回路とシステムワークショップ (2013年7月) SPICEモデル標準化の最新動向 2013.7.30 株式会社シルバコ・ジャパン 古井芳春 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 1 目次 1. 2. 3. 4. SPICEモデル SPICEモデルの モデルの標準化 CMC標準 CMC標準モデル 標準モデル CMC標準化 CMC標準化プロセス 標準化プロセス HiSIMモデル HiSIMモデルの モデルの概要 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 2 1. SPICEモデルの モデルの標準化 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 3 Compact Model Coalition (CMC) コンパクトモデルの国際標準化機関 米国Si2(Silicon Integration Initiative)に設置 標準モデル選定と継続的な改善 トランジスタモデル開発は大学研究者に委託 コンパクトモデルは企業間協業の「成功の鍵」 ファンドリー / IDM企業 企業 商用/社内開発 商用 社内開発 SPICEシミュレータ シミュレータ 回路とシステムワークショップ (2013年7月) ファブレス企業 ファブレス企業 / IDM設計部署 設計部署 4 CMCの目標とビジョン コンパクトモデルと、利用促進のためのインタフェースを 標準化する 主要テクノロジの標準コンパクトモデルにより、利用者の 効率化と協業を促進する インタフェース標準化により、シミュレータへのモデル組込 みを容易化する 高品質なコンパクトモデルの流通により、設計サイクルを 短縮する 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 5 CMCメンバーリスト ファンドリー、IDM、ファブレス企業、EDAベンダが参加 Agilent AIST Altera Analog Devices ams Broadcom Cadence Denso Elpida Fujitsu Semicon. Globalfoundries IBM Infineon Intel LEAP LSI MAXIM Mentor Graphics NXP Panasonic Peregine ProPlus Qualcomm Renesas Electronics Ricoh Samsung Silvaco SK Hynix Sony STARC ST Micro Synopsys TI Toshiba Toyota TSMC (緑は国内企業) UMC 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 6 2. CMC標準モデル 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 7 CMC標準モデルの歴史 (トランジスタ) ・1996 ・2000 ・2002 ・2004 BSIM3 BSIM4 BSIMSOI MEXTRAM HICUM ・2006 PSP ・2007 HiSIM_HV ・2011 HiSIM2 ・2012 BSIM-CMG HiSIM_SOI ・2013 BSIM6 ・2013+ ETSOI MOSFET (in progress) GaN model (in progress) 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 8 CMC標準モデルの歴史 (受動素子) ・2005 ・2007 ・2008 ・2009 R2_CMC R3_CMC MOSVAR Diode_CMC Poly & Metal resistor (2 terminal) Diffusion resistor (3 terminal) MOS Varactor Advanced diode model 上記モデルは、CMCワーキングメンバにより開発改善 されている 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 9 CMCワーキンググループ コンパクトモデル BSIM Bulk BSIMSOI BSIM-CMG HiSIM_HV HiSIM2 HiSIM_SOI PSP MEXTARM HICUM ETSOI GaN HEMT MOSVAR Diode MOSFET PD SOI Multi-Gate LDMOS MOSFET DD SOI MOSFET BJT BJT 回路とシステムワークショップ (2013年7月) インタフェース Verilog-A Test Suite Verilog-A Recommended Practices Model QA and Release TMI2 Model Interface Standard SPICE Language Reliability (Aging) Simulation Operating Point and Variable name (赤字:標準化進行中のテーマ) 10 モデル開発者との連携 モデル開発者と連携して、モデル改善を継続的に支援 カリフォルニア大学バークレー校 広島大学 BSIM3, BSIM4, BSIM6 BSIMSOI, BSIMBSIM-CMG http://www-device.eecs.berkeley.edu/bsim/ HiSIM_HV, HiSIM_HV, HiSIM2, HiSIM_SOI http://www.hisim.hiroshima-u.ac.jp/ デルフト工科大学 カリフォルニア大学サンディエゴ校 MEXTRAM, PSP HICUM http://mextram.ewi.tudelft.nl/ 回路とシステムワークショップ (2013年7月) http://www.iee.et.tu-dresden.de/iee/eb/hic _new/hic_start.html 11 3. CMC標準化プロセス 標準化プロセス 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 12 CMCの標準化プロセス 4フェーズ・プロセスで標準モデルを選定する 標準化フェーズ 標準化フェーズ 実行内容 必要期間 1 ・モデルの モデルの要求仕様書の 要求仕様書の作成 ・候補モデル 候補モデルの モデルの探索 6ヶ月 2 ・モデル開発者 モデル開発者と 開発者とスポンサによる スポンサによる実測 による実測データ 実測データへの データへのフィッティング へのフィッティング ・要求仕様書を 要求仕様書を満足することを 満足することを示 することを示すレポート作成 レポート作成 ・モデルの モデルのソースコード、 ソースコード、モデルパラメータの モデルパラメータの提示 6ヶ月 3 ・CMCメンバ CMCメンバによる メンバによる候補 による候補モデル 候補モデルの モデルの単体テスト 単体テスト、 テスト、回路テスト 回路テスト ・CMCメンバ CMCメンバ投票 メンバ投票により 投票により標準 により標準モデル 