多摩市立複合文化施設等大規模改修工事 基本計画策定委員会報告書

資料4
多摩市立複合文化施設等大規模改修工事
基本計画策定委員会報告書(案)
(平成 28 年 12 月 6 日印刷)
平成28年12月
多摩市立複合文化施設等大規模改修工事基本計画策定委員会
目次
はじめに
施設の理念と方針
第1章 策定委員会における議論と確認事項
1 法令等に見る社会状況の変化
(1)劇場、音楽堂等に関する法令制定(巻末資料参照)
(2)劇場、音楽堂等に関連した建築に関する法令改訂
(3)バリアフリー等に関する法令制定・改訂
2 多摩市における文化振興についての法的取組み
3 多摩市及び多摩センター地域のまちづくりについて
4 パルテノン多摩の現状と課題
(1)データから見る利用状況と運営状況
(2)課題
5 課題解決のための一つの提案
6 パルテノン多摩再生に当たっての視点
7 文化芸術の必要性やパルテノン多摩の役割について共通の認識をもつために
第2章 施設改修方針
資料編
(1)文化施策としての背景
(2)地域の特性、変化
(3)パルテノン多摩の利用と運営状況から考える
(4) 多摩市の地域特性
(5)地域内の公共施設・文教施設との差別化、棲み分け、連携
(6)「基本計画策定委員会での意見まとめ」(第1回から第7回まで)
はじめに
多摩市立複合文化施設(以下「パルテノン多摩」)を4つの視点から見てみると次のような特徴を
指摘することができます。
開場した1985年/昭和62年)は、熊本県立劇場(1982年)、福島市音楽堂(1985年)、こどもの城
(1985年)など従来型の多目的ホールに対する反省から専門劇場・ホールへの指向が意識された時代
で、同時にザ・シンフォニーホール(1982年)、サントリーホール(1986年)、銀座セゾン劇場(1987
年)など民間企業のCI(コーポレイト・アイデンティティ)として文化的イメージが注目されていた
時期とも重なります。企業の社会的貢献が積極的に展開された時代であり、生産中心の産業構造から
サービスへと次第に重心を移して行く転換期でもありました。そうした時代背景の中で、多摩ニュー
タウンにおける文化的核施設として誕生したのがパルテノン多摩です。ややクラシック音楽に特化し
たともいえる音響性能を有したパルテノン多摩の大ホールが生まれた背景には、良質な文化芸術を提
供し、市民文化活動を醸成しようという時代の空気が感じられます。実際、小演劇フェスティバルか
らオペラ公演まで幅広い事業が展開され、その役割をしっかりと担ってきました。
立地について見てみると、パルテノン多摩は、3つの私鉄が乗り入れる多摩センター駅とそこから
まっすぐ南側の丘陵地に向かって延びた斜路の先にある広々とした公園を結ぶ接点にあることが特
徴です。つまり、都市施設であると同時に公園施設でもあるわけです。この地域は、駅から公園に至
るルートに限らず、面的な広がりを持って人と車が一切交差せずにゆったりした気分で安全に移動で
きるように計画された街です。その歩行者専用通路に面して各種商業施設が配置されていることから、
文化・公園・商業施設が有機的に混じり合い市民生活に豊かさと潤いをもたらすことが期待された都
市構造になっていることが分かります。
そうした街の仕組みが誕生した時から、しかし30年が経過してきました。前述のこどもの城、銀座
セゾン劇場は一時期をリードした劇場でしたが、既に幕を閉じてしまいました。多摩市に限らず、市
民も建物も街もそれぞれが全体的に高齢化しています。世代交代も行なわれています。時間的経過や
社会的状況に応じて自然に交代・更新されて行くものもありますが、公共的サービスの基本はそれほ
ど大きく変化するものではありません。但し、そのままという訳には行かないことも事実です。
実際この間に、市民を取り巻く社会構造も社会環境も文化的状況も建築関連技術も劇的な変動の波
を受けています。過去5年を振り返ってみても、文化芸術に関しては「劇場、音楽堂等の活性化に関
する法律」(2012年、略称「劇場法」)が、バリアフリー関連では「障害を理由とする差別の解消の推
進に関する法律」(2013年、略称「障害者差別解消法」)が、建築に関する法律では東日本大震災に
おける大空間における天井材崩落事故の経験から建築基準法施行令の一部改正(2014年)があるなど、
法制面における意識改革が顕著です。
これらは、すなわち私たちの生活意識・環境の変化を表すものです。そうした状況とパルテノン多
摩も無縁ではありません。担うべき役割が変化してきていることの表れです。オープンから30年を経
て施設の老朽化が取り上げられ、その改修の在り方を再度考えることになり、私たち策定委員会が議
論した課題は、まさにこうした背景のもとにこれからのパルテノン多摩を考えることでした。そこで
拠り所としたのが、劇場法の前文でも述べられている「新しい広場」という概念です。その実現のた
めには、文化芸術活動に関心を持っている人はもちろん、そうでない人たちにとっても、公園や買い
物、通学などの行き帰りなどに気軽に立ち寄れる場所となる必要があるということが当初から委員共
通の認識でした。短期間でしたが、10回の委員会を持つことができました。それぞれ異なった分野で
1
活動されている委員構成もあって、幅広い視点で議論が行なわれたと思います。それらを通し、従来
の活動を継続・推進するための改修にとどまらず、幅広く市民を惹き付ける施設に向けての改善並び
にそのための運営に関する考え方を委員会の意見としてここに取りまとめましたのでご報告する次
第です。
委員長 本杉 省三
2
施設の理念と方針
パルテノン多摩の基本理念について
パルテノン多摩は、「市民の自主的な文化活動の場を提供し、文化の普及及び振興を図り、もって地
域の発展に寄与する」(多摩市立複合文化施設条例)ために設置された施設ですが、それを実行するに
あたっての基本的な考え方が必要であると考えました。それは、施設運営の理念・方針であると同時に、
施設の在り方を考える時の拠り所にもなるものです。今度の改修に当たっても、その方向性を考える上
で大切なものであると考えました。
基本理念
文化芸術を通じて、すべての市民に笑顔と感動が生まれる拠点
基本方針
■方針1:市民が文化芸術活動に「触れ」「参加」して、生きる活力を生み出す創造的な場
・感動体験がみんなの励みになり、豊かな人生を送るための糧になる施設
・様々な文化芸術を共に育てるとともに、次世代の担い手を育成する施設
■方針2:すべての市民に開かれたまちの広場
・市民が気軽に集い、ふれあい、つながることで、生きがいや幸せを感じることができる施設
・全ての人々が個々の違いを受け入れ、共に心豊かな地域社会を描くことができる施設
・市民が交流し、共に育ち、文化芸術を通じた地域課題の解決に取組める施設
■方針3:市民がにぎわいの空間を創出することで、まちの再生につながる場
・多くの市民のお気に入りの場所になり、「まちのシンボル」として、まちの魅力を発信しつづける
施設
・多摩中央公園、中央図書館、周辺商業施設等との地域連携を高め、まちの活性化に貢献する施設
3
第 1 章 策定委員会における議論と確認事項
多摩市文化振興財団が平成 27 年 4 月にまとめた「多摩市立複合文化施設 (パルテノン多摩)老朽化の
状況と運営リスクに関する報告」では、近年の修繕履歴と施設老朽化の具体的状況が写真入で解説され、
改修の緊急性を訴えている。また、先に定められた「多摩市立複合文化施設改修方針」(◯◯年)の「Ⅶ.
