従業員の安全と健康を守ることは、企業の
2008 年、パナソニックグループは創業 90
る杭を育てる」人事制度を目指しています。
もっとも重要な責務です。 当社では「安全は
周年を迎えました。これを機に、いま一度「企
キャリア形成においては、「チャレンジシート」
すべてに優先する」とし、安全で働きやすい
業は社会の公器」という原点の経営理念に立
制度の導入、仕事の自己評価・能力分析、今
職場を目指しています。 2007 年度の休業災
ち戻り、全従業員が心を一つにし、社会に対
後の配置希望などを記載したチャレンジシート
害数は 1 件、不休業災害数は 11 件で、災害
してより積極的に環境活動・地域社会貢献活
をもとに上司と面談しキャリア構築に生かすと
発生頻度は 3.69 でした。この数値を真摯に
動・教育活動に取り組んでいます。当社では、
ともに、コミュニケーションの充実を図ってい
受け止め、今後改善に向け努力します。また、
これまでに工場周辺美化活動、夏の納涼大会、
ます。また、各人のスキルを客観的に測る「ス
全従業員を対象とした定期健康診断の実施に
環境絵画コンクール、交通街頭監視活動、年
キル評価制度」を導入し、明確な目標を持ち
加え、共済基金による人間ドッグ補助金制度や
末助け合いカンパ活動など数多くの社会貢献
スキル向上へ取り組む仕組みづくりを進めて
「禁煙ラリー」など、従業員の健康管理への取
活動に取り組んできました。今後は、全社を
います。
■ 人材育成
「モノをつくる前に、人をつくる」という企
業理念の下、人材育成を図っています。 700
以上にわたるパナソニックグループの研修プ
ログラム、さらに当社独自のキャリアプログ
年度は従業員 249 名が延べ 92 件の研修を受
講しました。 社 内 で の 英 会 話 教 室 開 催 や
TOEIC 試験の実施など、語学力強化に力を入
れるほか、通信教育や e ラーニング、国家技
能検定やパナソニック技能検定への挑戦を推
挙げてこのような地道な活動を継続するとと
り組みも進めています。
もに、CO2 削減に重点を置いたノーマイカー
災害発生頻度
デー推進や環境家計簿の実施、工場内緑化活
動などにも取り組んでいきます。
(件/100万時間)
4.0
3.69
パナソニック エコシステムズ
3.0
全産業
2.0
ラム研修を積極的に活用しています。 2007
1.0
0
1.78
1.85
1.95
電気機械製造業
0.35
0
0.39
0
03
04
0.43
1.90
0.60
0.39
0.40
05
06
07 (年度)
■ 障がい者雇用
ウォーク&クリーンフェスタ
(2008年5月31日)
■ LE 活動
進しています。また、「中高年リフレッシュ研
身体の障がいの有無にかかわらず、能力と
パナソニックグループでは、家庭や地域社
修補助金」の設置や「ハッピーリタイアメントセ
適性を生かし専門性を発揮できる職場を目指
会でも積極的に環境活動を行う
「地球を愛する
ミナー」など、長期にわたり勤務した人材の育
しています。 2007 年度の障がいのある従業
市民活動
(LE 活動 =Love the Earth)
を推進し
成支援を進めています。
員の在籍人数は、重度障がい者が 22 名、軽
ています。2007 年、LE 活動 10 周年記念イベン
度障がい者が 11 名で、雇用率は 3.02% とな
ト
「CO2 削減 10 万人エコチャレンジ!」の実施
り、法定雇用率である 1.8% を大きく上回っ
により、パナソニック エコシステムズグループ
ています。
でも、従業員の LE ファミリー登録数が飛躍的
■ 多様性の推進
当社では、「性別や国籍・年齢にかかわらず、
17
■ 社会貢献活動
■ 労働安全衛生
多様な人材が入り交じり、活躍できる組織風土
働く意欲と能力があるにもかかわらず適職
を構築する」ことを目指しています。女性や外
に従事することの難しい障がいを持つ人々
国人を積極的に登用し、また、情報・通信技術
が、職場を確保し安定した生活が営めるよう
を活用した「e-Work」を導入することで、多様
に、1980 年 3 月、当社 100% 出資による日
な働き方を可能にする取り組みを進めていま
本で 5 番目の特例子会社の事業所として松下
す。日本と海外のグループ会社間でのグロー
エコシステムズ共栄
(現・パナソニック エコシ
バル研修や、他事業所
(他部門)への出向と研
ステムズ共栄(株))
を設立しました。職場はと
修を行うほか、中国研修生と日本の若手社員
ても明るく、働く人が安全、衛生、健康、清
との意見交流会を開催するなど、多様性を推
潔な環境で快適に働けるように十分な配慮を
進する取り組みを積極的に展開しています。
しています。
に増加し、環境活動の躍進につながりました。
LEファミリー登録数
1200
(登録数)
1,287
(登録率87%)
1000
800
655
600
400
200
156
162
205
03
04
05
0
06
07(年度)
C SR マネジメント体 制
■ コーポレート・ガバナンスと内部統制
コーポレート・ガバナンス体制図
株 主 総 会
取締役会はパナソニック エコシステムズグ
ループ全体にかかわる重要な業務執行の意思
選任
決定と取締役の職務の遂行を監督し、この決
選任
監査
定に基づき、権限委譲された各業務執行機関・
会計監査人
取締役会
部門が事業活動を行います。また、監査役は
業務執行の意思決定機能
独立した立場で適法性の観点から意思決定や