標準モデルを モデルを選定 6ヶ月 4 ・Phase3 Phase3テストでの テストでの指摘事項 での指摘事項の 指摘事項の改善 ・ユーザマニュアル、 ユーザマニュアル、QAテストスクリプト QAテストスクリプトの テストスクリプトの作成 3ヶ月 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 13 Phase 1 要求仕様の決定 Device Structure Definition Physical Model Requirements Functional Model Requirements Model Acceptance Criteria Model Support and Maintenance Requirements 候補モデルの探索 要求仕様を満足できる IPポリシー(CMC標準モデルとして一般公開)に同意する 1社以上のスポンサー(支援メンバ) が存在する 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 14 Phase 2 モデル開発者とスポンサーによるモデル評価 実測データを再現できる 要求仕様を満足できる 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 15 Phase 3 CMCメンバによる評価 メンバ各社が関心項目や実用回路をシミュレーションする 評価終了後、CMCメンバ投票で標準モデルを選定する 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 16 Phase 4 一般リリースに向けた総仕上げ Phase2, Phase3評価で指摘された不具合を解決する 標準モデル認定の投票で、2/3以上の賛成投票を得る さらに、 反対投票コメントを解決して、 CMC標準モデルとして一般リリースする あるいは、 反対投票コメント解決のためにモデル変更が起こった場合は Phase2以降の手順を再度実行する 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 17 CMC参加のメリット 標準モデルの選定と改善項目の決定 企業、大学のモデル専門家との年4回のミーティング CMC member-only websiteのアクセス 定期ミーティングの議事録と発表資料 ベータ版モデルの早期アクセス ワーキンググループの技術レポート 大学の標準モデルはCMCメンバ以外へも公開 モデル開発者は標準モデルの使用権、改変権、再配布権を 許諾し、モデルの無償提供に同意している 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 18 4. HiSIMモデルの モデルの概要 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 19 HiSIMの誕生 半導体理工学研究センター 半導体理工学研究センター 広島大学とSTARCのコラボレーションから コラボレーションから HiSIM が生まれました。 まれました。 HiSIM Hiroshima-University STARC IGFET Model 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 20 HiSIMの特徴 完全表面ポテンシャル・ベースの物理モデル 高精度 回路シミュレーション用コンパクトモデル 閾値電圧ベース BSIM 電荷ベース EKV 表面ポテンシャル・ベース HiSIM、PSP ○物理現象 物理現象を 物理現象を忠実に 忠実に表現する 表現するコンパクトモデル するコンパクトモデル ・表面ポテンシャルに着目してデバイスを解析 ・ポアソン方程式を数値的反復計算で求解 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 21 HiSIMの特徴 HiSIM2: Bulk MOS Core / Analog, RF トランジスタ特性 トランジスタ特性( 特性(電流、 電流、容量) 容量)を ポアソン方程式 ポアソン方程式の 方程式の解である 表面ポテンシャル 表面ポテンシャルによって ポテンシャルによって記述 によって記述 HiSIM_HV: HiSIM_HV: High Voltage 高抵抗領域を 高抵抗領域を物理的に 物理的に記述した 記述した 高耐圧・ 高耐圧・大電流MOSFET専用モデル 専用モデル ゲート(Vg ) ソース(Vs ) ドレイン(Vd ) Ids バルク(Vb ) ソース端の 表面ポテンシャル 表面ポテンシャル ドレイン端の 表面ポテンシャル 表面ポテンシャル ・微細トランジスタ 微細トランジスタの トランジスタの微分特性を 微分特性を正確に 正確に再現 ・アナログ/RFに要求される 要求されるトランジスタ されるトランジスタ特性 トランジスタ特性 を再現 ・トランジスタ特性 トランジスタ特性ばらつきを 特性ばらつきを的確 ばらつきを的確に 的確に再現 回路とシステムワークショップ (2013年7月) Potential drop in the drift region ・対称構造と 対称構造と非対称構造に 非対称構造に対応 ・低電圧から 低電圧から高電圧 から高電圧まで 高電圧まで対応 まで対応 ・セルフヒーティング効果 セルフヒーティング効果を 効果を内蔵 22 HiSIMの構成とCMC標準化状況 HiSIM_HV HiSIM_HV High Voltage / Large Current HiSIM_SOI HiSIM_SOI CMC標準 CMC標準( 標準(2008年 2008年12月 12月) SOI MOS Core CMC標準 CMC標準(2012 標準(2012年 (2012年3月) HiSIM-SOTB HiSIM-SOTB Thin Buried Oxide MOS HiSIM2 HiSIM2 CMC標準 CMC標準モデル 標準モデル候補 モデル候補 Bulk MOS Core / Analog, RF HiSIM-TFT HiSIM-TFT CMC標準 CMC標準( 標準(2011年 2011年4月) HiSIM-IGBT HiSIM-IGBT Insulated Gate Bipolar Transistor Thin Film Transistor 評価準備完了 第1版公開( 版公開(2010年 2010年1月) HiSIM-MOS HiSIM-MOSVaractor Varactor Variable Capacitance Diode 評価準備完了 回路とシステムワークショップ (2013年7月) 23 まとめ SPICE標準化の活動とHiSIMモデルを紹介した。 参考情報については以下のurlを参照されたい。 CMC https://www.si2.org/?page=1650 HiSIM研究センター http://www.hisim.hiroshima-u.ac.jp/ 回路とシステムワークショップ (2013年7月)
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