施設の劣化状況」と「Ⅷ.劣化対応以外の水準(舞台を除く)」には、建築の部位や設備ごとにより細
かな状況とそれに対する所見が報告されています。そして、それに基づいて施設の「Ⅵ.施設課題と基
本方針」が示されています。
策定委員会では、そうした施設の劣化状況を理解した上で、もう一歩踏み込んで、以下のような視点
から議論を行いました。
1
法令等に見る社会状況の変化
(1)劇場、音楽堂等に関する法令制定(巻末資料参照)
同類の文化施設である図書館や博物館は、図書館法(1950 年)
、博物館法(1951 年)に見るよ
うに、戦後いち早く法制面でその位置付けが行われたが、劇場、音楽堂に関しては、明確な規定
のないまま整備されて来た経緯がある。そうした反省から、文化芸術振興基本法が 2002 年定め
られるところとなり、続いて、2012 年「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」
(通称:劇場法)
、
翌 2013 年には「劇場、音楽堂等の事業の活性化のための取り組みに関する指針」が告示されて
いる。これらにより、劇場、音楽堂の役割も明確に整理された。すなわち、これまでの社会教育
的な鑑賞、貸館を中心とした運営からの脱皮が求められ、パルテノン多摩も、従来の「質の高い
芸術の提供」を中心とした、いわゆる「文化の殿堂」としての役割だけにとどまらない地域コミ
ュニティの創造・交流の場となって行く必要がある。
平成 13 年 11 月 文化芸術振興基本法
①
国の施策として自治体や民間の芸術文化活動を積極的に支援していくことが掲げられ、各自治
体が国との連携を図りつつ、
「自主的かつ主体的に」地域の特性に応じた文化政策を展開してい
く責務を明記されている。
(文化芸術の効果)
総則 文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変
わらない願いである。文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとと
もに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れ
ることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである。
平成 24 年 6 月
②
劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(略称「劇場法」
)
劇場、音楽堂等を「文化芸術を継承、創造及び発信する場であり、人々が集い、感動と希望を
もたらし、人々の創造性を育み、共に生きる絆を形成するための地域の文化拠点」、
「国民の生活
においていわば公共財ともいうべき存在」と位置づけ、その活性化に対して国や自治体は責任が
あること明記している。
(劇場、音楽堂の役割) 前文要点
ア 人々が集い、人々に感動と希望をもたらし、人々の創造性を育み、人々が共に生きる絆を
形成するための地域の文化拠点
4
イ 個人の年齢若しくは性別又は個人を取り巻く社会的状況等にかかわりなく、全ての国民が、
潤いと誇りを感じることのできる心豊かな生活を実現するための場
ウ 「新しい広場」として、地域コミュニティの創造と再生を通じて、地域の発展を支える
エ 国際文化交流の円滑化を図り、国際社会の発展に寄与する「世界への窓」にもなる
オ 創られ、伝えられてきた実演芸術を守り、育てていくとは、今を生きる世代の責務
カ 事業を行うために必要な人材の養成等を強化していく
キ 団体及び芸術家、国及び地方公共団体、教育機関等が相互に連携協力して取り組む
ク 短期的な経済効率性を一律に求めるのではなく、長期的かつ継続的に行う
(2)劇場、音楽堂等に関連した建築に関する法令改訂
①
平成 25 年 11 月 建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律(通称:改正耐
震改修促進法)
②
平成 26 年 4 月
安全上重要である天井および天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件
(特定天井)建築基準法施行令の一部改正
③
平成 27 年 4 月
建築物の定期調査報告における調査及び定期点検における点検の項目、方
法及び結果の判定基準並びに調査結果表を定める件(建築基準法施行規則一部改正)
④
平成 26 年 6 月
建築基準法の一部(第 12 条:定期報告制度に関する内容)を改正する法律
(3)バリアフリー等に関する法令制定・改訂
2
①
平成 18 年 6 月
②
平成 28 年 4 月施行 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)
多摩市における文化振興についての法的取組み
多摩市では、文化芸術振興基本法(平成 13 年 11 月)を受けて、
「多摩市における文化芸術振興方針」
を市長決定している。そこでは、目的や基本理念と目標とともに、以下のとおり市の役割とパルテ
ノン多摩の活動方針についても言及している。
① 平成 21 年 12 月 多摩市における文化芸術振興方針(要点を抜粋)
(市の役割と責務)
ア 市民の主体的で日常的な文化活動を支援する。
イ 優れた文化や芸術に身近に触れ、親しめる機会を提供する。
ウ 文化を通じた多摩市の魅力を発信する。
エ 将来を見据え、市民と一緒に取り組みを進める。
オ 歴史・文化の保存と継承の機会を保障する。
(多摩市文化振興財団の役割)
ア 優れた文化芸術を提供し、文化を振興
イ 文化芸術を通した、都市の活性化、コミュニティの醸成
ウ 市民の文化活動を支援
エ 資史料の保存、公開
オ 参加・体験事業
カ 他機関との連携
5
3
多摩市及び多摩センター地域のまちづくりについて
① 少子高齢化と生活スタイルの変化と対応
・ 人口構成の変化に伴い、市税の減少や、福祉関係経費は増加している。ニュータウンの特性
である、高水準に整えられた都市基盤や公共施設も、開発当初の短期間に集中して整備され、
更新の時期である。
・ ニュータウン開発期は都心に通勤する住民のベッドタウンであったが、近年働く場が近隣の
市域で増加している。市民の勤務先は首都圏だけで無く広域にわたっている。また社会現象
として単身世帯やひとり親子世帯が増加している。家族構成の変化に伴い、ライフスタイル
も多様化してきている。
・ 市内の 50 年後の推計高齢化率は 43%となり、14 歳以下の年少人口は 8.2%まで減少と予測
されているが、持続可能なまちの人口動態に近づけるには、多種多様な住戸ストックを持つ
特色を生かして人口の流動化を図るべきである。
②
多摩市及び多摩センター地域の特性と対応
・ 多摩ニュータウンではすでにインフラの整備は終了している。整備された緑豊かな環境や、
歩車道分離の環境は「子育て世代にとって住みやすいまち」となっている。一方、少子高齢
化に対応するためには人口の流動化が必要で、若い子育て世代の流入が必要である。特に高
