マレーシア 製造業投資 政策 • 優遇措置 • 制度 マレーシアの概要 面積 33万平方キロメートル (12万7千平方マイル) Vancouver 政治機構 13州からなる連邦国家 Chicago 統治制度 立憲君主制、議会制民主主義 Boston New York San Jose Los Angeles 連邦首都 クアラルンプール Houston 行政地区 プトラジャヤ 人口 2,860万人 主な民族 マレー系、中国系、インド系、 ガダザン系、イバン系 主な言語 マレーシア語(公用語)、英語、中国語、 タミル語 主な宗教 イスラム教、仏教、キリスト教、 ヒンズー教 Buenos Aires 時差 GMT+8時間 米国東部標準時間+13時間 (日本との時差-1時間) 気候 熱帯性気候‐一年を通じて暖かく、 晴天の日が多い。 気温は日中は33℃、夜間は22℃。 通貨 マレーシア・リンギット(RM) 1リンギットは100セン(sen) 為替レート リンギットの為替レートは、 主要な外国通貨に対する、 管理変動相場制で運用されています。 著作権 本書の内容を、マレーシア投資開発庁(MIDA)による書面許可無く、電子、 複写(コピー)、録画、またはその他のあらゆる形態や手段によって、再発行 したり、検索システムに保存したりすることを禁じます。 2012年4月改定 最新の情報は、 マレーシア投資開発庁(MIDA)の ホームページ(http://www.mida.gov.my) でご確認ください。 免責事項 マレーシア投資開発庁は、掲載情報について発行時点での最新性と正確さ に万全を期していますが、本書の掲載情報の間違いや記入漏れに関しては 責任を負いかねますことをご了承ください。 © MIDA- All rights reserved Stockholm London Amsterdam Frankfurt Munich Vienna Zurich Milan Paris Rome Istanbul Beijing Seoul Tokyo Osaka Shanghai Cairo New Delhi Karachi Mumbai Taipei Guangzhou Dubai Yangon Bangkok Hong Kong Vientiane Phnom Manila Penh H.C. Minh City MALAYSIA Singapore Kuala Lumpur B.S. Begawan Jakarta Johannesburg Sydney Cape Town Auckland Perlis Kedah Penang Kelantan Terengganu Perak M A L A Y S I A Sabah Pahang Selangor Kuala Lumpur Negeri Sembilan Melaka Sarawak Johor ロケーション マレーシアは、赤道より少し北にあたる、東南アジアのかなめに位置しています。マレーシアは、アジア大陸最南端にある マレーシア半島の11の州と、ボルネオ島北西部の海岸沿いにあるサバ州とサラワク州からなっています。 マレーシア投資開発庁(MIDA)事務所の所在地 国際通商産業省(MITI)は、更なるマレーシア経済 の成長を促すため、工業活動の発展の陣頭指揮を執 っています。国際通商産業省の傘下機関として、マ レーシア投資開発庁(MIDA)は国家の工業発展の 促進と調整を担っています。 マレーシア投資開発庁は、製造業やサービス産業の プロジェクトをマレーシアに設立することを計画し ている投資家にとって、最初のコンタクト窓口とな ります。本部をマレーシアの首都クアラルンプール に構え、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地 域、アフリカを網羅する24ヶ所におよぶ海外事務 所のグローバル・ネットワークを構築し、マレーシ アでの製造業プロジェクトやサービス活動の設立に 関心のある投資家をサポートする体制を整えていま す。さらに、投資家の事業実施と運営を円滑にする ため、マレーシア国内には12ヶ所の国内事務所を 様々な州に設置しています。 マレーシアへの投資の可能性をお調べになりたい方 は、マレーシア投資開発庁にご連絡ください。詳細 情報を提供し貴社の意思決定をサポートさせていた だきます。(マレーシア投資開発庁本部、国内事務 所、海外事務所の連絡先住所は、巻末をご参照くだ さい。) 事業を始める ......................................................................................................................... 投資優遇措置 ....................................................................................... 税制 ...................................................................................................... 入国手続き ........................................................................................... 人的資源 ............................................................................................... 銀行・金融・為替管理 ............................................................................. 知的所有権の保護 ................................................................................ 環境マネージメント ................................................................................ インフラ整備 .......................................................................................... 連絡先住所 目次 第1章 事業を始める 1. 製造業プロジェクトの認可 1.1 1.2 1975年工業調整法 製造業プロジェクト認可のガイドライン 2. 会社設立 2.1 2.2 2.3 2.4 マレーシアでの事業形態 会社設立手続き 外国企業の登録 E-サービス 3. 出資比率政策のガイドライン 3.1 3.2 製造業における出資比率政策 外国投資の保護 第3章 税制 3 1. マレーシアの税制 75 4 2. 課税対象所得の種類 75 4 3. 法人税 75 4 5 7 9 4. 個人所得税 3 9 9 10 第2章 投資優遇措置 4.1 4.2 居住者たる個人 非居住者たる個人 76 76 79 5. 源泉税 79 6. 不動産譲渡益税 79 7. 販売税 80 8. サービス税 81 9. 輸入税 81 10. 物品税 82 11. 関税上訴裁決機関と関税判定 82 12. 二重課税条約 82 1. 製造業に対する優遇措置 17 2. 農業部門に対する優遇措置 25 3. 航空宇宙産業に対する優遇措置 32 4. バイオテクノロジー産業に対する優遇措置 33 5. 観光産業に対する優遇措置 34 第4章 入国手続き 6. 環境マネージメントに対する優遇措置 39 1. マレーシア入国の際の要件 7. 研究開発に対する優遇措置 43 8. 医療機器産業に対する優遇措置 45 9. 研修に対する優遇措置 46 1.1 1.2 1.3 パスポートまたは旅行証明書 ビザの要件 必要なパス 2. 外国人駐在員の雇用 2.1 2.2 外国人駐在員ポストの種類 外国人駐在員の雇用に関する ガイドライン 87 87 87 89 91 91 92 10. 認可サービス事業に対する優遇措置 49 11. 船舶・輸送機器産業に対する優遇措置 50 12. MSCマレーシアに対する優遇措置 50 3. 外国人ポストの申請 93 13. 情報通信技術(ICT)に対する優遇措置 51 4. 外国人労働者の雇用 93 14. 製造関連サービスに対する優遇措置 52 15. 経営統括本部に対する優遇措置 52 16. 国際調達センター(IPC)/地域流通センター (RDC)に対する優遇措置 55 第5章 人的資源 1. マレーシアの労働力 97 17. 駐在員/地域事務所 58 2. 人的資源の開発 97 18. 財務マネージメント・センター(TMC) に対する優遇措置 60 19. マレーシアにおける産業デザイン・サービス の提供に対する優遇措置 62 20. 私立学校とインターナショナル・スクール に対する優遇措置 62 21. その他の優遇措置 63 2.1 2.2 2.3 工業技能訓練施設 人的資源開発基金 管理職 97 98 99 3. 労働力コスト 99 4. リクルートの手段 99 5. 労働基準 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 1955年雇用法 サバ州とサラワク州の労働法令 1991年被雇用者積立基金法(EPF) 1969年被雇用者社会保障法 1952年労働者災害補償法 1994年職業安全保健法 6. 労使関係 6.1 6.2 6.3 労働組合 1967年労使関係法 労働組合が組織されていない企業の 労使関係 100 100 100 101 102 102 102 105 105 105 106 第6章 銀行・金融・為替管理 1. マレーシアの銀行制度 1.1 1.2 1.3 中央銀行 金融機関 マレーシア国際イスラム金融センター 2. 輸出信用リファイナンス 2.1 2.2 2.3 融資の方法 融資期間と融資額 払い戻し 3. マレーシアの証券市場 3.1 3.2 マレーシア証券委員会 ブルサ・マレーシア 4.3 109 109 111 112 112 112 112 112 112 113 140 3. 水供給 140 4. 通信サービス 141 5. 航空貨物輸送 141 6. 港湾 142 144 10. MSCマレーシア 144 非居住者による投資と金融活動 居住者による投資と金融活動 特許 商標 工業デザイン 著作権 半導体集積回路のレイアウト・デザイン 地名の表示 117 117 118 123 123 123 124 124 124 125 規制対象事業に対する環境 インパクト・アセスメント 環境インパクト・アセスメント (EIA)調査実施者 用地適正評価 書面による建設告知と許可 焼却炉・燃料燃焼設備・煙突の 設置に対する書面による許可 規定建物と規定乗り物の占有ライセンス ガス状排出物と廃水の基準 オゾン破損物質の規制 特定廃棄物の管理 3. 環境マネージメントに対する優遇措置 7.1 7.2 143 コンテナー輸送 貨物輸送 143 143 連絡先住所 行政機関 149 関連団体 150 国際通商産業省(MITI)海外事務所 152 マレーシア貿易開発公社(MATRADE)海外事務所153 マレーシア貿易開発公社(MATRADE)国内事務所156 マレーシア投資開発庁(MIDA)国内事務所 157 マレーシア投資開発庁(MIDA)海外事務所 158 バック ポケット 付属資料 I • 奨励事業および奨励製品リスト - 一般 付属資料Ⅱ • 奨励事業および奨励製品リスト – ハイテク企業 130 付属資料Ⅲ • 奨励事業および奨励製品リスト – 小規模企業 133 付属資料 IV • 奨励事業および奨励製品リスト – 特定産業 134 134 134 付属資料 V • 奨励事業および奨励製品リスト – 再投資 129 2. 環境に関する必要事項 2.6 2.7 2.8 2.9 2. 電力供給 9. 鉄道サービス 1. 政策 2.3 2.4 2.5 139 139 140 143 第8章 環境マネージメント 2.2 139 工業団地 自由地域 保税工場 8. 高速道路 1. 知的所有権の保護 2.1 1.1 1.2 1.3 7. 貨物運送 第7章 知的所有権の保護 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1. 工業用地 114 5. 為替管理制度 5.1 5.2 109 ラブアン金融サービス庁(ラブアンFSA) 114 ラブアン国際ビジネスセンター(IBFC) 115 のビジネス活動 オフショア金融サービスに対する 115 優遇措置 4. オフショア金融サービス 4.1 4.2 第9章 インフラ整備 129 135 135 135 135 136 1 第1章 事業を始める 1. 製造業プロジェクトの認可 1.1 1975年工業調整法 1.2 製造業プロジェクト認可のガイドライン 2. 会社設立 2.1 マレーシアでの事業形態 2.1.1 2.1.2 2.2 会社設立手続き 2.2.1 2.3 現地法人が守るべき要件 外国企業の登録 2.3.1 2.4 会社形態 有限責任株式会社 登録手続き E-サービス 3. 出資比率政策のガイドライン 3.1 製造業における出資比率政策 3.2 外国投資の保護 第1章 事業を始める 1. 製造業プロジェクトの認可 1.1 1975年工業調整法 マレーシアの1975年工業調整法(ICA)は、マレーシアにおける製造業の調和の とれた発展と成長を維持することを目的としています。 株主資本(shareholders' funds)がRM250万以上、またはフルタイム(常勤) 有給従業員を75人以上雇用する製造業企業は、1975年工業調整法(ICA)に基づ き、国際通商産業省(MITI)に対し製造ライセンスの取得を申請する必要がありま す。 製造ライセンスの申請は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。マレー シア投資開発庁(MIDA)は、マレーシアの工業発展の促進と調整を担う、国際通 商産業省(MITI)傘下の政府機関です。 工業調整法(ICA)には、以下の通り規定されています。 • 「製造活動」とは、物品や物質を使用、販売、輸送、引き渡し、処理する 目的で、それらを製作、加工、混合、装飾、仕上げまたは処理、適合する ことを指し、これには部品の組立てや船舶の修理は含まれますが、通常小 売りや卸売業に分類される活動は含まれません。 • 「株主資本(shareholders' funds)」とは、企業の払込資本金、剰余金、 払込剰余金残高、利益処分勘定残高の総計と定義されています。 - 払込資本金とは優先株と普通株の合計で、固定資産の再評価で得た 資本準備金により発行された特別配当株(ボーナスシェア)は含ま れません。 - 剰余金には、固定資産の再評価で得られた資本準備金、償却、更新、補 充の積立金、資産価値の減少に当てる引当金は含まれません。 - 払込剰余金残高には、固定資産の再評価で得た資本準備金により特別配 当株(ボーナスシェア)をプレミアム発行した際に計上された分は含ま れません。 • 「フルタイム有給従業員」とは、通常該当事業所での労働時間が1日6時 間以上、且つ年間平均労働日数が月20日以上で、当該事業所から給与を受 け取っているすべての者と定義されています。 これには、出張販売、エンジニアリング・サービス、メンテナンス、修理に携 わる者で、該当事業所の管理下にあり給与を受け取っている者も含まれます。 また、会社の取締役で経営に参加し報酬を受け取っている者は、役員会に出席 するだけの役割に対して取締役料を受け取っている場合以外、フルタイム有給 従業員に含まれます。定期的に給与や手当を受け取っている家族従業員で、被 雇用者退職積立基金(EPF: Employees Provident Fund)や、他の退職年金制 度に加入している人もフルタイム有給従業員に含まれます。 3 1.2 製造業プロジェクト認可のガイドライン マレーシアにおいて、投下資本(Capital Investment)と従業員(Employee)の比 率:C/E比率に基づき工業プロジェクトとして認可の対象とするかどうかのガイ ドラインを設けています。C/E比率がRM55,000以下のプロジェクトは労働集 約型産業とみなされ、製造ライセンスや税制優遇措置の対象にはなりません。 しかし、以下のいずれかの条件を満たす場合は、上記のガイドラインが免除さ れます。 • 付加価値が30%以上の場合。 • 経営(Managerial)、技術(Technical)、管理(Supervisory)に従事する者の 全従業員に占める割合:MTSインデックスが15%以上の場合。 • ハイテク企業のための奨励事業および奨励製品リストに該当する奨励活動 や製品製造に従事するプロジェクト。 • 製造ライセンスを申請する既存企業(以前は免除されていた場合)。 生産能力の拡張と生産品目の多角化 生産能力の拡張や、追加製品の製造による生産品目の多角化を希望する製造ラ イセンス取得済み企業は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に申請する必要があり ます。 2. 会社設立 2.1 マレーシアでの事業形態 マレーシアでの事業形態は以下の通りです。 i. 自営の個人事業。 ii. 2人以上(ただし20名以下)によるパートナーシップ。 iii. 1965年会社法(CA)の規定に基づき登記された現地法人や外国企業。 マレーシアにおけるすべての個人事業およびパートナーシップは、1956年事業 登記法に基づきマレーシア企業委員会(SSM)へ登録しなければなりません。パ ートナーシップの場合、その資産が不十分である際には、個々の各パートナー は負債や債務に対して共同または別々に責任を負います。法的強制ではありま せんが、各パートナーの権利義務を規定するために正式なパートナーシップ証 書を作成することもできます。 2.1.1 会社形態 1965年会社法は、マレーシアにおけるすべての会社を管理しています。どのよ うな事業を行う際にも、マレーシア企業委員会(SSM)に会社の登記を行わなけ ればならないことが会社法により規定されています。 1965年会社法に基づき法人化できる会社形態は3種類あります。 事業を始める 4 i. 有限責任株式会社とは、出資者の責任が、会社の基本定款によって、未払 いも含む所有する株式の額までと限定されるという原則に基づき設立され た会社。 ii. 保証有限責任会社とは、会社清算時の出資者の責任が、会社の基本定款お よび付属定款によって、会社の資産に寄与した額までと限定される会社。 iii. 無限責任会社とは、出資者の責任に限度を定めないという原則に基づいて 設立された会社。 2.1.2 有限責任株式会社 マレーシアで最も一般的な会社形態は、有限責任株式会社です。有限責任株式 会社は、非公開有限責任会社(社名の一部に、「Sendirian Berhad」または 「Sdn. Bhd.」という文字があるかによって識別できます。)か、公開有限責 任会社(社名の一部に、「Berhad」または「Bhd.」という文字があるかによっ て識別できます。)のいずれかの形態で法人化されています。 基本定款や付属定款に以下のような記載がある場合は、非公開会社として株式 会社を設立することができます。 i. 株式譲渡の権利を制限している。 ii. 株主の数を50人以下に制限している。ただし、当該企業またはその子会社 の従業員および元従業員を除く。 iii. 株式および社債の公募を禁止している。 iv. 利子付きか利子無しに関わらず、期限付きの請求時支払勘定での供託金の 公募を禁止している。 公開会社として会社を設立することも可能ですし、あるいは、非公開会社とし て設立された会社を1965年会社法第26条の規定に従って公開会社に変更するこ ともできます。公開会社は、下記の条件を満たすことによって株式を一般公募 することができます。 i. 発行目論見書が証券委員会に登録されている。 ii. 交付日または交付日前に、発行目論見書がマレーシア企業委員会(SSM) に提出されている。 公開会社は、証券取引所の規定に従うことを条件として、ブルサ・マレーシアへ の株式の上場を申請することができます。株式の追加発行(有利発行やボーナ ス発行、買収時の株発行)については、証券委員会の承認が必要となります。 2.2 会社設立手続き 会社を設立するには、設立会社の予定社名使用可否を確認するために、所定の 書式13Aに手数料RM30(申請社名1つにつき)を添えてマレーシア企業委員 会(SSM)に申請しなければなりません。希望の会社名が使用可能である場合、 申請は認可され、その社名は申請者のために3ヶ月間保持されます。 会社名の認可日から3ヶ月以内に、下記の設立書類をマレーシア企業委員会(SSM) に提出しなければなりません。 5 i. 基本定款と付属定款(Memorandum and Articles of Association)。 ii. 規定遵守に関する宣言書(Declaration of Compliance)(書式6)。 iii. 取締役または発起人として就任する者の法定宣言(書式48A)。 iv. 下記の追加資料 • Form 13Aの原本。 • 社名の認可を通知したマレーシア企業委員会(SSM)からの文書の写し。 • 取締役全員と会社秘書役の身分証明証の写し、外国人取締役の場合はパ スポートの写し。 基本定款(The Memorandum of Association)には、登録時に提案された会社の 社名、事業目的、授権資本金(該当する場合)や、一株当たりの金額、株式発 行予定数を記載します。 付属定款(The Articles of Association)には、会社運営と事業活動に関する社内 管理規定を記載します。 会社設立証書が交付されたら、会社は法人となり、企業法人として機能するこ とができ、訴訟を起こしたり告訴されたりすることが可能となります。また、 会社の社印(common seal)により、例えば土地保有など永久継承権を有すること ができます。将来会社を解散する場合には、株主は1965年会社法の規定に従い 会社の資産を供出し負債弁済の義務を負います。 現在では、2010年4月1日以降導入された、シングル・インターアクション・ カウンターで、現地会社の法人化は、その日のうちに(1日)で完了します。 会社の法人化-2010年4月1日付けのクライアント憲章 マレーシア企業委員会(SSM)は、申請の手続き、認可、登録を、下記の記載さ れた期限内に、スピーディかつ正確に行います。 活動 期間 会社登記 会社の法人化 1日 ステータスの変更 1日 会社名の変更 1日 公開会社の事業開始 1日 負債の登録 2日 信託証書の認可 5日 目論見書の登録 3日 証書なし会社文書の写し 30分 目論見書の登録 1時間 * 会社名の認可のみに対する申請は、会社の法人化前にできます。 ** 要する期間は、支払いが受領されてから証明書が発行されるまでの期間です。 事業を始める 6 2.2.1 現地法人が守るべき要件 会社は、会社法の規定で求められているすべての帳簿や文書を保管する事務所 をマレーシア国内に登録しておかなければなりません。社章と書類には、ロー マ字ではっきりと明記された会社名と会社番号が表示されていなければなりま せん。 会社は自己株式を取引きしたり、持株会社の株式を保有したりすることはでき ません。公開会社の株式は、株主総会での投票時に一株につき一議決権を有し ます。しかし、非公開会社は株主の議決権を多様に規定することができます。 会社秘書役は、マレーシアを主要な又は唯一の居住地とする成年たる自然人で なければなりません。秘書役は規定された組織(会社秘書役協会など)の会員 か、マレーシア会社登記局により許可を得た者でなければなりません。また会 社は、マレーシアにおける会計監査人として認定された会計監査会社を任命し なければなりません。 さらに会社は、マレーシアを主要な又は唯一の居住地とする取締役を最低2 名指名しなければなりません。公開会社やその子会社の取締役は、通常70歳 を超えてはなりません。取締役が株主にもなることは必ずしも必要ではあり ません。 2.3 外国企業の登録 外国企業は、下記のようにしてマレーシアで事業を行うことができます。 i. 現地法人を設立する。 ii. マレーシアに支店を登録する。 外国企業は、1965年会社法によって下記のように定義されています。 i. マレーシア国外で法人化された会社、企業、共同体、団体、またはその他 の組織。 または、 ii. 出所国の法律に基づいて訴えたり、訴えられたりすることが可能、または、 資産を所有する目的で正式に任命された秘書や他の職員の名義で資産を所 有している、または、本社あるいはビジネスの主要拠点をマレーシアに持 っていない、法人化されていない共同体、団体、またはその他の組織。 2.3.1 登録手続き i. 申請者は、まず初めに、設立する会社用に提案している社名が、使用可能 かどうかを確定するために、社名検索をおこなわなければなりません。外 国企業の登録のために使用される社名は、その出所国で登録された社名と 同様でなければなりません。 申請書は書式13Aを使用し、申請する社名1つにつきRM30の手数料を添 えて、マレーシア企業委員会(SSM)に提出しなければなりません。希望す る会社名がマレーシア企業委員会(SSM)によって許可されると、認可日か ら3ヶ月間有効となります。 7 ii. 認可されたら、申請者は以下の登録書類を、認可日から3カ月以内にマレー シア企業委員会(SSM)に提出しなければなりません。 a. 外国企業の登記簿謄本。 b. 外国企業の設立許可書、基本定款と付属定款、または設立を定義してい るその他法律文書の認証謄本。 c. 書式79(取締役の詳細と詳細の変更についての外国企業による報告書)。 外国企業の現地取締役のメンバーに、マレーシア居住の取締役がリスト に含まれている場合、外国企業に代わって執行できる権限について明記 された基本定款を、マレーシア企業委員会(SSM)に提出しなければなり ません。 d. 該当外国企業に送達されるべき通知を、外国企業に代わって受け取る、 マレーシアに居住する人物を指名した任命書または委任状。 e. 書式80(外国企業の代理人による法定宣言書)と、書式13Aの原本か らなる追加書類と、マレーシア企業委員会(SSM)からの外国企業の社名 許可の文書の写し。 注:記述されている登録書類が、マレーシア語または英語以外の言語で ある場合、マレーシア語または英語に訳され公証された翻訳が必要とな ります。 ⅲ. 登録料はマレーシア企業委員会(SSM)に下記の通りに支払います。 授権資本金(RM) 料金(RM) 100,000まで 1,000 100,001 - 500,000 3,000 500,001 - 1,000,000 5,000 1,000,001 - 5,000,000 8,000 5,000,001 - 10,000,000 10,000 10,000,001 - 25,000,000 20,000 25,000,001 - 50,000,000 40,000 50,000,001 - 100,000,000 50,000 100,000,001超 70,000 登録料金を確定するために、まず、外国企業の名目資本金を、一般的な相 場レートでマレーシア通貨(リンギット・マレーシア)に変換しなければ なりません。 外国企業が、資本金提示していない場合、定額RM1,000をマレーシア企業 委員会(SSM)に支払います。 ⅳ. 登録書は、登録手続きの順守と、完全にそろった登録書類の提出をもって、 マレーシア企業委員会(SSM)により発行されます。 事業を始める 8 ⅴ. 認可されたら、会社またはその代理人は、1965年会社法の順守を確実に する責任があります。会社の詳細、会社名、授権資本金におけるいかなる 変更も、変更日から1カ月以内に、必要な費用と共にマレーシア企業委員 会(SSM)に報告しなければなりません。すべての会社は、適正な会計帳簿 を保持していなければなりません。歴年に一度、年次報告書をマレーシア 企業委員会(SSM)に提出しなければなりません。 注:外国人には、弁護士、事務弁護士、会計士、秘書業務会社のサポート を受けることが勧められています。 2.4 E-サービス E-サービスは、ビジネスを行うにあたり、例えば、カウンター・サービスとい った従来方式に代わるものとして、マレーシア企業委員会(SSM)によって導入 されています。これによって、書類の提出(E-ロッジメント・サービス)や、 会社情報やビジネス情報の入手(E-インフォメーション・サービス)が可能と なっています。支払いは、クレジットカード、口座自動引落とし、前払い口座 引き落としでできます。 E-ファイリングとしても知られているE-ロッジメントは、企業、ビジネス関係 者、任命者は、法定必要書類を、マイ政府ポータル/公共サービスポータル (PSP)を通してインターネットで提出することができ出来ます。E-インフォ・サ ービスでは、会社情報やビジネス情報がオンラインで購入できます。 詳細情報は、マレーシア企業委員会(SSM)のホームページwww.ssm.com.myま たはwww.ssm-einfo.com.myをご参照ください。 3. 出資比率政策のガイドライン 3.1 製造業における出資比率政策 マレーシアは常に製造業への投資を歓迎しています。また、製造業事業へのマ レーシア人の参画が高まることを願って、マレーシア政府はマレーシア企業と 外国投資家との合弁を奨励しています。 新規、拡張または多角化事業に対する出資比率政策 2003年6月以降、輸出比率や製品/業種にかかわらず、あらゆる新規事業への投 資や、既存企業による拡張/多角化プロジェクトへの投資において、100%の外 国資本保有が認められています。 出資比率ガイドラインは次のケースにも適用されます。 i. これまで製造ライセンスの取得が免除されていた会社が、株主資本金を RM250万以上に増資したことにより、または従業員の数が75人以上に達 したことにより、製造ライセンスの取得が必要となった場合。 ii. 製造ライセンスを取得している既存の会社で出資比率条件の適用を除外さ れていた場合で、株主資本金がRM250万以上に達したため、出資比率の条 件を遵守することが要請される場合。 既存企業に対する出資比率政策 2003年6月17日以前に既に企業に課された出資比率や輸出比率は、そのまま継 続されます。 しかし、企業はこれらの条件を取り除くよう申請することができ、それぞれの プロジェクトがもたらすメリットに応じて認可されます。 9 3.2 外国投資の保護 安全な投資環境を創出しようとするマレーシアの政策が評価され、現在マレー シアには40カ国以上から8,000社以上の国際的企業が海外拠点を設置していま す。 株主所有権 出資が認められた企業は、当初の認可条件を守り、認可された事業内容を維持 している限り、その出資比率の変更を求められることはありません。 投資保証協定 投資保証協定(IGA)の締結に対するマレーシアの取り組みは、マレーシアに対す る外国投資家からの信頼を高めたいという政府の願いのあらわれです。 投資保証協定(IGA)は以下のことを保証しています。 • 国有化や収用からの保護。 • 国有化あるいは収用があった際、迅速かつ適切な賠償を保証。 • 利益、資本、その他支払いの送金の自由を保証。 • 1966年以来マレーシアが加盟している投資紛争解決協定(Convention on Settlement of Investment Dispute)に基づく投資紛争解決を保証。 マレーシアは以下の国やグループと投資保証協定(IGA)を締結しています。 (アルファベット順) グループ * 東南アジア諸国連合(ASEAN) * イスラム諸国会議機構(OIC) 国 アルバニア アルジェリア アルゼンチン オーストリア バーレーン バングラデシュ ルクセンブルク ボスニア・ヘルツェゴビナ ボツワナ ブルキナファソ カンボジア カナダ チリ共和国 中国 クロアチア キューバ チェコ共和国 デンマーク ジブチ エジプト エチオピア フィンランド フランス ドイツ ガーナ ギニア ハンガリー インド インドネシア イラン イタリア ヨルダン カザフスタン 北朝鮮 大韓民国 クウェート キルギス ラオス レバノン マケドニア マラウイ モンゴル モロッコ ナミビア オランダ ノルウェー パキスタン パプアニューギニア ペルー ポーランド ルーマニア サウジ・アラビア セネガル スロバキア スペイン スリランカ スーダン共和国 事業を始める 10 スウェーデン スイス シリア・アラブ共和国 台湾 トルコ トルクメニスタン アラブ首長国連邦 アメリカ合衆国 英国 ウルグアイ ウズベキスタン ベトナム イエメン ジンバブエ 投資紛争解決協定 外国投資を促進し保護するために、マレーシア政府は、投資紛争解決協定を 1996年に批准しました。この協定は国際復興開発銀行(IBRD)の支援により制定 されたものであり、ワシントンにあるIBRD本部内の投資紛争解決国際センター を通じて、国際的調停や仲裁を処理しています。 クアラルンプール地域調停センター クアラルンプール地域調停センターは、マレーシア政府が協力・支援している政 府間機関であるアジア・アフリカ法律諮問機関 (Asia-African Legal Consultative Organisation (AALCO))の主導のもと、1978年に設立されました。 非営利機関であるこのセンターは、アジア・太平洋地域をカバーしています。 このセンターは、この地域内や地域間の貿易、通商、投資に従事する当事者の 利益のため、紛争を解決するシステムを提供することを目的としています。 契約締結、契約違反、契約終結、契約無効、またはそれに関連して生じるいか なる紛争、論争、要求は、クアラルンプール地域調停センターの調停規定に従 い、調停によって解決することが可能です。 11 事業を始める 12 2 第2章 投資優遇措置 1. 製造業に対する優遇措置 2. 農業部門に対する優遇措置 3. 航空宇宙産業に対する優遇措置 4. バイオテクノロジー産業に対する優遇措置 5. 観光産業に対する優遇措置 6. 環境マネージメントに対する優遇措置 7. 研究開発に対する優遇措置 8. 医療機器産業に対する優遇措置 9. 研修に対する優遇措置 10. 認可サービス事業に対する優遇措置 11. 船舶・輸送機器産業に対する優遇措置 12. MSCマレーシアに対する優遇措置 13. 情報通信技術(ICT)に対する優遇措置 14. 製造関連サービスに対する優遇措置 15. 経営統括本部に対する優遇措置 16. 国際調達センター(IPC)/地域流通センター(RDC)に対する優遇措置 17. 駐在員事務所と地域事務所 18. 財務マネージメント・センター(TMC)に対する優遇措置 19. マレーシアにおける産業デザイン・サービスの提供に対する優遇措置 20. 私立学校とインターナショナル・スクールに対する優遇措置 21. その他の優遇措置 投資優遇措置 1. 2. 製造業に対する優遇措置 17 1.1 製造企業に対する主な優遇措置 (i) パイオニア・ステータス (ii) 投資税額控除(ITA) 1.2 ハイテク企業に対する優遇措置 1.3 戦略的プロジェクトに対する優遇措置 1.4 中小企業に対する優遇措置 1.5 機械機器製造に対する優遇措置 1.5.1 選定された機械機器製造に対する優遇措置 1.6 自動車産業に対する優遇措置 1.6.1 自動車産業用の重要で高付加価値な 部品やコンポーネントの製造に対する 優遇措置 1.6.2 ハイブリット車や電気自動車に対する 優遇措置 1.7 パーム油バイオマスの活用に対する 優遇措置 (i) 新規企業 (ii) 再投資を行う既存企業 1.8 製造業部門に対する追加的優遇措置 (i) 再投資控除 (ii) 加速減価償却 (iii) 電力安定化機器に対する加速減価償却 (iv) セキュリティー・コントロール機器に 対する加速減価償却 (v) 工業用ビル・システムに対する優遇措置 (vi) 輸出増加価値に対する免税 (vii) グループ控除 17 17 17 18 18 18 19 19 20 20 23 23 24 6.3 6.4 農業部門に対する優遇措置 25 6.5 2.1 25 25 25 26 27 27 27 28 2.2 2.3 農業部門に対する主な優遇措置 (i) パイオニア・ステータス (ii) 投資税額控除 (iii) 食品生産に対する優遇措置 ハラル製品に対する優遇措置 (i) ハラル食品製造に対する優遇措置 (ii) その他のハラル事業に対する優遇措置 (iii) ハラル認証、品質システム基準認証の 取得費用に対する二重控除 農業部門に対する追加的優遇措置 (i) 再投資控除 (ii) 資源利用型産業への再投資に 対する優遇措置 (iii) 食品加工業への再投資に対する 優遇措置 (iv) 加速減価償却 (v) 農業控除 (vi) 認可農業事業の資本支出に対する 100%控除 (vii) 輸出増加価値に対する免税 (viii)食品用のコールドチェーン設備や サービスを提供する企業に対する 優遇措置 (ix) ラタンおよび木製品の輸出の際の 運送料に対する二重控除 21 21 21 21 22 22 22 23 23 6.8 7. 32 33 4.1 33 34 34 34 34 観光産業に対する優遇措置 34 5.1 35 35 9. 35 35 35 36 36 36 37 37 37 37 38 38 38 38 39 森林プランテーション事業に対する優遇措置 39 危険廃棄物の貯蔵・処理・処分に対する 39 優遇措置 廃棄物リサイクルに対する優遇措置 40 エネルギー保存に対する優遇措置 40 (i) エネルギー保存サービスを提供する企業 40 (ii) 自社内でエネルギー保存を行う企業 41 再生可能なエネルギー資源を使用した 41 発電事業に対する優遇措置 自社用の再生可能なエネルギー発電に 41 対する優遇措置 グリーン・ビル認証を取得した建物に対する 41 優遇措置 環境マネージメントに対する加速減価償却 42 研究開発に対する優遇措置 43 7.1 43 43 43 44 44 7.2 8. バイオテクノロジー産業に対する 優遇措置 15 6.7 31 31 4. ホテル・観光事業に対する優遇措置 (i) パイオニア・ステータス 6.6 30 30 30 32 5. 6.1 6.2 29 航空宇宙産業に対する優遇措置 4.2 6.環境マネージメントに対する優遇措置 28 28 29 3. バイオテクノロジー産業に対する 主な優遇措置 バイオネクサス・ステータス企業に対する バイオテクノロジー融資 (i) シード・ファンド (ii) 研究開発マッチング・ファンド (iii) 国際ビジネス開発マッチング・ファンド 対する免税 5.2 (ii) 投資税額控除 (iii) ホテルや観光事業への新規投資実施 に対する強化優遇措置 (iv) ホテル・観光事業への再投資に対する 優遇措置 (v) ヘルスケア・トラベルに対する優遇措置 (vi) ヘルスケア・トラベルに対する追加的優 遇措置 (vii) 豪華ヨット関連産業に対する優遇措置 観光産業に対する追加的優遇措置 (i) 海外でのプロモーション活動に対する 二重控除 (ii) 認可トレード・フェア参加に対する 二重控除 (iii) 旅行会社に対する免税 (iv) 国際会議と国際見本市の促進に対する 免税 (v) 文化的パフォーマンスに対する控除 (vi) レンタカー業者に対する優遇措置 (vii) 輸出増加額に対する免税措置 研究開発に対する主な優遇措置 (i) 請負(コントラクト)研究開発(R&D)企業 (ii) 研究開発(R&D)企業 (iii) 社内研究開発 (iv) 研究開発活動への再投資に対する 優遇措置 (v) 公的研究機関の商業化に対する 優遇措置 研究開発に対する追加的優遇措置 (i) 研究開発に対する二重控除 (ii) 研究成果を商業化するための研究者に 対する優遇措置 44 45 45 45 医療機器産業に対する優遇措置 45 8.1 45 45 医療機器検査研究所に対する優遇措置 (i) 医療機器検査用の新規検査研究所に 投資する企業 (ii) 医療機器検査用の既存検査研究所を 改良する企業 46 研修に対する優遇措置 46 9.1 9.2 46 47 47 研修に対する主な優遇措置 研修に対するその他の優遇措置 (i) 従業員リクルートの費用に対する 二重控除 (ii) 雇用前研修に対する控除 (iii) 従業員以外の研修に対する控除 (iv) 現金による寄付に対する控除 (v) 特別産業建物控除 (vi) 教育施設に対する免税 (vii) ロイヤリティ支払いの免税 (viii)認可された研修経費の二重控除 (ix) 人的資源開発基金(HRDF) 47 47 47 47 48 48 48 48 (x) 組織的なインターンシップ・ プログラムに対する免税 (xi) 奨学金の授与に対する優遇措置 10. 48 49 認可サービス事業に対する優遇措置 49 10.1 認可サービス事業に対する主な優遇措置 (i) 1967年所得税法第127条による免税 (ii) 1967年所得税法第7B条の投資控除(IA) 10.2 認可サービス事業に対する追加的優遇措置 49 49 49 49 18. 財務マネージメント・センター(TMC) に対する優遇措置 18.1 18.2 18.3 18.4 19. 産業建物控除 財務サービス/適格サービス 優遇措置 その他の便益 60 60 60 61 62 マレーシアにおける産業デザイン・ サービスの提供に対する優遇措置 62 11. 船舶・輸送機器産業に対する優遇措置 50 11.1 船舶運営に対する免税 11.2 コンテナー先頭車やトレーラーに対する 販売税の免税 12. MSCマレーシアに対する優遇措置 12.1 MSCマレーシア・ステータス企業に対する 主な優遇措置 13. 情報通信技術(ICT)に対する優遇措置 14. 16. 20. 私立学校とインターナショナル・ スクールに対する優遇措置 62 50 21. その他の優遇措置 63 50 51 13.1 情報通信技術(ICT)の使用に対する優遇措置 (i) 加速減価償却 (ii) 運営費に対する控除 (iii) 輸出増加額に対する免税 51 51 51 52 製造関連サービスに対する優遇措置 52 (i) パイオニア・ステータス (ii) 投資税額控除 15. 50 50 52 52 製造関連サービスに対する優遇措置 52 15.1 経営統括本部(OHQ) 15.2 OHQステータス、優遇措置、 その他の便益の認可 15.3 出資比率条件 15.4 優遇措置 15.5 その他の便益 15.6 外国人駐在員の雇用 15.7 経営統括本部(OHQ)ステータスを 認可された居住会社に対する 外国為替管理(FEA)の柔軟性 15.8 その他の外国為替管理(FEA)の柔軟性 52 53 国際調達センター(IPC)/ 地域流通センター(RDC)に対する 優遇措置 56 16.1 16.2 16.3 16.4 56 57 57 57 IPC/RDCステータスの認可 出資比率条件 優遇措置 国際調達センター(IPC)や地域流通センター (RDC)ステータスを認可された居住会社に 対する外国為替管理(FEA)の柔軟性 16.5 その他の外国為替管理(FEA)の柔軟性 16.6 その他の便益 16.7 外国人駐在員の雇用 17. 駐在員事務所と地域事務所 17.1 17.2 17.3 17.4 17.5 17.6 17.7 17.8 定義 駐在員事務所 地域事務所 認められる活動 認められない活動 資格条件 設立の期間 外国人駐在員の雇用 54 54 55 55 55 56 58 58 58 58 58 58 59 59 59 59 59 59 21.1 21.2 21.3 21.4 産業建物控除 MSCマレーシア内の産業建物控除 監査費用に対する控除 ベンチャー・キャピタル産業に対する 税制優遇措置 21.5 資産の撤去や移転のための 費用に対する税制優遇措置 21.6 所有権取得に対する優遇措置 21.7 特許や商標に登録する中小企業に対する 税制優遇措置 21.8 関税に関する優遇措置 (i) 原材料やコンポーネントに対する 輸入税の免除 (ii) セット用医療機器の輸入に対する 輸入税の免除 (iii) 機械・機器の輸入に対する輸入税と 販売税の免除 (iv) スペアパーツや消耗品に対する 輸入税と販売税の免除 (v) 製造活動のアウトソースに対する 輸入税と販売税の免除 (vi) メンテナンス、修理、整備(MRO)事業に 関する輸入税と販売税の免除 (vii) 太陽光発電システム機器に対する 輸入税と販売税の免除 (viii)エネルギー効率機器に対する 輸入税と販売税の免除 (ix) ハイブリット車や電気自動車に対する 輸入税と物品税の免除 (x) 販売税の免除 (xi) 輸入税、販売税、物品税の払戻し 21.9 輸出に対する優遇措置 (i) 輸出促進に対する単純控除 (ii) 輸出促進に対する二重控除 (iii) 輸出信用保険料に対する二重控除 (iv) 船積み運賃に対する二重控除 (v) マレーシア・ブランド名のプロモーション に対する二重控除 (vi) 倉庫に対する特別産業建築物償却制度 (vii) ロゼッタネットの実施に対する優遇措置 21.10 環境保全設備の利用に対する優遇措置 21.11 環境保護活動への寄付 21.12 従業員の住宅施設に対する優遇措置 21.13 従業員の託児所に対する優遇措置 投資優遇措置 16 63 63 64 64 64 64 65 65 65 65 66 66 66 66 66 67 67 68 68 68 68 69 70 70 70 70 70 70 71 71 71 第2章 投資優遇措置 マレーシアでは、直接税と間接税の双方において税制上の優遇措置が認められ ます。根拠となる法律は、1986年投資促進法、1967年所得税法、1967年関税 法、1972年販売税法、1976年物品税法、および1990年自由地域法です。これ らの法律に基づく優遇措置は、業種として、製造業、農業、観光業(ホテル業 を含む)と特定サービス産業およびR&D(研究開発活動)、職業訓練事業、環境 保護事業を対象としています。 直接税の優遇措置とは、一定の期間、法人税の全部または一部が免除されるこ とで、一方、間接税の優遇措置とは、輸入関税、販売税、および物品税が免除 されることです。 1. 製造業に対する優遇措置 1.1 製造企業に対する主な優遇措置 製造業部門に投資する企業に対する主な税制上の優遇措置は、パイオニア・ス テータスと投資税額控除(ITA)です。 パイオニア・ステータスと投資税額控除の認可基準は、付加価値のレベル、使 用される技術の高さ、産業間連携強化への寄与など特定の優先事項に基づいて います。対象となる事業と製品は、「奨励事業」または「奨励製品」(付属資 料Ⅰ:奨励事業および奨励製品リスト‐一般 参照)といわれています。 (ⅰ) パイオニア・ステータス パイオニア・ステータスを認められた企業は、法人税納付の一部免除を5年間 受けることができます。この場合、生産日(生産レベルが生産能力の30%に達 した日と定義)から始まる免税期間中、法定所得*の30%に対してのみ課税され ます。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、繰 り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くことがで きます。 パイオニア・ステータスの申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出しま す。 * 法定所得は、所得総額から収益的支出と基本控除を差し引いて算出されます。 (ⅱ) 投資税額控除(ITA) パイオニア・ステータスの代わりに、投資税額控除(ITA)を申請することができ ます。投資税額控除を認められた企業は、最初に適格資本的支出が発生した日 から5年間に発生した適格資本的支出(認可プロジェクトで使用される工場、 プラント、機械、その他設備)の60%に相当する控除が得られます。 企業は、この控除で該当賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。 未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 法定所得の残りの30%には、現行の法人税率が課税されます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 17 1.2 ハイテク企業に対する優遇措置 ハイテク企業とは、最先端技術分野における奨励事業や奨励製品の製造に従事 する企業のことです(付属資料Ⅱ:奨励事業および奨励製品リスト‐ハイテク企 業 参照)。ハイテク企業は、下記の優遇措置の対象となります。 i. 5年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 ii. 最初の資本的支出が発生した日から5年間に発生した適格資本的支出の60 %に相当する投資税額控除。この控除で、該当賦課年度の法定所得の全額 を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌 年以降に繰り越すことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 ハイテク企業は以下の基準を満たさなければなりません。 i. 総売上に対するマレーシア国内での研究開発費の割合は、少なくとも年間 1%を占めること。企業には、この条件を満たすために、繰業日または事 業開始から3年間の猶予が与えられています。 ii. 大学卒業資格あるいはディプロマ(短大・専門学校卒)を取得し、関連分 野で最低5年間の経験を持つ理科系か技術系スタッフの総数が、全従業員 数の少なくとも15%を占めること。 1.3 戦略的プロジェクトに対する優遇措置 戦略的プロジェクトとは、国家に重要な製品の生産や事業活動に係わるプロジ ェクトのことです。これらは通常、長期計画期間と多額の設備投資を伴い、高 度な技術を備え、統合的で、広範囲な産業間連携を創出し、経済に多大な影響 を与えるプロジェクトのことです。戦略的プロジェクトは、下記の優遇措置の 対象となります。 i. 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 ii. 最初の資本的支出が発生した日から5年間に発生した適格資本的支出の 100%に相当する投資税額控除(ITA)。この控除で、該当賦課年度の法定所 得の全額を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用される まで、翌年以降に繰り越すことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 1.4 中小企業に対する優遇措置 中小企業(SME) 2009年賦課年度から、所得税の賦課や税制優遇措置の目的のため、中小企業の 定義は、RM250万以上の払込資本金を持つ他の企業が該当企業をコントロール できないように、該当賦課年度の年度初め時点において普通株による払込資本 金がRM250万以下のマレーシア居住会社と改定されました。 投資優遇措置 18 中小企業は、課税対象所得RM50万までに対して、20%の軽減法人税の対象と なります。残りの課税対象所得には、25%の法人税率が適用されます。 小規模製造企業 株主資本がRM50万未満で最低60%のマレーシア資本を有する、マレーシアで 設立された小規模製造企業は、以下の優遇措置の対象となります。 i. 5年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 ii. 5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除。この控 除で該当賦課年度の法定所得の全額を相殺することができます。