平成 27 年度の建設工事及び建設業関連業務委託の 入札及び

平成 27 年度の建設工事及び建設業関連業務委託の
入札及び契約方針について
1
方
針
磐田市では、公正な入札の推進、公平な入札参加機会の確保及び入札執行の
透明性の確保をすることを目標に入札及び契約を執り行うものとする。ただし、
現在の経済情勢を鑑み、緊急経済対策に係る地元優先措置として市内業者を最
優先する発注に取り組むものとする。
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◇目標達成の為の各施策◇
① 低入札価格調査制度・最低制限価格制度の対象について
低入札によるダンピング受注は、工事の手抜き・下請けへのしわ寄せ・労働条件の悪化・
安全対策の不徹底等の可能性が高まる為、ダンピング対策のひとつとして、平成 26 年度と
同様に、低入札価格調査制度及び最低制限価格制度を継続する。
【低入札価格調査制度】
○予定価格 5,000 万円以上の工事
○総合評価落札方式の適用を受ける工事
※以下の案件は対象外とする。
・特命随意契約
・築造を伴わない工事(解体工事等)
【最低制限価格制度】
○予定価格 5,000 万円未満の工事
※以下の案件は対象外とする。
・特命随意契約
・築造を伴わない工事(解体工事等)
・総合評価落札方式の適用を受ける工事
② 調査基準価格・失格基準価格・最低制限価格の算定方法
平成 27 年度において、調査基準価格及び最低制限価格の算定方法は、中央公共工事契約
制度運用連絡協議会モデルを採用する。また、一部の工事での落札率の著しい低下や今後
の落札率の著しい低下を抑止する為、失格基準価格を次のとおり設定する。
【調査基準価格】【最低制限価格】
①予定価格の 70%から 90%までの範囲内
②直接工事費×95%+共通仮設費×90%
+現場管理費×80%+一般管理費×55%
【失格基準価格】
○調査基準価格×80%
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③予定価格・調査基準価格等の公表について
調査基準価格適用案件は、過去に調査基準価格を事前公表することにより、調査基準価
格を目安にしたと考えられる入札が大幅に増加した。適正な施工をする上で十分な積算に
よる入札が『公正な競争である』と言えるが、上記の状態は、公正な競争であるとは言い
難い。また、予定価格についても、近傍価格への誘導や競争を損ねる弊害を防止する必要
がある。
その為、公正な競争を促進する上で、平成 27 年度については、調査基準価格・失格基準
価格は『事後公表』とし、予定価格についても『事後公表』とする。
最低制限価格適用案件についても、最低制限価格付近に入札金額が集中することで公正
な入札が確保できないことが懸念される為、予定価格・最低制限価格共に『事後公表』と
する。
○工事
・予定価格(ただし、築造を伴わない工事を除く)
・調査基準価格
・失格基準価格
全て事後公表
・最低制限価格
【調査基準価格適用案件】
【最低制限価格適用案件】
・予定価格
事後公表
・予定価格
事後公表
・調査基準価格
事後公表
・最低制限価格
事後公表
・失格基準価格
事後公表
○委託
・予定価格
事前公表 … 最低制限価格対象案件を除く案件
事後公表 … 最低制限価格対象案件
・最低制限価格
事後公表
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④格付について
格付については、現在の経済状況が悪化していることを受け、資本力の大小に関わらず、
どの建設業者でも公平な入札参加機会が確保できるような仕組みを構築する必要がある。
この点を踏まえた上で、平成 20 年度以降の市発注の契約状況を見ると、資本力に関わら
ず入札参加機会があり、機会の公平性の点から問題はないと考えられるため、現行の等級
の格付を継続する。
等級
土木一式工事
下水道工事
建築一式工事
Aランク
800 点以上
800 点以上
730 点以上
Bランク
799 点以下
799 点以下
729 点以下
⑤特例市内業者について
特例市内業者は、雇用人数の確保や固定資産税の納税において、市内業者と同程度に磐
田市への貢献度が高い者として認定しているものである。現在の経済情勢を鑑みて、認定
要件を一部緩和した上で、当該要領第 4 条第 5 項に基づき、平成 26 年度においても継続と
する。
【認定要件】
①当該認定年度における競争入札に参加する者に必要な資格に基づき、磐田市に
おける建設工事(建設業関連業務委託)入札参加資格の認定を受けていること。
②当該営業所に常駐する人数が、5 人以上であること。
③固定資産税を当該認定年度から過去に遡って 10 年以上継続して磐田市に納税
しており、かつ、未納がないこと。
⑥建設工事等の発注基準額
建設工事及び建設業関連業務委託については、市内業者保護及び育成を図る為、その発
注基準額を別表のとおりとする。ただし、緊急経済対策に関わる地元優先措置として、当
分の間は、入札参加における地域的条件や等級を配慮することができるものとする。
別表
『建設工事等の発注基準額』
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⑦予定価格の事後公表に関連する事項について
ⅰ)制限付き一般競争入札における入札参加資格要件
制限付き一般競争入札の入札参加資格要件において、一定以上の施工実績等を求める要
件を設定している為、予定価格の事後公表に対応した資格要件の設定基準を次のとおりと
する。
■入札参加資格要件の設定基準
通常工事(業務委託)
難易度が高い又は
特殊な工事(業務委託)※2
予定価格
完成工事(実績)高が
左記以外に
『事前』公表
予定価格以上
同種工事(業務委託)実績
予定価格
完成工事(実績)高が