齢化が偏在している尾根幹線沿いの地域では世代交代の時期に来ている。
・ 市内には、ホールを持つ 2 つの公民館、8 つのコミュニティセンターがあり、それらとの役割
分担、連携体制を明確にする必要がある。また、周辺には多くの大学もあり、ハード、ソフ
トの両面での連携が考えられる。
・ 近年多摩センター地域はベビーカーが目立つまちです。のびのびとした歩行者専用道路の魅
力に気づいた子育て世代が数多く訪れている。週末の中央公園は若い子育て世代であふれて
いる。パルテノン多摩・中央公園・計画中の図書館は連携してこの若い子育て世代を迎え入
れる施設であるべきです。子供が遊び・楽しみ・考え・汗をかき・にぎやかな施設であるべ
きです。
そして後背に広がる子育てしやすい住宅地の魅力を伝える情報発信の施設であるべきです。
パルテノン多摩・中央公園・図書館は子供を大切にする施設あるべきです、そして多摩市の
魅力を伝える「ようこそ多摩へ」の施設であるべきです。
6
4
パルテノン多摩の現状と課題
(1)データから見る利用状況と運営状況
①
利用率
・ 大小ホールの利用率は 60%前後を確保しているものの減少傾向が続いている
・ 練習室の利用率は高く、抽選もれを考えると、更にニーズはあると思われる
・ 会議室は総じて利用が低下しており、特に和室やアトリエは低い
・ ホールとの音漏れ関係から使用できない場合があることが利用率にも現れる
② ホールの利用内容
・ 大ホールは音楽系、特にクラシックが圧倒的に多い
・ 練習についても、バレエ、ダンスについで音楽が多い
・ 舞台、古典芸能の公演は利用率が低い
・ 小ホールは、大ホールに比べて市民利用が多い傾向
・ リハーサル室・練習室は「舞踊」の利用が多いとともに、
「ホールの楽屋」としての利用用途
が見受けられ、楽屋が不足していることが伺える
・ 定着している「音楽」
「市民利用」などのさほど低くはない稼働率を更に上げていくためには、
「演劇」や「舞踏」などの利用を喚起する必要がある
③ 運営状況
・ 運営費(指定管理料)全体については、平成4年をピークに毎年減少を続けており、限られ
た予算であっても事業本数は維持する努力がみられる
・ 人件費は50%の削減しており、人材の確保や育成の観点から憂慮される
・ 収益源として大きなウエイトを占める大ホールや展示スペースの稼働率の伸び悩みは経営に
響く
(2)課題
① 施設上の課題
施設上の課題や社会状況の変化から、各施設の稼働率に差が見られ改善が必要とされる。
ア 老朽化
・老朽化が進行し、安定的な運営や利用者の安全性の確保が困難になってきている。
イ 室性能
・大ホールは、残響時間が長めでクラシック音楽には適していると言えるが、ポピュラー音
楽、ミュージカル、映画等電気音響を用いた催しに対しては難がある。
・過去には演劇公演も一定の利用があったが、大ホールの最大視距離(舞台から最も遠い席
までの距離)が長く、演劇公演のように細かな表情・しぐさまで伝えたい舞台では後方席
に不満がでることから、利用ニーズに対して施設が合っていない。
・比較的需要の多いクラッシックバレエの練習や軽音楽活動等に対して練習室、リハーサル
室の遮音等が不十分で不満がある。
ウ 融通性
・展示スペースが比較的大きく、利用料金もそれなりなので市民には利用しづらい状況があ
る。
・和室やアトリエなど利用率が低い室は、室環境が固定的であることに原因があると思われ
7
る。
エ くつろぎ・交流空間
・練習室・リハーサルエリアでは、その利用前後に多くの人が集まるが、その人たちが待機
したり、くつろぎ、交流する場が不足している。
・様々な諸室があるが、目的を持たずに立ち寄り、いられる場所がない。
・入口にロビーはあるが、通過動線の場といった感じで居心地が良くない。
オ バリアフリー
・多くの箇所でバリアフリー化が現代の要求水準に達していない。
(舞台への動線、楽屋便所、
客席前方の車椅子席等)
カ 動線・ゾーニング
・小ホールでは舞台・楽屋エリアと他施設(練習室エリア)の動線が明確でない。
・事務室から大ホール舞台・楽屋への動線が複雑で、バリアフリー上でも課題がある。
キ 省エネ
・各種設備が古く、現在の省エネ対策に適合していない。
② 運営上の課題
・ 市に文化条例が無いため、パルテノン多摩に求める役割が不明確
・ 本施設の設置条例には具体的な運営方針が明記されていない
・ 音楽に偏り舞台芸術の多様性、創造拠点性が弱い
・ 使用するものが一部市民に固定化され日常的に親しまれる施設になっていない
・ ペデや公園など優れた周辺環境のポテンシャルを活かしきれていない
・ 市民が使いたいやり方などに応えられていない
・ 運営体制の脆弱性は人件費削減の影響があるのではないか
8
5
課題解決のための一つの提案
社会の変化と施設
社会環境の変化に対応し、現在求められる姿に改善する
社会環
体格大型化
座席幅の拡大=客席数減
境
高齢化
客席内段差移動時の安全確保、杖・キャリーバックへの対応
男女雇用均等化
重量物を扱う舞台技術者への健康配慮>吊物CW方式の廃止・電
動巻取方式へ
労働環境
大ホール舞台と連絡の良くない動線
採光・通風のよくない事務室環境改善
遮音性能
室間同士の遮音性確保
技術環境の変化に対応し、ランニングコスト縮減、高度化する演出要求に応える
技術環
省エネ化
空調設備・電気設備(建築・舞台)における最新技術導入
境
演出技術高度化
舞台機構・舞台照明・電気音響におけるデジタル化
演出制御ネットワーク整備
情報技術
セキュリティ保持
交換部品の欠品
従来品が対応できない状況
利用者拡大開拓
既存施設機能の向上、新機能の導入
親しみ
共通入口ホールに
2階共通エントランスホールに活動が溢れ出す室機能の配置転換を
やすさ
人の気配を
図る
創造性
利用の多い練習室
より利用者が増える環境(演劇・伝統芸能等)を整備・機能向上
の充実
WS機能を創造支
工房(舞台上演に必要な衣装・道具・音・作曲・映像・美術作り
援に、展示室の多
)、(役割分担で)みんなが参加できる場所
目的利用化
舞台/
インティメイトな
音楽機能を損ねず、演劇等他公演にも対応できる改修で新しい事
客席の
ホール作りで利用
業・協力者・観客を開拓(アテナ会員の半数が市外在住者、主催
距離感
可能性を広げる
音楽公演の1/4観客が市内在住者)
空間的魅力を向上する
従来ない、他施設にない空間的魅力を作り出す
人・街
大人(高齢者)の
大人のためのシェアスペース(趣味の集い、学び・仕事・健康の
・社会
力を集める
場、おしゃべりの場、何かに参加したい人の場等を通じて人との
の連携
出会いを生み出す)、参考:BUKATSUDO/横浜
社会的
子ども・社会的弱
アール・ブリュット等のためのWSルーム、展示スペース、教育
包摂
者が集まる
プログラム機能向上
人の気配が感じら
閉じた室ではなく、活動が見えるガラス張りないし間仕切りのな
れる空間作り
い、明るく開けた空間構成
9
6
パルテノン多摩再生に当たっての視点
(1)親子が楽しめ、行きたくなる場所であること
(2)市民の自由な文化創造の場であること