未利用の 控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 個人企業やパートナーシップの場合も、新規の非公開有限会社か有限責任会社を 設立し現在の生産活動を引き継ぐことによって、この優遇措置を申請することが できます。 2012年3月2日から、この優遇措置の対象となるには、小規模企業は下記の基準 に該当しなければなりません。 i. 付加価値が少なくとも25%であること。 ii. 経営(Managerial)、技術(Technical)、管理(Supervisory)に従事する者の 全従業員に占める割合:MTSレートが、少なくとも20%。 これらの企業は、小規模企業のための奨励製品および奨励事業リスト(付属資 料Ⅲ:奨励事業および奨励製品リスト‐小規模企業 参照)または、一般リスト (付属資料Ⅰ:奨励事業および奨励製品リスト‐一般 参照)に記載されている 製品の製造や事業に参画しなければなりません。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 1.5 機械機器製造に対する優遇措置 1.5.1 選定された機械機器製造に対する優遇措置 選定された機械および機器類の生産に関わる企業は、下記の優遇措置の対象と なります。 i. 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 ii. 最初の資本的支出が発生した日から5年間に発生した適格資本的支出の 100%に相当する投資税額控除(ITA)。この控除で、該当賦課年度の法定所 得の全額を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用される まで、翌年以降に繰り越すことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。(付属資料Ⅳ:奨励事 業および奨励製品リスト‐特定産業参照) 19 1.6 自動車産業に対する優遇措置 1.6.1 自動車産業用の重要で高付加価値な部品やコンポーネントの製造に対する優 遇措置 選定された、自動車産業用の重要で高付加価値な部品やコンポーネントの製造 に従事する企業は、下記の優遇措置の対象となります。 i. 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 ii. 最初の適格資本的支出が発生した日から5年間に発生した適格資本的支出 の100%に相当する投資税額控除(ITA)。この控除で、該当賦課年度の法定 所得の全額を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用され るまで、翌年以降に繰り越すことができます。 適格となる自動車産業用の重要で高付加価値な部品とコンポーネントは下記の 通りです。 • トランスミッション・システム • ブレーキ・システム • エアバック・システム • ステアリング・システム ハイブリッド車や電気自動車製造用の適格な重要な部品とコンポーネントは下 記の通りです。 • 電気モーター • 電気バッテリー • バッテリー・マネジメント・システム • インパータ • 電気エアコン • エア・コンプレッサー 2014年12月31日までに受理された申請書は、この優遇措置の対象となり ます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 投資優遇措置 20 1.6.2 ハイブリット車や電気自動車に対する優遇措置 ハイブリット車や電気自動車の組み立てや製造をする企業は、下記の対象となり ます。 • 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 • • 最初の資本的支出が発生した日から5年間に発生した適格資本的支出の 100%に相当する投資税額控除(ITA)。この控除で、該当賦課年度の法定所 得の全額を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用される まで、翌年以降に繰り越すことができます。 国内組み立て/製造された車両、または産業調整基金(IAF)の支給に課され る物品税の50%免除。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 1.7 パーム油バイオマスの活用に対する優遇措置 パーム油バイオマスを利用して、パーチクル・ボード、MDFボード、合板、パ ルプや紙などの付加価値のある製品を製造する企業は、下記の優遇措置の対象 となります。 (ⅰ) 新規企業 a. 10年間の法定所得の100%が法人税免除なるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失 は、繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し 引くことができます。 または、 b. 5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当する投資税額控除。 この控除で、該当賦課年度の法定所得の全額を相殺することができます。 未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことがで きます。 (付属資料Ⅳ:奨励事業および奨励製品リスト‐特定産業 参照) (ⅱ) 再投資を行う既存企業に対する優遇措置 a. 再投資によって増加した法定所得の100%が法人税免除となる10年間 のパイオニア・ステータス。パイオニア・ステータス期間内に発生する 未控除の資本控除と累積損失は、繰り越して、パイオニア・ステータス 期間後の企業の収益から差し引くことができます。 または、 b. 5年間に発生した追加適格資本的支出の100%に相当する投資税額控除。 この控除で、該当賦課年度の法定所得の全額を相殺することができます。 未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができ ます。 (付属資料Ⅴ:奨励事業および奨励製品リスト‐再投資 参照) 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 21 1.8 製造業部門に対する追加的優遇措置 (ⅰ) 再投資控除 2009年賦課年度から、再投資控除(RA)は、最低36ヶ月操業してきていることを 条件に、拡張、自動化、近代化、または、既存のビジネスを同一産業内で他の関 連製品に多角化するなどの目的で再投資する、製造業や特定の農業活動に従事 する既存の企業に与えられます。 再投資控除(RA)は、適格資本的支出の60%の割合で与えられ、賦課年度の法定 所得の70%を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用されるま で、翌年以降に繰り越すことができます。 • 財務省が定めるある一定の生産性基準を達成した場合、企業は、再投資控 除で賦課年度の法定所得の100%を相殺することができます。各サブセク ターにおける規定された生産性基準に関する詳細については、国税局(「 連絡先住所‐関連団体」参照)にお問い合わせください。 再投資控除(RA)は、再投資が初めて行われた年から連続した15年間にわたり認 められるものです。企業は、例えば、建物が完成した後や工場に機械が設置さ れ操業を開始した時など、対象となるプロジェクトが完了したときのみ申請で きます。2009年賦課年度から、同一グループ内の関連会社が再投資控除(RA)を 申請したことがある資産を購入した企業は、その同一資産に対する再投資控除 (RA)を申請することはできません。 2009年賦課年度から、再投資控除(RA)の対象となった資産は、再投資した時点 から5年以内は処分することはできないこととなっています。 免税期間の有効期限内に再投資する予定の企業は、そのパイオニア・ステータ スまたはパイオニア認証をキャンセルするために放棄し、再投資控除(RA)に切 り替えることができます。 再投資控除への申請は国税局(IRB)に提出しますが、再投資控除のためのパイオ ニア・ステータスまたはパイオニア認証の放棄への申請書はマレーシア投資開 発庁(MIDA)に提出します。 (ⅱ) 加速減価償却 再投資控除(RA)の対象となる15年間が経過した後に、奨励製品の製造に投資す る企業は、税制上の加速減価償却(ACA)を申請することができます。加速減価 償却は、初年度控除40%で年次控除20%という、資本的支出が3年以内に償却 できる特別控除を提供しています。 申請書は、企業が奨励製品を生産していることを証明したマレーシア投資開発 庁(MIDA)発行の文書を添えて、国税局(IRB)に提出します。 中小企業は、下記の優遇措置の対象となります。 • • 2009年と2010年の賦課年度に取得した工場や機械にかかった費用に対 する加速減価償却(ACA)。この減価償却は、一年以内、つまりその資産が 完全に取得された賦課年度内に申請しなければなりません。この優遇措置 は、2009年と2010年の賦課年度に適用されます。 2009年賦課年度から、中小企業には、少額資産に対する減価償却のRM1 万上限の条件は課されません。 加速減価償却(ACA)への申請書は、国税局(IRB)に提出します。 投資優遇措置 22 (ⅲ) 電力安定化機器に対する加速減価償却 事業コストを削減するため、電力供給安定化機器に対する設備投資をする企業 は、2年間の加速減価償却の対象となり、企業は、初年度控除20%で年次控除 40%と、資本的支出を2年以内に償却することができます。 この加速減価償却の対象となる機器は、財務省に認定されたものに限ります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅳ) セキュリティー・コントロール機器に対する加速減価償却 加速減価償却(ACA)は、1975年工業調法に基づき認可された企業の工場敷地内 に設置されたセキュリティー・コントロール機器に対して与えられます。この 減価償却は、1年以内に申請することができます。2009年賦課年度から、この 減価償却はすべての事業敷地に対して適用されるよう拡張されます。対象とな るセキュリティー・コントロール機器は下記の通りです。 • 盗難防止アラーム・システム • 赤外線モーション検出システム • サイレン • アクセス管理システム • クローズド・サーキット・テレビ(CCTV) • 監視ビデオ・システム • セキュリティー・カメラ • 無線カメラ送信機 • 低速度撮影録画機器や動画検出機器 2009年から2012年の賦課年度に国税局(IRB)に提出された申請は、この減価償 却の対象となります。 (ⅴ) 工業用ビル・システムに対する優遇措置 工業用ビル・システム(IBS)は、建設の質を向上し、より安全で清潔な労働環境 を創出し、外国人労働依存を低減するものです。工業用ビル・システム・コン ポーネントの製造に使用される金型の購入に対して出費する企業には、3年間 の加速減価償却が適用されます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅵ) 輸出増加価値に対する免税 輸出を促進するため、マレーシアにおける製造企業は、以下の税控除を得る資 格があります。 • • 23 輸出品の付加価値が30%以上の場合、輸出増加額の10%相当額を法定所 得から控除。 輸出品の付加価値が50%以上の場合、輸出増加額の15%相当額を法定所 得から控除。 国家自動車政策(NAP)のもと、自動車産業の製造業者は下記の対象となり ます。 • • 輸出品の付加価値が30%以上の場合、輸出増加額の30%相当額を法定所 得から控除。 輸出品の付加価値が50%以上の場合、輸出増加額の50%相当額を法定所 得から控除。 この強化優遇措置は、2010年賦課年度から2014年賦課年度まで適用され ます。 マレーシア製品の輸出をさらに促進するため、マレーシア人が株式の60%以上 を保有する製造企業は次の優遇措置が受けられることになりました。 • • • 当該企業が著しい輸出の増加を達成した場合、輸出増加額の30%を法定所 得から控除。 当該企業が新規輸出市場を開拓した場合、輸出増加額の50%を法定所得か ら控除。 当該の業種において最も著しい輸出増加を達成した企業に対して、輸出増 加額全額を法定所得から控除。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅶ) グループ控除 1967年所得税法に基づき、マレーシアで設立された全ての居住会社に対してグ ループ控除が適用されます。2009年賦課年度から、下記を条件として、同一グ ループ内の他の企業(認可食品生産、森林プランテーション、バイオテクノロ ジー、ナノテクノロジー、オプティクス、フォトニクスに従事する新規企業を 含む)の所得を相殺するために、グループ控除は、当年度における未控除損失 の50%から70%に引き上げられます。 a) 受給企業と引渡し企業が、それぞれRM250万以上の普通株の払込資本金 を保持していること。 b) 受給企業と引き渡し企業が、同じ会計期間であること。 c) グループによる受給企業と引き渡し企業の直接または間接的な株式保有が、 70%を下回らないこと。 d) 70%の株式保有は、前年度と当該年度を通じて継続的なものであること。 e) 所有権や外国企業の買収による損失は、グループ控除の対象にはなりませ ん。 f) 以下の優遇措置適用企業は、グループ控除の対象にはなりません。 ‐ パイオニア・ステータス ‐ 投資税額控除/投資控除 ‐ 再投資控除 ‐ 船積み利益に対する免除 ‐ 1967年所得税法の第127条に基づく所得税免除 ‐ 投資優遇企業 投資優遇措置 24 上記の優遇措置が導入されると、認可食品生産、森林プランテーション、バイ オテクノロジー、ナノテクノロジー、オプティクス、フォトニクスに対する既 存のグループ控除優遇措置は打ち切られます。しかし、上記の事業に対するグ ループ控除を享受する企業は、引き続き子会社による損失の100%で自社の所 得を相殺することができます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 注:製造業部門に関するその他の優遇措置については、セクション21をご参照く ださい。 2. 農業部門に対する優遇措置 1986年投資促進法により、農業に関連する「企業」とは以下の通り定められて います。 • 農業協同組合、農業関連協会。 • 農業に携わる個人やパートナーシップ。 農業分野における奨励品目の生産や奨励事業(付属資料Ⅰ:奨励事業およ び奨励製品リスト‐一般参照)に従事する会社は、下記の優遇措置の対象と なります。 2.1 農業部門に対する主な優遇措置 (ⅰ) パイオニア・ステータス 製造業部門と同様に、奨励品目の生産や奨励事業に携わる会社は、パイオニア・ ステータスの対象となります。 パイオニア・ステータスを認められた企業は、法人税納付の一部免除を受ける ことができます。この場合、生産日(農産物を初めて販売した日と定義)から 始まる5年間、法定所得の30%に対してのみ課税されます。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、繰 り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くことがで きます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅱ) 投資税額控除 奨励製品の生産か奨励事業に従事している企業は、パイオニア・ステータスの 代わりに、投資税額控除(ITA)を申請することもできます。投資税額控除を認めら れた企業は、最初に適格資本的支出が発生した日から5年間に発生した適格資本 的支出の60%に相当する控除が与えられます。 企業は、この控除で各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。 未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 法定所得の残りの30%には、現行の法人税率で課税されます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 農業事業の利益を増大するために、適格資本的支出は、下記に対する支出を含 むことが定義されています。 25 • 養殖用の原原種。 • 家畜の原原種。 • 土地の開墾と整地。 • 作物の植え付け。 • • 栽培、家畜の飼育、養殖、内陸漁業、深海漁業、その他農業あるいは牧畜 業事業のためにマレーシアで使用されるプラントや機械設備の導入。 橋架を含むアクセス道路の建設、建物(福利厚生用または居住用を含む) の建設や購入、また、作物栽培、動物飼育、養殖、内陸漁業、その他農業・ 牧畜業事業で使用される土地やその他構築物の構造的改良。このような道 路・橋架・建物の建築、土地・構築物の構造的改良は、作物栽培、動物飼 育、養殖、内陸漁業、その他の農業牧畜業事業の目的で使用される土地の 一部になされたものでなければなりません。 総合的農業プロジェクトの場合は、プロジェクトの開始から生産品加工までの タイムラグを考慮して、加工や製造段階で生じる支出は、更に5年間の投資税 額控除の対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅲ) 食品生産に対する優遇措置 a) 新規事業に対する優遇措置 食品事業への投資を誘致するため、農業レベルと生産/加工レベルにおいて、特 定の優遇措置が導入されています。これらの優遇措置は、食品加工分野の原材 料の供給を促進することとなり、原材料輸入への依存を減らします。 免税は、認可された食品生産事業に従事する子会社に投資する企業と、食品生 産活動を実施するその子会社の双方に対して与えられます。与えられる税制優 遇措置は下記の通りです。 i) 食品生産に従事する子会社に出資する親会社は、該当子会社への投資額に 相当する税額控除が与えられます。 ii) 食品生産活動を実施する子会社は、新規事業は10年間、または既存事業は 5年間、法定所得に対する法人税の全額免税の対象となります。免除期間 は、会社が初めて法定所得を得た年から開始されます。 • 免税期間前に発生した損失は、免税期間終了後に繰り越すことができま す。 • 免税期間中に発生した損失も、免税期間終了後に繰り越すことができま す。 これらの優遇措置は、下記の条件で与えられます。 i) 会社は、食品生産活動に従事する子会社に70%以上出資していること。 ii) 食品生産活動は、財務省によって認可された、ケナフ、野菜、果物、ハー ブ、スパイスの栽培、水産養殖、牛やヤギや羊の飼育、深海漁業であるこ と。 iii) 食品生産事業は、優遇措置認可日から1年以内に開始すること。 投資優遇措置 26 b) 再投資を行う既存企業に対する優遇措置 既存の企業で上記の食品生産に再投資する場合も、5年間同一の優遇措置が与 えられます。 新規企業や既存企業が行う食料品生産プロジェクトは、いずれも優遇措置の認 可日から1年以内に開始されなければなりません。 2015年12月31日までに受理された申請書は、この優遇措置の対象となります。 申請書は、農業農工省に提出します。 2.2 ハラル製品に対する優遇措置 (ⅰ) ハラル食品製造に対する優遇措置 輸出向けハラル食品製造への新規投資を促進し、国際基準に適合した高品質のハ ラル食品の製造に、近代的で最新鋭の機械設備を導入することを奨励するため、 ハラル食品製造に出資して、マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)によるハラル 認証を取得している企業は、5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当す る投資税額控除(ITA)の対象となります。 この控除で、該当賦課年度の法定所得の100%を相殺することができます。未利 用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 JAKIMによるハラル認証取得に関する詳細については、www.halal.gov.myをご覧 ください。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 ( ii ) その他のハラル事業に対する優遇措置 (a) ハラル工業団地運営者に対する優遇措置 ハラル工業団地の魅力を推進するために、ハラル工業団地運営者は、下 記の優遇措置の対象となります。 i) 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステー タス。パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除 と累積損失は、繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業 の収益から差し引くことができます。 または、 ii) 5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当する投資税額控除。 この控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができま す。未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越す ことができます。 (b) ハラル産業従事者に対する優遇措置 指定されたハラル工業団地で事業を行おうとする企業は、下記の優遇措 置の対象となります。 i) 5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当する投資税額控除。 この控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができま す。未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すこ とができます。 または、 27 ii) 5年間の輸出売上に対する法人税の免除。 活動は、下記の4つの分野でなければなりません。 a. 特殊加工食品 b. 製薬、化粧品、パーソナルケア製品 c. 家畜食品、食肉製品 d. ハラル原料 (c) ハラル・ロジスティック・オペレーターに対する優遇措置 マレーシアのハラル産業やハラル・サプライチェーンを促進するために、 ハラル・ロジスティック・オペレーターに対して、下記の優遇措置が与 えられます。 i) 5年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステー タス。パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除 と累積損失は、繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業 の収益から差し引くことができます。 または、 ii) 5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当する投資税額控除。 この控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができま す。未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越す ことができます。 ハラル・ロジスティック・オペレーターが提供するサービスは、下記の 3つの主要な活動を含む統合的なサービスでなければなりません。 • 運送業 • 倉庫業 • 輸送業 申請書は、ハラル産業開発公社(HDC)に提出します。 ( iii ) ハラル認証、品質システム基準認証の取得費用に対する二重控除 「ハラル」食品を含む「ハラル」製品の世界市場において、マレーシア企業の競 争力を強化するため、以下の認証取得にかかる経費支出に対して、税務計算上の 二重控除が与えられます。 • 品質システム基準認証やJAKIM発行の「ハラル」認証。 • 国際的な品質システムや標準規格認証。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 2.3 農業部門に対する追加的優遇措置 (ⅰ) 再投資控除 主要食糧である米、とうもろこし、野菜、根菜類、家畜、水産物の生産や、そ の他財務大臣が認める事業に、少なくとも36ヶ月間従事している企業は、再投 資控除(RA)の対象となります。 投資優遇措置 28 再投資控除は、初めて再投資が行われた年から15年間に発生した適格資本的支 出の60%に相当する控除という形態のものです。この控除で、賦課年度の法定 所得の70%を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用されるま で、翌年以降に繰り越すことができます。 適格資本的支出は、下記に対する支出を含みます。 • 土地の開墾と整地。 • 作物の植え付け。 • 養殖用の原原種。 • 家畜の原原種。 • • 作物の栽培、牧畜、養殖、内陸漁業、深海漁業、その他農業・牧畜業のた めにマレーシアで使用されるプラントや機械設備の導入。 橋架を含むアクセス道路の建設、建物(福利厚生用または居住用を含む) の建設や購入、また、作物栽培、動物飼育、養殖、内陸漁業、その他農業・ 牧畜業事業で使用される土地やその他構築物の構造的改良。このような道 路・橋架・建物の建築、土地・構築物の構造的改良は、作物栽培、動物飼 育、養殖、内陸漁業、その他の農業牧畜業事業の目的で使用される土地の 一部になされたものでなければなりません。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅱ) 資源利用型産業への再投資に対する優遇措置 これらの優遇措置は、輸出の可能性がある製品を生産するゴム、パーム油、木 材関連産業の企業で、マレーシア資本が最低51%の企業に対して与えられます。 拡張目的で再投資を行うこれらの産業の企業は、下記の優遇措置の対象となり ます。 a. 5年間の法定所得の70%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。パ イオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 b. 5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除。この控除 で、各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の控 除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 (付属資料Ⅴ:奨励事業および奨励製品リスト‐再投資 参照) 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅲ) 食品加工業への再投資に対する優遇措置 マレーシア人が資本の60%以上を保有するマレーシア製造業企業が奨励対象の 食品加工事業に再投資する場合は、下記の対象となります。 a. 5年間の法定所得の70%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。パ イオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、繰 り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くことが できます。 または、 29 b. 5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除。この控除 で、各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の控 除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 (付属資料Ⅴ:奨励事業および奨励製品リスト‐再投資 参照) (ⅳ) 加速減価償却 再投資控除(RA)が満了した後に、奨励農業活動や食品に再投資する企業は、加 速減価償却(ACA)を申請することができます。農業活動には、米、とうもろこ し、野菜、根菜類、家畜、水産物の生産や、その他財務大臣が認める事業が含 まれます。 加速償却制度は、初年度償却20%、年次償却40%という、2年以内に資本的支 出を相殺することができる特別控除を提供しています。 申請書は、企業が奨励された農業活動を行っているか奨励された食品を生産し ていることを証明したマレーシア投資開発庁(MIDA)発行の文書を添えて、国税 局(IRB)に提出します。 (ⅴ) 農業控除 農業活動を行う個人や会社は、1967年所得税法に基づき、特定の資本的支出に 対して税制上の減価償却や特別産業建築物に対する税制上の減価償却を申請す ることができます。対象となる適格資本的支出は、下記に対する支出を含みま す。 • 養殖用の原原種。 • 家畜の原原種。 • 土地の開墾と整地。 • 作物の植え付け。 • • 作物の栽培、牧畜、養殖、内陸漁業、深海漁業、その他農業・牧畜業のた めにマレーシアで使用されるプラントや機械設備の導入。 橋架を含むアクセス道路の建設、建物(福利厚生用または居住用を含む)の 建設や購入、また、作物栽培、動物飼育、養殖、内陸漁業、その他農業・牧 畜業事業で使用される土地やその他構築物の構造的改良。このような道路・ 橋架・建物の建築、土地・構築物の構造的改良は、作物栽培、動物飼育、養 殖、内陸漁業、その他の農業牧畜業事業の目的で使用される土地の一部にな されたものでなければなりません。 企業は上記の支出が発生した場合、既にパイオニア・ステータスや投資税額控 除(ITA)を利用しているか否かに関わらず、この控除を受けることができます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (vi) 認可農業事業の資本支出に対する100%控除 1967年所得税法の付表4Aは、財務大臣に承認された認可農業事業における資 本支出に対して100%の控除を認めています。財務大臣によって定められてい るように、一定の期間内に最小面積以上の農地を開拓し利用する農場によって、 発生した適格資本的支出が対象となります。 投資優遇措置 30 認可農業事業とは、野菜・果物(パパイヤ、バナナ、パッション・フルーツ、ス ターフルーツ、グアバ、マンゴスティン)・芋類・根菜類・ハーブ・スパイス・ 飼料用穀物・水耕作物の耕作、観賞魚の養殖、魚と海老の養殖(池養殖、水槽養 殖、海洋ケージ養殖、沖合海洋ケージ養殖)、トリガイ・蛎・ムール貝・海苔の 養殖、小海老・海老・魚の孵化場、森林植林事業の特定の品種などです。 この優遇措置により、上記の事業を営む個人は、該当事業に関連して発生した 資本的支出を、他の事業活動からの所得を含む総所得から控除することができ ます。総所得が少ない場合は、控除されなかった支出を次の賦課年度に繰り越 すことができます。この控除を選択した場合、同一の資本的支出に対して他の 資本控除や農業控除を得ることはできません。 適格資本的支出は、下記に対する支出を含みます。 • 土地の開墾と整地。 • 作物の植え付け。 • 養殖用の原原種。 • 家畜の原原種。 • • 作物の栽培、牧畜、養殖、内陸漁業、深海漁業、その他農業・牧畜業のた めにマレーシアで使用されるプラントや機械設備の導入。 橋架を含むアクセス道路の建設、建物(福利厚生用または居住用を含む)の 建設や購入、また、作物栽培、動物飼育、養殖、内陸漁業、その他農業・牧 畜業事業で使用される土地やその他構築物の構造的改良。このような道路・ 橋架・建物の建築、土地・構築物の構造的改良は、作物栽培、動物飼育、養 殖、内陸漁業、その他の農業牧畜業事業の目的で使用される土地の一部にな されたものでなければなりません。 この優遇措置は、1986年投資促進法の規定による優遇措置を受け、その納税優 遇期間が開始または満了していない企業は対象外となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (vii) 輸出増加価値に対する免税 生の果物、ドライフルーツ、生花、ドライフラワー、観賞植物、観賞魚を輸出す る企業は、輸出増加額の10%相当の法定所得が免税の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (viii) 食品用のコールドチェーン設備やサービスを提供する企業に対する優遇措置 冷凍倉庫や冷凍車両設備や、国内生産された生鮮食品の収集や処理などの関連 サービスを提供する企業は、パイオニア・ステータスか投資税額控除(ITA)の対 象となります。 a) 新規企業に対する優遇措置 腐敗しやすい農産物用のコールドチェーン設備やサービスを提供する新規企業 は、下記の対象となります。 i. 31 5年間の法定所得の70%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。パイ オニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、繰 り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこと ができます。 または、 ii. 5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除。この控除 で、各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の控 除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 b) 再投資する既存企業に対する優遇措置 腐敗しやすい農産物用のコールドチェーン設備やサービスに再投資する既存の マレーシア資本企業は、下記の優遇措置の対象となります。 i. 再投資によって増加した法定所得の70%が法人税免除となる5年間のパイ オニア・ステータス。パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の 資本控除と累積損失は、繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企 業の収益から差し引くことができます。 または、 ii. 5年間の追加的適格資本的支出の60%に相当する投資控除。この控除で、 各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の控除は、 全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 (付属資料Ⅴ:奨励事業および奨励製品リスト‐再投資 参照) 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ix) ラタンおよび木製品の輸出の際の運送料に対する二重控除 ラタンおよび木製品(製材とベニアは除く)の輸出に従事する製造業者は、運 送料に対する二重控除を受けることができます。 注:農業部門におけるその他の優遇措置については、セクション21をご参照く ださい。 3. 航空宇宙産業に対する優遇措置 航空宇宙産業の発展は、政府によって、戦略的且つハイテク分野の一つとして 認定されています。この分野は、航空宇宙産業関連製品(スペース・クラフト、 航空機、ミサイル/ロケット/発射装置、通信、ナビゲーション、ナビゲーショ ン・システム(CNS)など)の設計開発、建設、オペレーション、メンテナンス、 処分などに、直接的や間接的に貢献する活動を含みます。 2010年1月から、マレーシアをアジア太平洋地域の航空宇宙産業のグローバル・ センターとするために、同産業は統合的な優遇税制の対象となっています。優 遇措置のパッケージは、設計・製造・組立、オペレーター・グループ、サポー ト・モニタリング・グループが対象となります。 i. 研究、設計、開発、システム・インテグレーションからなる、設計・製造・ 組立活動のグループは、下記の対象となります。 • 投資レベル、付加価値、技術、その他の基準に応じて、5年から15年の 法人税免除。 ii. ヘリコプターのオペレーション、チャーター機、ビジネス・ジェト・オペ レーション、航空レクリエーション(例えば、航空学校、飛行クラブ、ホ ーンビル・スカイウェイ・ヘリコプターなど)といった、通常の航空機産 業からなるオペレーター・グループは、下記の対象となります。 投資優遇措置 32 • 5年間にRM1億5,000万以上を固定資産に投資した場合、10年間の適 格資本的支出の100%に相当する投資税額控除(ITA)。 iii. メンテナンス、修理、オーバーホール活動(MRO)、航空宇宙での訓練、認 証などからなる、サポート・グループは、下記の対象となります。 • MROサービスや航空宇宙関連の完成品の製造に関わるサービスを提供す る企業は、10年間の法定所得の100%が法人税免除。 • 航空宇宙関連の完成品の改造、アップグレード、改装又は再製造に関わ る企業は、15年間の法定所得の100%が法人税免除。 • 現在のビジネスの拡張、近代化または自動化、または現在のビジネスを 同産業の関連製品への多様化を実施する、マレーシアで操業するMRO企 業は、10年間の適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除(ITA)。 • 従業員に対して、パイロット転向やパイロット・インストラクターの研 修を提供する際に生じる費用に対する二重課税控除。 iv. パイロット転向やパイロット・インストラクター・コースは、従業員に対 する研修のために生じる費用に対して、二重課税控除の対象となります。 v. 航空宇宙関連の認定、基準開発、検査、査定、ライセンス認可活動などを 実施する調整グループは、下記の対象となります。 • 5年 間 の 法 定 所 得 の 100%が 法 人 税 免 除 と な る パ イ オ ニ ア ・ ス テ ー タス。 • 5年間の適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除(ITA)。 この優遇措置は、2010年1月1日から2014年12月31日までに受理された申請 に適用されます。 注:航空宇宙産業におけるその他の優遇措置については、セクション21をご参 照ください。 4. バイオテクノロジー産業に対する優遇措置 4.1 バイオテクノロジー産業に対する主な優遇措置 バイオテクノロジー事業を行う企業で、マレーシア・バイオテクノロジー・コ ーポレーションによるバイオネクサス・ステータスを認可された企業は、下記 の優遇措置の対象となります。 i. 法定所得の100%免税。 • 新規事業から初めて法定所得が発生した年から10年間。 または、 • 既存の事業や拡張プロジェクトから初めて法定所得が発生した年から5 年間。 ii. 新規事業または拡張プロジェクトから発生した法定所得の100%が、5年 間に発生した適格資本的支出の100%に相当する控除として免税。 iii. バイオネクサス・ステータス企業は、免税期間満了後10年間、適格事業か ら発生する法定所得に対して20%の特別税率が得られます。 33 iv. バイオネクサス・ステータス企業による配当に対する免税。 v. 研究開発に掛る経費に対する二重控除。 vi. 輸出促進に掛かる経費に対する二重控除。 vii. バイオテクノロジー事業目的にのみ使用される建物は、10年間の産業建物 控除の対象となります。 viii. バイオネスサス・ステータス企業に投資する、(事業を営む)企業または 個人は、シードキャピタルや初期投資の投資額と同額の税金控除の対象と なります。 バイオネクサス・ステータスへの申請は、マレーシア・バイオテクノロジー・ コーポレーション(バイオテック・コープ:BiotechCorp)に提出します。 4.2 バイオネクサス・ステータス企業に対するバイオテクノロジー融資 バイオテック・コープは、バイオテクノロジー商業化助成金(BCG)に基づき、 バイオネクサス・ステータス企業に対して融資を提供します。 商業化助成金の3つの内容は下記の通りです。 (ⅰ) シード・ファンド • 1社につきRM250万まで。 目的:バイオテック企業設立におけるシードまたはスタートアップ・コ ストへ融資し、バイオテクノロジー・プロジェクトの発展と商業化を支 援するため。 (ⅱ) 研究開発マッチング・ファンド • 1プロジェクトにつき最大RM100万。 目的:新規や改良された、製品、工程、技術などを開発することができ る研究開発プロジェクトに対して、マッチング・ファンドを提供し、マ レーシアのバイオテクノロジーにおける集中分野において、更なる発展 と商業化を導くため。 (ⅲ) 国際ビジネス開発マッチング・ファンド • 1プロジェクトにつき最大RM125万。 目的:バイオネクサス・ステータス企業のグローバル・マーケットへの 展開を促進するため。 詳細情報につきましては、www.biotechcorp.com.myをご参照ください。 5. 観光産業に対する優遇措置 エコ・ツーリズムやアグロ・ツーリズム等を含む観光事業は、税制優遇措置の 対象となります。対象となる事業には、室内や屋外のテーマパークを含む観光 事業、ホテル業、ホリデーキャンプ場の建設、レクリエーション・キャンプ場 などのレクリエーション事業、3,000人以上の収容規模を持つコンベンションセ ンターの建設が含まれます。 ホテル業とは以下の事業です。 投資優遇措置 34 • 新規ホテルの建設。 • 既存ホテルの規模拡大や近代化。 5.1 ホテル・観光事業に対する優遇措置 1つ星から5つ星ホテルに対する新規投資を実施する企業は、下記の優遇措置の 対象となります。 (ⅰ) パイオニア・ステータス パイオニア・ステータスを認められた企業は、法人税の一部免税を5年間受け ることができます。国際通商産業大臣によって定められる生産日から始まる免 税期間中、法定所得の30%に対してのみ課税されます。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、繰り越 して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅱ) 投資税額控除 パイオニア・ステータスの代わりに、投資税額控除(ITA)を申請することもでき ます。投資税額控除を認められた企業は、最初に資本的支出が発生した日から 5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当する控除が得られます。 企業は、この控除で賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未 利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅲ) ホテルや観光事業への新規投資実施に対する強化優遇措置 サバやサラワクの4つ星や5つ星ホテルに対する新規投資を実施する企業は、下 記の優遇措置の対象となります。 a. 5年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。パ イオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 b. 5年間に発生した適格資本支出の100%に相当する投資税額控除。この控除 で、該当賦課年度の法定所得の100%を相殺することができます。未利用 の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 2013年12月31日までに受理された申請書は、これらの優遇措置の対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅳ) ホテル・観光事業への再投資に対する優遇措置 ホテルや観光事業において事業拡張や近代化などに再投資する企業は、下記の通 り、追加のパイオニア・ステータスあるいは投資税額控除の対象となります。 a. 35 5年間の法定所得の70%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。パ イオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 b. 5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除。この控除 で、各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の控 除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 会社は2回目の再投資まで、パイオニア・ステータスまたは投資税額控除の対象 となります。3回目の再投資の場合は、投資税額控除のみが対象となります。 (付属資料Ⅴ:奨励事業および奨励製品リスト‐再投資 参照) 2013年12月31日までに受理された申請書は、これらの優遇措置の対象となり ます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅴ) ヘルスケア・トラベルに対する優遇措置 既存の病院を拡張・近代化・改装・改造のためや、新しい私立病院の建設 のために投資したり、国際患者病棟と設立する私立病院は、下記の対象と なります。 • 5年間に発生した適格資本支出の100%に相当する投資税額控除。この控 除で、該当賦課年度の法定所得の全額を相殺することができます。未利用 の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 これらの病院は、保健省に優遇措置の登録をしなければなりません。 2014年12月31日までに受理された申請書は、この優遇措置の対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅵ) ヘルスケア・トラベルに対する追加的優遇措置 a) 公認認証取得にかかる費用に対する二重控除 Malaysian Society for Quality in Health (MSQH) や Joint Commission International(JCI)などの、国内または国際公認認証取得のために出費した私立 病院は、法人税の算出の際、二重控除の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 b) 医療専門家に対する雇用/プロフェショナル・パスの自動認可 マレーシアの病院で従事するために、海外から帰国または入国する下記の資格 を持った医療専門家に対して、雇用/プロフェショナル・パスが自動的に与えら れます。 • • マレーシア国籍またはマレーシア国籍以外の医療専門家 マレーシア職業分類(MASCO)に専門家として規定されている資格を持っ た、マレーシア国籍以外の配偶者。 しかし、これは関連専門機関への登録を条件としています。 投資優遇措置 36 (ⅶ) 豪華ヨット関連産業に対する優遇措置 この産業は、観光産業の一貫として促進され、下記の優遇措置が与えられます。 • 豪華ヨットを建造する企業は、パイオニア・ステータスの対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 • マレーシアのランカウイ島で豪華ヨットの修理とメンテナンスを行う企業 は、5年間の法人税100%免税の対象となります。 申請書は、財務省に提出します。 • 豪華ヨットのチャーター・サービスを行う企業は、5年間の法人税100% 免税の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 5.2 観光産業に対する追加的優遇措置 (ⅰ) 海外でのプロモーション活動に対する二重控除 ホテルや旅行会社は、海外でのプロモーション活動に伴う支出に対して、二重 控除を得ることができます。対象となる支出は以下の通りです。 • • • • マレーシア国外でのマスメディアを使った広報費や広告費。 海外顧客への無料配布の配達料を含んだ、冊子、雑誌、ガイドブックの出 版費。 観光大臣の事前許可を得た、新しい海外市場の市場調査費用。 広告の契約交渉や締結のためや、観光大臣によって認められたトレード・ フェア、会議、フォーラムに参加するためのマレーシア国外への渡航費を 含む費用。この経費は、海外滞在期間中の宿泊費は1日RM300まで、食費 は1日RM150までを条件としています。 • 観光大臣が認可するトレード・フェア、会議、フォーラムの開催費。 • マレーシアへの観光促進を目的とする海外営業所の維持費。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅱ) 認可トレード・フェア参加に対する二重控除 企業は、マレーシアで開催される認可された国際トレード・フェアへの参加に 伴う支出に対して、二重控除の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅲ) 旅行会社に対する免税 a. 外国人観光客 空路、陸路、海路でマレーシアに入出国する団体包括旅行を通じて、少なくと も年間500人以上の外国人団体観光客を入国させる旅行会社は、ツアーアレン ジで得た収益に対して免税が得られます。この優遇措置は、観光省に認可を受 けた旅行会社にのみ適用されます。 37 b. 国内観光客 少なくとも年間1,200人の旅行者に対し国内のパッケージ・ツアーをアレンジする 企業は、収益に対して免税の対象となります。国内旅行とは、地元の旅行者によ る、最低一泊を伴う空路、陸路、海路によるマレーシア国内のパッケージ・ツ アーのことです(マレーシア人の海外からの帰国に伴う旅行を除く)。 この優遇措置は、2011年賦課年度まで有効です。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅳ) 国際会議と国際見本市の促進に対する免税 a. マレーシアでの国際会議を促進する地元の企業は、500人以上の外国人参 加者の国内への動員によって得た収益に対して、免税を受けることができ ます。 b. マレーシアでの国際見本市の開催による収益は、展示会がマレーシア貿易 開発公社(MATRADE)によって認可され、開催者が年間500人以上の外国 人訪問者を動員するものであれば、免税の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅴ) 文化的パフォーマンスに対する控除 観光省によって認可された音楽や文化グループの促進や運営を行ったり、国内 や海外の文化パフォーマンスのスポンサーとなる企業による経費は、全額控除 の対象となります。 地場の芸術や文化そして伝統的パフォーマンスやショーをスポンサーする民間企 業を奨励するため、そのようなパフォーマンスやショーのスポンサーに掛る経費 は、RM30万からRM50万へと引き上げられています。しかしながら、外国のパ フォーマンスやショーに認められる控除の上限は、年間RM20万とします。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅵ) レンタカー業者に対する優遇措置 観光客対象のレンタカー業者は、国産車の購入に対して物品税の全額免税が得ら れます。旅行者が興味深い旅行先を体験できるようにするため、旅行代理店も、 国内で組み立てられた4WD車に対して50%の物品税免除の対象となります。 申請書は、財務省に提出します。 (ⅶ) 輸出増加額に対する免税措置 外国人患者に対するヘルスケア・サービスは、各賦課年度の法定所得の70%を 条件として、輸出増加額の50%の免税の対象となります。外国人患者とは、下 記のように定義されています。 • マレーシア国外で設立または登録された、会社、パートナーシップ、機関、 組合協会。 • マレーシアの就労許可を持っていない、マレーシア国籍以外の人。 • 海外に住んでいる、非居住者のマレーシア人。 2010年賦課年度から2014年賦課年度まで、この免税率は100%まで引き上げら れます。この優遇措置には、下記の外国患者は対象となりません。 投資優遇措置 38 • • • • マレーシア・マイセカンド・ホーム・プログラムに参加しているマレーシ ア国籍ではない人とその扶養家族。 マレーシアの学生パスを保持しているマレーシア国籍ではない人とその扶 養家族。 マレーシアの就労許可を保持しているマレーシア国籍ではない人とその扶 養家族。 海外に住んでいる、非居住者であるマレーシア人とその扶養家族。 しかし、上記の外国人患者に提供されたヘルスケア・サービスは、輸出増加額 の50%まで、法定所得に対する既存の免税措置が引き続き適用されます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 注:観光業に対するその他の優遇措置については、セクション21をご参照くだ さい。 6. 環境マネージメントに対する優遇措置 6.1 森林プランテーション事業に対する優遇措置 i. 森林プランテーション事業を行う企業は、1986年投資奨励法に基づき、 下記の優遇措置の対象となります。 a. 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータ ス。パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損 失は、繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差 し引くことができます。 または、 b. 5年 間 に 発 生 し た 適 格 資 本 的 支 出 の 100%に 相 当 す る 投 資 税 額 控 除 (ITA)。この控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができ ます。未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すこ とができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 ii. 森林プレンテーション事業を行う企業は、上記の代わりに、1967年所得 税法127条に基づき、下記の優遇措置を申請することもできます。 a. 関連会社に投資する会社は、投資額と同額の免税の対象になります。 b. 認可された森林プレンテーション事業を行う企業は、下記の対象となり ます。 • 法定所得が発生した最初の年から10年間の、法定所得の100%の免 税措置。 • 拡張時期の間または以前に生じた損失は、10年間の間、拡張後に持ち 越すことが出来ます。 申請書は、プランテーション・一次産品省に提出します。 39 6.2 危険廃棄物の貯蔵・処理・処分に対する優遇措置 有害で危険な廃棄物の貯蔵、処理、処分施設の設立を促進するための優遇措置 がもうけられ、この3つすべての活動に統合的な方法で直接携わる企業は、下 記の優遇措置の対象となります。 i. 5年間の法定所得の70%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。パ イオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 ii. 5年間に発生した資本的支出の60%に相当する投資税額控除(ITA)。この控 除で、各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の 控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 6.3 廃棄物リサイクルに対する優遇措置 高付加価値でハイテク技術を使った廃棄物リサイクル事業を行う企業は、パイ オニア・ステータスや投資税額控除(ITA)を得ることができます。農業廃棄物、 農業副産物、化学製品のリサイクル、再生木材パネルボードまたは木製品の生 産などを含む事業は、下記の対象となります。 i. 5年間の法定所得の70%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。パ イオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこ とができます。 または、 ii. 5年間に発生した資本的支出の60%に相当する投資税額控除(ITA)。この控除 で、各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の控 除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 6.4 エネルギー保存に対する優遇措置 (ⅰ) エネルギー保存サービスを提供する企業 稼働コストを減らし環境保護を促進するために、エネルギー保存サービスを提 供する企業は、下記の優遇措置の対象となります。 a. 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期間内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこと ができます。 または、 b. 5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当する投資税額控除(ITA)。 この控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができます。 未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができ ます。 企業は、認可日から1年以内に事業を開始しなければなりません。 2015年12月31日までに受理された申請書が対象となります。 投資優遇措置 40 (ⅱ) 自社内でエネルギー保存を行う企業 自社内でエネルギー保存を行う企業は、5年間に発生した適格資本的支出の 100%に相当する投資税額控除(ITA)の対象となります。この控除で、各賦課年 度の法定所得の100%を相殺することができます。未利用の控除枠は、全額が 利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 2015年12月31日までに受理された申請書が対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 6.5 再生可能なエネルギー資源を使用した発電事業に対する優遇措置 再生可能で環境に優しいバイオマス、水力(10メガワット未満)、ソーラー・ パワーなどを活用したエネルギー発電を行う企業は、下記の優遇措置の対象と なります。 i. 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期限内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、 繰り越して、パイオニア・ステータス期間終了後の企業の収益から所得を相 殺することができます。 または、 ii. 5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当する投資税額控除(ITA)。 この控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができます。 未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができ ます。 企業は、認可日から1年以内に事業を開始しなければなりません。 2007年9月8日より、同グループのある企業が優遇措置を得ていたとしても、同 グループの他社も、上記と同様の優遇措置の対象となります。この優遇措置は、 2015年12月31日までに受理される申請に適用されます。 この優遇措置においては、「バイオマス源」とは、パームオイル搾油工場や農園 の廃棄物、精米所の廃棄物、サトウキビ圧搾所の廃棄物、木材や製材工場の廃棄 物、再生紙工場の廃棄物、地方自治体の廃棄物とバイオガス(埋立地、パームオ イル搾油工場排水(POME)、動物の排泄物などからのもの)を指し、この優遇措 置におけるエネルギーの形態は、電気、スチーム、冷却水、熱を指します。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 6.6 自社用の再生可能なエネルギー発電に対する優遇措置 自社で消費するために再生可能なエネルギー源からエネルギーを発電する企業 は、5年間に発生した適格資本支出の100%に相当する投資税額控除の対象とな ります。この控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができま す。未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができ ます。 2015年12月31日までに受理された申請書は、この優遇措置の対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 6.7 グリーン・ビル認証を取得した建物に対する優遇措置 グリーン・テクノロジーの使用を広めるために、2009年5月21日に、政府はグ リーン・テクノロジー・インデックス(GBI)を導入しました。GBIは、環境に優し い建物に対する、環境評価インデックスです。インデックスは、下記の特定の基 準に基づいて評価されます。 41 • エネルギーと水の効率。 • 室内環境品質。 • 労働者のための公害管理と設備に関しての建築現場の持続可能マネージメ ントとプランニング。 • リサイクル可能で環境に優しい素材や原料の活用。 • 新技術の導入。 グリーン・テクノロジーを使用した建物の建設を促進するための方策は、下記 の通りです。 i. GBI認証を授与された建物の所有者は、GBI認証取得のために発生した追加 資本的支出の100%と同額が免税の対象となります。この控除で、各賦課 年度の法定所得の100%を相殺することが出来ます。この優遇措置は、新 規の建物と既存の建物の改良に適用されます。 この優遇措置は、該当する建物に対して最初に発行されたGBI認証にのみ 適用されます。 この優遇措置は、2009年10月24日から2014年12月31日までにGBI認 証を授与された建物に適用されます。 ii. GBI認証を授与された建物や住宅物件を不動産開発者から購入した購入者 は、対象となる建物の所有権移転のための証書にかかる印紙税が免除の対 象となります。印紙税免除の金額は、GBI認証取得のために発生した追加 費用に対しての額です。この優遇措置は、該当する建物の最初の所有者に 対して一度だけ適用されます。 この優遇措置は、2009年10月24日から2014年12月31日までに履行 された販売購入契約に適用されます。 6.8 環境マネージメントに対する加速減価償却 環境保護機器を使用する企業は、適格資本的支出に対して初年度40%、年次控 除20%の対象となります。これにより、全額を3年以内に償却することができ ます。 対象企業は、下記の通りです。 • • 自社で発生した廃棄物を、貯蔵、処理、処分するための設備を敷地内か敷 地外に設置する廃棄物排出者。 廃棄物リサイクル事業を行う企業。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 自社のエネルギー消費を削減するための設備投資を行った企業の場合、償却期 間がもう1年加速されます。 申請書は、該当機器がエネルギー削減目的のためだけに使用されることを証明 した、エネルギー・グリーンテクノロジー・水道省発行の文書を添えて、国税 局に提出しなければなりません。 注:環境マネージメントに関するその他の優遇措置については、セクション21 をご参照ください。 投資優遇措置 42 7. 研究開発に対する優遇措置 1986年投資促進法は、研究開発(R&D)を次のように定義しています。「科学技 術分野における系統的あるいは集約的な研究で、その研究結果を、材料、装置、 製品、生産物、加工品の生産や改善のために利用することを目的とした活動。 ただし、以下は除きます。 • 製品の品質管理や、材料、装置、製品、生産物の定期的な検査 • 社会科学や人文学における研究 • 定期的なデータ収集 • 効率調査や経営研究 • 市場調査や販売促進」 マレーシアのより統合された研究開発の基盤をさらに強化するために、設計、 開発、試作を独立した企業活動として行う企業もまた、優遇措置の対象となり ます。 7.1 研究開発に対する主な優遇措置 (ⅰ) 請負(コントラクト)研究開発(R&D)企業 請負(コントラクト)研究開発(R&D)企業(自社関連会社以外の外部の会社に 対して研究開発サービスをマレーシアで行う会社)は、下記の優遇措置の対象 となります。 • 5年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期限内に発生する未控除の資本控除と累積損失は 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこと ができます。 または、 • 10年 間 に 発 生 し た 適 格 資 本 的 支 出 の 100%に 相 当 す る 投 資 税 額 控 除 (ITA)。この控除で、各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができま す。未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことが できます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅱ) 研究開発(R&D)企業 研究開発(R&D)企業(自社の関連会社および外部の会社双方に対して研究開発 サービスをマレーシアで行なう会社)は、10年間に発生した適格資本的支出の 100%に相当する投資税額控除(ITA)の対象となります。この控除で、各賦課年 度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用 されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 研究開発企業が投資税額控除を利用しないことを選択した場合は、関連会社は サービスの対価として支払った研究開発企業への支払いに対して、二重控除を 受けることができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 43 資格: 下記の基準を満たす請負研究開発(R&D)企業と研究開発(R&D)企業は、様々な 優遇措置を申請することができます。 a. 実施される研究が国家のニーズに沿い、マレーシアの経済に恩恵をもたら すこと。 b. 企業の所得の少なくとも70%が、研究開発活動から得たものであること。 c. 製造業関連の研究開発の場合は、従業員の少なくとも50%が研究や技術的 職務を行う適切な資格を持った人材であること。 d. 農業関連の研究開発の場合は、従業員の少なくとも5%が研究や技術的職 務を行う適切な資格を持った人材であること。 (ⅲ) 社内研究開発 ビジネスを促進するために社内研究開発を行う企業は、10年間に発生した適格 資本的支出の50%に相当する投資税額控除(ITA)を申請することができます。企 業は、この控除で、各賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。 未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅳ) 研究開発活動への再投資に対する優遇措置 上記(ⅰ)から(ⅲ)に該当する事業を行う研究開発企業は、更に5年間のパイオニ ア・ステータスあるいは10年間の投資税額控除の対象となります。 (付属資料Ⅴ:奨励事業および奨励製品リスト‐再投資 参照) 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅴ) 公的研究機関の商業化に対する優遇措置 公的研究機関による資源利用型研究開発の成果の商業化を奨励するため、以下 の優遇措置が導入されました。 a. 研究開発成果の商業化に従事する子会社に投資する会社は、子会社への投 資額に相当する税額控除の対象となります。 b. 研究開発成果の商業化に従事する子会社は、10年間の法定所得の100%が 法人税免除となるパイオニア・ステータスの対象となります。 この優遇措置を受けるためには、下記の条件を満たす必要があります。 a. 投資会社(親会社)および商業化に従事する子会社の70%以上がマレーシ ア資本であること。 b. 研究開発成果の商業化に従事する子会社に対する親会社の資本保有比率が 70%以上であること。 c. 研究開発成果の商業化事業が、優遇措置の認可日から1年以内に開始され ること。 投資優遇措置 44 7.2 研究開発に対する追加的優遇措置 (ⅰ) 研究開発に対する二重控除 • • • • 企業は、財務大臣の認可対象となる研究開発を直接行った際の収益的(非 資本的)支出に対して、二重控除を受けることができます。 二重控除は、認可研究機関に対する寄付金や献金、および認可研究機関、 認可研究会社、研究開発会社、請負研究開発会社から受けたサービスに対 する支払いにも適用されます。 パイオニア・ステータスを与えられた企業の免税期間中に発生した認可さ れた研究開発経費は累積され、免税期間後に差し引くことが出来ます。 マレーシア人の従業員を海外でトレーニングした場合も含め、海外で支出 した研究開発のための支出はケース・バイ・ケースで二重控除することが できます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅱ) 研究成果を商業化するための研究者に対する優遇措置 付加価値の創出に焦点をあてた研究に従事している研究者は、その研究成果の 商業化により報酬として受け取る所得に対して、50%の免税を5年間受けること ができます。対象となる事業は、科学技術・技術革新省の証明を受ける必要があ ります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 注:研究開発に関するその他の優遇措置については、セクション21をご参照く ださい。 8. 医療機器産業に対する優遇措置 8.1 医療機器検査研究所に対する優遇措置 医療機器検査研究所は、マレーシアで製造された医療機器が高品質で国際基準 であることを保証する、重要なサポート・サービスとされています。 (ⅰ) 医療機器検査用の新規検査研究所に投資する企業 新規検査研究所を設立する企業は、下記の優遇措置の対象となります。 a. 5年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス。 パイオニア・ステータス期限内に発生する未控除の資本控除と累積損失は 繰り越して、パイオニア・ステータス期間後の企業の収益から差し引くこと ができます。 または、 b. 5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除(ITA)。こ の控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができます。未 利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができま す。 2012年12月31日までに受理された申請がこの優遇措置の対象となります。 45 (ⅱ) 医療機器検査用の既存検査研究所を改良する企業 既存の研究所を改良するために投資する企業は、5年間に発生した適格資本的 支出の60%に相当する投資税額控除(ITA)の対象となります。この控除で、各賦 課年度の法定所得の100%を相殺することができます。未利用の控除は、全額 が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 2012年12月31日までに受理された申請がこの優遇措置の対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 注:医療機器産業に関するその他の優遇措置については、セクション21をご参 照ください。 9. 研修に対する優遇措置 9.1 研修に対する主な優遇措置 人材開発を推進するために、以下の優遇措置が与えられます。 投資税額控除 科学分野の新規の私立高等教育機関(PHEI)や、技術や職業訓練施設を設立した 企業は、10年間100%の投資税額控除(ITA)の対象となります。この控除で、各 賦課年度の法定所得の70%を相殺することができます。未利用の控除は、全額が 利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができます。 • 上記の優遇措置は、科学分野の既存の私立高等教育機関(PHEI)や、技術や 職業訓練を提供する企業が、研修機器の改良や研修分野の拡張などに新規 投資する場合も対象となります。 私立高等教育機関(PHEI)で対象となる科学科目は下記の通りです。 i. バイオテクノロジー • 医療保健バイオテクノロジー • 植物バイオテクノロジー • 食品バイオテクノロジー • 工業・環境バイオテクノロジー • 製薬バイオテクノロジー • バイオインフォマティクス・バイオテクノロジー ii. 医療保健サイエンス • 老化学における医療サイエンス • 臨床研究における医療サイエンス • 医療バイオサイエンス • 生化学遺伝学 投資優遇措置 46 • 環境衛生 • 地域医療 iii. 分子生態学 • 免疫学 • 免疫遺伝学 • 免疫生物学 iv. マテリアル科学とテクノロジー v. 食品サイエンスとテクノロジー 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 9.2 研修に対するその他の優遇措置 (ⅰ) 従業員リクルートの費用に対する二重控除 従業員リクルートの費用は、税金算出の目的において控除の対象となります。 費用には、ジョブ・フェアへの参加にかかる出費や、雇用エージェントやヘッ ドハンターへの支払いも含まれます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅱ) 雇用前研修に対する控除 雇用した従業員に対して行った就業前研修費用は、単純控除の対象となります。 しかし、企業は研修生を将来従業員として雇用することを証明しなければなりま せん。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅲ) 従業員以外の研修に対する控除 企業の従業員ではない居住者に対する実習研修に伴う費用には、単純控除が考 慮されます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅳ) 現金による寄付に対する控除 非営利目的で運営され、国家機関により設立され維持されている技術/職業訓練 機関に対する現金による寄付は、単純控除の対象です。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅴ) 特別産業建物控除 認可された産業訓練、技術訓練、職業訓練に使用される建築物に支出した企業 は、建物の建設または購入のための適格資本的支出について、10年間控除枠 10%の特別産業建物控除(IBA)を申請することができます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 47 (ⅵ) 教育施設に対する免税 認可された研修機関、企業内研修事業、民間の高等訓練機関は、実験機器、作業 場、スタジオ、語学実習教室などの教育設備に対する、輸入税、販売税、物品 税の免除が受けられます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅶ) ロイヤリティ支払いの免税 教育省が認可したフランチャイズされた教育プログラムのために、教育機関が 非居住者(フランチャイズ主宰者)に支払ったロイヤリティは、源泉税の免除 を申請することができます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅷ) 認可された研修経費の二重控除 人的資源開発基金(HRDF)に拠出していない製造業や非製造業の会社は、認可対 象の研修にかかる支出が二重控除の対象となります。 製造業部門の場合は、認可対象研修施設でも社内でも研修を行うことができま す。しかし、非製造業部門の場合は、認可対象研修施設で研修を行わなければ なりません。認可対象研修施設で行なわれた研修には、二重控除が自動的に与 えられます。 ホテルや旅行会社の場合、観光産業の技術や専門性を向上させるために、社内 あるいは認可対象研修施設において行われる研修プログラムは、観光省による 認可を受けなければなりません。 2009年賦課年度から2012年賦課年度まで、下記の技術の従業員研修のために 費用を負担する雇用者は、二重控除の対象となります。 • 情報コミュニケーション技術(ICT)、電子、ライフサイエンスの大学院コース • 看護やヘルスケア関連の応用コース • 航空機整備工学コース 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅸ) 人的資源開発基金(HRDF) 第5章の「人的資源」をご参照ください。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 注:研修に対するその他の優遇措置は、セクション21をご参照ください。 (x) 組織的なインターンシップ・プログラムに対する優遇措置 組織的なインターンシップ・プログラムを実施する企業によって生じた費用に 対して、二重控除が与えられます。このプログラムの対象となる適格資格は、 下記の通りです。 i. 公立/私立の高等教育機関のフルタイムの大学生を対象としたインターンシ ップ・プログラム。 ii. 最低RM500の月額手当を伴う、最低10週間のインターンシップ・プログ ラム。 投資優遇措置 48 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 この優遇措置は、賦課年度2012年から2016年に適用されます。 (ix) 奨学金の授与に対する優遇措置 民間企業から、高等教育省に登録された国内の高等教育機関でディプロマまた は学士レベルに進学するマレーシア人学生に授与された奨学金に対して、二重 控除が与えられます。 奨学金は、下記の条件を満たす学生に対して授与されたものです。 i. フルタイムの学生。 ii. 所得の無い学生。 iii. 学生の親または保護者の月額収入が、RM5,000以下。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 この優遇措置は、賦課年度2012年から2016年に適用されます。 10. 認可サービス事業に対する優遇措置 認可サービス事業(ASP)や、財務省に認可された輸送、通信、公益事業サブセク ターのプロジェクトは、下記の税制優遇措置の対象となります。 10.1 認可サービス事業に対する主な優遇措置 (ⅰ) 1967年所得税法第127条による免税 1967年所得税法第127条に基づき、認可サービス事業を行う企業は、5年間の 法定所得の70%の法人税免除を申請することができます。国家的戦略的重要性 をもつ認可サービス事業を行う企業は、10年間の法定所得の100%の法人税免 除の対象となります。 申請書は、財務省に提出します。 (ⅱ) 1967年所得税法第7B条の投資控除(IA) 1967年所得税法第7B条の投資控除(IA)は、127条で提供される所得税控除優遇 措置の一つです。投資控除に基づき、認可サービス事業を行う企業は、資本的 支出が最初に発生した日から5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当す る投資控除の対象となります。この控除で、法定所得の70%を相殺することが でき、未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことがで きます。 国家的戦略的重要性のある認可サービス事業を行う企業は、資本的支出が最初 に発生した日から5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当する控除の対 象となります。この控除で、法定所得の100%を相殺することができます。 申請書は、財務省に提出します。 10.2 認可サービス事業に対する追加的優遇措置 原材料/コンポーネント/機械/装置/スペアパーツ/消耗品に対する輸入税、販売税お よび物品税の免除 49 会社は、認可サービス事業で直接使用される、国内で入手不可能な原材料/コン ポーネントに対する輸入税と販売税の免除を受けることができます。会社は、 認可サービス事業で使用される、国内で購入した機械/装置についても販売税と 物品税の免除が受けられます。 輸送サービス、通信サービスを供給する会社、発電所の運営および港湾の運営 を行う会社は、国内で生産されていないスペアパーツや消耗品の輸入税および 販売税の免除を受けることができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 注:認可サービス事業(ASP)に対するその他の優遇措置は、セクション21をご 参照ください。 11. 船舶・輸送機器産業に対する優遇措置 11.1 船舶運営に対する免税 マレーシア船舶の運営に伴う船舶会社の所得は、2012年賦課年度から、70%の 税金が免除されます。この優遇措置は、居住者にのみ適用されます。「マレーシ ア船舶」とは、1952年商船法令(改定)に基づき遠洋航海船として登録された 船のうち、フェリー、遊覧船、タグボート、補給船、乗組員用ボート、はしけ、 浚渫船、釣り舟やその他これらに類する船以外のものを指します。 「マレーシア船舶」の船上での雇用から得た個人所得は免税です。マレーシア船 舶へのISOコンテナーのレンタルによる非居住者の所得も免税になります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 11.2 コンテナー先頭車やトレーラーに対する販売税の免税 コンテナー運送業者は、国内で生産された新しいコンテナー先頭車やトレーラ ーに対する販売税の免税の対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 12. MSCマレーシアに対する優遇措置 MSCマレーシアは、マレーシアの情報通信技術(ICT)産業の発展と促進のための 世界クラスのハブとしてのモデルとなっています。この地域は、マルチメディ ア製品やサービスを創出し、流通させ、また利用する企業にとって、完璧な環 境を提供しています。 MSCマレーシア・ステータスは、MSCマレーシア域内で情報通信技術事業に参 加し実施する企業に対して、マルチメディア開発公社(MDeC)を通じてマレーシ ア政府により与えられる資格です。MSCマレーシア・ステータスを取得した企 業は、マレーシア政府の公約に基づいた一連の優遇措置と恩典を得ることがで きます。 12.1 MSCマレーシア・ステータス企業に対する主な優遇措置 MSCマレーシア・サイバーシティ/サイバーセンターで操業しているMSCマレ ーシア・ステータスのマルチメディア企業は、下記の優遇措置と便宜制度の対 象となります。 投資優遇措置 50 i. 10年間の法定所得の100%が法人税免除となるパイオニア・ステータス、 または5年間に発生した適格資本的支出の100%に相当する投資税額控除 (ITA)。この控除で、各賦課年度の法定所得の100%を相殺することができ ます。 ii. 研究開発助成金の受給資格(マレーシア資本がマジョリティーのMSCステ ータス企業対象)。 MSCステータスの申請はマルチメディア開発公社(MDeC)に提出します。 その他のメリット i. マルチメディア機器の免税輸入。 ii. 知的所有権の保護とサイバー法の先駆的包括的枠組み。 iii. インターネットに対する検閲を行わない。 iv. 世界水準の物理的インフラと情報インフラの提供。 v. 世界的に競争力のあるテレコミュニケーション・インフラ使用料と質の高 いサービス。 vi. マルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)内の企業に対する、マル チメディア開発公社(MDeC)によるコンサルタントやアシスタント・ サポート。 vii. 質の高い計画された都市開発。 viii. 優れた研究開発施設。 ix. 緑豊かな環境の保護。 x. 機械・機器・原料に対する輸入税・物品税・販売税の免除。 13. 情報通信技術(ICT)に対する優遇措置 13.1 情報通信技術(ICT)の使用に対する優遇措置 (ⅰ) 加速減価償却 企業は、ソフトウェアを含むコンピュータや情報通信機器の取得によって発生 した支出に対して、初年度償却20%、年次償却40%となる加速減価償却(ACA) の対象となります。2009年賦課年度から2013年賦課年度まで、コンピュータ やソフトウェアなどを含むICT機器のために負担した費用に対する加速減価償却 (ACA)への求償期間は、2年間から1年間に加速されます。 ホームページの開発に伴う費用は、20%の年間控除を5年間得ることができます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅱ) 運営費に対する控除 企業は、経営管理や生産工程の改善のため情報技術(IT)を利用する際に伴う、コ ンサルタントへの支払いを含む運営費に対して単純控除が得られます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 51 (ⅲ) 輸出増加額に対する免税 情報通信技術(ICT)部門の企業は、輸出増加額の50%に相当する法定所得の免除 を申請することができます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 注:情報通信技術(ICT)部門に対するその他の優遇措置は、セクション21をご参 照ください。 14. 製造関連サービスに対する優遇措置 下記の付加価値製造関連サービスを提供する企業は、パイオニア・ステータスま たは投資税額控除の対象となります(添付資料Ⅰ:奨励事業および奨励製品リ スト–一般 参照)。 • • • 貨物輸送、倉庫、輸送や、流通、パレット配送、製品組立/設置、小分け、 混載、梱包/再梱包、調達、品質管理、ラベル付け/張り替え検査、サプラ イチェーン・マネージメントといった、その他関連付加価値サービスなど の、ロジスティック・サプライ・チェーン関連活動から構成される統合的 ロジスティック・サービス(ILS)。 冷凍室、冷蔵トラックや、国内生産の生鮮食品の集配、保管、流通などの 関連サービスを含む広範囲なサービスを提供するコールドチェーン施設。 ガスや放射能の滅菌サービス (ⅰ) パイオニア・ステータス これらの製造関連サービスを行う企業は、5年間の法定所得の70%が法人税免除 となるパイオニア・ステータスの対象となります。パイオニア・ステータス期限 内に発生する未控除の資本投資と累積損失は、繰り越して、パイオニア・ステー タス期間後の企業の収益から差し引くことができます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅱ) 投資税額控除 パイオニア・ステータスの代わりに、投資税額控除(ITA)を申請することもでき ます。投資税額控除を与えられた企業は、適格資本的支出が最初に発生した日 から5年間に発生した適格資本的支出の60%に相当する投資税額控除が得られ ます。 企業は、この控除で、賦課年度年の法定所得の70%を相殺することができます 。未利用の控除は、全額が利用されるまで、翌年以降に繰り越すことができま す。法定所得の残り30%は、現行の法人税率が課税されます。 申請は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 注:その他の製造関連サービスセクターに関する優遇措置は、セクション21を ご参照ください。 15. 経営統括本部に対する優遇措置 15.1 経営統括本部(OHQ) 経営統括本部(OHQ)とは、マレーシア国内外の関連事務所や関連会社にサポー ト・サービスを提供する企業のことです。 投資優遇措置 52 マレーシアで経営統括本部(OHQ)を設立する企業は、OHQ優遇措置プログラムの もと、税制優遇措置と便益の対象になります。企業には、OHQステータスと、マ レーシア国内外の事務所や関連企業に対して提供する適格サービスに関して1967 年所得税法の第127条に基づく税制優遇措置が与えられます。 15.2 OHQステータスと優遇措置とその他の便益の認可 下記の適格基準を満たしている企業は、OHQステータスと優遇措置を申請する ことができます。 • 1965年会社法(法令125)に基づき設立された現地法人。 • 払込資本金がRM50万以上。 • 年間総運営費がRM150万以上。 • 3名以上の管理職/役職クラスの従業員がいること。 • マレーシア国外にある3社以上の関連企業にサービスを提供すること。 • • 資格を持った専門家、技術者、職員など相当多数の従業員を抱える、マレー シア国外にある企業間に、相当大きなネットワークが確立していること。 3種類以上の適格サービスを実施していること。 適格サービスとは、下記の通りです。 ‐ 全般的なマネージメントと管理。 ‐ ビジネス・プラン作成とコーディネーション。 ‐ 原材料、コンポーネント、完成品の調達のコーディネーション。 ‐ 技術サポート・サービスとメンテナンス。 ‐ マーケティング管理と販売促進プランニング。 ‐ データ/情報の管理と処理。 ‐ マレーシア国外にある関連企業や関連事業所に代わって、マレーシアで 実施される研究開発(R&D)活動。 ‐ 関連事業所や関連企業に対する従業員の訓練と人事管理。 ‐ 関連事業所や関連企業に対する、下記の財務ファンドマネージメント・ サービス。 • マレーシア国外の関連会社に対するリンギット以外の通貨での信用供 与の提供。 • マレーシア国内外の銀行によって発行された、外貨建ての株式や証券 (国債、手形、預金証書、財務省短期証券を含む)の取引や投資。 • オンショア銀行、マレーシアにある認可された国際イスラム銀行、海 外銀行での外貨預金への投資。 • ラブアンにあるオンショア銀行や認可銀行を通して実施される、外貨 建ての、ヘッジを目的とした外国為替取引や金利/通貨スワップ。 53 • ヘッジを目的とした、オンショア銀行との金融デリバティブや、ブル サ・マレーシアでの天然パーム油の、リンギットまたは米ドル建てで の先物契約の取引。 • ヘッジや投資を目的として、居住者である先物ブローカーを通しての み行われる海外指定為替での外貨デリバティブの取引。 財務ファンドマネージメント・サービスの運用資金は、マレーシアの認 可銀行やラブアンのオンショア銀行からの借入金、経営統括本部(OHQ) の払込資本金、認可活動から得た利益剰余金、当該事務所の利益剰余金、 マレーシア国外からの借入金などを通じてのみ取得されます。 金融機関によって設置された経営統括本部(OHQ)は、その関連会社が 1989年金融ファイナンシャル機関法(法令372)(BAFIA)に基づきライ センスを取得した金融機関でない限り、財務ファンドマネージメント・ サービスをマレーシア国内にある関連会社に提供することが禁止されて います。 ‐ 関連企業や関連事業所に対する、下記のコーポレート金融アドバイザリ ー・サービス。 • 関連会社に対するリンギット以外の通貨建ての与信管理の提供。 • 関連会社に対するリンギット以外の通貨建ての信用供与のアレンジ。 • リンギット以外の通貨での金利スワップや通貨スワップのアレンジ。 • 経営統括本部(OHQ)は、関連会社が抱える損失やマレーシア国外の第 三者からの損失を、割引価格で引き受けることができます(ファクタ リング)。 • 関連会社間で請求された製品やサービスを、経営統括本部によって再 度請求することもできます。(リインボイス)。 • マレーシアから輸出された製品の輸出売上高以外であれば、関連会社 と経営統括本部間との支払いのネッティングは自由に認められていま す。 • 経営統括本部(OHQ)は、機械、機器、不動産を、関連会社にリースす ることを目的として購入することができます(リース)。 • 経営統括本部(OHQ)は、関連会社が保有する機械、機器、不動産を、 関連会社にリース・バックすることを目的として購入することができ ます(リース契約付き売却)。 15.3 出資比率条件 1967年所得税法の第127条に基づいてOHQステータスと優遇措置を得た企業 は、100%の外国資本保有が認められます。 15.4 優遇措置 経営統括本部(OHQ)と認められた場合は、下記による所得に対して、1967年所 得税法第127条に基づいて10年間の法人税免除の対象となります。 • 営業所得 経営統括本部(OHQ)が関連事務所や関連会社に提供したサービスによる所 得。 投資優遇措置 54 • 利息 経営統括本部(OHQ)が関連事務所や関連企業に貸し付けた外貨ローンの利 息から得た所得。 • ロイヤリティ 関連事務所や関連企業に代わって、経営統括本部(OHQ)がマレーシアで実 施した研究開発活動から得たロイヤリティ。 経営統括本部(OHQ)が、マレーシアの関連事務所や関連会社に提供したOHQ適 格サービスによって発生する所得は、その所得が適格サービス提供による全所 得の20%を超えないことを条件に、その免税期間中は課税されません。 15.5 その他の便益 認可された経営統括本部(OHQ)は、下記の便益の対象にもなります。 • • • マレーシア国内ではそのサービスが受けられない場合、外国企業の専門サ ービスを利用することができます。 経営統括本部(OHQ)の運営のために使用する目的であれば、固定資産を保 有することが認められています。 経営統括本部(OHQ)で働く駐在員は、マレーシア滞在日数に基づく課税対 象所得に対してのみ課税されます。 15.6 外国人駐在員の雇用 外国人駐在員の雇用には2つのステージがあり、駐在員ポストの申請と雇用パ スの承認となっています。 経営統括本部(OHQ)ステータスに申請する企業は、キーポストを含む駐在員ポ ストにも申請することができます。企業が、最低でもRM50万の払込資本金を 保有していることを条件に、認可は企業の要望に応じて与えられます。申請書 は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 マレーシア投資開発庁による駐在員ポストの認可に応じて、企業は移民局に雇用 パスの承認の申請書を提出しなければなりません。雇用パスが承認されたら、 駐在員を雇用することができます。 15.7 経営統括本部(OHQ)ステータスを認可された居住会社に対する外国為替管理 (FEA)の柔軟性 (ⅰ) 外貨アセットへの投資1 • 下記によって、外貨アセットに金額に関わらず自由に投資することができ ます。 ‐ 外貨建ての自己資金 ‐ 借用した外貨 ( ii ) 外国通貨の借金 • 55 OHQが下記に対して資金を貸すための目的でなければ、オンショア銀行、 認可された国際イスラム銀行、マレーシア国内の同一企業グループ2の他の 居住会社、非居住者から、外貨を金額に関わらず自由に借用することがで きます。 ‐ 他の居住者 ‐ 他の居住者に代わっての資金収集 • 輸入支払いのために、非居住者から、外貨の貿易金融商品を金額に関わら ず自由に取得することができます。 ( iii ) 居住企業間の支払い • リンギット建ての支払いには、規制がありません。 15.8 その他の外国為替管理(FEA)の柔軟性 居住会社であるOHQステータス企業にも、居住会社に対するその他の外国為替 管理の柔軟性が適用されます。詳細情報につきましては、 http://www.bnm.gov.my/microsites/fxadmin/0105_policies.htmをご参照 ください。 経営統括本部(OHQ)ステータスへの申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に 提出します。 16. 国際調達センター(IPC)/地域流通センター(RDC)に対する優遇 措置 国際調達センター(IPC) 国際調達センター(IPC)とは、マレーシア国内で設立された現地法人で、国内外 の関連企業や非関連企業のグループに、原材料、部品、完成品の調達や販売な どのビジネスをマレーシアで行う企業のことです。 地域流通センター(RDC) 地域流通センター(RDC)とは、自社グループにより自社ブランドとして生産さ れた完成品、コンポーネント、スペアパーツを、国内外のディーラー、輸入業 者、子会社、その他非関連会社に流通する目的で設立される集貨・統合センタ ーのことです。そのような付加価値活動には、バルクブレーク、再包装、ラベ リングなどが含まれます。 16.1 IPC/RDCステータスの認可 下記の適格基準を満たしている企業は、IPC/RDCステータスを申請することが できます。 • 1965年会社法(法令125)に基づき設立された現地法人。 • 払込資本金がRM50万以上。 • 年間総運営費がRM150万以上。 1 「外貨アセット」には下記が含まれます。 (a) 外貨証券 (b) 外貨ローン (c) 外貨預金 (d) 下記によって認可された外貨建ての商品 (i) 認可オンショア銀行 (ii) 認可された国際イスラム銀行 (iii) ブルサ・マレーシア (iv) 外国為替監督官庁に認可されている居住者 (e)居住者である先物ブローカーによって取り引きされた、外貨建てのデリバティブ(契約通貨以外) 2 企業グループとは、マレーシアで、親会社‐子会社の関係にある企業のグループを指します。 投資優遇措置 56 • マレーシアの港湾や空港の使用の増加。 • 操業3年目までに、年間総売上がRM5,000万以上。 • • 国内売上が年間総売上の20%を超えないこと。海外直送向けとしてマ レーシア国外からの製品調達による所得が、年間総売上の30%を超え ないこと。 国際調達センター(IPC)への申請は、マレーシアに関連製造工場がなけ ればできません。 16.2 出資比率条件 1967年所得税法(法令53)の第127条に基づいてIPC/RDCステータスや優遇 措置を得た企業は、100%の外国出資保有が認められます。 16.3 優遇措置 認可されたIPC/RDCステータス企業は、下記の優遇措置の対象となります。 • • 1967年所得税法(法令53)の第127条に基づき、10年間の法定所得の免 税。 免税所得からの配当は所得税支払済みの所得とみなされます。 適格資格: 上記の優遇措置の対象となるには、認可IPC/RDCステータス企業は下記の追加 条件を満たさなければなりません。 • • 年間売上がRM1億以上。その内、該当賦課年度において、適格活動による 年間輸出売上の価値がRM8,000万を達成し、直接輸出売上がRM5,000万 を達成していること。 自由地域(FZ)や保税倉庫(LMW)に対する販売を含む国内市場向けの売上が、 総売上の20%以下であること。 16.4 国際調達センター(IPC)や地域流通センター(RDC)ステータスを認可された居住 会社に対する外国為替管理(FEA)の柔軟性 (ⅰ) 当座口座取引のヘッジ • 商品やサービスの輸出入の支払いや受取りのために、オンショア銀行や 認可された国際イスラム銀行と、自由にヘッジすることができます。 ‐ 確固たる基礎制約によるもの または、 ‐ 先行取引によるもの • リンギットが含まれるヘッジは、認可オンショア銀行でのみ取り扱いで きます。 (ⅱ) 居住企業間の支払い • リンギット建ての支払いには、規制がありません。 57 • 国際調達センター(IPC)/地域流通センター(RDC)に(商品やサービスの 輸出から)輸出収益があった場合、商品やサービスの支払いのために、 他の居住会社に対して、外貨口座から外貨で自由に支払うことができま す。 16.5 その他の外国為替管理(FEA)の柔軟性 居住会社であるIPC/RDCステータス企業にも、居住会社に対するその他の外国 為替管理の柔軟性が適用されます。詳細情報につきましては、 http://www.bnm.gov.my/microsites/fxadmin/0105_policies.htm をご参照 ください。 16.6 その他の便益 認可IPC/RDCステータス企業は、下記の便益を受けることができます。 • • • 国際調達センター(IPC)/地域流通センター(RDC)の要求に基づく外国人駐 在員ポスト。 最終消費者に配送する前の再梱包、貨物混載や貨物統合のため、原材料、 コンポーネント、完成品を、自由工業地域(FIZ)、自由商業地域(FCZ)、保 税倉庫(LMW)、認可を受けた倉庫などに持ちこむ際の関税免除。 国際調達センター(IPC)/地域流通センター(RDC)で働く駐在員は、マレー シア滞在日数に基づく課税対象所得に対してのみ課税されます。 16.7 外国人駐在員の雇用 国際調達センター(IPC)/地域流通センター(RDC)ステータスに申請する企業は、 キーポストを含む駐在員ポストにも申請することができます。企業が、最低で もRM50万の払込資本金を保有していることを条件に、認可は企業の要望に応 じて与えられます。申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 マレーシア投資開発庁で駐在員ポストが認可されたら、企業は移民局に雇用パス の承認の申請書を提出しなければなりません。雇用パスが承認されたら、駐在 員を雇用することができます。 国際調達センター(IPC)/地域流通センター(RDC)ステータスへの申請書は、マレ ーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 17. 駐在員事務所と地域事務所 17.1 定義 駐在員事務所(Representative Office)/地域事務所(Regional Office)とは、本 社/本店に代わって認められた活動を行う、マレーシアにおいて設立された、製 造業やサービス業の外国企業/機関の事務所のことです。駐在員事務所/地域事 務所は、商業活動は行わず、本社/本店を代表して指定された役割だけを実施し ます。駐在員事務所/地域事務所の運営は、すべてマレーシア国外の出資元から 資金提供されなければなりません。駐在員事務所/地域事務所は、1965年会社 法に基づき現地法人を設立する必要はありません。駐在員事務所/地域事務所の 設立には、マレーシア政府の認可が必要となります。 17.2 駐在員事務所 駐在員事務所とは、特に製造業やサービス業において、国内の投資機会に関する 情報を収集、二国間貿易関係の促進、マレーシア製品やサービスの輸出を促進、 研究開発(R&D)を実施することが認められた、外国企業/機関の事務所です。 投資優遇措置 58 17.3 地域事務所 地域事務所とは、アジア大洋州地域にある、企業/機関の関連企業、子会社、代理 店の調整センターとしての役割を担う、外国企業/機関の事務所です。地域事務所 は、運営地域における企業/機関の指定された活動について責任を担っています。 17.4 認められる活動 認可された駐在員事務所/地域事務所は、本社/本店のために、下記の指定され た活動を行うために設立されます。 • 情報の収集と分析や、マレーシアと地域における投資やビジネス機会につ いてのフィージビリティ・スタディの実施。 • 事業活動の企画や調整。 • 原材料、コンポーネント、その他工業製品の発掘。 • 研究および製品開発の実施。 • 地域における関連会社、子会社、代理店の調整センター。 • 実質的な商取引に直接的に携わらない、その他の活動。 17.5 認められない活動 認可された駐在員事務所/地域事務所は、下記の活動を行うことが禁止されてい ます。 • • • • 商取引(輸出入を含む)、ビジネス活動またはその他すべての商業活動。 倉庫施設のリース。商品の発送/積換えや保管は、現地のエージェントまた はディストリビューターによって取り扱われなければなりません。 外国企業に代わってビジネスの契約にサインすること、あるいは対価を目 的としてサービスを提供すること。 マレーシアにある関連会社、子会社、支店などの通常業務に関わること。 17.6 資格条件 • • 駐在員事務所/地域事務所の運営経費予算は、年間RM150,000以上。 駐在員事務所/地域事務所は、マレーシア国外の源泉から生じる資金によっ て出資されなければなりません。 17.7 設立の期間 • • 企業とその他機関(貿易に関係ない非営利団体を含む) 各ケースのメリットに応じて、最低2年間。 政府機関と貿易協会 申請の要件による。 17.8 外国人駐在員の雇用 駐在員事務所/地域事務所には駐在員ポストが与えられ、その数は、駐在員事務 所/地域事務所の役割と活動に応じて認可されます。駐在員ポストは、管理職と 技術職にのみ考慮されます。 59 駐在員候補者は、申請企業またはその子会社かグループ企業に、現在雇用され ていなければなりません。駐在員事務所に勤務する駐在員は、通常の所得税が 課されます。しかし、地域事務所に勤務する駐在員は、マレーシア滞在日数分 に基づく課税対象所得に対してのみ課税されます。 駐在員事務所/地域事務所の設立や外国人駐在員ポストに対する申請は、マレー シア投資開発庁(MIDA)に提出します。 18. 財務マネージメント・センター(TMC)に対する優遇措置 認可された財務マネージメント・センター(TMC)とは、マレーシア国内外の関 連グループ企業に、集中財務マネージメント・サービスを提供する、マレーシ アで法人化された企業のことです。 18.1 資格条件 認可財務マネージメント・センター(TMC)となるには、下記の条件を満たさな ければなりません。 • 1965年会社法に基づき設立された現地法人。 • 払込資本金がRM50万以上。 • • • 年間総運営費(TMC活動への融資に関連する金利支出や減価償却は含まれ ません)がRM150万以上。 TMCに勤務する3名以上の管理職/役職クラスがいること。 マレーシア国外にある3社以上の関連企業に適格財務サービスを提供する こと。 18.2 財務サービス/適格サービス (ⅰ) 現金・融資・負債の管理 a) 認可オンショア銀行での集中口座を通しての共同出資金の調達。 b) 下記に対する、グループ内の余剰金やマレーシアの金融機関からの資金の提 供。 ‐ マレーシアの関連企業に対する場合は、リンギット建てまたは外貨建て。 ‐ 海外の関連企業に対する場合。 c) • あらゆる用途の場合は、外貨建て。 • マレーシアで使用する場合は、リンギット建て。 下記からの競争力のある資金供給源の調達。 ‐ グル―プ内の余剰金。 ‐ マレーシアの金融機関。 ‐ リンギット建てまたは外貨建ての国債/スクックの発行。 d) グループ企業に対する財務保証や非財務保証の提供や調達。 投資優遇措置 60 e) 当座口座の管理。 ‐ 支払勘定と売掛勘定の管理。 ‐ 会社間の相殺勘定の維持。 ( ii ) 投資サービス グループ内の資金の、国内金融市場や投資金や、オンショアまたはオフショア の外貨アセットへの投資。 ( iii ) ファイナンシャル・リスク・マネージメント 下記のヘッジ。 ‐ 為替レート・リスク ‐ 金利レート・リスク/ベンチマークレート・リスク ‐ マーケット・リスク ‐ クレジット/取引先リスク ‐ 流動性リスク ‐ 商品相場リスク 18.3 優遇措置 i. 認可された財務マネージメント・センター(TMC)は、関連企業に対して、 財務センターが提供した、5年間の財務サービスによって得た、下記の法 定所得の70%が免税されます。 a. マレーシア国内外の関連企業に対する、適格サービスの提供による、す べての手数料/管理収入。 b. マレーシア国内外の関連企業に対する、貸付/融資から受け取った利子収 入/金融収入。 c. グループ内の余剰金の管理として、オンショア銀行や短期投資(オンシ ョアまたはオフショア)での資金の入金から受け取った利子収入/金融収 入/収益。 d. 外国為替の実収益/収益/グループのリスク管理による利益。例えば、為 替レート・リスク、金利レート・リスク、ベンチマークレート・リスク、 マーケット・リスク、クレジット/取引先リスク、流動性リスク、商品相 場リスクなど。 e. 関連会社や金融機関で発行される、プレミアム/割引収益/国債/スクック の発行に伴う収益。 f. 保証金 ii. 資金が適格財務マネージメント・センター(TMC)の実施に使用されることを 条件に、財務マネージメント・センター(TMC)による、金融機関や関連企 業からの、利子の支払い/貸付による利益に対する源泉税の免除。 iii. 適格財務マネージメント・センター(TMC)の実施に使用される、マレーシ アの財務センターによってサインされた、ローン/融資契約やサービス契約 に対する印紙税の全額免除。 61 iv. 財務マネージメント・センター(TMC)で働く駐在員は、マレーシア滞在日 数に基づく課税対象所得に対してのみ課税されます。 v. 外国為替管理(FEA)の柔軟性。 vi. 外資規制はありません。 免税期間中に、財務マネージメント・センター(TMC)によって、マレーシアの 関連企業に対して提供された適格サービスによる収入は、その収入が、財務マ ネージメント・センター(TMC)の適格サービスによる収入の20%を超えないこ とを条件に、免税の対象となります。 18.4 その他の便益 認可された財務マネージメント・センター(TMC)は、下記の便益の対象となり ます。 • 財務マネージメント・センター(TMC)の要件に応じて、駐在員ポストが認 可されます。 この優遇措置は、2016年12月31日までに受理された申請に適用されます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 19. マレーシアにおける産業デザイン・サービスの提供に対する優 遇措置 高付加価値をもたらすクリエイティビティとイノベーションを促進するため、 産業デザイン・サービスの提供者は、5年間の法定所得の70%が法人税免除と なるパイオニア・ステータスの対象となります。パイオニア・ステータス期間 内に発生する未控除の資本控除と累積損失は、繰り越して、パイオニア・ステ ータス期間後の企業の収益から差し引くことができます。 産業デザイン・サービスは、大量生産の目的で提供されるものです。 2016年12月31日までに受理される申請は、この優遇措置の対象となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 20. 私立学校とインターナショナル・スクールに対する優遇措置 民間部門による教育サービスへの参入を促進し、教育機関の増設する政府の取 り組みを補完するために、教育省に登録し、教育省が定める規定を満たす私立 学校とインターナショナル・スクールに対して、税制優遇措置が与えられます。 a. 私立学校 i) 5年間、70%の法人税免除。パイオニア・ステータス期間内に発生する未 控除の資本控除と累積損失は、繰り越して、パイオニア・ステータス期間 後の企業の収益から差し引くことができます。 または、 ii) 最初の資本的支出が発生した日から5年間に発生した適格資本的支出の 100%に相当する投資税額控除(ITA)。この控除で、該当賦課年度の法定所 得の70%を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用される まで、翌年以降に繰り越すことができます。 投資優遇措置 62 b. インターナショナル・スクール i) 5年間、70%の法人税免除。パイオニア・ステータス期間内に発生する未 控除の資本控除と累積損失は、繰り越して、パイオニア・ステータス期間 後の企業の収益から差し引くことができます。 または、 ii) 最初の資本的支出が発生した日から5年間に発生した適格資本的支出の 100%に相当する投資税額控除(ITA)。この控除で、該当賦課年度の法定所 得の70%を相殺することができます。未利用の控除は、全額が利用される まで、翌年以降に繰り越すことができます。 (a)と(b)については、2015年12月31日までに受理された申請に、この優遇措置 が適用されます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 c. 私立学校とインターナショナル・スクールに対する追加的優遇措置 i. 教育設備に対する輸入税と販売税の免除。 ii. 海外プロモーション経費に対する二重控除。 (c)の発効日: i. (i)については、2011年10月8日以降に、マーシア投資開発庁(MIDA)に受 理された申請に適用されます。 ii. (ii)については、2012年賦課年度から、この優遇措置の対象となります。申 請書は、国税局(IRB)に提出します。 21. その他の優遇措置 ここでは、これまで記載されなかったその他の優遇措置で、次の部門に適用さ れるものを取りあげます。製造業、農業、航空宇宙産業、観光業、環境マネー ジメント、研究開発、研修、情報通信技術、認可サービス事業、製造関連サー ビス。 21.1 産業建物控除 産業建物控除(IBA)は、製造業、農業、鉱業、インフラ設備、研究、認可サービ ス事業、観光省に登録されたホテルなどを含む、特別な目的に使用される建物 の建設か購入のために資本的支出を伴う企業に与えられます。これにより、企 業は初年度償却10%、年次償却3%の控除を得られます。この産業建物控除は 30年間で償却することができます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 21.2 MSCマレーシア内の産業建物控除 サイバージャヤ内にMSCマレーシア・ステータス企業使用の建物建設を促進する ため、サイバージャヤ内のMSCマレーシア・ステータス企業が占有する新規建 物の所有者に対して、産業建物控除(IBA)が10年間与えられます。新規建物とは、 完成建物で、MSCマレーシア・ステータス企業にまだ占有されていない建物で す。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 63 21.3 監査費用に対する控除 マレーシアでの事業コスト削減と企業コンプライアンスを高めるため、監査費 用に対する支出は所得税算定の際、控除の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 21.4 ベンチャー・キャピタル産業に対する税制優遇措置 通常、ベンチャー・キャピタル企業(VCC)は、下記の投資状況を条件として、 10年間の法人税免除の対象となります。 i. ベンチャー企業に投資された資金のうち、最低50%がシードキャピタル。 または、 ii. ベンチャー企業に投資された資金のうち、最低70%が起業融資か初期融資。 ベンチャー企業の投資を刺激し更に促進するため、資金の最低30%を、シード キャピタル、起業融資、初期融資としてベンチャー企業に投資するベンチャー・ キャピタル企業は、5年間の法人税免除の対象になります。 この優遇措置は、2008年8月30日から2013年12月31日までに証券委員会に受 理された申請に適用されます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 21.5 資産の撤去や移転のための費用に対する税制優遇措置 工場や機械を含む資産の撤去や移転のためや、資産があった用地の復元のため の費用は、資産の費用と見なされないため、1967年所得税法第3条に基づく控 除の対象にはなりません。しかし、財務報告基準116項は、資産の費用は、資 産の撤去や移転のためや、資産があった用地の復元のための債務に関連して支 払わなければならない見積額を含むと規定しています。 このため、1967年所得税法と財務報告基準116項に基づく課税措置を簡素化する ため、工場や機械を含む資産の撤去や移転のためや、資産があった用地の復元 のための費用に対して、下記を条件としてバランシング控除*を提供する特別条 項が、1967年所得税法第3条に導入されています。 • • このような措置は、成文化された法律や契約書によって、工場や機械の撤 去や移転や、用地の復元の作業が実施されなければならない場合にのみ適 用されます。 これらの工場や機械が、他の事業や他の事業者によって使用されることは 認められません。 申請書は、2009年賦課年度から、優遇措置の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 21.6 所有権取得に対する優遇措置 特許、デザイン、模型、設計図、商標、ブランド、その他同様の権利を、外国 人から取得する際に発生する資本支出は、所得税算定の際に控除の対象となり ます。この控除は、5年間にわたり20%の年間控除という形で与えられます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 * バランシング控除の総額は、工場や機械の撤去や移転の費用または用地の復元の費用を、資産処分時の工場や機 械に対する出費の残高に加算して決定されます。 投資優遇措置 64 21.7 特許や商標に登録する中小企業に対する税制優遇措置 中小企業(SME)の技術革新や知的財産を促進するための政府の目標の一貫とし て、特許や商標を政府に登録するために発生した費用は、法人税算出の際に控 除することが認められています。 この登録費用には、1983年特許法や1976年商標法基づき登録された、特許や 商標の登録代理事務所に対して支払った費用も含まれます。 この税制優遇措置における定義は下記の通りです。 i. 会社は、1967年法人税法の1条2A項と2B項に基づき定義されています。 ii. 製造業、製造関連サービス産業、農業関連産業とは、下記のように定義さ れています。 • 150人未満のフルタイムの従業員、または年間売上げがRM2,500万未 満の企業。 iii. サービス産業、第一次産業、情報通信技術産業(ICT)とは、下記のように定 義されています。 • 50人未満のフルタイムの従業員、または年間売上げがRM500万未 満の企業。 この優遇措置は、2010年賦課年度から2014年賦課年度に適用されます。 21.8 関税に関する優遇措置 (ⅰ) 原材料やコンポーネントに対する輸入税の免除 完成品が国内市場向けか輸出向けかに係わらず、原材料やコンポーネントに対 する輸入税全額免税が考慮されます。 完成品が輸出向けの場合、原材料やコンポーネントが国内で生産されていない か、生産されていても品質や価格の点で要求水準を満たしていない場合は、原 材料に対する輸入税の全額免税が通常認められます。 完成品が国内市場向けの場合、国内で生産されていない原材料とコンポーネン トに対する輸入税の全額免税が考慮されます。また、関税対象の原材料やコン ポーネントで作られた完成品が輸入税を課されていない場合も、輸入税の全額 免税が考慮されます。 ホテルや観光事業は、特定の輸入品に対して輸入税と販売税の全額免税の対象 となります。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅱ) セット用医療機器の輸入に対する輸入税の免除 国内の医療機器メーカーが、付加価値を高め競争力を強化するために商品をセ ット化することを奨励するため、それらの医療機器が国内で製造されていない ことを条件に、完全処置セットの組み合わせや生産を目的として輸入される医 療機器に対して、輸入税が全額免除されます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 65 (ⅲ) 機械・機器の輸入に対する輸入税と販売税の免除 マレーシア政府は、製造工程で直接使用される機械・機器でマレーシア国内では 生産されていないものについては、非課税とする方針をとっています。したが って、機械・機器のほとんどのカテゴリーが輸入税非課税となっています。マレ ーシア国内では生産されていないが輸入税の対象になっている機械・機器を輸 入する場合は、輸入税および販売税が全額免除されます。また、国内で購入さ れた機械・機器に対しては、販売税が全額免除されます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅳ) スペアパーツや消耗品に対する輸入税と販売税の免除 製造業企業は、国内で生産されていない、製造工程で直接使われるスペアパー ツや消耗品に対する輸入税や販売税が免除されます。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (v) 製造活動のアウトソースに対する輸入税と販売税の免除 ビジネス・コストを削減し競争力を高めるため、マレーシア資本が60%以上の マレーシア・ブランドのオーナーが、製造活動をアウトソースする場合、下記 の優遇措置の対象となります。 a. 国内あるいは海外のアウトソース契約先で完成品を製造する際に使用され る原材料やコンポーネントに対する輸入税と販売税の免除。 b. 海外のアウトソース契約先から半製品を輸入し、国内のアウトソース契約 先に供給し完成品を製造する際の輸入税と販売税の免除。 申請書は、マレーシア投資開発庁(MIDA)に提出します。 (ⅵ) メンテナンス、修理、整備(MRO)事業に関する輸入税と販売税の免除 メンテナンス、修理、整備(MRO)事業を行う航空宇宙企業は、原材料、コ ンポーネント、機械、機器、スペアパーツ、消耗品に対する輸入税と販売 税の免除の対象となります。それぞれの輸入に、下記のいずれかのOEMメ ーカーによって発行された、部品コンポーネンツ証書を添えることが条件 とされています。 a. アメリカ合衆国からのFAA用紙8130‐3 b. 欧州連合からのEASA用紙1 c. 納税済み証書 d. 適合認証書 e. ベンダーからの証明書 f. 代理店証明書 申請書はマレーシア財務省に提出します。 (ⅶ) 太陽光発電システム機器に対する輸入税と販売税の免除 再生可能な資源によるエネルギーの使用を拡大するため、下記の優遇措置が提 供されます。 投資優遇措置 66 • • 第3者に使用される太陽光発電システム機器に対する輸入税と販売税の免除 が、エネルギー委員会によって認可された、太陽光発電サービス・プロバ イダーを含む輸入業者に与えられます。 マレーシア現地製造業者からの太陽光暖房システム機器の購入に対して、 販売税の免除が与えられます。 2012年12月31日までにマレーシア投資開発庁(MIDA)に提出された申請は、こ れらの優遇措置の対象となります。 (ⅷ) エネルギー効率機器に対する輸入税と販売税の免除 エネルギー効率機器の使用を拡大するため、下記の優遇措置が提供されます。 • • 高効率モーターや絶縁素材などのエネルギー効率(EE)機器に対する輸入税 と販売税の免除が、エネルギー委員会によって認可された、代理店を含む 輸入業者に与えられます。 マレーシア現地で製造された、冷蔵庫、エアコン、照明機器、扇風機、テ レビなどのエネルギー効率(EE)家電の購入に対して、販売税の免除が与え られます。 2012年12月31日までにマレーシア投資開発庁(MIDA)に提出された申請は、こ れらの優遇措置の対象となります。 (ⅸ) ハイブリット車や電気自動車に対する輸入税と物品税の免除 通常、2000cc以下のハイブリット車や電気自動車を含む完成車(CBU)の輸入に は、10%から80%の輸入税、物品税、販売税が課されます。 しかし、マレーシアをハイブリット車や電気自動車の地域ハブとして促進し、 またマレーシア現地の自動車メーカーや組立業者が国内で組立てる準備をする 優遇措置として、下記の基準と前提を条件に、ハイブリット車や電気自動車の フランチャイズ業者に、新車のCBUハイブリット車や電気自動車に対する輸入 税と物品税の100%免除が与えられます。 ハイブリット車とは: a. 下記の国連の定義に適合していること。 「車両駆動の目的で、少なくとも2つの異なるエネルギー変換器と2つの異 なるエネルギー保存システム(ガソリンまたは電気)を装備している車両。」 b. エンジン排気量が2000cc以下の新車のCBUハイブリット乗用車に限るこ と。 c. エンジン・スペックが少なくともユーロ3テクノロジーであること。 d. 道路交通局によって認可され、車両種認証を取得し、内燃ガソリン燃料で ある従来の車両に比べて、シティ燃費が少なくとも50%増か、シティ燃費 とハイウェイ燃費の総合燃費が少なくとも25%増を達成していること。 e. 一酸化炭素の排出が、1キロメートルあたり2.3グラム以下であること。 67 電気自動車とは: a. 下記の国連の定義に適合していること。 「車両内に装備されたけん引バッテリーのみによって供給された、けん引 エネルギーである電気モーターのみで駆動し、道路で走行することを目的 とした車体構造を備えた車両。」 b. 電気出力が100kW以下の新車のUBU電気自動車に限ること。 c. 道路交通局によって認可され、車両種認証を取得していること。 2013年12月31日までに財務省に提出された申請は、これらの優遇措置の対象 となります。 (ⅹ) 販売税の免除 1972年販売税法によりライセンスを受けた製造業者は、投入資材に対する販売 税の免税が得られます。年間総売上高RM10万以下の製造業者は、販売税ライ センス取得からは免除されているため、その完成品に対する販売税の納付が免 除されます。しかし、こういった製造業者も販売税ライセンスを取得し、投入 資材に対する販売税の免除を得ることを選ぶこともできます。 特定の種類の製品は、資材の購入時(input)と完成品の出荷時(output)の両方にお いて販売税が免除されます。これには、規制品目、医薬製品、乳製品、バティッ ク生地、香水、美容・化粧品、写真用カメラ、腕時計、ペン、コンピュータと周 辺機器・部品・アクセサリー、段ボール箱やケース、印刷産業の製品、農業・園 芸用散布機、ベニヤ板、再生タイヤ、無停電電力システム、機械、輸出用製品な どの製造に使用されたすべての物品(梱包材料を含む)が含まれます。 申請書は、マレーシア関税局に提出します。 (xi) 輸入税、販売税、物品税の払戻し 1967年関税法第99条、1972年販売税法第29条、1976年物品法第19条の規定 により、部品、原材料、梱包材料が、上記の法で規定されている条件に基づき、 1年以内に輸出される製品の製造に使用された場合、製造業者は納付済みの輸 入税、販売税、物品税の払い戻しが得られます。 マレーシアで製造された特定の物品に対し物品税が課せられています。対象と なる物品には、酒類、たばこ、自動車、トランプ、マージャン牌などが含まれ ます。 主関税地域(PCA)や認可施設(物品税対象の製品用)から、自由工業地域(FIZ)、 保税倉庫(LMW)、ランカウイ島、ラブアン島、ティオマン島に立地する工場で 他の製品を製造するための製品の移動は、輸出とみなされます。 企業は、工場が立地する最寄りのマレーシア関税局事務所に申請できます。 21.9 輸出に対する優遇措置 (ⅰ) 輸出促進に対する単純控除 居住会社が、マレーシアの製造製品、農業製品、サービスの輸出の可能性を探 るために費やした特定の経費は、単純控除の対象となります。 投資優遇措置 68 対象となる経費は下記の通りです。 • • 海外での特許、商標、製品ライセンスの登録料。 会社が、輸入者となる可能性のある業者をマレーシアに招待する際の、3 泊分までのホテル宿泊費。 (ⅱ) 輸出促進に対する二重控除 マレーシア居住会社が、マレーシアの製造品、農業製品、サービスの輸出の可 能性を探るために費やした特定の経費は、二重控除の対象となります。 対象となる経費は、下記の通りです。 • 海外での広告費、広報、広報関連業務費。 • 配送料を含む、海外へのサンプルの提供費。 • 輸出市場調査費。 • 海外での商品入札応募の準備費。 • 海外への技術情報の提供費。 • • • • • • • • 貿易・産業展示会、バーチャル・トレード・ショー、トレード・ポータル への展示や参加にかかる費用。それに伴う従業員の海外出張の渡航費。 従業員の海外出張での1日RM300までの宿泊代と、1日RM150までの食 事代等必要経費。 海外に設置した輸出促進用の販売事務所と倉庫の維持費。 輸出用のパッケージ・デザインに対する報酬の支払い。ただし、会社がマ レーシアの専門デザイナーに依頼した場合。 海外における入札の可能性を探るための事前調査費。 国際レベルのコンペに参加する際の、建築模型やエンジニアリング・モデ ル、概念図、3次元アニメの制作費。 国内外の貿易・産業展示会への参加費。 マレーシアにおける常設展示や海外のエキシビション・センターで開催さ れる展示会への参加にかかる費用。 会社登録局に登録したパートナーシップや個人企業も、上記の優遇措置を受け ることが可能になりました。この場合、これらの優遇措置を受けることができ る対象事業は以下のとおりです。 • 法律。 • 会計(税務、経営コンサルティングを含む)。 • 建築設計(都市開発や土地の造成設計を含む)。 • • 69 エンジニアリング、総合エンジニアリング(価格・量の査定サービスを含 む)。 医療、歯科医療。 パイオニア・ステータスを与えられている企業は、二重控除の権利を累積 することができ、パイオニア・ステータス終了後の所得と相殺することが 可能です。 (ⅲ) 輸出信用保険料に対する二重控除 輸出信用保険料支払いは、二重控除の対象となります。 (ⅳ) 船積み運賃に対する二重控除 サバ州やサラワク州から半島マレーシアに船で製品を送る運送する製造業者は、 船積み運賃に対する二重控除の対象となります。 (ⅴ) マレーシア・ブランド名のプロモーションに対する二重控除 マレーシア・ブランド名の普及のため、マレーシア・ブランドの登録所有者で ある企業または同一グループ内の企業は、ブランドの広告にかかった費用に対 して、下記の条件で二重控除の対象となります。 a. 該当会社が、マレーシア・ブランド名の登録所有者によって50%以上所有 されていること。 b. 控除は、賦課年度において1社からのみ申請すること。 c. 製品が輸出品質基準を満たしていること。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 (ⅵ) 倉庫に対する特別産業建築物償却制度 適格資本支出に対して年次償却10%が、輸出製品や再輸出製品のための保管用 倉庫として使用される建築物に適用されます。 (ⅶ) ロゼッタネットの実施に対する優遇措置 ロゼッタネットとは、世界のサプライヤーとつながるサプライチェーン・マネ ージメントに参入することを目的とした、ビジネス・メッセージを共通化でき るインターネットを利用したオープンな標準システムの一つです。 世界市場でさらに競争力を持つように、マレーシアの中小企業のロゼッタネッ トへの参入を促進するため、企業がロゼッタネット・マレーシアの管理と運営 や、マレーシア中小企業のロゼッタネット・システム参入のための支援に費や した費用や寄付は、所得税控除の対象となります。 対象となる経費と寄付は、機材の寄贈(コンピュータやサーバー)、ロゼッタ ネット・マレーシアに勤務するフルタイム従業員の給与、ソフトウェアの寄贈、 ソフトウェアやプログラミングの共同利用の費用、マレーシア中小企業従業員 を対象としたロゼッタネットの使い方の研修費用などです。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 21.10 環境保全設備の利用に対する優遇措置 環境保全設備を使用する企業は、設備の資本的支出に対して、初年度40%、年 次償却20%が得られます。従って、全額を3年で償却することができます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 投資優遇措置 70 21.11 環境保護活動への寄付 環境保全や環境保護のための認可団体への寄付は、単純控除の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 21.12 従業員の住宅施設に対する優遇措置 製造業、認可サービス事業、ホテル、観光業の従業員用の住宅施設として使用 される建物は、建物の建設や購入に伴う支出に対して、10年間の10%の特別建 築物年次償却の対象となります。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 21.13 従業員の託児所に対する優遇措置 従業員に対して託児施設を提供することを目的とした建物の建設や購入に伴う 支出は、10年間の10%の特別建築物年次償却の対象となります。 また、従業員の福利のために、託児所の提供や維持のための現金や現物による 寄付に対して、単純控除が適用されます。 申請書は、国税局(IRB)に提出します。 71 投資優遇措置 72 3 第3章 税制 1. マレーシアの税制 2. 課税対象所得の種類 3. 法人税 4. 個人所得税 4.1 居住者たる個人 4.1.1 4.1.2 個人所得税控除 税額払い戻し 4.2 非居住者たる個人 5. 源泉税 6. 不動産譲渡益税 7. 販売税 8. サービス税 9. 輸入税 10. 物品税 11. 関税上訴裁決機関と関税判定 12. 二重課税条約 第3章 税制 1. マレーシアの税制 マレーシア国内で獲得するまたはマレーシアを源泉とする、もしくはマレーシ ア国外を源泉としマレーシア国内で受け取とられた、法人を含む全ての個人所 得に対して、所得税が課されます。 しかし、賦課年度にマレーシア国外を源泉とし、銀行、保険、空輸、海運事業 を営む居住会社以外の個人がマレーシアで受け取った所得は、非課税です。 税金制度の近代化と合理化のため、自己申告システムが企業、個人事業主、パ ートナーシップ、組合、給与所得者に対して実施され、所得税は当期年度の所 得に基づいて課税されています。 2. 課税対象所得の種類 課税対象となるのは下記の所得です。 • 期間にかかわらず、ビジネスからの収益または利益 • 雇用から生じる収入および利益(給与、報酬など) • 配当、利子、または割引料 • 賃貸料、ロイヤリティ、またはプレミアム • 恩給、年金、またはその他の定期収入 • その他所得とされる収益または利益 課税所得は、所得獲得の際に生じた経費、税制上の減価償却、該当する優遇措置 などの調整後、算定されます。1967年所得税法第34条により、不良債権や貸倒 れのための引当金が認められています。しかし、会計上の減価償却は、税務計算 上は認められず、所定の「税制上の減価償却制度」が適用されます。2005年9 月30日以降にパイオニア・ステータスが終了する企業を含め、繰越欠損金を次 年度以降の所得と相殺するために、無期限に繰越すことができます。 3. 法人税 会社は、居住、非居住にかかわらず、マレーシア国内源泉所得が課税対象とな ります。銀行業務、保険事業、海運および空輸事業以外では、居住会社宛てに 送金された国外源泉所得は免税となります。しかしながら業務の経営管理がマ レーシアで行われている場合は、マレーシアの居住会社とみなされます。 2009年賦課年度から、法人税は25%となっています。この税率は下記の法人に も適応されます。 i. 信託機関 ii. 死亡時にマレーシア国外に居住していた、個人の財産遺言執行人 75 iii. 裁判所に任命された受取人 石油開発事業を行う個人は38%の法人税率が適用されます。2010年賦課年度か ら、1967年石油法(法人税)に基づく、川上の石油会社が得た所得の申告シス テムが、当期年度申告システム、かつ自己申告システムに変更されました。 2009年に受け取った所得に基づく2010年賦課年度の法人税は、5年間の分割で 支払うことができます。 企業、生活協同組合あるいは信託によって支払われたザカットの控除は、当該 賦課年度の累計所得の2.5%を超えてはいけません。 下記に対する出資には控除が認められます。 i. 連邦政府、州政府、地方自治体。 ii. マレーシア国税局の局長に承認された機構や機関。 iii. 財務省あるいはスポーツ理事会に承認されたスポーツ事業。 iv. 財務省に承認された国家プロジェクト。 2009年賦課年度から、ⅱ、ⅲ、ⅳに関する出資は、当該賦課年度の累計所得の 10%を超えてはいけません。 4. 個人所得税 すべての個人は、マレーシア国内源泉所得またはマレーシアで受領した国外源 泉所得に対して課税されます。居住者たる個人によりマレーシアへ送金された 所得は、免税になります。非居住者の個人の場合は、マレーシア国内源泉所得 のみが課税対象となります。 1967年所得税法第7項で規定されているように、税率はマレーシア滞在期間に よる個人の居住形態によります。通常、暦年のうち182日以上マレーシアに滞 在している個人は税制上の居住者とみなされます。 4.1 居住者たる個人 2010年賦課年度から、居住者たる個人は、個人所得税控除後の課税対象所得に 対して、累進税率0%から26%で課税されます。 4.1.1 個人所得税控除 居住者たる個人の課税対象所得は、総所得から個人所得税控除を差し引いて算 定されます。控除の種類は下記の通りです。 個人所得控除の種類 1. 本人と扶養家族 金額 (RM) 9,000 2. 親の医療費 5,000 (制限付き) 3. 基本的サポート機器 5,000 (制限付き) 4. 障害者の個人 6,000 5. 教育費 (個人) 5,000 (制限付き) 6. 重病の医療費 5,000 (制限付き) 税制 76 個人所得控除の種類 金額 (RM) 7. 健康診断一式 500 (制限付き) 8. 書籍、ジャーナル、雑誌、出版物の購入 1,000 (制限付き) 9. コンピュータの購入 3,000 (制限付き) 10. SSPNスキームの純貯蓄 3,000 (制限付き) 11. スポーツ活動用のスポーツ用品の購入 300 (制限付き) 12. 本人名義のブロードバンド接続料 500 (制限付き) 13. 居住用不動産の購入のための融資に支払う金利。 最初に金利が支払われた年から連続した3年間に、 年RM10,000までの控除。 10,000 (制限付き) 下記の条件付き: (i) 納税者はマレーシア国籍で居住者であること (ii) 住宅1棟のみ (iii) 売買契約が、2009年3月10日から2010年 12月31日の間に署名されていること。 (iv) 住宅が賃貸されていないこと。 下記の場合: (a) 2人以上の個人が、同一の不動産について控 除の申請が可能。 (b) 各個人が支払った金利の合計が、その年の許 容額を超える。各個人は、下記の計算に基づ いて、各年の控除額が認められる。 AxB C つまり; A = 該当する年に許容可能な金利総額 B = 該当する年に該当する個人によって支払われ た金利の総額 C = すべての個人によって支払われた金利の総額 14. 配偶者/慰謝料の支払い 3,000 (制限付き) 15. 障害者の配偶者 3,500 16. 一般子ども手当 1,000 17. 18歳以上の未婚で、フルタイムで高等教育を受け ている子ども 1,000 18. 18歳以上の未婚で、関連政府当局によって認可を 受けたプログラムや高等教育機関で、マレーシア国 内でディプロマ以上の資格、またはマレーシア国外 で学士以上を取得しようとしている子ども。 4,000 19. 障害者の子ども 5,000 関連政府当局によって認可を受けたプログラムや高 等教育機関で、マレーシア国内でディプロマ以上の 資格、またはマレーシア国外で学士以上を取得しよ う と し て い る 18歳 以 上 の 未 婚 の 障 害 児 は 、 RM4,000の追加控除 77 個人所得控除の種類 金額 (RM) 20. 生命保険とEPF 6,000 (制限付き) 21. 新たな年金計画の保険料、または既存の年金計画の 2010年1月1日以降に開始される追加保険料の支払 い (金額がRM1,000を超える場合は、生命保険料 と一緒に請求可能) 1,000 (制限付き) 22. 教育や医療給付の保険料 3,000 (制限付き) 4.1.2 税額払い戻し 居住者たる個人に対する課税額は、以下の税額払い戻しにより軽減されます。 i. 課税所得RM35,000未満の居住者たる個人に対する所得税払い戻し 2009年賦課年度から、課税所得がRM35,000を超えない個人は、RM40 0の払い戻しを受けることができます。配偶者が就労していないか配偶者の 所得が合算賦課の場合、その配偶者はさらにRM400の払い戻しが受けられ ます。同様に、配偶者が分離賦課の場合も、配偶者の課税所得が RM35,000を超えなければ、RM400の払い戻しを受けることができます。 税額払い戻し 2009年賦課年度 以降 (RM) a. 分離申告 妻 夫 400 400 b. 合算申告 妻 夫 400 400 合計 800 c. 夫または妻に所得がない場合の申告 ii. 妻 夫 400 400 合計 800 その他の税額払い戻し 税額払い戻し (RM) a. ザカット/フィットラ 課税額を上限とする b. 外国人労働者にかかる 手数料/税金 課税額を上限とする 税制 78 4.2 非居住者たる個人 2010年賦課年後から、非居住者たる個人には26%の税率が課せられ、個人所得 税控除項目はありません。しかし、就労許可取得の際に政府に支払った費用に 対して、払い戻しを受けることができます。 5. 源泉税 非居住者たる個人には、以下の最終課税である源泉税が課されます。 下記の特定所得に対して10%。 a. 人またはその従業員により、土地や権利の使用や、工場、機械、器具の設 置や操作などに関連して提供されたサービスの対価。 b. すべての科学的、工業的、商業的な、事業、ベンチャー、プロジェクト、 計画における、技術的経営や管理に関連して提供された技術的アドバイス、 アシスタントまたはサービスの対価。 c. 動産の使用に関する同意や取り決めに基づく賃料またはその他の支払い。 マレーシア国外で提供されたまたは実施された(a)や(b)のサービスに関 連して受け取る所得に対しては、源泉税は適用されません。 2008年8月30日から2012年12月31日まで、下記の分野における技術研修を提 供することによって非居住者が受け取る所得に対して、源泉税の免除が与えら れます。 a. 情報コミュニケーション技術(ICT)、電子、ライフサイエンスの大学院コー ス b. 看護やヘルスケア関連の応用コース c. 航空機整備工学コース 2009年1月1日から、非居住者によって提供される技術サービスのコスト削減の ため、マレーシアでのホテル宿泊に関する返済や支払いは、源泉税の目的での 総技術料の計算には含まれません。 未払いの源泉税に関しては、非居住者に対して支払われた総額に対してではな く、未払いの税額のみに対して10%の罰金が課せられます。 6. 不動産譲渡益税 マレーシアでは、通常、キャピタルゲインは所得税の対象ではありません。し かし、不動産譲渡益税が、マレーシアに所在する不動産の処分や、当該地所の 所有権、選択権、またはその他の権利の処分や、不動産保有会社の株式処分か ら生じる課税対象利益に課税されます。 2012年1月1日から、居住用や商業用の不動産の処分による利益に対して、下記 の通り、不動産の所有期間に応じて0%から10%課税されます。 79 不動産譲渡益税率 所有期間 企業 個人 (市民と永住権保持者) 個人 (非市民) 2年まで 10% 10% 10% 2年以上 5年まで 5% 5% 5% 5年超 0% 0% 0% 不動産譲渡益税の税率は、不動産所有者の重荷にならないよう免除が与えられ、 下記の通り、純益に応じて支払額が定められています。 i. マレーシア国籍または永住権を持つ個人による、1度のみの、居住用不動産 1棟の売却による純益に対する不動産譲渡益税の免除。 ii. 親、子ども、夫、妻、祖父母、孫との間での、不動産の売却による純益に 対する不動産譲渡益税の免除。 iii. 不動産譲渡益税は、購入額、改築費、雑費(例えば、法律手続料、印紙税 など)といった、関連費用を差し引いた後の純益に対してのみ課税されま す。 iv. 個人に対して、RM10,000または純益の10%のいずれか高い方までの控除。 会社や個人に対する税金についての詳細につきましては、www.hasil.gov.myを ご参照ください。 7. 販売税 販売税は、輸入時か製造出荷時に一段階式で課税されます。マレーシアでは、 1972年販売税法に基づき、課税対象品の製造業者はライセンスを取得する必要 があります。年間売上がRM10万以下か保税工場(LMW)の場合はライセンス取 得を免除されています。しかしながら、年間売上RM10万以下の会社は、ライ センス取得が不要である旨の証明を受けなければなりません。 ライセンス取得済みの製造業者は製品の出荷額に対する販売税を納税するのに 対し、ライセンス未取得か取得を免除されている製造業者は投入資材の価額に 対して販売税を支払わなければなりません。小規模製造業者が資材投入の度に 販売税を前払いする負担を軽減するため、1972年販売税法に基づき、小規模製 造企業もライセンスを取得し、免税で投入資材を購入することもできます。こ れにより、小規模製造業者は完成品に対してのみ販売税を支払うようにするこ とができます。 販売税は通常10%です。しかし、課税対象品の製造に使用される原材料や機械 は、免税措置を受けることができます。特定の非課税製品への投入資材も免税 となります。 特定の嗜好食料品、アルコール飲料、刻みたばこ/巻きたばこ、建築資材の税率 は5%、一般商品は10%、飲料の原料となる化合物は20%、特定の石油製品や エンジンオイルには個別の特定税率が課されます。特定の一次産品、基本食料 品、基本的建築資材、特定の農業機械器具、建設業用の重機械は免税となりま す。特定の旅行用品、スポーツ用品、書籍、新聞、読み物も免税となります。 税制 80 8. サービス税 マレーシアにおける特定の物品やサービスの提供に対してサービス税が課せら れます。これには、食品、飲料、たばこ、宿泊用の部屋やミーティング、会議、 文化的イベントやファッション・ショーのための施設提供サービス、医療サー ビス、民間病院における宿泊施設や食事の提供が含まれます。 また、会計士、法廷弁護士、弁務弁護士、エンジニア、建築士、測量士(鑑定 士、査定人や不動産業者を含む)、広告代理店、コンサルタント会社、経営サ ービス会社、保険会社、自動車サービスや修理センター、通信サービス会社、 警備保障サービス会社、レクリエーション・クラブ、不動産代理店、駐車場サ ービス会社、宅配便サービス会社などによって提供される専門的サービスやコ ンサルタント・サービスに対しても課税されます。 しかし、会社が同一グループに属する他の会社に提供したプロフェッショナル ・サービスは、現行の6%のサービス税が免税となります。マレーシア国内か ら海外に向けての国際宅配サービスも6%のサービス税が免除されます。 一般的に、サービス税の課税は、下記のようにRM15万からRM50万の年間売 上高に基づく特定の基準値に従って課されます。 i. 1987年商業車ライセンス委員会法に基づきライセンスを取得した、年間 総売上高がRM15万以上のレンタカー代理店。 ii. 年間総売上高がRM15万以上の職業紹介所。 iii. プロジェクト管理やコーディネート・サービスを含むマネージメント・サ ービスを提供する年間総売上高がRM15万以上の会社。 iv. 25客室以上あるホテルや、そのホテル内のレストラン。 2010年1月1日から、サービス税は、下記の通り、クレジットカードや無料で 発行されるものを含むチャージ・カードに対しても課されます。 i. 主要なカードに対して年間RM50。 ii. 補助的カードに対して年間RM25。 サービス税は、カードの発行日、完了年、または更新日に徴収されます。 9. 輸入税 マレーシアでは、いくつかの特定の品目に対しては固有の算定方式で輸入税が 課せられますが、ほとんどの場合は従価方式で課されます。しかし、貿易の自 由化に伴い、多岐にわたる原材料、コンポーネント、機械に対する輸入税が、 廃止、減税、免除されてきています。 さらにマレーシアは、アセアン域内で取引される全ての工業製品の輸入税が0% から5%となるアセアン共通実効特恵関税制度(CEPT)を公約しています。 マレーシアは引き続き、貿易、原産国証明、投資の分野で、自由貿易協定交渉 を進めています。今日までに、マレーシアは日本、パキスタン、ニュージーラ ンド、インドとの二国間自由貿易協定を締結しています。そして、アセアンの 地域協定として、中国、日本、大韓民国、オーストラリア/ニュージーランド、 インドとの自由貿易協定を締結しています。FTA協定国との輸入税は、協定に 基づき、個別引き下げと段階的除外が適用されます。 81 10. 物品税 たばこ、たばこ製品、アルコール飲料、トランプなどのカード、マージャン牌、 自動車といった、マレーシアで製造される特定の製品には物品税が課せられます。 自動車、トランプ、マージャン牌には価格に応じた物品税が課されていますが、 たばこ、たばこ製品、アルコール飲料には、特定の税率と価格に応じた税率とが 複合されて課税されます。 11. 関税上訴裁決機関と関税判定 関税上訴裁決機関(CAT)は、1967年関税法、1972年販売税法、1975年サービ ス税法、1976年物品税法に基づく事項に関する関税局長官の意思決定に対する 上訴を決定するために設立された独立機関です。 また、関税判定は、ビジネス・プランニング活動において確実性と予見可能性 の要素を民間部門に提供するために、1967年関税法、1972年販売税法、 1975年サービス税法や1976年物品税法に基づき導入されました。 関税局によって発行され、申請者によって同意された判定は、特定の期間、申 請者を法的に拘束します。主な関税判定は下記のとおりです。 i. 関税判定に対する申請は、製品の分類、課税対象サービスの決定、製品と サービスの価値の決定の原則に関して行うことができます。 ii. 申請は、十分な事実と定められた費用と共に、書面で行わなければなりま せん。 iii. 申請は、関税局が関税判定を発行するであろう製品が輸入される前、ある いはサービスが提供される前に行うことができます。 12. 二重課税条約 二重課税条約(DTA)は、国境を越えての所得流入に関連した各国の租税権を明確 にしたり、二重課税をなくすために税額控除や租税免除を提供することによっ て、二重課税の回避を求める二国間の協定です。 マレーシアの二重課税条約の目的は下記のとおりです。 i. 対内投資と対外投資双方にとって好ましい環境を創出すること。 ii. マレーシアの特別税制優遇措置を、資本輸出国の納税者にとって完全に有 効にすること。 iii. 一重課税から得る減税に比べて、より効果的な減税を二重課税から獲得す ること。 iv. 脱税や租税回避を防止すること。 先進国または途上国の多くの国々と同様に、マレーシアも、他の国々との国際 的な租税条約ネットワークを通して、世界との貿易や投資を促進するというニ ーズから免れることはできません。加速する工業化は、増加する国内への外国 直接投資と連動して、他の国々との租税条約の合意を、税制分野に対する確実 性と保証を投資家に提供するうえで不可欠なものとしました。2012年1月31日 現在、有効な二重課税条約は下記の通りです。 税制 82 アルバニア アルゼンチン* オーストラリア オーストリア バーレーン バングラデシュ ベルギー カナダ 中国 チリ クロアチア チェコ共和国 デンマーク エジプト フィジー フィンランド フランス ドイツ ハンガリー インド インドネシア イラン アイルランド イタリア 日本 ヨルダン カザフスタン 大韓民国 クウェート キルギス共和国 ラオス レバノン ルクセンブルグ マルタ モーリシャス モンゴル モロッコ ミャンマー ナミビア オランダ ニュージーランド ノルウェー パキスタン パプア・ニューギニア フィリピン ポーランド カタール ルーマニア ロシア サンマリノ サウジアラビア セイシェル共和国 シンガポール 南アフリカ スペイン スリランカ スーダン スウェーデン スイス シリア タイ トルコ トルクメニスタン アラブ首長国連邦 英国 アメリカ合衆国* ウズベキスタン ベトナム ヴェネズエラ * 制限付き協定 カタール:所得税/源泉税 - 2010年1月1日以降の賦課年度から適用。 石油所得税 - 2011年1月1日以降の賦課年度から適用 台湾(マレーシア国内の台北経済文化事務所が代表)に関しては、下記の租税 免除令によって二重課税免除が認められています。 i. P.U.(A)201 (1998) ii. P.U. (A) 202 (1998) 利子、ロイヤリティ、技術サービス料に対する源泉税は、それぞれ10%、 10%、7.5%に引き下げられています。 詳 細 情 報 に つ い て は 、 www.hasil.gov.myを ご 参 照 い た だ く か 、 [email protected]までEメールでお問い合わせください。 83 税制 84 3 4 4 第4章 入国手続き 5 1. マレーシア入国の際の要件 1.1 パスポートまたは旅行証明書 1.2 ビザの要件 1.3 必要なパス 2. 外国人駐在員の雇用 2.1 外国人駐在員ポストの種類 2.2 外国人駐在員の雇用に関するガイドライン 3. 外国人ポストの申請 4. 外国人労働者の雇用 6 第4章 入国手続き 1. パスポートとビザの要件 1.1 パスポートまたは旅行証明書 マレーシアを訪れるすべての人は、有効なパスポートか、マレーシア訪問のた めに作成され国際的に認知された旅行証明書を所持していなければなりません。 これらの証明書は、マレーシア入国時から6ヶ月以上の残存有効期限があるも のでなければなりません。 マレーシアが承認していないパスポートを所持している人は、パスポートに代 わる文書とマレーシア在外公館により発行されるビザを申請しなければなりま せん。ビザの申請は、最寄りのマレーシア在外公館で行うこともできます。 マレーシアの在外公館がない国では、最寄りの英国高等弁務官か大使館に申請 します。 1.2 ビザの要件 ビザとは、外国人のパスポートまたは承認された旅行証明書に、その所持者が マレーシア入国を申請し、許可を得たことが明記された是認のことです。 マレーシア入国の際ビザが必要な外国国籍の方は、入国前にマレーシアの在外 公館にて、事前にビザを申請し、取得しなければなりません。 ビザを必要とする国は下記の通りです。 