2013年9月 インド出張報告

インド出張報告
平成 25 年 9 月 13 日
9 月 10 日から 13 日の日程でインドに出張し、日印経済関係の強化に向け、
日本企業のインド進出支援、デリー・ムンバイ産業大動脈(DMIC)等の具体
化、エネルギー協力の推進等に取り組みました。
1.シン首相との会談
日印投資交流の促進、デリー・ムンバイ、チェンナイ・バンガロール産業
大動脈構想の早期実現、エネルギー分野における協力等、日印関係の一
層の強化に向けた我が国の取組を説明し、今後とも日印経済協力関係を
発展させていくことで意見の一致を得ました。シン首相からは、日印経済
関係強化に向けた日本の取組に感謝の意が表明され、特に我が国からの
直接投資を促進するための投資環境整備に強くコミットする旨が表明され
ました。
シン首相との会談
2.日系企業のインド進出支援
シャルマ商工大臣との間では、日本企業のインドでのビジネス展開に
向けた分野横断的な投資環境整備を図るため、「日印投資交流アクション
プラン」共同声明に署名しました。アクションプランでは、ビジネスマッチン
グの強化、中央及び州政府との協力、そして投資環境整備に取り組むこ
ととしました。
官民対話においては、我が国民間企業より、シャルマ商工大臣及び州
代表者に対して、インド事業の展望や課題を説明し、投資環境整備等の
要望を行うとともに、私から、「日印投資交流アクションプラン」の着実な実
行を通じ、両国間の投資交流拡大に取り組む旨、表明しました。
さらに投資交流実現のため JETRO とインド経済 3 団体との間のビジネ
スマッチング強化に向けたMOUの締結を行いました。
シバル通信IT大臣との間では、我が国エレクトロニクス産業のインド進
出に向けた環境整備について議論する「日印IT及びエレクトロニクス産業
に関する Joint Working Group」の立ち上げに合意しました。
また、シバル大臣と共に日印医療機器ビジネスセミナーに出席し、イン
ドの医療関係者が 200 人近く集まる中、我が国の優れた医療機器、技術、
サービスを紹介し医療機器のトップセールスを行うとともに、両国の医療
分野における連携強化を確認しました。
ティワリ情報放送大臣との間では、映画、アニメ分野等での民間の新た
なビジネス展開を歓迎するとともに、日印コンテンツ産業協力の実現に向
けた Joint Working Group を設置し、今後、人材育成などを通じた両国の
協力について検討していくことに合意しました。
チダンバラム財務大臣との間では、インドへの投資促進につながる、複
雑な税制の簡素化や税務執行の透明性の確保、GST(物品サービス税)
の早期導入などの投資環境整備ついて議論しました。
シャルマ商工大臣との会談
日印医療機器ビジネスセミナー
でのスピーチ
3.デリームンバイ、チェンナイバンガロール産業大動脈構想の具体化
シャルマ商工大臣との間で、日印共同で進めるデリー・ムンバイ産業大
動脈(DMIC)、チェンナイ・バンガロール産業大動脈(CBIC)開発における個
別プロジェクトの進展を確認すると共に、ニムラナ工業団地における太陽
光発電事業や、エンノール港へのアクセス道路の改善など、プロジェクト
の加速を要請した上で、産業大動脈の早期実現に向け協力していくことで
合意しました。
4.エネルギー協力の推進
アルワリア計画委員会副委員長(委員長はシン首相)との間で第 7 回日
印エネルギー対話を実施し、エネルギーの各分野での協力推進について
議論しました。
具体的には、再生可能エネルギー分野において、インドにおける適切な
投資環境整備を検討するための「再生可能エネルギー等推進日印官民ラ
ウンドテーブル」を新設し、会合を年内にも開催することを決定しました。
副委員長から日印エネルギーフォーラム開催に対し感謝の意が表明され
ました。また、インドの省エネルギー促進に向けて、省エネ技術の普及に
向けた政策研究を日印共同で進めることに合意、さらに、石油天然ガス分
野おいては、日印共同での上流開発及び LNG の消費国連携を多国間に
広げること等について決定しました。
この他、超々臨界圧発電に関する技術者の招聘研修、電力系統安定化、
石炭改質、原子力についても広く議論しました。さらに次回首脳会談まで
に、エネルギー対話の成果をとりまとめ、報告することで一致しました。
日印エネルギーフォーラムにおけるスピーチでは、エネルギー消費大国
である両国が協力して、省エネルギー、再生可能エネルギーの推進や、
エネルギー・インフラへの投資拡大を図るほか、同分野における協力は官
民連携で実施することが重要である旨を表明しました。
日印エネルギー対話