(3)新しい広場として、障がい者や高齢者も含め、すべての市民が利用し、文化にふれ、交流できる
場であること
(4)民間のアイデアにより市民が滞留するスペースを想定すること
(5)法令で示された整備水準を適用し、高齢者、障がい者への対応や非常時の安全対策、鑑賞する際
の見易さ、舞台や楽屋のアクセスのしやすさ等に留意すること
(6)初期投資額だけでなく、ライフサイクルコストを重要視すること
(7)ペデストリアンデッキや公園、近接することが想定される図書館などとの連携により、人が引き
寄せられる「地域(まち)
」をつくるあげること
(8)入りやすいことと、そこに居たくなること
7
文化芸術の必要性やパルテノン多摩の役割について共通の認識をもつために
(1)理念と方針
以上の議論を踏まえて、これからパルテノン多摩の改修事業を進めていく中で、共通認識を持
つ必要があると考え、理念と基本方針を設定した。これは、この言葉で決めたというわけではな
く、策定委員会としての一つの提案であり、今後も引き続き議論すべきと考えている。
(2)文化についての議論
劇場法では、文化施設を「心豊かな生活の場」であると位置づけている。文化施設は、文化活
動する人や鑑賞する人だけの場所ではなく、皆がコミュニティを意識しながらつくりあげる場で
あり、国際化の背景においては、世界に開かれた場でなければならないとされている。しかし、
現在の多摩市の文化芸術振興方針等にはその旨についての記載はない。
今後、市民・行政に専門家を含めて、多摩市独自の文化について話し合うことから始め、文化
活動・施設の意義や「文化の必要性」について議論し、共通認識を持つことは重要であると考え
られる。
そしてその先では、それらの議論をまとめて条例とし、多摩市の文化芸術振興施策を市民と共
有することこそが、多摩市の文化芸術振興や、パルテノン多摩を市民と使い倒していくための根
拠となると考える。
10
第2章
施設改修方針
(1).大階段
大階段は,多摩センター駅からパルテノン多摩、さらに多摩中央公園、多摩ニュータウンへと繋ぐ
「まちの広場」として、施設の利用者だけでなくすべての市民が自由に過ごせる日常的な居場所とし
て人々が安心して上り下りできるように整備を行う。施設とっては、屋外のロビーやイベントスペー
スとしての利用、わかりやすいメインエントランスとして改修を行う。
図 9. 改修方針(現状 5 階平面図)
大階段
①大階段の安全性の確保、トップライト廻り・階段の改修
→ 現在、雨もりや安全性の面から立ち入り禁止となっている部分の改善を行う。また、ベンチ階段
や手すりの設置により、階段を降りる際の恐怖感の軽減を図る。
② 市民が気軽に寄り付きやすい施設として、エントランス廻りの整備(サイン計画の見直しや入口
の増設など)を行い、エントランスプラザ・多摩センター駅からのエントランスの視認性を改善する。
③人の溜まる仕掛け
・日除けやベンチによる快適性の導入(大階段上部の列柱との関係性について検討を行う)
→休憩のためのベンチや夏の日射を遮るパーゴラを検討する。
・緑の連続の確保
→現在、大階段には緑がないが、駅から続く緑を公園へ連続させるために、緑化の検討を行う。
・水による潤いの導入(安全面や濡れるといった問題点の改善を行う)
→ 夏の暑さの軽減、施設に人を呼び込む仕掛けとしてウォーターデザインの検討を行う。
11
(2).2階エントランスロビー、博物館(常設展示室、特別展示室、市民ギャラリー)
多摩センター駅から続くペデストリアンデッキから続くエントランスロビーはすべての市民が自由
に滞在し、交流できる他、館内での創作物や展示物、各種イベントなど多様な人・モノと出会うこと
ができる「まちの広場」として改修を行う。
図 10. 改修方針(現状 2 階平面図)
共用部(ロビー・大小ホールホワイエ)
「まちの広場」として計画する。市民の日常的な居場所から地域のイベントの開催、ホワイエ空間
の拡張など、フレキシブルに使いやすくするために、大・小ホールホワイエと共有ロビーを一体的
な空間として整備を行う。
市民ギャラリー
ロビーと一体的な利用など市民ギャラリーの賑わいをロビーに垣間見えるようにするために入口の
ガラス張り化などの検討を行う。
常設展示室・特別展示室
間仕切り壁と撤去し、フレキシブルに利用できるようにする。また展示物については、集客力のあ
る面白い展示や現在の多摩ニュータウンの歴史の活用なども検討を行う。
インフォメーション・受付
見やすい位置に施設のインフォメーションを配置し、施設の各受付への対応や案内を行う。
トイレ
ホールの入口の壁・建具を撤去することで、ホール利用時の数不足を改善する。
エレベーター
開館時間外でもエレベーターが利用できるようにエントランス周辺を改修する。
12
(3).4 階会議室・博物館エリア(ワークショップルーム、マジックサウンドルーム・アトリエ・研究室
・学習室) ティーラウンジ
4 階ティーラウンジ、ワークショップルーム、会議室など多様な諸室があり、大階段・公園から直接
アクセスできることから、館内外の回遊性を高めることで、多世代にわたる人が気軽に立ち寄りやす
く市民の居場所となる計画とする。
図 11. 改修方針(現状 4 階平面図)
会議室(1〜4 )
・アトリエ・和室
現在 第 1 会議室、大ホール・第 2、3 会議室間での音漏れの問題が発生しており、稼働率にも影響
していることから、遮音についての改善を行う。廊下に対して閉ざされてしまっているので、ガラス
張り等によるオープン化も行う。
博物館(ワークショップルーム・マジックサウンドルーム・学習室・研究室)・ティーラウンジ
公園と連続している利点を活かし、中高生を始めとする子供たちや子育て世代など、若い世代を中
心に市民が日常的に利用しやすい居場所として整備し、世代間の交流を図る。
1)子供を室内で遊ばせるスペースや、ベビーカー置き場、授乳室、キッチン(女子会など開催)な
ど子育て関連機能の整備
2)現在有効に利用されているキッズファクトリー(ワークショップルーム)のオープン化や自動演
奏楽器の一部活用など、現在よりも市民に開かれる利用しやすい改善を行う。
3)4 階エリアオープン化し、大階段・中央公園からの館内に寄り付きやすい工夫(入口が分かりやす
い、トイレの充実、イベントや親設図書館との連携など)を行い、館内外の回遊性を高める。
4)現在 2F,ホールなど発表の場は充実しているが創作活動の場が乏しいので、改修後はワークショッ
プスペースなどの整備を行い、また共用ロビーでも展示が行えるといったフレキシビリティを持
たせ、創作物の発信の場として整備を行う。
13
(4). 大ホール
現在の音楽を主目的とした鑑賞型の多目的ホールを、市民の日常的な創造活動や、普及支援な
どの市民が積極的に参加できるホールを目指して改修する。年齢や障害の有無、プロ・アマの違
い等に関わらず、すべての市民が鑑賞・参加し易く、また、音楽だけでなく、演劇、集会、式典等
の、多様な用途に応えられるようにする。
図 12.改修方針(現状 2 階平面図)
大ホール
