No.14 14 【関連トピックス】 No. ●イチモンジタナゴの人工繁殖に、 日本の動物園水族館で初め て成功した事が評価され、公益社団法人日本動物園水族館協 会から繁殖賞を受賞しました。 (2015.05) とと ●水族館スタッフが創った あわせを販売しています。 今回の テーマ とと あわせは、 よく知られている魚介類を、色とりどりの千代紙を 使った切り絵 で あらわ 水族館の飼育管理業務 し、さらに魚偏の漢字を 配した「絵合わせ&漢字 合わせ」のカードゲーム です。 遊びながら魚について楽しく学んでいただけます。 会 社 株式会社 環境総合テクノス 紹 介 (略称:KANSOテクノス) 環境 Environmental Engineering (株)環境総合テクノスは、 「環境」、「土木」、 「建築」の事業分 野からなる総合エンジニアリング企業です。 これら3分野が連携し、相乗効果を発揮することによって、 The General Environmental Technos Co.,Ltd. 調査・診断・分析・コンサルティングから計画・設計・施工・メン テナンスに至る全ステップにおいて、高品質で付加価値の 土木 Civil Engineering 建築 Construction 高いサービスを一貫して提供します。 <会社所在地> ( 本 店 ) 大阪市中央区安土町1丁目3−5 <お問い合わせは右の連絡先までお願いします> (計測分析所) 交野市東倉治3丁目1−1 ( 統 括 支 店 ) 若狭、富山、名古屋 ( 支 店 ) 東京、京都、奈良、滋賀、和歌山、姫路 宇奈月、庄川、神通川、上松、今渡 ( 営 業 所 ) 美浜、高浜、大飯 ( 事 業 所 ) 宮津、敦賀 ( 事 務 所 ) 福島 技術の眼バックナンバー(HPに掲載) No.6「リモートセンシング技術」 No.1「希少生物の保全(植物)」 No.7「海水標準物質」 No.2「非破壊探査技術−電磁波探査」 No.8「新バイオ燃料資源の開発」 No.3「二酸化炭素回収・貯留技術」 No.9「大気環境予測技術」 No.4「開発事業と猛禽類保護」 No.10「ダム建設における基礎処理技術」 No.5「生物多様性に配慮した緑化技術」 No.11「建築物の保全・改修技術」 KANSOテクノス技術の眼 No.14(2015.10.31発行) (丹後魚っ知館大水槽) <発行箇所(連絡先) > 営業部 営業統括グループ 岩本 TEL:06-6263-7306 FAX:06-6263-7307 《当社ホームページもお楽しみください》 http://www.kanso.co.jp/ No.12「環境放射能分析」 No.13「海底資源開発と低頭型プラットホーム」 KANSOテクノスにおける水族館業務の概要 当社は、①関西電力宮津エネルギー研究所水族館(丹後魚っ知館)、②関西電力若狭たかはまエルどらんどト ロピカルワンダー、③滋賀県立琵琶湖博物館水族展示室の飼育管理業務を行っています。今回は、宮津エネル ギー研究所水族館を中心に、 日々どのような仕事をしているのか紹介します。 宮津エネルギー研究所水族館は、1989年8月に宮津エネルギー研究所PR館(丹後魚っ知館) として開館し ました。2015年4月現在、 ゴマフアザラシ2頭、 マゼランペンギン4羽、 アオウミガメ1尾を含む、 およそ200種 類4000点の生物を飼育展示しています。 展示水槽は大小あわせて30基余りで、一番大きな水槽は長さ14m、水深3m、水量約300m3です。屋外に は日本最大級のタッチングプールがあり、地元の海水魚とふれあうことができます。 No.14 水族館の仕事 教育普及活動 毎朝、毎夕の水族観察、水槽点検は欠かせませ 水族館の仕事を紹介するために、不定期ですが来 ん。水槽の汚れは開館前に清掃します。また、病気 館者向けに、水族館バックヤードツアー等の体験企画 にかかった魚や調子の悪い魚を見つけた時には、 を開催しています。