監督機能
業務執行を監査しています。
指揮命令
2006 年 5 月の会社法施行に伴い、「内部統制
監査
権 限 委 譲・監 督
システムの整備に関する基本方針」
を定めまし
選任
監査役会
監査機能
監査
監査
業務執行機関・部門
た。これを指針として、会社経営の透明性・健
事業部門・研究部門・製造部門・営業部門・職能など
全性を確保しつつ、継続的に企業価値の向上を図
グル ー プ 関 係 会 社
るための仕組みの整備・確立に取り組んでいます。
2007 年度は、組織責任者を対象としたコン
63 項目のリスクを想定し、そのうち 7 項目を
プライアンス研修、「コンプライアンス強化月
全社重要リスクとして認定、定期的なモニタ
「企業は社会の公器であり、事業を通じて
間
(10 月)
」に合わせたコンプライアンス理解
リングを行いながら取り組んでいきます。
社会に貢献する」
というパナソニックグループ
度テスト、下請法・独禁法などの順守状況の
■ 安心・安全な経営環境構築のために
また、2007 年度は大規模災害発生時の事業
の経営理念の下、法令順守はもとより高い倫
自己点検などを実施し、役員ならびに社員一
継続計画の策定に取り組みました。 2008 年度
理観を持って社会からの期待・要請に適切に
人ひとりのコンプライアンス意識と知識の向
は、被害を最小化するための事前対策を実施
応え、安心・安全な経営環境の構築を図って
上を図る取り組みを行いました。また、風通
し、災害時の早期事業復旧を図っていきます。
いくために、パナソニック エコシステムズグ
し良く公正で明るい職場をつくるため、「パナ
ループの全役員・従業員が、1. 法令・企業倫
ソニック エコシステムズグループ 企業倫理・
理を順守する「コンプライアンス」の徹底、
2.事
公正取引ホットライン」
「イコールパートナー
情報セキュリティを確立することによりお客
業経営と一体となった「リスクマネジメント」の
シップ相談」を設け、広く従業員の率直な意
様から安心してお付き合いいただける会社を目
実践、3. 情報を適切に管理・保護する「情報
見や情報を収集しています。
指し、パナソニックグループ統一の情報セキュ
セキュリティ」の深耕に取り組んでいます。
安心・安全の経営環境づくり
コンプライアンス
の徹底
リスクマネジメント
の実践
リティルールに従った日常管理の実践、内部監
法とルールを守る
査による評価と改善などを通じ、情報セキュリ
一人ひとりが関連する「法令」と「社内ルール」を
理解し「スーパー正直」に仕事をしよう
・行動基準の実践
企業倫理5つの視点
・法令の順守
独禁法・下請法・
景表法・外為法
情報セキュリティ
のさらなる深耕
■ コンプライアンスの徹底
正々堂々
自分に恥じない
後悔しない行動
要らない
ルール・法令に反する
販売・利益は不要
■ 情報セキュリティの取り組み
直ぐに相談
「おかしい」と思ったとき
は上司・関係者に相談
■ リスクマネジメントの実践
ティマネジメントシステムの構築を図っていま
す。また、役員・従業員へのルールの定着、意
識付けを図るため、パナソニック エコシステム
ズグループの全役員・従業員を対象にした e テ
ストの実施や、職場研修などを行っています。
特に、お客様情報や社員情報などの個人情
報は、最も大切に扱うべき機密情報と位置付
け、プライバシーマークの取得
(2008 年 7 月
役員・経営責任者からなるリスクマネジメン
更新)
を通じてより適切な管理に努めるととも
経営理念実践の指針としての「パナソニックグ
ト委員会を設置し、全社一元的・網羅的なリス
に、万一、個人情報関連事故が発生した場合
ループ行動基準」にのっとり
「コンプライアン
クの収集・評価を行っています。具体的には、
は、お客様などの安全を最優先に考え、迅速
ス違反を絶対に起こさない」という強い意思
事業部門と本部職能部門が定期的にリスクア
に報告するとともに、併
の下、社長はじめ経営責任者からの定期的な
セスメントを実施し、事業活動を阻害するリス
せて事故情報の公開と指
情報発信、各種コンプライアンス研修の実施
クの発見、影響度合いの評価を行い、事前対
導官公庁への報告を速や
や委員会活動を通じて、事業現場への法令順
策の検討・実施によりリスクの回避、または
かに行い、被害の極小化
守の徹底と企業倫理の実践を図っています。
損害の最小化を図っています。 2008 年度は
に努めていきます。
パナソニック エコシステムズグループは、
プライバシーマーク
パナソニック エコシステムズグループ 環境・社会報告書2008
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「G&ET(Global & Environmental Technology)」は、パナソニック エコシステムズグル
ープが環境技術でグローバルに貢献することを表現したスローガンです。地球上で起きて
いる環境の変化は想像以上に深刻です。私たちが得意とする空気・水・土の浄化技術と経験
は、
これらの問題解決に大きな可能性を持っていると考えています。また、海外の深刻な環
境問題にも当社グループの技術と経験を活かした製品・システムで貢献していきます。
本報告書は、再生紙を使用しています。石油資源保護とVOC(揮発性有機化合物)の発生を減らすために、植物性の大豆インキ
を使っています。また、印刷はISO14001認証取得工場で行っています。
2008年10月発行