①.多様な演目に対応し、演目や利用方法を限定しない客席空間として整備を行う。
(前列客席(オーケストラピット)の着脱、7〜800 席規模の演劇や集会にも対応)
②.中通路より後方のサイトラインが悪い(前の人の頭で舞台が見にくい)、舞台までの距離が遠い
点について改善を行う。
③.親子鑑賞室をハンデのある人や年齢の低い子ども、声を出してしまう等の障害を持った人でも対
応可能な場として「多目的鑑賞室」に整備する。
④.多様な舞台利用に合わせ、舞台を客席にせり出した場合にも対応できる舞台設備の整備を行う。
⑤.ホワイエ(下手)
、客席(前列・中通路)
、舞台に車椅子でアクセスできるように改善する。
⑥.客席の空間の幅がやや広いため、客席の中央部〜後方への反射音がやや届きにくい、また、コン
クリートや石が多い事による音質の固さといった音響性能についても向上を行う
⑦.多様な演目(演劇など)に対して音響性能(残響時間)も適切なものとする
14
⑸ 小ホール
300席規模の小ホールは、音楽や演劇等の様々な演目を全ての市民が観客のみならず利用者(出
演・制作など)としても
気軽に利用できるホールに改修を行う。
図 13.改修方針(現状 2 階平面図)
小ホール
①バリアフリー化により、舞台、客席前列に車椅子の人でも自由にアクセスできるように改善を行う。
客席の段差が段によって異なることによる危険性に対処する。
②現在の明るい色調を暗くニュートラルにし、また、テクニカルギャラリー兼サイドバルコニー席
の設置の改善を行い、客席の鑑賞方法の多様化、舞台演出(照明装置、音響スピーカーなど)の幅
を広げるといった、多様な演目に対応できる改修を行う
③全体的にサイトラインが悪い(舞台までの視界に前の人の頭が入り見にくい)点の改善を行う。
④「親子鑑賞室」の整備を行う。
15
(6)1 階・エントランス、事務室、練習室
エントランス廻りでの受付、案内、各諸室・館外からのアクセスに留意した改修を行う。
事務室の規模の見直し、更衣室の新設、諸室の用途、規模の見直しなど再構成する。
図 14. 改修方針(現状 2 階平面図)
練習室 1・2・リハーサル室
バレエやダンスの目的での利用が多く利用率も高いが、更衣室の不足などの改善を行う。
ホールの楽屋として利用も考慮し、練習室の追加、新設も検討する。
練習室、リハーサル室とホールその他の各諸室との間の遮音については、改修による遮音性能の改
善と、大きな音が発生する利用についての同時利用を避けるといった対応で改善を図る。
事務室
現在の事務室の適切な人数と、受付のコンパクト化(2 階総合受付に集約)などにより、規模を見直
し、受付の位置を分かりやすく改善を行う。
共用ロビー
練習室・リハーサル室利用者や、その付き添いの方の待合スペースの整備を行う。
現在のエントランスの位置にあるスロープの改善を行う。
16
⑺ シティサロン・レストラン・回廊
多摩中央公園への来訪者が、気軽に立ち寄り、利用しやすく、公園の拠点(溜まり場)となるよう
に再整備を行う。
図 15. 改修方針(現状 5 階平面図)
[シティサロン・レストラン]
公園側からの館内へ人を引き込むために、シティサロン・レストランを公園の拠点(溜まり場)と
して再整備(テナント化など)を行う。
[回廊・エレベーター]
現在も様々な通過動線としてエレベーターは利用されているが、施設開館時間外(5 階→2 階間)で
の利用も可能にし、5 階エリアに人が寄り付きやすくなることを図る。
17
資料編
(1)文化施策としての背景
まず国の法律や方針を背景に、パルテノン多摩は多摩市でどのような役割を果してきたのか。
多摩市の文化施策を「多摩市における文化芸術振興方針」から読み解いた。
文化施策の根拠となる国の基準はどこに求めるのかという点では、日本国憲法
第25条から抜粋
「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という記述をはじまりとし
て、以下の通りの資料にあるような経緯による。
劇場・ホールに関する法令(文化政策/バリアフリー/指定管理/建築)
平成 13 年 11 月
文化芸術振興基本法
平成 14 年 12 月
文化芸術の振興に関する基本的な方針
第 1 次基本方針(閣議決定)
、第 2 次(平成 19 年)
、第 3 次(平成 23 年)、第 4 次
(平成 27 年)
平成 18 年 6 月
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法、こ
れに伴い、ハートビル法と交通バリアフリー法は廃止)
平成 15 年 9 月
指定管理者制度/地方自治法改定、第 244 条の 2(公の施設の設置、管理及び廃止)
平成 22 年 12 月
指定管理者制度の運用について(助言)価格競争でない・労働法令遵守・適切な
運用
平成 18 年 12 月
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令
平成 24 年 6 月
劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(略称「劇場法」
)
平成 24 年 7 月
高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準改訂(劇場、競技場等
平成 27 年 7 月
の客席・観覧席を有する施設に関する追補版)の策定
平成 24 年 9 月
文化審議会文化政策部会提言「東日本大震災から学ぶ文化力による地域と日本の
再生」
平成 25 年 3 月
劇場、音楽堂等の事業の活性化のための取り組みに関する指針(文部科学省告示)
平成 25 年 6 月制定・ 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)
平成 28 年 4 月施行
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律施行令
平成 25 年 11 月
建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律(改正耐震改修促進
法)の主な改正点
平成 26 年 4 月
安全上重要である天井および天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件(特定
天井)建築基準法施行令の一部改正
平成 27 年 4 月
建築物の定期調査報告における調査及び定期点検における点検の項目、方法及び
結果の判定基準並びに調査結果表を定める件(建築基準法施行規則)
図1.劇場・公共ホールに関する法令 (出典 本杉委員長の提供資料より)
18
(2)地域の特性、変化
・少子高齢化と生活スタイルの変化
人口構成が変化することに伴い、歳入に大きな割合を占める市税の減少や福祉関係経費の増加ととも
に、ニュータウンの特性である高水準で整えられた都市基盤や公共施設も一時期に集中して整備された
ことにより、老朽化に伴う更新の時期も重なってくるなど、財政面でも大きな課題に直面している。