ビザを必要とする国 ビザを必要とする 英連邦諸国 87 • • • • • • • • • • • • • • • • • アフガニスタン* アンゴラ ブータン ブルキナファソ ブルンジ 中央アフリカ共和国 中国 コロンビア コモロ コンゴ民主共和国 コンゴ共和国 コートジボアール ジブチ 赤道ギニア エリトリア エチオピア ギニアビサウ共和国 • • • • バングラディッシュ • カメルーン • ガーナ • モザンビーク • • • • • • • • • • • • 香港(身元証明書) インド リベリア マリ ミャンマー (一般パスポート) ネパール ナイジェリア ルワンダ セルビア共和国・ モンテネグロ共和国 台湾 国際連合 (通行証明書の所持者) 西サハラ ナイジェリア パキスタン スリランカ 3か月以上の滞在に ビザが必要な国 • • • • • • • • • • • • • • • • • • アルバニア アルジェリア アルゼンチン オーストラリア オーストリア(ウィ ーン) バーレーン ベルギー ボスニア・ヘルツェ ゴビナ ブラジル クロアチア キューバ チェコ共和国 デンマーク エジプト フィンランド フランス ドイツ ハンガリー アイスランド アイルランド イタリア 日本 ヨルダン キルギスタン クウェート キルギス共和国 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • レバノン リヒテンシュタイン ルクセンブルク モロッコ オランダ ノルウェー オマーン ペルー ポーランド カタール ルーマニア サンマリノ サウジ・アラビア スロバキア 大韓民国 スペイン スウェーデン スイス テュニジア トルコ トルクメニスタン アラブ首長国連邦 英国 ウルグァイ イエメン • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • アルメニア アゼルバイジャン バルバドス ベラルーシ ベナン ボリビア ブルガリア カンボジア カーボヴェルデ チャド チリ コスタリカ エクアドル エルサルバドル エストニア ガボン グルジア ギリシャ グアテマラ ギニア共和国 ハイチ ホンジュラス 香港SAR • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • マダガスカル モルドバ モーリタニア メキシコ モナコ モンゴル ニカラグア 北朝鮮 北イエメン パナマ パラグアイ ポルトガル ロシア サントメ・プリンシペ セネガル スロベニア スーダン スリナム タジキスタン トーゴ ウクライナ 上ボルタ • • • • • • • • 1か月以上の滞在に ビザが必要な国 入国手続き 88 14日以上の滞在に ビザが必要な国 • • • • • カザフスタン ラトビア リトアニア マカオSAR マケドニア • • • • • ウズベキスタン バチカン市国 ベネズエラ ザイール ジンバブエ • • • • イラン イラク リビア マカオ(旅行許可 /ポ ル ト ガ ル の 身 元 証明書) • • • • • パレスチナ シエラレオネ ソマリア 南イエメン シリア アメリカ合衆国の国民は、社交、商用、学術目的の訪問には(雇用以外)、ビ ザは必要ありません。 イスラエル国民は、ビザとマレーシア内務省からの事前許可が必要です。しかし、 セルビア共和国とモンテネグロ共和国の国民は、ビザが必要で、事前許可は必要 ありません。 アセアン諸国(ミャンマーを除く)の国民は、1か月以内の滞在にはビザは必要 ありません。1か月を超える滞在には、ビザが必要です。(ブルネイとシンガポ ールの国民を除く) 上記以外の国(イスラエルを除く)からの国民は、1ヶ月以内の社交滞在には、 ビザ無しでマレーシアに入国することができます。 注: * ビザには、身元保証つまりマレーシア入国管理局による認可が必要。 1.3 必要なパス 社交用または商用目的での入国申請以外の場合、訪問パスへの申請は、マレー シア到着前に行わなければなりません。 パスとは、認可された期間の滞在許可をパスポートに示した是認のことです。 マレーシアを訪問する外国人は、マレーシアでの一時的な滞在を認めるビザ (必要な場合)とは別に、マレーシア入国の際にパスを取得しなければな りません。 こうした申請のすべてにおいて、マレーシア国内での保証人を立てなければな りません。保証人は、必要な場合、その外国人の扶養やマレーシアからの本国 送還に関して責任を負うことに同意しなければなりません。 外国人訪問者に対して、マレーシア到着時に発給されるパスは下記の通り です。 (ⅰ) 訪問パス(社交)短期 訪問パスは、下記のような社交用あるいは/および商用の目的で訪問する外国人 に発給されます。 • 会社の会議、コンファレンスまたはセミナー、会社会計の立ち会い、会社 経営を円滑に行うために、マレーシアに入国する会社の所有者や当該会社 の代表者。 • ビジネスや投資の機会を探るため、または製造工場設立のために入国する 投資家や企業家。 89 • 直接販売や流通に従事するためでなく、マレーシアで製造する予定の商品 を紹介するために入国する海外企業の代表者。 • 不動産に関連した交渉、販売、リースのために入国する不動産所有者。 • マレーシアにおけるイベント等の取材のために入国するマスメディアの外 国人ジャーナリストまたはレポーター。 • スポーツ・イベントの参加者。 • 国内の大学で試験を受ける、または親善ミッションに参加する学生。 • 入国管理局の長官によって認可された、上記以外の活動のため入国する 訪問者。 これらのパスで就労したり、新規機械設置や工場建設の監督をすることはでき ません。 (ⅱ) 訪問パス(社交)長期 長期社交訪問パスは、6カ月以上、マレーシアに一時的に滞在する外国人に発給 されます。訪問者の適格や一定の条件を満たすことにとって、延長が与えられ ます。 長期社交訪問パスを保持する、マレーシア人の外国人配偶者は、社交訪問パス を雇用パスや訪問パス(一時雇用)に変更することなく、いかなる形態の雇用、 ビジネス、専門的職業に従事することが認められています。 (ⅲ) 訪問パス(一時就労) このパスは、24ヶ月以下の就労のためマレーシアに入国する外国人に発給され ます。 (ⅳ) 雇用パス このパスは、最低2年間、就労のためマレーシアに入国する外国人に発給され ます。雇用パスは、申請者が、関連認定機関から外国人駐在員ポストの認可を 取得した後、発給されます。 (ⅴ) 訪問パス(専門業務) エージェンシーとの短期契約に基づき入国する外国人に発給されます。 対象となる外国人の分野は以下の通りです。 専門家/ボランティア • • • • • アーティスト • • 宣教師 (イスラムまたはその他の宗教) • マレーシア政府に認可された研究者 国際機関の職員 招待された講師/講演者 機械の導入やメンテナンスに関する専門 家 職業訓練を提供する者など 撮影や上演のために入国する者 アルバムや新製品のプロモーションのた めに入国する者など 宗教的目的で入国する者 入国手続き 90 パスの有効期間は1回につき12ヶ月未満です。 申請は、関係エージェンシーによって提出されなければなりません。 (ⅵ)扶養家族パス この便宜は、外国人駐在員の家族に対して与えられます。扶養家族パスは、雇 用パス所有者の配偶者と子どもに対して発給されます。このパスは、雇用パス の申請と同時か、雇用パス発行後に申請することができます。 (ⅶ) 学生パス このパスは、マレーシア高等教育省に承認されたコースで、マレーシア内務省 から外国人留学生の受け入れの認可を受けた教育機関で、マレーシアでの就学 を希望する外国人に発給されます。 2. 外国人駐在員の雇用 最終的にはマレーシア人があらゆるレベルの職において訓練を受け、雇用され ることをマレーシア政府は望んでいます。従って会社は、組織内のすべてのレ ベルでの雇用体系において、国内の複合民族構成が反映され、また、より多く のマレーシア人を訓練することが奨励されています。 しかしながら、訓練を受けたマレーシア人が不足している分野においては、外 国企業はキーポストやタイムポストといった外国人駐在員を配属することが認 められています。キーポストとは、永久的に外国人を配属することができるポ ストで、タイムポストとは、定められた期間に配属することができるポジショ ンです。 2.1 外国人駐在員ポストの種類 駐在員とは、下記のポジションを満たすための資格を取得した外国人です。 a. キーポスト マレーシアで操業している外国資本の私企業や会社における上級管理職ポ ストです。キーポストは、企業にとって利益や投資を保護するために必須 なポストです。外国人駐在員は、目標や目的達成のための企業方針の決定 において責任があります。 b. タイムポスト i. エグゼクティブ・ポスト 中間管理職や専門職のポストです。このポストは、該当する仕事に関 連した専門的資格、実務経験、技術、専門知識を必要とします。外国 人駐在員は、会社の方針の実行や従業員の指揮において責任がありま す。 ii. ノンエグゼクティブ・ポスト 特定の専門技術または実践的スキルと経験を必要とする技術職を実行 するためのポストです。 91 2.2 外国人駐在員の雇用に関するガイドライン 外国人駐在員を雇用するには2段階のステップがあります。 a. ビジネスの業種により決定される関連省庁による駐在員ポストへの申請。 b. 認定機関による駐在員ポストが認可されたら、企業は雇用パスの是認を入 国管理局に申請しなければなりません。 外国駐在員雇用のガイドラインは、下記の通りです。 a. 外国払込資本金がUS$200万以上の製造業企業の場合 • キーポスト5つを含む10ポストが自動的に認可されます。 • 外 国 人 駐 在 員 は 、 最 大 10年 間 エ グ ゼ ク テ ィ ブ ・ ポ ス ト に 就 くことができます。ノンエグゼクティブ・ポストの場合は5年間です。 b. 外国払込資本金がUS$20万からUS$200万未満の製造業企業の場合 • 少なくともキーポスト1つを含む5ポストが自動的に認可されます。 • 外 国 人 駐 在 員 は 、 最 大 10年 間 エ グ ゼ ク テ ィ ブ ・ ポ ス ト に 就 くことができます。ノンエグゼクティブ・ポストの場合は5年間です。 c. 外国払込資本金がUS$20万未満の製造業企業の場合は、既存のガイドライ ンに基づきキーポストとタイムポストが考慮されます。既存のガイドライ ンは以下のとおりです。 • 外国払込資本金が最低RM50万以上の場合、キーポストが考慮されま す。しかしながら、この金額はあくまでもガイドラインに過ぎず、キ ーポストの数は各プロジェクトがもたらすメリットに応じて考慮され ます。 • 最長10年までの専門的資格と実務経験を必要とするエグゼクティブ・ ポスト、そして技術的技能と経験を必要とするノン・エグゼクティブ ・ポストについては、最長5年までのタイムポストが考慮されます。 これらのポストは、マレーシア人が最終的に引き継ぐように訓練され ることが条件とされています。 • キーポストとタイムポストの数は、各プロジェクトがもたらすメリッ トに応じて考慮されます。 d. マレーシア資本の製造業企業の場合、研究開発部門を含む技術部門での外 国人駐在員雇用は、企業のリクエストに応じて認可されます。 同一の会社内で他のポストから配置転換された外国人駐在員は、新しい雇 用パスを取得する必要があります。ポストの変更に伴い最初の雇用パスが 新しいポストのものに改められます。新しい駐在員が前任者のポストを引 き継ぐ場合も、新規の雇用パスを取得しなければなりません。 入国手続き 92 すべての雇用パスは、ポストの承認期間にわたり有効です。しかし、キー ポスト保持者の場合、雇用パスは下記の場合を除き、最長5年ごとに更新 されます。 • 外国人駐在員のパスポートの残存有効期限が5年未満の場合。 • 外国人駐在員の雇用契約が、5年未満の場合。 • 雇用主が、必要とする外国人駐在員の任務を5年未満とした場合。 雇用パス保持者には、そのパスの有効期間にわたり数次出入国ビザが発行され ます。 3. 外国人ポストの申請 製造業や関連サービスセクターの新規企業や既存の企業(拡張や多角化を伴わ ない事業も含む)による、外国人ポストの申請は、マレーシア投資開発庁 (MIDA)に申請します。これは、製造業ライセンス取得の必要性のある企業も、 製造業ライセンス取得を免除されている企業も対象となります。 入国手続きの詳細に関しましては、www.imi.gov.myをご参照ください。 4. 外国人労働者の雇用 マレーシアでは、製造業、建設業、プランテーション、農業、サービス業、家 事使用人などの分野において、外国人労働者を雇用することができます。 サービス業には、11のサブセクター(レストラン、清掃サービス、貨物運搬、 ランドリー、ゴルフ・クラブのキャディ-、理髪師、卸売/小売、繊維、金属/ スクラップ/リサイクル活動、福祉施設、ホテル/リゾート・アイランド)があ ります。 下記の特定の国の国民だけが、選定されたセクターで就労することができ ます。 認可セクター 国籍 • • • • • 製造業 プランテーション 農業 建設業 サービス・セクター • サービス業(料理人、卸売/小売、理髪師、金属/ インド スクラップ/リサイクル、繊維) 建設業(高圧線整備のみ) 農業 プランテーション • • • 93 インドネシア カンボジア ネパール ミャンマー ラオス ベトナム フィリピン(男性のみ) パキスタン スリランカ タイ トルクメニスタン ウズベキスタン カザフスタン 認可は各ケースのメリットに基づいてなされ、付随条件はその都度決定さ れます。適格なマレーシア人や永住権者がどうしても見つからない場合の み、外国人労働者の雇用申請が考慮されます。 外国人労働者に対する年次雇用税(Levy)は、下記の通りに課されます。 認可セクター 年間雇用税 製造業 RM1,250 プランテーション RM590 建設業 農業 家事手伝い サービス業 • 福祉施設 • アイランド・リゾート • その他 RM1,250 RM410 RM410 RM600 RM1,200 RM1,850 外国人労働者の申請すべては、ワンストップ・センターである、内務省に提出 します。しかし、外国人家事手伝いの申請は、マレーシア入国管理局に申請し ます。 外国人労働者の雇用に関する詳細につきましては、マレーシア内務省のホーム ページhttp://www.moha.gov.myをご参照ください。 入国手続き 94 3 第5章 人的資源 1. マレーシアの労働力 4 2. 人的資源の開発 2.1 工業技能訓練施設 2.2 人的資源開発基金 2.3 管理職 5 5 3. 労働力コスト 4. リクルートの手段 5. 労働基準 5.1 1955年雇用法 5.2 サバ州とサラワク州の労働法令 5.3 1991年被雇用者積立基金法(EPF) 5.4 1969年被雇用者社会保障法 5.5 1952年労働者災害補償法 5.6 1994年職業安全保健法 6. 労使関係 6.1 労働組合 6.2 1967年労使関係法 6.3 労働組合が組織されていない企業の労使関係 6 第5章 人的資源 1. マレーシアの労働力 マレーシアは、勤勉で、規律正しく、教育され、更なる向上が可能な労働力を 提供しています。新規に労働市場へ加わるマレーシアの若者は、少なくとも11 年間、つまり高等学校レベルの学校教育を終了しています。従って、新しい技 術を訓練することは容易です。 製造業における技術的訓練を受けた労働力への高まる需要に対応するため、マ レーシア政府は、国内外の大学、カレッジ、職業訓練校を卒業したエンジニア、 技術者、熟練労働者を増員する政策をとっています。 さらにマレーシアには、労使関係が良好で調和がとれた、自由で競争力のある 労働市場があります。マレーシアの労働コストは、工業先進国に比べて、生産 性が高いにもかかわらず相対的に低いといえます。 2. 人的資源の開発 人的資源省の傘下にある技術開発局(DSD)は1989年5月に設立され、以前は国 立職業訓練評議会(NVTC)として知られていました。2006年9月1日から、国家 技術開発法(NASDA)[法令652]に定められた通り、名称が技術開発局(DSD)と 変わりました。国家の技術的・経済的発展のニーズに沿った職業工業訓練の戦 略とプログラムを計画、促進、調整しています。 技術発展局(DSD)は、あらゆる公共や民間の訓練施設設立を調整し、現行およ び今後の技術需要を評価調査し、将来の職業工業訓練のニーズを明確にし、国 家職業技能資格(NOSS)の元で、水準の向上発展を継続的に行っていきます。現 在 ま で に 、 能 力 認 定 (certificate)、 修 業 資 格 (diploma)、 高 等 修 業 資 格 (advanced diploma)など700以上の国家職業技能資格が設けられています。国 家職業技能資格(NOSS)の中で、20の主要産業セクターが将来的な水準向上発 展のために特定されています。 2.1 工業技能訓練施設 マレーシアでは、職業技術訓練校、工科専門学校、工業訓練研究所で、様々な 工業分野において雇用される若者を育成しています。ほとんどの場合が政府機 関によって運営されていますが、民間の学校も産業で必要とされている熟練労 働者を育成し、政府の取り組みを補足しています。 訓練に従事している主な政府機関は下記の通りです。 • 97 人的資源省は、現在21ヶ所の工業訓練所(ITI)を運営しています。この工業 訓練所(ITI)では、入社前又は新入社員に対する基礎、中級、上級の産業技 術訓練プログラムを提供しています。これには、機械、電気、建物、印刷 業における実習や、技能向上プログラムや教官養成訓練プログラムも含ま れます。また人的資源省は、指導者高等技術研修センター(CIAST)、日本 マレーシア技術学院(JMTI)、4ヶ所の高等技術研修センター(ADTEC)も運 営しています。 • • • • 高等教育省は、2004年3月に設立され、公立および私立大学の監督、27 の技術専門学校、72のコミュニティ-カレッジを監督しており、産業界に 技能者を送り出す準備をしています。高等教育レベルでは、正式な職業訓 練が工科専門学校やコミュニティ-カレッジで行われており、エンジニア リング、商業、サービスの分野において、半熟練レベルの訓練された人材 を社会に創出することを目的としています。 教育省は、技術職業訓練コースを提供する90ヶ所以上の技術訓練校を運営 しています。技術訓練校の卒業生は、新入社員として就職するか、高等教 育 省 の 管 轄 下 に あ る 修 業 資 格 (diploma)レ ベ ル の 工 科 専 門 学 校 、 認 定 (certificate)レベルのコミュニティ-カレッジ、または他の省の管轄下にあ る職業訓練施設において、高等教育に進学することも出来ます。 青年スポーツ省は、16ヶ所の国立青年技能研修センターと国立高等青年技 能研修センターで、基礎、中級、上級レベルの工業技能研修を提供してい ます。また、短期コースや技能向上プログラムなども実施しています。 地方地域開発省傘下の Majlis Amanah Rakyat (MARA)、別名先住民信託評 議会。MARAは、基礎、中級、上級、プロフェッショナル・レベルの訓練 プログラムを提供する技能訓練所を、全国で20ヶ所以上運営しています。 2.2 人的資源開発基金 人的資源開発基金(HRDF)は1993年に設立され、人的資源開発協議会(HRDC) によって運営されています。法人化によって、人的資源開発協議会(HRDC)は現 在ではPembangunan Sumber Manusia社(PSMB)として知られています。 人的資源開発基金(HRDF)は、徴収/給付システムに基づいて運営されています。 所定額を納付した雇用者は、雇用するマレーシア人従業員の研修費の全額また は一部を支払うために、基金から研修給付金を受ける資格があります。 製造会社は、下記の通り拠出します。 50人以上の従業員を雇用する会社 従業員の月額給与の1% 払込資本金がRM250万以上で 10人以上50人以下の従業員を雇用する会社 従業員の月額給与の1% 払込資本金がRM250万未満で 従業員の月額給与の0.5% 10人以上50人以下の従業員を雇用する会社は、 オプションとして人的資源開発協議会(PSMB)に 登録することができます。 現在では、Pembangunan Sumber Manusia社(PSMB)の雇用者口座に課徴金 残高がある限り、給付金支給額は、マレーシアで行われた研修に対しては対象 費用の100%、海外で行われた研修に対しては50%までとなっています。 これまでに、PSMBは、高度な研修を受けた労働力を産業界に提供するため、 現場実習制度、研修補助金制度、その他基礎技術研修制度といった、さまざま な制度を開発し実施してきています。 現場実習制度では、雇用者は、実習生月額手当、保険料、研修用消耗品など対 象となる研修費について100%の給付金を得ることができます。 現在までに、これらの制度は、メカトロニクス、ホテル観光業、製造業、情報 通信、工具と金型、木材製品などの様々な産業に対応しています。 人的資源 98 雇用者が最適な研修プログラムをインターネット上で調達するのを促進するた め、PSMBはwww.hrdportal.com.myにHRD検索サイトを開発しました。この 検索サイトは、ワンストップ・センターとしての役割を果たし、サイト内の双 方向機能を通して、研修提供者がより効果的且つ効率的に研修プログラムを宣 伝できるようにしています。 HRDFの詳細に関しては、www.hrdf.com.myをご参照ください。 2.3 管理職 2010年現在、マレーシアにある20の国立高等教育機関(IPTA)とその他の私立高 等教育機関(IPTS)から、92,979人の学士号取得者と57,185人のディプロマ取 得者が卒業しています。これらの卒業生は、ビジネス経営、情報技術、工学、 医学、バイオテクノロジー、科学、数学などからアート・デザインまで、様々 な分野を専攻しています。 大学やカレッジに加え、マレーシア生産性公社(Malaysia Productivity Corporation)やマレーシア経営研究所(Malaysian Institute of Management)、 マレーシア人事管理研究所(Malaysian Institute of Personnel Management)な どの機関でも、管理者の養成が行われています。さらに、マレーシアの管理職 レベルの人材の多くが、海外で教育を受けています。 3. 労働力コスト 製造業部門の基礎給与額は、立地や業種によって異なります。祭日、有給休暇、 病気休暇、産休、忌引休暇、制服の支給、無料送迎あるいは交通費の支給、実 績奨励金、シフト手当て、その他手当などの付属的福利厚生も、会社によって 異なります。 経営者レベル・管理職レベルの賃金や付加給付も、業種や企業の雇用方針によ って異なります。ほとんどの会社では、賃金に加えて医療費、入院費、個人傷 害生命保険、交通費の払戻し、年次ボーナス、退職手当、被雇用者積立基金 (EPF)への拠出増額といった付加給付を行っています。 製造業における給料と諸手当の詳細情報については、マレーシア雇用者連盟 (MEF)のホームページ、www.mef.org.myをご参照ください。 4. リクルートの手段 登録された民間の職業紹介所に加えて、雇用者と求職者は全国にある政府の職 業紹介所を利用することができます。従業員を募集している雇用者は、職業紹 介所に登録している求職者の詳細情報を入手することができます。職業紹介所 の活動は下記の通りです。 • 雇用者の人材募集を支援するための広報キャンペーン。 • 面接や適性検査の準備とアレンジ。 工科専門学校とコミュニティー・カレッジも、卒業予定者に対する雇用者と の面接の機会を提供しています。 99 5. 労働基準 労働局は、労使協調を維持するために、労働法を管理する役割を担っています。 労働法は、あらゆる雇用タイプに適用する最低条件を定めています。ビジネス 経営に対する柔軟性については、労働局長に対して免除申請する方法によって 促進されています。 5.1 1955年雇用法 主要な法規である1955年雇用法は、半島マレーシアとラブアン連邦直轄地の月 額賃金がRM1,500未満の従業員と、月額賃金額に関わらず全ての肉体労働者に 適用されます。雇用者は労働契約を結ぶこともできますが、法に定められた最 低の手当てに反するものであってはなりません。月額賃金がRM1,500から RM5,000の従業員は、個々の労働契約の項目や条件に関して、労働裁判所にお ける裁判によって救済を求めることができます。 1955年雇用法に基づく雇用者の義務は下記のとおり規定されています。 i. すべての従業員に、労働契約の解除などを含む雇用条件を明記した書面の 労働契約書を渡さなければなりません。 ii. 従業員の個人明細、賃金の支払い、控除などに関連する労働記録を保管す ること。 iii. 夜間勤務や出産給付金などに関する、女性従業員に対する特別規定。 iv. 正規の勤務時間とその他労働時間に関する規定。 v. 年次有給休暇、病気休暇、祝祭日の権利。 vi. 超過勤務や時間外労働に対する手当て。 vii. 外国人被雇用者の採用における、雇用者の手続きと責任。 5.2 サバ州とサラワク州の労働法令 サバ州労働法令とサラワク州労働法令は、それぞれの州における労働法の運用 を規定しています。サバ州労働法令とサラワク州労働法令は、1995年雇用法の 規定と相似しています。しかし、なかには異なるため留意すべき条項もありま す。 それらの条項は、下記の通りです。 児童や青少年の雇用に関する特別条項 法令は、「児童」や「青少年」の雇用における条件を規定しています。「児童」 とは15歳以下で、「青少年」とは15歳以上18歳未満のことです。 非居住者の雇用 「非居住者」の雇用を希望する雇用者は、まず、「非居住者」雇用のライセン スを、サバ/サラワク労働局長から取得しなければなりません。「非居住者」と は、1959年/1963年移民法71条で規定されているように、サバ/サラワクに属 していない人と定義されています。 人的資源 100 5.3 1991年被雇用者積立基金法(EPF) 1991年被雇用者積立基金法は、従業員への強制拠出を規定しています。この法 律により、雇用者と従業員(1991年被雇用者積立基金法の別表1に属する従業 員を除く)は、被雇用者積立基金(EPF)に、下記の料金を拠出しなければなりま せん。拠出率は以下のようになっています。 55歳未満 雇用者負担 - (a) 月額給与がRM5,000以下 従業員の月額給与の最低13% (b) 月額給与がRM5,000超 従業員の月額給与の最低12% 従業員負担 - 従業員の月額給与の最低11% [1991年被雇用者積立基金法の別表3(パートA)参照] 55‐75歳 雇用者負担 - (a) 月額給与がRM5,000以下 従業員の月額給与の最低6.5% (b) 月額給与がRM5,000超 従業員の月額給与の最低6% 従業員負担 - 従業員の月額給与の最低5.5% [1991年被雇用者積立基金法の別表3(パートC)参照] すべての外国人労働者と外国人駐在員は、強制加入から免除されています。しか し、下記のレートを拠出することによって、加入することを選択することができ ます。 55歳未満 雇用者負担 - 従業員1人につき月額RM5.00 従業員負担 - 従業員の月額給与の11% [1991年被雇用者積立基金法の別表3(パートB)参照] 55‐75歳 雇用者負担 - 従業員1人につき月額RM5.00 従業員負担 - 従業員の月額給与の5.5% [1991年被雇用者積立基金法の別表3(パートD)参照] 全ての雇用者は、法律で免除された従業員を除き、雇用後直ちに従業員を被雇 用者積立基金に登録しなければなりません。 101 5.4 1969年被雇用者社会保障法 社会保障機関(Social Security Organisation, SOCSO)は、1969年被雇用者社会 保障法に基づき、従業員とその家族を保護するため2つの社会保障を提供してい ます。2つの社会保障は、以下のとおりです。 • 雇用障害保険制度 • 疾病年金制度 雇用傷害保険制度 雇用傷害保険制度は、就業に関連した職業病や事故に苦しむ被雇用者に保護を 提供します。雇用傷害保険制度に基づき支給される手当には、医療手当、一時 金、永久障害手当、看病手当、扶養手当、葬儀手当、リハビリ手当、教育手当 などがあります。 疾病年金制度 疾病年金制度は、雇用と関連のないあらゆる原因による疾病や死亡に対し、24 時間補償を従業員に提供します。しかし、従業員は疾病年金をもらうための条 件を満たしていなければなりません。疾病年金制度に基づき支給される手当に は、疾病年金、疾病給付金、看病手当、遺族年金、葬儀手当、リハビリ手当、 教育手当などがあります。 雇用者資格 1人以上の従業員を雇用する雇用者は、被雇用者社会保障法で定義されている とおり、社会保障機関(SOCSO)に登録し、拠出しなければなりません。社会保 障機関(SOCSO)への拠出は、法律によって、雇用者と被雇用者に対して義務づ けられています。現在の拠出レートは、雇用者は被保険者(被雇用者)の給料 の1.75%、被雇用者は0.5%となっています。 従業員資格 月 額 RM3,000以 下 の 月 額 給 与 を 受 け 取 っ て い る 従 業 員 は 、 社 会 保 障 機 関 (SOCSO)に拠出しなくてはなりません。RM3,000以上の月額給与を受け取っ ているが、SOCSOに登録・拠出していない従業員は、雇用者と従業員双方が拠 出に同意する場合、登録・拠出することを選択できます。しかしながら、従業 員がすでにこの法律のもとで拠出している場合、その後の月額給与に関わりな く拠出し保障を受けることができます。「1度登録されれば常に保証される」 原則が適用されます。 5.5 1952年労働者災害補償法 1952年労働者災害補償法により、雇用中の事故で負った傷害に対して補償金を 支給し、雇用者に対して労働者に保険をかける義務を課しています。2005年外 国人労働者補償計画(保険)法令が上記の法に基づき発行され、外国人労働者 を雇用する雇用者に対して、法令に基づいて指定された保険会社において保険 をかけることを義務づけ、勤務時間内や時間外の事故で負った傷害に対する補 償金の支払いを義務づけています。 5.6 1994年職業安全保健法 職業安全保健局(DOSH)は、人的資源省の傘下にあり、職業安全と健康に関する 法律の管理と実行の責務を負っています。DOSHは、下記のさまざまなセクタ ーにおいて、職場の人々の安全・健康・福利厚生を保証し、また他の人々を、 職業活動から起こる危険から保護しています。 人的資源 102 • 製造業 • 鉱業、採石業 • 建設業 • 農林水産業 • 公益事業(ガス、電気、水道、下水道事業) • 運輸、倉庫、コミュニケーション • 卸・小売 • ホテル、レストラン • 金融、保険、不動産、ビジネス・サービス • 公共サービス、法定機関 この法律執行業務は、下記の3つの法律によって規制されています。 • 1994年職業安全保健法(OSHA) • 1967年工場および機械法 • 1984年石油業法(安全対策) 1994年職業安全保健法(OSHA)は、個々の産業や機関に合うよう策定された自主 規制制度を通して、すべてのマレーシアの従業員と雇用主に、高水準の健康で安 全な職場環境を普及、促進、奨励するための法律的枠組みを規定しています。 1994年職業安全保健法(OSHA)は、雇用者、被雇用者、自営業者、デザイナー、 製造業者、設備や物質(substance)の輸入業者・サプライヤーなどの一般的義務 を定義しています。1994年職業安全保健法(OSHA)では、雇用者は実践的な範 囲内で、働く従業員の健康、安全、福利を保護しなければなりません。この義 務は、安全な設備やシステムの設置やメンテナンスの際に、特に尊守すること が求められます。 設備および物質(substance)の使用、取り扱い、保管、輸送の際にも、安全と健 康が守られる措置が講じられなければなりません。「設備」とは、機械、機器、 器具、工具、部品を指します。「物質」(substance)とは天然および人工の物質 で固体、液体、気体、蒸気あるいはそれらの組合せをいいます。 物質の輸送・保管・使用により生じる健康への危険は最小限に抑えなければな りません。雇用者は、特別危険物の取り扱い作業に特に関連して、法的必要条 件に関する情報を含んだ、安全対策への必要な情報、取り扱い説明、訓練、監 視業務を提供しなければなりません。 40人以上を雇用する職場では、安全・保健委員会が組織されなければなりませ ん。委員会の主な役割は、従業員の安全と健康を守るための方法を常に検討し、 何か問題が生じた場合それを調査することです。 雇用者は職場で事故、危険な状況の発生、職業中毒や疾病が発生あるいは発生 しそうな場合は最寄りの職業安全保健事務所に届け出なければなりません。 103 危険な化学物質を扱う場合は、資格を有する専門家による、大気環境、人への 影響と安全性の確認を実施しなければなりません。また、安全保健担当官およ び職業保健医による、職場の調査が求められています。 DOSHによって施行される1994年職業安全保健法(OSHA)には、下記の通り7 つの規定があります。 1. 雇用者による労働安全保健についての原則の提示(例外)規定 1995年 2. 作業上事故をもたらす危険のある傷害物に対する規定 1996年 3. 危険化学物質の分類・包装・表示規定 1997年 4. 安全・保健委員会規定 1996年 5. 安全・保健担当官規定 1997年 6. 健康に危険を及ぼす化学物質の使用基準規定 2000年 7. 事故告知・危険事項・職業中毒・職業病規定 2004年 これらの規定に違反した場合は法廷で裁かれることになる可能性があります。 これにひきかえ、1967年工場および機械法(FMA)の目的は、従業員の安全、健 康、福利に関する事項の工場管理や、機械の登録や検査の内容を規定すること です。ボイラー、圧力容器、人運搬用エレベーターや移動型のクレーン、タワ ークレーン、人運搬用のホイスト、天井クレーン及びゴンドラといったその他 のリフト設備などの危険性の高い機械は、職業安全保健局(DOSH)の検査を受け る必要があります。全ての工場および一般機械は据え付け・操業前に職業安全 保健局(DOSH)に登録されなければなりません。 機器の操作、据え付け、メンテナンス、取り壊しにあたっては、専門家が必要 になります。そのため、クレーン、エレベーター、空調システムなどの機械・ 設備の取り付けは、安全を確保するため、資格をもつ専門家があたらなければ なりません。さらにボイラーのようなリスクの高い機器は、ボイラーマンやス チームエンジニアが操作する必要があります。 1967年工場および機械法(FMA)のうち、以下の13の規定に関して職業安全保 健局(DOSH)は責任を負っています。 1. 人運搬用および荷物用電気エレベーター規定 1970年 2. 機械の囲い込みと安全に関する規定 1970年 3. 通知・適合基準および検査規定 1970年 4. 担当者設置規定 1970年 5. 安全・保健および福利規定 1970年 6. スチームボイラーおよび不焼成圧力容器規定 1970年 7. 能力証明および試験規定 1970年 8. 管理規定 1970年 9. 鉛規定 1984年 人的資源 104 10. アスベスト処理規定 1986年 11. 建築物運用および建設エンジニアリング(安全)業務規定 1986年 12. 鉱物のほこりに関する規定 1989年 13. 騒音に関する規定 1989年 6. 労使関係 6.1 労働組合 労働組合関係局は、労働組合の構成、機能、活動のガイドラインを取り扱って います。労働組合関係は、1959年労働組合法によって律則されています。当局 の役割は、下記の通りです。 (a) 1959年労働組合法と労働組合規定の施行。 (b) 労働組合に関するすべてを、監督、運営、管理すること。 (c) 雇用者または被雇用者によって設立される登録申請を審査すること。 (d) 登録された労働組合の役割が、労働組合の法律、規則、条件に即している ようにすること。 (e) 労働組合の役員や組合員に対して、労働組合の管理面、財務面、法律面に ついて助言すること。 (f) 労働組合の法律や、特定の事柄や労働問題一般についての政策に関する事 柄について、人的資源大臣に助言すること。 6.2 1967年労使関係法 マレーシアの労使関係は、1 967年労働関係法の法的枠組みに従って管理されています。法律は、マレーシ ア労使関係局によって施行され、雇用者と従業員や国内の労働組合との関係を 調整しています。この法律は、特に下記の事項を述べています。 i. 労働組合の承認要求と代表権の範囲に関する手続きについて述べた事項。 ii. 労働組合と雇用者との効果的な集団交渉と、それに伴う団体協約の促進に 関連する事項。 iii. 人的資源大臣と労働裁判所への委託を含む、労働紛争の予防と解決に関連 する事項。 iv. ピケ、ストライキ、ロックアウトの禁止に関連する事項。 v. 従業員による、代表権/復職要求に関連する事項。 vi. 労働裁判所の運営に関連する事項。 vii. マレーシア労使関係局の職員による調査権に関連する事項。 また、労使関係局は、全国にある事務所を通して、雇用に関するあらゆる事項 や質問に対するアドバイザリー・サービスも提供しています。 105 6.3 労働組合が組織されていない企業の労使関係 労働組合が組織されていない企業では、通常の紛争解決方法は、被雇用者が上 司、現場監督、雇用者に対して直接改善を要求することです。また、被雇用者 は人的資源省に苦情を申し立てることができ、これにより同省は事情調査を行 います。 人的資源 106 第6章 銀行 • 金融 • 為替管理 1. マレーシアの金融制度 1.1 中央銀行 1.2 金融機関 1.2.1 1.2.2 1.3 イスラム金融産業 金融機関の発展 マレーシア国際イスラム金融センター 2. 輸出信用リファイナンス 2.1 融資の方法 2.2 融資期間と融資額 2.3 払い戻し 3. マレーシアの証券市場 3.1 マレーシア証券委員会 3.2 ブルサ・マレーシア 3 4 4. オフショア金融サービス 4.1 ラブアン金融サービス庁(ラブアンFSA) 4.2 ラブアン国際ビジネス金融センター(IBFC)のビジネス活動 4.3 ラブアン国際ビジネス金融センター(IBFC)における優遇措置 5 5. 為替管理制度 5.1 非居住者に対する規則 6 5.1.1 5.1.2 5.1.3 5.1.4 5.1.5 5.2 マレーシアへの投資 入手可能な国内での融資 商品やサービスの商取引の決済 ヘッジ リンギット口座と外貨口座 居住者に対する規則 5.2.1 5.2.2 5.2.3 5.2.4 5.2.5 外貨アセットへの投資 オンショア借入とオフショア借入 商品やサービスの輸出入 ヘッジ 外貨口座 6 第6章 銀行 • 金融 • 為替管理 1. マレーシアの金融制度 マレーシアの金融制度には、国内経済からの、より多様で複雑なニーズに対応 した、多様な機関があります。金融制度は、従来型の金融制度と、イスラム金 融制度から成り立っています。 1.1 中央銀行 マレーシア中央銀行であるバンク・ネガラ・マレーシア(中央銀行)は、マレーシ アの通貨金融構造における最高機関です。銀行の第一目的は、マレーシア経済の持 続的成長に貢献する、通貨の安定と金融の安定を促進することです。新に制定され た2009年マレーシア中央銀行法に明記されている、主な機能は下記の通りです • マレーシアの金融政策の考案と施行 • マレーシアでの通貨発行 • 銀行により施行される法律に従った金融機関の規制と監督 • 金融市場と外国為替市場の監視 • 支払いシステムの監視 • 健全で斬新的そして包括的な金融システムの促進 • マレーシアの外国準備高の保持と管理 • 経済基本原理と調和した為替相場制度の促進 • 政府にとっての金融アドバイザー、銀行、金融仲介人としての役割 中央銀行は、その使命達成のため、銀行機関やノンバンク金融仲介業を規制し 監視する様々な法律に基づき、権限が与えられています。また中央銀行は、外 国為替規制を管理しています。 1.2 金融機関 下記の表は、2012年2月末における、バンク・ネガラ・マレーシア管轄下の金 融機関の数を表しています。 25 16 5 15 36 マレーシア系 機関 8 10 0 15 19 外資系 機関 17 6 5 0 17 4 1 3 6 6 0 合計 商業銀行 イスラム銀行 国際イスラム銀行 投資銀行 保険会社 タカフル運営業者(イスラム保険会社) 国際タカフル運営業者 再保険会社 再タカフル運営業者(イスラム再保 険会社) 開発金融機関 109 12 1 7 9 0 3 3 1 4 商業銀行、投資銀行、イスラム銀行からなる銀行制度は、主要な資金の動員機 関であり、マレーシアの経済活動をサポートする主要な財源です。銀行は、国 内にある2,000以上の支店ネットワークを通じて営業を行っています。また、 14の外資系銀行の駐在員事務所がマレーシアにあり、銀行業務は行いませんが、 リサーチ、連絡サービス、情報交換を行っています。6行のマレーシア銀行グル ープは、支店、駐在員事務所、子会社、合弁会社などを19カ国に設けています。 開発金融機関、保険会社、タカフル運営業者からなるノンバンク金融仲介業は、 貯蓄動因や経済の金融ニーズに対応することによって、金融機関を補完してい ます。保険会社や再保険会社は、生命保険や一般保険ビジネスを運営し、同様 に、タカフル運営業者や再タカフル運営業者は、一般タカフルや家族タカフル のビジネスを運営しています。全国に800以上の事務所と100,000の登録代理 店をもつ保険会社とタカフル運営業者は、企業や個人に対して、リスク管理と 金融計画ソリューションの手段を提供しています。 1.2.1 イスラム金融産業 マレーシアのイスラム金融は、堅固な規定、法律とシャリハ統治の枠組み、多 くの金融機関、必要不可欠な人材や専門知識によって支えられた、統合的なイ スラム金融システムを備え、ダイナミックな成長をし続けています。 イスラム金融システムは、イスラム銀行、タカフルと再タカフル、イスラム銀 行間短期金融市場、イスラム資本市場の、4つの要素によって成り立っていま す。イスラム金融の拡大は、現在、イスラム金融サービスを提供している56の 金融機関によって、確実に行われています。2011年12月現在、マレーシアのイ スラム金融銀行総資産は、市場シェア22.4%となるRM3,349億に達し、2002 年から2011年の年間平均成長率は16.07%を記録しました。タカフル産業は、 総資産が市場シェア8.89%となるRM170億に達し、年間平均成長率は20.1% でした。マレーシアの資本市場も、2011年9月現在、発行済スクック総額が市 場シェア58%と、従来型の発行済国債を上回り、RM2,000億を記録しました。 今日では、産業界が活用できる100以上のイスラム銀行商品やサービスがあり ます。世界的なシャリア原理に即した、革新的商品や金融商品が、世界市場で 発行されています。例えば、国際的投資家に人気がある、米ドル建て、シンガ ポール・ドル建て、人民元建てなどでの発行のマルチ通貨スクックです。マレ ーシアでの国内発行数は増加しており、米ドル建てスクックにおいて14.5%の 市場シェアを有する世界第2位を占め、マルチ通貨スクック市場へと展開して います。 1.2.2 金融機関の発展 マレーシアの開発金融機関(DFI)は、国家の全体的な社会経済発展目標にと って、戦略的に重要とされる主要なセクターを発展させ促進させるという、特 別な目的を持って政府によって設立された専門的金融機関です。戦略セクター には、農業、中小企業(SME)、インフラ産業、海運業、輸出型産業、資本集約 的産業、ハイテク産業などがあります。 開発金融機関(DFI)は、専門機関として、ターゲットとなる戦略セクターの特定 のニーズにあった、さまざまな専門金融商品やサービスを提供しています。コ ンサルタントやアドバイザリー・サービスといった付属サービスも、特定の産 業を育成し開発するため、開発金融機関(DFI)によって提供されています。した がって、開発金融機関(DFI)は、長期的経済発展のため、特定戦略分野に対する 金融商品やサービスの供給の隙間をつなぐ戦略的なパイプとなって、銀行機関 を補完しています。 2002年に、定められた役割を、慎重、効率的、効果的に果たせるように、持続 可能な履行、必要不可欠な規定、管理の枠組みを通して、開発金融機関の金融 面と運営面の安定性を促進するために、2002年開発金融機関法(DFIA)が成立さ れました。開発金融機関法(DFIA)の成立によって、開発金融機関にとって、銀 銀行・金融・為替管理 110 行は中心的な管理監督機関となりました。管理監督の枠組みの1つとして、開 発金融機関が定められた役割を正しく果たし、確固としたコーポレート・ガバ ナンスと最高の業務によってサポートされるように、銀行は開発金融機関の活 動と金融実績をモニターしています。 2011年12月現在、6つの開発金融機関(DFI)が、開発金融機関法2条(1)に基づ き、規定された機関として指定されています。6つの機関とは、製造業、サー ビス業、建設業に従事する中小企業に対する融資とアドバイザリー・サービス を提供するBank Perusahaan Kecil danSederhanaまたの名をSME Bank、イ ンフラ事業、海運業、製造業分野における資本集約産業やハイテク産業、国家 開 発 政 策 に 即 し 選 定 さ れ た 事 業 に 対 す る 、 中 長 期 的 融 資 を 提 供 す る Bank Pembangunan Malaysia Berhad、会員や非会員に対して貯蓄を奨励し、金融 サービスを提供する貯蓄貸付組合であるBank Kerjasama Rakyat Malaysia Berhad、商品の輸出入や海外事業に融資しサポートするために信用供与を提供 し、輸出信用保険サービスと保障制度を提供するthe Export-Import Bank of Malaysia Berhadまたの名をEXIM Bank、特に小額貯蓄者に対するリーテル・ バンキングやパーソナル・ファイナンスに特化し、マイクロファイナンスや代 理銀行サービスによって提供される金融包括アジェンダをサポートする BankSimpananNasional、貯蓄預金を預け受け、農業と地域社会をサポートす る た め に 、 融 資 と ア ド バ イ ザ リ ー ・ サ ー ビ ス を 提 供 す る Bank Pertanian Malaysia Berhadまたの名をAgrobankです。 1.3 マレーシア国際イスラム金融センター 2006年8月に、マレーシア国際イスラム金融センター(MIFC)が、マレーシアを国 際イスラム金融の国際ハブとし、イスラム金融の知識中心地としての国家の役割 を強化するために発足されました。 マレーシア国際金融センターのイニシアチブは、金融と市場の監督機関、政府官 庁、政府機関、金融機関、人的資源開発機関、イスラム金融の分野で従事してい る専門サービス企業などの、コミュニティー・ネットワークを構成しています。 マレーシア国際金融センターのイニシアチブは、国際的な法律、規定、シャリハ の最良の慣行によって支えられ、産業界が、ビジネスに適した環境で魅力的な優 遇措置を享受しながら、マレーシア全域でイスラム金融の国際ビジネスを実施す ることを可能にしています。 金融投資先としてのマレーシアは、マレーシア国際金融センターのイニシアチブ を通して、国際的なシャリハ・コンプライアント投資機会にとっての基盤とゲー トウェイを提供しています。マレーシアは、グローバルな金融機関、人材、投資 家、発行者にとって、魅力的で価値のある提案や機会を備えることによって、シ ャリハ・コンプライアント金融産業の各分野に対して、ビジネスのつながりを提 供しています。 マレーシアは、より大きな国際的なリンケージや、アジア地域と世界とのイスラ ム金融の市場統合を促進し、増進するためのゲートウェイとして最良の場です。 アジア地域の時間帯の中央に位置するマレーシアは、余剰資金を持つ人と全世界 から資金を募る人が出会う場を提供しています。 マレーシアはマレーシア国際金融センターのイニシアチブを通して、マレーシア が持つイスラム金融における30年以上の経験、革新的な環境、賢慮されたリーダ ーシップを活用し恩恵を受けながら、未来のイスラム金融を共に形成していくた めに、国際的専門家、主要な事業家、投資家、発行者を一様に誘致しています。 マレーシア国際金融センター(MIFC)イニシアチブに関する詳細については、ホー ムページwww.mifc.comをご参照ください。 111 2. 輸出信用リファイナンス 輸出信用リファイナンス(ECR)プログラムは、短期の出荷前、出荷後融資を、直 接または間接輸出業者に提供します。いかなる参画商業銀行によって正式に設 定されたECR信用枠によって、製造業者や商社も活用できます。 出荷前ECR便宜は、材料購入や間接経費を促進しており、出荷後ECRは、直接 輸出業者に対して出荷後に融資を提供しています。 2.1 融資の方法 出荷前ECRを受けるには、二つの方法があります。すなわち輸出受注書による 方法と輸出実績証明書(CP)による方法です。 輸出受注書による方法では、出荷前ECRは、海外のバイヤーまたは直接輸出業 者からの輸出または購入注文を担保として行われます。それに対して、輸出実 績証明書(CP)による方法では、輸出入銀行によって発行される輸出実績証明書 (CP)を担保として行われます。 出荷後ECRは割引手形方式で行われ、商業銀行に提出された輸出関係書類を担 保として融資されます。 2.2 融資期間と融資額 融資の最長期間は、出荷前ECRの場合は4ヶ月間、出荷後ECRの場合では6ヶ 月間です。 輸出受注書による方法の場合、輸出業者は、輸出受注書またはECR信用国内文 書/ECR国内発注書/地元発注書の価値の95%までの融資を受けることができま す。一方、輸出実績証明書(CP)による方法の場合は、融資額は、輸出入銀行に よって発行された輸出実績証明書(CP)によります。 出荷後ECRでは、商業銀行のECRクレジット限度額や輸出入銀行の行政限度額 を条件として、輸出業者は、輸出請求額の最高100%まで融資を受けることが できます。 2.3 払い戻し 支払いは、輸出収益の受理後か、出荷後ERCの場合、出荷後請求の満期後か、 どちらか早いタイミングで行われなければなりません。 輸出信用融資に関する詳細は、ホームページwww.exim.com.myを参照くださ い。 3. マレーシアの証券市場 3.1 マレーシア証券委員会 マレーシア証券委員会(SC)は、マレーシアの資本市場の規制と開発を担ってい ます。1993年証券委員会法に基づき1993年3月1日に設立され、調査権と執行 力を持つ独立採算制の国家機関です。財務大臣の監督下にあり、その会計は毎 年国会に提出されます。証券委員会(SC)が持つ多くの監督機能は下記の通りで す。 a. 為替取引、手形交換所、振替決算の監督。 b. 非上場のリクリエーション・クラブ以外の企業目録見書の登録機関。 銀行・金融・為替管理 112 c. 企業社債発行の認定機関。 d. 証券や先物契約に関するすべての事項の管理。 e. 企業の買い取り、吸収合併の管理。 f. ユニット型投資信託スキームに関するすべての事項の管理。 g. ライセンス発行と、すべての有資格者の監督。 h. 自主規制の推進。 i. 市場機関と有資格者の適切な行為の保証。 これらすべての機能を実証することが、投資家を保護するという、証券委員会 (SC)の最終的な責任です。監督機能の実行とは別に、証券委員会は、マレーシ アの証券と先物市場の発展を奨励し促進することも、法律によって義務付けら れています。 証 券 委 員 会 (SC)の 詳 細 情 報 に つ い て は 、 証 券 委 員 会 の ホ ー ム ペ ー ジ www.sc.com.myをご参照ください。 3.2 ブルサ・マレーシア(Bursa Malaysia) ブルサ・マレーシアは、2007年資本市場サービス法15条に基づき認可された、 取引所持株会社です。1965年会社法に基づく公開有限責任株式会社である、ブ ルサ・マレーシアは、株式、デリバティブ、オフショア、国債、イスラム商品 を取り扱う完全一体型の取引所を運営し、国際的に多様な投資選択を提供して います。 ブルサ・マレーシア証券は、50種の経済活動にわたる約1,000社の株式市場の、 マレーシアの証券取引活動を規定し運営しています。いかなる経済セクターの 企業も、大手の既存企業向けの一部市場か、あらゆる規模の新規企業向けの ACE市場に上場されます。取引所は、FTSEブルサ・マレーシアKLCI価値を主 要な指標として採用しています。 ブルサ・マレーシア・デリバティブ(BMD)は、先物取引とオプション取引を提 供し、運営し、維持する、ブルサ・マレーシア社の子会社です。ブルサ・マレ ーシア・デリバティブ(BMD)の目玉商品である未精製パーム油先物(FCPO)取引 は、パーム油とパーム油製品にとっての世界的な基準価格となっています。 2009年には、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが、ブルサ・マレ ーシア・デリバティブ社の25%の持株を買収しました。ブルサ・マレーシア・ デリバティブ(BMD)の商品は、国際投機家に対してより大きな商品認知度を与 え、入手しやすくなるよう、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グローベッ クス®電子商取引プラットフォームに移行しました。 