左記以外に
『事後』公表
一定の価格以上※1
同種工事(業務委託)実績
※1 一定の価格設定基準(工事)
予定価格
年間平均完成工事高
130 万円超 1,000 万円未満
130 万円超の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
1,000 万円以上 2,000 万円未満
1,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
2,000 万円以上 3,000 万円未満
2,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
3,000 万円以上 4,000 万円未満
3,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
4,000 万円以上 5,000 万円未満
4,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
5,000 万円以上 6,000 万円未満
5,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
6,000 万円以上 7,000 万円未満
6,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
7,000 万円以上 8,000 万円未満
7,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
8,000 万円以上 9,000 万円未満
8,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
9,000 万円以上 1 億円未満
9,000 万円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
1 億円以上 2 億円未満
1 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
2 億円以上 3 億円未満
2 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
3 億円以上 4 億円未満
3 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
4 億円以上 5 億円未満
4 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
5 億円以上 6 億円未満
5 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
6 億円以上 7 億円未満
6 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
7 億円以上 8 億円未満
7 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
8 億円以上 9 億円未満
8 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
9 億円以上 10 億円未満
9 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
10 億円以上
10 億円以上の同種工事の年間平均完成工事高を有する者
※2 難易度の高い工事(業務委託)又は特殊な工事(業務委託)には、
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その工事(業務委託)実績を求めるものとする。
(金額は問わない。)
※3 上記の表中の予定価格は税抜価格とする。
※4 10 億円以上の場合は別途に施工実績等の条件を設定する。
※1 一定の価格設定基準(業務委託)
予定価格
年間平均完成実績高
500 万円超 1,000 万円未満
500 万円超の同種工事の年間平均完成実績高を有する者
1,000 万円以上 2,000 万円未満
1,000 万円以上の同種工事の年間平均実績工事高を有する者
2,000 万円以上 3,000 万円未満
2,000 万円以上の同種工事の年間平均実績工事高を有する者
3,000 万円以上 4,000 万円未満
3,000 万円以上の同種工事の年間平均実績工事高を有する者
4,000 万円以上 5,000 万円未満
4,000 万円以上の同種工事の年間平均実績工事高を有する者
5,000 万円以上
5,000 万円以上の同種工事の年間平均完成実績高を有する者
ⅱ)再入札等の方法
○予定価格事後公表実施時は、入札回数を2回とする。
予定価格事前公表実施時は、入札回数は1回である。
○電子入札の場合、再入札(2回目)は翌日※に行うものとする。
※
磐田市電子入札運用基準8−8に基づき実施する。
○不調の場合、随意契約(不落随契)に切り替える場合がある。
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⑧発注方法等について
ⅰ)水道工事の業種
・管工事(現行通り)
※φ300 以上の水道管埋設工事については、φ300 以上の水道埋設工事を元請、
下請を問わず施工した実績を有し、
予定価格が 3,000 万円以上は土木Aランク、
3,000 万円未満については土木A、Bランクを対象業者とする。
ⅱ)舗装工事の資格者
平成 19 年度に計画したとおり、道路に附属する構造物のうち、最も主要な構造物
である舗装を施工するに当たり、その施工に当たっての資格については、以下のと
おりとする。
幹線市道
その他市道
1 級舗装施工管理技術者又は
1 級舗装施工管理技術者※1
2級舗装施工管理技術者※1
を有している者