ニュータウン創設期には都心に通勤する人口が多かったが、最近では働く場が近隣の市で増加してお
り、市民の勤務先は首都圏だけで無く広域にわたっている。また単身世帯やひとり親子世帯の増加など
の家族構成の変化に伴い、市民のライフスタイルも多様化してきている。
「高齢化の進展」
初期入居者の高齢化
(第 1 世代)
住宅の流動化が進まない
都内ではトップに近い高齢化
「子供世代の流出」
団塊ジュニアの流出
(第 2 世代)
少子化の進展
人口減少・若年人口減少
図2.多摩市の人口構成推移
(出典 第 7 回基本計画策定委員会 尾中委員提供資料)
分析
<単身世帯とひとり親子世帯の増加>
↓
量確保から質確保へ
↓
家族構成の変化への対応(核家族の細分化)
住戸面積の拡大
↓
ライフスタイルに合わせた住戸整備
↓
住宅ストックの活用と維持
図3.転換期を迎える住宅政策
(出典 第 7 回基本計画策定委員会 尾中委員提供資料)
19
分析
高齢化地域の偏在
尾根幹線道路沿いの地域に偏在
流動化しにくかった分譲団地に偏在
小規模な地域での高齢者偏在は特異なケース
高齢者偏在地域の特性と社会変化
(駅から徒歩限界 2Km の圏内。ほどほどの利便性)
(偏在地域の住戸が流動化しやすいコストに変化)
(住戸のバリエーションが多く転入居時の選択幅が広い)
(就業の場が近辺に増加・核家族の細分化)
↓
人口問題研究所の予測に?・・・
(消滅予測の地方中山間地域との相違。)
図4. 多摩市内の高齢化 (出典 第 7 回基本計画策定委員会 尾中委員提供資料)
(3) パルテノン多摩の利用と運営状況から考える
①利用件数と稼働率
a.ホールの利用件数と稼働率
b.会議室の利用件数と稼働率
20
②ホールの利用内容
a.大ホールの利用状況
b.小ホールの利用状況
③市が負担する運営コスト(図5 年度毎の収入)
21
(4) 多摩市の地域特性
多摩市が保有する緑豊かな環境やインフラの充実などの強みを活かすことで、周辺地域と比べて子育
て世代にとって住みやすいまちとなる可能性を多く秘めている。住宅ストックを活用したライフスタイ
ルの多様化に合わせた住戸のバリエーションや整備方法などにより、今後の若年層の流入も期待できる。
公園・緑地などのみどり環境が整備
公園整備はほぼ終了している
歩行者専用道路網も緑化されている
荻窪公園
一人当りの公園面積率が高い⇒16 ㎡/人・区部 4.5 ㎡/人
緑環境が整っている⇒緑被率 43.6%・区部 16%
セミの羽化など自然観察会が気軽に行われている
のんびりとした子育て環境が整っている
分析
中央公園
27 年度都建設局都市公園調査による
セミの羽化観察
図6. 豊富な緑地・公園 (出典 尾中委員提供資料)
(5)地域内の公共施設・文教施設との差別化、棲み分け、連携
図7. 多摩市内公共施設・大学のマップ (出典 第 7 回基本計画策定委員会尾中委員提供資料)
22
(6)「基本計画策定委員会での意見まとめ」(第 1 回から第7回まで)
■建築・設備に関する意見
全体
①誰もが居心地の良い居場所である視点も浮かび上がってきているが、ど
うも日本の公は堅いイメージ、ドイツ語の公の意味は開いているという
意味を含んでおり、これが今後必要になるのではないかと思う。
②ペデストリアンデッキから繋がる歩行者専用のルートがあり、車と一切
接触せずに家に帰ることが出来る子育てには非常に向いた場所。改修計
画の中にも子育て世代に優しい施設を多く作って差別化も出来るのでは
ないか。
③今回の改修は元に戻すだけでなく将来の街の在り方を解いてゆく必要が
ある。震災の際にも文化施設の多くは避難所として機能したことを参考
に。
④子育て世代が使いやすい施設にしてほしい
⑤共用部・オープンスペースの効果的活用と運営について、下記 3 点に沿
って検討を進めてほしい。
・創造性
現在は発表の場はあるが、今の4F ワークショップスペースのような、
もの作りの場が弱いので、これを強化してほしい。各分野、得意とする
外部の方を引き入れる場になる様に。
・新しい広場
障がい者等を含め様々な人が利用し交流できる場としてほしい
・民間との協働
民間の経験を導入し、直接文化に関わらない大人も活動できるシェアス
ペースのあり方を検討していきたい。
⑥多摩センター地域のまちづくりとして、子どもが集まりやすい環境を整
えるべき。
⑦事業費を考えると、施設としての特色が出せるのは 20.5 億円の範囲。
的を絞って実施するのが現実的と考える。例えば特別展示室を多目的利
用の場として新たに創設し、既存の室の特徴を伸ばすという選択もある。
但し、伸ばす特徴自体の選択が必要。
⑧公共施設を存分に使い尽くすという考えは素晴らしい。渋谷ヒカリエ 8
階のイベントスペース「ハチ」は、駅からは遠いが催し物を年中行うと
いう仕掛けが成功し、わざわざ 8 階まで人が集まってくる。パルテノン
多摩も仕掛けを作らないと使い尽くすことはできない。
⑨エレベーターなどを利用してパルテノン多摩を公園への通路として使っ
てほしい。公園までの途中にホール・会議室等があり、面白いものがあ
れば寄り道をするというイメージが良い。
⑩いわき市の事例では公園内にトイレを設けないで、ホール施設のトイレ
を公園利用者に使ってもらい施設に引き込む仕掛けをした。積極的に施
設の中に入ってきてもえるようになり、文化に興味がない人にもきっか
23
けとなり新しいお客さんになることもある。
外観・外回り
①大階段の上部列柱は多摩センターの原風景として心に刻まれている。ア
クアポリスの丘の上に建つパルテノン宮殿とダブル風景である。大階段
上部にテントを張って列柱が見えにくくなることに懸念がある。
②子どもたちにとって良い街になってほしい。トイレや授乳室位置が分か
りにくい。水盤は子供にとっては楽しいだろうが、子育て世代の親とし
ては、安全面や濡れることによる後始末等が大変であることから評判が
良くない。
③まちにとって、景観は大事にすべきと思う。多摩センターを降りて見上
げると、そこにパルテノン多摩があるという印象は強い。
2 階フリースペース
①エントランス周りは人が滞留できるようなスペースがあると良い。
②横浜市の事例だが、BUKATUDO は日常的に市民が利用できるように
工夫した事例。この場所で何をするかは参加する人が自ら決めるという
運営方法。多摩市のポテンシャルを生かして、平日、夜間を含め、パル
テノン多摩で人が行きたい場所をつくり、いつでも人が集い交流し、活
動できる仕掛けを考える必要がある。今はあまり使われていない 2 階の
展示室や 4 階にそのような場所を設定することで、下階に人を呼び込む
効果も期待できる。
③横浜市の事例では「全ての市民がアーティストである」という理念が良
い。誰しもが自分のいいところを出し合って社会に参加するというのは
素晴らしい考え。
④パルテノン多摩で同様の取り組みが出来たらよいと思う。
4 階フリースペース
①キッズファクトリーについては、知っている人が使うと良いと感じる機
能であるが、知名度が低いので、もっと開かれるような工夫が欲しい。