バックヤードツアーでは、普段見 水族館のバックヤードへ移して、薬を入れた水槽 ることのできない水族館の裏側にある機械類や魚の で治療することもあります。 餌、水槽の掃除方法などを紹介しています。また、大 魚たちの餌は主に冷凍のアジ・サバを解凍して 水槽での給餌体験をしてもらうこともあります。 使いますが、その他にも冷凍のイカやエビ、赤虫、 宮津エネルギー研究所水族館屋外には、深さ20∼ 配合飼料等も使用します。魚への給餌は原則1日 60cmの「タッチングプール」があります。広さは 1回ですが、 ゴマフアザラシとペンギンには1日2 260m2もあり、日本でも最大級です。ここではスズ 回給餌します。 アザラシとペンギンへの給餌 メダイやメジナなど、地元の海水魚を観察できるよう 毎日ではありませんが、水槽の清掃も大事な仕 になっており、夏には子供たちがプールに入って魚と 事です。水深1mまでの水槽であれば水槽上部か 一緒に泳げる、大人気の施設です。また、春と秋には ら道具を使って清掃しますが、水深のある大水槽 このプールでちびっこ釣り大会が開催され、子供たち や中水槽の清掃は、職員が潜水して行います。潜 の魚への興味を掻き立てています。 水で清掃作業する時に餌食いの悪い魚に直接餌 タッチングプール を与えることもあります。 水族の繁殖と保全活動 季節によっては、お客様に楽しんでもらうため に、仮装したダイバーが潜水することもあります。 魚類の飼育管理業務の中には繁殖業務もあります。現在 宮津エネルギー研究所水族館では、 ムサシトミヨとイチモン サンタクロースに扮したダイバー ジタナゴの繁殖に取り組んでいます。 これらは、その数が日 水族の収集と展示 本で少なくなっており、環境省レッドリストにより絶滅のおそ れのある生物種として指定されている淡水魚です。イチモ 水族館で展示する魚類の収集方法はさまざまです。一番多いのは漁業者からの購入です。色鮮やかな海水 ンジタナゴの二枚貝を利用した自然繁殖は、 これまでも多く 魚は九州の鹿児島県、 ウツボ類は和歌山県まで出かけていき、水族館専用の活魚トラックで運びます。また、地 行われ成功していますが、当水族館では貝を利用しない、人 元の定置網に珍しい魚類が入った場合には寄贈していただくこともあります。その他には、職員が直接釣りや潜 水作業で収集することもありますし、全国の水族館と魚類を交換することもあります。 イチモンジタナゴ (体長5cm) また、 これらの魚の他にも天然記念物の淡水魚アユモドキの飼 で捕獲されたものを譲り受けて、現在は水族館の大水槽で優雅に泳いでいます。一見すると普通のサメと変わ 育準備を進めています。 アユモドキの飼育は、当館では未経験なの らないように見えますが、現生のサメの中では最も古生のサメに近い種のものだと言われています。過去に飼 で、 まずは他の水族館と連携して飼育情報を収集し、今後は他の水 育歴のある水族館は日本では7館だけで、生存 族館で繁殖したアユモドキの幼魚を、宮津エネルギー研究所水族 しているこのサメを展示しているのは2015 館に搬入する予定です。 これらの活動は、自然界で少なくなった魚 年8月時点で当館だけです。このような珍しい 類を生息域外で保全する活動として、環境省近畿地方環境事務所 魚類の飼育情報、飼育水温や餌についての記 と協力して進めています。 録をとり、他の水族館と情報を共有できるよう にするのも水族館の大切な業務です。 の手による人工繁殖に日本の動物園水族館で初めて成功 し、繁殖賞を受賞しました。 (次頁:関連トピックス参照) 最近水族館で収集した魚類の中でひときわ珍しいのがエビスザメです。2015年2月に、地元の大型定置網 エビスザメ (体長1.4m) バックヤードツアー 人工繁殖風景
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