を有している者
※1 社団法人 日本道路建設業協会
ただし、随意契約(見積合せ)については、小規模な舗装維持修繕工事が大半で
あることから、当該資格は不要とする。 ※ほ装工事の入札参加資格は必要。
ⅲ)下水道工事(推進工法)の資格者
以下のとおりとする。(現行通り)
・日本下水道事業団の第 2 種技術検定の資格を有する者(会社)
。
下水道工事における直接工事費
下水道工事における直接工事費
の半分以上が推進工事の場合
の半分未満が推進工事の場合
当該工事の専任技術者
推進工事技士の資格を
(推進工事技士
※1
)
有する者(会社)
※1 公益社団法人 日本推進技術協会
ⅳ)建築工事の発注方法
建築一式工事の市内業者の入札参加機会を確保するため、入札参加における完成工
事高の実績は、建築一式工事の完成工事高とする。
ⅴ)管工事の発注方法
管工事の市内業者の入札参加機会を確保するため、入札参加における完成工事高
の実績は、管工事の完成実績高とする。ただし、発注する工事における施工実績を
求める。
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⑨入札時の工事費内訳書の提出について
適正な施工をする上で、十分な積算による入札が『公正な競争である』と言えることか
ら、予定価格 130 万円超の建設工事案件全てにおいて、工事費内訳書の提出を実施する。
※特命随意契約を除く。
⑩下請業者に関する要請について
全ての建設工事の入札公告時に、市内業者を下請けとして使用する旨の要請文を添付す
る。
⑪総合評価落札方式による一般競争入札の拡大について
従来の入札における価格だけの評価ではなく、工事の品質向上、建設業者の技術力向上、
談合防止及びダンピング防止の観点から、総合評価落札方式を以下のとおり実施する。
なお、評価値を算定するための入札価格に最低価格を設定する。設定価格は調査基準価
格とする。
○対象工事
『22本』とする。
・土木一式工事 10本
・下水道工事
8本
・上水道工事
4本
※土木一式工事にほ装工事を含むものとする。
⑫随意契約(見積合せ)における建設工事の発注について
建設工事のうち、格付を設けている3業種(土木一式工事、下水道工事、建築一式工事)
について、随意契約(見積合せ)で発注する際は、原則、いずれもB等級の業者を対象と
し、その選定方法は、施工箇所の近傍順とする。
ただし、特殊な建設工事や当該建設工事と密接に関連する建設工事などについては、こ
の限りではない。
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⑬現場代理人の常駐義務緩和について
建設工事の不調・不落札の原因の一つとして、技術者の不足が挙げられている。磐田市
では、平成 23 年度より現場代理人の常駐義務を緩和しているが、平成 27 年度から緩和の
枠を広げ、受注機会を拡大していく。
1. 対象工事(磐田市発注の工事に限る。)
発注者が特に認めた工事 2 件
2. 対象工事の要件
(1)から(3)までの全てを満たす工事
<建築工事以外の場合>
2 件の工事の請負額(税込)の合計が 2,500 万円未満の工事
(1)請負金額
<建築工事の場合>
2 件の工事の請負額(税込)の合計が 5,000 万円未満(建築設
備工事は 2,500 万円未満)の工事
(2)兼務できる
工事の工種
(3)地理的要件
当該工事と同一の建設工事の種類(建設業法上 28 の種類)
当該工事現場から他の工事現場までの移動距離が直線距離で
10km 以内の工事。
※二以上の工事を同一の専任の主任技術者が兼任できる場合と同条件(建設業法施行令
第 27 条第 2 項)の際は、上記の要件に関わらず兼任は可能で
⑭特定建設工事共同企業体への発注条件について
資材単価の高騰や人件費の上昇等の理由により工事費が増加傾向となっており、完成
工事高と差が出てきている状況から、市内業者の入札参加機会を確保するため、特定建
設工事共同企業体(特定 JV)への発注基準金額を緩和する。
○特定建設工事共同企業体に発注することができる工事
(1) 工事費が概ね 2 億円以上の橋梁、トンネル、下水道等の土木工事。
(2) 工事費が概ね 10 億円以上の建築工事。ただし、工事費が 1 億 5 千万円以上概
ね 10 億円未満については、単独企業又は構成員を市内業者同士或いは市内業
者と特例市内業者の特定建設事業共同企業体とすることができる。
(3) 工事費が概ね 3 億円以上の設備工事。
(4) (1)∼(3)のほか、特殊な技術等を要する工事であって、特定建設事業
共同企業体による効果的、円滑な共同施工が確保できると認められるもの。
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⑮工事成績優良者に限定した工事の発注について
市内業者の技術の向上を図るため、成績優良者に限定した工事を発注する。
○参加資格
従来の入札参加資格に追加し以下の条件を満たす業者を対象とする。
・工事成績が 84 点以上(平成 22 年度以降の工事成績に限る。)を取得した工事がある
者。
○発注予定工事
土木一式工事 2 本 (Aランク対象 1 本、Bランク対象 1 本)
下水道工事
2 本 (Aランク対象 1 本、Bランク対象 1 本)
建築工事
1 本 (Aランク対象 1 本)
ほ装工事
1本
合計
6本
⑯建設業関連業務委託の最低制限価格の設定について
建設業関連業務委託については、落札率が極端に低い入札が発生している。このこ
とから、設計等の品質を確保するため最低制限価格を導入する。
○予定価格 500 万円以上の建設業関連業務委託
但し、特命随意契約は除く
○価格の算定方法
予定価格×60%
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