②子供を室内で遊ばせるスペース、ベビーカー置場、授乳室等の子育て関
連施設は、公園レベル(4階)にあった方が良い。
③4F にカフェライブラリーを設けるのであれば、同フロアにも授乳室が
あると良い。また、コンビニのような機能もあれば、人々が立ち寄りや
すくなると思う
④4F は、外部カフェテラスで実施している中央公園の祭り等イベントと
の繋がりが持てる場所なので、今回の計画では活用方法の多様性が生ま
れる。持続的かつフレキシブルに利用できるような運用方針を検討して
いきたい。
⑤日曜日になれば公園にたくさんの人がいるのに、公園側からパルテノン
多摩4階に入る入口の表示がなくわからないのが残念。館内に引き込む
サイン等の工夫があればよい。現在の様に、目的がある人だけが訪れる
施設とならないようにしてほしい。
ホール
①何事も平均点を取ろうとすると、何にも使い勝手が悪いというホールに
24
なる。そこは市民のみなさんと話し合っていくと、こういうホールとし
て使いたいという特化したホールにもできると思う。
②舞台までの距離が長く、子供が飽きてしまうことがある。客席だけでな
く、母子室も同様。
③舞台利用では非常に聞きとりにくい面がある。残響時間の問題と思う。
④既存の利用目的だけでなく、多様な舞台利用が増えてきている。舞台自
体が客席にせり出すことで、ホールの距離感が近くなることは確かであ
り、手間はかかっても客席を脱着式とすること等で対応可。但し、照明、
音響等の設備対応も必要となってくる。
⑤大小ホールの利用が重なると、現状のエントランスホールの広さでは入
場待機者のさばき方に課題がある。
⑥ホワイエ内のサービスコーナーの運用頻度が低く感じられる。
⑦大ホールについては、演劇が満足に鑑賞できるよう、残響時間の適正化
は対応してほしい。
⑧舞台周りの壁面は、演目イメージに支障しないよう、舞台近くは黒目の
仕上げにする等、フラットな仕上げを検討してほしい。
⑨母子鑑賞室についての考え方について、
「母子」という限定的な使い方で
はなく「多目的室」として来場者の要望に応じた多目的利用の自由度は
持たせ、ハンデのある方や年齢の低い子どもが泣く、声を出す事がある
等の方々に対してもソフト対応の場として用意してあると望ましいと考
える。
⑩ホールについて、最近では利用方法を限定するようなつくりだと利用が
減る傾向にある。
⑪小ホールは発表会等の市民利用が多い。舞台や舞踊利用が少ない。
また、リハーサル室・練習室は舞踊の利用が多いとともに、ホールの楽
屋としての利用用途が見受けられる。これは現状では楽屋が不足してい
ることが想定される。
展示室
①歴史ミュージアムは、壁面の調整等で特別展示室と空間を一体的にし、
フレキシブルな利用が出来ないか。博物館機能についても検討を進めて
ほしい。特別展示室は、奥まっていて入口も分かりにくい。
②市民ギャラリーや特別展示室で、多種用途の催しを開催できるよう様、
ハード、ソフトの面で対応してほしい。ハード面では特に音漏れ対策や、
簡易的なステージ・客席の対応等。
③域内と域外の人が交流する事が重要な場として考えている。タウンミー
ティング、イベント、スクール、ラボ、セミナー等、今度こういうのを
やってみようという地域の人が使える場所を設けることはどうか。
④2F 特別展示室・市民ギャラリーが閉鎖的で利用頻度・内容が分かりに
くく、入りづらい。利用方法の一例として、20~30 人程度の子供バレ
エ発表会等、別施設で好評だった経験から、子どもたちのための小さな
25
イベントが出来るようなスペースがあれば良いのではないか。
⑤間仕切りを変更し、ガラス張りのスペースにすれば、多目的で開放的に
使える環境になるのではないか。
⑥市民ギャラリー及び展示室を利用用途の制限をせず柔軟に使えることが
重要。
⑦パルテノン多摩が他市の市民ホールと違う点は市民の歴史や文化につい
て、知ることができる場があること。今あるものを活かして市民が学べ
る場所を大切にして残して欲しいと思う。
⑧劇場と博物館の機能を持つ施設として、公園法上の申請をしているので、
博物館機能は存続させる必要がある。博物館機能を決められた場所だけ
でなく、ロビー・屋外テラス・大階段などに出ていくべき。
⑨子供たちが行きたいと思えるような博物館としてほしい。博物館の企画
展示を大人は見たいと思うが、子どもを誘っても嫌がられてしまう。
⑩劇場と博物館の 2 つの機能が 1 つの施設に入っていることを活かし、両
機能の融合が図れれば意味が高まる。例えば座・高円寺は壁一杯に子ど
もが作った 1 つのパッチワーク作品を飾ったこともある。キッズファク
トリーで作ったものを 1 つの作品として展示できる共用空間とかがあっ
てもいい。
練習室、リハーサル室
①1F 小ホールまでの通路で、練習室等の利用者が着替えを行っているた
め、小ホールの楽屋にたどり着くまでに困難なことがある。1F に更衣
室があればよい。
②1F リハーサル室は空調の効きが悪すぎるので、改善してほしい。
③1F には利用者や保護者等の待機場所が無い。計画案では事務所レイア
ウトを変更し、滞留できるスペースを確保しているが、小ホール利用者
や事務用の動線が区別できれば更に良いと思う。
その他
①5F シティサロンにコンビニ機能を設けても公園から人を引き込めると
考える。商業的な表現であるシャワー効果も得られる。
②和室の必要性については考え直したほうがいい。
③中央公園が子育て世代に人気なのは、広くて遮るものや遊具等がなく、
広々のんびりできる点だと思う。道路に接していないのが良い。ただ、
ベビーカー置場や自転車置き場、荷物の置き場書が少ない。パルテノン
多摩に荷物が多いときのためのロッカーがあれば買い物等のついでに寄
りたくなる。
■運営に関する意見
文化条例、指針に関する意 ①多摩市としての条例は市民を交えて将来的には制定することを前提とし
見
て、今回の大規模改修を考えるべき。公演鑑賞、市民利用の側面だけで
なく、いかに生活を良くしていくための施設であるかを加味する必要が
ある。条例に含める言葉の定義も考えていくべきで、策定にあたっては
公共性、人権、社会包摂、地域課題の解決等の観点も大切にすべき。条
26
例が絵に描いた餅にならないように、「文化基本計画」と、「評価シス
テム・評価審議機関」も必要。
②条例策定の際には、パルテノン多摩での文化施策だけでなく、大階段で
演劇を行うというアイディアを受け、パルテノン大通り等の街の空間を、
規制緩和等でもっと使いやすくしたりするのもよいと思う。それにより
パルテノン多摩が立ち寄りたいと思える場所になればいいと思う。
③多摩市芸術振興方針について市民に知られていない。また方針が市長決
定で策定されているが、市民の意見が反映されているようには見えない。
条例を制定する場合には、市民とともに作り上げることが必須と考える。
市が芸術活動を規定するのではなく、活動を尊重・支援はするが、介入
はしないというスタンスを明確にし、盛り込んでほしい。
④文化芸術振興に関する法は、活動・施設の拠り所となるものであるため、
効果を期待して設置するものではないのではないか。むしろ意義あるこ