イスラム金融市場の強みをさらに上げるため、ブルサ・マレーシアの長期的な 目的は、イスラム商品を主流のステータスへと高めることです。ブルサ・マレ ーシアは、初のエンド・ツー・エンドのシャリハに準拠した取引基盤である、 ブルサ・スア・アシシラ(Bursa Suq Al-Sila)を設立した、初の取引所です。 ブルサ・マレーシアは、マレーシアの資本市場を、世界中の投資家にとって魅 力的なものにするよう取り組んでいます。取引所は、投資家の保護を最優先と し、常に公平で秩序正しい市場であることを確実にすることに力を注いでいま す。市場の投機家が、高水準の運営を実施するようしている進歩的な規則アプ ローチが、その強みとなっています。 113 i. 参加機関 a) 株式仲介業社 現在、35社以上の株式仲介業社があり、このうち14社は、投資銀行として 分類されています。これらの銀行は、ブルサ・マレーシア証券に上場して いる証券の取引サービスを提供しています。投資銀行は、1989年銀行金融 機関法(BAFIA)に基づき、バンク・ネガラ・マレーシアが発行するマーチ ャント銀行ライセンスと、2007年資本市場サービス法に基づき、証券委員 会が発行する資本市場サービス・ライセンスを保持しています。このよう に、投資銀行は、コーポレート金融、債権取引、証券取引などの、包括的 な資本市場や金融サービスを提供することが可能です。株式仲介業社のう ち1社は、ユニバーサル・ブローカーとしての認可を受けています。ユニバ ーサル・ブローカーは、統合的な資本市場サービスの全てを提供すること ができます。 b) トレーディング参加企業 トレーディング参加企業とは、ブルサ・マレーシア・デリバティブの少な くとも1株の優先株を保有し、2007年資本市場サービス法に基づき、証券 委員会によって認可された先物仲介業者として事業を行い、ブルサ・マレ ーシア・デリバティブにおいて取引される先物取引契約の売買を行う企業 です。 ii. 投資家保護 投資家保護のため、現在、ブルサ・マレーシアは、関連する証券法や規則 において特定された状況下での損失に苦しむ投資家を補償するために、ブ ルサ・マレーシア証券による補償基金、ブルサ・マレーシア・デリバティ ブによる身元保証基金、ブルサ・マレーシア・デポジトリーによる補償基 金といった3つの補償基金を運営しています。基金は補償委員会によって 管理されています。 iii. リスク・マネージメント ブルサ・マレーシアの企業リスク・マネージメントの枠組みは、リスク・マ ネージメント委員会(RMC)の監督を通じて、グループに対するリスクを適 切に管理しコントロールすることを目的としています。主要なリスクは、 発生の可能性と影響の規模に応じてランク付けされ、同時に、適切な行動 計画が、重大な残存危険性を管理するために作成されます。 4. ラブアン金融サービス 4.1 ラブアン金融サービス庁(ラブアンFSA) ラブアン金融サービス庁(ラブアンFSA)は、ラブアン国際ビジネス金融センター (ラブアンIBFC)の発展と管理を担う、法定機関です。ラブアン国際ビジネス金 融センターで事業を設立しようとする投資家は、ラブアン国際ビジネス金融セ ンター内外で運営する法人にライセンス認可し、管理する、一括窓口機関であ る、ラブアン金融サービス庁(ラブアンFSA)とやり取りします。 ラブアンFSAの役割は、下記の3つの主要な目的によって導かれています。 i. ラブアンをビジネスと金融サービスの国際センターとして促進し、開発する。 ii. ラブアンにおいて、国家の目標、政策と秩序ある開発の優先順位、国際ビ ジネスと金融サービスの管理を発展させる。 銀行・金融・為替管理 114 iii. ラブアンIBFCの調整、監督、実施機関としての中心的な役目を果たす。 ラブアンIBFC会社(ラブアンIBFC社) は、管轄区の商品とサービスを促進するた め、ラブアンFSAのマーケティング部門としての役割を務めています。当社は、 国際税法、ファンド・マネージメント、資産マネージメント、保険、イスラム 金融などの分野における、技術的アドバイスを提供する専門家の集団です。 4.2 ラブアン国際ビジネス金融センター(IBFC)のビジネス活動 ラブアンIBFCは、銀行、保険、保険関連商品、タカフル/再タカフル、リース、 信託事務、資本調達などの、従来型とシャリハに基づく商品やサービスの両方 に、統合的な金融ソリューションを提供しています。 2010年の法的枠組みの向上以来、IBFCは、キャプティブ、基金、資産マネー ジメント、マレーシア国際船籍のイニシアチブに基づく船舶運航などを含む、 ニッチな商品の提供を、さらに多角化しています。ラブアン持株会社、ラブア ン保護セル会社、ラブアン有限責任事業組合、特別信託などの、多様な費用効 率が高い経営構造もあります。2010年の料金構造の見直しによって、IBFCは、 アジア太平洋地域で最も競争力のある法域として台頭しています。 商取引プログラムの国際的イニシアチブのもと、2011年に設立されたラブアン 国際商取引会社は、石油ガス産業に従事する国際商取引会社が、巨大な市場の 可能性を活用し、ラブアンとその周辺地域からの投資リターンを最大限にする よう優遇措置を提供しています。 ラブアン国際金融取引所(LFX)は、上場、商取引、金融商品の決算といった活動 を通して、国際市場への無制限のアクセスを備えた、完全な資本調達サービス の提供によって、伝統的な銀行制度を補完しています。 4.3 ラブアン国際ビジネス金融センター(IBFC)における優遇措置 ラブアン会社が行う事業活動は、商業活動と非商業活動に分類されます。商業 活動には、銀行、保険、ファンド・マネージメント、リース、マネー・ブロー カー、他の商業関連活動などがあります。一方、非商業活動とは、証券、株式 などへの投資の保有に関する活動のことです。 ( i ) 競争力のある税制 • 1990年ラブアン・ビジネス事業税法に基づき、ラブアン商業活動を行う ラブアン法人は、毎年の法人税として、監査済み純利益の3%か、定額 RM20,000のどちらかを選んで納税することができます。現在、非商法活 動を行うラブアン法人に対して課される税金はありません。 • ラブアン事業活動を行うラブアン法人は、1967年所得税法に基づく納税 を、変更取消不可能で選択することもできます。これは、ラブアン法人に 事業取引を効率的に構築するための柔軟性を与えるだけでなく、ラブアン IBFC内外で事業を行う投資家にとって、より有益な税制環境を提供して います。 • ラブアン法人は、税金の代わりに、ビジネス・ザカットを支払うこともで きます。 ( ii ) 所得税法に基づくラブアン法人に対する免税 政府は、投資家と専門サービスをラブアンに誘致するための免税措置を提 供し、1967年所得税法に基づき、ラブアン法人は下記の免税の対象となり ます。 115 • ラブアン法人によって居住者または非居住者である個人に支払われた配 当金。 • ラブアン法人から受け取った配当金の中から支払われた、マレーシア居 住会社から受け取った配当金。 • 外国人の取締役に支払われた取締役料に対して100%の免税。 • 受益者やパートナーへの、ラブアン基金やパートナーシップによる分配 金。 • ラブアン法人は、下記に対する源泉税が免除されます。 - マレーシアにおいて、銀行、金融、保険の事業に従事していない居 住者または非居住者に支払われた利子。 - 非居住者または他のラブアン法人に支払われた利子。 - 認可ラブアン・リース法人によって非居住者に支払われたリース・ レンタル料。 - 非居住者または他のラブアン法人に支払った技術料やマネージメン ト料。 - 非居住者または他のラブアン法人に支払ったロイヤリティ。 - 1967年所得税法4条(f)に基づく、非居住者への支払い。 - 非居住者である受益者への、ラブアン信託による分配金。 - 受益者やパートナーへの、ラブアン基金やラブアン・パートナーシ ップによる分配金。 • 適格専門サービスや雇用に対する免税。 - ラブアン法人に対して適格専門サービスを提供する個人、その従業 員、または企業は、法定所得の65%まで法人税が免除されます。適 格専門サービスには、法律、会計、財務、秘書業務のサービスが含 まれます。 - ラブアン法人で管理職に雇用され、ラブアンに勤務し、(ラブアン FSAに認可された)共同設置事務所/営業所で働く外国人は、総給与 所得の50%まで所得税が免除されます。 - ラブアン法人に勤務するマレーシア国民に支払われた住宅手当に対 して、50%の免税。 • 印紙税に対する免税。 ラブアン法人によるラブアン・ビジネス活動(ラブアン会社のM&Aや株 式譲渡、ラブアン信託、パートナーシップ、基金の改定権書類を含む)に おいて発生する書類は、印紙税の支払いを免除されます。 ラブアン金融サービス庁(ラブアンFSA)の 詳細に関しては、ホームページwww.labuanfsa.gov.myをご参照ください。 銀行・金融・為替管理 116 5. 為替管理制度 マレーシアは、リベラルな外国為替管理(FEA)政策を引き続き維持し、支払状態 の収支を保護しながら、金融経済安定を維持するという、マクロ経済全体の目 的をサポートするために、主にプルーデンシャル方策をとっています。外国為 替管理(FEA)政策は、経済の競争力を強化し、貿易投資の運営の効率性を達成す るために徐々に自由化されています。 5.1 非居住者に対する規則 5.1.1 マレーシアへの投資 外国為替管理(FEA)規制は無く、世界中の投資家は容易にマレーシア市場に参入 できます。マレーシアへの投資のための資金の流出入は自由に行うことができ ます。 • 非居住者は、直接投資またはポートフォリオ投資として、いかなる形態のリ ンギット・アセットを、自由に投資することができます。 • 非居住者は、マレーシアでの投資から発生する、ディスインベストメントに よる収益、利益、配当、いかなる収入を、自由に送金することができます。 リンギット・アッセットを購入するためや、リンギット・アセットから発生する 資金を本国送金するために、認可オンショア銀行で、外貨からリンギットへ、ま たはリンギットから外貨へ両替する事に関して、非居住者に対する規制はありま せん。また、非居住者は、マレーシアで営業する銀行と同じグループの、指定さ れた海外銀行で、リンギット投資の決済をすることができます。 5.1.2 入手可能な国内での融資 i. 外貨建ての借入 • 非居住者(銀行またはノンバンク)が、認可オンショア銀行から、外貨建 て融資を受けることに関して、規制されたことはありません。借入による 収益は、オフショアでもオンショアでも活用することができます。 • 非居住者は、オンショアまたは海外で活用するために、外貨建てスクック /国債を、マレーシアで発行することができます。 ii. リンギット建ての借入 • ノンバンクの非居住者は、認可オンショア銀行から、マレーシアの実質的 な分野に出資するために、リンギットを金額の制限無く自由に借りること ができます。 • 非居住者は、マレーシアでスクック/国債を発行することによって、リン ギット資金を募ることができます。 5.1.3 商品やサービスの商取引の決済 非居住者は、居住者と、外貨またはリンギットで商品やサービスの決済をする ことができます。 5.1.4 ヘッジ 非居住者は、確定した優先する誓約に基づく資本取引勘定や経常取引勘定のた めに、認可オンショア銀行や認可国際イスラム銀行で、自由にヘッジすること ができます。しかし、リンギットを含むヘッジは、認可オンショア銀行で行わ なければなりません。 117 5.1.5 リンギット口座と外貨口座 下記の口座を開設するにあたり、非居住者に対する規制はありません。 • 投資やマレーシアでのビジネス運営を円滑にするための、認可オンショア銀 行や認可国際イスラム銀行での外貨口座。 • 認可オンショア銀行のリンギット口座。外貨売却によって得たリンギット や、リンギット・アセットによる利子、賃貸料、利益、配当、ディスイン ベストメントによる収益などを含む、マレーシアでの投資で得たリンギッ ト収入で、口座に資金供給することができます。口座の資金は、いったん 外貨に両替されれば、認可オンショア銀行から自由に海外送金することが できます。 5.2 居住者に対する規則 5.2.1 外貨アセットへの投資 居住者は、自分の外貨資金、許可された外貨貸付による収益、ブルサ・マレー シアの一部市場での新規株式公開による収益を使って、外貨アセットに自由に 投資することができます。プルーデンシャル・リミットは、下記の投資のため にリンギットを外貨に両替する予定の、国内リンギット貸付を持つ居住者によ る投資に対してのみ適用されます。 • 居住会社に対して、コーポレート・グループ全体で歴年総額RM5,000万相 当まで。 • 居住者個人に対して、歴年総額RM100万相当まで。 5.2.2 オンショア借入とオフショア借入 i. 外貨建ての借入 • 居住会社は、外貨借り入れを、金額に関わらず、下記から自由に得ること ができます。 - 認可オンショア銀行 - 非居住ノンバンクである関連会社 - 居住である関連会社 • 非居住銀行やその他非居住会社(非関連)から居住会社への外貨借入は、 コーポレート・グループ全体で、プルーデンシャル・リミットはRM1億 相当と定められています。認可オンショア銀行やその他非居住者から居住 者個人への外貨借入は、総額RM1,000万相当と定められています。 ii. リンギット建ての借入 • 居住会社は、マレーシアでの実質的な分野への融資活動のために、非居住 ノンバンクである関連会社からは自由に、マレーシアでその他の非居住ノ ンバンクである会社や個人からは総額RM100万まで、リンギット借入を 得ることができます。 • 居住者個人は、マレーシアで使用するために、非居住者である近親からは 金額に関わらず、非居住ノンバンク会社やその他非居住者個人からは総額 RM100万まで、リンギット借入を自由に得ることができます。 銀行・金融・為替管理 118 5.2.3 商品やサービスの輸出入 商品の輸出によるすべての収益は、売買契約に従って、輸出日から6か月以内に 全額がマレーシアに本国送金されなければなりません。非居住者との決済は、リ ンギット建てか外貨建てで行うことができます。 5.2.4 ヘッジ 居住者は、資本取引勘定や経常取引勘定のために、認可オンショア銀行や認可国 際イスラム銀行で、自由にヘッジすることができます。しかし、リンギットを含 むヘッジは、認可オンショア銀行で行わなければなりません。 5.2.5 外貨口座 居住者は、いかなる目的のためにも、認可オンショア銀行、認可国際イスラム銀 行、オフショア銀行で、外貨口座を自由に開設することができます。 • 居住者個人の場合、口座は、個別か、他の居住者個人または非居住者の近親 との共有で保持することができます。 • 居住会社によって、認可イスラム銀行やオフショア銀行で保持された外貨口 座の場合、輸出収益以外ならどんな外貨受取りでも、口座に資金供給するこ とができます。認可オンショア銀行の外貨口座に入金される外貨資金源に関 する規制はありません。 マレーシアの外国為替管理規制の詳細に関しては、http://www.bnm.gov.my/ microsites/fxadmin/index.htmをご参照ください。 119 銀行・金融・為替管理 120 第7章 知的所有権の保護 1. 知的所有権の保護 1.1 特許 1.2 商標 1.3 工業デザイン 1.4 著作権 1.5 半導体集積回路のレイアウト・デザイン 1.6 地名の表示 7 第7章 知的所有権の保護 1. 知的所有権の保護 マレーシアにおける知的所有権の保護は、特許、商標、工業デザイン、著作権、 地名の表示、半導体集積回路のレイアウト・デザインなどを対象としています。 マレーシアは、世界知的所有権機関(WIPO)のメンバーで、上記の知的所有権を 管理するパリ協定とベルン協定に調印しています。 さらにマレーシアは、世界貿易機関(WTO)の賛助により合意された貿易関連知 的所有権協定(TRIPS)にも調印しています。マレーシアは、国内外の投資家に対 して十分な保護を提供しています。マレーシアの知的所有権法は、世界基準に 合致し、貿易関連知的所有権協定(TRIPS)委員会によって定期的に見直されてい ます。 1.1 特許 1983年特許法と1986年特許規則が、マレーシアの特許保護を規制しています。 申請者がマレーシア定住者か居住者の場合は、直接特許を申請することができま す。外国人による申請の場合は、申請者の代理となるマレーシアにある登録され た弁理士を通さなければなりません。 他国での場合と同様に、マレーシアにおいても新規で創意に富み、工業利用が 可能であれば、発明も特許対象としています。貿易関連知的所有権協定(TRIPS) に基づいて、特許法は、申請出願日から20年間の保護期間を設定しています。 また同法律により、実用新案に対しては、申請出願日から最初の10年間の保護 期間が与えられ、利用状況によりさらに5年間ずつ2回延長することが可能で す。特許所有者には、特許を受けた発明を利用したり、特許権を供与あるいは 譲渡したり、使用ライセンス契約を締結する権利があります。 貿易関連知的所有権協定(TRIPS)に基づいて、強制実施権により、同法律は、他 の国の市場に既存する特許製品の輸入(並行輸入)を認可しています。マレー シア政府は、社会秩序や道徳に反する特許の商業的利用を禁止することができ ます。同法律は改正され、特許協力条約(PCT)の条項が含まれ、強制実施権によ る輸入を認可しています。 マレーシアは、2006年に特許協力条約(PCT)に加盟しており、2006年8月16 日から、特許協力条約の国際申請は、マレーシア知的所有権公社(MyIPO)を通 じて行うことができます。 1.2 商標 商標保護は、1976年商標法と1997年商標規則に基づき定められています。 この法律は、マレーシアにおける登録された商標権やサービス商標権に対して 十分な保護を提供しています。商標が登録されると、商標の所有者か承認され たユーザーのみがその商標を使用でき、その他の個人や会社は使用することは できません。違反者に対しては侵害訴訟を起こすことができます。商標の保護 期間は10年で、その後は10年ごとの更新が可能です。これら商標権やサ-ビス 商標権の所有者には、売買や譲渡する権利、使用の許可を与える権利がありま す。 貿易関連知的所有権協定(TRIPS)に基づいて、マレーシアは、権利を持っていな い者によるすでに一般に周知された商標の登録を禁止し、また偽ブランド品の マレーシアへの輸入を禁止する規定を定めています。 123 マレーシアは、2007年9月28日に施行されたニース・ウィーン協定に2007年 6月28日に加盟しました。ニース協定は、商標登録を目的とした物品とサービ スの国際分類についての協定であり、ウィーン協定は、図形要素から構成され る又は図形要素を含む商標の分類を制定しています。両協定は、商標登録を促 進するのに重要な協定です。 特許と同様に、マレーシア国内申請者は、直接申請書を提出できますが、外国 人申請者は登録された商標事務所を通して提出しなければなりません。 1.3 工業デザイン マレーシアにおける工業デザインの保護は、1996年工業デザイン法と1999年 工業デザイン規定に基づき定められています。この法律により登録された工業デ ザインは個人の財産とみなされ、使用権の供与や権利の譲渡が可能となっていま す。 登録されるためには、工業デザインは新規のものであり、単なる機能上の構造様 式や設計は対象になりません。さらに、対象となるデザインは、他の必須部分を 構成する物品の外観に依存するデザインであってはなりません。 マレーシア国内申請者による登録申請は、個人として、または認可工業デザイン 代理事務所を通して提出することができます。しかし、外国人申請者の場合は、 認可工業デザイン代理事務所を通して提出しなければなりません。登録された工 業デザインの最初の保護期間は5年で、個々のデザインに対して5年間の更新が 2回可能となり、合計保護期間は15年間となります。 1.4 著作権 1987年著作権法は、著作権の対象となる作品に対する包括的な保護を提供して います。同法律は、著作権の対象となる作品(コンピュータ・プログラムを含 む)の内容、保護の範囲、保護の方法を規定しています。作品の著作権の登録 制度は特にありません。 文学、音楽、芸術的作品の著作権保護の期間は、作者の生存期間と死後50年間 です。音響録音、放送、映画などの著作権保護期間は、最初に発行または制作 された時から50年間です。 さらにこの法律は、演劇における諸権利に対しても、初めて上演された年の翌 暦年から50年間の保護を提供しています。 同法律の特徴は、法律の強制執行権が含まれて規定されていることです。2003 年10月1日に施行された1987年著作権法の修正が、国内取引・協同組合・消費 者省(MDTCC)(元国内取引消費者行政省)の執行官に逮捕権(無令状逮捕を含 む)を与えています。この国内取引・協同組合・消費者省の特別チームは、著作 権法実施のために任命され、著作権を侵害している複製品を所有している疑いの ある建物に立ち入り、著作権を侵害している複製品や考案品を捜索し、没収する 権限が与えられています。 1.5 半導体集積回路のレイアウト・デザイン 2000年半導体集積回路レイアウト・デザイン法は、当該デザインの創造性や、 創造者自身による自由な発想に基づく設計であることを条件に集積回路レイアウ ト・デザインに保護を与えています。集積回路のレイアウト・デザインの登録制 度は特にありません。 保護期間は、商業利用開始日から10年で、商業利用されない場合は考案日から 15年間です。また、同法律で認められている権利が侵害された場合、所有者が 訴訟を起こすことも認められています。また、譲渡、許可、遺言書、法の執行に よって、部分的またはすべての権利を移転することもできます。 知的所有権の保護 124 同法律は、TRIPS合意に基づいて実施され、マレーシアにおける電子産業分野へ の投資家に保証を提供し、マレーシアにおける技術的成長を促しています。 1.6 地名の表示 2000年地名表示法は、物品の品質、評判、その他特徴がその地理的原産に必然 的に起因する場合、物品が生産された土地の名前に従った物品を保護していま す。この保護は、自然食品や農産物、工芸品などの物品や産業に適用されます。 社会的秩序やモラルに反した地名表示は、この法律によって保護はされません。 保護期間は10年で、その後は10年間の更新が可能です。 知的所有権保護に関する詳細情報は、www.myipo.gov.myをご参照ください。 125 知的所有権の保護 126 第8章 環境マネージメント 1. 政策 2. 環境に関する必要事項 2.1 規制対象事業に対する環境インパクト・アセスメント 2.2 環境インパクト・アセスメント(EIA)調査実施者 2.3 用地適正評価 2.4 書面による建設告知と許可 2.5 焼却炉・燃料燃焼設備・煙突の設置に対する 書面による認可 2.6 規定建物と規定乗物の占有ライセンス 2.7 ガス状排出物と廃水の基準 2.8 オゾン破壊物質の規制 2.9 特定廃棄物の管理 2.9.1 特定廃棄物の環境に関する必要事項の概要 3. 環境マネージメントに対する優遇措置 8 第8章 環境マネージメント 環境的に健全で持続的な開発を促進するため、マレーシア政府は環境保護の法 律的・制度的枠組を設けています。投資家は、事業計画の初期段階において 「環境」という要素を考慮することが奨励されています。汚染防止に努めると いうことは、汚染防止を生産工程の一部ととらえ、既存の企業が排出物の発生 を最小限に抑えるべく生産工程を再構築し、さらには極力排出物の再利用を図 るということも含まれます。 1. 政策 マレーシアの環境政策は、環境に対して配慮した持続可能な開発を通じ、マレ ーシアを経済的、社会的、文化的に発展させるとともに人々の生活の質を向上 させることを目的としています。 環境政策は、下記の達成を目標としています。 • 現代そして次世代にとっての、清潔、安全、健康的、且つ生産的な環境。 • 全ての社会構成員の効果的な参加による、マレーシア独特の多様な文化と 自然遺産の保全。 • 持続可能な生活様式と持続可能な消費と生産のパターン。 マレーシアの国家環境政策は、下記に重点を置いています。 • 最高のモラルと倫理観にもとづく環境への配慮と尊重。 • 生物多様性の完全性と生命維持システムを確保するため、自然生態系の保 全。 • 経済発展と人的資源の発展という目標を追求しつつ、生産性そして環境の 質の継続的向上。 • 資源基盤を維持し環境悪化を防ぐための、天然資源利用管理。 • 環境保護のため、全てのセクターの政策、目的、役割を計画・実施する際 の、環境要素の統合。 • 環境保護管理における民間セクターの役割の強化。 • 政府および民間の意思決定者、資源の利用者、非政府組織(NGO)、一般市 民が、自らの活動を策定・計画・実施する際の、環境保全への最大の配慮と 責務の確保。 • 環境保全と環境向上に対する地域的および世界的取り組みに、積極的かつ 効果的な参加。 2. 環境に関する必要事項 1974年環境基準法と付属規定は、環境インパクト・アセスメント、事業用地評 価、汚染管理アセスメント、モニタリング、自己責任による実施を要請してい 129 ます。産業活動実施にあたっては、下記について環境局事務次官の事前認可を 取得する必要があります。 i. 規制された事業に対する環境インパクト・アセスメント ii. 用地適性評価 iii. 書面による建設告知または許可 iv. 焼却炉、燃料燃焼設備、煙突の設置に対する書面による認可 v. 規定建物や規定乗物の占有・運営ライセンス 2.1 規制対象事業に対する環境インパクト・アセスメント 投資家は、まず第一に、提案している工業活動に対し環境インパクト・アセスメ ント(EIA)が義務付けられているかどうかを確認する必要があります。下記の活 動は、1987年環境基準(規制対象事業)(環境インパクト・アセスメント)条 例の規定に基づき、プロジェクト認可の前にEIAが義務付けられています。 (ⅰ) 農業 a. 森林用地を農業生産用化するための500ヘクタール以上の土地開発計 画。 b. 100世帯以上の移住を伴う農業計画。 c. 他の農業用への変更を含む、500ヘクタール以上の農業用地開発。 (ⅱ) 空港 a. 空港の建設(2,500メートル以上の滑走路を持つもの)。 b. 州立あるいは国立公園の中における滑走路の建設。 (ⅲ) 排水路および灌漑 a. 表面積が200ヘクタール以上のダムや人工湖の建設、湖の人為的な拡 張。 b. 100ヘクタール以上の湿地帯、野生動物生息地、あるいは原生林にお ける拝水路の建設。 c. 5,000ヘクタール以上の灌漑事業。 (ⅳ) 土地の埋め立て 50ヘクタール以上の海岸埋め立て工事。 (ⅴ) 漁業 a. 漁港の建設。 b. 年間水揚げ量が50パーセント以上増加することが見込まれる港の 拡張。 c. 50ヘクタール以上のマングローブ湿原の伐採を伴う土地利用型の水産 物の養殖プロジェクト。 環境マネージメント 130 (ⅵ) 林業 a. 50ヘクタール以上の高地森林地域を他の利用目的に転用する場合。 b. 都市の上水道用、灌漑用、水力発電用の貯水池の集水地域内にある森 林、または、州立・国立公園や国立海洋公園の隣接地にある森林の伐 採、または他の利用目的に転用する場合。 c. 500ヘクタール以上の木材の伐採。 d. 50ヘクタール以上のマングローブ湿地帯を、工業用、住宅用、農業用 目的に転用する場合。 e. 国立海洋公園の隣接島におけるマングローブ湿地帯の伐採。 (vii) 住宅 50ヘクタール以上の住宅開発。 (viii) 工業 a. 化学 単一製品または複合製品の生産能力が1日あたり 100トン以上の場合。 b. 石油化学 全ての規模 c. 非鉄金属 初期製錬: d. e. 非金属 製鉄・製鋼 アルミニウム ‐ 全ての規模 銅 ‐ 全ての規模 その他 ‐ 1日 あ た り 50ト ン 以 上 の 製 品の生産 セメント ‐ クリンカーで1時間あたり30 トン以上 石灰 ‐ 生 石 灰 回 転 釜 で 1日 あ た り 100トン以上、または、 ‐ 立 て 釜 で 1日 あ た り 50ト ン 以上 生産用の原材料として1日あたり100トン以上の 鉄鉱石が必要な場合、または、 生産用の原材料として1日あたり200トン以上の 鉄のスクラップを使用する場合。 f. 造船所 5,000トン以上の載貨重量を持つ船舶の製造。 g. パルプ・製紙 1日あたり50トン以上の生産。 (ⅸ) インフラストラクチャー 131 a. リクリエーション用海岸に排水を流す病院の建設。 b. 50ヘクタール以上の中・重工業向けの工業団地の開発。 c. 高速道路の建設。 d. 国道の建設。 e. ニュータウンの建設。 (ⅹ) 港湾 a. 港湾の建設。 b. 年間荷役能力を50%以上拡大する港湾の拡張プロジェクト。 (xi) 鉱業 a. 250ヘクタール以上の採鉱権を有する新鉱区における鉱業開発。 b. アルミニウム、銅、金、タンタルを含む鉱石の精製処理。 c. 50ヘクタール以上の砂の浚渫。 (xii) 石油 a. 石油・ガス田開発。 b. 長さ50キロ以上の海底・陸上パイプラインの建設。 c. 石油・ガスの分離・加工・出荷・保管のための設備の建設。 d. 精油所の建設。 e. 商業・工業・住宅地域から3km以内に位置し、合計60,000バレル以 上の貯蔵量を備える、ガソリン、ガス、デイーゼルの貯蔵庫(給油所 は除く)の建設。 (xiii)発電所および送電施設 a. 10メガワット以上の能力を持つ、化石燃料燃焼によりスチームを発生 させる発電所の建設。 b. 以下のいずれか、あるいは両方の特性をもつダムおよび水力発電所の 建設。 • 高さ15メーター以上で、付帯設備が40ヘクタール以上のダム。 • 400ヘクタール以上の表面積を持つ貯水池。 c. 複合サイクル型の発電所の建設。 d. 原子力発電所の建設。 (xiv)採石場 砂利、石灰石、シリカ、珪岩、砂岩、大理石、建築装飾用石材を、既存の 住宅地、商業地、工業用地から3キロメートル以内、または、住宅地、商業 地、工業用地としての開発のライセンス、許可、承認が与えられている地 域内で採掘する提案。 (xv)鉄道 a. 新しい路線の建設。 b. 支線の建設。 環境マネージメント 132 (xvi)運輸 MRTプロジェクトの建設。 (xvii)リゾート・レクリエーション開発 a. 海岸リゾート施設や、80客室以上のホテルの建設。 b. 50ヘクタール以上の高原避暑地やホテルの開発。 c. 国立公園内の観光施設やレクリエーション施設の開発。 d. 国立海洋公園と定められた水域に囲まれた島の、観光施設やレクリエ ーション施設の開発。 (xviii) a. 廃棄物処理と処分施設 有害危険廃棄物。 • 焼却所の建設。 • 再生工場の建設(自社敷地外)。 • 汚水処理所の建設(自社敷地外)。 • 安全な埋め立て施設の建設。 • 貯蔵設備の建設(自社敷地外)。 b. 地方自治体からの固形廃棄物。 • 焼却炉プラントの建設。 • 堆肥プラントの建設。 • 再生/リサイクル・プラントの建設。 • 地方自治体からの固形廃棄物用埋め立て施設の建設。 c. 地方自治体の下水。 • 下水処理プラントの建設。 • 海への排水口の建設。 (xix)水の供給 a. 表面積が200ヘクタール以上のダムまたは貯水池の建設。 b. 1日あたり4,500立方メーター以上を供給する産業用、農業用または 都市への供給を目的とした地下水の開発。 2.2 環境インパクト・アセスメント(EIA)調査実施者 環境インパクト・アセスメント(EIA)調査は、EIAコンサルタント登録計画に基 づき環境局(DOE)に登録された資格を持つ特定の人によって行われなくてはな りません。登録EIAコンサルタントのリストと登録計画の詳細は、環境局のホー ムページwww.doe.gov.myで入手することができます。 133 2.3 用地適性評価 環境認可を得るうえで最も重要な要素の一つは、申請プロジェクトの用地適正 です。用地適正は、公示された構造政策または地域計画、周辺の土地利用、セ ットバックや緩衝地帯の規定、追加的汚染負荷の受け入れ許容能力、廃棄物処 理要件などに対する、プロジェクトの適合性に基づいて評価されます。 用地適正評価(SSE)は、環境局(DOE)が管轄するすべての開発プロジェクトにと って、用地適性を確実にするうえで重要なプロセスとなっています。このよう に、用地適正評価(SSE)は、規定事業または規定外事業のいずれの場合も、最初 に実施されなければなりません。規定事業の場合、用地適正評価(SSE)は、選ば れた用地が申請事業に適しており、周辺の土地と適合していることを確実にす るために実施される環境インパクト・アセスメント(EIA)の前に、実施されなけ ればなりません。またこれは、そのプロジェクトの発議者にとって、もし当該 用地が不適合と判断された場合に、環境インパクト・アセスメント(EIA)の実施 費用を倹約するためにも役に立ちます。 2.4 書面による建設告知と許可 下記に示されている事業を施行しようとする方は、環境局の事務次官から、事 前に書面による告知を提出しなければなりません。 i. 2009年環境基準(工業排水)規定の第1条に定められた敷地以外におい て、土、内水、マレーシアの領海に、工業廃水または混合廃水を排出また は放出する恐れがあったり、既存の源泉からの排出物の量や品質に、重大 な変化を及ぼす、またはもたらす、または可能にする恐れがある、敷地の 工事または建物の建設の実施。 ii. 2009年環境基準(汚水)規定に定められているように、150人以下と同 等の人口をともなう住宅または商業開発以外で、土、内水、マレーシア領 海に対する、汚水の排出、放出、またはその可能性。 iii. 2009年環境基準(固形廃棄物処理施設や埋め立て地からの公害管理)規 定に定められているように、新たな浸出液の排水または放出の恐れがある、 土地、施設、建物の工事の実施。 1974年環境基準規定の19項で定められているように、土地や建物の工事や、土 地や建物が規定の敷地(天然パーム精油工場、天然ゴム加工工場、特定廃棄物 の処理廃棄施設)となる原因となる工事を実施する予定の者は、環境局の事務 次官から、事前に書面による許可を取得しなければなりません。 * 上記の申請は、所定手数料を添えて行わなくてはなりません。 2.5 焼却炉・燃料燃焼設備・煙突の設置に対する書面による認可 下記に示されている事業を施行しようとする方は、事前に環境局の事務次官か ら書面による認可を得なければなりません。 i. 1978年環境基準(クリーンエアー)規定の規定4と付表1に詳述されて いる施設の居住地域周辺への新規設置。 ii. 1978年環境基準(クリーンエアー)規定の規定36と規定38に示されて いる、1時間に30kg以上の微粉燃料や固形燃料を消費するか、1時間に 15kg以上の液体や気体燃料を消費する燃料燃焼設備(焼却炉を含む)の建 設、取付け、再設置、改造。 iii. 不純物を排出する可能性のある煙突の建設、取付け、再設置、改造。 * 書面による認可の申請にあたっては、手数料は不要です。 環境マネージメント 134 2.6 規定建物と規定乗物の占有ライセンス 下記に挙げられた規定建物の占有や運営には、ライセンスが必要となります。 i. パーム油の製油所 ii. 天然ゴムの加工工場 iii. 特定廃棄物処理・処分施設 2005年環境基準(規定乗物)(特定廃棄物)規則で定められた規定乗物の使用 に際し、ライセンスの取得が義務付けられています。規定乗物として分類され ている乗物または船舶は、下記の通りです。 i. 乗物の内部にある機械装置により駆動されるもの。 ii. 陸上または水中での使用のため組み立てまたは改造されたもの。 iii. 特定廃棄物の移動、運搬、配置、保管のため使用されるもの。 ライセンスの申請は、書面による許可且つ/または認可(2.3および2.4に記述) の取得後に行われなければなりません。パーム油製油所、天然ゴム加工工場、 特定廃棄物処理・処分施設、規定乗物のライセンス発行にあたっては、ライセ ンス手数料が必要です。 2.7 ガス状排出物と廃水の基準 1978年環境基準(クリーンエアー)規定、2009年環境基準(工業廃水)規定、 2009年環境基準(汚水)規定、2009年環境基準(固形廃棄物処理施設や埋め 立て地からの公害管理)規定で定められているように、産業界は、マレーシア で許容基準として認められた、排気、工業廃水、汚水、浸出液の基準を遵守し なければなりません。 2.8 オゾン破壊物質の規制 オゾン破壊物質(ODS)は、1999年環境基準(冷却剤管理)規定と1999年環境 基準(ハロゲン管理)規定により、環境危険物質として分類されています。こ れらの物質を使用する新規投資は禁止されています。 2.9 特定廃棄物の管理 マレーシアは、有害危険廃棄物の管理に関係した包括的な法規定を制定しまし た。この規定は廃棄物発生から処理までの一貫した方針に基づいています。特 定廃棄物の発生、貯蔵、移動、処理、処分を行う施設は下記に挙げる主要規制 に従わなければなりません。 i. 2005年環境基準(特定廃棄物)規定(改正)2007年 ii. 2005年環境基準(規定乗物)(特定廃棄物)規則 iii. 2006年環境基準(規定建物)(特定廃棄物処理・処分施設)(改正)規則 iv. 2006年環境基準(規定建物)(特定廃棄物処理・処分施設)(改正)規定 v. 2008年税関(輸出禁止)規則 vi. 2008年税関(輸入禁止)規則 135 2.9.1 特定廃棄物の環境に関する必要事項の概要 2005年環境基準(特定廃棄物)規定が、1989年環境基準(特定廃棄物)規定 から切り替わりました。この規定では、付表1に表記された77種類の特定廃棄 物は、下記の5つのカテゴリーに分類されています。 i. SW1 金属、金属含有廃棄物(10種類の特定廃棄物) ii. SW2 主として無機成分を含む廃棄物で、金属、有機物質を含む可能性 のあるもの(7種類の特定廃棄物) iii. SW3 主として有機物質を含む廃棄物で、金属、無機素材を含む可能性 のあるもの(27種類の特定廃棄物) iv. SW4 無機成分または有機成分を含む可能性のあるもの(32種類の特 定廃棄物) v. SW5 その他廃棄物(1種類の特定廃棄物) 特定廃棄物は、廃棄物排出者の敷地内で貯蔵、再生、または処分することがで きます。これらの活動には、環境局によって発行されるライセンスは必要あり ません。廃棄物排出者は、累積廃棄物の量が20メートルトンを超えないことを 条件に、自社で排出した特定廃棄物を、排出後180日以内の間貯蔵することが できます。しかし、廃棄物排出者は、特定廃棄物を20メートルトン以上貯蔵す るために、環境局の長官に書面により申請することができます。特定廃棄物の 貯蔵に使用された容器には、最初に特定廃棄物が排出された日付と、廃棄物排 出者の名前、住所、電話番号を標示しなければなりません。 土地の耕作、焼却、処分や、再生・貯蔵・処理用自社敷地外施設は、環境局に よるライセンスを取得した規定敷地内においてのみ行うことができます。しか し、マレーシア政府とKualiti Alam Sdn. Bhd(産業廃棄物処理事業者) 間で1995年12月18日に結ばれた独占事業合意(15年間の独占事業期間)によ り、自社敷地外での特定廃棄物の処理と処分(焼却、汚水処理、貯蔵、安全な 埋め立て)は認められていません。 自社敷地内での特定廃棄物の処理も奨励されていません。必要である場合には、 焼却炉の設置の申請は、詳細な環境インパクト・アセスメント報告書の作成とそ の公表を含め、「マレーシアにおける特定廃棄物処理用自社敷地内焼却施設の設 置ガイドライン」(環境局発行)を遵守しなければなりません。 廃棄物排出者は、2005年環境基準規定(特定廃棄物)の規定7(1)で定められて いるように、規定建物または自社敷地内の処理・再生施設以外の敷地または施 設において、特定の施設または処理・処分・再生されなかった工程から発生す る特定廃棄物に関して、特定廃棄物処理の特別マネージメント申請をすること ができます。 3. 環境マネージメントに対する優遇措置 第2章の「環境マネージメントに対する優遇措置」をご参照ください。環境マ ネージメントの必要事項に関する詳細については、環境局にお問い合わせいた だくか、ホームページwww.doe.gov.myをご参照ください。 環境マネージメント 136 第9章 インフラ整備 1. 工業用地 1.1 工業団地 1.2 自由地域 1.3 1.2.1 自由商業地域(FCZ) 1.2.2 自由工業地域(FIZ) 保税工場 2. 電力供給 3. 水供給 4. 通信サービス 5. 航空貨物輸送 6. 港湾 7. 貨物運送 7.1 コンテナー輸送 7.2 貨物輸送 8. 高速道路 9. 鉄道サービス 10. MSCマレーシア 9 第9章 インフラ整備 1. 工業用地 1.1 工業団地 マレーシアには、州経済開発公社(SEDC)、地域開発庁(RDA)、港湾当局、地方 公共団体など政府機関によって開発された工業団地が200以上あります。さら なる工業団地への需要増に応えるために新たな工業団地が次々と計画されてい ます。政府機関以外にも、民間開発業者がいくつかの州で工業団地を建設して います。 価格や賃貸の取り決めは、場所によって異なります。 1.2 自由地域 自由地域は、1990年自由地域法の第3(1)条に基づき、財務省によって自由商業 地域または自由工業地域と認定されたマレーシア各地にある地域です。この地 域は、港貿易の促進を目的としており、主に輸出用製品の生産や組立を行う製 造会社のために特別に設けられた地域です。 1967年税関法の第2条(1A)に定められているように、自由地域内の活動や産業 は、最小限の関税手続きが課されており、1967年税関法の第31条に基づき禁止 されている輸出入に関わる場合を除き、主要税関地域外の場所とみなされてい ます。 1.2.1 自由商業地域(FCZ) 自由地域は、貿易(小売りを除く)、荷揚げ、選別、再包装、再ラベル、積替 え、トランジットを含む、商業活動を行うために割り当てられています。 現在までに、17か所の自由商業地域(FCZ)が、クラン港のノース・ポートとサ ウス・ポートとウェスト・ポート、クラン港フリー・ゾーン、プラウ・インダ MILSロジスティック・ハブ、バターワース、バヤン・レパス、KLIA、ランタウ・ パンジャン、ペンガラン・クボー、ストゥラン・ラウト、ジョホール港、タン ジュン・ペレパス港に設けられています。 1.2.2 自由工業地域(FIZ) 最小限の税関手続き以外にも、自由工業地域(FIZ)に位置する輸出志向の製造企 業は、生産活動に直接必要な原材料、コンポーネント部品、機械設備の輸入税 の免除が受けられます。さらに、完成品の輸出にあたっても手続きが簡素化さ れています。 現在までに、18ヵ所の自由工業地域(FIZ)が、パシル・グダン、タンジュン・ペ レパス、バトゥ・ベレンダンⅠ、バトゥ・ベレンダンⅡ、タンジョン・クリン、 タロック・パングリマ・ガラン、プラウ・インダ(PKFZ)、スンガイ・ウェイⅠ、 スンガイ・ウェイⅡ、ウル・クラン、ジェラパンⅡ、キンタ、バヤン・レパス Ⅰ、バヤン・レパスⅡ、バヤン・レパスⅢ、バヤン・レパスⅣ、セベラン・ペ ライ、サマ・ジャヤに設けられています。 申請資格 下記の企業は自由工業地域に立地することができます。 • 139 生産のすべてか、製品の80%以上が輸出されること。 • 原材料やコンポーネントが主として輸入品であること。しかしながら、政 府は自由工業地域に立地する企業であってもマレーシア国内の原材料やコ ンポーネントをより多く使用するように奨励しています。 1.3 保税工場 自由工業地域の設置が現実的でないか望ましくない地域では、企業毎に保税工 場(LMW)の資格を取得することができます。保税工場に与えられる便益は、自 由工業地域で操業する工場与えられる便益と同様のものです。 申請資格 保税工場に認定される条件は通常下記の通りです。 • 生産のすべてか、製品の80%以上が輸出されること。 • 原材料やコンポーネントが主として輸入品であること。 関税の支払い 2011年1月1日から、自由工業地域(FIZ)や保税工場(LMW)の企業は、下記の条 件を満たせば、共通実効特恵関税(CEPT)税率と同等の輸入税免除を得ることが できます。 i) 現地調達率が40%以上 ii) 現地調達率が40%に満たない場合、自由工業地域(FIZ)や保税工場(LMW) の企業が、生産する最終製品の、原産ではない原料が、定められたメカニ ズムを通して、実質的な形質転換過程を経ていることを証明することによ って、考慮されます。 2. 電力供給 マレーシアには十分な電力供給があります。国営電力会社であるテナガ・ナシ ョナル(TNB)は、マレーシア半島で電力供給を行い、東マレーシアではサバ電力 公社(SESB)とサラワク電力供給公社(SESCO)がそれぞれサバ州とサラワク州に 電力供給しています。 送電電圧は500kV、275kV、132kVで、配電電圧は33kV、22kV、11kVと、 415/240ボルトです。 テナガ・ナショナル(TNB)は、多様な形態でのエネルギーを必要とする特定の産 業のために、火力発電資源と水力発電計画をパッケージした電力も供給してい ます。 クリム・ハイテク・パーク(KHTP)では、最も高度なシステムであるリング配線 電気供給システムにより、域内での継続的な無停電電力供給を保証しています。 この保証された安定電力供給は、ハイテク事業が必要とする厳密な電力変動許容 基準を満たしています。このことはハイテク産業の発展を推進しようという政府 の取り組み姿勢を示すものです。 3. 水供給 マレーシアにおける上水道とそのサービス業務は、連邦政府と州政府の共同権 限のもと行われています。特に消費者の「権利」を保護するために、国家の水 道サービスの質を向上するため、国家水道サービス産業(NSW)法(2006年)(法令 インフラ整備 140 655)と国家水道サービス委員会(SPAN)法(2006年)(法令654)という、2つの法 的枠組みが導入されています。整備された上水道の配備は、消費者、投資家、 運営者のためになるよう、水道産業の効率性と長期的な持続可能性を促進する のに役立つでしょう。マレーシアの消費者は水道供給を24時間受けることが可 能で、水量と水質の面においても安心で安全です。水道水は、世界保健機構 (WHO)の飲料水の国際基準に沿って処理されています。家庭用、商業用、工業 用の水の消費は、すべてメーターにより使用量が計測されています。水の価格 は、州によって異なります。 4. 通信サービス モバイルやその他ネットワーク促進プロバイダーによって提供される、マレー シアの固定電話、携帯電話通信、および衛星コミュニケーションのインフラは、 音声・画像・データおよびその他の先端的な通信サービスを網羅した、あらゆ る国内・国際サービスをサポートしています。 現在では、携帯電話サービスが人口集中地域の96%を網羅し、3,570万人以上 が加入しています。固定電話線と携帯電話による通信は、VSATと衛星を利用し た陸上・海上サービスにより拡大しています。 28以上のインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)があり、合計560万人 が加入しています。大手インターネット・サービス・プロバイダーは、35%の マーケットシェアを持つTM、19%のマキシス、18%のセルコムです。通信イ ンフラは、音声やデータ送信の際に大容量と高スピードを提供するために、有 線やその他拡張無線帯域を配備した、近代的で完全にデジタル化されたネット ワークを利用し、あらゆる音声・データ・画像サービスを提供しています。現 在マレーシアでは、40GB以上のインフラによりサービスが提供されています MSCマレーシアでは、10GBまでの帯域幅容量が提供されています。 マレーシアは、FLAG、SEA-ME-WE、AAG、MCS、APCN、中国-アメリカ、 日本-アメリカ、Measat、Intelsatなどの光ファイバーと衛星を通じ世界と結ば れています。ブロードバンドへの高まる需要を満たすため、ADSL、VDSL2+、 FTTP、HSPA、WiMAXのような中レベル・高レベルの技術が、全国に急速に普 及しつつあります。 現在マレーシアは、市内・国内・国際回線やリース回線において魅力的な料金 を提供しており、域内ではインターネット・ダイアルアップおよび国際通信料 金が最安の国の一つとなっています。 5. 航空貨物輸送 東南アジアの中央に位置しているマレーシアは、貨物の積み替えセンターとし て最適の立地条件を備えています。特にマレーシア国内にある6つの国際空港 の航空貨物取り扱い設備は非常に充実したものです。 セランゴール州セパンにある高度に洗練されたクアラルンプール国際空港 (KLIA)は、年間4,000万人の旅客と120万トン以上の貨物の取り扱い能力を有 しています。 しかし、1万ヘクタールの土地を有するKLIAは、2020年までには年間6,000万 人の旅客と300万トンの貨物を、さらに将来は年間1億人の旅客と500~600万 トンの貨物に対応できるよう拡張することが計画されています。 その他の国際空港としては、ペナン国際空港、ランカウイ国際空港、セナイ国 際空港が半島マレーシアにあります。サバ州にはコタキナバル国際空港、サラ ワク州にはクチン国際空港があります。 141 マスカーゴ(MASkargo)は、親会社であるマレーシア航空(MAS)の主要なカー ゴ部門で、定期便とチャーター便のサービス、地上取扱いサービス、陸路運送 での空港と港湾のカーゴ・ロジスティックを運営しています。 さらにマスカーゴは、持株会社であるマレーシア航空やその子会社の航空機の 下部貨物室の収容スペースを、マレーシアのナショナル・キャリアがもつ世界 6大陸の100カ所の国際空港を経由して提供しています。 マスカーゴは、クアラルンプール国際空港の自由商業地域(FCZ)内で、最先端の 先進カーゴ・センター(ACC)を運営しています。このセンターの特徴は、完全 自動化手続き、リアルタイムのデータ追跡、スムーズな通信などの最新の技術 を備えた、安全で精巧な保安システムです。センターの設備のなかには、動物 用ホテルやワンストップ生鮮食品センター、主要な運送業者用の世界初の優先 ビジネス・センター(PBC)があります。 現在では、クアラルンプール、ペナン、クチン(マレーシア)から、シドニー、 上海、台北、バンコク、香港、マニラ、ジャカルタ、スラバヤ、東京、大阪、 フランクフルト、アムステルダム、シャルジャに、定期貨物便サービスを提供 しています。マスカーゴは現在、ボーイングB747-400Fを2機と、エアバス A330-200Fを2機の、独自所有の貨物飛行機を運行しています。 最近では、マスカーゴは、安全サプライチェーン・プログラムやカーゴ・セキ ュリティの強化を目的とした、IATA安全貨物プログラムに認定されています。 マスカーゴは、世界初の港湾積み替えサービス内の空港であるI-Portと呼ばれる システムも持っています。このサービスは、クラン港からクアラルンプール国 際空港を経由して、船便と航空貨物発送の素早いハンドリングを可能にしてい ます。さらに、マスカーゴは、国内における空港間のトラック運送サービスも 提供しています。 マレーシアの航空貨物サービスは、サバ、サラワク、マレーシア半島に、6カ 所の国内輸送先と、香港とシンガポールの2カ所の定期国際輸送先にサービス を提供している、トランスマイル・エア社によって補われています。東マレー シアのラブアンやビンツルへの国内便は、主に特殊な取扱い設備を必要とする 石油ガス産業に対応しています。定期便サービスに加えて、トランスマイル・ エア社は、ASEANやアジア太平洋地域へのチャーター便サービスも提供し、イ ンド、中東、中国へ飛行することも出来ます。 マスカーゴの詳細情報については、ホームページwww.maskargo.comをご参照 ください。 6. 港湾 マレーシアの港は、連邦港と州港に分類されます。全ての連邦港は、運輸省の 管轄下にあります。