みんなはゆったり便座に腰を下ろし、うんちの姿を見ることもなく毎日を送っているだろう。便座を暖めたり、ちょうどよい温度のお湯でお尻を洗ってもらったりしている人もいるかもしれない。でも地球全体を見渡せば、トイレのおかげで衛生的かつ快適な生活が送れる人はごくわずか。トイレを世界に普及させるにはまだまだイノベーションが必要なんだ。を飲料水おしっこにトイレ革命はもう宇宙で始まっている！？ひとせいかつしょ文／橋本淳司　協力／日本水フォーラムイラスト／すぎうらあきら ISS のトイレ事情り人が生活するところには、おしっこやうんちを処理するひつようたとこくさいうちゅうしくみが必要だ。例えば国際宇宙ステーション（ISS）にも、はたらひといじょうみめ ISS のトイレのしくみについて解説する古川宇宙飛行士。手に持っているのがおしっこ用のホース。（JAXA/NASA）ようしきそこで働く人がいる以上トイレがある。見た目は洋式トイにおおちがてんレに似ているけれど、大きく違っている点が２つある。１みずつかげすいどうつは水を使っていないこと。もう１つは下水道につながっとていないことだ。ISS のトイレは、おしっこやうんちが飛ちそうじきくうきちからすこび散ったりしないよう、掃除機のように空気の力で吸い込しんくうかんそうみ、そのあと真空にして乾燥させる。おしっことうんちですこちがべんきぜんぽうそうは少ししくみが違っていて、おしっこは便器前方にある掃じきくだきゅういんいっぽう除機のホースのような管から吸引される。一方、うんちをちじょうおなべんざすわそうさするときは、地上と同じように便座に座り、レバーを操作ちゅうおうちいすこぐちきゅういんして、中央の小さな吸い込み口から吸引させるんだ。さらすさいしょりのみずじっけんようみずに、吸いとったおしっこは再処理して飲み水や実験用の水つかとして使うことができる。かくめいひつようようそ ISS のトイレは、トイレ革命に必要ないくつかの要素をしめみずつか示してくれている。１つは水を使わないしくみであること、げすいどうつかどくりつ２つは下水道を使わない独立したしくみであること、３つ尿から再生装置を通してつくった飲料水で乾杯する宇宙飛行士達。若田飛行士によると「これまで宇宙で飲んでいた水と変わらない味がします」。（NASA 提供）はうんちやおしっこをリサイクルするということだ。 28 2014.4 尿処理装置を説明中の野口宇宙飛行士。（JAXA/NASA）