と・ものを認め、方向性を定めるもの。文化活動・施設など必要ないと
いう意見なども含めて、市民や議会が自分たちの文化について話し合う
ことから始まる。「文化の必要性」について言及し共通認識を持つこと
が非常に重要。
⑤劇場法では、文化施設を心豊かな生活の場であると位置づけている。文
化施設は文化活動する人や鑑賞する人だけの場所ではなく、皆がコミュ
ニティを意識しながらつくりあげる場であり、国際化の背景で世界に開
かれなけれた場でなければならないとされる。これらが多摩市芸術振興
方針には書かれていない。そうした内容を含め議論し検討したほうがよ
い。
⑥運営についても理念が不十分であった。文化施設には知識と情熱の両方
が必要で、遅きに失してはいるが今後文化振興条例などの整備が必要で
ある。
⑦恵まれた一部の人が文化的なものを享受していると思う。そうではなく
て、子育て世代や働く世代等、いろんな世代の多様な人々が文化を享受
できるの場が、公共文化施設だと思う。
⇒公共文化施設の社会的な役割を考えることが重要。
施設利用のルール
①施設を余すところなく使い倒せるようにするためには、規約上の利用用
途制約がハードルとなっている。
②必要に応じて、パルテノン多摩の利用規制を緩和して、交流が活発とな
る様にする必要がある。
③どの自治体でも規制が問題として上がるが、運営形態によっては規制を
自治体側で緩和することを前提に議論している経緯がある。パルテノン
多摩も規制を緩和することで色々な文化の発信センターとなることが期
待できる。周辺施設と連携して、コミュニティセンターや学校などの空
室状況等を確認できればよい。
④今後の運営方針がないと、素晴らしい施設が出来ても、使用制限等がか
けられてしまって、利用が増えないのでは意味が無い。運営規則に則り
27
規制するのではなく、出来るための対策を運営サイドで提案を出して、
共に考えるような施設としていきたい。市民活動を支援する施設である
とともに、市民が一緒になって考えられる施設であって欲しい。
⑤公園利用者のエレベーターの利用しやすさ改善や、パルテノン多摩トイ
レ利用の促進は、張り紙をする程度で今でも改善対応できる内容。大規
模改修のタイミングを待たずしても直近で実施できることは、対応して
も良いと思う。せっかくの設備があっても、利用されていないのではも
ったいない。
管理運営者
①場所を準備するだけでなく仕掛けが必要で、コーディネーターが必要。
②ただ集まるというだけでは交流は生まれない。来た人をつなげるという
明確な意思を持ったコーディネーターがいないと難しい。財団職員や市
民が核となって、交流の仕掛けを作っていければよい。
施設全体の運営
①休日はにぎわっていても、平日は動いていないではなく、使い倒す視点、
仕組みを考えるべきであるし、そこには費用を掛けてでも、それ以上の
成果として見えてくるように考えると良いと思う。
②ハレの舞台であるがゆえに敷居が高いと感じる。市民が気軽に使える施
設になってほしい。
③施設の中のデッドスペース等を有効活用し、日常的に活動するスペース
の設置を今後検討した方が良い。ただし、スペースだけを設けるだけで
は機能しないので、運営的な仕掛けが必要。
④資料から読み取れるのは、大ホールはクラッシック等音楽公演が多く、
公演だけでなく練習利用も多いこと。演劇公演が当初に比べ減っている
のは運営者側の支援が不足してきているからなのか、演劇が行いにくい
環境からきているのか等の要因が考えられる。
⑤事業費 80 億円の内訳の見える化を進める必要がある。受益者負担と行
政負担の見える化をした上で、市民との議論をしなければならない。
⑥運営面の方針策定が必要と感じる。例えば、子供の為、学生の為といっ
た、極端な方針としても良いと思う。
⑦例えば吉祥寺だと、特段の仕掛けがなくても若者が集まってくる。それ
は子育て環境がいいのがひとつ。パルテノン多摩で未来の子供たちをど
う育成するか、どう呼び込むか、どのくらい工夫できるのかを考えてい
く必要がある。
⑧パルテノン多摩を子供を育てる場にして欲しい。
⑨一般の方の要望は今後吸い上げていくシステムのようなものがあると
良いと思う。中央公園に人が集まっているのは、SNS での口コミの力
が大きい。
ホールの運営
①耐用年数については、舞台設備は電子機器が多いので、適切な期間を設
定し、ストックマネジメント計画を策定してほしい。
②文化的なものを見たら、「買う」、「触る」といった、すぐにアクショ
ン出来る商業的な部分が弱い。特に「買う」に対する側面。
フリースペース
①日常的にその空間に滞在する人たちで子どもたちを見守れるような仕
組みを準備すれば、保育所を兼ねられる。
28
②場所のプロポーザルで民間の活力を取り込むなど、民間が容易に参入で
きる仕組みがあってもよいのではないか。
⇒どこまでを民間に委託するのかは早く議論が必要。
③4 階についてフリースペースとの位置づけであれば、作りつけずに軽い
椅子、簡易なパーテーション等、様々なレイアウトが出来るようにフレ
キシビリティを持たせる。
④使う人同士が自然と交流するためには、コーディネーターのような役割
の人が必要と考える。単純に場所だけを作っても、交流が自然発生的に
起こるのは難しい。
⑤2 階のフリースペース化によって、展示スペース等を設ければ、ここは
人が集まる部分であるため、人の目につく機会が増える。
⇒様々な人にとっての活動しやすい場を設けることが必要。展示も幅広い
世代へ向けてのものが良い。
⑥空間に動かせるものを設置して自由に使ってもらう。ロッカー等のもの
をおいておける場所があると活動には広げやすい。
⑦パルテノン多摩に来られない人にはどうやって活動を届けるか考えて、
幅広い人に合わせる必要がある。
⑧今後、高齢化の中で市の収入も厳しくなっていく中では、収入を得る仕
組みも必要だと思う。
⑨しっかりと整備されているのが多摩センターの特徴。反対にもう少し
様々な用途が入り混じっているような部分があってもよいと思う。座・
高円寺ではきちんとしているレストランにごちゃごちゃした絵本の読
める場が併設されているような運営事例もある。
博物館
①市民協働プログラムについては、博物館の長年にわたる積み重ねが花開
き、今の成果につながっていると思う。今後も継続して市民協働が実施
されることを願っている。共に豊かになっていくかどうかという市民協
働の視点が大切。
外部
①パルテノン多摩は、大階段やエントランス広場、公園といった周辺環境
に特徴があるので、どこで何をやっても許容され、創造性を駆り立てる
場が醸成されればよい。
②駅、商業施設とゾーンとして成り立つと考えるとパルテノン多摩が、周
辺地域との連携していくことが大切。現状は建物に来ないと公演情報が
分からないよう状況であるが、まちに発信していく仕掛けも必要。
③多摩市の特性を活かすならば、大学があるので大学との連携もひとつ。
特に大学の文化施設の活用は大学にも市にも利点がある。
④非常に大きい建物であるため、有事の際に、避難場所として認識される
ような施設にした方が良いと思う。
29