現在、クラン港、ペナン港、ジョホール港、タンジュン・ ペレパス港、クアンタン港、ケママン港、ビンツル港といった、7つの主要な 連邦港があります。これら全ての連邦港には、近代的な設備が備わっています。 ビンツル港は液化天然ガス用の港です。 経済と貿易の拡張とともに、国内の港は、近年目覚ましい発展を遂げています。 クラン港とタンジュン・ペレパス港の2つの港は、世界のコンテナー港トップ 20に入っています。 港湾に関する政府の政策は下記の通りです。 a. 船の待ち時間を無くすため十分な取り扱い能力を港湾に備えるなど、処理 能力の強化。 b. 下記による港湾活用の強化。 インフラ整備 142 • 港湾操業の能率と生産性の向上 • 港の民営化 • 補助サービスの開発と向上 • 陸上運送の開発と向上 c. クラン港は、国内の荷物センターであり、積み替えセンターとなっていま す。一方、タンジュン・ペレパス港は、地域の積み替えハブとして認知さ れています。 7. 貨物運送 多数の会社が、マレーシアで包括的なコンテナー貨物運送サービスを提供して います。これには、コンテナー運送、貨物輸送、倉庫、燃料供給、流通関連サ ービス、港湾通関手続き、コンテナー修理、リース、メンテナンスなどのサー ビスが含まれます。 マレーシアの荷受人やサービスの利用者は、各社の支店や事務所のネットワー クを通じた迅速かつ効率的で、信頼性の高い貨物輸送を利用することが可能で す。また、多くの会社が自社代理店のネットワークを通じた世界的なサービス を提供しています。 7.1 コンテナー輸送 マレーシア政府は、国土交通委員会(SPAD)を通じて、国内のコンテナー輸送を コントロールしています。 62社のコンテナー運搬業者が、特殊仕様車を含む多種多様のトレーラーや原動 機などを備え、多様な貨物のニーズに応えています。一部の業者は運搬中の車 両との連絡を可能にするため、近代的な無線システムを備えています。 その他多数の中小運送業者が、通常貨物を国内の配達先にトラック運送してい ます。また、特定地域間を結ぶ鉄道輸送サービスや、フレイト・ライナー・サ ービスが遠距離の顧客へのコンテナーを配送するサービスを提供しています。 このような複数の交通手段(陸路や鉄道)を組合せた運送システムが、迅速な 貨物輸送を保証しています。 7.2 貨物輸送 数百社の貨物輸送業者がマレーシア国内にあり、全国的な貨物輸送サービスを 提供しています。海外向けの貨物輸送は、多数の国際貨物輸送業者に委託する ことができます。 また、貨物輸送業者は関税局での通関手続きに必要とされる認可、ライセンス、 関税免除措置の申請手続きを行い、製造業者をサポートすることができます。 8. 高速道路 マレーシア高速道路公社は、マレーシアの都市高速道路の計画立案、建設、規 制、運営、メンテナンスを監督し、実行しています。快適な高速道路網は、す べての主要都市と開発予定地域を結び、効率的な交通を可能にすることによっ て工業成長を促進しています。 143 また、国家による民営化プログラムの成功は力強い経済成長と相まって、過去 数年間さらに多くの高速道路開発プロジェクトを生み出してきました。 現在では、南北縦貫高速道路、ペナン橋、クアラルンプール - カラ間高速道路、 東海岸高速道路が、マレーシア道路インフラの屋台骨となり、国家の急速な社 会経済発展に貢献しています。 9. 鉄道サービス 半島マレーシアで操業するマラヤ鉄道(KTMB)は、政府が完全所有する会社です。 国内唯一で最大の輸送機関として、マラヤ鉄道(KTMB)は穀物から機械まで、多 様な種類の物品を輸送することができます。 そのネットワークは、マレーシア半島の北部ターミナルであるパダン・ペサーか ら、南部のジョホール州パシル・グダンにまで及んでいます。さらに北部路線は、 ペナンの埠頭や港湾設備と接続されています。 10. MSCマレーシア MSCマレーシアは、情報通信(ICT)産業にとってアジアの中で最も魅力のある進 出先です。1996年に構想が発表されて以来、MSCマレーシアはダイナミック に発展するICTのハブとして成長を続け、今日ではマルチメディア製品・通信関 連製品、ソリューション、サービス、研究開発分野に2,000社以上の多国籍企業、 外国企業、国内企業が立地しています。 MSCマレーシアは、急成長を続けるアジアの中心に位置し、世界最高のインフ ラが整備されています。さらには操業中の会社はサイバー法、政策および実行 面で保護され、絶え間ない技術革新が図られるよう支援されています。 次なる飛躍としても知られているMSCマレーシア・ナショナル・キャンペーン のもと、MSCマレーシアは、ICT対応産業がサイバーシティやサイバー・セン ターと呼ばれる競争力ある環境で事業を設立するのを育成し維持するための基 準を開発しています。 現在までに、サイバーシティ/サイバー・センターとして知られているMSCマレ ーシア特定地域には、下記が含まれています。 • サイバージャヤ • テクノロジーパーク・マレーシア(TPM) • クアラルンプール・シティ・センター(KLCC) • UPM-MTDC • KLセントラル • クアラルンプール・タワー • TMサイバーセンター・コンプレックス • ミッド・バレー・シティ(MVC) • i-シティ、シャーラム • バンダ・ウタマ インフラ整備 144 • バングサー・サウス・シティー • ペナン島、ペナン・サイバーシティ-1(PCC1) • ケダ州、クリム・ハイテクパーク(KHTP) • ペラ州、メル・ラヤ • マラッカ州、マラッカ国際貿易センター(MITC) • ジョホール州、メナラMSCサイバーポート • パハン州、プトラ・スクエア MSCマレーシア資格基準と実施基準を満たした国内の他の地域にも、MSCマレ ーシア・サイバーシティまたはMSCサイバー・センターのステータスが、将来 性に基づき与えられます。 MSCマレーシアは成長力のある国際的なイノベーターや投資家に選択される進 出先となっています。マレーシアのユニークな競争力は以下の点によるもので す。 • MSCマレーシアへの投資家に対する高度に競争力を有する一連の優遇策。 • 個別に用意された優遇策と融資制度。 • 強く熱心なリーダーシップ。 • 急成長を続けるアセアン各国およびアジア太平洋市場へのアクセスが 容易。 • 年間30,000人の短大・大学卒業生がICT関連学部から供給されることによ る、質の高い、教育を受けた人材の確保。 • マレーシア人の多言語、多文化能力。 • 政治・社会の安定。 • 質の高い生活。 MSC認定会社による多くの革新的な技術の開発に加え、MSCは以下の開発に取 り組んでいます。 • スマートカード技術。 • スマートスクール。 • 遠隔医療。 • 電子政府。 • 電子商取引。 145 • 技術をベースにした起業家の育成。 • 創造性のあるマルチメディア産業。 • 支援サービスの共通利用および外部調達。 MSCマレーシアに関する詳細情報は、www.mscmalaysia.myをご参照ください。 インフラ整備 146 連絡先住所 連絡先住所 行政機関 総理府 PRIME MINISTER’S OFFICE Main Block, Perdana Putra Building Federal Government Administrative Centre 62502 Putrajaya, Malaysia (603) 8888 8000 Tel: Fax: (603) 8888 3444 Website: www.pmo.gov.my E-mail: [email protected] 外務省 MINISTRY OF FOREIGN AFFAIRS Wisma Putra No. 1, Jalan Wisma Putra, Precinct 2 62602 Putrajaya, Malaysia (603) 8887 4000/ 4570/ 8889 2746 Tel: Fax: (603) 8889 1717 / 8889 2816 Website: www.kln.gov.my E-mail: [email protected] 農業農工省 MINISTRY OF AGRICULTURE AND AGRO-BASED INDUSTRY Level 9, Wisma Tani No. 28, Persiaran Perdana, Precinct 4 Federal Government Administrative Centre 62624, Putrajaya, Malaysia (603) 8870 1000 Tel: (603) 8888 6020 Fax: Website: www.moa.gov.my E-mail: [email protected] 保健省 MINISTRY OF HEALTH Block E1, E6, E7 & E10, Complex E Federal Government Administrative Centre 62590 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8883 3888 Fax: (603) 8888 6187 Website: www.moh.gov.my E-mail: [email protected] 国防省 MINISTRY OF DEFENCE Wisma Pertahanan Jalan Padang Tembak 50634 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2071 5019 Tel: (603) 2691 4576 Fax: Website: www.mod.gov.my E-mail: [email protected] 国内取引・協同組合・消費者省 MINISTRY OF DOMESTIC TRADE, COOPERATIVE AND CONSUMERISME No. 13, Persiaran Perdana, Precinct 2 Federal Government Administrative Centre 62623 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8882 5500/ 1800-886-800 Fax: (603) 8882 5762 Website: www.kpdnkk.gov.my E-mail: [email protected] 教育省 MINISTRY OF EDUCATION Block E8, Complex E Federal Government Administrative Centre 62604 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8884 6000 Fax: (603) 8889 8431 Website: www.moe.gov.my E-mail: [email protected] [email protected] エネルギー・グリーンテクノロジー・水道省 MINISTRY OF ENERGY, GREEN TECHNOLOGY AND WATER Block E4/5, Government Complex, Complex E Federal Government Administrative Centre 62668 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8883 6200 Fax: (603) 8889 3712 Website: www.kettha.gov.my E-mail: [email protected] 連邦直轄地域・都市振興省 MINISTRY OF FEDERAL TERRITORIES AND URBAN WELLBEING Level G-7, Block 2, Menara Seri Wilayah, Presint 2 Federal Government Administrative Centre 62100 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8889 7888 Fax: (603) 8888 0375 Website: www.kwp.gov.my E-mail: [email protected] [email protected] 財務省 MINISTRY OF FINANCE Finance Ministry Complex No.5 Persiaran Perdana, Precinct 2 Federal Government Administrative Centre 62592 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8882 3000 Fax: (603) 8882 3893 / 3894 Website: www.treasury.gov.my E-mail: [email protected] 149 高等教育省 MINISTRY OF HIGHER EDUCATION No.2, Menara 2, Jalan P5/6, Presint 5 62200 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8870 6000 Fax: (603) 8870 8889 / 6834 Website: www.mohe.gov.my [email protected] Email: [email protected] 内務省 MINISTRY OF HOME AFFAIRS Block D1 & D2, Complex D Federal Government Administrative Centre 62546 Putrajaya, Malaysia (603) 8886 8000 / 3000 Tel: Fax: (603) 8889 1613 / 1610 Website: www.moha.gov.my E-mail: [email protected] 住宅地方自治省 MINISTRY OF HOUSING AND LOCAL GOVERNMENT No. 51, Persiaran Perdana, Presint 4 62100 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8891 5012 Fax: (603) 8891 5022 Website: www.kpkt.gov.my E-mail: [email protected] [email protected] 人的資源省 MINISTRY OF HUMAN RESOURCES Level 6-9, Block D3, Complex D Federal Government Administrative Centre 62530 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8886 5000 / 5200 Fax: (603) 8889 2381 Website: www.mohr.gov.my E-mail: [email protected] [email protected] [email protected] 情報・コミュニケーション・文化省 MINISTRY OF INFORMATION, COMMUNICATION AND CULTURE Wisma TV, Angkasapuri 50610 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 2282 5333 Fax: (603) 2284 8115 Website: www.kpkk.gov.my E-mail: [email protected] 天然資源環境省 MINISTRY OF NATURAL RESOURCES AND ENVIRONMENT No. 25, Persiaran Perdana Wisma Sumber Asli, Precinct 4 Federal Government Administrative Centre 62574 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8886 1111 Fax: (603) 8889 2672 Website: www.nre.gov.my E-mail: [email protected] プランテーション・一次産品省 MINISTRY OF PLANTATION INDUSTRIES AND COMMODITIES No. 15, Level 6-13 Persiaran Perdana, Precinct 2 Federal Government Administrative Centre 62654 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8880 3300 Fax: (603) 8880 3483 Website: www.kppk.gov.my E-mail: [email protected] 地方地域開発省 MINISTRY OF RURAL AND REGIONAL DEVELOPMENT No. 47 Persiaran Perdana, Precint 4 Federal Government Administrative Centre 62100 Putrajaya, Malaysia (603) 8891 2000 Tel: (603) 8888 2357 Fax: Website: www.rurallink.gov.my E-mail: [email protected] 科学技術・技術革新省 MINISTRY OF SCIENCE, TECHNOLOGY AND INNOVATION Level 1-7, Block C4 & C5 Federal Government Administrative Centre 62662 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8885 8000 Fax: (603) 8888 9070 Website: www.mosti.gov.my E-mail: [email protected] 観光省 MINISTRY OF TOURISM No. 2, Tower 1 Jalan P5/6 Precint 5 62200 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8891 7000 Fax: (603) 8891 7100 Website: www.motour.gov.my E-mail: [email protected] [email protected] 運輸省 MINISTRY OF TRANSPORT Block D5, Complex D Federal Government Administrative Centre 62502 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8886 6000 Fax: (603) 8889 1569 Website: www.mot.gov.my E-mail: [email protected] 女性・家族・地域社会開発省 MINISTRY OF WOMEN, FAMILY AND COMMUNITY DEVELOPMENT No. 55 Persiaran Perdana Precint 4 62100 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8323 1000 Fax: (603) 8323 2000 Website: www.kpwkm.gov.my E-mail: [email protected] 公共事業省 MINISTRY OF WORKS 5th Floor, Block A, Kompleks Kerja Raya Jalan Sultan Salahuddin 50580 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 2711 1100 Fax: (603) 2711 1101 Website: www.kkr.gov.my E-mail: [email protected] 青年スポーツ省 MINISTRY OF YOUTH AND SPORTS Menara KBS No.27, Persiaran Perdana, Precinct 4 Federal Government Administrative Centre 62570 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8871 3333 Fax: (603) 8888 8770 Website: www.kbs.gov.my E-mail: [email protected] 関連団体 マレーシア中央銀行(バンク・ネガラ) BANK NEGARA MALAYSIA Jalan Dato’ Onn, P.O. Box 10922 50929 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2698 8044 Tel: (603) 2691 2990 Fax: Website: www.bnm.gov.my E-mail: [email protected] ブルサ・マレーシア BURSA MALAYSIA BERHAD Customer Service Bursa Malaysia Berhad 10th Floor, Exchange Square Bukit Kewangan 50200 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2026 5099 Tel: Fax: (603) 2026 4122 Website: www.klse.com.my E-mail: [email protected] マレーシア企業委員会(SSM) COMPANIES COMMISSION OF MALAYSIA (SSM) Menara SSM@Sentral No. 7, Jalan Stesen Sentral 5 Kuala Lumpur Sentral 50623 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2299 4400 Tel: (603) 2299 4411 Fax: Website: www.ssm.com.my Email: [email protected] 環境局 DEPARTMENT OF ENVIRONMENT Ministry of Natural Resources and Environment Level 1-4, Podium 2&3, Wisma Sumber Asli No. 25, Persiaran Perdana, Precint 4 Federal Government Administrative Centre 62574 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8871 2000/ 8871 2200 Fax: (603) 8889 1973/75 Website: www.doe.gov.my E-mail: [email protected] 労使関係局 DEPARTMENT OF INDUSTRIAL RELATIONS Level 9, Block D4, Complex D Federal Government Administrative Centre 62530 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8871 1205 Fax: (603) 8889 2355 Website: www.jpp.mohr.gov.my E-mail: [email protected] 労働局 DEPARTMENT OF LABOUR Level 5, Block D3, Complex D Federal Government Administrative Centre 62530 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8886 5000 Fax: (603) 8889 2368 Website: www.jtksm.mohr.gov.my E-mail: [email protected] 職業安全・保健局 DEPARTMENT OF OCCUPATIONAL SAFETY AND HEALTH Level 2, 3 and 4, Block D3, Complex D Federal Government Administrative Centre 62530 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8886 5000 Fax: (603) 8889 2443 Website: www.dosh.gov.my E-mail: [email protected]. 被雇用者積立基金 EMPLOYEES PROVIDENT FUND KWSP Building, Jalan Raja Laut 50350 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 8922 6000 Fax: (603) 2694 8433 Website: www.kwsp.gov.my E-mail: [email protected] マレーシア輸出入銀行(EXIM BANK) EXPORT-IMPORT BANK OF MALAYSIA (EXIM BANK) Level 1, Exim Bank Jalan Sultan Ismail 50250 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 2601 2000 (603) 2601 2100 Fax: Website: www.exim.com.my E-mail: [email protected] マレーシア工業開発金融公社(MIDF) MALAYSIAN INDUSTRIAL DEVELOPMENT FINANCE BHD (MIDF) Level 19, Menara MIDF 82, Jalan Raja Chulan 50200 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2173 8888 Tel: (603) 2173 8877 Fax: Website: www.midf.com.my E-mail: [email protected] ハラル産業開発公社(HDC) HALAL INDUSTRY DEVELOPMENT CORPORATION SDN BHD (HDC) 5.02, Level 5, KPMG Tower, First Avenue Persiaran Bandar Utama 47800 Petaling Jaya Selangor, Malaysia (603) 7965 5555 Tel: (603) 7965 5500 Fax: Website: www.hdcglobal.com E-mail: [email protected] マレーシア技術開発公社(MTDC) MALAYSIAN TECHNOLOGY DEVELOPMENT CORPORATION SDN BHD (MTDC) Menara Yayasan Tun Razak Level 8-9, Jalan Bukit Bintang 55100 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2172 6000 Tel: Fax: (603) 2163 7549 Website: www.mtdc.com.my E-mail: [email protected] 人的資源開発基金 HUMAN RESOURCE DEVELOPMENT BERHAD Wisma PSMB Jalan Beringin, Damansara Heights 50490 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2096 4800 Tel: Fax: (603) 2096 4999 Website: www.hrdf.com.my E-mail: [email protected] ハイテクのためのマレーシア産業 政府関係機関団体 (MIGHT) MALAYSIAN INDUSTRY-GOVERNMENT GROUP FOR HIGH TECHNOLOGY (MIGHT) Blok 3517, Jalan Teknokrat 5 63000 Cyberjaya Selangor Darul Ehsan (603) 8315 7888 Tel: (603) 8312 0300 Fax: Website: www.might.org.my E-mail: [email protected] 入国管理局 IMMIGRATION DEPARTMENT Level 1 – 7(Podium) No.15, Persiaran Perdana, Precint 2 Federal Government Administrative Centre 62550 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8880 1000 Fax: (603) 8880 1200 Website: www.imi.gov.my E-mail: [email protected] 国税局 INLAND REVENUE BOARD Menara Hasil Persiaran Rimba Permai Cyber 8, 63000 Cyberjaya Selangor, Malaysia Tel: (603) 8313 8888 Fax: (603) 8313 7801 Website: www.hasil.gov.my Email: [email protected] マレーシア知的所有権公社 INTELLECTUAL PROPERTY CORPORATION OF MALAYSIA Unit 1-7, Ground Floor, Menara UOA Bangsar No.5, Jalan Bangsar Utama 1 59000 Kuala Lumpur Tel: (603) 2299 8400 Fax: (603) 2299 8989 Website: www.myipo.gov.my Email: [email protected] ラブアン金融サービス庁(ラブアン FSA) LABUAN FINANCIAL SERVICES AUTHORITY (LABUAN FSA) Level 17, Main Office Tower Financial Park Complex, Jalan Merdeka 87000 Federal Territory Labuan, Malaysia Tel: (6087) 591 200 / 591 300 Fax: (6087) 453 442 Website: www.labuanfsa.gov.my E-mail: [email protected] マレーシア・バイオテクノロジー公社 MALAYSIAN BIOTECHNOLOGY CORPORATION SDN BHD Level 23, Menara Atlan 161, Jalan Ampang 50450 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 2116 5588 Fax: (603) 2116 5577 Website: www.biotechcorp.com.my E-mail: [email protected] マレーシア政府観光局 MALAYSIA TOURISM PROMOTION BOARD 9th Floor, No. 2, Tower 1 Jalan p5/6, Precint 5 62200 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8891 8000 Fax: (603) 8891 8889 Website: www.tourism.gov.my E-mail: [email protected] マルチメディア開発公社 (MDeC) MULTIMEDIA DEVELOPMENT CORPORATION SDN BHD (MDeC) MSC Malaysia Headquarters Persiaran APEC 63000 Cyberjaya, Selangor Darul Ehsan, Malaysia Tel: (603) 8315 3000 Fax: (603) 8315 3115 Website: www.mdec.com.my E-mail: [email protected] 国家生産性公社(MPC) MALAYSIA PRODUCTIVITY CORPORATION (MPC) Lorong Produktiviti, Off Jalan Sultan 46200 Petaling Jaya, Selangor, Malaysia Tel: (603) 7955 7266 Fax: (603) 7957 8068 Website: www.mpc.gov.my E-mail: [email protected] クラン港湾庁 PORT KLANG AUTHORITY Mail Bag Service 202, Jalan Pelabuhan Utara 42005 Port Klang, Selangor, Malaysia Tel: (603) 3168 8211 Fax: (603) 3168 9117 Website: www.pka.gov.my E-mail: [email protected] 関税局 ROYAL CUSTOMS MALAYSIA Level 7 North, Ministry of Finance Complex, Precinct 2 No.3 Persiaran Perdana Federal Government Administrative Centre 62596 Putrajaya, Malaysia Tel: (603) 8882 2300/2500 Fax: (603) 8889 5901 Website: www.customs.gov.my E-Mail: [email protected] 連絡先住所 150 関連団体 証券委員会 SECURITIES COMMISSION No. 3, Persiaran Bukit Kiara, Bukit Kiara 50490 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 6204 8777 Tel: (603) 6201 5078 Fax: Website: www.sc.com.my www.min.com.my E-mail: [email protected] SME公社マレーシア SME CORPORATION MALAYSIA Level 6, SME 1 Block B Lot E, Jalan Stesen Sentral 2 Kuala Lumpur Sentral 50470 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2775 6000 Tel: Fax: (603) 2775 6001 Website: www.smecorp.gov.my E-mail: [email protected] 151 SME銀行 SME BANK Menara SME Bank Jalan Sultan Ismail P.O.Box 12352 50774 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 2615 2020/ 2828 (603) 2692 8520/ 2698 1748 Fax: Website: www.smebank.com.my E-mail: [email protected] 社会保障協会(SOCSO) SOCIAL SECURITY ORGANISATION (SOCSO) Menara Perkeso, 281 Jalan Ampang 50538 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 4257 5755/ 4264 5463 Tel: Fax: (603) 4256 7798 Website: www.perkeso.gov.my E-mail: [email protected] 電信電話公社(テレコム・マレーシア) TELEKOM MALAYSIA BERHAD Level 51, North Wing, Menara TM Off Jalan Pantai Baru 50672 Kuala Lumpur, Malaysia (603) 2240 1221 Tel: Fax: (603) 2283 2415 Website: www.tm.com.my E-mail: [email protected] 電力公社(テナガ・ナショナル) TENAGA NASIONAL BERHAD 129, Jalan Bangsar, 59200 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 2296 5566 (603) 2282 6754 Fax: Website: www.tnb.com.my E-mail: [email protected] 国際通商産業省(MITI) Ministry of International Trade & Industry (MITI) Block 10, Government Offices Complex, Jalan Duta 50622 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 6203 3022 Fax: (603) 6203 2337/ 6203 1303 Website: www.miti.gov.my E-mail: [email protected] 国際通商産業省(MITI)海外事務所 ベルギー Minister Counsellor (Economy) Mission of Malaysia to the EU Embassy of Malaysia in Belgium Avenue de Tervuren 414A 1150 Brussels Belgium (322)776 0340/762 5939 Tel: Fax: (322)771 2380 [email protected] Email: 中華人民共和国 Minister Counsellor (Economy) Embassy of Malaysia (Economic Section) No.2 Liang Ma Qiau Bei Jie Chaoyang District, 100600 Beijing People’s Republic of China (8610)6532 2533/7990 Tel: (8610)6532 3617 Fax: Email: [email protected] インド 共和国 Minister Counsellor (Economy) High Commission of Malaysia in New Delhi 50-M, Satya Marg Chanakyapuri New Delhi 110021 Republic of India Tel: (91-11) 2611 1291/ 1292/ 1293/ 1297 Fax: (91-11) 2688 1538 Email: [email protected] インドネシア Counsellor (Economics) Embassy of Malaysia (Commercial Section) Jalan H.R. Rasuna Said, Kav X6 No.1-3, Kuningan Jakarta 12950 Indonesia Tel: (6221) 522 4947/522 4962 Fax: (6221) 522 4963 Email: [email protected] 日本 マレーシア大使館 商務部 公使参事官(商務担当) 〒150-0036 東京都渋谷区南平台町20-16 (813) 3476 3844 Tel: (813) 3476 4972 Fax: E-mail: [email protected] フィリピン Counsellor (Economics) Embassy of Malaysia (Trade Office) 10-11th Floor, World Centre 330 Senator Gil Puyat Avenue Makati City, Metro Manila Philippines (632) 864 0761 to 68 Tel: (632) 891 1695 Fax: E-mail: [email protected] シンガポール Counsellor (Economics) Malaysian Trade Commission 80 Robinson Road #01-02 Singapore 068896 Tel: (0265) 6222 0126/1356/1357 Fax: (0265) 6221 5121 Email: [email protected] スイス Permanent Representative of Malaysia to the WTO International Centre Cointrin (ICC) 3rd Floor, Block C 20, Route de Pre-Bois Case Postale 1909 CH 1215, Geneva 15 Switzerland Tel: (4122) 799 4043 / 4042 Fax: (4122) 799 4041 E-mail: [email protected] タイ Counsellor (Economics) Embassy of Malaysia (Trade Office) 35, South Sathorn Road Tungmahamek, Sathorn Bangkok 10120 Thailand (662) 679 2190-9 Tel: Ext.2303/ 2304/ 2305 (662) 679 2200 Fax: E-mail: [email protected] 英国 Minister Counsellor (Economy) Malaysian Trade Commision 17 Curzon Street London W1J 5HR United Kingdom (4420) 7499 7388 Tel: Fax: (4420) 7493 3199 アメリカ合衆国 Minister Counsellor (Economy) Embassy of Malaysia 3516 International Court NW Washington DC 20008 United States of America Tel: (1202) 572 9700/10/34 Fax: (1202) 572 9782/882 E-mail: [email protected] 連絡先住所 152 マレーシア貿易開発公社(MATRADE) Malaysia External Trade Development Corporation (MATRADE) Menara MATRADE, Jalan Khidmat Usaha, Off Jalan Duta, 50480 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 6207 7077 Fax: (603) 6203 7037 Toll Free: 1800-88-7280 Website: www.matrade.gov.my E-mail: [email protected] マレーシア貿易開発公社(MATRADE)海外事務所 オーストラリア Trade Commissioner Consulate of Malaysia (Commercial Section) Level 4, Malaysia Airlines Building 16, Spring Street, Sydney NSW 2000, Australia (612) 9252 2270 Tel: (612) 9252 2285 Fax: E-mail: [email protected] アジア 東アジア 中華人民共和国 北京 Trade Commissioner Embassy of Malaysia (Trade Section) Unit E, 11th Floor, Tower B Gateway Plaza No. 18, Xiaguangli, North Road Dongsanhuan Chaoyang District, Beijing 100027 People’s Republic of China Tel: (8610) 8451 5109/ 5110/ 5113 Fax: (8610) 8451 5112 E-mail: [email protected] 成都 Director Malaysia External Trade Development Corporation (Chengdu Representative Office) Level 14, Unit 1402 – 1404 The Office Tower, Shangri-La Centre 9 Binjiang Road East, Chengdu 610021, Sichuan Province, People’s Republic of China Tel: (8628) 6687 7517 Fax: (8628) 6687 7524 E-mail: [email protected] 広州 Trade Commissioner Consulate General of Malaysia (Trade Section) Unit 5305, Citic Plaza Office Tower 233, Tianhe Bei Road, Guangzhou, 510610 Guangdong, People's Republic of China Tel: (8620) 3877 3865/ 3975 Fax: (8620) 3877 3985 E-mail: [email protected] 香港 Trade Commissioner/Consul Consulate General of Malaysia(Trade Section) 19th Floor, Malaysia Building 50 Gloucester Road, Wanchai Hong Kong Special Administrative Region Region of the People’s Republic of China Tel: (852) 2527 8109 Fax: (852) 2804 2866 E-mail: [email protected] 上海 Trade Consul Consulate General of Malaysia (Trade Section) Unit 807-809, 8th Floor Shanghai Kerry Centre, 1515, Nanjing Road West, Shanghai,200040 People’s Republic of China Tel: (8621) 6289 4420/ 4467 Fax: (8621) 6289 4381 E-mail: [email protected] 台湾 Director Malaysian Friendship & Trade Centre (Trade Section) 10F-D, Hung Kuo Building 167 Dun Hwa North Road Taipei 105, Taiwan Tel: (8862) 2545 2260 Fax: (8862) 2718 1877 E-mail: [email protected] 南アジア インド チェンナイ Trade Commissioner Consulate General of Malaysia (Trade Section) Capitale 2A, 2nd Floor, 554 & 555, Anna Salai Teynampet, Chennai-600018, India Tel: (9144) 2431 3722/ 3724 Fax: (9144) 2431 3725 E-mail: [email protected] 153 ムンバイ Consul Consulate General of Malaysia Trade Section (MATRADE) Suite 301, 3rd Floor, Naman Centre Block G Bandra Kurla Complex, Bandra (E) Mumbai 400051, India Tel: (9122) 2659 7272 / 3 Fax: (9122) 2659 7274 E-mail: [email protected] 日本 東京 マレーシア貿易開発公社 東京事務所 〒104-0061 東京都中央区銀座8-14-14 銀座昭和通りビル6階 (03) 3544 0712 / 0713 Tel: Fax: (03) 3544 0714 E-mail: [email protected] 大阪 マレーシア貿易開発公社 大阪事務所 〒530-0001 大阪市北区梅田3-4-5 毎日インテシオ18階 Tel: (06) 6451 6520 Fax: (06) 6451 6521 E-mail: [email protected] 大韓民国 Trade Commissioner Embassy of Malaysia (Trade & Investment Section) 17th Floor, SC Bank Korea Limited 47, Chongro, Chongro-gu Seoul 110-702, Republic of Korea Tel: (822) 739 6813/ 6814/ 6812 Fax: (822) 739 6815 E-mail: [email protected] 東南アジア カンボジア Marketing Officer Malaysia External Trade Development Corporation (MATRADE) No. 222, Preah Norodom Boulevard Sangkat Tonle Bassac Khan Chamkarmorn, Phnom Penh, Cambodia (855) 2372 1224 Tel: Fax: (855) 2372 1225 E-mail: [email protected] インドネシア Trade Commissioner Embassy of Malaysia (Trade Section) 12th Floor, Plaza Mutiara Jln. Lingkar Kuningan Kav E.1.2. No1 & 2, Kawasan Mega Kuningan Jakarta 12950, Indonesia Tel: (6221) 576 4297/ 4322 Fax: (6221) 576 4321 E-mail: [email protected] フィリピン