１．肺腫瘍の分類
１）上皮性
ａ．良性
乳頭腫−−扁平上皮細胞乳頭腫、
移行上皮細胞乳頭腫
腺腫−−−多形腺腫、単形腺腫、乳頭状腺腫、
嚢胞腺腫、筋上皮腫
ｂ．悪性（肺癌取扱い規約より）
扁平上皮癌、小細胞癌、腺癌、大細胞癌、腺扁平上皮癌、
カルチノイド、腺様嚢胞癌、表皮癌、肉腫癌
２）非上皮性腫瘍
ａ．良性：過誤腫、軟骨腫、脂肪腫、線維腫、平滑筋腫、神経鞘腫、神経線維腫、
血管腫、血管周皮腫、血管内皮腫、リンパ管腫、グロームス腫瘍、
パラガングリオ-マ、chemodectoma、顆粒細胞腫、良性淡明細胞腫
ｂ．悪性：リンパ腫、その他の軟部悪性腫瘍
３）腫瘍様病変
炎症性偽腫瘍、好酸性肉芽腫、いわゆる硬化性血管腫（肺上皮細胞腫）
、
ツモ−レット、肺胞上皮過形成・腺腫様過形成、先天性嚢胞性腺腫奇形、
動静脈瘻、リンパ管筋腫症など
２．肺癌の局所発育：圧排・浸潤により増大する
ａ．気道の狭窄・閉塞→閉塞性肺炎、無気肺、肺膿瘍（空洞形成）
ｂ．周囲への浸潤
(1)縦隔：
上大静脈閉塞
→
上半身の浮腫（上大静脈症候群）
反回神経浸潤
→
嗄声
横隔神経浸潤
→
病側横隔膜麻痺 →挙上不可、しゃっくり
食道への浸潤
→
通過障害・狭窄、瘻孔形成
肋間神経浸潤
→
胸痛
上腕神経叢浸潤
→
上腕知覚・運動マヒ
星状神経節浸潤
→
ホルネル症候群（眼球陥没、眼瞼下垂、縮瞳）
肋骨・椎骨
→
骨融解（溶骨性変化）、病的骨折
(2)胸壁：
(3)胸膜腔：癌性胸膜炎、胸水貯留
(4)心嚢腔：癌性心嚢炎、心タンポナ一デ
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(5)肺動脈閉塞
(6)横隔膜を介し腹腔へ進展
(7)肺胞：置き換え型の進展（管内性進展）
３．肺癌の病理学的証明
ａ．細胞診
(1)喀痰−−−３日連続（連痰）、小細胞癌・扁平上皮癌が出現しやすい
(2)気管支ブラッシング
(3)気管支洗浄液
ｂ．組織診
(1)気管支生検
(2)経気管支肺生検 TBLB
(3)経皮肺生検
(4)開胸肺生検
(5)縦隔鏡下生検
４．転移性肺腫瘍
５．縦隔の区分
胸腔の中央部（心嚢、食道、大動脈、気管、椎体を容れる）
６．縦隔腫瘍
ａ．原発性
(1) 上前縦隔＝胸腺系腫瘍（胸腺腫、胸腺癌、胸腺脂肪腫、
胸腺カルチノイド、胸腺リンパ腫）
奇形腫、胚細胞腫（セミノーマ、絨毛癌、胎児性癌）
悪性リンパ腫、縦隔甲状腺腫、甲状腺腫、
その他（横隔膜ヘルニア、副甲状腺腫、大動脈瘤、心嚢腫）
(2) 中縦隔＝心膜嚢腫、食道嚢腫、気管支嚢腫、悪性リンパ腫、縦隔炎、
動脈瘤、奇静脈、裂孔ヘルニア、神経原性腫瘍（横隔、迷走）
(3) 後縦隔＝神経原性腫瘍
ｂ．転移性
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７．胸膜腫瘍
ａ．原発性
(1)solitary fibrous tumor of pleura
(2)良性胸膜中皮腫
(3)悪性胸膜中皮腫
胸膜浸潤型の腺癌との鑑別が重要、
アスベストの曝露（曝露例の 2/3）
粘稠な胸水（ヒアルロン酸産生）
ｂ．転移性
８．胸腔に何か貯まる
ａ．胸水：炎症性、非炎症性原因で液体が貯まる
ｂ．気胸：外傷・腫瘍・肺に穴が開き、空気が貯まる
ｃ．膿胸：胸膜の化膿性炎症で膿汁が貯まる
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