Marketing Officer Embassy of Malaysia Trade Office (MATRADE) Level 4/F, Hanjin Phil Building 1128, University Parkway North Bonifacio, Global City 1634 Taguig, Philippines (632) 556 8645/ 8646/ 8647 Tel: (632) 401 6387 Fax: E-mail: [email protected] シンガポール Director Malaysia External Trade Development Corporation #33-01/03, Shaw Towers 100, Beach Road, 189702 Singapore Tel: (0265) 6392 2238 Fax: (0265) 6392 2239 E-mail: [email protected] ベトナム ホーチミン・シティー Trade Commissioner Consulate General of Malaysia (Trade Section) 1206-1207, 12th FIoor, Me Linh Point Tower 2, Ngo Duc Ke Street, District 1 Ho Chi Minh City, Vietnam (848) 3822 1468 Tel: (848) 3823 1882 Fax: E-mail: [email protected] ハノイ Marketing Officer Embassy of Malaysia Trade Office (MATRADE) 45-46 Dien Bien Phu Street Ba Dinh District, Hanoi, Vietnam Tel: (844) 3734 7521 (844) 3734 7520 Fax: E-mail: [email protected] タイ Marketing Officer Embassy of Malaysia (Trade Section) No. 3601, Level 36, Q House Lumpini Building South Sathorn Road Tungmahamek, Sathorn Bangkok 10120, Thailand Tel: (662) 677 7392 Fax: (662) 677 7390 E-mail: [email protected] 西アジア サウジアラビア Trade Commissioner Consulate General of Malaysia (Commercial Section) 14th Floor, Saudi Business Centre Madina Road P.O.Box 20802 Jeddah 21465 Saudi Arabia Tel: (9662) 653 2143/ 98 Fax: (9662) 653 0274 E-mail: [email protected] アラブ首長国連邦 Consul General / Trade Commissioner Consulate General of Malaysia Malaysia Trade Centre Lot 1-3 Ground Floor & 6-10 Mezzanine Floors Al-Safeena Building Near Lamcy Plaza Zaabeel Road P.O.Box 4598, Dubai United Arab Emirates Tel: (9714) 335 5528/38 Fax: (9714) 335 2220 E-mail: [email protected] ヨーロッパ フランス Trade Commissioner Service Commercial De Malaisie De L’ Ambassade De Malaisie 90, Avenue Des Champs Elysees 75008 Paris France Tel: (331) 4076 0000/0034 Fax: (331) 4076 0001 E-mail: [email protected] ドイツ Trade Commissioner / Consul Consulate of Malaysia (Trade Section) (MATRADE) Kastor-Hochhaus (Commerzbank) 17th Floor, Platz der Einheit 1 60327 Frankfurt am Main Germany Tel: 49 (0) 69 247 5015 - 10 Fax: 49 (0) 69 247 5015 - 20 E-mail: [email protected] ハンガリー Trade Commissioner Embassy of Malaysia (Trade Section) Trade Office (MATRADE) Pasareti ut 29 1026 Budapest, Hungary Tel: (361) 488 0810 Fax: (361) 488 0290 E-mail: [email protected] オランダ Trade Commissioner Embassy of Malaysia (Commercial Section) Rustenburgweg 2 2517 KE The Hague The Netherlands Tel: (3110) 462 7759 Fax: (3110) 462 7349 E-mail: [email protected] イタリア Consul and Trade Commissioner Consulate of Malaysia (Commercial Service) Piazza Missori 3, 4th Floor 20123 Milan Italy Tel: (3902) 669 81839 Fax: (3902) 670 2872 E-mail: [email protected] トルコ Director Istanbul Representative Office Buyukdere Cad. Yapi Kredi Plaza C Block Floor 17, No 40-41 34330 Levent Istanbul Turkey Tel: (90) 212 317 4714 Fax: (90) 212 317 4701 Email: [email protected] ロシア Embassy of Malaysia (Trade Section) 2nd Floor, R01-209 Dobrynya Business Centre #8, 4th Dobryninskiy per. 119409 Moscow, Russian Federation Tel: (7495) 933 5626 Fax: (7495) 933 5636 E-mail: [email protected] 連絡先住所 154 ヨーロッパ ウクライナ Marketing Officer Trade Office (MATRADE) Embassy of Malaysia No. 25 Bulivska Street Perchersk, Kiev 01014 Ukraine (38044) 286 7128 Tel: (38044) 286 8942 Fax: Email: [email protected] 英国 Trade Commissioner Malaysian Trade Commission (Commercial Section) 3rd & 4th Floor, 17 Curzon Street London W1J 5HR United Kingdom (4420) 7499 5255/4644 Tel: (4420) 7499 4597 Fax: E-mail: [email protected] ウズベキスタン Marketing Officer Trade Office (MATRADE) Embassy of Malaysia 28, Maryam Yakubova Street, Yakkasaray District 100 031 Tashkent, Republic of Uzbekistan (99871) 256 67 07 Tel: (99871) 256 69 09 Fax: [email protected] Email: アメリカ合衆国・マイアミ Director Malaysia Trade Centre 703 Waterford Way, Suite 150 Miami, Florida 33126 United States of America Tel: (1305) 267 8779 (1305) 267 8784 Fax: E-mail: [email protected] アメリカ合衆国・ニューヨーク Trade Commissioner Consulate General of Malaysia (Commercial Section) 3rd Floor, 313 East, 43rd Street New York, NY 10017 United States of America Tel: (1212) 682 0232 (1212) 983 1987 Fax: E-mail: [email protected] チリ Trade Commissioner Oficina Commercial de Malasia Embajada De Malasia Avda Tajamar 183 Oficina 302, Las Condes Santiago, Chile Tel: (562) 234 2647 Fax: (562) 234 2652 E-mail: [email protected] メキシコ Trade Commissioner Embassy of Malaysia, Mexico City Paseo de Las Palmas # 425 Torre Optima 3, Office 1101 & 1102 Col. Lomas de Chapultepec Del. Miguel Hidalgo, C.P.11000 Mexico D.F. Tel: +5255 5201 4540 Fax: +5255 5202 7338 E-mail: [email protected] ケニア Trade Commissioner Malaysian Trade Commission Block 91/404, Gigiri Groove, Gigiri P.O. Box 42286 00200, Nairobi Kenya Tel: (25420) 7120915 Fax: (25420) 7120916 E-mail: [email protected] 南アフリカ Trade Commissioner Malaysia Trade Centre Ground Floor, Building 5 Commerce Square Office Park 39, Rivonia Road, Sandhurst Sandton, Johannesburg South Africa Tel: (2711) 268 2380/ 2381 Fax: (2711) 268 2382 E-mail: [email protected] 北アメリカ カナダ Trade Commissioner Consulate of Malaysia (Trade Office) First Canadian Place Suite 3700, 100 King Street West Toronto, Ontario M5X 1E2, Canada (1416) 504 6111 Tel: (1416) 504 8315 Fax: E-mail: [email protected] アメリカ合衆国・ロサンゼルス Trade Commissioner Consulate General of Malaysia (Commercial Section) 550 South Hope Street, Suite 400 Los Angeles, CA 90071 United States of America (1213) 892 9034 Tel: Fax: (1213) 955 9142 E-mail: [email protected] 南アメリカ‐ラテンアメリカ アルゼンチン Embassy of Malaysia Trade Office (MATRADE) Villanueva 1040 C1426BMD Buenos Aires Republic of Argentina Tel: (54) 11 4776 0504 (54) 11 4776 2553 (54) 11 4777 8420 Fax: (54) 11 4776 0604 E-mail: [email protected] ブラジル Trade Commissioner Embassy of Malaysia (Commercial Section) 771, Alameda Santos, Suite 72 7th Floor, 01419-001, Sao Paulo Brazil Tel: (5511) 3285 2966 Fax: (5511) 3289 1595 E-mail: [email protected] アフリカ エジプト・カイロ Trade Commissioner Embassy of Malaysia (Commercial Section) 17th Floor, North Tower Nile City Building Cornish El-Nil Street Cairo, Egypt Tel: (202) 2461 9063/ 9064 Fax: (202) 2461 9065 E-mail: [email protected] 155 マレーシア貿易開発公社(MATRADE)国内事務所 ジョホール州 Director Matrade Southern Regional Office Suite 6B, Tingkat 6 Menara Ansar, 65 Jln Trus 80000 Johor Bahru, Johor Tel: (607) 222 9400 (607) 222 9500 Faks: [email protected] Email: ペナン州 Director Matrade Northern Regional Office 1st Floor, FMM Building 2767, Mukim 1, Lebuh Tenggiri 2 Bandar Seberang Jaya 13700 Seberang Perai Tengah Pulau Pinang, Malaysia Tel: (604) 398 2020 (604) 398 2288 Fax: E-mail: [email protected] トレンガヌ州 Director Matrade Eastern Regional Office Tingkat 5, Menara Yayasan Islam Terengganu Jalan Sultan Omar 20300 Kuala Terengganu Terengganu (609) 624 4778 Tel: (609) 624 0778 Faks Email [email protected] サラワク州 Director Matrade Sarawak Office Tingkat 10, Menara Grand Lot 42, Section 46, Ban Hock Road 93100 Kuching Sarawak, Malaysia (6082) 246 780 /248 780 Tel: Fax: (6082) 256 780 E-mail: [email protected] サバ州 Director Matrade Sabah Office Lot C5.2A, Tingkat 5, Block C Bangunan KWSP Jalan Karamunsing 88100 Kota Kinabalu Sabah, Malaysia (6088) 240 881/ 242 881 Tel: Fax: (6088) 243 881 E-mail: [email protected] 連絡先住所 156 マレーシア投資開発庁(MIDA) Malaysian Investment Development Authority MIDA Sentral, No.5, Jalan Stesen Sentral 5, Kuala Lumpur Sentral, 50470 Kuala Lumpur, Malaysia Tel: (603) 2267 3633 Fax: (603) 2274 7970 Website: www.mida.gov.my E-mail: [email protected] マレーシア投資開発庁(MIDA)国内事務所 ケダ州・ペルリス州 Director Malaysian Investment Development Authority Level 4, East Wing No. 88, Menara Bina Darulaman Berhad Lebuhraya Darulaman 05100 Alor Setar Kedah, Malaysia (604) 731 3978 Tel: (604) 731 2439 Fax: Email: [email protected] ペナン州 Director Malaysian Investment Development Authority 4.03 4th Floor, Menara Boustead Penang 39 Jalan Sultan Ahmad Shah 10050 Pulau Pinang, Malaysia Tel: (604) 228 0575 (604) 228 0327 Fax: E-mail: [email protected] ペラ州 Director Malaysian Investment Development Authority 4th Floor, Perak Techno Trade Centre (PTTC) Bandar Meru Raya Off Jalan Jelapang P.O. Box 210 30720 Ipoh Perak, Malaysia Tel: (605) 5269 962 / 961 Fax: (605) 5279 960 E-mail: [email protected] マラッカ州 Director Malaysian Investment Development Authority 3rd Floor, Menara MITC Kompleks MITC Jalan Konvensyen 75450 Ayer Keroh Melaka, Malaysia Tel: (606) 232 2877 Fax: (606) 232 2875 E-mail: [email protected] 157 ネグリセンビラン州 Director Malaysian Investment Development Authority Suite 13.01 & 13.02 13th Floor Menara MAA 70200 Seremban Negeri Sembilan, Malaysia Tel: (606) 762 7921/7884 (606)-762 7879 Fax: E-mail: [email protected] セランゴール州 Director Malaysian Investment Development Authority 22nd Floor, Wisma MBSA Persiaran Perbandaran 40000 Shah Alam Selangor, Malaysia Tel: (603) 5518 4260 (603) 5513 5392 Fax: E-mail: [email protected] ジョホール州 Director Malaysian Investment Development Authority Lot 5, Tingkat 13, Menara Tabung Haji Jalan Ayer Molek 80000 Johor Bahru Johor, Malaysia トレンガヌ州 Director Malaysian Investment Development Authority 5th Floor, Menara Yayasan Islam Terengganu Jalan Sultan Omar 20300 Kuala Terengganu Terengganu, Malaysia Tel: (609) 622 7200 (609) 623 2260 Fax: E-mail: [email protected] Tel: Fax: E-mail: (607) 224 2550/ 5500 (607) 224 2360 [email protected] パハン州 Director Malaysian Investment Development Authority Suite 3, 11th Floor Kompleks Teruntum P.O.Box 178, 25720 Kuantan Pahang, Malaysia Tel: (609) 513 7334 Fax: (609) 513 7333 E-mail: [email protected] クランタン州 Director Malaysian Investment Development Authority Aras 5-C, Menara Pejabat Kelantan Trade Centre Jalan Bayam 15200 Kota Bharu Kelantan, Malaysia Tel: (609) 748 3151 Fax: (609) 744 7294 E-mail: [email protected] サバ州 Director Malaysian Investment Development Authority Lot D9.4 & D9.5, Tingkat 9 Block D, Bangunan KWSP Karamunsing 88100 Kota Kinabalu Sabah, Malaysia Tel: (6088) 211 411 Fax: (6088) 211 412 Email: [email protected] サラワク州 Director Malaysian Investment Development Authority Room 404, 4th Floor, Bangunan Bank Negara No.147, Jalan Satok, P.O.Box 716 93714 Kuching Sarawak, Malaysia Tel: (6082) 254 251/237 484 Fax: (6082) 252 375 E-mail: [email protected] マレーシア投資開発庁(MIDA)海外事務所 アジア・太平洋 シンガポール Director / Consul Investment Malaysian Investment Development Authority High Commission of Malaysia No.7, Temasek Boulevard 26-01, Suntec Tower One Singapore 038987 Tel: (65) 6835 9326/ 9580/7069 (65) 6835 7926 Fax: E-mail: [email protected] タイ Director/ Consul Investment Malaysian Investment Development Authority 3601, 36th Floor, Q House Lumpini Building South Sathorn Road, Tungmahamek, Sathorn Bangkok 10120, Thailand (66) 2677 7487 Tel: Fax: (66) 2677 7488 [email protected] Email: オーストラリア Director / Consul Investment Consulate of Malaysia Malaysian Investment Development Authority Level 6, MAS Building 16 Spring Street Sydney NSW 2000, Australia Tel: (612) 9251 1933 (612) 9251 4333 Fax: E-mail: [email protected] 中国人民共和国 上海 Consul (Investment) Consulate General of Malaysia (Investment Section) Unit 807-809, Level 8, Shanghai Kerry Centre, No.1515, Nanjing Road (West) Shanghai 200040 People’s Republic of China Tel: (8621) 6289 4547/ (8621) 5298 6335 Fax: (8621) 6279 4009 E-mail: [email protected] 広州 Director Malaysian Investment Development Authority Unit 1804B-05 CITIC Plaza Office Tower 233 Tianhe Be Road, Guangzhou, 510610, People’s Republic of China Tel: (8620) 8752 0739 Fax: (8620) 8752 0753 E-mail: [email protected] 日本 東京 マレーシア投資開発庁 東京事務所 〒105-6032 東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー32階 Tel: (03) 5777 8808 Fax: (03) 5777 8809 E-mail: [email protected] Website: www.midajapan.or.jp 大阪 マレーシア投資開発庁 大阪事務所 〒530-0001 大阪市北区梅田3-4-5 毎日インテシオ18階 (06) 6451 6661 Tel: (06) 6451 6626 Fax: E-mail: [email protected] 大韓民国 Counsellor (Investment) Embassy of Malaysia (Investment Section) 17th Floor, SC First Bank Building 100, Gongpyung-dong Jongro-gu Seoul 110-702 Republic of Korea Tel: (822) 733 6130 / 6131 (822) 733 6132 Fax: E-mail: [email protected] 台湾 Director (Investment Section) Malaysian Friendship & Trade Centre Malaysian Investment Development Authority 12F, Suite A, Hung Kuo Building 167, Tun Hua North Road,Taipei 105 Taiwan (8862) 2713 5020 / 2718 6094 Tel: Fax: (8862) 2514 7581 E-mail: [email protected] インド共和国 Director / Consul Investment Malaysian Investment Development Authority Consulate General of Malaysia (Investment Section) 81 & 87, 8th Floor, 3rd North Avenue Maker Maxity Bandra Kurla Complex, Bandra (E) Mumbai 400051, India Tel: (9122) 2659 1155 / 1156 Fax: (9122) 2659 1154 E-mail: [email protected] アラブ首長国連邦 Director / Consul Investment Malaysian Investment Development Authority Consulate General of Malaysia (Investment Section) Malaysia Trade Centre Unit 2204-2206, 22nd Floor Tower A, Business Central Tower Dubai Media City (P.O. Box 502876) Dubai, United Arab Emirates Tel: (971 4) 4343 696 / 4343 697 Fax: (971 4) 4343 698 E-mail: [email protected] ヨーロッパ フランス Director Malaysian Investment Development Authority 42, Avenue Kleber 75116 Paris, France Tel: (331) 4727 3689 / 6696 Fax: (331) 4755 6375 E-mail: [email protected] ドイツ フランクフルト Director / Consul Investment Malaysian Investment Development Authority Consulate General of Malaysia (Investment Section) 17th Floor, Frankfurt Kastor, Platz der Einheit 1 60327 Frankfurt am Main, Germany Tel: (4969) 7680 7080 (4969) 7680 708-20 Fax: E-mail: [email protected] ミュンヘン Director Malaysian Investment Development Authority 6th Floor, Bürkleinhaus Bürkleinstrasse 10 80538 Munich, Germany (4989) 2030 0430 Tel: Fax: (4989) 2030 0431/5 E-mail: [email protected] イタリア Consul (Investment) Consulate of Malaysia (Investment Section) 5th Floor, Piazza Missori, 3 20123 Milan (MI), Italy Tel: (3902) 3046 5221 (3902) 3046 5242 Fax: E-mail: [email protected] スウェーデン Economic Counsellor Embassy of Malaysia Karlavaegen 37 P.O. Box 26053 S-10041 Stockholm, Sweden Tel: (468) 791 7942 Fax: (468) 791 8761 E-mail: [email protected] 英国 Director Malaysian Investment Development Authority 17 Curzon Street London W1J 5HR United Kingdom Tel: (4420) 7493 0616 Fax: (4420) 7493 8804 E-mail: [email protected] 北アメリカ ロサンゼルス Consul (Investment) Consulate General of Malaysia (Investment Section) 550, South Hope Street, Suite 400 Los Angeles, California 90071 United States of America Tel: (1213) 955 9183/9877 Fax: (1213) 955 9878 E-mail: [email protected] サンノゼ Director Malaysian Investment Development Authority 226, Airport Parkway, Suite 480 San Jose, California 95110 United States of America Tel: (1408) 392 0617/8 Fax: (1408) 392 0619 E-mail: [email protected] 連絡先住所 158 マレーシア投資開発庁(MIDA)海外事務所 シカゴ Director Malaysian Investment Development Authority John Hancock Centre, Suite 1515 875, North Michigan Avenue Chicago, Illinois 60611 United States of America Tel: (1312) 787 4532 (1312) 787 4769 Fax: E-mail: [email protected] ニューヨーク Consul (Investment) Consulate General of Malaysia (Investment Section) 313 East, 43rd Street New York, New York 10017 United States of America Tel: (1212) 687 2491 (1212) 490 8450 Fax: E-mail: [email protected] 159 ボストン Director Malaysian Investment Development Authority One International Place, Floor 8 Boston, Massachusetts 02110 United States of America (1617) 338 1128/ 338 1129 Tel: Fax: (1617) 338 6667 E-mail: [email protected] ヒューストン Director Malaysian Investment Development Authority 6th Floor, Suite 630 Lakes on Post Oak 3050 Post Oak Boulevard Houston, TX 77056 United States of America Tel: (1713) 979 5170 (1713) 979 5177 / 78 Fax: Email: [email protected] アフリカ ヨハネスブルグ Economic Counsellor High Commission of Malaysia Ground Floor, Building 5 Commerce Square Office Park 39 Rivonia Road, Sandhurst, Sandton Johannesburg, RSA P.O. Box 2894, Parklands 2121 Johannesburg, South Africa (2711) 268 2307 / 268 2314 Tel: Fax: (2711) 268 2204 E-mail: [email protected] 連絡先住所 160 161 付属資料 I 奨励事業および奨励製品リスト ‐ 一般 パイオニア・ステータスと 投資税額控除の対象となる 奨励事業および奨励製品リスト (1986年投資促進法に基づく) 発行:2012年4月改定 このリストは発行時現在有効なものです。 最新リストは幣庁ホームページ(www.mida.gov.my)をご覧ください。 I. 農業生産 V. 1. 花卉栽培 II. 農産物品の加工 1. チョコレート、チョコレート菓 子 2. 野菜、芋類、根菜、果物 3. 畜産品 4. 農業廃棄物、農業副産物 5. 水産物 6. 水産養殖用飼料 7. 製薬用、香料用、化粧品用、食 品用の植物抽出物や精油 8. 補助食品 9. 添加物、香料、着色料、機能的 原料 III. ゴム製品の製造 1. 土工機械、農業用車両、工業用 車両、商業用車両、オートバイ、 航空機向けのタイヤ 2. ラテックス製品: a) 安全用手袋、特別機能手袋 3. 乾燥ゴム製品 a) ベルト材料 b) ホース、パイプ、チューブ c) ゴム・プロファイル d) シール、ガスケット、ワッ シャー、パッキン、リング、 ゴム裏張り材 e) 防振・防湿・防音製品 IV. パーム油製品その派生物 の製造 1. オレオケミカル、オレオケミカ ル派生物や製剤 2. パーム油栄養補助食品、パーム 油またはパーム核油の成分要素 3. パーム油食品や成分 a) 特殊動物油代替品 b) パーム主成分のマヨネーズ とサラダ・ドレッシング c) ミルクまたはココナッツ ・パウダーの代用品 d) レッド・パーム油とその関 連製品 e) パーム食品成分 f) 改良(インター・エステル化) パーム油とパーム核油製品 g) マーガリン、バナスパチ、 ショートニング、その他加 工油脂製品 h) ココア・バター代替品、コ コア・バター代用品、ココ ア・バター同等品、パーム 油中間製品、特殊オレイン 4. 下記の加工製品: a) パーム核油糟 b) パーム油工場廃液 c) パーム・バイオマス 化学品・石油化学品の製 造 1. 有機または無機素材からの、化 学派生物または調合品 2. 石油化学製品 VI. 医薬品・医薬関連製品の 製造 1. 医薬品または生物医薬品 2. 栄養補助食品 3. 微生物やプロバイオティクス VII. 木材製品の製造 1. 木製家具の設計、開発、生産 2. 合板を除く加工木材製品 VIII. パルプ・紙・板紙の製造 1. 段ボール中紙、テストライナー、 クラフトライナー、またはクラ フト紙や板紙 IX. ケナフ製品の製造 1. 飼料、ケナフ片、ケナフ繊維、 再生パネルボード、再生製品 (パーティクルボード、中執繊 維版など)、成形製品などのケ ナフ製品 X. 繊維・繊維製品の製造 1. 2. 3. 4. 5. 6. 天然または合成繊維 天然または合成繊維の紡績糸 織物布地 編物布地 不織布 漂白生地、染色生地、印刷生地 の完成品 7. 特殊衣服 8. 技術的または機能的繊維や繊維 製品 XI. 粘土製品・砂製品・その 他非金属鉱物製品の製造 1. 高アルミナおよび塩基性耐火レ ンガ 2. 実験用品、化学用品、産業用品 3. 人工ダイヤモンド 4. レンガ、タイル、厚板、ペレッ ト、舗装レンガ、角材などの、 結晶ガラス品や成型ガラス品 5. 吸水性の粘土材料 6. 大理石、花崗岩製品 7. セメント、石膏、その他鉱物製 結合剤で固められた、天然繊維 や合成繊維のパネル、ボード、 タイル、ブロック、その他類似 製品 XII. 鉄鋼の製造 1. スチールの鋼片やスラブ 2. 高さ200ミリ以上の形鋼 3. スチール製のプレート、シート、 コイル、フープ、ストリップ: a) 熱間圧延 b) 冷間圧延または冷間薄板 4. シームレス・スチール・パイプ 5. フェロマンガン、シリコン・マ ンガン、フェロシリコン 6. コイル状の電解亜鉛メッキ・ス チール・シート XIII. 非鉄金属・非鉄金属製品 の製造 1. 金属錫以外の非鉄金属の一次イ ンゴット、ビレット、スラブ 2. EC銅棒を除く非鉄金属製の棒、 ロッド、形鋼 3. 非鉄金属製のプレート、シート、 コイル、フープ、ストリップ 4. 非鉄金属製のパイプ、チューブ 5. アルミニウム複合パネル XIV. 機械・機械コンポーネン トの製造 1. 特定の産業向けの特殊機械また は機器 2. 発電機械または機器 3. 一般産業向け機械または機器 4. 機械または機器のモジュールや産 業用部品またはコンポーネント 5. 金属加工向け機械または機器 6. 重機を含む械機や機器の、改良 またはリコンディショニング XV. サポーティング製品とサ ービス 1. 2. 3. 4. 5. 金属鋳造 金属鍛造 表面加工 機械加工、治具、固定具 モールド金型、治工具、プレス 金型 6. 熱処理 付属資料Ⅰ XVI. 電気電子製品・コンポー ネント・部品の製造と関 連サービス 1. 半導体: a) ウェーハー・ファブリケ- ション b) 半導体の組み立て c) 半導体のコンポーネントや 部品: i) 高度回路基板 ii) ソーラー材料 iii) 接着パッド d) 半導体用具 i) ウェーハー運搬装置 ii) 集積回路(IC)運搬装置 iii) フォトマスクとマスク ブランクス e) 半導体関連サービス i) ダイまたはウェーハー ・レベル・プリパレー ション ii) 集積回路 (IC) 検査 iii) ウェーハーの精密分析 または仕訳 iv) ウェーハーのバンピング 2. 高度ディスプレイ製品と部品 a) 高度ディスプレイ製品 b) 高度ディスプレイ・モジュ ール c) バックライト・システム 3. 情報通信技術 (ICT) 製品、シス テム、または装置 a) デジタル・コンバージェン ス製品または装置 b) データ保存システムまたは 装置 4. デジタル・エンターテイメント またはインフォテイメント製品 a) デジタル TV b) デジタル・ホームシアター ・システムまたは関連製品 c) デジタル・オーディオまた はビデオ、映像録画機また はプレーヤー 5. オプトエレクトロニクス機器、 システム、装置、またはコンポ ーネント a) フォトニクス装置またはコ ンポーネント b) オプトエレクトロニクス機 器またはシステム、装置、 コンポーネント c) 光ファイバー、光ファイバ ー製品 6. 電子トラッキングまたはセキュ リティ・システムまたは装置 a) ボイス/パターン/ビジョン 認識装置または合成装置、 システム、または装置 b) 電子ナビゲーションやトラ ッキング機器、システム、 または装置 c) 無線自動識別 (RFID) シス テムまたは装置 7. 電子コンポーネント a) 多層フレキシブル・プリン ト配線基板 b) 高度コネクタ 8. 代替エネルギー機器、製品、シ ステム、装置、またはコンポー ネント a) 太陽電池、モジュール、シ ステム b) 充電式バッテリーまたは保 存システム c) 燃料電池 9. 省エネ照明 10. 電気製品: a) 無停電電源供給 b) インバータまたはコンバータ XVII.専門家用・医療用・科学 用・計測用の装置/部品 の製造 XXI. ホテル業・観光業 1. 中低料金のホテルの建設(3つ 星ホテルまで) 2. 4つ星や5つ星ホテルの建設 3. 既存ホテルの拡張または近代化 4. 観光プロジェクトの設立 5. 観光プロジェクトの拡張/近代化 6. レクリエーション・キャンプ場 の設立 7. コンベンションセンターの設立 XXII.その他 1. 2. 3. 4. スポーツ用品または器具 貴金属ジュエリー コスチューム・ジュエリー 生物分解可能な使い捨てパッケ ージおよび家庭用品 1. 医療用、外科用、歯科用、獣医 用の装置/機器と関連部品/コン ポーネント/付属品 2. 検査用/計測用/実験用の機器ま たは装置 XVIII.プラスチック製品の製造 1. 特殊プラスチック・フィルム/ シート 2. ジオシステム製品 3. エンジニアリング・プラスチッ ク製品 4. クリーン・ルームで成形された 製品 5. バイオポリマーまたは関連製品 XIX. 保護具と保護装置 1. コーティングされた、または編 まれた安全手袋 2. 先端的弾道保護ガラス 3. 落下保護装置 XX. 製造関連サービス 1. 統合的ロジスティック・サービ ス 2. 食品向けコールド・チェーン施 設とサービス 3. ガスと放射線滅菌サービス 4. 環境マネージメント: a) 下記の廃棄物リサイクル: i) 有害・無害廃棄物 ii) 化学薬品 iii) 再生ゴム 5. 工業デザイン・サービス 付属資料Ⅰ 付属資料Ⅱ 奨励事業リスト ‐ ハイテク企業 パイオニア・ステータスと 投資税額控除の対象となる ハイテク企業向け 奨励事業と奨励製品リスト (1986年投資促進法に基づく) 発行:2012年4月改定 このリストは発行時現在有効なものです。 最新リストは幣庁ホームページ(www.mida.gov.my)をご覧ください。 I. 高度エレクトロニクスやコンピュータ関係の、設計、開発、製造 1. 下記の設計、開発、製造: a) b) c) d) e) f) g) h) i) j) k) l) 高密度のモジュール、システム 高度ディスプレイ 高度半導体装置 高度コネクタ データ記憶装置、システム 高度回路基板 情報通信製品、システム、装置 デジタル・エンターテイメントまたはインフォテイメント製品 オプトエレクトロニクス機器、システム、装置 電子セキュリティーや監視システムや装置 電子機械、機器、システム、装置 高度エレクトロニクス・コンポーネント II. 専門家用・医療用・科学用・計測用の装置/部品 1. 下記の設計、開発、製造: a) 医療用機器、部品、コンポーネント b) 医療用インプラント、医療装置、部品、コンポーネント c) 検査用/計測用/実験用の機器または装置 III. バイオテクノロジー 1. 下記の設計、開発、製造: a) 製薬 b) 精密化学品 c) 生物学的診断 IV. 新素材 1. 下記の開発と製造: a) ポリマー、バイオポリマー b) ファイン・セラミックス、アドバンスト・セラミックス c) 高張力複合材 2. ナノ粒子とその生成製法 V. 代替エネルギー技術 1. 代替エネルギー分野で使用される製品、機器、システム、装置、コンポーネント の設計、開発、製造 VI. 鉄鋼 1. 2.0ミリ以下の微細な線バネ 付属資料Ⅱ 付属資料Ⅲ 奨励事業および奨励製品リスト ‐ 小規模企業 パイオニア・ステータスと 投資税額控除の対象となる 小規模企業向け 奨励事業と奨励製品リスト (1986年投資促進法に基づく) 発行:2012年4月改定 このリストは発行時現在有効なものです。 最新リストは幣庁ホームページ(www.mida.gov.my)をご覧ください。 I. 農業活動 1. 水産養殖 2. 養蜂 II. 農産物加工 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. III. コーヒー 茶 果物 野菜 ハーブ、スパイス ココア、ココア製品 コプラと未精製ココナッツ油を 除くココナッツ製品 スターチ、スターチ製品 シリアル製品 砂糖、菓子類 植物抽出物 水産物 家畜飼料用原料 農業廃棄物、副産物 林業製品 1. 籐製品(竿、皮、裂片を除く) 2. 竹製品 3. その他の林業製品 IV. ゴム製品の製造 1. 成型ゴム製品 2. 押出成型ゴム製品 3. 一般ゴム製品 V. パーム油製品・その派生 物の製造 1. パーム油の加工品 2. パーム・バイオマス/パーム廃 棄物/副産物からの加工品製品 VI. 化学品・医薬品の製造 1. 顔料製剤、顔料分散、特殊コー ティング 2. 乾燥剤 3. バイオ樹脂(バイオ・ポリマー) 4. インクジェット・インク VII. 木材・木材製品の製造 1. 装飾合板(普通のベニヤ板を除 く) 2. 木製モールディング 3. 建設用大工事具、建具類 4. 木材廃棄物利用製品(活性炭、 練炭、木毛) 5. 木製家庭用品、木製事務用品 VIII. 紙・紙板の製造 1. パルプ・モールド製品 IX. 繊維・繊維製品の製造 1. バティック、ソンケット、プア 2. 繊維産業用アクセサリー X. 粘土製品・砂製品・その 他非金属鉱物製品の製造 1. セラミック製またはガラス製の 美術品、飾り、装飾用の品 2. グラインディング、ポリッシィ ング、シャープニングのための 研磨材 XVII.ゲーム・付属品の製造 1. ゲーム、付属品 XVIII.土産物の製造 1. 土産物、贈答品、装飾品 XIX. プラスチック製品の製造 1. 装飾パネルと装飾品 2. エポキシ・カプセル成形材料 XI. 鉄鋼製品・非鉄金属・非 鉄金属製品の製造 1. ワイヤー、ワイヤー製品 2. 加工製品 XII. サポーティング製品およ びサービス 1. 金属プレス加工 2. 工業用シール、シール原料 XIII. 輸送機器・コンポーネン ト・部品・アクセサリー の製造 1. 輸送機器コンポーネント、部品、 アクセサリー XIV. 機械・装置の部品・コン ポーネントの製造 1. 機械・装置の部品およびコンポ ーネント XV. 電気電子製品・コンポー ネント・部品の製造 1. 民生用電気製品、部品、コンポ ーネント 2. 民生用電子製品、部品、コンポ ーネント 3. 産業用電気製品、部品、コンポ ーネント 4. 産業用電子製品、部品、コンポ ーネント XVI. 家具・家具部品およびコ ンポーネントの製造 1. 家具、家具部品、コンポーネン ト 付属資料Ⅲ 付属資料 iV 奨励事業および奨励製品リスト ‐ 特定産業 パイオニア・ステータスと 投資税額控除の対象となる 特定産業向け 奨励事業と奨励製品リスト (1986年投資促進法に基づく) 発行:2012年4月改定 このリストは発行時現在有効なものです。 最新リストは幣庁ホームページ(www.mida.gov.my)をご覧ください。 I. 機械機器 1. 2. 3. 4. 工作機械 資材運搬機器 ロボットや工場自動化機器 工作機械、資材運搬機器、ロボ ットや工場自動化機器のモジュ ールやコンポーネント II. 特殊機械機器 1. 特定産業向け特殊加工機械また は機器 2. パッケージング機械 3. 特定産業やパッケージング機械 向けの、特殊加工機械または機 器のモジュールやコンポーネン ト III. パーム油バイオマス 1. 付加価値製品の製造におけるパ ーム油バイオマスの活用 IV. 再生可能エネルギー 1. 再生可能エネルギー発電 V. エネルギー保存 1. エネルギー保存 付属資料 Ⅳ 付属資料 V 奨励事業および奨励製品リスト ‐ 再投資 再投資向け 奨励事業と奨励製品リスト (1986年投資促進法に基づく) 発行:2012年4月改定 このリストは発行時現在有効なものです。 最新リストは幣庁ホームページ(www.mida.gov.my)をご覧ください。 I. 資源産業 1. a) ゴム b) パーム油 c) 木材 II. 食品加工 1. 食品加工事業 III. 研究開発 1. 研究開発事業 IV. ホテル事業と観光産業 1. ホテル事業と観光事業 V. VI. コールドチェーン設備と サービス 1. 生鮮農業製品(果物、野菜、花 卉、シダ植物、食肉、海鮮製 品)のコールドチェーン設備と サービスの提供 パーム油バイオマス 1. 付加価値製品の製造における、 パーム油バイオマスの活用 付属資料Ⅴ 発行 : Malaysian Investment Development Authority MIDA Sentral No.5, Jalan Stesen Sentral 5 Kuala Lumpur Sentral 50470 Kuala Lumpur Malaysia Tel: Fax: (603) 2267 3633 (603) 2274 7970 Website: www.mida.gov.my E-mail: [email protected] Japanese
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